モータ制御装置10はメモリ26および設定セレクタ47を備えている。メモリ26は、それぞれモータ2に関連する複数の設定項目と、複数の設定項目を順番に設定するための設定シーケンスSCと、を記憶する。設定セレクタ47は、メモリ26に接続され、設定シーケンスSC、ユーザ入力UI0および複数の設定項目の現在選択項目に基づいて複数の設定項目から新選択項目を選択する。
前記複数の設定項目のうち1つは、前記モータのテスト運転の実行をしめすテスト運転実行オプションと、前記モータの前記テスト運転の不実行を示すテスト運転不実行オプションと、を前記複数のオプションとして有しており、
前記現在選択項目が前記テスト運転実行オプションおよび前記テスト運転不実行オプションを有している場合に、前記設定セレクタは、前記選択入力に基づいて前記現在選択項目の前記テスト運転実行オプションおよび前記テスト運転不実行オプションのうち一方を前記選択オプションとして選択する、
請求項15または16に記載のモータ制御装置。
前記選択実方向オプションの示す方向が前記選択設定方向オプションの示す方向と異なる場合に、前記設定セレクタは、前記選択入力に基づいて、前記第1回転方向オプションおよび前記第2回転方向オプションのうち選択された一方から前記第1回転方向オプションおよび前記第2回転方向オプションのうち他方に前記選択設定方向オプションを変更する、
請求項19に記載のモータ制御装置。
前記複数の設定項目のうち1つは、前記モータの少なくとも1つのパラメータを自動的にチューニングするオートチューニングの実行を示すオートチューニング実行オプションと、前記オートチューニングの不実行を示すオートチューニング不実行オプションと、を前記複数のオプションとして有しており、
前記現在選択項目が前記オートチューニング実行オプションおよび前記オートチューニング不実行オプションを有している場合に、前記設定セレクタは、前記選択入力に基づいて前記現在選択項目の前記オートチューニング実行オプションおよび前記オートチューニング不実行オプションのうち一方を前記選択オプションとして選択する、
請求項1〜20のいずれかに記載のモータ制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。図中において同じ符号は、対応するまたは同一の構成を示している。
【0010】
第1実施形態
図1に示すように、第1実施形態に係るモータ制御装置10はモータ2を制御するように構成されている。モータ2の例としては、誘導電動機および永久磁石電動機が挙げられる。しかし、モータ制御装置10はどのようなタイプのモータでも制御するように構成できる。モータ制御装置10は、コンバータ12、平滑コンデンサ14、インバータ16およびインバータコントローラ18を有している。コンバータ12は交流(AC)電源4に電気的に接続されている。インバータ16はモータ2に電気的に接続されている。
【0011】
図1に示すように、コンバータ12および平滑コンデンサ14はAC電源4から供給されるAC電力を直流(DC)電力に変換する。インバータ16はコンバータ12および平滑コンデンサ14から供給されるDC電力をAC電力に変換する。インバータ16は変換されたAC電力をモータ2に出力する。なお、コンバータ12、平滑コンデンサ14およびインバータ16の構造は、モータ制御の分野で知られているので、その詳細な説明は省略する。
【0012】
インバータコントローラ18は動作可能なようにインバータ16に接続されている。本実施形態では、インバータコントローラ18はケーブル20を介してインバータ16に電気的に接続されている。
【0013】
図2に示すように、インバータコントローラ18は、インバータ16を介してモータ2の回転を制御するための制御信号を生成する制御信号生成部22を有している。制御信号生成部22はパルス幅変調(PWM)コントローラおよび電圧コントローラなどの構成部品を有している。制御信号生成部22はV/F制御およびベクトル制御の少なくとも一方によりモータ2を制御する。
【0014】
モータ制御装置10は、それぞれモータ2に関連する複数の設定項目を管理する。複数の設定項目については後述する。ユーザは、モータ制御装置10を介して複数の制御パラメータを調整したりモータ2を制御するための制御モードを調整したりできる。具体的には、インバータコントローラ18は、プロセッサ24、メモリ26およびシステムバス28を有している。プロセッサ24は中央制御装置(CPU)およびメモリコントローラを有している。プロセッサ24はシステムバス28を介して制御信号生成部22およびメモリ26に電気的に接続されている。プロセッサ24、メモリ26およびシステムバス28は、例えば基板上に電気的に搭載されている。プロセッサ24、メモリ26、システムバス28および基板は、モータ制御装置10の機能を実現するための回路を構成している。
【0015】
メモリ26はリードオンリーメモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)を有している。ROMは一時的でない記録媒体を有している。RAMは一時的な記録媒体を有している。メモリ26はアドレスをそれぞれ有する複数の記憶領域をROMおよびRAM内に有している。プロセッサ24は、メモリ26の記憶領域にデータを記憶するようにメモリ26を制御し、メモリ26の記憶領域からデータを読み出す。
【0016】
メモリ26(例えばROM)には、少なくとも1つのプログラムが記憶されている。少なくとも1つのプログラムがプロセッサ24に読み込まれ、それによりモータ制御装置10の機能が実現される。
【0017】
モータ制御装置10はディスプレイコントローラ30およびディスプレイ32をさらに有している。ディスプレイコントローラ30は情報を表示するようにディスプレイ32を制御する。モータ制御装置10は入力装置33をさらに有している。入力装置33はユーザ入力UI0を受け付ける。本実施形態では、モータ制御装置10は操作装置34を有している。ディスプレイ32および入力装置33は操作装置34内に設けられている。しかし、ディスプレイ32および入力装置33の少なくとも一方がインバータコントローラ18に設けられていてもよい。
【0018】
モータ制御装置10は電力制御部35を有している。電力制御部35はAC電源4に電気的に接続されている。電力制御部35は、AC電源4から制御信号生成部22、プロセッサ24、メモリ26、ディスプレイコントローラ30、ディスプレイ32および入力装置33へ供給される電力を制御する。電力制御部35は制御された電力を操作装置34にケーブル36を介して供給する。
【0019】
本実施形態では、AC電源4からインバータコントローラ18および操作装置34に電力制御部35を介して電力が供給される。しかし、他の電源からインバータコントローラ18および操作装置34に電力制御部35または他の電力制御部を介して電力が供給されてもよい。
【0020】
図3に示すように、ユーザ入力UI0は前進入力UI1および後退入力UI2を有している。本実施形態では、入力装置33は、前進入力UI1を受け付ける第1矢印キー37と、後退入力UI2を受け付ける第2矢印キー38と、を有している。第1矢印キー37は右矢印キーを有している。第2矢印キー38は左矢印キーを有している。しかし、前進入力UI1および後退入力UI2は他のキーにより受け付けられてもよい。
【0021】
入力装置33は、前進入力UI1を受け付ける第1キー40と、後退入力UI2を受け付ける第2キー42と、を有している。本実施形態では、第1キー40は情報を設定するためのエンターキーを有している。第2キー42はファンクションキー(F1)を有している。しかし、第1キー40および第2キー42は入力装置33から省略可能である。さらに、入力装置33は第1キー40および第2キー42以外のキーを有していてもよい。
【0022】
本実施形態では、ユーザ入力UI0は上入力UI3および下入力UI4を有している。入力装置33は第3矢印キー44および第4矢印キー46を有している。第3矢印キー44は上入力UI3を受け付ける上矢印キーを有している。第4矢印キー46は下入力UI4を受け付ける下矢印キーを有している。
【0023】
モータ2に関する情報はディスプレイ32に表示される。ユーザはディスプレイ32および入力装置33を介してモータ2の制御の設定を実行できる。
【0024】
図2に示すように、メモリ26は、それぞれモータ2に関する複数の設定項目SIを記憶する。本実施形態では、複数の設定項目SIは、モータ2の複数の制御パラメータと、モータ2の複数の制御モードと、を有している。しかし、複数の設定項目SIは複数の制御パラメータおよび複数の制御モードに限定されない。
【0025】
メモリ26は複数の設定項目SIを順番に設定するための設定シーケンスSCを記憶する。本実施形態では、設定シーケンスSCは複数の設定項目SIの設定順序を規定している。
【0026】
図4は、複数の設定項目SI1〜SI13を設定する順序を規定する設定シーケンスSCの一例を示している。メモリ26は設定シーケンスSCおよび複数の設定項目SI1〜SI13を記憶している。ユーザは、設定シーケンスSCにより複数の設定項目SI1〜SI13を簡単に設定することができる。
【0027】
複数の設定項目SI1〜SI13の例としては、モータ2の複数の制御パラメータ、モータ2の複数の制御モードおよび複数のパラメータ設定モードが挙げられる。複数の制御パラメータの例としては、モータのタイプ、モータの負荷のタイプ、エンコーダの存否に関する情報、モータを制御するための制御モードのタイプ、モータを保護する保護機能に関する情報、およびモータのロータの回転方向が挙げられる。複数の制御パラメータの例としては、さらに、モータの定格電力、モータの定格電圧、モータの定格電流、モータの定格基底周波数、モータの極数、モータの定格回転速度およびエンコーダの入力パルスが挙げられる。
【0028】
複数の制御モードの例としては、オープンループベクトル(OLV)制御モード、クローズドループベクトル(CLV)制御モード、V/f制御モードおよびシンプルドライブモードが挙げられる。パラメータ設定モードの例としてはテスト運転モードおよびオートチューニングモードが挙げられる。テスト運転モードでは、モータ制御装置10の現在の設定に基づいてモータのテスト運転が実行される。オートチューニングモードでは、複数の制御パラメータのうち少なくとも1つがモータ制御装置10により自動的にチューニングされる。
【0029】
図2に示すように、モータ制御装置10はメモリ26に接続された設定セレクタ47を有している。設定セレクタ47は、設定シーケンスSC、ユーザ入力UI0および複数の設定項目SIのうち現在選択されている項目(現在選択項目)に基づいて複数の設定項目SIの中から新選択項目を選択する。例えば、ユーザは、入力装置33を用いて、設定セレクタ47により複数の設定項目のうち1つから他の項目へ現在選択項目を変更することができる。本実施形態では、設定セレクタ47の機能はメモリ26に記憶されたプログラムに基づいてプロセッサ24により実現される。しかし、設定セレクタ47の機能はプロセッサ24以外の回路を用いて実現されてもよい。
【0030】
ディスプレイコントローラ30は設定セレクタ47に接続されている。ディスプレイコントローラ30は現在選択項目を表示するようにディスプレイ32を制御する。ディスプレイコントローラ30は、設定セレクタ47により選択された新選択項目を現在選択項目として表示するようにディスプレイ32を制御する。ディスプレイ32は、ディスプレイコントローラ30に接続されており、現在選択項目を表示する。入力装置33は設定セレクタ47に接続されている。ユーザは、入力装置33を用いて、設定セレクタ47により、ディスプレイ32に表示されている現在選択項目を1つの設定項目から他の設定項目へ変更することができる。
【0031】
本実施形態では、設定セレクタ47は、新選択項目を決定するようにユーザ入力UI0および現在選択項目を設定シーケンスSCと比較する比較部48を有している。比較部48はメモリ26に電気的に接続されている。本実施形態では、メモリ26に記憶されているプログラムに基づいてプロセッサ24により比較部48の機能が実現される。しかし、比較部48の機能はプロセッサ24以外の回路を用いて実現されてもよい。
【0032】
図4に示すように、設定シーケンスSCは複数の設定項目SI1〜SI13が順番に並んでいる前進方向D1を有している。設定シーケンスSCは前進方向D1とは逆方向の後退方向D2を有している。設定セレクタ47は、設定シーケンスSC、前進入力UI1および現在選択項目に基づいて、複数の設定項目SI1〜SI13の中から現在選択項目の前進方向D1における次の項目を新選択項目として選択する。
【0033】
例えば、設定項目SI11が現在選択項目の場合、次の項目は設定項目SI13に対応している。設定項目SI11が現在選択項目の状態で第1矢印キー37(
図3)が前進入力UI1を受けた場合、設定セレクタ47は設定シーケンスSC、前進入力UI1および現在選択項目SI11に基づいて設定項目SI13を新選択項目として選択する。
【0034】
設定セレクタ47は、設定シーケンスSC、後退入力UI2および現在選択項目に基づいて複数の設定項目の中から現在選択項目の後退方向D2における前の項目を新選択項目として選択する。
【0035】
例えば、設定項目SI11が現在選択項目の場合、前の項目は設定項目SI10に対応する。設定項目SI11が現在選択項目の状態で第2矢印キー38(
図3)が後退入力UI2を受けた場合、設定セレクタ47は設定シーケンスSC、後退入力UI2および現在選択項目SI11に基づいて設定項目SI10を新選択項目として選択する。
【0036】
図4に示すように、複数の設定項目SIは、順番に隣り合った少なくとも2つの設定項目を有している。
図4に示す例では、複数の設定項目SIは、順番に隣り合った複数の設定項目SI1〜SI13を有している。
図5〜
図7に示すように、設定シーケンスSCは、少なくとも2つの設定項目とユーザ入力UI0の候補として規定される複数の利用可能ユーザ入力との間の第1対応関係CR1を有している。比較部48は、新選択項目を決定するために現在選択項目およびユーザ入力UI0を第1対応関係CR1と比較する。複数の利用可能ユーザ入力は、前進入力UI1、後退入力UI2、上入力UI3および下入力UI4を有している。
【0037】
図5に示すように、例えば、現在選択項目が設定項目SI1の状態で入力装置33が前進入力UI1を受けた場合、比較部48は、新選択項目SI2を決定するために設定項目SI1および前進入力UI1を第1対応関係CR1と比較する。
【0038】
複数の設定項目SIのうち少なくとも1つは、モータ2にそれぞれ関連する複数のオプション(選択肢)を有している。複数の設定項目SIのうち少なくとも2つは、モータ2にそれぞれ関連する複数のオプションをそれぞれ有している。メモリ26は複数の設定項目SIそれぞれの複数のオプションを記憶する。本実施形態では、
図6および
図7に示すように、各複数の設定項目SI1〜SI13は、モータ2にそれぞれ関連する複数のオプションを有している。複数のオプションの例としては、モータ2の複数の制御パラメータおよびモータ2の複数の制御モードが挙げられる。
【0039】
本実施形態では、各複数の設定項目SI1〜SI8およびSI13が、モータ2にそれぞれ関連する複数のオプションを有している。例えば、設定項目SI1は複数のオプションOP11、OP12およびOP13を有している。設定項目SI2は複数のオプションOP21およびOP22を有している。設定項目SI3は複数のオプションOP31、OP32およびOP33を有している。設定項目SI4は複数のオプションOP41、OP42、OP43およびOP44を有している。設定項目SI5は複数のオプションOP51、OP52およびOP53を有している。設定項目SI6は複数のオプションOP61およびOP62を有している。設定項目SI7は複数のオプションOP71およびOP72を有している。設定項目SI8は複数のオプションOP81およびOP82を有している。設定項目SI13は複数のオプションOP131およびOP132を有している。各複数の設定項目SI9〜SI12は、パラメータ値を有している。本実施形態では、各複数の設定項目SI9〜SI12は、複数の入力値IP9〜IP12を有している。さまざまな値が各複数の入力値IP9〜IP12として所定の範囲内で入力装置33を介してモータ制御装置10に入力可能である。
【0040】
設定セレクタ47は、現在選択項目が複数のオプションを有している場合、ユーザ入力UI0に基づいて現在選択項目の複数のオプションの1つを選択オプションとして選択する。例えば、設定セレクタ47が現在選択項目として設定項目SI1を選択する場合、設定セレクタ47は上入力UI3および下入力UI4に基づいて複数のオプションOP11、OP12およびOP13のうち1つを選択オプションとして選択する。本実施形態では、選択オプションはディスプレイ32にハイライト表示される。しかし、選択枠線で囲んだり色を変えたりすることでオプションを強調してもよい。
【0041】
設定セレクタ47は、現在選択項目が複数のオプションを有している場合、ユーザ入力UI0に基づいて現在選択項目の複数のオプションの1つを選択オプションとして選択する。ユーザ入力UI0は選択入力を有している。設定セレクタ47は、現在選択項目が複数のオプションを有している場合、選択入力に基づいて現在選択項目の複数のオプションの1つを選択オプションとして選択する。本実施形態では、選択入力の例として、上入力UI3および下入力UI4が挙げられる。
【0042】
例えば、
図5に示すように、設定セレクタ47は、上入力UI3および下入力UI4に基づいて現在選択項目SI1の複数のオプションOP11〜OP13の1つを選択オプションとして選択する。選択オプションがオプションOP11の場合、設定セレクタ47は下入力UI4に基づいてオプションOP12を選択オプションとして選択する。
【0043】
設定セレクタ47は、現在選択項目の選択オプションを記憶するようメモリ26を前進入力UI1に基づいて制御する。例えば、
図5に示すように、現在選択項目が設定項目SI1であり、かつ、選択オプションがオプションOP12である状態で、入力装置33が前進入力UI1を受けた場合、設定セレクタ47は前進入力UI1に基づいて現在選択項目SI1の選択オプションOP12が記憶されるようメモリ26を制御する。前進入力UI1は、設定項目SI1から設定項目SI2に現在選択項目を切り替え、現在選択項目を切り替えると同時にオプションOP12を選択オプションとして設定する。
図6および
図7では、実線矢印が前進入力UI1を示しており、破線矢印が後退入力UI2を示している。
【0044】
メモリ26は少なくとも1つの前回選択されたオプション(前回選択オプション)を記憶する。比較部48は、新選択項目を決定するために、現在選択項目、複数の利用可能ユーザ入力および少なくとも1つの前回選択オプションを第1対応関係CR1と比較する。
【0045】
例えば、
図5に示すように、メモリ26は異なる記憶領域内に複数の前回選択オプションを記憶する。比較部48は、新選択項目を決定するために現在選択項目、前進入力UI1および各複数の前回選択オプションOP11〜OP13を第1対応関係CR1と比較する。
【0046】
現在選択項目が設定項目SI2であり、かつ、前回選択オプションが設定項目SI1のオプションOP13である状態で、入力装置33が前進入力UI1を受けた場合、比較部48は、新選択項目SI3またはSI7を決定するために現在選択項目SI2、前進入力UI1および各複数の前回選択オプションOP11〜OP13を第1対応関係CR1と比較する。本実施形態では、比較部48は、新選択項目SI7を決定するために現在選択項目SI2、選択オプションOP22、前進入力UI1および前回選択オプションOP13を第1対応関係CR1と比較する。
【0047】
すなわち、少なくとも1つの前回選択オプションが第1選択オプションOP11またはOP12を有している場合、設定セレクタ47は第1新選択項目SI3を新選択項目として選択する。少なくとも1つの前回選択オプションが第1選択オプションOP11またはOP12とは異なる第2選択オプションOP13を有している場合は、設定セレクタ47は第2新選択項目SI7を新選択項目として選択する。第1新選択項目SI3は第2新選択項目SI7と異なっている。
【0048】
図4に示すように、設定シーケンスSCは、第1ルートと、第1ルートとは異なる第2ルートと、を有している。第1ルートは複数の設定項目のうち少なくとも2つにより定義される。第2ルートは複数の設定項目のうち少なくとも2つにより定義される。第1ルートにより定義される複数の設定項目の組み合わせは、第2ルートにより定義される複数の設定項目の組み合わせと異なっている。
【0049】
本実施形態では、設定シーケンスSCは第1〜第9設定ルートを有している。第1〜第9設定ルートのうち1つは第1ルートに対応している。第1〜第9設定ルートのうち他の1つは第2ルートに対応している。
【0050】
複数の設定項目SI1〜SI6、SI8〜SI11およびSI13は第1設定ルート上に定義されている。複数の設定項目SI1〜SI4、SI6、SI8〜SI11およびSI13は第2設定ルート上に定義されている。複数の設定項目SI1、SI7、SI6、SI8〜SI11およびSI13は第3設定ルート上に定義されている。複数の設定項目SI1〜SI6、SI8〜SI10およびSI13は第4設定ルート上に定義されている。複数の設定項目SI1〜SI6、SI8、SI12およびSI13は第5設定ルート上に定義されている。複数の設定項目SI1〜SI4、SI6、SI8〜SI10およびSI13は第6設定ルート上に定義されている。複数の設定項目SI1〜SI4、SI6、SI8、SI12およびSI13は第7設定ルート上に定義されている。複数の設定項目SI1、SI7、SI6、SI8〜SI10およびSI13は第8設定ルート上に定義されている。複数の設定項目SI1、SI7、SI6、SI8、SI12およびSI13は第9設定ルート上に定義されている。
【0051】
設定セレクタ47はユーザ入力UI0に基づいて第1ルートおよび第2ルートのうち1つを選択する。本実施形態では、設定セレクタ47は前進入力UI1、エンター入力、上入力UI3および下入力UI4に基づいて第1〜第9設定ルートのうち1つを選択する。
【0052】
メモリ26は設定シーケンスSCとして利用可能設定シーケンスSC1およびSC2を記憶する。利用可能設定シーケンスSC1およびSC2は少なくとも一部が互いに異なっている。設定セレクタ47はユーザ入力UI0に基づいて利用可能設定シーケンスSC1およびSC2から設定シーケンスSCを選択する。
【0053】
本実施形態では、メモリ26は設定シーケンスSCとして利用可能設定シーケンスSC1およびSC2を記憶する。利用可能設定シーケンスSC1およびSC2は部分的に互いに異なっている。設定シーケンスSC1とは異なり、設定シーケンスSC2は1つのルートを有しており複数のルートを有していない。
【0054】
設定セレクタ47は、ユーザ入力UI0に基づいて利用可能設定シーケンスSC1およびSC2から設定シーケンスSC1およびSC2のうち1つを選択する。具体的には、設定セレクタ47は前進入力UI1、上入力UI3および下入力UI4に基づいて利用可能設定シーケンスSC1およびSC2から設定シーケンスSCを選択される。
【0055】
メモリ26は複数の設定項目のうち少なくとも1つに関連する少なくとも1つのメッセージを記憶する。設定シーケンスSCは、少なくとも1つのメッセージおよび複数の設定項目のうち少なくとも1つの間の第2対応関係CR2を有している。本実施形態では、
図8に示すように、メモリ26は複数の設定項目SI1〜SI13にそれぞれ関連するメッセージM1〜M13を記憶する。設定シーケンスSCは、メッセージM1〜M13および複数の設定項目SI1〜SI13の間の第2対応関係CR2を有している。具体的には、
図8に示すように、第2対応関係CR2はメッセージM1〜M13および複数の設定項目SI1〜SI13の間の関係を定義している。
【0056】
本実施形態では、メッセージM1〜M13は複数の設定項目SI1〜SI13に対応している。しかし、メッセージM1〜M13のうち少なくとも1つは、第2対応関係CR2から省略可能である。さらに、複数のメッセージは複数の設定項目SI1〜SI13のうち1つに対応し得る。
【0057】
ディスプレイコントローラ30は、第2対応関係CR2および現在選択項目に基づいて、複数の設定項目のうち少なくとも1つとともに少なくとも1つのメッセージを表示するようにディスプレイ32を制御する。例えば、
図8に示すように、ディスプレイコントローラ30は、第2対応関係CR2および現在選択項目SI1に基づいて、設定項目SI1とともにメッセージM1を表示するようにディスプレイ32を制御する。
【0058】
図3に示すように、ディスプレイ32は項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50を有している。ディスプレイコントローラ30は、現在選択項目として、設定セレクタ47により選択された新選択項目を項目ウィンドウ49に表示するようにディスプレイ32を制御する。ディスプレイコントローラ30は、第2対応関係CR2および項目ウィンドウ49に表示された現在選択項目に基づいて少なくとも1つのメッセージをメッセージウィンドウ50に表示するようにディスプレイ32を制御する。例えば、ディスプレイコントローラ30は第2対応関係CR2および項目ウィンドウ49に表示された現在選択項目SI1に基づいてメッセージM1をメッセージウィンドウ50に表示するようにディスプレイ32を制御する。
【0059】
モータ制御装置10は少なくとも1つのパラメータの測定値とメモリ26に記憶されるチューニング情報とに基づいて少なくとも1つのパラメータを算出するオートチューニング装置52をさらに有している。本実施形態では、オートチューニング装置52は複数のパラメータの測定値とメモリ26に記憶されるチューニング情報とに基づいて複数のパラメータを算出する。チューニング情報は、例えば数式を有している。オートチューニング装置52は複数のパラメータの測定値と数式とに基づいて複数のパラメータを算出する。本実施形態では、オートチューニング装置52の機能はメモリ26に記憶されるプログラムに基づいてプロセッサ24により実現される。しかし、オートチューニング装置52の機能はプロセッサ24以外の回路を用いて実現されてもよい。
【0060】
モータ制御装置10はモータ2のロータの回転方向の位置を検出するエンコーダ54を有している。エンコーダ54の例としては、磁気式ロータリエンコーダおよび光学式ロータリエンコーダが挙げられる。モータ制御装置10はPGカード58を介してエンコーダ54から信号を受信するPGカードコントローラ56を有している。PGカードコントローラ56はエンコーダ54からの信号の正常状態または異常状態を判定する。PGカードコントローラ56は、エンコーダ54に電気的に接続されており、PGカードスロット60を有している。PGカード58はPGカードスロット60内に設けられている。PGカードコントローラ56はシステムバス28を介して制御信号生成部22、プロセッサ24、メモリ26、ディスプレイコントローラ30、ディスプレイ32および入力装置33に電気的に接続されている。
【0061】
図9に示すように、モータ制御装置10の制御方法は、複数の設定項目と、複数の設定項目を順番に設定するための設定シーケンスSCと、をメモリ26に記憶する工程を有している。本実施形態では、複数の設定項目SI1〜SI13と、複数の設定項目SI1〜SI13を順番に設定するためのおよび設定シーケンスSC(例えば、SC1およびSC2)と、がメモリ26に記憶されている。具体的には、複数の設定項目SI1〜SI13および設定シーケンスSCは設定プロセスの前にメモリ26に記憶されている。
【0062】
複数の設定項目SI1〜SI13のうち初期選択項目がディスプレイコントローラ30によりディスプレイ32に表示される(SA1)。初期選択項目の複数のオプションのうち初期選択オプションは、ディスプレイコントローラ30によりディスプレイ32にハイライト表示される(SA2)。例えば、初期設定項目および初期選択オプションは設定シーケンスSC内で定義されている。本実施形態では、
図6に示すように、初期設定項目は設定項目SI1であり、初期選択オプションはオプションOP11である。初期設定項目に対応するメッセージは、第2対応関係CR2を用いてディスプレイコントローラ30によりディスプレイ32に表示される(
図8、SA3)。本実施形態では、
図8に示すように、初期設定項目SI1に対応するメッセージM1はディスプレイコントローラ30によりディスプレイ32に表示される。
【0063】
モータ制御装置10の制御方法は、設定シーケンスSC、ユーザ入力UI0および複数の設定項目の現在選択項目に基づいて、メモリ26に接続された設定セレクタ47により、複数の設定項目から新選択項目を選択する工程を有している。本実施形態では、設定シーケンスSC、ユーザ入力UI0および複数の設定項目SI1〜SI13の現在選択項目に基づいて複数の設定項目SI1〜SI13から新選択項目が設定セレクタ47により選択される。
【0064】
ユーザ入力UI0は設定セレクタ47により検出される。具体的には、前進入力UI1または後退入力UI2は設定セレクタ47により検出される(SA4)。第1矢印キー37、第2矢印キー38、第1キー40および第2キー42の操作は設定セレクタ47により検出される。
【0065】
前進入力UI1および後退入力UI2が設定セレクタ47により検出されない場合、上入力UI3および下入力UI4は設定セレクタ47により検出される(SA10)。第3矢印キー44および第4矢印キー46の操作は設定セレクタ47により検出される。
【0066】
前進入力UI1および後退入力UI2の一方が設定セレクタ47により検出される場合、新選択項目を決定するために現在選択項目およびユーザ入力UI0が設定シーケンスSCと比較される(SA5)。新選択項目は設定セレクタ47によりメモリ26に記憶される(SA6)。新選択項目は設定セレクタ47により項目ウィンドウに表示される(SA7)。選択オプションはディスプレイコントローラ30によりディスプレイ32にハイライト表示される(SA8)。新選択項目に対応するメッセージはディスプレイコントローラ30によりディスプレイ32に表示される(SA9)。
【0067】
上入力UI3および下入力UI4の一方が設定セレクタ47により検出された場合、新選択オプションを決定するために現在選択オプションおよびユーザ入力UI0が設定シーケンスSCと比較される(SA11)。新選択オプションは設定セレクタ47によりメモリ26に記憶される(SA12)。新選択オプションは設定セレクタ47により項目ウィンドウに表示される(SA13)。新選択オプションはディスプレイコントローラ30によりディスプレイ32にハイライト表示される(SA14)。
【0068】
モータ制御装置10の設定シーケンスSCの一例を以下に説明する。
【0069】
図10〜
図21はモータ制御装置10のディスプレイ32の表示画面を示している。
図22〜
図31はモータ制御装置10の複数のパラメータおよび複数の制御モードを設定するためのフローチャートを示している。
【0070】
図10に示すように、モータ制御装置10の電源がONになったとき、初期設定画面はディスプレイ32に表示される。初期設定画面は、ツール“言語選択”、“日付/時間”、“セットアップウィザード”および“初期設定の表示”を有している。ツール“言語選択”では、ユーザは入力装置33を用いて利用可能な言語から使用言語を選択することができる。ツール“日付/時間”では、ユーザは入力装置33を用いて日付および時間を設定することができる。“セットアップウィザード”モードでは、ユーザはメモリ26に記憶された設定シーケンスSCに沿ってモータ2を制御するために必要な複数の設定項目を設定することができる。
【0071】
“セットアップウィザード”モードでは、
図22に示す設定が設定シーケンスSCに沿って実行される。第3矢印キー44および第4矢印キー46を用いてこれらの項目の中からハイライト表示された項目をユーザは切り替えることができる。第3矢印キー44がユーザに操作されると、ハイライト表示された項目が現在ハイライト表示される項目から上方に配置された項目に切り替えられる。第4矢印キー46がユーザに操作されると、ハイライト表示された項目が現在ハイライト表示されている項目から下方に配置された項目に切り替えられる。“セットアップウィザード”モードがハイライト表示されている状態で第1矢印キー37または第1キー40がユーザに操作された場合、処理が“セットアップウィザード”モードに移行する。
【0072】
初期設定画面がディスプレイ32に表示されている状態で第2キー42が押されると、ディスプレイコントローラ30は初期設定画面からホーム画面に表示画面を切り替える。ホーム画面ではモータ制御装置10はモータ2を停止する。ディスプレイコントローラ30は、ユーザ入力UI0に基づいてホーム画面およびメニュー画面の間で表示画面を切り替える。メニュー画面では項目“モニタ”、“パラメータ設定”、“修正パラメータ”、“パラメータバックアップ”、“故障情報”および“オートチューニング”がディスプレイ32に表示される。“オートチューニング”モードでは、複数の制御パラメータがモータ制御装置10によりチューニングされる。“オートチューニング”モードでは、メモリ26に記憶される設定シーケンスSCに基づいて処理が進行する。
<セットアップウィザード>
図22〜
図31には設定シーケンスSCに基づくモータ制御装置10の“セットアップウィザード”モードのフローチャートが示されている。
図22に示すように、設定シーケンスSCは、負荷入力サブプロセス、モータタイプ入力サブプロセス、PGカードサブプロセス、制御もーど設定サブプロセス、モータチューニングサブプロセスおよびパラメータ修正サブプロセスを有している(ステップS1〜S7)。
【0073】
セットアップウィザードでは、
図22〜
図31に示すように、メモリ26は複数の設定項目SI107〜SI116、SI119、SI121〜SI128、SI132およびSI133を複数の設定項目SIとして記憶する。メモリ26は、メッセージM107〜M116、M119、M121〜M128、M132およびM133を記憶する。設定シーケンスSCは、複数の設定項目SI107〜SI116、SI119、SI121〜SI128、SI132およびSI133および複数の利用可能ユーザ入力(前進入力UI1、後退入力UI2、上入力UI3および下入力UI4)の間の第1対応関係CR1(例えば、
図5)を有している。設定シーケンスSCは、複数の設定項目SI107〜SI116、SI119、SI121〜SI128、SI132およびSI133およびメッセージM107〜M116、M119、M121〜M128、M132およびM133の間の第2対応関係CR2(例えば、
図8)を有している。
<負荷入力サブプロセス>
図11および
図23に示すように、負荷入力サブプロセスではユーザは負荷の種類を設定できる。複数の設定項目SIは負荷の種類を有している。設定項目SI107およびメッセージM107はディスプレイコントローラ30により項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50に表示される(S131)。設定項目SI107は、複数のオプション“一定トルク”および“可変トルク”を有している。オプション“一定トルク”は初期状態において初期選択オプションとしてハイライト表示される。第1矢印キー37または第1キー40(
図3)がユーザに操作されると、第1矢印キー37または第1キー40を介して入力されたユーザ入力UI0に反応して、ハイライト表示されたオプションが選択オプションとしてメモリ26に記憶される。
【0074】
ユーザ入力UI0に反応して設定セレクタ47によりオプション“一定トルク”が選択されると、モータ2の負荷タイプとして高負荷を示す情報がメモリ26は記憶される(S132)。オプション“可変トルク”が設定セレクタ47により選択されると、モータ2の負荷タイプとして通常負荷を示す情報をメモリ26が記憶し(S133)、処理がモータタイプ入力サブプロセスに移行する。高負荷(第1負荷)はモータ2において通常負荷(第2負荷)よりも大きい。
【0075】
オプション“一定トルク”が設定セレクタ47により選択された後、設定項目SI108およびメッセージM108が前進入力UI1に反応してディスプレイコントローラ30により項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50に表示される(S134)。具体的には、設定セレクタ47は、設定シーケンスSC、前進入力UI1および現在選択項目SI107に基づいて複数の設定項目SI107〜SI116、SI119、SI121〜SI128、SI132およびSI133から設定項目SI108を新選択項目として選択する。ディスプレイコントローラ30は設定セレクタ47により選択された新選択項目SI108を現在選択項目として表示するようにディスプレイ32を制御する。このとき、比較部48は新選択項目SI108を決定するために前進入力UI1および現在選択項目SI107を設定シーケンスSCと比較する。ディスプレイコントローラ30は第2対応関係CR2および現在選択項目SI108に基づいて複数の設定項目SI108とともにメッセージM108を表示するようにディスプレイ32を制御する。前進入力UI1に基づいて他の設定項目および他のメッセージに同じ動作が適用されるので、それらの詳細な説明は省略する。
【0076】
設定項目SI108は、複数のオプション“なし”、“ダイナミックブレーキ”および“外部回生コンバータ”を有している。オプション“なし”は初期選択オプションとして初期状態でハイライト表示される。第1矢印キー37または第1キー40がユーザに操作されると、第1矢印キー37または第1キー40を介して入力された前進入力UI1に反応して、ハイライト表示されたオプションが設定セレクタ47により選択オプションとしてメモリ26に記憶される。
【0077】
前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“なし”が選択されると、処理がモータタイプ入力サブプロセスに移行する。前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“ダイナミックブレーキ”が選択されると、ダイナミックブレーキを示す情報(“DB”)を回生オプション(“RO”)としてメモリ26が記憶し(S135)、処理がモータタイプ入力サブプロセスに移行する。第1矢印キー37または第1キー40を介して入力された前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“外部回生コンバータ”が選択されると、外部回生コンバータを示す情報(“ERC”)を回生オプション(“RO”)としてメモリ26が記憶し(S136)、処理がモータタイプ入力サブプロセスに移行する。
<モータタイプ入力サブプロセス>
図13および
図24に示すように、モータタイプ入力サブプロセスではユーザはモータタイプを設定できる。設定項目SI109およびメッセージM109はディスプレイコントローラ30により項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50に表示される(S137)。設定項目SI109は、オプション“誘導電動機”および“永久磁石電動機”を有している。初期状態においてオプション“誘導電動機”は初期選択オプションとしてハイライト表示される。第1矢印キー37または第1キー40がユーザに操作されると、第1矢印キー37または第1キー40を介して入力された前進入力UI1に反応して、ハイライト表示されたオプションは選択オプションとしてメモリ26に記憶される。設定項目SI109は他のモータタイプを含み得る。
【0078】
前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“誘導電動機”が選択されると、誘導電動機を示す情報(“IM”または“IMモータ”)をモータタイプとしてメモリ26が記憶し(S138)、処理がPGカードサブプロセスに移行する。前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“永久磁石電動機”が選択されると、永久磁石電動機を示す情報(“PM”または“PMモータ”)をモータタイプとしてメモリ26が記憶し(S139)、処理がPGカードサブプロセスに移行する。
<PGカードサブプロセス>
図12および
図25に示すように、PGカードサブプロセスではユーザはエンコーダからの信号を受信するPGカードの有無を設定できる。設定セレクタ47は負荷の種類が一定トルク(高負荷)または可変トルク(通常負荷)であることを判定する(S140)。言い換えると、設定セレクタ47はモータの負荷タイプが高負荷であるか否かを判定する。
【0079】
負荷タイプが高負荷である場合、設定項目SI110およびメッセージM110がディスプレイコントローラ30により項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50に表示される(S141)。設定項目SI110は、オプション“YES”および“NO”を有している。初期状態では初期選択オプションとしてオプション“YES”がハイライト表示される。第1矢印キー37または第1キー40がユーザにより操作されると、第1矢印キー37または第1キー40を介して入力された前進入力UI1に反応して、ハイライト表示されたオプションが選択オプションとしてメモリ26に記憶される。
【0080】
前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“YES”が選択されると、メモリ26はPGカードが使用不可であることを示す情報を記憶し(S142)、処理は制御モード探索サブプロセスに移行する。前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“NO”が選択されると、メモリ26はPGカードが使用可能であることを示す情報を記憶し(S143)、処理が制御モード入力サブプロセスに移行する。
<制御モード探索サブプロセス>
図12および
図26に示すように、制御モード探索サブプロセスではユーザはモータの制御モードを探索できる。設定セレクタ47はPGカードが使用不可または使用可能であることを判定する(S144)。PGカードが使用不可の場合、設定セレクタ47は負荷タイプが通常負荷であることを判定する(S145)。負荷タイプが通常負荷ではない場合(すなわち、負荷タイプが高負荷である場合)、設定セレクタ47はモータタイプが永久磁石電動機であるか否かを判定する(S146)。
【0081】
モータタイプが永久磁石電動機ではない場合(すなわち、モータタイプが誘導電動機である場合)、設定項目SI111およびメッセージM111はディスプレイコントローラ30により項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50に表示される(S147)。設定項目SI111は複数のオプション“YES”および“NO”を有している。初期状態においてオプション“YES”は初期選択オプションとしてハイライト表示される。第1矢印キー37または第1キー40がユーザにより操作されると、第1矢印キー37または第1キー40を介して入力された前進入力UI1に反応して、設定セレクタ47はハイライト表示されたオプションを選択オプションとしてメモリ26に記憶する。
【0082】
設定セレクタ47によりオプション“YES”が選択されると、前進入力UI1に反応してオープンループベクトル(OLV)制御モードを示す情報(“OLV”)を臨時制御モード(“CMTMP”)としてメモリ26が記憶し(S148)、処理が制御モード設定サブプロセスに移行する。前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“NO”が選択されると、V/f制御モードを示す情報(“V/F”)を臨時制御モードとしてメモリ26が記憶し(S149)、処理が制御モード設定サブプロセスに移行する。OLV制御モードおよびV/f制御モードは、モータ制御の分野で知られているので、詳細な説明は省略する。
【0083】
ステップS146においてモータタイプが永久磁石電動機である場合は、メモリ26は永久磁石電動機のOLV制御モードを示す情報(“OLVPM”)を臨時制御モードとして記憶し(S150)、処理が制御モード設定サブプロセスに移行する。
【0084】
ステップS145において負荷タイプが通常負荷である場合、設定セレクタ47はモータタイプが永久磁石電動機か否かを判定する(S151)。モータタイプが永久磁石電動機ではない場合(すなわち、モータタイプが誘導電動機である場合)、V/f制御モードを示す情報を臨時制御モードとしてメモリ26が記憶し(S152)、処理が制御モード設定サブプロセスに移行する。モータタイプが永久磁石電動機である場合、シンプルドライブモードを示す情報(“SD”)を臨時制御モードとしてメモリ26が記憶し(S153)、処理が制御モード設定サブプロセスに移行する。シンプルドライブモードでは、複数の設定項目を部分的に設定することで、いくつかのタイプのモータうち1つをユーザが制御できる。
【0085】
ステップS144においてPGカードが使用可能である場合、設定セレクタ47はモータタイプが永久磁石電動機であるか否かを判定する(S154)。モータタイプが永久磁石電動機である場合、永久磁石電動機のクローズドループベクトル(CLV)制御モードを示す情報(“CLVPM”)を臨時制御モードとしてメモリ26が記憶し(S155)、処理が制御モード設定サブプロセスに移行する。モータタイプが永久磁石電動機ではない場合(すなわち、モータタイプが誘導電動機である場合)、CLV制御モードを示す情報(“CLV”)を臨時制御モードとしてメモリ26が記憶し(S156)、処理が制御モード設定サブプロセスに移行する。
<制御モード設定サブプロセス>
図13および
図27に示すように、制御モード探索サブプロセスでは、ユーザが臨時制御モードを用いてモータ2の制御モードを設定することができる。設定項目SI112およびメッセージM112はディスプレイコントローラ30により項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50に表示される(S158)。設定項目SI112は複数のオプション“続ける”および“制御モードを選択”を有している。初期状態において、オプション“続ける”が初期選択オプションとしてハイライト表示されている。ユーザは入力装置33を用いて複数のオプションの中から負荷の種類を選択できる。第1矢印キー37または第1キー40がユーザにより操作されると、第1矢印キー37または第1キー40を介して入力された前進入力UI1に反応して、ハイライト表示されたオプションが選択オプションとしてメモリ26に記憶される。
【0086】
前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“制御モードの選択”が選択されると、ディスプレイコントローラ30により設定項目SI113およびメッセージM113が項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50に表示される(S159)。設定項目SI113は、複数のオプション“V/f”、“オープンループベクトル”、“クローズドループベクトル”、“オープンループベクトルPM”、“クローズドループベクトルPM”および“シンプルドライブ”を有している。初期状態においてオプション“V/f”は初期選択オプションとしてハイライト表示される。第1矢印キー37または第1キー40がユーザに操作されると、第1矢印キー37または第1キー40を介して入力された前進入力UI1に反応して、ハイライト表示されたオプションが選択オプションとしてメモリ26に記憶される。
【0087】
前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“V/f”が選択されると、V/f制御モードを示す情報(“CMS”)を設定制御モードとしてメモリ26が記憶する(S160)。前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“オープンループベクトル”が選択されると、OLV制御モードを示す情報を設定制御モードとしてメモリ26が記憶する(S161)。オプション“クローズドループベクトル”が選択されると、CLV制御モードを示す情報を設定制御モードとしてメモリ26が記憶する(S162)。前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“オープンループベクトルPM”が選択されると、永久磁石電動機のOLV制御モードに示す情報を設定制御モードとしてメモリ26が記憶する(S163)。前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“クローズドループベクトルPM”が選択されると、永久磁石電動機のCLV制御モードを示す情報を設定制御モードとしてメモリ26が記憶する(S164)。前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“シンプルドライブ”が選択されると、シンプルドライブモードを示す情報を設定制御モードとしてメモリ26が記憶する(S165)。したがって、ユーザは臨時制御モードとは異なる制御モードを選択することができる。モータ制御装置10は設定制御モードに応じてモータ2を制御する。
【0088】
ステップS159において、オプション“オープンループベクトルPM”が選択されると、メッセージM910がメッセージウィンドウ50に表示され(S166)、第1矢印キー37または第1キー40に反応して処理がパラメータ修正プロセスに移行する。ステップS159において、オプション“クローズドループベクトルPM”が選択されると、メッセージM911がディスプレイコントローラ30によりメッセージウィンドウ50に表示され(S167)、第1矢印キー37または第1キー40に反応して処理が修正パラメータプロセスに移行する。
【0089】
前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“続ける”が選択されると、臨時制御モードを示す情報を設定制御モードとしてメモリ26が記憶する(S172)。設定制御モードが永久磁石電動機のOLV制御モードを示している場合、処理がステップS166に移行する(S173)。設定制御モードが永久磁石電動機のCLV制御モードを示す場合、処理がステップS167に移行する(S174)。臨時制御モードが永久磁石電動機のOLV制御モードおよび永久磁石電動機のCLV制御モードを示していない場合、処理はステップS176に移行する。
【0090】
図14および
図27に示すように、ステップS176において、設定セレクタ47はモータタイプが誘導電動機であるか否かを判定する。モータタイプが誘導電動機ではない場合(すなわち、モータタイプが永久磁石電動機である場合)、設定項目SI114およびメッセージM114はディスプレイコントローラ30により項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50に表示される(S177)。設定項目SI114は、複数のオプション“使用不可”、“VT PMモータ(10:1 速度範囲)”および“CT PMモータ(500:1 速度範囲)”を有している。初期状態においてオプション“使用不可”は初期選択オプションとしてハイライト表示される。第1矢印キー37または第1キー40がユーザにより操作されると、第1矢印キー37または第1キー40を介して入力された前進入力UI1に反応して、ハイライト表示されたオプションが選択オプションとしてメモリ26に記憶される。
【0091】
前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“使用不可”が選択されると、モータの過負荷を規定する速度制御範囲が設定されていないことを示す情報をメモリ26が記憶し、処理がモータチューニングサブプロセスに移行する。前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“VT PMモータ(10:1 速度範囲)”が選択されると、第1速度制御範囲(“SR1”)を示す情報をモータの過負荷を規定する速度制御範囲(“SR”)としてメモリ26が記憶し(S179)、処理がモータチューニングサブプロセスに移行する。前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“CT PMモータ(500:1 速度範囲)”が選択されると、第2速度制御範囲(“SR2”)をモータの過負荷を規定する速度制御範囲としてメモリ26が記憶し(S180)、処理がモータチューニングサブプロセスに移行する。第2速度制御範囲は第1速度制御範囲と異なっている。
【0092】
ステップS176では、モータタイプが誘導電動機である場合、設定項目SI115およびメッセージM115が項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50に表示される。設定項目SI115は、複数のオプション“使用不可”、“一般目的”、“CT PMモータ(10:1 速度範囲)”および“ベクトルモータ(100:1 速度範囲)”を有している。初期状態ではオプション“使用不可”が初期選択オプションとしてハイライト表示される。第1矢印キー37または第1キー40がユーザにより操作されると、第1矢印キー37または第1キー40を介して入力された前進入力UI1に反応して、ハイライト表示されたオプションが選択オプションとしてメモリ26に記憶される。
【0093】
前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“使用不可”が選択されると、モータの過負荷を規定する速度制御範囲が設定されていないことを示す情報をメモリ26が記憶し、処理がモータチューニングサブプロセスに移行する。前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“一般目的”が選択されると、モータの過負荷を規定する速度制御範囲が設定されていないことを示す情報をメモリ26が記憶し、処理がモータチューニングサブプロセスに移行する。前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“VT PMモータ(10:1 速度範囲)”が選択されると、モータの過負荷を規定する速度制御範囲として第1速度制御範囲を示す情報(“SR1”)をメモリ26が記憶し(S183)、処理がモータチューニングサブプロセスに移行する。前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“CT PMモータ(500:1 速度範囲)”が選択されると、モータの過負荷を規定する速度制御範囲として第3速度制御範囲を示す情報(“SR3”)をメモリ26が記憶し(S184)、処理がモータチューニングサブプロセスに移行する。第3速度制御範囲は第1速度制御範囲および第2速度制御範囲と異なっている。こうして、モータタイプに応じてモータの過負荷を規定する速度制御範囲を設定することができる。
<モータチューニングサブプロセス>
図15、
図16、
図28および
図29に示すように、モータチューニングサブプロセスでは、複数のパラメータのオートチューニングおよびモータのテスト運転が実行される。モータ2のテスト運転の前に、設定セレクタ47が制御モードを判定する(S185〜S188)。制御モードがV/f制御モード、OLV制御モードまたはCLV制御モードである場合、モータ2のテスト運転が実行される(S189〜S191)。
【0094】
図15および
図29に示すように、テスト運転では、PGカードが使用可能か否かを設定セレクタ47が判定する(S192)。PGカードが使用可能な場合、設定項目SI116およびメッセージM116が項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50に表示される。設定項目SI116は複数のオプション“続ける”および“スキップ”を有している。言い換えると、複数の設定項目のうち1つは、テスト運転実行オプションおよびテスト運転不実行オプションを複数のオプションとして有している。テスト運転実行オプションはモータ2のテスト運転の実行を示す。テスト運転不実行オプションはモータ2のテスト運転の不実行を示す。本実施形態では、オプション“続ける”はテスト運転実行オプションに対応しており、オプション“スキップ”はテスト運転不実行オプションに対応している。
【0095】
現在選択項目がテスト運転実行オプションおよびテスト運転不実行オプションを有している場合、設定セレクタ47は選択入力に基づいて現在選択項目のオプションのテスト運転実行オプションおよびテスト運転不実行のうち一方を選択オプションとして選択する。
【0096】
初期状態ではオプション“続ける”が初期選択オプションとしてハイライト表示される。第1矢印キー37または第1キー40がユーザに操作されると、第1矢印キー37または第1キー40を介して入力された前進入力UI1に反応して、ハイライト表示されたオプションが選択オプションとしてメモリ26に記憶される。
【0097】
前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“続ける”が選択されると、テスト運転がスタートし、メッセージM912がディスプレイ32に表示される(S193およびS194)。テスト運転は、例えば30秒間実行される。テスト運転後またはオプション“スキップ”が設定セレクタ47により選択されるとき、処理がモータチューニングサブプロセスに移行する。
【0098】
設定セレクタ47は、テスト運転後にPGカードをチェックするためにPGカードのエラーを検出するように構成することができる。さらに、設定セレクタ47は、テスト運転におけるロータの実回転方向に応じてモータ2のロータの回転方向を切り替えるよう構成することもできる。
【0099】
言い換えると、複数の設定項目はモータ2のロータの設定回転方向を有している。設定回転方向は第1回転方向オプションおよび第2回転方向オプションを有している。第1回転方向オプションはロータの第1回転方向を示している。第2回転方向オプションはロータの第2回転方向を示している。第2回転方向は第1回転方向とは逆方向である。本実施形態では、第1回転方向はモータ2の正転方向および逆転方向の一方に対応している。例えば、第1回転方向は正転方向に対応しており、第2回転方向は逆転方向に対応している。
【0100】
現在選択項目が第1回転方向オプションおよび第2回転方向オプションを有している場合、選択入力に基づいて現在選択項目の第1回転方向オプションおよび第2回転方向オプションのうち一方を設定セレクタ47は選択設定方向オプションとして選択する。本実施形態では、上入力UI3および下入力UI4に基づいて複数のオプション(例えば、正転方向および逆転方向)のうち一方を設定セレクタ47は選択設定方向オプションとして選択する。
【0101】
複数の設定項目はテスト運転におけるモータ2のロータの実回転方向を有している。実回転方向は第1実回転方向オプションおよび第2実回転方向オプションを有している。第1実回転方向オプションはテスト運転におけるロータの第1実回転方向を示している。
【0102】
第2実回転方向オプションはテスト運転におけるロータの第2実回転方向を示している。第2実回転方向は第1実回転方向とは逆方向である。現在選択項目が第1実回転方向オプションおよび第2実回転方向オプションを有している場合、選択入力に基づいて現在選択項目の第1実回転方向オプションおよび第2実回転方向オプションのうち一方を設定セレクタ47は選択実方向オプションとして選択する。
【0103】
選択実方向オプションの示す方向が選択設定方向オプションの示す方向と異なる場合、設定セレクタ47は選択入力に基づいて第1回転方向オプションおよび第2回転方向オプションのうち選択された一方から第1回転方向オプションおよび第2回転方向オプションのうち他方に選択設定方向オプションを変更する。
【0104】
図16および
図29に示すように、ステップS192においてPGカードが使用不可の場合、設定項目SI119およびメッセージM119が項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50に表示される。設定項目SI119は複数のオプション“続ける”および“スキップ”を有している。初期状態ではオプション“続ける”が初期選択オプションとしてハイライト表示される。第1矢印キー37または第1キー40がユーザにより操作されると、第1矢印キー37または第1キー40を介して入力された前進入力UI1に反応して、ハイライト表示されたオプションが選択オプションとしてメモリ26に記憶される。
【0105】
前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“続ける”が選択されると、テスト運転がスタートし、メッセージM914がディスプレイ32に表示される(S215およびS216)。テスト運転は、例えば30秒間実行される。テスト運転後またはオプション“スキップ”が設定セレクタ47に設定されるとき、処理がモータチューニングサブプロセスに移行する。
【0106】
図28に示すように、制御モードがV/fモードの場合に処理がモータチューニングモードに戻った後、モータの定格電圧の入力、モータの定格電流の入力およびモータの定格周波数の入力が実行され(S222〜S224)、処理が周波数入力プロセスに移行する。
【0107】
図17および
図28に示すように、制御モードがOLV制御モードの場合に処理がモータチューニングモードに戻った後、設定項目SI121およびメッセージM121が項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50に表示される(S225)。設定項目SI121は複数のオプション“続ける”および“スキップ”を有している。言い換えると、複数の設定項目のうち1つは、オートチューニング実行オプションおよびオートチューニング不実行オプションを複数のオプションとして有している。オートチューニング実行オプションは、モータ2の少なくとも1つのパラメータが自動的にチューニングされるオートチューニングの実行を示す。オートチューニング不実行オプションはオートチューニングを実行しないことを示す。本実施形態では、オプション“続ける”はオートチューニング実行オプションに対応しており、オプション“スキップ”はオートチューニング不実行オプションに対応している。
【0108】
現在選択項目がオートチューニング実行オプションおよびオートチューニング不実行オプションを有している場合、選択入力に基づいて現在選択項目のオートチューニング実行オプションおよびオートチューニング不実行オプションのうち一方を設定セレクタ47は選択オプションとして選択する。本実施形態では、上入力UI3および下入力UI4に基づいてオプション“続ける”およびオプション“スキップ”のうち一方を設定セレクタ47は選択オプションとして選択する。
【0109】
初期状態ではオプション“続ける”が初期選択オプションとしてハイライト表示される。第1矢印キー37または第1キー40がユーザにより操作されると、第1矢印キー37または第1キー40を介して入力された前進入力UI1に反応して、ハイライト表示されたオプションが選択オプションとしてメモリ26に記憶される。
【0110】
前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“続ける”が選択されると、モータの定格電力の入力、モータの定格電圧の入力、モータの定格電流の入力、モータの定格周波数の入力、モータの極数の入力およびモータの定格回転速度の入力が実行される(S226〜S231)。本実施形態では、ユーザ入力UI0は少なくとも1つのパラメータの測定値の入力を有している。こうして、オートチューニングがスタートする(S232)。本実施形態では、オートチューニング装置が複数のパラメータの測定値およびメモリ26に記憶されたチューニング情報に基づいて複数のパラメータを算出する。オートチューニングはモータ制御の分野で知られているので、その詳細な説明は省略する。処理は周波数入力プロセスに移行する。
【0111】
図17および
図28に示すように、制御モードがCLV制御モードの場合に処理がモータチューニングモードに戻った後、メッセージM121および設定項目SI121がディスプレイコントローラ30により項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50に表示される(S233)。前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“続ける”が選択されると、モータの定格電力の入力、モータの定格電圧の入力、モータの定格電流の入力、モータの定格周波数の入力、モータの極数の入力、モータの定格回転速度の入力およびエラーコードPPRの入力が実行される(S234〜S240)。こうして、オードチューニングがスタートする(S241)。処理は周波数入力プロセスに移行する。
【0112】
制御モードがシンプルドライブモードの場合、モータの定格電力の入力、モータの定格電圧の入力、モータの定格電流の入力、モータの定格周波数の入力、モータの極数の入力およびモータの定格回転速度の入力が実行される(S242〜S246)。こうして、テスト運転がスタートする(S247)。シンプルドライブモードではオートチューニングが省略される。テスト運転後、処理が周波数入力プロセスに移行する。
【0113】
ステップS225またはS233においてオプション“スキップ”が選択されると、パラメータ修正が実行される(S248)。
【0114】
図17および
図30に示すように、定格電力の入力において、設定項目SI122およびメッセージM122がディスプレイコントローラ30により項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50に表示される(S250)。設定項目SI122は定格電力の数値入力を有している。第1矢印キー37または第2矢印キー38が操作されると、ハイライト表示される桁の位置が変わる。第3矢印キー44または第4矢印キー46が操作されると、ハイライト表示された桁の数値が変わる。第1キー40が操作されると、表示された定格電力がメモリ26に記憶される(S251)。
【0115】
定格電圧の入力では、設定項目SI123およびメッセージM123が項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50に表示される(S252)。設定項目SI123は定格電力の数値入力を有している。第1矢印キー37または第2矢印キー38が操作されると、ハイライト表示される桁の位置が変わる。第1矢印キー37または第2矢印キー38が操作されると、ハイライト表示された桁の数値が変わる。第1キー40が操作されると、表示された定格電圧がメモリ26に記憶される(S253)。
【0116】
定格電流の入力では、設定項目SI124およびメッセージM124がディスプレイコントローラ30により項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50に表示される(S254)。設定項目SI124は定格電力の数値入力を有している。第1矢印キー37または第2矢印キー38が操作されると、ハイライト表示される桁の位置が変わる。第3矢印キー44または第4矢印キー46が操作されると、ハイライト表示された桁の数値が変わる。第1キー40が操作されると、表示された定格電流がメモリ26に記憶される(S255)。
【0117】
定格周波数の入力では、設定項目SI125およびメッセージM125がディスプレイコントローラ30により項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50に表示される(S256)。設定項目SI125は定格電力の数値入力を有している。第1矢印キー37または第2矢印キー38が操作されると、ハイライト表示された桁の位置が変わる。第3矢印キー44または第4矢印キー46が操作されると、ハイライト表示された桁の数値が変わる。第1キー40が操作されると、表示された定格周波数がメモリ26に記憶される(S257)。
【0118】
極数の入力では、設定項目SI126およびメッセージM126が項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50に表示される(S258)。設定項目SI126は定格電力の数値入力を有している。第1矢印キー37または第2矢印キー38が操作されると、ハイライト表示される桁の位置が変わる。上矢印キーまたは下矢印キーが操作されると、ハイライト表示された桁の数値が変わる。第1キー40が操作されると、表示された極数がメモリ26に記憶される(S259)。
【0119】
定格回転速度の入力では、設定項目SI127およびメッセージM127がディスプレイコントローラ30により項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50に表示される(S260)。設定項目SI127は定格電力の数値入力を有している。第1矢印キー37または第2矢印キー38が操作されると、ハイライト表示される桁の位置が変わる。第3矢印キー44または第4矢印キー46が操作されると、ハイライト表示された桁の数値が変わる。第1キー40が操作されると、表示された定格回転速度がメモリ26に記憶される(S261)。
【0120】
CLV制御モードでは、
図18に示すように、エンコーダパルスの入力において、設定項目SI128およびメッセージM128が項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50に表示される(S262)。設定項目SI128は定格電力の数値入力を有している。第1矢印キー37または第2矢印キー38が操作されると、ハイライト表示される桁の位置が変わる。第3矢印キー44または第4矢印キー46が操作されると、ハイライト表示された桁の数値が変わる。第1キー40が操作されると、表示されたエンコーダパルスがメモリ26に記憶される(S263)。
【0121】
エンコーダパルスの入力では、メッセージM916がメッセージウィンドウ50に表示される(S264)。第1矢印キー37または第1キー40が操作されると、メッセージM917が表示され、オートチューニングがスタートする(S265)。オートチューニングが完了すると、メッセージM918が表示される(S266)。
【0122】
図18に示すように、OLV制御モードではエンコーダパルスの入力がスキップされる(SI128、M128)。
図19に示すように、V/f制御モードでは複数の設定項目SI123、SI124およびSI125が設定される。
図20に示すように、シンプルドライブモードでは複数の設定項目SI122〜SI124、SI126およびSI127が設定される。テスト運転前にメッセージM919が表示される。
【0123】
図10に示すように、モータ制御装置10はセットアップウィザードに加えてオートチューニングモードを有している。オートチューニングモードでは、
図17および
図18に示される設定シーケンスに沿ってオートチューニングが実行される。すなわち、モータ制御装置10は、セットアップウィザードで実行される第1設定シーケンスと、オートチューニングモードで実行される第2設定シーケンスと、を有している。入力装置33を用いてこれらの2つの設定シーケンスが選択されてもよい。
【0124】
本実施形態では、モータ制御装置10は2つの設定シーケンスを有しているが、設定シーケンスの数は本実施形態に限定されない。これらの設定シーケンスのうち1つがモータ制御装置10から省略されてもよい。他の設定シーケンスがモータ制御装置10に加えられてもよい。
<パラメータ修正サブプロセス>
図21および
図31に示すように、パラメータ修正サブプロセスではユーザが設定シーケンスSCに沿って設定された複数のパラメータを必要に応じて修正できる。複数の設定項目SI132およびメッセージM132がディスプレイコントローラ30により項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50に表示される(S290)。複数の設定項目SI132は設定シーケンスSCを用いて変更された複数の設定項目を有している。第1矢印キー37または第1キー40がユーザにより操作されると、ハイライト表示された設定項目を入力装置33を用いて修正することができる。第1キー40が操作されると、メッセージM920が表示され、所定時間経過後に画面が自動的に設定項目SI132およびメッセージM132に戻る。
【0125】
前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“次の設定”が選択されると、設定項目SI133およびメッセージM133がディスプレイコントローラ30により項目ウィンドウ49およびメッセージウィンドウ50に表示される(S291)。設定項目SI133はオプション“はい”および“いいえ”を有している。
【0126】
前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“はい”が選択されると、設定シーケンスSCに沿って設定された複数のパラメータが実際に使用される複数のパラメータに適用され、メッセージM921が表示される(S292およびS293)。前進入力UI1に反応して設定セレクタ47によりオプション“いいえ”が選択されると、設定シーケンスSCに沿って設定された複数のパラメータが実際に使用される複数のパラメータに適用され、メッセージM922が表示される(S294)。
【0127】
モータ制御装置10は以下のような特徴を有している。
【0128】
(1)比較例のモータ制御装置は、複数のタイプのモータを制御するための及び/又はモータを使用環境に適合させるための複数の設定を有している。しかし、ユーザがモータの制御に詳しくない場合、そのようなユーザにとってどの設定を変更すべきか否か決定するのが難しい。
【0129】
しかし、モータ制御装置10では、設定セレクタ47が、ユーザ入力UI0および複数の設定項目の現在選択された設定を、複数の設定項目から次に選択される設定を決定するための設定シーケンスSCと比較する。したがって、設定シーケンスSCなしでユーザが必要な設定項目を見つける必要がある場合に比べて、複数の設定項目の中から設定すべき設定項目を容易に認識することができる。
【0130】
(2)比較部48が、新選択項目を決定するためにユーザ入力UI0および現在選択項目を設定シーケンスSCと比較する。したがって、ユーザが設定項目に詳しくなくても、設定シーケンスSCおよびユーザ入力UI0に基づいて新選択項目を順番に決定することができる。
【0131】
(3)複数の設定項目は、順番に隣り合った少なくとも2つの設定項目を有している。比較部48は現在選択項目およびユーザ入力UI0を、新選択項目を決定するための第1対応関係CR1と比較する。したがって、新選択項目を容易に決定することができる。
【0132】
(4)現在選択項目が複数のオプションを有している場合に、設定セレクタ47は選択オプションとして現在選択項目の複数のオプションのうち1つをユーザ入力UI0に基づいて選択する。したがって、複数のオプションを用いて設定項目の内容を容易に設定できる。
【0133】
(5)メモリ26は少なくとも1つの前回選択オプションを記憶する。比較部48は、現在選択項目、ユーザ入力UI0および少なくとも1つの前回選択オプションを、新選択項目を決定するための第1対応関係CR1と比較する。これにより、モータ制御装置10の設定の自由度が向上する。
【0134】
(6)例えば、少なくとも1つの前回選択オプションが第1選択オプションOP11またはOP12を有している場合、設定セレクタ47は第1新選択項目SI3を新選択項目として選択する。第1選択オプションOP11またはOP12とは異なる第2選択オプションOP13を少なくとも1つの前回選択オプションが有している場合、設定セレクタ47は第2新選択項目SI7を新選択項目として選択する。第1新選択項目SI3は第2新選択項目SI7と異なっている。こうして、前回選択された複数のオプションに応じて、異なる複数の設定項目が設定セレクタ47により新たに選択される。したがって、モータ2および使用環境のうち少なくとも一方にモータ制御装置10をさらに適合させることができる。
【0135】
(7)設定セレクタ47により選択された新選択項目がディスプレイ32に現在選択項目として表示される。したがって、新選択項目をユーザが認識することができる。
【0136】
(8)モータ制御装置10がディスプレイ32を有しているので、現在選択項目および新選択項目のうち少なくとも一方を簡単に表示することができる。
【0137】
(9)入力装置33によりユーザがユーザ入力UI0を容易に入力することができる。
【0138】
(10)設定セレクタ47は、設定シーケンスSC、前進入力UI1および現在選択項目に基づいて、現在選択項目の前進方向D1における次の項目を複数の設定項目から新選択項目として選択する。これにより、ユーザの意図に応じて、前進方向D1において複数の設定項目を設定シーケンスSCに沿って切り替えることができる。
【0139】
(11)設定セレクタ47は、設定シーケンスSC、後退入力UI2および現在選択項目に基づいて、現在選択項目の後退方向D2における前の項目を複数の設定項目から新選択項目として選択する。これにより、ユーザの意図に応じて、後退方向D2において複数の設定項目を設定シーケンスSCに沿って切り替えることができる。
【0140】
(12)入力装置33の第1矢印キー37および第2矢印キー38によりモータ制御装置10の操作性が向上する。
【0141】
(13)入力装置33の右矢印キーおよび左矢印キーによりモータ制御装置10の操作性がさらに向上する。
【0142】
(14)入力装置33の第1キー40および第2キー42によりモータ制御装置10の操作性がさらに向上する。
【0143】
(15)現在選択項目が複数のオプションを有している場合、設定セレクタ47は選択入力に基づいて現在選択項目の複数のオプションの1つを選択オプションとして選択する。これにより、ユーザの意図に応じて現在選択項目の複数のオプションを詳細に設定することができる。
【0144】
(16)設定セレクタ47は前進入力UI1に基づいて現在選択項目の選択オプションを記憶するようにメモリ26を制御する。これにより、前進入力UI1を用いて選択オプションを記憶することができ、モータ制御装置10の操作性が向上する。
【0145】
(17)現在選択項目がテスト運転実行オプションおよびテスト運転不実行オプションを有している場合、設定セレクタ47は選択入力に基づいて現在選択項目のテスト運転実行オプションおよびテスト運転不実行オプションのうち一方を選択オプションとして選択する。これにより、設定シーケンスSCに沿って実行される一連の操作においてモータのテスト運転を実行するか否かを選択することができる。
【0146】
(18)現在選択項目が第1回転方向オプションおよび第2回転方向オプションを有している場合、設定セレクタ47は選択入力に基づいて現在選択項目の第1回転方向オプションおよび第2回転方向オプションのうち一方を選択設定方向オプションとして選択する。これにより、設定シーケンスSCに沿って実行される一連の操作においてロータの回転方向を設定することができる。
【0147】
(19)現在選択項目が第1実回転方向オプションおよび第2実回転方向オプションを有している場合、設定セレクタ47は選択入力に基づいて現在選択項目の第1実回転方向オプションおよび第2実回転方向オプションのうち一方を選択実方向オプションとして選択する。これにより、設定シーケンスSCに沿って実行される一連の操作においてロータの実回転方向を入力することができる。
【0148】
(20)選択実方向オプションの示す方向が選択設定方向オプションの示す方向と異なる場合、設定セレクタ47は選択入力に基づいて第1回転方向オプションおよび第2回転方向オプションのうち選択された一方から第1回転方向オプションおよび第2回転方向オプションのうち他方に選択設定方向オプションを切り替える。これにより、第1回転方向および第2回転方向のうち選択された一方が意図する回転方向と異なる場合に、ユーザ入力UI0に基づいて意図しない回転方向から意図する回転方向にロータの実回転方向を変更することができる。
【0149】
(21)現在選択項目がオートチューニング実行オプションおよびオートチューニング不実行オプションを有している場合、設定セレクタ47は選択入力に基づいて現在選択項目のオートチューニング実行オプションおよびオートチューニング不実行オプションのうち一方を選択オプションとして選択する。これにより、設定シーケンスSCに沿って実行される一連の操作においてオートチューニングを設定することができる。
【0150】
(22)オートチューニング装置52は、少なくとも1つのパラメータの測定値およびメモリ26に記憶されたチューニング情報に基づいて、少なくとも1つのパラメータを算出する。これにより、実際の使用環境に適した複数のパラメータを設定できる。
【0151】
(23)ディスプレイコントローラ30は、第2対応関係CR2および現在選択項目に基づいて、複数の設定項目のうち1つとともに少なくとも1つのメッセージを表示するようにディスプレイ32を制御する。したがって、少なくとも1つのメッセージを表示することでユーザが現在選択項目の内容を容易に認識することができる。
【0152】
(24)ディスプレイコントローラ30は、第2対応関係CR2および項目ウィンドウ49に表示された現在選択項目に基づいて、少なくとも1つのメッセージをメッセージウィンドウ50に表示するようにディスプレイ32を制御する。これにより、メッセージウィンドウ50および項目ウィンドウ49によりユーザが少なくとも1つのメッセージおよび現在選択項目を容易に見ることができる。
【0153】
(25)複数の利用可能設定シーケンスSCは少なくとも部分的に互いに異なっている。設定セレクタ47は、ユーザ入力UI0に基づいて複数の利用可能設定シーケンスSCから設定シーケンスSCを選択する。したがって、設定シーケンスSCの選択の幅が広がり、モータ制御装置10を使用環境に適合させることが可能となる。
【0154】
(26)設定シーケンスSCは第1ルートおよび第1ルートとは異なる第2ルートを有している。第1ルートは複数の設定項目のうち少なくとも2つにより定義される。第2ルートは複数の設定項目のうち少なくとも2つにより定義される。第1ルートを定義する複数の設定項目の組み合わせは第2ルートを定義する複数の設定項目の組み合わせと少なくとも部分的に異なっている。したがって、第1ルートおよび第2ルートを設定することで、異なる複数の設定項目へユーザを誘導することができる。
【0155】
(27)設定セレクタ47はユーザ入力UI0に基づいて第1ルートおよび第2ルートのうち一方を選択する。これにより、モータおよび使用環境の少なくとも一方に応じて複数の設定項目の設定シーケンスSCを選択することができる。
【0156】
第2実施形態
第2実施形態に係るモータ制御装置210について
図32を参照しながら以下に説明する。モータ制御装置210はディスプレイおよび入力装置の配置を除いてモータ制御装置10と同じ構造及び/又は構成を有している。したがって、第1実施形態における要素と実質的に同じ機能を有する要素については、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0157】
図32に示すように、モータ制御装置210はインバータコントローラ218を有している。インバータコントローラ218は第1実施形態のインバータコントローラ18と実質的に同じ構造を有している。しかし、モータ制御装置210では、ディスプレイ32および入力装置33はインバータコントローラ218に設けられており、操作装置34はモータ制御装置210から省略されている。モータ制御装置10または210の各部の配置は本実施形態に限定されない。
【0158】
モータ制御装置210では、第1実施形態に係るモータ制御装置10と同じ効果を得ることができる。
【0159】
なお、本願においては、「備えている」およびその派生語は、構成要素の存在を説明する非制限用語であり、記載されていない他の構成要素の存在を排除しない。これは、「有している」、「含んでいる」およびそれらの派生語にも適用される。
【0160】
また、実施形態の構成は、所望の機能を実現するように構成されたハードウェアや所望の機能を実現するようにプログラムされたソフトウェアのうち少なくとも一方を含んでいる。つまり、所望の機能はハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの組み合わせにより実現され得る。
【0161】
本願において、「第1」や「第2」などの序数は、単に構成を識別するための用語であって、他の意味(例えば特定の順序など)は有していない。例えば、「第1要素」があるからといって「第2要素」が存在していることを暗に意味しているわけではなく、また「第2要素」があるからといって「第1要素」が存在していることを暗に意味しているわけではない。
【0162】
上記の開示内容から考えて、本発明の種々の変更や修正が可能であることは明らかである。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、本願の具体的な開示内容とは別の方法で本発明が実施されてもよい。