【解決手段】キャパシタ100は、金属及び樹脂を含んで形成され、第1電極層31、32及び第3電極層35、36の間に配置された第2電極層33、34を含む。第2電極層において、キャパシタ本体の第1端面と第2端面をそれぞれ覆っている部分が、キャパシタ本体の上面と下面をそれぞれ覆っている部分よりも薄くなるように形成される。
上面、下面および側面部を有するキャパシタ本体であって、前記側面部は、前記上面と前記下面を連結する面からなると共に第1端面と第2端面を含む、キャパシタ本体と、
前記キャパシタ本体の表面に配置され、第1電極層、第2電極層及び第3電極層を有する外部電極と、を含むキャパシタであって、
前記第2電極層は、金属及び樹脂を含んで形成され、前記第1及び第3電極層の間に配置され、前記第2電極層において前記キャパシタ本体の前記第1端面と前記第2をそれぞれ覆っている部分の厚さが前記第1電極層において前記キャパシタ本体の前記第1端面と前記第2端面をそれぞれ覆っている部分の厚さよりも小さくなるように構成されている、キャパシタ。
前記第2電極層において前記キャパシタ本体の前記第1端面と前記第2端面をそれぞれ覆っている部分の一部は、前記第3電極層と接するように構成されている、請求項1に記載のキャパシタ。
前記第1電極層において前記キャパシタ本体の前記第1端面と前記第2端面をそれぞれ覆っている部分の厚さは、前記第2電極層において前記キャパシタ本体の前記上面と前記下面をそれぞれ覆っている部分の厚さの2倍以上となるように構成されている、請求項1から請求項4の何れか一項に記載のキャパシタ。
前記第2電極層は、前記キャパシタ本体の前記第1端面と前記第2端面をそれぞれ覆っている部分が前記キャパシタ本体の前記上面と前記下面をそれぞれ覆っている部分よりも薄くなるように形成されている、請求項1に記載のキャパシタ。
前記第2電極層において、前記キャパシタ本体の前記上面と前記下面をそれぞれ覆うように配置された部分は曲面形状を有し、前記第1端面と前記第2端面をそれぞれ覆うように配置された部分は平面形状を有する、請求項1から請求項6の何れか一項に記載のキャパシタ。
前記キャパシタ本体の全体の長さをLt、前記キャパシタ本体の前記上面及び前記下面を覆っている部分の前記第2電極層の厚さをTaとすると、Lt/500≦Ta≦Lt/50という関係を満たすように構成されている、請求項1に記載のキャパシタ。
前記キャパシタ本体の全体の長さをLt、前記キャパシタ本体の前記第1端面と前記第2端面をそれぞれ覆っている部分の前記第1電極層の厚さをTbとすると、Lt/250≦Tb≦Lt/25という関係を満たすように構成されている、請求項1に記載のキャパシタ。
上面と下面を有すると共に、前記上面と前記下面を連結する面からなり、第1端面と第2端面とを含む側面部をさらに有するキャパシタ本体の表面に第1導電性ペーストを塗布して第1電極層を形成する段階と、
前記第1電極層の表面に導電性樹脂組成物を塗布して第2電極層を形成する段階と、
前記第2電極層において前記キャパシタ本体の前記第1端面と前記第2端面をそれぞれ覆っている部分を加工する段階と、
前記第2電極層の表面を覆うように第3電極層を形成する段階と、を含み、
前記第2電極層は、前記キャパシタ本体の前記第1端面と前記第2端面をそれぞれ覆っている部分が前記第1電極層において前記キャパシタ本体の前記第1端面と前記第2端面をそれぞれ覆っている部分よりも厚さが小さくなるように構成されている、キャパシタの製造方法。
前記第1電極層において前記キャパシタ本体の前記第1端面と前記第2端面をそれぞれ覆っている部分の厚さは、前記第2電極層において前記キャパシタ本体の前記上面と前記下面をそれぞれ覆っている部分の厚さの2倍以上となるように前記キャパシタが形成される、請求項12から請求項14の何れか一項に記載のキャパシタの製造方法。
前記第2電極層を加工する段階において、前記第2電極層は、前記キャパシタ本体の前記第1端面と前記第2端面をそれぞれ覆っている部分が除去される、請求項12から請求項15の何れか一項に記載のキャパシタの製造方法。
前記第2電極層は、前記キャパシタ本体の上面と下面を覆うように配置された部分が曲面形状を有し、前記第1端面と前記第2端面をそれぞれ覆うように配置された部分は平面形状を有する、請求項12から請求項17の何れか一項に記載のキャパシタの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施例について説明する。しかし、本発明の実施例は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施例に限定されない。また、本発明の実施例は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上において同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0015】
以下、本発明によるキャパシタについて説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施例によるキャパシタ100の斜視図を概略的に示すものであり、
図2及び
図3は本発明の一実施例によるキャパシタ100の断面図を概略的に示すものである。具体的には、
図2及び
図3は、
図1においてA−A'で示される方向に沿った面を切断面とするキャパシタ100の断面図である。また、
図1において、方向T、W及びLは、キャパシタ100の高さ方向、幅方向および長手方向をそれぞれ表す。
【0017】
図1から
図3を参照すると、本発明の一実施例によるキャパシタ100は、キャパシタ本体110と、外部電極131、132と、を含んで構成されている。キャパシタ本体110は、上面、下面および側面部を有し、キャパシタ本体110において、当該側面部は、上面と下面を連結する面からなり、第1端面および第2端面を含んでいる。外部電極131、132は、上記キャパシタ本体110の表面に配置され、第1電極層31、32、第2電極層33、34及び第3電極層35、36を有している。上記第2電極層33、34は、金属及び樹脂を含んで上記第1電極層31、32及び第3電極層35、36の間に配置されている。また、キャパシタ100の構造は、上記第2電極層33、34において上記キャパシタ本体110が端面(第1端面と第2端面)を覆っている部分の厚さを、第1電極層31、32において上記キャパシタ本体110の端面(第1端面と第2端面)を覆っている部分の厚さよりも小さくするように形成されている。
【0018】
上記キャパシタ本体110は複数の誘電体層111が積層されて形成される。
【0019】
上記キャパシタ本体110を構成する複数の誘電体層111は、焼結された状態であり、隣接する誘電体層同士の境界が肉眼で確認できないほどこれらの誘電体層は一体化されていてもよい。
【0020】
上記誘電体層111は、セラミック粉末、有機溶剤及び有機バインダーを含むセラミックグリーンシートの焼成によって形成することができる。上記セラミック粉末は、高誘電率を有する物質で、ペロブスカイト(perovskite)材料を含むことができる。上記ペロブスカイト材料としては、チタン酸バリウム(BaTiO
3)系材料、チタン酸ストロンチウム(SrTiO
3)系材料などを用いることができるが、これらに限定されない。
【0021】
上記キャパシタ本体110の内部には内部電極121、122が形成される。
【0022】
上記内部電極121、122は、第1極性の第1内部電極と第2極性の第2内部電極を一対として含み、一枚の誘電体層111を間に挟んで互いに対向するように配置することができる。
【0023】
キャパシタ100の長手方向(
図2に示す方向L)において、上記内部電極121、122の端部は、キャパシタ本体110の第1端面及び第2端面に露出することで外部電極131、132とそれぞれ電気的に接続されるようにすることができる。
【0024】
上記内部電極121、122は、金属を含む導電性ペーストによって形成されることができる。
【0025】
上記金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)またはこれらの合金であってもよいが、これらに限定されない。
【0026】
上記誘電体層111を形成するセラミックグリーンシート上にスクリーン印刷法またはグラビア印刷法のような印刷法を用いて導電性ペーストを印刷することで内部電極を印刷することができる。
【0027】
上記内部電極が印刷されたセラミックグリーンシートを交互に積層し焼成してキャパシタ本体110を形成することができる。
【0028】
上記外部電極は、キャパシタ本体110の長手方向(
図2に示す方向L)において第1端面に露出する第1内部電極121の端部と電気的に接続されるように第1端面に形成された第1外部電極131と、第2端面に露出する第2内部電極122の端部と電気的に接続されるように第2端面に形成された第2外部電極132と、を含む。
【0029】
上記外部電極131、132は、それぞれ第1及び第2内部電極121、122と接続されるために上記キャパシタ本体110の長手方向(
図2に示す方向L)における両端に位置する第1端面と第2端面の上に形成される。
【0030】
即ち、上記外部電極131、132は、上記キャパシタ本体110の上面、下面及び両側面(第1端面と第2端面)のうち一つ以上の上に延在させる形で形成することができる。
【0031】
したがって、上記外部電極131、132は、上記キャパシタ本体110の長手方向(
図2に示す方向L)における両端に位置する端面(第1端面と第2端面)に露出する内部電極121、122の端部と接続され、上記キャパシタ本体110の長手方向(
図2に示す方向L)における両端に位置する両側面(第1端面と第2端面)及び上面と下面を取り囲むようにして形成することができる。
【0032】
上記外部電極131、132は、第1電極層31、32と、上記第1電極層31、32の表面に形成された第2電極層33、34と、第2電極層33、34の表面に形成された第3電極層35、36と、を含む。
【0033】
上記第1電極層31、32は、金属層であり、金属を含む導電性ペーストによって形成することができる。
【0034】
上記金属としては、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、スズ(Sn)、またはこれらの合金を用いることができるが、これらに限定されない。
【0035】
上記導電性ペーストは絶縁性物質をさらに含むことができ、例えば、上記絶縁性物質としてガラスを用いることができる。
【0036】
上記第2電極層33、34は、導電性樹脂層であり、金属及び樹脂を含む導電性樹脂組成物によって形成することができる。
【0037】
上記金属としては、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、スズ(Sn)、またはこれらの合金を用いることができ、上記第1電極層31、32を形成する金属と同一の材料であってもよい。
【0038】
上記樹脂は、熱硬化性樹脂であり、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenol resin)及びポリイミド樹脂(polyimide resin)を含む一群の樹脂材料の中から選択された一つの樹脂材料とすることができ、例えば、エポキシ樹脂とすることができるが、これらに限定されない。
【0039】
上記熱硬化性樹脂は、耐熱性、耐化学性などを維持し、外部からの衝撃を吸収することができ、上記金属は、電気的接続を実現可能にすることができる。
【0040】
上記第2電極層33、34は、製造工程により、キャパシタ本体110の上面及び下面の一部を覆うように配置された部分が曲面形状を有し、上記キャパシタ本体110の長手方向(
図2に示す方向L)における両端に位置する第1端面と第2端面を覆うように配置された部分は平面形状を有するようにすることができる。
【0041】
上記第3電極層35、36は、金属めっき層であり、金属のめっきによって形成することができる。
【0042】
上記金属としては、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、またはこれらの合金を用いることができる。
【0043】
上記第3電極層35、36には、実装基板上にキャパシタ100を実装する時に、はんだとの接合を容易にするためにスズ(Sn)を含有させることができる。
【0044】
一般的に、外部電極131、132の導電性樹脂層は、外部からキャパシタ100に加えられる衝撃を吸収する役割を果たし、キャパシタ本体110にクラックが発生することを防止することができる。しかし、導電性樹脂層によって外部電極131、132の比抵抗が増加してしまう可能性があり、導電性樹脂層と金属層との界面抵抗、及び導電性樹脂層と金属めっき層との界面抵抗が増加してしまうおそれがある。その結果、キャパシタ100のESRが増加してキャパシタの電気的特性が劣化してしまう可能性がある。
【0045】
本発明の一実施形態によるキャパシタ100の外部電極131、132は、第2電極層33、34において上記キャパシタ本体110の端面(第1端面と第2端面)を覆っている部分の厚さを、第1電極層31、32において上記キャパシタ本体110の端面(第1端面と第2端面)を覆っている部分の厚さよりも小さくするように形成されている。
【0046】
上記構造は、第2電極層33、34の厚さを従来よりも薄くなるように減少させたもので、第1電極層31、32が上記キャパシタ本体110の端面(第1端面と第2端面)を覆う部分の抵抗をより小さくすることができるため、キャパシタ100のESRを低下させることができ、クラックの発生及びめっき液の浸透のような不良の発生率を低下させることができる。
【0047】
図2を参照すると、上記第1電極層31、32の一部は第3電極層35、36と直に接するようにすることができる。
【0048】
即ち、上記第3電極層35、36は、上記第1電極層31、32の表面の一部及び上記第2電極層33、34の表面を覆うように形成することができる。
【0049】
上記第1電極層31、32においてキャパシタ110の端面(第1端面と第2端面)を覆っている部分は、その一部がキャパシタ本体110の上記端面(第1端面と第2端面)の角部分を覆うように形成することができる。
【0050】
キャパシタ100は上記第1電極層31、32の一部が第3電極層35、36と直に接する構成を有しているので、第1電極層31、32の表面の酸化によって表面状態の不良が生じるのを防止することができるため外部電極の強度を保つ効果に優れ、導電性が大きい第1電極層31、32及び第2電極層33、34と接しているため導通性能の信頼性に優れたキャパシタ100を得ることができる。
【0051】
上記第1電極層31、32において上記キャパシタ本体110の端面(第1端面と第2端面)を覆っている部分の厚さTbは、上記第2電極層33、34において上記キャパシタ本体110の上面と下面を覆っている部分の厚さTaの2倍以上となるようにキャパシタ100を構成することができる。これにより、キャパシタ100のESRを低下させることができる。
【0052】
上記第2電極層33、34において上記キャパシタ本体110の端面(第1端面と第2端面)を覆っている部分の厚さTcは、上記第1電極層31、32において上記キャパシタ本体110の端面(第1端面と第2端面)を覆っている部分の厚さTbよりも小さくなるようにキャパシタ100を構成してもよい。
【0053】
上記第2電極層33、34が有する上記厚さTaの分布は、上記第2電極層33、34がキャパシタ本体110の上面と下面を覆う領域部分において最大の厚みをとなるように設計することができる。
【0054】
上記厚さTbが上記厚さTaの2倍以下となる場合には、キャパシタ100のESRが20mohm以上に増加することがあるため、キャパシタ100の導通性能に関する信頼性を低下させる恐れがある。
【0055】
上記第2電極層33、34は、上記キャパシタ本体110の端面(第1端面と第2端面)を覆う部分が上記キャパシタ本体110の上面と下面を覆う部分よりも厚さが小さくなるように形成することができる。上記第2電極層33、34においてキャパシタ本体110の端面(第1端面と第2端面)を覆っている部分の厚さを従来よりも薄くなるように減少させることにより、キャパシタ100のESRを減少させることができ、めっき液の浸透を防止することができるため、キャパシタ100の導通性能に関する信頼性を向上させることができる。
【0056】
上記第2電極層33、34において上記キャパシタ本体110の上面と下面を覆っている部分の厚さをTaと表し、上記第1電極層31、32において上記キャパシタ本体110の端面(第1端面と第2端面)を覆っている部分の厚さをTbと表し、上記キャパシタ本体110の全体の長さをLt、上記キャパシタ本体110の全体の幅をWtと表すと、Lt≧Wt、Lt/500≦Ta≦Lt/50という関係を満たすようにキャパシタ100を構成することができる。
【0057】
Lt/500≧Taとなる場合には、キャパシタ100の耐湿信頼性(湿度に対する耐久性)を確保することができない。また、Ta≧Lt/50となる場合には、キャパシタ100の寸法がチップの幅サイズを超えてしまう可能性があるためキャパシタ100の寸法に比して充分な静電容量を確保することが困難となる可能性がある。
【0058】
また、上記第1電極層31、32において端面を覆っている部分の厚さTbがLt/250≦Tb≦Lt/25という関係を満たすようにキャパシタ100を構成することができる。
【0059】
Lt/250≧Tbとなる場合には、キャパシタ100の耐湿信頼性を確保することができない。また、Tb≧Lt/25となる場合には、キャパシタ100の寸法がチップの長さサイズを超えてしまう可能性があるため曲げ強度に対する信頼性が低下するおそれがある。
【0060】
図4から
図6は本発明の他の実施例によるキャパシタ200の断面図を概略的に示すものである。
【0061】
図4から
図6に示された構成要素のうち
図1から
図3に示された構成要素と同一の構成については説明を省略する。例えば、キャパシタ200を構成する第1内部電極221、第2内部電極222及び誘電体層211は、
図1〜
図3に示すキャパシタ100が有する第1内部電極121、第2内部電極122や誘電体層111と同様のものであるので、説明を省略する。また、
図1〜
図3に示すキャパシタ100の構成態様と同様に、
図4〜
図6に示すキャパシタ200においても、第1外部電極231及び第2外部電極232は、キャパシタ本体210の表面に配置され、第1電極層31、32、第2電極層33、34及び第3電極層35、36を有している。
【0062】
図4に示された本発明の他の実施例によるキャパシタ200は、上記第2電極層33、34が第1電極層31、32の表面に沿って形成され、めっき液のキャパシタ200内部への浸透を防止することが可能な信頼性の高い構造を実現することができる。上記構造により、上記第1電極層31、32はめっき層である第3電極層35、36と接する領域が存在しなくなるように外部電極231、232が構成されてもよい。
【0063】
図5及び
図6を参照すると、本発明の他の実施例によるキャパシタ200は、上記第2電極層33、34において上記キャパシタ本体210の端面(第1端面と第2端面)を覆っている部分の厚さをTcとするとき、Tc=0となるように構成することができる。
【0064】
即ち、上記第2電極層33、34は、上記キャパシタ本体200の上面と下面にだけ形成されることができ、方向Lを中心軸方向としてキャパシタ本体210を円環状に取り囲むバンド(band)状の構造を有することができる。これにより、キャパシタ200内部にめっき液が浸透するのを防止することができる。
【0065】
上記構造により、上記第1電極層31、32は、上記キャパシタ本体210の側面部分(第1端面と第2端面の近傍領域)で上記第3電極層35、36と接することができる。めっき層の形成の前に、第1電極層31、32が露出する面積を増加させることができる。そのため、めっき層の形成に際してめっき特性を改善することができ、キャパシタ本体210の側面部分(第1端面と第2端面の近傍領域)の抵抗を減少させることが可能となる。その結果、キャパシタ200のESRを低下させることができる。
【0066】
図7は本発明の一実施例によるチップの長さを比較例のチップの長さと比較した結果をグラフで示すもので、
図8は本発明の一実施例によるESR値を比較例のESR値と比較した結果をグラフで示すものである。
【0067】
図7に示す比較例として、第2電極層33、34の厚さを減少させない構成を有する従来のキャパシタを用いており、本発明に係る実施例の場合、第2電極層33、34はキャパシタ本体(110,210)の端面を覆う部分がキャパシタ本体(110,210)の上面と下面を覆う部分よりも薄く形成されたキャパシタ100または200(
図1〜
図6)である。実施例1(
図1〜
図3)は第2電極層33、34が端面を覆う部分が存在する構造であり、実施例2(
図4〜
図6)は第2電極層33、34が端面(第1端面と第2端面)を覆う部分が存在せず、キャパシタ200の上面と下面にだけ第2電極層33、34存在する構造である。
【0068】
図7及び
図8を参照すると、本発明の実施例は比較例よりもチップの長さ及びESRが減少していることを示し、特に、本発明の実施例のうち第2電極層33、34が端面(第1端面と第2端面)を覆う部分が存在しない構造を有する実施例2の場合はESRが最も低いことを示す。したがって、第2電極層33、34において端面(第1端面と第2端面)を覆っている部分の厚さが減少するほどESRが減少することが分かる。
【0069】
以下、本発明によるキャパシタの製造方法について説明する。
【0070】
本発明の一実施例によるキャパシタ100の製造方法は、上面、下面、及びこれらを連結する端面(第1端面と第2端面)を有するキャパシタ本体110の表面に第1導電性ペーストを塗布して第1電極層を形成する段階と、上記第1電極層の表面に導電性樹脂組成物を塗布して第2電極層を形成する段階と、上記第2電極層の上記キャパシタ本体の端面を覆う部分を加工する段階と、上記第2電極層の表面に第3電極層を形成する段階と、を含み、上記第2電極層は、上記キャパシタ本体の端面(第1端面と第2端面)を覆う部分の厚さが上記第1電極層において上記キャパシタ本体の端面(第1端面と第2端面)を覆っている部分の厚さよりも小さくなるように形成される。
【0071】
上記キャパシタ本体100は、上部に内部電極ペーストが塗布された複数個の誘電体層(
図2〜
図3に示す誘電体層111および
図4〜
図6に示す誘電体層211)を積層し、外部電極を形成した後、焼成工程を経てキャパシタ本体を形成することができる。
【0072】
上記第1電極層及び第2電極層は、ディッピング(dipping)方式を用いて形成されることができる。
【0073】
上記第1電極層は、従来に比べて厚く塗布されることができるが、導電ペーストの塗布による上記第1電極の形成方法は、このような方法だけに限定されない。
【0074】
上記第1導電性ペーストは金属を含み、上記導電性樹脂組成物は金属及び樹脂を含むことができる。
【0075】
上記金属としては、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)またはこれらの合金を用いてもよいが、これらに限定されない。
【0076】
上記樹脂は、熱硬化性樹脂であり、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenol resin)及びポリイミド樹脂(polyimide resin)を含む樹脂材料の中から選択された一つの樹脂材料とすることができ、例えば、エポキシ樹脂であってよいが、これに限定されない。
【0077】
図9aから
図9dは本発明の一実施例によるキャパシタ100の製造方法を概略的に示すものである。
【0078】
図9aから
図9dを参照すると、上記第1及び第2電極層が形成された複数個のキャパシタ100は、固定テープ310に接着するとともに固定ジグ(jig)320に固定されて、ローディングプレート(loading plate)300に最終的に固定される。
【0079】
上記複数個のキャパシタ100は、第1及び第2電極層が形成された一端部及び他端部を有し、一端部が固定領域となり、他端部が加工領域となり得る。
【0080】
上記固定された複数個のキャパシタ100に対してさらに加工を行うために、加工機器400を用いてキャパシタ100の側面を加工することができる。
【0081】
上記加工機器400としては、グラインディング(grinding)、ラッピング(lapping)、ポリシング(polishing)及びバッフィング(buffing)のような機械的加工工程を行うことができる機器を用いることができる。
【0082】
上記第2電極層を加工する段階において、上記第2電極層において上記キャパシタ本体の端面を覆っている部分の厚みを一部除去することができる。このとき、上記第2電極層においてキャパシタ本体の端面を覆っている部分の厚さは、第1電極層においてキャパシタ本体の端面を覆っている部分の厚さよりも小さくなるように形成することができる。こうして、上記第2電極層においてキャパシタ本体の端面を覆っている部分の厚さを減少させることにより、キャパシタ100のESRを低下させることができ、なおかつ、クラックの発生を防止することができる。
【0083】
上記第2電極層は、製造工程により、キャパシタ本体の上面と下面に配置された部分が曲面を有し、上記側面(第1端面と第2端面)に配置された部分が平らな面を有するように構成することができる。
【0084】
また、上記第2電極層を加工する段階において、上記第2電極層が上記キャパシタ本体の端面(第1端面と第2端面)を覆う部分を除去して、第1電極層が端面を覆う部分を露出させるようにすることができる。
【0085】
即ち、上記第2電極層は、上記キャパシタ本体の上面と下面にだけ形成され、それにより、キャパシタ本体内にめっき液が浸透するのを防止することができる。
【0086】
上記第1電極層において上記キャパシタ本体の端面を覆っている部分の厚さは、上記第2電極層において上記キャパシタ本体の上面と下面を覆っている部分の厚さの2倍以上となるようにすることができる。
【0087】
これにより、外部電極の抵抗が減少してキャパシタのESRを減少させることができ、その後、めっき層の形成時にめっきが充分にされていない未めっき領域が減少し、めっき層との間の界面抵抗を減少させることが可能となる。
【0088】
上記加工機器400としては、ラッピングプレート(lapping plate)またはホイール(wheel)を用いることができる。
【0089】
ラッピング工程は、ラッピングプレートの上部に研磨材を配置し、加工しようとする製品を上記研磨材の上部に配置させ、上記製品の上部に重量を加えて、上記製品と上記研磨材の摩擦力によって研磨面を研削する工程である。
【0090】
上記製品の表面の厚さ及び粗さは、研磨材の粒度及びローリング速度を変えることによって調節することができる。
【0091】
上記第2電極層を加工する段階において、上記ラッピング工程を用いて第2電極層を加工する場合、エッジ(edge)及び端面の第1電極層を毀損せずに端面を覆う部分だけを選択的に加工することができる。また、このようにすることで、第2電極層の端面に金属が露出するという効果を期待することができる。
【0092】
グラインディング工程は、グラインディングホイール(grinding wheel)と製品の摩擦力によって研磨面を研削する工程である。
【0093】
上記グラインディング工程を用いて第2電極層を加工する場合、グラインディングホイールの回転速度に応じて厚さ及び表面特性の正確度がを決定することができる。
【0094】
上記工程により、
図9bのように、キャパシタ100の他端面において第2電極層の一部を除去することができる。
【0095】
また、
図9c及び9dを参照すると、第2電極層の加工された面が固定領域となり、キャパシタ100の一端部が加工領域となって、最終的に第2電極層によって覆われるべき両端面が加工された状態のキャパシタを得ることができる。
【0096】
上記加工する段階の後、第2電極層の表面に金属めっき処理により第3電極層を形成することができる。
【0097】
上記金属としては、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、またはこれらの合金を用いることができる。
【0098】
上記第1電極層において上記キャパシタ本体の側面を覆う部分の一部が露出する場合、上記一部に上記第3電極層を形成することができる。
【0099】
上記第2電極層がキャパシタ本体の端面を覆う部分を全て除去する場合、キャパシタ本体の端面を覆う部分において第1電極層が露出するため、上記第1電極層の表面の一部及び第2電極層の表面を覆うように第3電極層を形成することができる。めっき層の形成の前に、第1電極層が露出する面積が増加することとなるため、めっき特性を改善することができ、上記端面を覆う部分における電気抵抗が小さくなることによってキャパシタのESRを減少させることができる。
【0100】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有するものには明らかである。