(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-97824(P2017-97824A)
(43)【公開日】2017年6月1日
(54)【発明の名称】導電パターン読取装置、方法及び当該装置を用いたインタラクティブプラットフォーム
(51)【国際特許分類】
G06K 7/08 20060101AFI20170428BHJP
B42D 1/00 20060101ALI20170428BHJP
A63H 5/00 20060101ALI20170428BHJP
【FI】
G06K7/08
B42D1/00 F
A63H5/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-21231(P2016-21231)
(22)【出願日】2016年2月5日
(31)【優先権主張番号】201510799446.X
(32)【優先日】2015年11月18日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】516040084
【氏名又は名称】利奥紙袋(1982)有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】516039952
【氏名又は名称】鶴山雅図仕印刷有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】林 ▲暉▼▲てい▼
(72)【発明者】
【氏名】楊 年康
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BC02
2C150CA02
2C150DF03
2C150DF33
2C150EF25
2C150FA11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】識別媒体にチップを内蔵せずとも識別及び音声発生が可能であり、製品の軽便化と適応性の向上が実現される導電パターン読取装置、方法及び当該装置を用いたインタラクティブプラットフォームを提供する。
【解決手段】媒体400上にコードに対応した導電パターン401が印刷され、導電パターン401は前記コードに応じて異なる導電センシング領域402に分割されている。導電パターン読取装置は導電センシングブロック301を備えたセンシング基板300及びセンシングチップ100を有し、センシング基板300が媒体400上の導電パターン401に接触又は接近することで、導電センシング領域401に対応する導電センシングブロック301の静電容量値が変化する。センシングチップ100が導電センシングブロック301の静電容量値を感知及び検出することで、導電パターン401に対応するコードを取得する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電パターン読取装置であって、センシング基板と、コードに対応する導電パターンが印刷された媒体を含み、前記媒体が1又は1以上の導電センシング領域に分割され、前記導電パターンが、対応する導電センシング領域内に印刷され、前記センシング基板が、前記導電センシング領域に対応する1又は1以上の導電センシングブロックを含み、
前記導電パターン読取装置は、更に、前記1又は1以上の導電センシングブロックのそれぞれの静電容量値を感知及び検出するセンシングチップを含み、前記センシングチップとセンシング基板上の各導電センシングブロックが互いに接続される導電パターン読取装置。
【請求項2】
前記センシング基板上に共通センシングブロックが設けられ、前記媒体上に、前記共通センシングブロックに対応する共通センシング領域が設けられ、前記導電パターンが共通センシング領域と導電センシング領域に連続して印刷される請求項1記載の導電パターン読取装置。
【請求項3】
前記媒体及び媒体上の導電パターンは、単一の独立した部分、或いは、2又は2以上の部分の組み合わせから構成される請求項1又は2記載の導電パターン読取装置。
【請求項4】
前記2又は2以上の部分のそれぞれの部分導電パターンに独立したコードが1つずつ対応付けられ、部分同士を組み合わせた後の導電パターンに他の独立したコードが対応付けられる請求項3記載の導電パターン読取装置。
【請求項5】
前記媒体は、カード、シール、玩具又は日用品であり、前記媒体上の導電パターンは、カーボンペースト、銀ペーストの導電印刷、ホットスタンプ又はコールドフォイルである請求項1記載の導電パターン読取装置。
【請求項6】
前記導電センシング領域、導電センシングブロックは、矩形、円形、環状又はハート型である請求項1記載の導電パターン読取装置。
【請求項7】
前記共通センシングブロック、共通センシング領域は、矩形、円形、環状又はハート型である請求項2記載の導電パターン読取装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項記載の導電パターン読取装置に基づく導電パターン読取方法であって、前記媒体上の各導電パターン別に異なるコードが対応付けられ、前記センシング基板のセンシングチップが、各導電センシングブロックの静電容量値を感知及び検出し、前記センシング基板が、導電パターンが印刷された媒体に接触又は接近すると、導電パターンが印刷された導電センシング領域に対応する導電センシングブロックの静電容量値が変化し、センシングチップが、各導電センシングブロックの静電容量値を感知することで、導電パターンに対応するコードに換算して、媒体上の導電パターンを読み取る方法。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項記載の導電パターン読取装置を用いたインタラクティブプラットフォームであって、インタラクティブプラットフォームの担持体と、導電パターンが印刷された前記媒体を含み、前記インタラクティブプラットフォームの担持体が、センシングチップ、音声発生装置及び前記センシング基板を含み、前記音声発生装置、センシングチップ及びセンシング基板が順に接続されており、前記センシングチップが、センシング基板を介して媒体上の対応する導電パターンを感知して対応するコードに変換し、音声発生装置が、対応するコードに応じてスピーカーを駆動し、対応する音声を発生させるインタラクティブプラットフォーム。
【請求項10】
前記インタラクティブプラットフォームの担持体は、書籍、玩具、生活用品又は包装箱である請求項9記載のインタラクティブプラットフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は音声発生電子製品に関し、特に、導電パターン読取装置、方法及び当該装置を用いたインタラクティブプラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
電子音声発生読み物は、児童の視覚、聴覚、動作の成長に有益な知力読み物である。児童は、様々なカードやシールを配置したり触ったりすることで、それらに対応する音声や音楽を取得できる。これによれば、読み物としての面白みやインタラクティブ性が高まり、陰鬱とした学習方式が払拭されるため、児童は楽しみながら学ぶことができる。当該技術製品は構造が簡単で使用しやすいほか、感動的な音楽や魅力的な内容によって良好な行動習慣を養えるため、児童への使用に特に適している。
【0003】
現在、市場のニーズに応えるべく、大小様々な電子音声発生書籍が販売されている。これら製品で用いられる技術要求や機能はその他の製品に勝るとも劣らないが、一方で、当該技術製品は高コストでもある。
【0004】
市販の電子音声発生書籍には、一般的にリジッド性のプリント基板や電線、金属弾性片(いわゆるメタルドーム)といった従来型の電子部品が用いられているため、操作上は金属弾性片の導通性や安定した弾性回復から、導通性に優れ、手触りの良いスイッチ作用を提供可能である。しかし、金属弾性片を押下するには一定の力が必要とされ、幼児にはやや難度が高い。また、金属弾性片の底に配置されるリジッド性のプリント基板は分厚く硬いとの特性から、取り付け空間が大きく制限されてしまう。
【0005】
また、現在ではパズルにより音声を発生させる電子書籍もある。これは、パズルカードに内蔵された音声又はエンコードチップを用いるもので、パズルカードを電子書籍の対応する凹陥位置に配置すると、導電接触子がパズルカード内の音声又はエンコードチップのデータを読み取ることで、対応する音声が発せられる。また、前記導電接触子をRFID識別に変更して識別するようにしてもよい。しかし、上述した技術方案ではあまりにコストが嵩む。更に重要な点として、パズルカードはチップを内蔵せねばならないため、内蔵チップの破損を避けるべく十分な厚みを持つことが求められる。結果、自ずと生産コストが高騰するほか、薄いカードやシールへの適用が不可能となり、適用性や軽便性の点で十分でない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、識別媒体にチップを内蔵せずとも識別及び音声発生が可能であり、製品の軽便化と適用性の向上が実現される導電パターン読取装置、方法及び当該装置を用いたインタラクティブプラットフォームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明が上記の課題を解決するために用いた技術方案は、導電パターン読取装置であって、センシング基板と、コードに対応する導電パターンが印刷された媒体を含み、前記媒体が1又は1以上の導電センシング領域に分割され、前記導電パターンが、対応する導電センシング領域内に印刷され、前記センシング基板が、前記導電センシング領域に対応する1又は1以上の導電センシングブロックを含み、前記導電パターン読取装置が、更に、前記各導電センシングブロックの静電容量値を感知及び検出するセンシングチップを含み、前記センシングチップとセンシング基板上の各導電センシングブロックが互いに接続される。
【0008】
更に、前記センシング基板上に共通センシングブロックが設けられ、前記媒体上に、前記共通センシングブロックに対応する共通センシング領域が設けられ、前記導電パターンが共通センシング領域と導電センシング領域に連続して印刷される。
【0009】
更に、前記媒体及び媒体上の導電パターンは、単一の独立した部分、或いは、2又は2以上の部分の組み合わせから構成される。
【0010】
更に、前記各部分上の部分導電パターンに独立したコードが1つずつ対応付けられ、部分同士を組み合わせた後の導電パターンに他の独立したコードが対応付けられる。
【0011】
更に、前記導電センシングブロックと導電センシング領域の形状、寸法は同じであっても異なっていてもよいが、位置は対応している。
【0012】
更に、前記共通センシングブロックと共通センシング領域の形状、寸法は同じであっても異なっていてもよいが、位置は対応している。
【0013】
更に、前記媒体は、カード、シール、フィルム、書籍、パズル、積み木、マグネット、紙製品又は非紙製品等とされるが、これらに限らない。また、前記媒体上の導電パターンは、カーボンペースト、銀ペーストの導電印刷、ホットスタンプ或いはコールドフォイルとされるが、これらに限らない。
【0014】
更に、前記センシング基板は、従来型の回路基板又はプリント電子基板とし、前記センシング基板の材質は、ファイバーボード、PET、紙、複合紙又は任意の非金属類とすればよいが、これらに限らない。
【0015】
更に、前記導電センシング領域、導電センシングブロックは、矩形、円形、環状、ハート型又は任意の規則的又は不規則な形状である。
【0016】
更に、前記共通センシングブロック、共通センシング領域は、矩形、円形、環状、ハート型又は任意の規則的又は不規則な形状である。
【0017】
前記導電パターン読取装置に基づく導電パターン読み取り方法において、前記媒体上の各導電パターン別に異なるコードが対応付けられ、センシングチップが、各導電センシングブロックの静電容量値を感知及び検出し、前記センシング基板が、導電パターンが印刷された媒体に接触又は接近すると、導電パターンが印刷された導電センシング領域に対応する導電センシングブロックの静電容量値が変化し、センシングチップが、各導電センシングブロックの静電容量値を感知することで、導電パターンに対応するコードに換算して、媒体上の導電パターンを読み取る。
【0018】
前記導電パターン読取装置を用いたインタラクティブプラットフォームであって、インタラクティブプラットフォームの担持体と、導電パターンが印刷された前記媒体を含み、前記インタラクティブプラットフォームの担持体が、センシングチップ、音声発生装置及び前記センシング基板を含み、前記音声発生装置、センシングチップ及びセンシング基板が順に接続されており、前記センシングチップが、センシング基板を介して媒体上の対応する導電パターンを感知して対応するコードに変換し、音声発生装置が、対応するコードに応じてスピーカーを駆動し、対応する音声を発生させる。
【0019】
更に、前記インタラクティブプラットフォームの担持体は、書籍、玩具、生活用品、包装箱又は任意の形式の装置であるが、これらに限らない。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、以下のような有益な効果を有する。即ち、本発明で用いられる導電パターン読取装置とその読み取り方法によれば、前記センシングチップは、各導電センシングブロックの静電容量値を感知及び検出することで、媒体上の各導電パターンに対応付けられたコードを識別し、媒体上の導電パターンの読み取りを実現する。前記媒体は、チップ及び/又はコイルを内蔵する必要がなく、導電パターンを印刷するだけでよいため、媒体の生産コストを効果的に削減可能となる。更に重要な点として、前記媒体には、例えば薄いカード、シール、フィルム等の紙製品又は非紙製品といった柔軟或いは極めて薄い材質を選択すればよい(但し、これらに限らない)ため、製品の重量が効果的に軽量化され、製品の軽便性及び多様化が促進される。そのほか、導電パターンを識別する方式を採用しているため、センシング基板と媒体を軽く接触又は接近させるだけで識別が完了する。よって、児童による使用の利便性が大幅に高まるほか、取り付け空間も効果的に縮減される。
【0021】
本発明で用いられる導電パターン読取装置を用いたインタラクティブプラットフォームによれば、前記センシングチップが、各導電センシングブロックの静電容量値を感知及び検出することで、媒体上の各導電パターンに対応付けられたコードを識別して、媒体上の導電パターンの読み取りを実現するとともに、前記音声発生装置が、対応するコードに応じてスピーカーを駆動し、対応する音声を発生させる。本発明によれば、媒体上に導電パターンを印刷することで、媒体内にチップ及び/又はコイルを設ける必要がなくなるため、媒体の生産コストを効果的に削減可能となる。更に重要な点として、簡単なシール又はカードを使って操作し、設計に応じてタッチ或いは配置するだけで、これに応じた内容の音声又は音楽を取得可能である。且つ、当該技術製品は多機能で内容が充実しており、更には前記シール又はカードを異なる場所に配置可能なため、臨機応変な使用が可能となる。本発明は音声チップに限らず、他のチップを用いることで、ランプ、画像、映像又は動作等の別の出力も可能となる。
【0022】
以下に、図面と実施例を組み合わせて本発明につき更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明の導電パターン読取装置としてのインタラクティブプラットフォームの構造分解図である。
【
図2】
図2は、本発明におけるセンシング基板の導電センシングブロックと、媒体上の異なる導電パターンとの対応関係を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明におけるセンシング基板の導電センシングブロックと、媒体上の導電パターンの対応関係を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明におけるセンシング基板の第2実施例の構造を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明における媒体導電パターンの第2実施例の構造を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明のインタラクティブプラットフォームを書籍に適用した場合の構造を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の係合槽とカード媒体の構造関係を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明のカードの表裏構造を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明のインタラクティブプラットフォームを玩具に適用した構造を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明における媒体導電パターンのその他の形状である。
【
図11】
図11は、本発明における媒体導電パターンのその他の形状である。
【
図12】
図12は、本発明における媒体導電パターンのその他の形状である。
【
図13】
図13は、本発明における媒体導電パターンのその他の形状である。
【
図14】
図14は、本発明の第3実施例の組み合わせを示す図である。
【
図15】
図15は、本発明の第4実施例の組み合わせを示す図である。
【
図16】
図16は、本発明の第5実施例の組み合わせを示す図である。
【
図17】
図17は、本発明の第6実施例の組み合わせを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1〜
図18を参照して、本発明の導電パターン読取装置は、センシングチップ100、センシング基板300及び導電パターン401が印刷された媒体400を含む。媒体400には様々な導電パターン401を印刷可能であり、前記媒体400上の各導電パターン401別に、異なるコードが1つずつ対応付けられている。なお、前記コードの数は無限に拡充可能である。前記媒体400としては、例えば薄いカード、シール、フィルム等の紙製品又は非紙製品のような極めて薄い又は柔軟な材質を用いればよいが、これらに限らない。
図2、
図3を参照して、前記媒体400は、1又は1以上の導電センシング領域402に分割されている。前記導電パターン401は、各々のコードに応じて異なる導電センシング領域402に印刷されることで、異なる導電パターン401を形成する。
【0025】
前記センシング基板300は、従来型の回路基板又はプリント電子基板とする。前記センシング基板300の材質としては、ファイバーボード、PET、紙、複合紙又は任意の非金属類が可能であるが、これらに限らない。
【0026】
図1、
図3を参照して、前記センシング基板300は、前記導電センシング領域402に対応する1又は1以上の導電センシングブロック301を含む。前記センシングチップ100は各導電センシングブロック301に接続される。前記センシングチップ100は、各導電センシングブロック301におけるセンシングブロックの静電容量値を感知する。
【0027】
前記センシング基板300と媒体400上の導電パターン401が接触又は接近すると、導電パターン401が印刷された導電センシング領域402が、対応する導電センシングブロック301の静電容量値を変化させる。前記センシングチップ100は、各導電センシングブロック301の静電容量値を感知及び検出することで、媒体400上の導電パターン401を識別し、検出した静電容量値に基づいて導電パターン401に対応するコードを取得する。
【0028】
検出精度を更に高めるために、前記センシング基板300には共通センシングブロック302が設けられており、前記媒体400には前記共通センシングブロック302に対応する共通センシング領域403が設けられている。また、前記導電パターン401は、共通センシング領域403と導電センシング領域402に連続して印刷される。共通センシング領域403と共通センシングブロック302を設けることで、本発明の検出精度が効果的に高められる。
【0029】
具体的に、前記導電センシングブロック301と導電センシング領域402の形状、寸法が同じとされ、共通センシングブロック302と共通センシング領域403の形状、寸法が同じとされる。本発明の導電センシング領域402と導電センシングブロック301のパターンとしては、
図2、
図3に示すような矩形が可能である。また、前記媒体400とセンシング基板300は長方形とされる。前記共通センシング領域403と共通センシングブロック302は長尺状であり、それぞれ媒体400とセンシング基板300の中央部に設けられる。前記導電センシング領域402、導電センシングブロック301は、共通センシング領域403と共通センシングブロック302の両側に分布するよう設けられる。なお、いうまでもなく、前記共通センシング領域403と共通センシングブロック302は中央部に限らず、必要に応じて異なる位置に設けてもよい。また、前記導電センシング領域402、導電センシングブロック301は両側に限らず、必要に応じて異なる位置に設けてもよい。本実施例では、共通センシング領域403の両側に導電センシング領域402が4つずつ設けられているが、いうまでもなく、実際には必要に応じて導電センシング領域402の数を任意に設定すればよい。前記媒体400には、導電センシング領域402と共通センシング領域403に沿って導電パターン401が印刷される。各導電センシング領域402に印刷された導電パターン401は、共通センシング領域403に印刷された導電パターン401にそれぞれ接続され、一体的に連続した導電パターン401を形成する。この設計によれば、導電パターン401がより便利となり、導電パターン401の印刷難度が低下するとともに、導電パターン401の印刷精度が向上する。更には、導電センシング領域402上の導電パターン401と共通センシング領域403上の導電パターン401が互いに接続されるため、導電センシングブロック301の静電容量値に対するセンシングチップ100の識別精度を効果的に向上させられる。
【0030】
また、前記導電センシング領域402、導電センシングブロック301は別の形状に設計されてもよい。例えば、
図4、
図5に示すように、前記媒体400とセンシング基板300の双方を円形とし、前記導電センシング領域402と導電センシングブロック301を円環型とする。また、前記媒体400には、前記各導電センシング領域402を接続する共通センシング領域403を設ける。本実施例では、導電センシング領域402に様々な導電パターン401を印刷することで、前記センシングチップ100が環状の各導電センシングブロック301の静電容量値を感知及び検出し、各導電パターン401に対応するコードを取得する。
【0031】
また、本発明の導電センシング領域402と導電センシングブロック301は別の形状、例えば、
図10〜
図13に示すハート型や、規則的又は不規則な任意の形状に設計してもよく、上記の実施例に限定されない。
【0032】
本発明における前記媒体400としては、カード、シール、フィルム、書籍、パズル、積み木、マグネット、紙製品又は非紙製品等が可能であるが、これらに限らない。前記媒体400上の導電パターン401としては、カーボンペースト、銀ペーストの導電印刷、ホットスタンプ或いはコールドフォイルが可能であるが、これらに限らない。本発明において、導電パターン401は媒体400上に印刷される。前記印刷には、例えば塗布、転写、スクリーン印刷といった異なる印刷方式や、ホットスタンプ、コールドフォイル等の技術を用いればよいが、これらに限らない。
【0033】
更に、前記媒体400及び媒体400上の導電パターン401は、単一の独立した部分から構成してもよいし、2又は2以上の部分を組み合わせて構成してもよい。
図14を参照して、前記媒体400はカード又はシールとする。前記媒体400は、第1部分400aと第2部分400bを含み、前記第1部分400aと第2部分400bには、部分導電パターン401aがそれぞれ印刷される。そして、第1部分400aと第2部分400bを組み合わせることで、完全な導電パターン401が形成される。組み合わせにより具体的な導電パターンが形成されて漸く、導電パターンを識別可能となる。なお、いうまでもなく、上述のように組み合わされる部分は2つに限らず複数を用いてもよく、同様の原理を用いるものであれば、本発明の保護の範囲とみなされる。また、インタラクティブプラットフォームへ適用すれば、製品のインタラクティブ性が更に高まり、児童の動作や頭脳の訓練にもなる。
【0034】
更に、前記媒体400はカード又はシールとしてだけでなく、玩具や日用品として組み合わせることも可能である。例えば、
図15を参照して、前記媒体400を、第1部分400a、第2部分400b及び第3部分400cを含む積み木とする。第1部分400a、第2部分400b及び第3部分400cには、部分導電パターン401aがそれぞれ印刷されており、第1部分400a、第2部分400b及び第3部分400cが互いに組み合わされる(本実施例では嵌設組み合わせ方式という)。各部分上の部分導電パターン401aは、コードに対応する導電パターン401として組み合わされる。なお、組み合わせ方式は必要に応じて選択すればよく、例えば、並列配置や積み重ね方式等がある。また、積み木だけでなく、その他の玩具や生活用品として組み合わせることでコードに対応する導電パターンを形成してもよいが、ここで1つ1つ列挙することはしない。同様の原理を適用したものであれば、本発明の保護範囲に属するものとみなされる。
【0035】
更に、前記媒体400は、互いに組み合わせることでコードに対応する導電パターンを形成可能なだけでなく、媒体400を構成する各部分上の部分導電パターンに、独立したコードが1つずつ対応付けられてもよい。例えば、
図16に示すように、第1部分400aと第2部分400bを含むものとし、前記第1部分400aと第2部分400b上の部分導電パターン401aにそれぞれコードID1とID2が対応付けられるものとする。そして、前記第1部分400aと第2部分400bを組み合わせて構成される導電パターン401のコードがID3に対応付けられる。部分同士の組み合わせ数に制限はなく、例えば
図17に示すように、コードID4,ID5,ID6,ID7を各々有する4つの部分400a,400b,400c,400dを用いて、コードID8の媒体400を構成してもよい。これにより、製品のプレアビリティと組み合わせ可能性が提供されるため、インタラクティブプラットフォームに適用した場合、製品の広がりと応用性が供されることになる。
【0036】
前記導電パターン読取装置に基づく導電パターン401の読み取り方法において、前記媒体400上の各導電パターン401別に異なるコードが対応付けられており、センシングチップ100が各導電センシングブロック301の静電容量値を感知及び検出する。前記センシング基板300が、導電パターン401が印刷された媒体400に接触又は接近すると、導電パターン401が印刷された導電センシング領域402に対応する導電センシングブロック301の静電容量値が変化する。センシングチップ100は、各導電センシングブロック301の静電容量値を感知することで、導電パターン401に対応するコードに換算して、媒体400上の導電パターン401を読み取る。
【0037】
本発明で用いられる導電パターン読取装置とその読み取り方法によれば、前記センシングチップ100は、各導電センシングブロック301の静電容量値を感知及び検出することで、媒体400上の各導電パターン401に対応付けられたコードを識別し、媒体400上の導電パターン401の読み取りを実現する。前記媒体400は、チップ及び/又はコイルを内蔵する必要がなく、導電パターン401を印刷するだけでよいため、媒体400の生産コストを効果的に削減可能となる。更に重要な点として、前記媒体400には、例えば薄いカード、シールといった柔軟或いは極めて薄い材質を選択すればよいため、製品重量が効果的に軽量化され、製品の軽便性及び多様化が促進される。そのほか、導電パターン401を識別する方式を採用していることから、センシング基板300と媒体400を軽く接触又は接近させるだけで識別が完了する。よって、児童による使用の利便性が大いに高まるほか、取り付け空間も効果的に縮減される。
【0038】
前記導電パターン読取装置とその読み取り方法は、各種インタラクティブプラットフォームに適用可能である。
図1、
図6を参照して、当該インタラクティブプラットフォームは、インタラクティブプラットフォームの担持体と、導電パターン401が印刷された前記媒体400を含む。前記インタラクティブプラットフォームの担持体は、センシングチップ100、音声発生装置200及び前記センシング基板300を含むとともに、これらのデバイスに電力を供給するための電池を更に含む。前記音声発生装置200、センシングチップ100及びセンシング基板300は順に接続されている。前記音声発生装置200内の音声チップ201には、各導電パターン401のコードに対応する音声情報が保存されている。前記センシングチップ100は、センシング基板300を介して媒体400上の対応する導電パターン401を感知し、対応するコードに変換する。音声発生装置200は、対応するコードに応じてスピーカー202を駆動し、対応する音声を発生させる。本発明は音声チップに限らず、他のチップを用いることで、ランプ、画像、映像又は動作等の別の出力も可能となる。
【0039】
前記音声発生装置200は、音声チップ201とスピーカー202を含む。前記音声チップ201には、コード及び前記コードに対応する音声信号が記憶されている。前記センシングチップ100は音声チップ201に内蔵されてもよいし、
図1に示すように、音声チップ201と共に回路基板に設けられてもよい。
【0040】
本発明のインタラクティブプラットフォームの担持体としては、例えば、書籍、玩具、生活用品、包装箱又は任意の形式の装置といった様々な形態が可能であるが、これらに限らない。また、前記媒体400としては、カード、シール、フィルム、書籍、パズル、積み木、マグネット、紙製品又は非紙製品等が可能であるが、これらに限らない。前記インタラクティブプラットフォームの担持体が書籍の場合、
図6を参照して、書籍の表面、底及び複数の頁が含まれる。前記音声発生装置200は、書籍の底内部又は書籍側の内部に取り付けられ、固定される。前記センシング基板300は書籍の表面、底又は頁に設けられ、カードとセンシング基板300の位置を対応させるだけで、当該チップのコードが確認されて、スピーカー202から正しい音声が発生するよう制御される。いうまでもなく、
図7に示すように、書籍の表面、底又は頁にカードと対応する係合槽500を設け、前記カードを係合槽500に配置することで、当該カードの導電パターン401に対応するコードを識別し、当該コードに対応する音声を発生するようにしてもよい。例えば
図8に示すように、当該カードの表面がリンゴのパターン、裏面が当該リンゴのパターンに対応する導電パターン401であるとする。前記カードを係合槽500内に配置すると、音声発生装置200はリンゴの英文音声を読み上げることで、教育及びインタラクティブ効果を奏する。
【0041】
本発明のインタラクティブプラットフォームの回路原理を
図18に示す。
【0042】
前記インタラクティブプラットフォームの担持体が玩具の場合、前記センシング基板300は玩具内に固定される。そして、玩具と機能付きカードの位置を対応させれば、識別及び音声発生が可能となる。前記玩具としては様々な形態が可能である。例えば、
図1、
図9を参照して、前記玩具がおもちゃ印鑑であり、前記センシング基板300がおもちゃ印鑑の底部に設けられるとする。前記媒体400としては、カード、シール、フィルム、書籍、パズル、積み木、マグネット、紙製品又は非紙製品等が可能であるが、これらに限らない。前記媒体400がカードの場合、おもちゃ印鑑をカード上に載置すると、識別及び音声発生が実行される。一方、シールの場合には、ユーザはシールを書籍、机又は壁等の任意の位置に貼り付ける。そして、おもちゃ印鑑でシールを覆うだけで、識別及び音声発生が実行される。同様にして、おもちゃ印鑑を玩具又は生活用品に接触させることで音声を発生させられる。よって、インタラクティブ性に優れ、柔軟性が高く、プレアビリティが一層良好となる。
【0043】
玩具としては印鑑だけでなく、様々な態様のものを適用可能である。また、前記インタラクティブプラットフォームの担持体も、前記の書籍又は玩具に限らない。
【0044】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎない。本発明は上述の実施形態に限定されず、同様の手段で本発明の技術的効果を達成可能なものであれば、いずれも本発明の保護の範囲とみなされる。
【手続補正書】
【提出日】2017年2月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電パターン読取装置であって、センシング基板と、コードに対応する導電パターンが印刷された媒体を含み、前記媒体が1又は1以上の導電センシング領域に分割され、前記導電パターンが、対応する導電センシング領域内に印刷され、前記センシング基板が、前記導電センシング領域に対応する1又は1以上の導電センシングブロックを含み、
前記導電パターン読取装置は、更に、前記1又は1以上の導電センシングブロックのそれぞれの静電容量値を感知及び検出するセンシングチップを含み、前記センシングチップとセンシング基板上の各導電センシングブロックが互いに接続され、
前記媒体及び媒体上の導電パターンは、2又は2以上の部分の組み合わせから構成され、前記2又は2以上の部分のそれぞれの部分導電パターンに独立したコードが1つずつ対応付けられるとともに、部分同士を組み合わせた後の導電パターンに他の独立したコードが対応付けられる導電パターン読取装置。
【請求項2】
前記センシング基板上に共通センシングブロックが設けられ、前記媒体上に、前記共通センシングブロックに対応する共通センシング領域が設けられ、前記導電パターンが共通センシング領域と導電センシング領域に連続して印刷される請求項1記載の導電パターン読取装置。
【請求項3】
前記媒体は、カード、シール、玩具又は日用品であり、前記媒体上の導電パターンは、カーボンペースト、銀ペーストの導電印刷、ホットスタンプ又はコールドフォイルである請求項1記載の導電パターン読取装置。
【請求項4】
前記導電センシング領域、導電センシングブロックは、矩形、円形、環状又はハート型である請求項1記載の導電パターン読取装置。
【請求項5】
前記共通センシングブロック、共通センシング領域は、矩形、円形、環状又はハート型である請求項2記載の導電パターン読取装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載の導電パターン読取装置に基づく導電パターン読取方法であって、前記媒体上の各導電パターン別に異なるコードが対応付けられ、前記センシング基板のセンシングチップが、各導電センシングブロックの静電容量値を感知及び検出し、前記センシング基板が、導電パターンが印刷された媒体に接触又は接近すると、導電パターンが印刷された導電センシング領域に対応する導電センシングブロックの静電容量値が変化し、センシングチップが、各導電センシングブロックの静電容量値を感知することで、導電パターンに対応するコードに換算して、媒体上の導電パターンを読み取る方法。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項記載の導電パターン読取装置を用いたインタラクティブプラットフォームであって、インタラクティブプラットフォームの担持体と、導電パターンが印刷された前記媒体を含み、前記インタラクティブプラットフォームの担持体が、センシングチップ、音声発生装置及び前記センシング基板を含み、前記音声発生装置、センシングチップ及びセンシング基板が順に接続されており、前記センシングチップが、センシング基板を介して媒体上の対応する導電パターンを感知して対応するコードに変換し、音声発生装置が、対応するコードに応じてスピーカーを駆動し、対応する音声を発生させるインタラクティブプラットフォーム。
【請求項8】
前記インタラクティブプラットフォームの担持体は、書籍、玩具、生活用品又は包装箱である請求項7記載のインタラクティブプラットフォーム。