【課題】遺伝子組み換え独立栄養有機体に関連して、光合成水分解、または水素化プロセスから取得される、NADPH、還元フェレドキシン、およびエネルギーATPを利用して、生物学的なリアクタ内で二酸化炭素および水から1−ブタノール等を生産する方法。
【解決手段】二酸化炭素、水素、および/または水からブタノールおよび関連高級アルコールを独立栄養で生産するための、デザイナ・カルビン回路チャンネルバイオ燃料生産経路および水素化バイオ燃料生産経路、関連するデザイナ遺伝子、およびデザイナ遺伝子組み替え有機体が実現される。デザイナ遺伝子組み替えオキシホトバクテリアおよび藻類のようなデザイナ独立栄養有機体は、水からブタノールおよび関連高級アルコールを二酸化炭素および水から独立栄養で生産するための、デザイナ・カルビン回路チャンネルおよび水素化経路遺伝子と、バイオセーフティ防御機構とを有する。
【発明の開示】
【0010】
この発明は、ブタノールおよび/または関連する高級アルコールを独立栄養生産するための、デザイナ・カルビン回路チャンネルおよび/または水素化の経路、関連するデザイナ遺伝子、および、デザイナ遺伝子組み替え有機体を開示し、これら関連高級アルコールは、1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノール、1−ペンタノール、1−ヘプタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、5−メチル−1−ヘプタノール、4−メチル−1−ペンタノール、5−メチル−1−ヘキサノール、6−メチル−1−ヘプタノール、およびこれらの組み合わせから選択される。
【0011】
デザイナ遺伝子組み換えオキシホトバクテリアおよび藻類のようなデザイナ独立栄養有機体は、ブタノールおよび関連高級アルコールを二酸化炭素および水から増強された光生物学的生産を行うためのデザイナ・カルビン回路チャンネルおよび光合成NADPH増強経路の遺伝子およびバイオセーフティ防護技術を有する。
【0012】
他の実施例によれば、遺伝子組み替え独立栄養有機体は、水性植物、植物細胞、緑藻類、紅藻類、褐藻類、藍藻類(シアノバクテリアおよびオキシクロロバクテリアを含むオキシホトバクテリア)、珪藻、海藻類、淡水藻類、耐塩性藻類株、耐冷温藻類株、耐熱性藻類株、アンテナ色素欠失変異体、耐ブタノール性藻類株、耐高級アルコール性藻類株、耐ブタノール性オキシホトバクテリア、耐高級アルコール性オキシホトバクテリア、およびこれらの組み合わせからなるグループから選択された、遺伝子組み替えデザイナ植物または植物細胞を有する。
【0013】
種々の実施例のうちの1実施例によれば、デザイナ・カルビン回路チャンネル光合成NADPH増強経路は、カルビン回路の中間生成物、3−ホスホグリセリン酸塩を取り、これを1−ブタノールに変換するものであり、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、シトラマル酸シンターゼ、2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ、およびブタノールデヒドロゲナーゼからなるグループから選択された1組の酵素を有する。
【0014】
種々の実施例のうちの1実施例によれば、他のデザイナ・カルビン回路チャンネル光合成NADPH増強の1−ブタノール生産経路は、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アスパルトキナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ホモセリンデヒドロゲナーゼ、ホモセリンキナーゼ、トレオニンシンターゼ、トレオニンアンモニアラーゼ、2−イソプロピルリンゴ酸、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ、およびブタノールデヒドロゲナーゼからなるグループから選択された1組の酵素を有する。
【0015】
他の実施例によれば、デザイナ・カルビン回路チャンネル光合成NADPH増強経路は、カルビン回路の中間生成物、3−ホスホグリセリン酸塩を取り、これを2−メチル−1−ブタノールに変換するものであり、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、シトラマル酸シンターゼ、2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、アセト乳酸シンターゼ、ケトール酸レダクトイソメラーゼ、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、NAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ、NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ、および2−メチルブチルアルデヒドレダクターゼからなるグループから選択された1組の酵素を有する。
【0016】
他の実施例によれば、デザイナ・カルビン回路チャンネル光合成NADPH増強の2−メチル−1−ブタノール生産経路は、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アスパルトキナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ホモセリンデヒドロゲナーゼ、ホモセリンキナーゼ、トレオニンシンターゼ、トレオニンアンモニアラーゼ、アセト乳酸シンターゼ、ケトール酸レダクトイソメラーゼ、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、NAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ、NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ、および2−メチルブチルアルデヒドレダクターゼからなるグループから選択された1組の酵素を有する。
【0017】
他の実施例によれば、デザイナ・カルビン回路チャンネル光合成NADPH増強のイソブタノール生産経路は、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、アセト乳酸シンターゼ、ケトール酸レダクトイソメラーゼ、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、NAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ、および、NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼからなるグループから選択された1組の酵素を有する。
【0018】
同様に、ブタノール、および/または、関連する高級アルコール、例えば、3−メチル−1−ブタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノール、1−ペンタノール、1−ヘプタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、5−メチル−1−ヘプタノール、4−メチル−1−ペンタノール、5−メチル−1−ヘキサノール、および/または、6−メチル−1−ヘプタノールを光生物学的に生産するための種々の実施例のうちの1つに従う、多くの他のデザイナ・カルビン回路チャンネル光合成NADPH増強経路も開示される。
【0019】
種々の実施例のうちの1つによれば、光生物学的にブタノールおよび関連する高級アルコールを生産し採取する方法は:(a)カルビン回路の中間体生成物に作用してこれおブタノールおよび/または関連する高級アルコールに変換するよう構成された1組の酵素のための遺伝子組み換えコード有する遺伝子組み換え光合成有機体を光合成リアクタシステム中に導入し;(b)遺伝子組み換え光合成有機体に関連して光バイオリアクタにおいて光合成ミス分解およびプロトン勾配結合電子搬送プロセスから得られた還元力NADPHおよびエネルギーATPを用いてブタノールおよび/または関連する高級アルコールを二酸化炭素および水から合成し;さらに、(c)生成物分離プロセスを利用して、合成ブタノールおよび/または関連する高級アルコールを光バイオリアクタから抽出するステップを有する。
【0020】
他の実施例によれば、ブタノールおよび関連する高級アルコールの化学合成独立栄養(chemolithoautotrophic)生産のための、デザイン水素駆動カルビン回路チャンネルのバイオ燃料生産有機体は、デザイナ・カルビン回路チャンネルのバイオ燃料生産経路と組み合わせて一組の耐酸素溶解性ヒドロゲナーゼおよび膜拘束ヒドロゲナーゼを有する。
【0021】
他の実施例によれば、デザイナ有機体は、91%程度に高い、H
2からブタノールへの最大エネルギー変換効率で、水素(H
2)および二酸化炭素(CO
2)から1−ブタノール(CH
3CH
2CH
2CH
2OH)を水素駆動で化学合成独立栄養生産するための、デザイナ嫌気性水素化システムおよび還元アセチル−CoAバイオ燃料生産経路を有する。このデザイナ独立栄有機体はデザイナ嫌気性水素化のブタノール生産経路システムを表現する一組のデザイナ遺伝子(具体的にはデザイナDNAコンストラクト)を有し、これは、エネルギー変換ヒドロゲナーゼ(Ech)、[NiFe]−ヒドロゲナーゼ(Mvh)、コエンザイムF
420還元ヒドロゲナーゼ(Frh)、原生(または異種の)溶解性ヒドロゲナーゼ(SH)、ヘテロジスルフィドレダクターゼ(Hdr)、ホルミルメタノフランデヒドロゲナーゼ、ホルミルトランスファラーゼ、10−メテニル−テトラヒドロメタノプテリンシクロヒドロラーゼ、10−メチレン−H
4−メタノプテリンヒドロゲナーゼ、10−メチレン−H
4−メタノプテリンレダクターゼ、メチル−H
4−メタノプテリン:コリノイド鉄硫黄タンパク質メチルトランスファラーゼ、コリノイド鉄硫黄タンパク質、COデヒドロゲナーゼ/アセチル−CoAシンターゼ、チオラーゼ、3−ヒドロキシブチル−CoAデヒドロゲナーゼ、クロトナーゼ、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ、ブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ブタノールデヒドロゲナーゼ、および/またはアルコールデヒドロゲナーゼを有する。
【0022】
種々の実施例のうちの1実施例によれば、デザイナ独立栄養有機体は、水素(H
2)および二酸化炭素(CO
2)から1−ブタノール(CH
3CH
2CH
2CH
2OH)およびメタン(CH
4)の双方を嫌気性化学合成独立栄養生産するための、デザイナメタン生成水素化システムおよび還元アセチル−CoAバイオ燃料生産経路を有する。このデザイナ独立栄有機体はデザイナメタン生成水素化ブタノール生産経路システムを表現する一組のデザイナ遺伝子を有し、これは、メチル−H4MPT:コエンザイム−Mメチルトランスフェラーゼ Mtr、原生または(異種の)A
1A
0−ATPシンターゼ、メチル−コエンザイムMレダクターゼMcr、エネルギー変換ヒドロゲナーゼ(Ech)、[NiFe]−ヒドロゲナーゼ(Mvh)、コエンザイムF
420還元ヒドロゲナーゼ(Frh)、溶解性ヒドロゲナーゼ(SH)、ヘテロジスルフィドレダクターゼ(Hdr)、蟻酸デヒドロゲナーゼ、10−ホルミル−H
4−葉酸シンターゼ、メテニルテトラヒドロ葉酸シクロヒドロラーゼ、10−メチレン−H
4−葉酸デヒドロゲナーゼ、10−メチレン−H
4−葉酸レダクターゼ、メチル−H
4−葉酸:コリノイド鉄硫黄タンパク質メチルトランスファラーゼ、コリノイド鉄硫黄タンパク質、COデヒドロゲナーゼ/アセチル−CoAシンターゼ、チオラーゼ、3−ヒドロキシブチル−CoAデヒドロゲナーゼ、クロトナーゼ、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ、ブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ブタノールデヒドロゲナーゼ、および/またはアルコールデヒドロゲナーゼを有する。
さらに、この発明を説明する。
この発明の一側面によれば、1−ブタノールを独立栄養で生産する方法は、
カルビン回路の中間生成物に作用して、または、水素化経路を付与するように作用して、1−ブタノールを生産するように構成された一組の酵素のために遺伝子組み換えコードを有する、シアノバクテリアからなる遺伝子組み換え光合成独立栄養有機体を、リアクタのシステム中に導入するステップと、
上記遺伝子組み換え独立栄養有機体に関連して、光合成水分解、または水素化プロセスから取得される、NADPH、還元フェレドキシン、およびエネルギーATPを利用して、生物学的な上記リアクタ内で二酸化炭素および水から1−ブタノールを合成するステップと、
生産物分離プロセスを使用して合成した上記1−ブタノールを光バイオリアクタから収穫するステップとを有し、
上記一組の酵素は:
NADPH/NADHの間の変換を行うNADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、および、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ;
3−ホスホグリセレートからブチルアルデヒドを生成する、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、シトラマル酸シンターゼ、2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および、2−ケト酸デカルボキシラーゼ;並びに、
ブチルアドデヒドから1−ブタノールを生成する、NAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ、NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ、または、ブタノールデヒドロゲナーゼを有し、
上記カルビン回路の中間生成物である3−ホスホグリセリレートから1−ブタノールを生成し、
上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ピルビン酸キナーゼによってピルビン酸に変換され、上記ピルビン酸は上記シトラマル酸シンターゼによってシトラマレートに変換され、上記シトラマレートは上記2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼによってシトラコネートに変換され、上記シトラコネートは上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼによってメチル−D−リンゴ酸(メチル−D−マレーと)に変換され、上記メチル−D−リンゴ酸は上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトブチレートに変換され、上記2−ケトブチレートは上記2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトバレレートに変換され、上記2―ケトバレレートは上記2−ケト酸デカルボキシラーゼによってブチルアルデヒドに変換され、上記ブチルアルデヒドは上記NAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ、上記NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ、または、上記ブタノールデヒドロゲナーゼによって1−ブタノールに変換される。
この発明の第2の側面によれば、1−ブタノールを独立栄養で生産する方法は、
カルビン回路の中間生成物に作用して、または、水素化経路を付与するように作用して、1−ブタノールを生産するように構成された一組の酵素のために遺伝子組み換えコードを有する、シアノバクテリアからなる遺伝子組み換え光合成独立栄養有機体を、リアクタのシステム中に導入するステップと、
上記遺伝子組み換え独立栄養有機体に関連して、光合成水分解、または水素化プロセスから取得される、NADPH、還元フェレドキシン、およびエネルギーATPを利用して、生物学的な上記リアクタ内で二酸化炭素および水から1−ブタノールを合成するステップと、
生産物分離プロセスを使用して合成した上記1−ブタノールを光バイオリアクタから収穫するステップとを有し、
上記一組の酵素は:
NADPH/NADHの間の変換を行うNADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、および、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ;
3−ホスホグリセレートからブチルアルデヒドを生成する、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アスパルトキナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ホモセリンデヒドロゲナーゼ、ホモセリンキナーゼ、トレオニンシンターゼ、トレオニンアンモニアリアーゼ、2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ;並びに、
ブチルアドデヒドから1−ブタノールを生成する、NAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ、NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ、または、ブタノールデヒドロゲナーゼを有し、
上記カルビン回路の中間生成物である3−ホスホグリセリレートから1−ブタノールを生成し、
上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼによってオキサロエステートに変換され、上記オキサロエステートは上記アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼによってアスパラギン酸に変換され、上記アスパラギン酸は上記アスパルトキナーゼ、上記アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、および上記ホモセリンデヒドロゲナーゼによってホモセリンに変換され、上記ホモセリンは上記ホモセリンキナーゼ、および上記トレオニンシンターゼによってトレオニンに変換され、上記トレオニンはトレオニンアンモニアリアーゼによって2―ケトブチレートに変換され、上記2−ケトブチレートは上記2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトバレレートに変換され、上記2―ケトバレレートは上記2−ケト酸デカルボキシラーゼによってブチルアルデヒドに変換され、上記ブチルアルデヒドは上記NAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ、上記NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ、または、上記ブタノールデヒドロゲナーゼによって1−ブタノールに変換される。
この発明の第3の側面によれば、2−メチル−1−ブタノールを独立栄養で生産する方法は、
カルビン回路の中間生成物に作用して、または、水素化経路を付与するように作用して、2−メチル−1−ブタノールを生産するように構成された一組の酵素のために遺伝子組み換えコードを有する、シアノバクテリアからなる遺伝子組み換え光合成独立栄養有機体を、リアクタのシステム中に導入するステップと、
上記遺伝子組み換え独立栄養有機体に関連して、光合成水分解、または水素化プロセスから取得される、NADPH、還元フェレドキシン、およびエネルギーATPを利用して、生物学的な上記リアクタ内で二酸化炭素および水から2−メチル−1−ブタノールを合成するステップと、
生産物分離プロセスを使用して合成した上記2−メチル−1−ブタノールを光バイオリアクタから収穫するステップとを有し、
上記一組の酵素は:
NADPH/NADHの間の変換を行うNADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、および、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ;
3−ホスホグリセリレートから2−メチルブチルアルデヒドを生成する、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、シトラマル酸シンターゼ、2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、アセト乳酸シンターゼ、ケトール酸レダクトイソメラーゼ、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ、および、2−ケト酸デカルボキシラーゼ;並びに、
2−メチルブチルアルデヒドから2−メチル−1−ブタノールを生成する、NAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ、NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ、または、2−メチルブチルアルデヒドレダクターゼを有し、
上記カルビン回路の中間生成物である3−ホスホグリセリレートから2−メチル−1−ブタノールを生成し、
上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ピルビン酸キナーゼによってピルビン酸に変換され、上記ピルビン酸は上記シトラマル酸シンターゼによってシトラマレートに変換され、上記シトラマレートは上記2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼによってシトラコネートに変換され、上記シトラコネートは上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼによってメチル−D−リンゴ酸に変換され、上記メチル−D−リンゴ酸は上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトブチレートに変換され、上記2−ケトブチレートはアセト乳酸シンターゼ、上記ケトール酸レダクトイソメラーゼ、および上記ジヒドロキシ酸デヒドラターゼによって2−ケト−3−メチルバレレートに変換され、上記2−ケト−3−メチルバレレートは上記2−ケト酸デカルボキシラーゼによって2−メチルブチルアルデヒドに変換され、上記2−メチルブチルアルデヒドは上記NAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ、上記NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ、または、上記2−メチルブチルアルデヒドレダクターゼにより2−メチル−1−ブタノールに変換される。
この発明の第4の側面によれば、2−メチル−1−ブタノールを独立栄養で生産する方法は、
カルビン回路の中間生成物に作用して、または、水素化経路を付与するように作用して、2−メチル−1−ブタノールを生産するように構成された一組の酵素のために遺伝子組み換えコードを有する、シアノバクテリアからなる遺伝子組み換え光合成独立栄養有機体を、リアクタのシステム中に導入するステップと、
上記遺伝子組み換え独立栄養有機体に関連して、光合成水分解、または水素化プロセスから取得される、NADPH、還元フェレドキシン、およびエネルギーATPを利用して、生物学的な上記リアクタ内で二酸化炭素および水から2−メチル−1−ブタノールを合成するステップと、
生産物分離プロセスを使用して合成した上記2−メチル−1−ブタノールを光バイオリアクタから収穫するステップとを有し、
上記一組の酵素は、
NADPH/NADHの間の変換を行う、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、および、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ;
3−ホスホグリセリレートから2−メチルブチルアルデヒドを生成する、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アスパルトキナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ホモセリンデヒドロゲナーゼ、ホモセリンキナーゼ、トレオニンシンターゼ、トレオニンアンモニアリアーゼ、アセト乳酸シンターゼ、ケトール酸レダクトイソメラーゼ、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ、および、2−ケト酸デカルボキシラーゼ;並びに、
2−メチルブチルアルデヒドから2−メチル−1−ブタノールを生成する、NAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ、NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ、または、2−メチルブチルアルデヒドレダクターゼを有し、
上記カルビン回路の中間生成物である3−ホスホグリセリレートから2−メチル−1−ブタノールを生成し、
上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼによってオキサロエステートに変換され、上記オキサロエステートは上記アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼによってアスパラギン酸に変換され、上記アスパラギン酸は上記アスパルトキナーゼ、上記アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、および上記ホモセリンデヒドロゲナーゼによってホモセリンに変換され、上記ホモセリンは上記ホモセリンキナーゼ、および上記トレオニンシンターゼによってトレオニンに変換され、上記トレオニンはトレオニンアンモニアリアーゼによって2―ケトブチレートに変換され、上記2−ケトブチレートはアセト乳酸シンターゼ、上記ケトール酸レダクトイソメラーゼ、および上記ジヒドロキシ酸デヒドラターゼによって2−ケト−3−メチルバレレートに変換され、上記2−ケト−3−メチルバレレートは上記2−ケト酸デカルボキシラーゼによって2−メチルブチルアルデヒドに変換され、上記2−メチルブチルアルデヒドは上記NAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ、上記NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ、または、上記2−メチルブチルアルデヒドレダクターゼにより2−メチル−1−ブタノールに変換される。
この発明の第5の側面によれば、イソブタノールを独立栄養で生産する方法は、
カルビン回路の中間生成物に作用して、または、水素化経路を付与するように作用して、イソブタノールを生産するように構成された一組の酵素のために遺伝子組み換えコードを有する、シアノバクテリアからなる遺伝子組み換え光合成独立栄養有機体を、リアクタのシステム中に導入するステップと、
上記遺伝子組み換え独立栄養有機体に関連して、光合成水分解、または水素化プロセスから取得される、NADPH、還元フェレドキシン、およびエネルギーATPを利用して、生物学的な上記リアクタ内で二酸化炭素および水からイソブタノールを合成するステップと、
生産物分離プロセスを使用して合成した上記イソブタノールを光バイオリアクタから収穫するステップとを有し、
上記一組の酵素は:
NADPH/NADHの間の変換を行う、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、および、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ;
3−ホスホグリセリレートからイソルブチルアルデヒドを生成する、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、アセト乳酸シンターゼ、ケトール酸レダクトイソメラーゼ、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ、および、2−ケト酸デカルボキシラーゼ;並びに、
イソブチルアルデヒドからイソブタノールを生成する、NAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ、または、NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼを有し、
上記カルビン回路の中間生成物である3−ホスホグリセリレートからイソブタノールを生成し、
上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ピルビン酸キナーゼによってピルビン酸に変換され、上記ピルビン酸は上記アセト乳酸シンターゼによって2−アセトラクテートに変換され、上記2−アセトラクテートは上記ケトール酸レダクトイソメラーゼによって2,3−ジヒドロキシ−イソバレレートに変換され、上記2,3−ジヒドロキシ−イソバレレートは上記ジヒドロキシ酸デヒドラターゼによって2−オキソイソバレレートに変換され、上記2−オキソイソバレレートは上記2−ケト酸デカルボキシラーゼによってイソビチルアルデヒドに変換され、上記イソビチルアルデヒドは上記NAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ、または、上記NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼによってイソブタノールに変換される。
この発明の第6の側面によれば、3−メチル−1−ブタノールを独立栄養で生産する方法は、
カルビン回路の中間生成物に作用して、または、水素化経路を付与するように作用して、3−メチル−1−ブタノールを生産するように構成された一組の酵素のために遺伝子組み換えコードを有する、シアノバクテリアからなる遺伝子組み換え光合成独立栄養有機体を、リアクタのシステム中に導入するステップと、
上記遺伝子組み換え独立栄養有機体に関連して、光合成水分解、または水素化プロセスから取得される、NADPH、還元フェレドキシン、およびエネルギーATPを利用して、生物学的な上記リアクタ内で二酸化炭素および水から3−メチル−1−ブタノールを合成するステップと、
生産物分離プロセスを使用して合成した上記3−メチル−1−ブタノールを光バイオリアクタから収穫するステップとを有し、
上記一組の酵素は:
NADPH/NADHの間の変換を行う、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、および、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ;
3−ホスホグリセリレートから3−メチルブチルアルデヒドを生成する、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、アセト乳酸シンターゼ、ケトール酸レダクトイソメラーゼ、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ、2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ;並びに、
3−メチルブチルアルデヒドから3−メチル−1−ブタノールを生成する、NAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ、または、NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ、または3−メチルブタナールレダクターゼを有し、
上記カルビン回路の中間生成物である3−ホスホグリセリレートから3−メチル−1−ブタノールを生成し、
上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ピルビン酸キナーゼによってピルビン酸に変換され、上記ピルビン酸は上記アセト乳酸シンターゼによって2−アセトラクテートに変換され、上記2−アセトラクテートは上記ケトール酸レダクトイソメラーゼによって2,3−ジヒドロキシ−イソバレレートに変換され、上記2,3−ジヒドロキシ−イソバレレートは上記ジヒドロキシ酸デヒドラターゼによって2−オキソイソバレレートに変換され、上記2−オキソイソバレレートは上記2−上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼによって2−イソプロピルリンゴ酸(2−イソプロピルマレート)に変換され、上記2−イソプロピルリンゴ酸は上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼによって3−イソプロピルリンゴ酸(3−イソプロピルマレート)に変換され、上記3−イソプロピルリンゴ酸は上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって4−メチル−2−オキソペンタノエートに変換され、上記4−メチル−2−オキソペンタノエートは上記2−ケト酸デカルボキシラーゼによって3−メチルブチルアルデヒドに変換され、上記3−メチルブチルアルデヒドは上記NAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ、または、上記NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ、または上記3−メチルブタナールレダクターゼによって3−メチル−1−ブタノールに変換される。
この発明の第7の側面によれば、1−ヘキサノールまたは1−オクタノールを独立栄養で生産する方法は、
カルビン回路の中間生成物に作用して、または、水素化経路を付与するように作用して、1−ヘキサノールまたは1−オクタノールを生産するように構成された一組の酵素のために遺伝子組み換えコードを有する、シアノバクテリアからなる遺伝子組み換え光合成独立栄養有機体を、リアクタのシステム中に導入するステップと、
上記遺伝子組み換え独立栄養有機体に関連して、光合成水分解、または水素化プロセスから取得される、NADPH、還元フェレドキシン、およびエネルギーATPを利用して、生物学的な上記リアクタ内で二酸化炭素および水から1−ヘキサノールまたは1−オクタノールを合成するステップと、
生産物分離プロセスを使用して合成した上記の1−ヘキサノールまたは1−オクタノールを光バイオリアクタから収穫するステップとを有し、
上記一組の酵素は:
NADPH/NADHの間の変換を行う、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、および、NAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ;並びに、
3−ホスホグリセリレートから1−ヘキサノールまたは1−オクタノールを生成するために選択され、少なくとも1つがNAD依存またはNADPH依存の酵素である、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、ピルビン酸フェレドキシンオキシドレダクターゼ、チオラーゼ、3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ、クロトナーゼ、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ、3−ケトチオラーゼ、3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼ、エノイル−CoAデヒドラターゼ、2−エノイル−CoAレダクターゼ、アシル−CoAレダクターゼ、ヘキサノールデヒロゲナーゼ、およびオクタノールデヒドロゲナーゼを有し、
上記カルビン回路の中間生成物である3−ホスホグリセリレートから1−ヘキサノールまたは1−オクタノールを生成し、
(A)上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ピルビン酸キナーゼによってピルビン酸に変換され、上記ピルビン酸は上記ピルビン酸フェレドキシンオキシドレダクターゼによってアセチル−CoAに変換され、上記アセチル−CoAは上記チオラーゼによってアセトアセチル−CoAに変換され、上記アセトアセチル−CoAは上記3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼによって3−ヒドロキシブチル−CoAに変換され、上記3−ヒドロキシブチル−CoAは上記クロトナーゼによってクロトニル−CoAに変換され、上記クロトニル−CoAは上記ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼによってブチリル−CoAに変換され、上記ブチリル−CoAは上記3−ケトチオラーゼによって3−ケト−6−アシル−CoAに変換され、上記3−ケト−6−アシル−CoAは上記3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼによって3−ヒドロキシ−C6−アシル−CoAに変換され、上記3−ヒドロキシ−C6−アシル−CoAは上記エノイル−CoAデヒドラターゼによってC6−エノイル−CoAに変換され、上記C6−エノイル−CoAは上記2−エノイル−CoAレダクターゼによってC6−アシル−CoAに変換され、上記C6−アシル−CoAは上記アシル−CoAレダクターゼによって1−ヘキサナールに変換され、上記1−ヘキサナールは上記ヘキサノールデヒロゲナーゼによって1−ヘキサノールに変換され、または
(B)上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ピルビン酸キナーゼによってピルビン酸に変換され、上記ピルビン酸は上記ピルビン酸フェレドキシンオキシドレダクターゼによってアセチル−CoAに変換され、上記アセチル−CoAは上記チオラーゼによってアセトアセチル−CoAに変換され、上記アセトアセチル−CoAは上記3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼによって3−ヒドロキシブチル−CoAに変換され、上記3−ヒドロキシブチル−CoAは上記クロトナーゼによってクロトニル−CoAに変換され、上記クロトニル−CoAは上記ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼによってブチリル−CoAに変換され、上記ブチリル−CoAは上記3−ケトチオラーゼによって3−ケト−6−アシル−CoAに変換され、上記3−ケト−6−アシル−CoAは上記3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼによって3−ヒドロキシ−C6−アシル−CoAに変換され、上記3−ヒドロキシ−C6−アシル−CoAは上記エノイル−CoAデヒドラターゼによってC6−エノイル−CoAに変換され、上記C6−エノイル−CoAは上記2−エノイル−CoAレダクターゼによってC6−アシル−CoAに変換され、上記C6−アシル−CoAは上記3−ケトチオラーゼによって3−ケト−C8−アシル−CoAに変換され、上記3−ケト−C8−アシル−CoAは上記3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼによって3−ヒドロキシ−C8−アシル−CoAに変換され、上記3−ヒドロキシ−C8−アシル−CoAは上記エノイル−CoAデヒドラターゼによってC8−エノイル−CoAに変換され、上記C8−エノイル−CoAは上記2−エノイル−CoAレダクターゼによってC8−アシル−CoAに変換され、上記C8−アシル−CoAは上記アシル−CoAレダクターゼによってオクタナールに変換され、上記オクタナールは上記オクタノールデヒドロゲナーゼによって1−オクタノールに変換される。
この発明の第8の側面によれば、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、または1−ヘプタノールを独立栄養で生産する方法は、、
カルビン回路の中間生成物に作用して、または、水素化経路を付与するように作用して、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、または1−ヘプタノールを生産するように構成された一組の酵素のために遺伝子組み換えコードを有する、シアノバクテリアからなる遺伝子組み換え光合成独立栄養有機体を、リアクタのシステム中に導入するステップと、
上記遺伝子組み換え独立栄養有機体に関連して、光合成水分解、または水素化プロセスから取得される、NADPH、還元フェレドキシン、およびエネルギーATPを利用して、生物学的な上記リアクタ内で二酸化炭素および水から1−ペンタノール、1−ヘキサノール、または1−ヘプタノールを合成するステップと、
生産物分離プロセスを使用して合成した上記の1−ペンタノール、1−ヘキサノール、または1−ヘプタノールを光バイオリアクタから収穫するステップとを有し、
上記一組の酵素は、
(a)NADPH/NADHの間の変換を行う、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、および、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ;並びに、
(b)つぎの(b−1)、(b−2)または(b−3)の酵素群の少なくとも1つを有し、
上記カルビン回路の中間生成物である3−ホスホグリセリレートから1−ペンタノール、1−ヘキサノール、または1−ヘプタノールを生成する、上記方法。
(b−1)3−ホスホグリセリレートから2−ケトバレレートを生成する、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、シトラマル酸シンターゼ、2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、
2−ケトバレレートから2−ケトヘキサノエートを生成する、イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、
2−ケトヘキサノエートから1−ペンタノールを生成する、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、およびNAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドラゲナーゼ。
(b−2)3−ホスホグリセリレートから2−ケトバレレートを生成する、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、シトラマル酸シンターゼ、2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、
2−ケトバレレートから2−ケトヘキサノエートを生成し、これから2−ケトヘプタノエートを生成する、イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、
2−ケトヘプタノエートから1−ヘキサノールを生成する、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、およびNAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドラゲナーゼまたは1−ヘキサノールデヒドロゲナーザ。
(b−3)3−ホスホグリセリレートから2−ケトバレレートを生成する、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、シトラマル酸シンターゼ、2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、
2−ケトバレレートから2−ケトヘキサノエートを生成し、これから2−ケトヘプタノエートを生成し、これから2−ケトオクタノエートを生成する、イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、
2−ケトオクタノエートから1−ヘプタノールを生成する、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、およびNAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドラゲナーゼ。
上記方法において、
(A)上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ピルビン酸キナーゼによってピルビン酸に変換され、上記ピルビン酸は上記シトラマル酸シンターゼによってシトラマレートに変換され、上記シトラマレートは上記2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼによってシトラコネートに変換され、上記シトラコネートは上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼによってメチル−D−リンゴ酸に変換され、上記メチル−D−リンゴ酸は上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトブチレートに変換され、上記2−ケトブチレートは上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼによって2−エチルリンゴ酸(2−エチルマレート)に変換され、上記2−エチルリンゴ酸は上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼによって3−エチルリンゴ酸(3−エチルマレート)に変換され、上記3−エチルリンゴ酸は上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトバレレートに変換され、上記2−ケトバレレートは上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトヘキサノエートに変換され、上記2−ケトヘキサノエートが上記2−ケト酸デカルボキシラーゼによって1―ペンタナールに変換され、上記1−ペンタナールが上記NAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドラゲナーゼによって1−ペンタノールに変換され;または、
(B)上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ピルビン酸キナーゼによってピルビン酸に変換され、上記ピルビン酸は上記シトラマル酸シンターゼによってシトラマレートに変換され、上記シトラマレートは上記2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼによってシトラコネートに変換され、上記シトラコネートは上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼによってメチル−D−リンゴ酸に変換され、上記メチル−D−リンゴ酸は上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトブチレートに変換され、上記2−ケトブチレートは上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼによって2−エチルリンゴ酸に変換され、上記2−エチルリンゴ酸は上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼによって3−エチルリンゴ酸に変換され、上記3−エチルリンゴ酸は上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトバレレートに変換され、上記2−ケトバレレートが上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトヘキサノエートに変換され、上記2−ケトヘキサノエートが上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトヘプタノエートに変換され、上記2−ケトヘプタノエートが上記2−ケト酸デカルボキシラーゼによって1―ヘキサナールに変換され、上記1−ヘキサナールが上記NAD依存、上記NADPH依存短鎖アルコールデヒドラゲナーゼまたは上記1−ヘキサノールデヒドロゲナーザによって1−ヘキサノールに変換され;または、
(C)上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ピルビン酸キナーゼによってピルビン酸に変換され、上記ピルビン酸は上記シトラマル酸シンターゼによってシトラマレートに変換され、上記シトラマレートは上記2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼによってシトラコネートに変換され、上記シトラコネートは上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼによってメチル−D−リンゴ酸に変換され、上記メチル−D−リンゴ酸は上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトブチレートに変換され、上記2−ケトブチレートは上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼによって2−エチルリンゴ酸に変換され、上記2−エチルリンゴ酸は上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼによって3−エチルリンゴ酸に変換され、上記3−エチルリンゴ酸は上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトバレレートに変換され、上記2−ケトバレレートが上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトヘキサノエートに変換され、上記2−ケトヘキサノエートが上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトヘプタノエートに変換され、上記2−ケトヘプタノエートが上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトオクタノエートに変換され、上記2−ケトオクタノエートが上記2−ケト酸デカルボキシラーゼによって1―ヘプタナールに変換され、上記1−ヘプタナールが上記NAD依存、または、上記NADPH依存短鎖アルコールデヒドラゲナーゼによって1−ヘプタノールに変換される。
この発明の第9の側面によれば、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、または1−ヘプタノールを独立栄養で生産する方法は、
カルビン回路の中間生成物に作用して、または、水素化経路を付与するように作用して、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、または1−ヘプタノールを生産するように構成された一組の酵素のために遺伝子組み換えコードを有する、シアノバクテリアからなる遺伝子組み換え光合成独立栄養有機体を、リアクタのシステム中に導入するステップと、
上記遺伝子組み換え独立栄養有機体に関連して、光合成水分解、または水素化プロセスから取得される、NADPH、還元フェレドキシン、およびエネルギーATPを利用して、生物学的な上記リアクタ内で二酸化炭素および水から1−ペンタノール、1−ヘキサノール、または1−ヘプタノールを合成するステップと、
生産物分離プロセスを使用して合成した上記の1−ペンタノール、1−ヘキサノール、または1−ヘプタノールを光バイオリアクタから収穫するステップとを有し、
上記一組の酵素は:
(a)NADPH/NADHの間の変換を行う、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、および、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ;並びに、
(b)つぎの(b−1)、(b−2)または(b−3)の酵素群の少なくとも1つを有し、
上記カルビン回路の中間生成物である3−ホスホグリセリレートから1−ペンタノール、1−ヘキサノール、または1−ヘプタノールを生成する、上記方法。
(b−1)3−ホスホグリセリレートから2−ケトバレレートを生成する、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アスパルトキナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ホモセリンデヒドロゲナーゼ、ホモセリンキナーゼ、トレオニンシンターゼ、トレオニンアンモニアリアーゼ、2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、
2−ケトバレレートから2−ケトヘキサノエートを生成する、イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、
2−ケトヘキサノエートから1−ペンタノールを生成する、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、およびNAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドラゲナーゼ。
(b−2)3−ホスホグリセリレートから2−ケトバレレートを生成する、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アスパルトキナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ホモセリンデヒドロゲナーゼ、ホモセリンキナーゼ、トレオニンシンターゼ、トレオニンアンモニアリアーゼ、2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、
2−ケトバレレートから2−ケトヘキサノエートを生成し、これから2−ケトヘプタノエートを生成する、イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、
2−ケトヘプタノエートから1−ヘキサノールを生成する、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、およびNAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドラゲナーゼまたは1−ヘキサノールデヒドロゲナーザ。
(b−3)3−ホスホグリセリレートから2−ケトバレレートを生成する、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アスパルトキナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ホモセリンデヒドロゲナーゼ、ホモセリンキナーゼ、トレオニンシンターゼ、トレオニンアンモニアリアーゼ、2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、
2−ケトバレレートから2−ケトヘキサノエートを生成し、これから2−ケトヘプタノエートを生成し、これから2−ケトオクタノエートを生成する、イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、
2−ケトオクタノエートから1−ヘキサノールを生成する、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、およびNAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドラゲナーゼ。
上記方法において、
(A)上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼによってオキサロエステートに変換され、上記オキサロエステートは上記アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼによってアスパラギン酸に変換され、上記アスパラギン酸は上記アスパルトキナーゼ、上記アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、および上記ホモセリンデヒドロゲナーゼによってホモセリンに変換され、上記ホモセリンは上記ホモセリンキナーゼ、および上記トレオニンシンターゼによってトレオニンに変換され、上記トレオニンはトレオニンアンモニアリアーゼによって2―ケトブチレートに変換され、上記2−ケトブチレートは上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼによって2−エチルリンゴ酸に変換され、上記2−エチルリンゴ酸は上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼによって3−エチルリンゴ酸に変換され、上記3−エチルリンゴ酸は上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトバレレートに変換され、上記2−ケトバレレートは上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトヘキサノエートに変換され、上記2−ケトヘキサノエートが上記2−ケト酸デカルボキシラーゼによって1―ペンタナールに変換され、上記1−ペンタナールが上記NAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドラゲナーゼによって1−ペンタノールに変換され;または、
(B)上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼによってオキサロエステートに変換され、上記オキサロエステートは上記アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼによってアスパラギン酸に変換され、上記アスパラギン酸は上記アスパルトキナーゼ、上記アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、および上記ホモセリンデヒドロゲナーゼによってホモセリンに変換され、上記ホモセリンは上記ホモセリンキナーゼ、および上記トレオニンシンターゼによってトレオニンに変換され、上記トレオニンはトレオニンアンモニアリアーゼによって2―ケトブチレートに変換され、上記2−ケトブチレートは上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼによって2−エチルリンゴ酸に変換され、上記2−エチルリンゴ酸は上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼによって3−エチルリンゴ酸に変換され、上記3−エチルリンゴ酸は上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトバレレートに変換され、上記2−ケトバレレートが上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトヘキサノエートに変換され、上記2−ケトヘキサノエートが上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトヘプタノエートに変換され、上記2−ケトヘプタノエートが上記2−ケト酸デカルボキシラーゼによって1―ヘキサナールに変換され、上記1−ヘキサナールが上記NAD依存、上記NADPH依存短鎖アルコールデヒドラゲナーゼまたは上記1−ヘキサノールデヒドロゲナーザによって1−ヘキサノールに変換され;または、
(C)上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼによってオキサロエステートに変換され、上記オキサロエステートは上記アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼによってアスパラギン酸に変換され、上記アスパラギン酸は上記アスパルトキナーゼ、上記アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、および上記ホモセリンデヒドロゲナーゼによってホモセリンに変換され、上記ホモセリンは上記ホモセリンキナーゼ、および上記トレオニンシンターゼによってトレオニンに変換され、上記トレオニンはトレオニンアンモニアリアーゼによって2―ケトブチレートに変換され、上記2−ケトブチレートは上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼによって2−エチルリンゴ酸に変換され、上記2−エチルリンゴ酸は上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼによって3−エチルリンゴ酸に変換され、上記3−エチルリンゴ酸は上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトバレレートに変換され、上記2−ケトバレレートが上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトヘキサノエートに変換され、上記2−ケトヘキサノエートが上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトヘプタノエートに変換され、上記2−ケトヘプタノエートが上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトオクタノエートに変換され、上記2−ケトオクタノエートが上記2−ケト酸デカルボキシラーゼによって1―ヘプタナールに変換され、上記1−ヘプタナールが上記NAD依存、または、上記NADPH依存短鎖アルコールデヒドラゲナーゼによって1−ヘプタノールに変換される。
この発明の第10の側面によれば、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、または5−メチル−1−ヘプタノールを独立栄養で生産する方法は、
カルビン回路の中間生成物に作用して、または、水素化経路を付与するように作用して、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、または5−メチル−1−ヘプタノールを生産するように構成された一組の酵素のために遺伝子組み換えコードを有する、シアノバクテリアからなる遺伝子組み換え光合成独立栄養有機体を、リアクタのシステム中に導入するステップと、
上記遺伝子組み換え独立栄養有機体に関連して、光合成水分解、または水素化プロセスから取得される、NADPH、還元フェレドキシン、およびエネルギーATPを利用して、生物学的な上記リアクタ内で二酸化炭素および水から3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、または5−メチル−1−ヘプタノールを合成するステップと、
生産物分離プロセスを使用して合成した上記の3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、または5−メチル−1−ヘプタノールを光バイオリアクタから収穫するステップとを有し、
上記一組の酵素は:
(a)NADPH/NADHの間の変換を行う、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、および、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ;
(b)3−ホスホグリセリレートから2−ケト−3−メチルバレレートを生成する、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、シトラマル酸シンターゼ、2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、アセト乳酸シンターゼ、ケトール酸レダクトイソメラーゼ、および、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ;並びに、
(c)つぎの(c−1)、(c−2)または(c−3)の酵素群の少なくとも1つを有し、
上記カルビン回路の中間生成物である3−ホスホグリセリレートから3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、または5−メチル−1−ヘプタノールを生成する、上記方法。
(c−1)2−ケト−3−メチルバレレートから2−ケト−4−メチルヘキサノエートを生成し、これから3−メチル−1−ペンタナールを生成し、これから3−メチル−1−ペンタノールを生成するイソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、および、NAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ。
(c−2)2−ケト−3−メチルバレレートから2−ケト−4−メチルヘキサノエートを生成し、これから2−ケト−5−メチルヘプタノエートを生成し、これから4−メチル−1−ヘキサナールを生成し、これから4−メチル−1−ヘキサノールを生成するイソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、およびNAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ。
(c−3)2−ケト−3−メチルバレレートから2−ケト−4−メチルヘキサノエートを生成し、これから2−ケト−5−メチルヘプタノエートを生成し、これから2−ケト−6−メリルオクタノエートを生成し、これから5−メチル−1−ヘプタナールを生成し、これから5−メチル−1−ヘプタノールを生成するイソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、およびNAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ。
上記方法において、
(A)上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ピルビン酸キナーゼによってピルビン酸に変換され、上記ピルビン酸は上記シトラマル酸シンターゼによってシトラマレートに変換され、上記シトラマレートは上記2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼによってシトラコネートに変換され、上記シトラコネートは上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼによってメチル−D−リンゴ酸に変換され、上記メチル−D−リンゴ酸は上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトブチレートに変換され、上記2−ケトブチレートは上記アセト乳酸シンターゼによって2−ヒドロキシ−2−エチル−3−オキソブタノエートに変換され、上記2−ヒドロキシ−2−エチル−3−オキソブタノエートは上記ケトール酸レダクトイソメラーゼによって2,3−ジヒドロキシ−3−メチル−ペンタノエートに変換され、上記2,3−ジヒドロキシ−3−メチル−ペンタノエートは上記ジヒドロキシ酸デヒドラターゼによって2−ケト−3−メチルバレレートに変換され、上記2−ケト−3−メチルバレレートは上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケト−4−メチルヘキサノエートに変換され、上記2−ケト−4−メチルヘキサノエートが上記2−ケト酸デカルボキシラーゼによって3−メチル−1−ペンタナールに変換され、上記3−メチル−1−ペンタナールが上記NAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドラゲナーゼによって3−メチル−1−ペンタノールに変換され;または、
(B)上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ピルビン酸キナーゼによってピルビン酸に変換され、上記ピルビン酸は上記シトラマル酸シンターゼによってシトラマレートに変換され、上記シトラマレートは上記2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼによってシトラコネートに変換され、上記シトラコネートは上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼによってメチル−D−リンゴ酸に変換され、上記メチル−D−リンゴ酸は上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトブチレートに変換され、上記2−ケトブチレートは上記アセト乳酸シンターゼによって2−ヒドロキシ−2−エチル−3−オキソブタノエートに変換され、上記2−ヒドロキシ−2−エチル−3−オキソブタノエートは上記ケトール酸レダクトイソメラーゼによって2,3−ジヒドロキシ−3−メチル−ペンタノエートに変換され、上記2,3−ジヒドロキシ−3−メチル−ペンタノエートは上記ジヒドロキシ酸デヒドラターゼによって2−ケト−3−メチルバレレートに変換され、上記2−ケト−3−メチルバレレートは上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケト−4−メチルヘキサノエートに変換され、上記2−ケト−4−メチルヘキサノエートが上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケト−5−メチルヘプタノエートに変換され、上記2−ケト−5−メチルヘプタノエートが上記2−ケト酸デカルボキシラーゼによって4−メチル−1―ヘキサナールに変換され、上記4−メチル−1−ヘキサナールが上記NAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドラゲナーゼによって4−メチル−1−ヘキサノールに変換され;または、
(C)上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ピルビン酸キナーゼによってピルビン酸に変換され、上記ピルビン酸は上記シトラマル酸シンターゼによってシトラマレートに変換され、上記シトラマレートは上記2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼによってシトラコネートに変換され、上記シトラコネートは上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼによってメチル−D−リンゴ酸に変換され、上記メチル−D−リンゴ酸は上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケトブチレートに変換され、上記2−ケトブチレートは上記アセト乳酸シンターゼによって2−ヒドロキシ−2−エチル−3−オキソブタノエートに変換され、上記2−ヒドロキシ−2−エチル−3−オキソブタノエートは上記ケトール酸レダクトイソメラーゼによって2,3−ジヒドロキシ−3−メチル−ペンタノエートに変換され、上記2,3−ジヒドロキシ−3−メチル−ペンタノエートは上記ジヒドロキシ酸デヒドラターゼによって2−ケト−3−メチルバレレートに変換され、上記2−ケト−3−メチルバレレートは上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケト−4−メチルヘキサノエートに変換され、上記2−ケト−4−メチルヘキサノエートが上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケト−5−メチルヘプタノエートに変換され、上記2−ケト−5−メチルヘプタノエートが上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケト−6−メチルオクタノエートに変換され、上記2−ケト−6−メチルオクタノエートが上記2−ケト酸デカルボキシラーゼによって5−メチル−1―ヘプタナールに変換され、上記5−メチル−1−ヘプタナールが上記NAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドラゲナーゼによって5−メチル−1−ヘプタノールに変換される。
この発明の第11の側面によれば、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、または5−メチル−1−ヘプタノールを独立栄養で生産する方法は、
カルビン回路の中間生成物に作用して、または、水素化経路を付与するように作用して、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、または5−メチル−1−ヘプタノールを生産するように構成された一組の酵素のために遺伝子組み換えコードを有する、シアノバクテリアからなる遺伝子組み換え光合成独立栄養有機体を、リアクタのシステム中に導入するステップと、
上記遺伝子組み換え独立栄養有機体に関連して、光合成水分解、または水素化プロセスから取得される、NADPH、還元フェレドキシン、およびエネルギーATPを利用して、生物学的な上記リアクタ内で二酸化炭素および水から3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、または5−メチル−1−ヘプタノールを合成するステップと、
生産物分離プロセスを使用して合成した上記の3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、または5−メチル−1−ヘプタノールを光バイオリアクタから収穫するステップとを有し、
上記一組の酵素は:
(a)NADPH/NADHの間の変換を行う、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、および、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ;並びに、
(b)3−ホスホグリセリレートから2−ケト−3−メチルバレレートを生成する、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アスパルトキナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ホモセリンデヒドロゲナーゼ、ホモセリンキナーゼ、トレオニンシンターゼ、トレオニンアンモニアリアーゼ、アセト乳酸シンターゼ、ケトール酸レダクトイソメラーゼ、および、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ;並びに、
(c)つぎの(c−1)、(c−2)または(c−3)の酵素群の少なくとも1つを有し、
上記カルビン回路の中間生成物である3−ホスホグリセリレートから3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、または5−メチル−1−ヘプタノールを生成する、上記方法。
(c−1)2−ケト−3−メチルバレレートから2−ケト−4−メチルヘキサノエートを生成し、これから3−メチル−1−ペンタナールを生成し、これから3−メチル−1−ペンタノールを生成する、イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、および、NAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ。
(c−2)2−ケト−3−メチルバレレートから2−ケト−4−メチルヘキサノエートを生成し、これから2−ケト−5−メチルヘプタノエートを生成し、これから4−メチル−1−ヘキサナールを生成し、これから4−メチル−1−ヘキサノールを生成する、イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、およびNAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ。
(c−3)2−ケト−3−メチルバレレートから2−ケト−4−メチルヘキサノエートを生成し、これから2−ケト−5−メチルヘプタノエートを生成し、これから2−ケト−6−メリルオクタノエートを生成し、これから5−メチル−1−ヘプタナールを生成し、これから5−メチル−1−ヘプタノールを生成する、イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、およびNAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ。
上記方法において、
(A)上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼによってオキサロエステートに変換され、上記オキサロエステートは上記アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼによってアスパラギン酸に変換され、上記アスパラギン酸は上記アスパルトキナーゼ、上記アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、および上記ホモセリンデヒドロゲナーゼによってホモセリンに変換され、上記ホモセリンは上記ホモセリンキナーゼ、および上記トレオニンシンターゼによってトレオニンに変換され、上記トレオニンはトレオニンアンモニアリアーゼによって2―ケトブチレートに変換され、上記2−ケトブチレートは上記アセト乳酸シンターゼによって2−ヒドロキシ−2−エチル−3−オキソブタノエートに変換され、上記2−ヒドロキシ−2−エチル−3−オキソブタノエートは上記ケトール酸レダクトイソメラーゼによって2,3−ジヒドロキシ−3−メチル−ペンタノエートに変換され、上記2,3−ジヒドロキシ−3−メチル−ペンタノエートは上記ジヒドロキシ酸デヒドラターゼによって2−ケト−3−メチルバレレートに変換され、上記2−ケト−3−メチルバレレートは上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケト−4−メチルヘキサノエートに変換され、上記2−ケト−4−メチルヘキサノエートが上記2−ケト酸デカルボキシラーゼによって3−メチル−1−ペンタナールに変換され、上記3−メチル−1−ペンタナールが上記NAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドラゲナーゼによって3−メチル−1−ペンタノールに変換され;または、
(B)上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼによってオキサロエステートに変換され、上記オキサロエステートは上記アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼによってアスパラギン酸に変換され、上記アスパラギン酸は上記アスパルトキナーゼ、上記アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、および上記ホモセリンデヒドロゲナーゼによってホモセリンに変換され、上記ホモセリンは上記ホモセリンキナーゼ、および上記トレオニンシンターゼによってトレオニンに変換され、上記トレオニンはトレオニンアンモニアリアーゼによって2―ケトブチレートに変換され、上記2−ケトブチレートは上記アセト乳酸シンターゼによって2−ヒドロキシ−2−エチル−3−オキソブタノエートに変換され、上記2−ヒドロキシ−2−エチル−3−オキソブタノエートは上記ケトール酸レダクトイソメラーゼによって2,3−ジヒドロキシ−3−メチル−ペンタノエートに変換され、上記2,3−ジヒドロキシ−3−メチル−ペンタノエートは上記ジヒドロキシ酸デヒドラターゼによって2−ケト−3−メチルバレレートに変換され、上記2−ケト−3−メチルバレレートは上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケト−4−メチルヘキサノエートに変換され、上記2−ケト−4−メチルヘキサノエートが上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケト−5−メチルヘプタノエートに変換され、上記2−ケト−5−メチルヘプタノエートが上記2−ケト酸デカルボキシラーゼによって4−メチル−1―ヘキサナールに変換され、上記4−メチル−1−ヘキサナールが上記NAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドラゲナーゼによって4−メチル−1−ヘキサノールに変換され;または、
(C)上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼによってオキサロエステートに変換され、上記オキサロエステートは上記アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼによってアスパラギン酸に変換され、上記アスパラギン酸は上記アスパルトキナーゼ、上記アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、および上記ホモセリンデヒドロゲナーゼによってホモセリンに変換され、上記ホモセリンは上記ホモセリンキナーゼ、および上記トレオニンシンターゼによってトレオニンに変換され、上記トレオニンはトレオニンアンモニアリアーゼによって2―ケトブチレートに変換され、上記2−ケトブチレートは上記アセト乳酸シンターゼによって2−ヒドロキシ−2−エチル−3−オキソブタノエートに変換され、上記2−ヒドロキシ−2−エチル−3−オキソブタノエートは上記ケトール酸レダクトイソメラーゼによって2,3−ジヒドロキシ−3−メチル−ペンタノエートに変換され、上記2,3−ジヒドロキシ−3−メチル−ペンタノエートは上記ジヒドロキシ酸デヒドラターゼによって2−ケト−3−メチルバレレートに変換され、上記2−ケト−3−メチルバレレートは上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケト−4−メチルヘキサノエートに変換され、上記2−ケト−4−メチルヘキサノエートが上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケト−5−メチルヘプタノエートに変換され、上記2−ケト−5−メチルヘプタノエートが上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケト−6−メチルオクタノエートに変換され、上記2−ケト−6−メチルオクタノエートが上記2−ケト酸デカルボキシラーゼによって5−メチル−1―ヘプタナールに変換され、上記5−メチル−1−ヘプタナールが上記NAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドラゲナーゼによって5−メチル−1−ヘプタノールに変換される。
この発明の第12の側面によれば、4−メチル−1−ペンタノール、5−メチル−1−ヘキサノール、または6−メチル−1−ヘプタノールを独立栄養で生産する方法は、
カルビン回路の中間生成物に作用して、または、水素化経路を付与するように作用して、4−メチル−1−ペンタノール、5−メチル−1−ヘキサノール、または6−メチル−1−ヘプタノールを生産するように構成された一組の酵素のために遺伝子組み換えコードを有する、シアノバクテリアからなる遺伝子組み換え光合成独立栄養有機体を、リアクタのシステム中に導入するステップと、
上記遺伝子組み換え独立栄養有機体に関連して、光合成水分解、または水素化プロセスから取得される、NADPH、還元フェレドキシン、およびエネルギーATPを利用して、生物学的な上記リアクタ内で二酸化炭素および水から4−メチル−1−ペンタノール、5−メチル−1−ヘキサノール、または6−メチル−1−ヘプタノールを合成するステップと、
生産物分離プロセスを使用して合成した上記の4−メチル−1−ペンタノール、5−メチル−1−ヘキサノール、または6−メチル−1−ヘプタノールを光バイオリアクタから収穫するステップとを有し、
上記一組の酵素は:
(a)NADPH/NADHの間の変換を行う、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、および、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ;
(b)3−ホスホグリセリレートから2−ケト−4−メチルバレレートを生成する、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、アセト乳酸シンターゼ、ケトール酸レダクトイソメラーゼ、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ、イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ;並びに、
(c)つぎの(c−1)、(c−2)または(c−3)の酵素群の少なくとも1つを有し、
上記カルビン回路の中間生成物である3−ホスホグリセリレートから4−メチル−1−ペンタノール、5−メチル−1−ヘキサノール、または6−メチル−1−ヘプタノールを生成する、上記方法。
(c−1)2−ケト−4−メチルバレレートから2−ケト−5−メチルヘキサノエートを生成し、これから4−メチル−1−ペンタナールを生成し、これから4−メチル−1−ペンタノールを生成する、イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、および、NAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ。
(c−2)2−ケト−4−メチルバレレートから2−ケト−5−メチルヘキサノエートを生成し、これから2−ケト−6−メチルヘプタノールを生成し、これから5−メチル−1−ヘキサナールを生成し、これから5−メチル−1−ヘキサノールを生成する、イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、およびNAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ。
(c−3)2−ケト−4−メチルバレレートから2−ケト−5−メチルヘキサノエートを生成し、これから2−ケト−6−メチルヘプタノールを生成し、これから2−ケト−7−メチルオクタノエートを生成し、これから6−メチル−1−ヘプタナールを生成し、これから6−メチル−1−ヘプタノールを生成する、イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、およびNAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ。
上記方法において、
(A)上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ピルビン酸キナーゼによってピルビン酸に変換され、上記ピルビン酸は上記アセト乳酸シンターゼによって2−アセトラクテートに変換され、上記2−アセトラクテートは上記ケトール酸レダクトイソメラーゼによって2,3−ジヒドロキシ−イソバレレートに変換され、上記2,3−ジヒドロキシ−イソバレレートは上記ジヒドロキシ酸デヒドラターゼによって2−オキソイソバレレートに変換され、上記2−オキソイソバレレートは上記2−上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼによって2−イソプロピルリンゴ酸に変換され、上記2−イソプロピルリンゴ酸は上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼによって3−イソプロピルリンゴ酸に変換され、上記3−イソプロピルリンゴ酸は上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケト−4−メチルバレレートに変換され、上記2−ケト−4−メチルバレレートは上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケト−5−メチルヘキサノエートに変換され、上記2−ケト−5−メチルヘキサノエートが上記2−ケト酸デカルボキシラーゼによって4−メチル−1−ペンタナールに変換され、上記4−メチル−1−ペンタナールが上記NAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドラゲナーゼによって4−メチル−1−ペンタノールに変換され;または、
(B)上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ピルビン酸キナーゼによってピルビン酸に変換され、上記ピルビン酸は上記アセト乳酸シンターゼによって2−アセトラクテートに変換され、上記2−アセトラクテートは上記ケトール酸レダクトイソメラーゼによって2,3−ジヒドロキシ−イソバレレートに変換され、上記2,3−ジヒドロキシ−イソバレレートは上記ジヒドロキシ酸デヒドラターゼによって2−オキソイソバレレートに変換され、上記2−オキソイソバレレートは上記2−上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼによって2−イソプロピルリンゴ酸に変換され、上記2−イソプロピルリンゴ酸は上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼによって3−イソプロピルリンゴ酸に変換され、上記3−イソプロピルリンゴ酸は上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケト−4−メチルバレレートに変換され、上記2−ケト−4−メチルバレレートは上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケト−5−メチルヘキサノエートに変換され、上記2−ケト−5−メチルヘキサノエートが上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケト−6−メチルヘプタノエートに変換され、上記2−ケト−6−メチルヘプタノエートが上記2−ケト酸デカルボキシラーゼによって5−メチル−1―ヘキサナールに変換され、上記5−メチル−1−ヘキサナールが上記NAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドラゲナーゼによって5−メチル−1−ヘキサノールに変換され;または、
(C)上記3−ホスホグリセリレートは上記ホスホグリセレートムターゼによって、2−ホスホグリセレートに変換され、上記2−ホスホグリセレートは上記エノラーゼによってホスホエノールピルビン酸に変換され、上記ホスホエノールピルビン酸は上記ピルビン酸キナーゼによってピルビン酸に変換され、上記ピルビン酸は上記アセト乳酸シンターゼによって2−アセトラクテートに変換され、上記2−アセトラクテートは上記ケトール酸レダクトイソメラーゼによって2,3−ジヒドロキシ−イソバレレートに変換され、上記2,3−ジヒドロキシ−イソバレレートは上記ジヒドロキシ酸デヒドラターゼによって2−オキソイソバレレートに変換され、上記2−オキソイソバレレートは上記2−上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼによって2−イソプロピルリンゴ酸に変換され、上記2−イソプロピルリンゴ酸は上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼによって3−イソプロピルリンゴ酸に変換され、上記3−イソプロピルリンゴ酸は上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケト−4−メチルバレレートに変換され、上記2−ケト−4−メチルバレレートは上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケト−5−メチルヘキサノエートに変換され、上記2−ケト−5−メチルヘキサノエートが上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケト−6−メチルヘプタノエートに変換され、上記2−ケト−6−メチルヘプタノエートが上記イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、上記イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、および上記3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって2−ケト−7−メチルオクタノエートに変換され、上記2−ケト−7−メチルオクタノエートが上記2−ケト酸デカルボキシラーゼによって6−メチル−1―ヘプタナールに変換され、上記6−メチル−1−ヘプタナールが上記NAD依存またはNADPH依存短鎖アルコールデヒドラゲナーゼによって6−メチル−1−ヘプタノールに変換される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
この発明は、デザイナ独立栄養有機体、例えば、デザイナ遺伝子組み替え植物(例えば藻類およびオキシホトバクテリア)、植物細胞、またはバクテリアに基づく、独立栄養のブタノールおよび関連するアルコールを生産する技術に向けられている。この明細書の全体を通じる文脈において「高級アルコール」または「関連する高級アルコール」は少なくとも4個の炭素原子を有するアルコールを指し、これは直鎖または分岐アルコールの双方、例えば1−ブタノールおよび2−メチル−1−ブタノールを含む。カルビン回路チャンネルおよび光合成NADPH増強経路は、ブタノールおよび関連する高級アルコールを光生物学的に生産する、藻類およびオキシホトバクテリア(シアノバクテリアおよびオキシクロロバクテリアを含む)のようなホスト光合成有機体中のデザイナ遺伝子の利用を通じて表現されるデザイナ酵素により構築される。上述のブタノールおよび関連する高級アルコールは、1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノール、1−ペンタノール、1−ヘプタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、5−メチル−1−ヘプタノール、4−メチル−1−ペンタノール、5−メチル−1−ヘキサノール、および、6−メチル−1−ヘプタノールからなるグループから選択される。デザイナ植物および植物細胞は、内因性光合成制御機構を調整するように遺伝子工学技術を用いて生成され、光合成水分解およびプロトン勾配結合電子搬送プロセスから取得される還元力(HADPH)およびエネルギー(ATP)を用いて高級アルコール、例えば、1−ブタノール(CH
3CH
2CH
2CH
2OH)および2−メチル−1−ブタノール(CH
3CH
2CH(CH
3)CH
2OH)を、二酸化炭素(CO
2)、および水(H
2O)から以下の一般なプロセス反応(ただしm、n、xおよびyはそのモル係数である)で、この発明に従って直接に合成することができる。
m(CO
2)+n(H
2O)→ x(高級アルコール)+y(O
2) [2]
この発明の光生物学的な高級アルコール生産方法は、バイオマス技術のボトルネックの問題を迂回することにより、やっかいなリグノセルロースの問題を完全に除去する。
図1に示すように、例えば、デザイナ有機体が、光合成水分解およびプロトン勾配結合電子搬送プロセスからの還元力(NADPH)およびエネルギー(ATP)を有効に利用して、極めて硬くしばしば植物精製業界で有益に利用困難な望ましくないリグノセルロース材料の、合成のための他の経路に導入することなしに、二酸化炭素(CO
2)、および水(H
2O)から直接に直ちに、ブタノール(CH
3CH
2CH
2CH
2OH)を合成する。このアプローチは「トウモロコシデンプン生産」プロセスとも異なる。この発明によれば、トウモロコシ作物栽培、トウモロコシ粒収穫、トウモロコシ粒澱粉処理、および澱粉・糖類・ブタノール発酵を含む、トウモロコシ澱粉ブタノール生産プロセスで対処しなければならない、多くのエネルギー消費のステップを実行すること無しに、ブタノールを直接に二酸化炭素(CO
2)、および水(H
2O)から製造できる。この結果、この発明の光合成ブタノール生産技術では、現行の技術に較べてかなり(10倍より大きい)高い、太陽光・ブタノールのエネルギー変換効率が期待できる。ここに提案の光合成ブタノール生産プロセスが10%の太陽光エネルギー変換効率であるとすると、最大理論生産性(収率)は1年、1エーカーあたり約72700kgのブタノールであり、これは約70台の車をサポートできるであろう(1年1エーカーあたり)。この発明は、地球を危険なCO
2の累積から守るのにも役立つであろう。なぜならば、この方法はCO
2を直接にクリーンなブタノールエネルギーに変換するからである。
【0025】
この技術の基本的な特徴は、野生型の光合成経路の最終生成物としての澱粉および他の複雑な細胞(バイオマス)材料を製造するのに代えて、植物(例えば藻類またはオキシホトバクテリア)または植物細胞を用い、植物または植物細胞中に、
図1に説明される、カルビン回路の中間体生産物に作用してこの中間体生産物をブタノールに変換する一組の酵素のための核酸分子エンコーディングを、植物または植物細胞に導入することである。したがって、この発明は、その中でも、デザイナ植物(例えばデザイナ藻類およびデザイナオキシホトバクテリア)、デザイナ植物組織、またはデザイナ植物細胞に基づいてブタノールおよび/または関連の高級アルコールを生産する方法、デザイナブタノールおよび/または関連する高級アルコールの生産経路のDNAコンストラクト・エンコーディング遺伝子、さらには、精製された、デザイナ藻類、デザイナオキシホトバクテリア(デザイナシアノバクテリアを含む)、デザイナ植物、デザイナ植物組織、およびデザイナ植物細胞を提供する。この発明の種々の側面は以下にさらに詳細に説明される。
【0026】
この発明によれば、この発明の光合成ブタノールおよび/または関連高級アルコール生産のためのデザイナ有機体または細胞は、ホストとして、光合成能力を有する、すなわち、光合成を通じて光エネルギーを捕獲し、このエネルギーを用いて無機物質を有機物質に変換する光合成装置および酵素経路を具備する、任意の植物(藻類およびオキシホトバクテリアを含む)、植物組織、または植物細胞を使用して形成できる。好ましくは、ホスト有機体は、例えば、少なくとも、1エーカー、1年当たり、約1,450kgのブタノール、より好ましくは1エーカー、1年当たり、7,270kgのブタノール、さらに好ましくは、1エーカー、1年当たり、72,700kgのブタノールをCO
2およびH
2Oから生産する光合成ブタノール(および/または関連高級アルコール)の生産をサポートする、適切な光合成CO
2固定率を伴わなければならない。
【0027】
好ましい実施例において、デザイナ植物を形成するために水性植物(aquatic plant)を採用する。水性植物はヒドロフィティック植物とも呼ばれ、水中(水面に接すること、または水面中であることを含む)または永久飽和土の中のような、水性環境中またはそれに接して生きる植物である。ここで用いるように、水性植物は、例えば、藻類、ブルー・グリーン藻類(シアノバクテリアおよびオキシホトバクテリア)、沈水水性ハーブ(Hydrilla verticillata,Elodea densa,Hippuris vulgaris,Aponogeton Boivinianus Aponogeton Rigidifolius,Aponogeton Longiplumulosus,Didiplis Diandra,Vesicularia Dubyana,Hygrophilia Augustifolia,Micranthemum Umbrosum,Eichhornia Azurea,Saururus Cernuus,Cryptocoryne Lingua,Hydrotriche Hottoniiflora,Eustralis Stellata, Vallisneria Rubra,Hygrophila Salicifolia,Cyperus Helferi,Cryptocoryne Petchii,Vallisneria americana,Vallisneria Torta,Hydrotriche Hottoniiflora,Crassula Helmsii,Limnophila Sessiliflora,Potamogeton Perfoliatus,Rotala Wallichii,Cryptocoryne Becketii,Blyxa Aubertii,Hygrophila Difformmis)、ダックウィード(Spirodela polyrrhiza,Wolffia globosa,Lemna trisulca,Lemna gibba,Lemna minor,Landoltia punctata)、ウォーターキャベツ(Pistia stratiotes)、パターカップ(Ranunculus)、オニビシ(water caltrop)(Trapa natansおよびTrapa bicornis)、ウォーターリリー(Nymphaea lotus,NymphaeaceaeおよびNelumbonaceae)、ホテイアオイ(water hyacinth)(Eichhornia crassipes)、Bolbitis heudelotii、Cabomba sp.、海草(Heteranthera Zosterifolia,Posidoniaceae,Zosteraceae,Hydrocharitaceae,およびCymodoceaceae)を含む。水性植物から生産されたブタノール(および/または関連高級アルコール)は水中に拡散して、植物の通常の成長を許容し、さらに、植物からブタノールのより堅牢な生産を許容する。水性植物組織(これに限定されないが多細胞藻類を含む)または細胞(これに限定されないが単細胞藻類を含む)の液体培養物は使用して大変好ましい。なぜならば、デザイナブタノール(および/または関連高級アルコール)生産経路から生産されたブタノール(および/または関連高級アルコール)の分子は、容易に細胞または組織から液体性の水媒体へ拡散することができ、これが、ブタノール(および/または関連高級アルコール)を貯蔵するための大きなプールとして働き、こののち、フィルタリング、および/または蒸留/蒸発技術によって抽出可能であるからである。
【0028】
水性植物または細胞は、この発明の方法において使用するホスト有機体として好ましいけれども、光合成を行え、液体培養媒体中で培養可能である、非水性植物の組織および細胞も光合成ブタノール(および/または高級アルコール)生産のためのデザイナ組織または細胞を生成するのに使用できる。例えば、以下の、非水性植物の組織または細胞もこの発明のホスト有機体として使用するのに選択可能である。すなわち、ウッドリンゴの木の光合成独立栄養新芽(shoot)組織培養、Feronia limonia、トウモロコシ植物のクロロフィル細胞培養、Zea Mays、キク科およびナス科の種のグリーンルート培養、サトウキビの茎の柔らかい部分の組織培養、コケ植物の組織培養、Physcomitrella patens、大豆植物の光合成細胞懸濁培養(Glycine max)、グリーンタバコ(Nicofiana tabacum L.)の細胞の光合成独立栄養および光混合栄養培養、Gisekia pharnaceoides(C
4植物)の細胞懸濁培養、Amaranthus powellii Wats.,Datura innoxia Mill.,Gossypium hirsutum L.,およびNicotiana tabacum x Nicotiana glutinosa L. fusion hybridの光合成懸濁液培養ラインである。
【0029】
「液体媒体」は、光合成独立栄養培養のための、液体の水に比較的少量の無機栄養素(例えば、塩の形態で広くある、N、P、K)を加えたものを意味し、ときどき、光混合栄養および/または光従属栄養の培養のための所定の有機サブストレート(例えば、スクロース、グルコース、またはアセテート)を含む。
【0030】
とくに好ましい実施例においては、この発明のブタノール(および/または関連高級アルコール)生産方法で使用される植物は、藻類、または藍藻類である。藻類、または藍藻類を使用するといくつかの利点が有る。これらは開放された池で大量に低コストで成長可能である。ブタノール(および/または関連高級アルコール)の水槽からの収穫および精製も、蒸留/蒸発または隔膜分離により簡単に行うことができる。
【0031】
この発明に使用して好適な藻類は、単細胞藻類およびマルチ−単細胞藻類の双方を含む。この発明に使用するのに選択できる多細胞藻類は、これに限定されないが、海藻、例えば、Ulva latissima(アオサ)、Ascophyllum nodosum、Codium fragile、Fucus vesiculosus、Eucheuma denticulatum、Gracilaria gracilis、Hydrodictyon reticulatum、Laminaria japonica、Undaria pinntifida、Saccharina japonica、Porphyra yezoensis、およびPorphyra teneraを含む。適切な藻類は以下の藻類のディビジョンからも選択できる。すなわち、緑藻類(緑色植物門:Chlorophyta)、紅藻類(紅色植物門:Phodophyta)、褐藻類(褐藻植物門:Phaeophyta)、珪藻(珪藻門:Bacillariophyta)、および藍藻類(藍色植物門CyanophytaおよびProchlorophytaを含むオキシホトバクテリア)である。適切な緑藻類のオーダーは、Ulvales、Ulotrichales、Volvocales、Chlorellales、Schizogoniales、Oedogoniales、Zygnematales、Cladophorales、Siphonales、およびDasycladalesを含む。適切な紅色植物門のジーナスは、Porphyra、Chondrus、Cyanidioschyzon、Porphyridium、Gracilaria、Kappaphycus、Gelidium、およびAgardhiellaである。適切な褐藻植物門のジーナスは、Laminaria、Undaria、Macrocystis、Sargassum、およびDictyosiphonである。適切な藍色植物門(シアノバクテリアとしても知られている)のジーナスは、これに限定されないが、Phoridium、Synechocystis、Syncechococcus、Oscillatoria、およびAnabaenaを含む。適切なProchlorophyta(オキシクロロバクテリアとしても知られている)のジーナスは、これに限定されないが、Prochloron, Prochlorothrix,およびProchlorococcusを含む。適切な珪藻門のジーナスは、Cyclotella、Cylindrotheca、Navicula、Thalassiosira、およびPhaeodactylumである。この発明に使用して好適な藻類の種(スピーシー)は、Chlamydomonas reinhardtii、Platymonas subcordiformis、Chlorella fusca、Chlorella sorokiniana、Chlorella vulgaris、'Chlorella' ellipsoidea、Chlorella spp., Dunaliella salina、Dunaliella viridis、Dunaliella bardowil、Haematococcus pluvialis;Parachlorella kessleri、Betaphycus gelatinum、Chondrus crispus、Cyanidioschyzon merolae、Cyanidium caldarium、Galdieria sulphuraria、Gelidiella acerosa、Gracilaria changii、Kappaphycus alvarezii、Porphyra miniata、Ostreococcus tauri、Porphyra yezoensis、Porphyridium sp., Palmaria palmata、Gracilaria spp., Isochrysis galbana、Kappaphycus spp., Laminaria japonica、Laminaria spp., Monostroma spp., Nannochloropsis oculata、Porphyra spp., Porphyridium spp., Undaria pinnatifida、Ulva lactuca、Ulva spp., Undaria spp., Phaeodactylum Tricornutum、Navicula saprophila、Crypthecodinium cohnii、Cylindrotheca fusiformis、Cyclotella cryptica、Euglena gracilis、Amphidinium sp., Symbiodinium microadriaticum、Macrocystis pyrifera、Ankistrodesmus braunii、およびScenedesmus obliquusを含む。
【0032】
この発明に使用して好ましい藍藻類(シアノバクテリアおよびオキシクロロバクテリアを含むオキシホトバクテリア)の種は、Thermosynechococcus elongatus BP−1,Nostoc sp.PCC7120、Synechococcus elongatus PCC 6301、Syncechococcus sp. strain PCC 7942、Syncechococcus sp. strain PCC 7002、Syncechocystis sp. strain PCC 6803、Prochlorococcus marinus MED4、Prochlorococcus marinus MIT 9313、Prochlorococcus marinus NATL1A、Prochlorococcus SS120、Spirulina platensis (Arthrospira platensis)、Spirulina pacifica、Lyngbya majuscule、Anabaena sp., Synechocystis sp., Synechococcus elongates、Synechococcus (MC−A)、Trichodesmium sp., Richelia intracellularis、Synechococcus WH7803、Synechococcus WH8102、Nostoc punctiforme、Syncechococcus sp. strain PCC 7943、Synechocyitis PCC 6714 phycocyanin−deficient mutant PD−1、Cyanothece strain 51142、Cyanothece sp. CCY0110、Oscillatoria limosa、Lyngbya majuscula、Symploca muscorum、Gloeobacter violaceus、Prochloron didemni、Prochlorothrix hollandica、Synechococcus (MC−A)、Trichodesmium sp., Richelia intracellularis、Prochlorococcus marinus、Prochlorococcus SS120、Synechococcus WH8102、Lyngbya majuscula、Symploca muscorum、Synechococcus bigranulatus、cryophilic Oscillatoria sp., Phormidium sp., Nostoc sp.−l、Calothrix parietina、thermophilic Synechococcus bigranulatus、Synechococcus lividus、thermophilic Mastigocladus laminosus、Chlorogloeopsis fritschii PCC 6912、Synechococcus vulcanus、Synechococcus sp. strain MA4、Synechococcus sp. strain MA19、およびThermosynechococcus elongatusを含む。
【0033】
遺伝子の背景および所定の特別な特徴に対して、ホスト光合成有機体を適切に選択することも有益である。例えば、雪や氷の中で成長できる好冷性藻類(好冷性細菌)、および/または、Chlamydomonas冷性ストレインCCMG1619のような冷耐性ホストストレインから形成された光合成ブタノール生産デザイナ藻類は、寒冷な季節またはカナダのような地域においてさえ光生物学的ブタノール生産を許容し、これは、4°C程度で光合成水分解を行える能力として特徴付けられてきた(Lee,BlankinshipおよびGreenbaum(1995),"Temperature effect on production of hydrogen and oxygen by Chlamydomonas cold strain CCMP1619 and wild type 137c"Applied Biochemistry and Biotechnology 511/52:379−386)。他方、好熱性藻類Cyanidium caldarium and Galdieria sulphurariaのような好熱性/耐熱性光合成有機体、および/または、Thermosynechococcus elongatus BP−1 および Synechococcus bigranulatusのような好熱性シアノバクテリア(藍藻類)は、熱い季節、または、しばしば熱い、メキシコや、ネバダ、カリフォルニア、アリゾナ、ニューメキシコを含む合衆国の南西地域へとこの発明の実施を十分に適用可能にする。さらに、Platymonas subcordiformisのような海洋藻類から形成される、光合成ブタノール生産デザイナ藻類は海水を使用してこの発明を実施することを可能にする。ただし、Chlamydomonas reinhardtiiのような淡水藻類から形成されたデザイナ藻類は淡水を使用可能にする。さらに、光合成ブタノール(および/または関連高級アルコール)生産デザイナ藻類の付加的な特徴は、クロロフィルアンテナの寸法を小さくできるという利点であり、これによって、より大きな生産性を実現することが実証されており(Lee,Mets,and Greenbaum(2002)."Improvement of photosynthetic efficiency at high light intensity through reduction of chlorophyll antenna size,"Applied Biochemistry and Biotechnology,98−100:37−48)、また、より堅牢で効率のよい、CO
2およびH
2Oからのブタノール(および/または関連する高級アルコール)の光合成生産を可能にするブタノール耐性((および/または関連する高級アルコールの耐性)の利点である。光採取色素の量を減少させても光抑制を減殺させることができることが、Synechocystis PCC 6714のフィコシアニン欠損突然変異体を使用して実験的に示された(Nakajima,Tsuzuki,およびUeda(1999)"Reduced photoinhibition of a phycocyanin−deficient mutant of Synechocystis PCC 6714",Journal of Applied Phycology 10:447−452)。例えば、デザイナブタノール生産経路遺伝子で遺伝子組み換えを行うために、ホスト有機体としてブタノール耐性および/またはクロロフィルアンテナ欠損突然変異体(例えばChlamydomonas reinhardtii strain DS521)を使用することにより、これらオプションの特徴をデザイナ藻類に組み込むことができる。したがって、種々の実施例の1つにおいて、ホスト藻類は、緑藻類、紅藻類、褐藻類、藍藻類(シアノバクテリアおよびプロクロロファイトを含むオキシホトバクテリア)、珪藻、海藻類、淡水藻類、単細胞藻類、多細胞藻類、海藻、耐冷温藻類株、耐熱性藻類株、光収集アンテナ色素欠失変異体、耐ブタノール性藻類株、耐高級アルコール性藻類株、および、これらの組み合わせからなるグループから選択される。
【0034】
[
ホストにおけるデザイナブタノール生産経路の形成]
[適切なデザイナ酵素の選択]
この発明のキーとなる特徴の1つは、直接に、CO
2およびH
2Oからブタノールを所望なように合成するために、野生の光合成メカニズムを制御して働くデザイナブタノール生産経路を形成することである。野生の光合成メカニズムは、(1)還元力(NADH)およびエネルギー(ATP)を生成するための、藻類チラコイド膜システムを通じる、光合成水分解およびプロトン勾配結合電子転送のプロセス、および、(2)還元力(NADH)およびエネルギー(ATP)を消費して、CO2を還元する、カルビン回路を含む。
【0035】
この発明によれば、一連の酵素が、
図1に示すような、カルビン回路の中間体生産物を取り出し、この中間体生産物をブタノールに変換するデザイナブタノール生産経路を形成するために使用される。「デザイナブタノール生産経路酵素」は、ここでは、デザイナブタノール生産経路中の(複数ステップの少なくとも1つのための触媒として働く酵素として定義される。この発明によれば、多くのカルビン回路の中間体生産物がデザイナブタノール生産経路を形成するのに使用でき、デザイナブタノール生産経路に必要とされる酵素はカルビン回路のどの中間体生成物からデザイナブタノール生産経路が分岐するかに依存する。
【0036】
一例において、グリセルアルデヒド三リン酸を取りだしてブタノールに変換するデザイナ経路が形成され、これは、例えば、図に参照番号01〜12で示されるような、グリセルアルデヒド三リン酸デヒドロゲナーゼ01、ホスホグリセリン酸キナーゼ02、ホスホグリセリン酸ムターゼ03、エノラーゼ04、ピルビン酸キナーゼ05、ピルビン酸フェレドキシンオシシドレダクターゼ06、チオラーゼ07、3−ヒドロキシブチル−CoAデヒドロゲナーゼ08、クロトナーゼ09、ブチリル−CoAデヒロゲナーゼ10、ブチルアルデヒドヒドロゲナーゼ11、および、ブタノールヒドロゲナーゼ12からなる一組の酵素を使用する。このグリセルアルデヒド酸リン酸の分岐のデザイナ経路において、2分子のグリセルアルデヒド三リン酸をブタノールに変換するために、2分子のNADHが、グリセルアルデヒド三リン酸デヒドロゲナーゼ01の触媒下のグリセルアルデヒド三リン酸から1,3−ジホスホグリセリン酸へのステップでNAD
+から生成され;他方、2分子のNADHが、1つは、アセトロアセチル−CoAを3−ヒドロキシブチル−CoAに還元する3−ヒドロキシブチル−CoAデヒドロゲナーゼ08の触媒下で、他の1つは、クロトニル−CoAをブチリル−CoAに還元するブチリル−CoAヒドロゲナーゼ10の触媒下で、NAD
+に変換する。この結果、このグリセルアルデヒド三リン酸分岐のデザイナ経路(01〜12)では、消費されるNADH分子の数は、生成されるNADHの数とバランスしている。さらに、ブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ11(ブチリル−CoAをブチルアルデヒドに還元する)による触媒下の経路ステップと、ブタノールデヒドロゲナーゼ12(ブチルアルデヒドをブタノールに還元する)の触媒下の経路ステップとがNADHを使用でき、これは、光合成の水分解およびプロトン勾配結合電子伝達プロセスにより再生成できる。したがって、このグリセルアルデヒド三リン酸分岐デザイナブタノール生産経路は連続して作動できる。
【0037】
他の例において、中間体生産物、3−ホスホグリセリン酸を取りだしてブタノールに変換するデザイナ経路が形成され、これは、例えば、(図に参照番号03〜12で示されるような)ホスホグリセリン酸ムターゼ03、エノラーゼ04、ピルビン酸キナーゼ05、ピルビン酸フェレドキシンオシシドレダクターゼ06、チオラーゼ07、3−ヒドロキシブチル−CoAデヒドロゲナーゼ08、クロトナーゼ09、ブチリル−CoAデヒロゲナーゼ10、ブチルアルデヒドヒドロゲナーゼ11、および、ブタノールヒドロゲナーゼ12からなる一組の酵素を使用する。グリセルアルデヒド三リン酸分岐ブタノール生産経路(01〜12)の最後の10個の酵素は、3−ホスホグリセリン酸分岐デザイナ経路に用いられる酵素と同一であることに留意することは有益である。換言すると、グリセルアルデヒド三リン酸分岐経路のデザイナ酵素(01〜12)はカルビン回路の3−ホスホグリセリン酸の点、および、グリセルアルデヒド三リン酸の点の双方からブタノールを生産できる。しかしながら、これら2つの経路は異なる特徴を有する。グリセルアルデヒド三リン酸分岐ブタノール生産経路と異なって、3−ホスホグリセリン酸分岐経路は10個の酵素(03〜12)の活性しか有さず、それ自体は、2つの場所、すなわち、1つはアセトロアセチル−CoAを3−ヒドロキシブチル−CoAに還元する、3−ヒドロキシブチル−CoAデヒドロゲナーゼ08の触媒下のステップと、他の1つは、クロトン−CoAをブチリル−CoAに還元する、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ10の触媒下のステップのために必要ないずれのNADHもそれ自体は発生できなかった。すなわち、厳格に、NADPHではなくNADHのみを使用できる、3−ヒドロキシブチル−CoAデヒドロゲナーゼ、および/または、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼが採用されるならば(採用されるとき)、3−ホスホグリセリン酸分岐経路(03〜12)を動作させるためにはNADHを供給する必要がある。したがって、3−ホスホグリセリン酸分岐ブタノール生産経路を動作させるためには、光駆動電子伝達プロセスによって供給できるNADPHを利用することができる3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ08、およびブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ10を利用することが重要である。したがって、この3−ホスホグリセリン酸分岐デザイナブタノール生産経路(
図1の03〜12)のためには、HADPH、または、NADPHおよびNADHの双方(すなわちHAD(P)H)を使用することができる3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼおよびブチリル−CoAデヒドロゲナーゼを使用することが好ましいプラクティスである。代替的には、NADHのみ使用できる3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼおよびブチリル−CoAデヒドロゲナーゼを使用するときには、デザイナ有機体にNADPH/NADH変換機能(NADPHをNADHに変換してNADHを供給すること。詳細は後述する)を付与して、3−ホスホグリセリン酸分岐デザイナ経路でブタノールの光合成生産をできるようにする、付加的な実施例を使用することが好ましい。
【0038】
さらに他の例において、フルクトース−1,6−二リン酸を取りだしてブタノールに変換するデザイナ経路が形成され、これは、
図1に参照番号20〜33で示されるような、アルドラーゼ20、トリオースリン酸イソメラーゼ21、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ22、ホスホグリセリン酸キナーゼ23、ホスホグリセリン酸ムターゼ24、エノラーゼ25、ピルビン酸キナーゼ26、ピルビン酸−NADP
+オキシドレダクターゼ(またはピルビン酸−フェレドキシンオキシドレダクターゼ)27、チオラーゼ28、3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ29、クロトナーゼ30、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ31、ブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ32、およびブタノールデヒドロゲナーゼ33からなる一組の酵素を使用し、アルドラーゼ20、および、トリオースリン酸イソメラーゼ21が、グリセルアルデヒド三リン酸分岐のデザイナ経路に対してたった2つの付加的な酵素である。ピルビン酸分子をアセチル−CoAに触媒変換する、ピルビン酸−NADP
+オキシドレダクターゼ27(ピルビン酸−フェレドキシンオキシドレダクターゼに代えて)は、NADPHの生産が可能であり、これは、ブタノール生産経路のいくつかの他のステップで使用可能である。デザイナ有機体中にさらにもう1つの酵素、ホスホフルクトースキナーゼ19を付加することにより、ブタノール生産のためにカルビン回路のフルクトース−6−リン酸の点から分岐する他のデザイナ経路の生成が可能になる。グリセルアルデヒド三リン酸分岐のブタノール生産経路と同様に、フルクトース−1,6−二リン酸分岐経路(20〜23)、および、フルクトース−6−リン酸分岐経路(19〜33)は、経路中において、3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ29の触媒でアセトロアセチル−CoAを3−ヒドロキシブチリル−CoAに還元するステップと、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ31の触媒でクロトニル−CoAをブチリル−CoAに還元するステップとで使用するために、NADHをそれ自体で生成できる。これらデザイナブタノール生産経路の各々において、消費されるNADHの数は、生成されるNADHの数とバランスしており、ブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ32(ブチリル−CoAをブチルアルデヒドに還元するステップで触媒となる)およびブタノールデヒドロゲナーゼ33(ブチルアルデヒドをブタノールに還元する最後のステップで触媒となる)の双方はすべてのNADPHを使用でき、これらは光合成水分解およびプロトン勾配結合電子伝達プロセスによって再生成できる。したがって、これらデザイナブタノール生産経路は連続して作動できる。
【0039】
表1は、デザイナブタノール生産経路の構築のために先に特定した酵素例を含む酵素の例を列挙する。この明細書において、酵素、例えば表1中に列挙した任意の酵素を参照するときには、これは、イソ酵素、機能的アナログ、およびデザイナ変更酵素、ならびに、これらの組み合わせを含む。それらの酵素は、デザイナブタノール生産経路(例えば、
図1に示すようなもの)を構築するために選択して使用される。「イソ酵素および機能的アナログ」は、同一の触媒機能を伴うが、まったく同一のタンパク質構造を伴って、あるいは伴わなくてよいものを指す。酵素の最も基本的な特徴は、酵素反応を触媒する活性サイトである。したがって、そのような活性触媒サイトを含む所定の酵素タンパク質片またはサブユニットを選択してこの発明に使用できる。種々の理由によって、天然の酵素のいくつかは、必須の触媒構造の他に、所望の用途に必要でなくても必要であっても良い他の構造要素を含む。生物情報学(bioinformatic)支援の分子設計技術を用いて、所望のデザイナ酵素をエンコードするデザイナDNAコンストラクトを構築するのに使用する必須触媒構造を選択することができる。したがって、種々の実施例の1つにおいて、デザイナ酵素遺伝子は、生物情報学支援の分子配列設計に従ってDNAコンストラクトの人工的な合成によって形成される。コンピュータ支援の合成生物学アプローチを用いて、デザイナ酵素のDNA配列(したがってそのタンパク質配列も)は選択的に修正されて、そのデザインにより、さらに好ましい結果を実現する。したがって、用語「デザイナ修正配列」および「デザイナ修正酵素」は、生物情報学支援分子設計によって修正された、DNA配列、および酵素タンパク質として定義される。例えば、デザイナクロロプラスト対象化酵素がミトコンドリア酵素の配列から設計されるとき、所定に用途に適切でないミトコンドリアのトランジットペプチド配列のような所定の構造要素を選択的に切りはずすことにより、および/または、デザイナタンパク質のクロロプラスト対象化挿入について能力を付与するために必要な外来的なクロロプラストのトランジットペプチド配列(例えば、135−bp Rubisco小規模サブユニットのトランジットペプチド(RbcS2))のような所定のペプチド配列を付加することにより、タンパク質構造のいくつかを修正することが、好ましいプラクティスである。したがって、種々の実施例の1つは、デザイナブタノール生産経路の構築に際して、柔軟に、酵素、イソ酵素、機能的アナログ、デザイナ修正酵素、および/またはこれらの組み合わせを採用する。
【0040】
表1に示されるように、先に特定して酵素の多くの遺伝子は種々の有機体からクローン化および/または配列化されてきた。遺伝子DNAおよび/またはmRNA配列データは、光生物学的ブタノール生産(
図1)のためのデザイナ有機体を生成するためにホストの藻類、オキシホトバクテリア、植物、植物組織または細胞を変形させるためのデザイナDNAコンストラクトを設計し、合成するために使用できる。しかしながら、ブタノール生産経路がカルビン回路とともに設計される個別のホスト有機体、および、そのクロロプラスト/チラコイド環境に関連して、しばしば多くのバリエーションが種々のソール有機体および細胞区画が関連づけ可能であるので、コドン利用最適化および配列修正を含むDNAコンストラクト設計における所定の分子エンジニアリングの従来の作業が、DNAコンストラクト(
図2)を充分に機能させるためにしばしば必要となる。例えば、ブタノール生産デザイナ真核藻類を生成する際に、ソース配列が細胞質内酵素(配列)に由来するならば、デザイナ遺伝子エンコード酵素がホストクロロプラストに挿入されてデザイナブタノール生産経路が付与されるようにする能力を与えるために、機能的クロロプラスト対象化配列が付加されてよい。さらに、デザイナブタノール生産経路にスイッチ可能性を実現するために、機能的誘導プロモータ、例えば、ヒドロゲナーゼのプロモータ(Hydl)または硝酸塩レダクターゼ(Nial)遺伝子、または亜硝酸塩レダクターゼ(nirA)遺伝子を
図2に示すような所定のデザイナDNAコンストラクトに含ませてデザイナ遺伝子の表現を制御することも重要である。さらに、先に述べたように、これら酵素(配列)、クルロプラスト対象化トランジットペプチド配列、および誘導プロモータ配列の所定の機能的誘導体またはフラグメントが、充分に、部分的に、または、それらが組み合わされて使用すべく選択されて、この発明の種々の実施例に従うデザイナ有機体を形成してもよい。このデザイナ有機体を生成し、利用する手法についてはさらに以下に説明する。
【0041】
[クロロプラストのストロマ領域のデザイナ酵素の対象化]
先に検討してデザイナ酵素のいくつか、例えば、ピリジン酸−フェレドキシンオキシドレダクターゼ、チオラーゼ、3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ、クロトナーゼ、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ、ブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ、およびブタノールデヒドロゲナーゼは、Clostridiumのような所定の特別なバクテリア中で機能することが知られているけれども、野生型の植物のクロロプラストは一般的にはカルビン回路とともに機能するこれらの酵素を保持していない。したがって、ブタノール生産真核デザイナ有機体を生成する種々の実施例の1つにおいて、これら酵素のためのデザイナ核酸エンコードはホスト細胞のクルロプラスト中に表現される。これは、典型的には、遺伝子銃(genegun)を用いて真核ホスト細胞のクロロプラストゲノム中にデザイナブタノール生産経路遺伝子を搬送することにより達成されて良い。所定に場合には、クロロプラストの分子遺伝的特徴はシアノバクテリアのそれと類似である。
図2Fに示されるように1対の適切な組み換えサイトを含む、デザイナDNAコンストラクトは、クロロプラスト中に搬送された後、相同DNA二重組み換えの天然のプロセスを通じてゲノム中に組み込まれてよい。
【0042】
他の実施例において、これらの酵素の核酸エンコードが遺伝子学的に処理されて、表現された酵素がクロロプラスト中に挿入されて、そこでカルビン回路とともに作動するようになされる。具体的なホスト有機体の遺伝的背景に依存して、先に検討したデザイナ酵素のいくつか、例えば、ホスホグリセリン酸ムターゼおよびエノラーゼは、野生型のクロロプラスト中に生来の形態でいくつかの背景レベルに存在してよい。しかしながら、制御可能性の欠如を含む、種々の理由のために、クロロプラスト背景酵素のいくつかは、デザイナブタノール生産経路の顕著な部分として機能するのに充分であったり、充分でなかったりする。さらに、多くの有益な誘導プロモータは核ゲノム中でたまたま機能することもある。例えば、デザイナブタノール生産経路の表現を制御する、ヒドロゲナーゼ(Hydl)プロモータおよび硝酸塩レダクターゼ(Nial)プロモータの双方は、ゲノムが、最近、配列されたChlamydomonas reinhardtiiの核ゲノム中に配置される。したがって、種々の実施例の1つにおいて、核ゲノムエンコード可能なデザイナ遺伝子を用いてスイッチ可能なブタノール生産経路を付与することが好ましい。したがって、これら酵素の核酸エンコードは、適切な配列修正を伴って遺伝子操作され、酵素が制御可能に表現され、クロロプラスト中に挿入されてデザイナブタノール生産経路を形成するようになっている必要もある。
【0043】
種々の実施例の1つによれば、デザイナブタノール生産経路酵素がクロロプラスト(ストロマ領域)中のみに表現されるのが最も良く、酵素の動作がまさにそこにおいてブタノールの光合成生産を可能にするのに必要とされる。酵素がクロロプラスト対象化挿入メカニズムなしに表現されるならば、酵素は細胞質ゾル中に滞在して直接には、ブタノールを生産するためには、カルビン回路と相互作用することはできない。したがって、経路設計および関連するアプローチにおける明瞭に顕著な特徴に加えて、他の顕著な区別は、種々の実施例の1つが、多くのデザイナブタノール生産経路酵素をクロロプラスト中に遺伝子的に挿入するために革新的クロロプラスト対象化機構を革新的に採用するということである。
【0044】
クロロプラスト・ストロマ対象化メカニズムでは、細胞はブタノールを生成できるだけでなく、デザイナ経路がターンオフされる所定の状態に復帰するとき成長し再生成することができ、これは、例えば、デザイナヒドロゲナーゼプロモータ制御のブタノール生産経路遺伝子が利用される好気性状態下である。通常のミトコンドリアを含むデザイナ藻類、植物、または植物細胞は、有機体リザーブ(および/またはアセテートまたは糖類のようないくつかの外来有機体基体)からの還元力(NADH)を利用して有酸素状態に復帰した直後に細胞にパワーを付与することができなければならない。この結果、デザイナ藻類、植物、または植物細胞が、嫌気性状態での光合成ブタノール生産の利用の後に、好気性状態に復帰するときに、細胞は、新たな機能的なクロロプラストを合成して、ブタノール生産経路の酵素を停止し、通常の光独立栄養能力を再生する。したがって、そのような遺伝子学的なエンジニアリング処理されたデザイナ藻類/植物を使用して、通常の好気性状態での光独立栄養的な成長と、Nialプロモータ制御のブタノール生産経路が使用されるときの、嫌気性状態のような、および/または、硝酸エステルの存在下のような、所定の特別なデザイナブタノール生産状態のもとでの、CO
2およびH
2Oからの直接かつ効率のよいブタノール生産とを繰り返すサイクルを実現することができる。
【0045】
デザイナブタノール生産経路の酵素の対象への挿入は、ストロマ「信号」ペプチドをエンコードするためのDAN配列を使用して実現できる。ストロマ−タンパク質信号(トランジット)ペプチドは、新たな合成されたンパク質をストロマに伝達して挿入するよう指示する。種々の実施例の1つにおいて、特定のターゲットDNA配列は、好ましくは、デザイナDNAコンストラクト(
図2A)中に示されるように、プロモータおよびデザイナブタノール生産経路の酵素配列の間に配置される。このターゲット配列は、細胞質ゾル中の酵素のアポタンパク質の一部として合成される信号(トランジット)ペプチドをエンコードするためのものである。トランジットペプチドはデザイナブタノール生産経路の酵素のアポタンパク質を細胞質ゾルからクロロプラストへ挿入するのを案内する。アポタンパク質がクロロプラスト中に挿入された後に、トランジットペプチドはアポタンパク質から分離して、この後、活性な酵素になる。
【0046】
多くのトランジットペプチドがクロロプラスト中にデザイナブタノール生産経路酵素をターゲット化して挿入するために使用して好適であり、これに限定されないが、ヒドロゲナーゼアポタンパク質(例えば、HydA1(Hydl)およびHydA2、ジェンバンク(GenBank)受入番号AJ308413、AF289201、AY090770)、フェレドキシンアポタンパク質(Frx1、受入番号L10349、P07839)、チオレドキシンmアポタンパク質(Trx2、X62335)、グルタミンシンターゼアポタンパク質(Gs2、Q42689)、LhcIIアポタンパク質(AB051210、AB051208、AB051205)、PSII−Tアポタンパク質(PsbT)、PSII−Sアポタンパク質(PsbS)、PSII−Wアポタンパク質(PsbW)、CF
0CF
1サブユニット−γアポタンパク質(AtpC)、CF
0CF
1サブユニット−δアポタンパク質(AtpD、U41442)、CF
0CF
1サブユニット−IIアポタンパク質(AtpG)、ホトシステムI(PSI)アポタンパク質(例えば、遺伝子PsaD、PsaE、PsaF、PsaG、PsaH、およびPsaK)、RubiscoSSUアポタンパク質(例えば、RbcS2、X04472)を含む。この明細書を通じて、上述のトランジットペプチド配列のいずれかのような、トランジットペプチドを参照するときには、これは、それらの機能的アナログ、修正デザイナ配列、およびそれらの組み合わせを含む。この文脈において、「機能的アナログ」(functional analog)または「修正デザイナ配列」(modified designer sequence)は、さきに特定したような、生来のトランジットペプチド配列をベースにして、誘導され、または修正されれ(例えば、同類置換、アミノ酸のモデレート除去または付加、またはアミノ酸の側鎖の修正による)、生来のトランジットペプチドと同一の機能を伴う、すなわち、所望の酵素のターゲット挿入を有効にするペプチド配列を指す。
【0047】
所定の具体的な実施例において、以下のトランジットペプチド配列が、デザイナブタノール生産経路酵素をクロロプラストのストロマ領域に挿入する際のガイドとして使用される。すなわち、Hydlトランジットペプチド(アミノ酸配列msalvlkpca avsirgsscr arqvaprapl aastvrvala tleaparrlg nvacaa (SEQ ID NO:54)を伴うもの)、RbcS2トランジットペプチド(アミノ酸配列maaviakssv saavarpars svrpmaalkp avkaapvaap aqanq (SEQ ID NO:55)を伴うもの)、CF
0CF
1サブユニット−δトランジットペプチド(アミノ酸配列mlaaksiagp rafkasavra apkagrrtw vma (SEQ ID NO:57)を伴うもの)、これらのアナログ、機能的誘導体、デザイナ配列、およびこれらの組み合わせである。
【0048】
[デザイナブタノール生産経路の表現を制御する遺伝子スイッチの使用]
この発明の他の重要な特徴は、
図1に示すように、デザイナブタノール生産経路の表現を制御する遺伝子スイッチの適用である。このスイッチ可能性は、デザイナ導入遺伝子が所定の具体的な誘導条件かで誘導的に表現されるように内部的誘導プロモータを使用することにより実現される。好ましくは、ホストにおいてデザイナ遺伝子の表現を制御するように採用されるプロモータは、ホストそれ自体、または緊密に関連する有機体を起源とする。ホスト細胞中のプロモータの活性および誘導性は、リポータ遺伝子の前にプロモータを配置し、このレポータコンストラクトをホスト細胞または組織に、任意の既知のDNA搬送技術で導入し、レポータ遺伝子の表現を評価することによりテストすることができる。
【0049】
好ましい実施例において、デザイナ遺伝子の表現を制御するために使用される誘導可能なプロモータは、嫌気生活により誘導され、すなわち、嫌気性条件で活性となり、好気性条件で非活性になるプロモータである。デザイナ藻類/植物有機体は好気性条件下でCO
2を炭素源として使用して独立栄養の光合成を実行でき、デザイナ有機体培養が成長して光合成ブタノール生産の準備ができたときに、嫌気性条件が適用されてプロモータ、および、デザイナブタノール生産経路をエンコードするデザイナ遺伝子がオンとなる。
【0050】
嫌気性条件下で活性になる多くのプロモータがこの発明に使用されて好適である。例えば、Chlamydomonas reinhardtiiのヒドロゲナーゼプロモータ(HydA1(Hydl)およびHydA2、ジェンバンク(GenBank)受入番号AJ308413、AF289201、AY090770)は、嫌気性条件下で活性であり、好気性条件下で非活性であり、ホスト藻類、例えば、Chlamydomonas reinhardtiiの中のデザイナ遺伝子の表現を制御する有効な遺伝子スイッチとして利用できる。実際、Chlamydomonas細胞は、嫌気性条件下で調和的に誘導されるいくつかの核遺伝子を含む。これらは、ヒドロゲナーゼ構造遺伝子(Hydl)自体、シトロクロムC6のアポタンパク質をエンコードするCyc6遺伝子、およびコプロゲンオキシナーゼをエンコードするCpx1遺伝子を含む。最後の2つのための調整領域は良好に特徴付けられており、約100bpの領域が合成遺伝子コンストラクト中で嫌気性による調整を実現するのに充分であることが証明されている(Quinn,Barraco,ErickssonおよびMerchant (2000)、"Coordinate copper− and oxygen−responsive Cyc6 and Cpxl expression in Chlamydomonas is mediated by the same element"、J Biol Chem 275:6080−6089)。さきの誘導可能な藻類のプロモータが他の植物ホスト、とくに、藻類に緊密に関連する植物ホストにおいて使用されて好適であるけれども、これら他の植物からの同一の遺伝子のプロモータは、高度の植物も含め、これら植物中のデザイナ遺伝子の表現を制御するために獲得し、または採用して良い。
【0051】
他の実施例において、この発明に使用される誘導可能プロモータは、藻類のニトレートレダクターゼ(Nial)プロモータであり、これは硝酸塩を含有する媒体中で成長により誘導可能であり、硝酸塩欠損でアンモニア含有媒体中で抑制的である(LoppesおよびRadoux(2002)、"Two short regions of the promoter are essential for activation and repression of the nitrate reductase gene in Chlamydomonas reinhardtii"、Mol Genet Genomics 268:42−48)。したがって、Nial(遺伝子受入番号AF203033)プロモータは、培養媒体中の硝酸塩およびアンモニアの濃度レベルに応じて藻類中のデザイナ遺伝子の表現を制御して使用するので選択できる。この発明に使用するために選択されても良い付加的な誘導プロモータは、例えば、熱ショックタンパク質プロモータHSP70A(受入番号:DQ059999、AY456093、M98823;Schroda,Blocker,Beek(2000)、"The HSP70A promoter as a tool for the improved expression of transgenes in Chlamydomonas"、Plant Journal 21:121−131)、CabII−1遺伝子のプロモータ(受付番号M24072)、Ca1遺伝子のプロモータ(受入番号P20507)、および、Ca2遺伝子のプロモータ(受入番号P24258)を含む。
【0052】
藍藻類(シアノバクテリアおよびオキシクロロバクテリアを含むオキシホトバクテリア)の場合では、この発明に使用するよう選択可能な多くの誘導可能プロモータも存在する。例えば、Nostoc sp. PCC 7120(ジェンバンク:BA000019)、Prochlorothrix hollandica(ジェンバンク:U88400;hoxUYH オペロンプロモータ)、Synechocystis sp. ストレインPCC 6803(CyanoBase:slll220およびslll223)、Synechococcus elongatus PCC 6301(CyanoBase:sycl235_c)、Arthrospira platensis(GenBank:ABC26906)、Cyanothece sp. CCY0110(ジェンバンク:ZP 01727419)およびSynechococcus sp. PCC 7002(ジェンバンク:AAN03566)の嫌気性応答双方向性ホメオボックス(hox)遺伝子は嫌気性条件下で活性であり、好気性条件下で非活性であり(Sjoholm、Oliveira、およびLindblad(2007)、"Transcription and regulation of the bidirectional hydrogenase in the Cyanobacterium Nostoc sp. strain PCC 7120,"Applied and Environmental Microbiology,73(17):5435−5446)、オキシホトバクテリア、例えば、Nostoc sp. PCC 7120、Synechocystis sp. strain PCC 6803、Synechococcus elongatus PCC 6301、Cyanothece sp. CCY0110、Arthrospira platensis、または、Synechococcus sp. PCC 7002の中のデザイナ遺伝子の表現を制御する有効な遺伝子スイッチとして使用できる。
【0053】
スイッチ可能デザイナオキシホトバクテリアのようなスイッチ可能ブタノール生産デザイナ有機体を生成する他の実施例において、ニトライトレダクターゼ(nirA)プロモータは、硝酸塩を含む媒体中の成長により誘導可能であり、硝酸塩欠損、アンモニア含有媒体中で抑制される(Qi、Hao、Ng、Slater、Baszis、Weiss、およびValentin(2005)、"Application of the Synechococcus nirA promoter to establish an inducible expression system for engineering the Synechocystis tocopherol pathway"、Applied and Environmental Microbiology、71(10):5678−5684;Maeda、Kawaguchi、Ohe、およびOmata(1998)、"cis− Acting sequences required for NtcB−dependent, nitrite−responsive positive regulation of the nitrate assimilation operon in the Cyanobacterium Synechococcus sp. strain PCC 7942"、Journal of Bacteriology、180(16):4080−4088)。したがって、nirAプロモータが、培養媒体中の硝酸塩およびアンモニアの濃度レベルに応じて多くのオキシホトバクテリア中のデザイナ遺伝子の表現を制御するために使用されるよう選択される。使用するために選択され修正されて良いNirAプロモータ配列は、(これに限定されない)以下のオキシホトバクテリアのnirAプロモータを含む。すなわち、Synechococcus elongatus PCC 6301(ジェンバンク:AP008231、region 355890−255950)、Synechococcus sp.(ジェンバンク:X67680.1、D16303.1、D12723.1、およびD00677)、Synechocystis sp. PCC 6803(ジェンバンク:NP_442378、BA000022、AB001339、D63999−D64006、D90899−D90917)、Anabaena sp.(ジェンバンク:X99708.1)、Nostoc sp. PCC 7120(ジェンバンク:BA000019.2、およびAJ319648)、Plectonema boryanum(ジェンバンク:D31732.1)、Synechococcus elongatus PCC 7942(ジェンバンク:P39661、CP000100.1)、Thermosynechococcus elongatus BP−1(ジェンバンク:BAC08901、NP 682139)、Phormidium laminosum(ジェンバンク:CAA79655、Q51879)、Mastigocladus laminosus(ジェンバンク:ABD49353、ABD49351、ABD49349、ABD49347)、Anabaena variabilis ATCC 29413(ジェンバンク:YP 325032)、Prochlorococcus marinus str. MIT 9303(ジェンバンク:YP 001018981)、Synechococcus sp. WH 8103(ジェンバンク:AAC17122)、Synechococcus sp. WH 7805(ジェンバンク:ZP 01124915)、およびCyanothece sp. CCY0110(ジェンバンク:ZP 01727861)である。
【0054】
さらに他の実施例において、使用するよう選択される誘導プロモータは、光および熱応答性シャペロン遺伝子groEプロモータであり、これは熱および/または光によって誘導可能である(KojimaおよびNakamoto(2007)、"A novel light− and heat−responsive regulation of the groE transcription in the absence of HrcA or CIRCE in cyanobacteria"、FEBS Letters 581:1871− 1880)。多くのgroEプロモータ、例えば、groES、およびgroEL(シャペロン)プロモータは、デザイナブタノール生産経路酵素の表現を制御するための誘導可能なプロモータとして入手可能である。種々の実施例の1つにおいて選択され修正されて良いgroEプロモータ配列は、(これに限定されないが)以下のオキシホトバクテリアのgroESおよび/またはgroELプロモータを含む。すなわち、Synechocystis sp.(ジェンバンク:D12677.1)、Synechocystis sp. PCC 6803(ジェンバンク:BA000022.2)、Synechococcus elongatus PCC 6301(ジェンバンク:AP008231.1)、Synechococcus sp(ジェンバンク:M58751.1)、Synechococcus elongatus PCC 7942(ジェンバンク:CP000100.1)、Nostoc sp. PCC 7120(ジェンバンク:BA000019.2)、Anabaena variabilis ATCC 29413(ジェンバンク:CP000117.1)、Anabaena sp. L−31(ジェンバンク:AF324500);Thermosynechococcus elongatus BP−1(CyanoBase:tll0185,tllOl 86)、Synechococcus vulcanus(ジェンバンク:D78139)、Oscillatoria sp. NKBG091600(ジェンバンク:AF054630)、Prochlorococcus marinus MIT9313(ジェンバンク:BX572099)、Prochlorococcus marinus str. MIT 9303(ジェンバンク:CP000554)、Prochlorococcus marinus str. MIT 9211(ジェンバンク:ZP O 1006613)、Synechococcus sp. WH8102(ジェンバンク:BX569690)、Synechococcus sp. CC9605(ジェンバンク:CP000110)、Prochlorococcus marinus subsp. marinus str. CCMP1375(ジェンバンク:AE017126)、およびProchlorococcus marinus MED4(ジェンバンク:BX548174)である。
【0055】
この発明に使用するのに選択可能な付加的な誘導可能プロモータは、例えば、Synechococcus PCC 7942(Erbe、Adams、TaylorおよびHall (1996)、"Cyanobacteria carrying an smt−lux transcriptional fusion as biosensors for the detection of heavy metal cations"、Journal of Industrial Microbiology,17:80−83)の金属(亜鉛)誘導可能なsmtプロモータ;Synechococcus elongatus PCC 7942(Michel、Pistorius、およびGolden(2001)、"Unusual regulatory elements for iron deficiency induction of the idiA gene of Synechococcus elongatus PCC 7942"、Journal of Bacteriology、183(17):5015−5024)の鉄応答idiAプロモータ;レドックス応答シアノバクテリアcrhRプロモータ(Patterson−Fortin、Colvin、およびOwttrim(2006)、"A LexA−related protein regulates redox−sensitive expression of the cyanobacterial R A helicase, crhR"、Nucleic Acids Research、34(12):3446−3454);Synechocystis sp. PCC 6803(Fang and Barnum (2004)、"Expression of the heat shock gene hspl 6.6 and promoter analysis in the Cyanobacterium, Synechocystis sp. PCC 6803"、Current Microbiology 49:192−198)の熱ショック遺伝子hsp16.6プロモータ;小熱ショックタンパク質(Hsp)プロモータ、例えば、Synechococcus vulcanus gene hspA promoter(Nakamoto、Suzuki、およびRoy(2000)、"Constitutive expression of a small heat−shock protein confers cellular thermotolerance and thermal protection to the photosynthetic apparatus in cyanobacteria"、FEBS Letters 483:169−174);オキシホトバクテリアカルボン酸−アンヒドラーゼ遺伝子(ジェンバンク:EAZ90903、EAZ90685、ZP 01624337、EAW33650、ABB 17341、AAT41924、CA089711、ZP 00111671、YP 400464、AAC44830;およびCyanoBase:all2929、PMT1568 slr0051、sir 1347、およびsyc0167_c)のC0
2−応答プロモータ;ニトレートレダクターゼ遺伝子(narB)プロモータ(例えば、ジェンバンク受入番号:BAC08907、NP_682145、AA025121;ABI46326、YP_732075、BAB72570、NP_484656);緑/赤色光応答プロモータ、例えば、Fremyella diplosiphon(CaseyおよびGrossman (1994)、"In vivo and in vitro characterization of the light−regulated cpcB2A2 promoter of Fremyella diplosiphont"、Journal of Bacteriology、176(20):6362−6374)の光調整cpcB2A2プロモータ;および、シアノバクテリア遺伝子lexA、recA、およびruvB(Domain、Houot、Chauvat、およびCassier−Chauvat(2004)、"Function and regulation of the cyanobacterial genes lexA, recA and ruvB: LexA is critical to the survival of cells facing inorganic carbon starvation"、Molecular Microbiology, 53(1):65−80)の紫外線光応答プロモータを含む。
【0056】
さらに、種々の実施例の1つにおいて、所定の「準誘導可能」または構造性プロモータも、デザイナブタノール生産経路の構築のために誘導可能プロモータと組み合わせて使用するように選択できる。例えば、rbcL遺伝子(ジェンバンク:X65960、ZP_01728542、Q3M674、BAF48766、NP_895035、0907262A;CyanoBase:PMT1205、PMM0550、Pro0551、tlll506、SYNW1718、glr2156、alrl524、slr0009)のようなオキシホトバクテリアのRubiscoオペロンは、光依存性を持つけれども、ほぼ構造性プロモータとして考えることができ、デザイナブタノール生産経路の構築のためのnirA、hox、および/またはgroEプロモータのような誘導可能プロモータと組み合わせて使用するようにも選択して良い。
【0057】
この明細書を通じて、例えば先に説明した誘導可能プロモータのいずれかのような誘導可能プロモータを参照する場合には、これは、これらのアナログ、機能的誘導体、デザイナ配列、およびこれらの組み合わせを含む。この文脈において、「機能的アナログ」または「修正デザイナ配列」は、生来のプロモータ配列、例えば、先に特定したものをベースにして誘導または修正された(例えば、ヌクレオチドの置換、モデレート削除または付加、または修正による)、プロモータ配列を指し、これは将来のプロモータ配列の機能を維持する。
【0058】
[DANコンストラクトおよびホスト有機体への形質転換]
DNAコンストラクトが、すなわち、デザイナブタノール生産経路遺伝子をホスト藻類、植物、植物組織、または植物細胞に導入するために構築される。デザイナブタノール生産経路酵素をエンコードするヌクレオチド配列がベクター中に配置され、適切なクロロプラスト対象化トランジットペプチド配列のためのヌクレオチド配列コードへの作動可能にリンクされる。好ましい実施例において、核酸コンストラクトは、5'(上流)から3'(下流)へ続く配向で要素を配置するように、すなわち、外部誘導可能プロモータ、トランジット対象化配列、およびデザイナブタノール生産経路酵素をエンコードする核酸、ならびに好ましくは、適切な転写終結配列を配置するように、製造される。1または複数のデザイナ遺伝子(DNAコンストラクト)は1つの遺伝子ベクター中に配置できる。このようなコンストラクトの例は
図2Aに示される。
図2Aで図説される実施例に示されるように、デザイナブタノール生産経路の導入遺伝子は、(a)PCRフォワードプライマー、(b)外部誘導可能プロモータ、(c)トランジット対象化配列、(d)適切な転写終結配列を伴うデザイナブタノール生産経路酵素エンコード配列、および(e)PCRリバースプライマーを有する核酸コンストラクトである。
【0059】
種々の実施例によれば、このDNAコンストラクトの要素(a)〜(e)のいずれも所定の特別な条件に適合するように調整される。実施には、より望ましい結果が実現されるように、DNAコンストラクトの要素(a)〜(e)のいずれも、充分にまたは部分的に、および/または、任意の調整された組み合わせで適用される。例えば、藻類のヒドロゲナーゼプロモータがデザイナブタノール生産経路DNAコンストラクトにおいて使用されるときには、このDNAコンストラクトを含む導入遺伝子デザイナ藻類は、環境空気CO
2を炭素源として使用して独立栄養光合成を実行して、開放した池のような、好気性条件下で通常通り成長することができる。藻類培養が成長してブタノール生産の準備ができると、デザイナ導入遺伝子が、ヒドロゲナーゼプロモータの使用に起因して、嫌気性条件下の誘導によって表出可能になる。デザイナ遺伝子が表出されると、一組のデザイナブタノール生産経路酵素が生成されて光生物学的ブタノール生産(
図1)のためにカルビン回路と協働する。
【0060】
2つのPCRプライマーは、DNAコンストラクトの始端(5'端)に配置されるPCRフォワードプライマー(PCR FDプライマー)、および、他の端部(3'端)に配置されるPCRリバースプライマー(PCR REプライマー)であり、これを
図2Aに示す。このPCRプライマーの対は、デザイナDNAコンストラクトの比較的容易なPCR増幅が必要なときに所定の便宜を提供するように設計され、これは、デザイナDNA構築が遺伝子形質転換のための準備において合成される際、またはその後のみでなく、デザイナDNAコンストラクトが、形質転換体においてデザイナ遺伝子を検証するために、ホスト藻類の遺伝子に搬入されたのちにも役に立つ。例えば、デザイナ遺伝子の形質転換が、電子穿孔法およびアルギニノこはく酸リアーゼ(arg7)総補正スクリーニングの技法を用いてChlamydomonas reinhardtii−arg7のホスト細胞において達成された後、結果物の形質転換体は、この一対のPCRプライマーを用いてそれらの核DNAのPCR DNA分析により解析されて、完全なデザイナブタノール生産経路の遺伝子(DANコンストラクト)が成功裏に所与の形質転換体の遺伝子中に組み込まれているかどうかを検証できる。形質転換体の核DNA PCR分析が、デザイナDNAコンストラクトに応じて予想されるDNAサイズおよび配列とマッチするPCR生成物を発生できたときに、デザイナ遺伝子を形質転換体に成功裏に組み込めたと検証される。
【0061】
したがって、種々の実施例も、光生物学的ブタノール生産のためのデザイナ遺伝子組み換えの藻類、植物、または植物細胞を効率的に形成するための関連する方法を教示する。実施例の1つにおいて、この方法は、(a)適切なホストの藻類、植物、植物組織、または植物細胞を、それらの遺伝子学的バックグラウンドおよびブタノール生産に関連する特別な性質の観点から選択するステップ;(b)デザイナ遺伝子の核酸コンストラクトを上述のホストの藻類、植物、植物組織、または植物細胞に導入するステップ;(c)形質転換された藻類、植物、植物組織、または植物細胞へのデザイナ遺伝子の組み込みを、デザイナDNAコンストラクトの先のPCRプライマー(複数)を利用したDNA PCR分析により検証するステップ;(d)二酸化炭素および水からの光合成ブタノール生産のためのデザイナブタノール経路の誘導可能な表現のようなデザイナ有機体の特徴を、DNAコンストラクト(
図2A)の具体的なデザイナ特徴に応じたmRNA、タンパク質、および、ブタノール生産特性の分析によって、測定し、また検証するステップを含む。
【0062】
光生物学的なブタノール生産のためのデザイナ遺伝子組み換え有機体を製造する方法の先の実施例は、複数の動作サイクロで繰り返し適用され、より望ましい結果を実現して良い。種々の実施例において、上述の方法のステップ(a)〜(d)は、所定の具体的な条件に適合するように調整される。種々の実施例において、この方法のステップ(a)〜(d)は充分にまたは部分的に適用され、および/または任意の調整された組み合わせで適用される。
【0063】
デザイナブタノール生産経路遺伝子(DNAコンストラクト)の例(複数)は配列表に示される。SEQ ID NO:1は、デザイナブタノールデヒドロゲナーゼ(1809bp)の詳細なDNAコンストラクトを表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、262−bpのニトレートレダクターゼNialプロモータ(21−282)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(283−417)、Clostridium saccharoperbutylacetonicumのブタノールデヒドロゲナーゼ(AB257439)から選択され修正された酵素エンコード配列(418−1566)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1567−1789)、およびPCR REプライマー(1790−1809)を含む。262−bpのニトレートレダクターゼNialプロモータ(DNA配列21−282)は、ブタノールデヒドロゲナーゼ遺伝子(DNA配列418−1566)の表出を制御するための誘導可能プロモータの例とし使用される。135−bpのRbcS2トランジットペプチド(DNA配列283−417)は、デザイナ酵素(DNA配列283−417)をホスト有機体のクロロプラスト中に案内するための例として使用される。RbcS2ターミネータ(DNA配列1567−1789)は、デザイナ遺伝子の転写または翻訳が適切に終了して所望のようにアポタンパク質(RbcS2トランジットペプチド−ブタノールデヒドロゲナーゼ)を生産するように採用される。Nai1プロモータは、核遺伝子のみのための表現を制御できる核DNAであるので、この例の合成ブタノール生産経路はChlamydomonas核遺伝子のゴトン利用に従って設計されている。したがって、この場合、デザイナ酵素遺伝子は核内に転写される。このmRNAは自然に細胞質ゾル中に移行させられ、ここで、mRNAは、RbcS2トランジットペプチド(DNA配列283−417に対応する)を有するアポタンパク質へと変換され、そのC末端がブタノールデヒドロゲナーゼタンパク質(DNA配列418−1566に対応する)のN末端に一緒にリンクされる。アポタンパク質のトランジットペプチドは、クロロプラスト膜を横切ってストロマ領域への移行を案内し、トランジットペプチドはそこでアポタンパク質から切りはずされる。その後、結果物のブタノールデヒドロゲナーゼは、デザイナブタノール生産経路のための酵素としての機能をクロロプラスト内で開始する。2つのPCRプライマー(配列1−20および1790−1809)は人間のアクチン遺伝子の配列から選択され修正され、相互に対になることができる。クラミドモナスジェンバンクに対する配列の突き合わせでそれらの同一の配列は発見されなかった。したがって、これらは、形質転換された藻類中のデザイナ遺伝子を検証するためのDNA PCR分析において、適切なPCRプライマーとして使用できる。
【0064】
SEQ ID NO:2は、デザイナブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼのDNAコンストラクト(2067bp)を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、262−bpのニトレートレダクターゼNialプロモータ(21−282)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(283−417)、Clostridium saccharoperbutylacetonicumのブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ配列(AY251646)から選択され修正されたブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼエンコード配列(418−1824)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1825−2047)、およびPCR REプライマー(2048−2067)を含む。このDNAコンストラクトは例1のSEQ ID NO:1と類似であり、ただ、ブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼエンコード配列(418−1824)が、Clostridium saccharoperbutylacetonicumのブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ配列(AY251646)から選択され修正されている点で異なる。
【0065】
SEQ ID NO:3は、デザイナブチリル−CoAデヒドロゲナーゼのコンストラクト(1815bp)を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、262−bpのニトレートレダクターゼNialプロモータ(21−282)、9−bpのXho I NdeIサイト(283−291)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(292−426)、Clostridium beijerinckiのブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ(AF494018)の配列から選択され修正されたブチリル−CoAデヒドロゲナーゼエンコード配列(427−1563)、9−bpのXbaIサイト(1564−1572)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1573−1795)、および3'端におけるPCR REプライマー(1796−1815)を含む。このDNAコンストラクトは例1のSEQ ID NO:1と類似であり、ただ、Clostridium beijerinckiのブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ(AF494018)の配列から選択され修正されたブチリル−CoAデヒドロゲナーゼエンコード配列(427−1563)が使用される点、Xho I NdeIおよびXbaIサイトが付加されてキー要素、例えば、対象化配列(292−426)およびデザイナ酵素配列(427−1563)を、必要なときに柔軟に置き換えて遺伝子合成のコストを削減して生産性を増強させるモジュラー単位として扱えるようにしている点で異なる。酵素はClostridium beijerinckiのブチリル−CoAデヒドロゲナーゼとしなくてもよいことに留意されたい。すなわち、他のソース、例えば、Butyrivibrio fibrisolvens、Butyrate−producing bacterium L2−50、Thermoanaerobacterium thermosaccharolyticumのイソ酵素、デザイナ修正酵素、および機能アナログを含む多くのブチリル−CoAデヒドロゲナーゼも選択して使用できる。
【0066】
SEQ ID NO:4は、デザイナクロトナーゼDNAコンストラクト(1482bp)の例4を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、262−bpのニトレートレダクターゼNialプロモータ(21−282)、9−bpのXho I NdeIサイト(283−291)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(292−426)、Clostridium beijerinckiのクロトナーゼ(ジェンバンク:AF494018)の配列から選択され修正されたクロトナーゼ配列(427−1209)、21−bpのルミオ(Lumio)・タグ・エンコード配列(1210−1230)、停止コドンを含む、9−bpのXbaIサイト(1231−1239)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1240−1462)、および3'端におけるPCR REプライマー(1463−1482)を含む。このDNAコンストラクトは例3のSEQ ID NO:3と類似であり、ただ、Clostridium beijerinckiのクロトナーゼ(ジェンバンク:AF494018)の配列から選択され修正されたクロトナーゼ配列(427−1209)が使用される点、および、Lumioタグ・エンコード配列(1210−1230)がエノラーゼ配列のC終端に付加されている点で異なる。21−bpのLumioタグ・エンコード配列(1210−1230)は、ここではLumioペプチド配列Gly−Cys−Cys−Pro−Gly−Cys−Cysをエンコードするために採用され、これは、現在Invitrogen(https://catalog.invitrogen.com)から商業的に入手可能なLumio試薬とともに扱われるときに蛍光となることができる。Lumio分子タグ技術は、エンジニアリング処理されたテトラシステイン配列に結合する蛍光色素(fluorescein)の、EDT(1,2−エタンジチオール)結合二砒素(biarsenical)誘導体(Lumino試薬)をベースにしている((Keppetipola、Coffman、その他(2003)、Rapid detection of in vitro expressed proteins using Lumio(TM) technology、Gene Expression、25.3:7−11)。テトラシステイン配列は、Cys−Cys−Xaa−Xaa−Cys−Cysを有し、ここで、Xaaは、この例では、ProまたはGlyのような任意の非システインアミノ酸である。EDTリンクLumino試薬により、砒素原子が自由に回転できるようになり、蛍光色素の蛍光を抑制する。Lumio砒素基のチオールとテトラシステインとの間の共有結合構成により砒素原子の自由な回転が阻止され、蛍光色素の蛍光を開放する(Griffin、Adams、およびTsien(1998)、"Specific covalent labeling of recombinant protein molecules inside live cells"、Science、281:269−272)。これにより、蛍光分子画像によりテトラシステイン・タグ・タンパク質の視覚化も実現できる。したがって、このようにしてLumioタグを用いることにより、デザイナクロトナーゼが表出されているときにこれを監視し、追跡すれば、デザイナブタノール生産経路酵素が実際にホスト有機体のクロロプラスト中に所望のように運ばれたかどうかを検証できる。Lumioタグ(短い7−bpのアミノ酸ペプチド)はこの例ではクロトナーゼのC−終端にリンクされており、デザイナ酵素の機能に最小限の影響しか与えないようにすべきであるけれども、Lumino試薬とともに処理されることによりデザイナ酵素分子を可視化することが可能になる。Luminoタグの使用は完全にオプションである。Liminoタグが何らかの悪影響をデザイナ酵素に与えるときには、タグはDNA配列設計中で除去できる。
【0067】
SEQ ID NO:5は、デザイナ3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼDNAコンストラクト(1367bp)の例5を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、84−bpのニトレートレダクターゼプロモータ(21−104)、9−bpのXho I NdeIサイト(105−113)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(114−248)、Clostridium beijerinckiの3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ配列(ジェンバンク:AF494018)から選択され修正された3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼエンコード配列(249−1094)、21−bpのLumioタグ配列(1095−1115)、9−bpのXbaIサイト(1116−1124)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1125−1347)、およびPCR REプライマー(1348−1367)を含む。このDNAコンストラクトは例4のSEQ ID NO:4と類似であり、ただ、84−bpのニトレートレダクターゼプロモータ(21−104)、および、Clostridium beijerinckiの3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ配列(ジェンバンク:AF494018)から選択され修正された3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼエンコード配列(249−1094)が使用される点で異なる。84−bpのニトレートレダクターゼプロモータは、生来のChlamydomonas reinhardtiiのNialプロモータの2つの部分的に同一な配列領域(転写の開始点を参照して−231から−201および−77から−25)を結合することにより人工的に形成される。実験による検討によれば、84−bpの配列は生来のNialより活性があることが示された(Loppes、およびRadoux(2002)、"Two short regions of the promoter are essential for activation and repression of the nitrate reductase gene in Chlamydomonas reinhardtii"、Mol Genet Genomics 268:42−48)。したがって、これは、合成84−bp配列のような機能的な合成配列、アナログ、機能的誘導体、および/またはデザイナ修正配列がこの発明における種々の実施例に従って選択して使用できる例でもある。
【0068】
SEQ ID NO:6は、デザイナチオラーゼDNAコンストラクト(1721bp)の例6を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、84−bpのニトレートレダクターゼプロモータ(21−104)、9−bpのXho I NdeIサイト(105−113)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(114−248)、Butyrivibrio fibrisolvensのチオラーゼ配列(AB190764)から選択され修正されたチオラーゼエンコード配列(248−1448)、21−bpのLumioタグ配列(1449−1469)、9−bpのXbaIサイト(1470−1478)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1479−1701)、およびPCR REプライマー(1702−1721)を含む。このDNAコンストラクトも例4のSEQ ID NO:4と類似であり、ただ、チオラーゼエンコード配列(249−1448)、および、84−bpのニトレートレダクターゼプロモータ(21−104)が使用される点で異なる。これは、機能液合成配列がデザイナDNAコンストラクトにも選択されて使用される他の例である。
【0069】
SEQ ID NO:7は、デザイナピルビン酸フェレドキシンオキシドレダクターゼDNAコンストラクト(4211bp)の例7を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのニトレートレダクターゼプロモータ(21−188)、9−bpのXho I NdeIサイト(189−197)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(198−332)、Mastigamoeba balamuthiのピルビン酸フェレドキシンオキシドレダクターゼ(ジェンバンク:AY101767)の配列から選択され修正されたピルビン酸フェレドキシンオキシドレダクターゼエンコード配列(333−3938)、21−bpのLumioタグ配列(3939−3959)、9−bpのXbaIサイト(3960−3968)、223−bpのRbcS2ターミネータ(3969−4191)、およびPCR REプライマー(4192−4211)を含む。このDNAコンストラクトも例4のSEQ ID NO:4と類似であり、ただ、2×84−bpのNialプロモータおよびMastigamoeba balamuthiのピルビン酸フェレドキシンオキシドレダクターゼ(ジェンバンク:AY101767)の配列から選択され修正されたピルビン酸フェレドキシンオキシドレダクターゼエンコード配列(333−3938)が使用される点で異なる。2×84−bpのNialプロモータは、先のSEQ ID NO:6で表された84−bpの合成Nialプロモータ配列のタンデム複写として構築される。実験テストによれば、2×84−bpのNialプロモータは、生来のNialプロモータより活性がある84−bpの配列よりもさらに強力であることがわかった(LoppesおよびRadoux (2002)、"Two short regions of the promoter are essential for activation and repression of the nitrate reductase gene in Chlamydomonas reinhardtii"、Mol Genet Genomics 268:42−48)。この種の誘導可能プロモータを種々のプロモータ長で使用すると、ブタノール生産経路用のデザイナ酵素の表出レベルを調整するのに役立つ。
【0070】
SEQ ID NO:8は、デザイナピルビン酸キナーゼDNAコンストラクト(2021bp)の例8を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、84−bpのニトレートレダクターゼプロモータ(21−104)、9−bpのXho I NdeIサイト(105−113)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(114−248)、Saccharomyces cerevisiaeのピルビン酸キナーゼ配列(ジェンバンク:AY949876)から選択され修正されたピルビン酸キナーゼエンコード配列(249−1748)、21−bpのLumioタグ配列(1749−1769)、9−bpのXbaIサイト(1770−1778)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1779−2001)、およびPCR REプライマー(2002−2021)を含む。このDNAコンストラクトも例6のSEQ ID NO:6と類似であり、ただ、ピルビン酸キナーゼエンコード配列(249−1748)が使用される点で異なる。
【0071】
SEQ ID NO:9は、デザイナエノラーゼ遺伝子(1815bp)の例9を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、262−bpのニトレートレダクターゼプロモータ(21−282)、9−bpのXho I NdeIサイト(283−291)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(292−426)、Chlamydomonas reinhardtiiの細胞質ゾルのエノラーゼ(ジェンバンク:X66412、P31683)から選択され修正されたエノラーゼエンコード配列(427−1542)、21−bpのLumioタグ・エンコード配列(1507−1527)、停止コドンを含む9−bpのXbaIサイト(1543−1551)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1552−1795)、および3'端におけるPCR REプライマー(1796−1815)を含む。このDNAコンストラクトは例3のSEQ ID NO:3と類似であり、ただ、Chlamydomonas reinhardtiiの細胞質ゾルのエノラーゼの配列から選択され修正されたエノラーゼエンコード配列(427−1542)が使用される点で異なる。
【0072】
SEQ ID NO:10は、デザイナホスホグリセレートムターゼDNAコンストラクト(2349bp)の例10を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、262−bpのニトレートレダクターゼプロモータ(21−282)、9−bpのXho I NdeIサイト(283−291)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(292−426)、Chlamydomonas reinhardtiiの細胞質ゾルのホスホグリセレートムターゼ(ジェンバンク:JGI Chlre2タンパク質ID161689、ジェンバンク:AF268078)から選択され修正されたホスホグリセレートムターゼエンコード配列(427−2097)、9−bpのXbaIサイト(2098−2106)、223−bpのRbcS2ターミネータ(2107−2329)、および3'端におけるPCR REプライマー(2330−2349)を含む。このDNAコンストラクトは例3のSEQ ID NO:3と類似であり、ただ、Chlamydomonas reinhardtiiの細胞質ゾルのホスホグリセレートムターゼの配列から選択され修正されたホスホグリセレートムターゼエンコード配列(427−2097)が使用される点で異なる。
【0073】
SEQ ID NO:11は、デザイナホスホグリセレートキナーゼDNAコンストラクト(1908bp)の例11を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、262−bpのニトレートレダクターゼNialプロモータ(21−282)、そのクロロプラスト信号ペプチドおよび成熟酵素配列を含むChlamydomonas reinhardtiiのクロロプラストのホスホグリセレートキナーゼ配列(ジェンバンク:U14912)から選択され修正されたホスホグリセレートキナーゼエンコード配列(283−1665)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1666−1888)、およびPCR REプライマー(1889−1908)を含む。このDNAコンストラクトは例1のSEQ ID NO:1と類似であり、ただ、そのクロロプラスト信号ペプチドおよび成熟酵素配列を含むChlamydomonas reinhardtiiのクロロプラストのホスホグリセレートキナーゼ配列から選択され修正されたホスホグリセレートキナーゼエンコード配列(283−1665)が使用される点で異なる。したがって、これも、Nialプロモータ(DNA配列21−282)のような適切な誘導可能プロモータと一緒に使用することが適切なときに、hlamydomonas reinhardtiiのクロロプラストのホスホグリセレートキナーゼのような核エンコードクロロプラスト酵素の配列も使用できる例である。
【0074】
SEQ ID NO:12は、デザイナグリセルアルデヒド三リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(1677bp)の例12を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、262−bpのニトレートレダクターゼNialプロモータ(21−282)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(283−417)、Mesostigma virideの細胞質ゾルのグリセルアルデヒド三リン酸ヒドロゲナーゼ(mRNA)配列(ジェンバンク受入番号DQ873404)から選択され修正された酵素エンコード配列(418−1434)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1435−1657)、およびPCR REプライマー(1658−1677)を含む。このDNAコンストラクトは例1のSEQ ID NO:1と類似であり、ただ、Mesostigma virideの細胞質ゾルのグリセルアルデヒド三リン酸ヒドロゲナーゼ(mRNA)配列(ジェンバンク受入番号DQ873404)から選択され修正された酵素エンコード配列(418−1434)が使用される点で異なる。
【0075】
SEQ ID NO:13は、デザイナHydAlプロモータ・リンク・ホスホグリセレートムターゼDNAコンストラクト(2351bp)の例13を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、282−bpのHydAlプロモータ(21−302)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(303−437)、Chlamydomonas reinhardtiiの細胞質ゾルのホスホグリセレートムターゼ(JGI Chlre2タンパク質ID161689、ジェンバンク:AF268078)から選択され修正されたホスホグリセレートムターゼエンコード配列(438−2108)、223−bpのRbcS2ターミネータ(2109−2331)、およびPCR REプライマー(2332−2351)を含む。このDNAコンストラクトは例1のSEQ ID NO:1と極めて類似であり、ただ、Chlamydomonas reinhardtiiの細胞質ゾルのホスホグリセレートムターゼから選択され修正されたホスホグリセレートムターゼエンコード配列(438−2108)が使用される点で異なる。
282−bpのHydAlプロモータ(21−302)は発明者の実験室における実験分析により活性であることが判明した。HydAlプロモータ(21−302)を使用すると、嫌気性培養媒体条件を用いることによりデザイナ酵素表出の活性が可能になる。
【0076】
SEQ ID NO:13に示す配列と同一の、誘導可能嫌気性プロモータおよびクロロプラスト対象化配列を用いる原理を伴って、SEQ ID NO:14〜23はデザイン遺伝子例14〜23を示す。簡単に説明すると、SEQ ID NO:14は、デザイナHydAlプロモータ・リンク・エノラーゼDNAコンストラクト(1796bp)の例14を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、282−bpのHydAlプロモータ(21−302)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(303−437)、Chlamydomonas reinhardtiiの細胞質ゾルのエノラーゼ(ジェンバンク:X66412、P31683)から選択され修正されたエノラーゼエンコード配列(438−1553)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1554−1776)、およびPCR REプライマー(1777−1796)を含む。
【0077】
SEQ ID NO:15は、デザイナHydAlプロモータ制御ピルビン酸キナーゼDNAコンストラクト(1796bp)の例15を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、282−bpのHydAlプロモータ(21−302)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(303−437)、Chlamydomonas reinhardtiiの細胞質ゾルのピルビン酸キナーゼ配列(JGI Chlre2タンパク質ID138105)から選択され修正されたピルビン酸キナーゼエンコード配列(438−1589)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1590−1812)、およびPCR REプライマー(1813−1832)を含む。
【0078】
SEQ ID NO:16は、デザイナHydAlプロモータ・リンク・ピルビン酸フェレドキシンオキシドレダクターゼDNAコンストラクト(4376bp)の例16を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、282−bpのHydAlプロモータ(21−302)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(303−437)、Desulfovibrio africanusのピルビン酸フェレドキシンオキシドレダクターゼ配列(ジェンバンク受入番号Y09702)から選択され修正されたピルビン酸フェレドキシンオキシドレダクターゼエンコード配列(438−4133)、223−bpのRbcS2ターミネータ(4134−4356)、およびPCR REプライマー(4357−4376)を含む。
【0079】
SEQ ID NO:17は、デザイナHydAlプロモータ・リンク・ピルビン酸NADP
+オキシドレダクターゼDNAコンストラクト(6092bp)の例17を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、282−bpのHydAlプロモータ(21−302)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(303−437)、Euglena gracilisのピルビン酸NADP
+オキシドレダクターゼの配列(ジェンバンク受入番号AB021127)から選択され修正されたピルビン酸NADP
+オキシドレダクターゼエンコード配列(438−5489)、223−bpのRbcS2ターミネータ(5850−6072)、およびPCR REプライマー(6073−6092)を含む。
【0080】
SEQ ID NO:18は、デザイナHydAlプロモータ・リンク・チオラーゼDNAコンストラクト(1856bp)の例18を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、282−bpのHydAlプロモータ(21−302)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(303−437)、Thermoanaerobacterium thermosaccharolyticumのチオラーゼ(ジェンバンク:Z92974)から選択され修正されたチオラーゼエンコード配列(438−1613)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1614−1836)、およびPCR REプライマー(1837−1856)を含む。
【0081】
SEQ ID NO:19は、デザイナHydAlプロモータ・リンク・3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼDNAコンストラクト(1550bp)の例19を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、282−bpのHydAlプロモータ(21−302)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(303−437)、Thermoanaerobacterium thermosaccharolyticumの3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ(ジェンバンクZ92974)の配列から選択され修正された3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼエンコード配列(438−1307)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1308−1530)、およびPCR REプライマー(1531−1550)を含む。
【0082】
SEQ ID NO:20は、デザイナHydAlプロモータ・リンク・クロトナーゼDNAコンストラクト(1457bp)の例20を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、282−bpのHydAlプロモータ(21−302)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(303−437)、Thermoanaerobacterium thermosaccharolyticumのクロトナーゼ(ジェンバンクZ92974)の配列から選択され修正されたクロトナーゼエンコード配列(438−1214)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1215−1437)、およびPCR REプライマー(1438−1457)を含む。
【0083】
SEQ ID NO:21は、デザイナHydAlプロモータ・リンク・ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼDNAコンストラクト(1817bp)の例21を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、282−bpのHydAlプロモータ(21−302)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(303−437)、Thermoanaerobacterium thermosaccharolyticumのブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ(ジェンバンクZ92974)の配列から選択され修正されたブチリル−CoAデヒドロゲナーゼエンコード配列(438−1574)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1575−1797)、およびPCR REプライマー(1798−1817)を含む。
【0084】
SEQ ID NO:22は、デザイナHydAlプロモータ・リンク・ブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼDNAコンストラクト(2084bp)の例22を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、282−bpのHydAlプロモータ(21−302)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(303−437)、Clostridium saccharoperbutylacetonicumのブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ジェンバンクAY251646)の配列から選択され修正されたブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼエンコード配列(438−1841)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1842−2064)、およびPCR REプライマー(2065−2084)を含む。
【0085】
SEQ ID NO:23は、デザイナHydAlプロモータ・リンク・ブタノールデヒドロゲナーゼDNAコンストラクト(1733bp)の例23を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、282−bpのHydAlプロモータ(21−302)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(303−437)、Clostridium beijerinckiiのブタノールデヒドロゲナーゼ(GジェンバンクAF157307)の配列から選択され修正されたブタノールデヒドロゲナーゼエンコード配列(438−1490)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1491−1713)、およびPCR REプライマー(1714−1733)を含む。
【0086】
さきに述べたのと同一の、2×84合成Nialプロモータおよびクロロプラスト対象化配列を用いる原理を伴って、SEQ ID NO:24〜26はデザイン酵素DNAコンストラクトのさらなる例を示す。簡単に説明すると、SEQ ID NO:24は、デザイナフルクトースジホスフェートアルドラーゼのDNAコンストラクトの例24を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのNRプロモータ(21−188)、C.reinhardtiiのクロロプラストのフルクトース−1,6−ビスホスフェートアルドラーゼ配列(ジェンバンク:X69969)から選択され修正されたフルクトースジホスフェートアルドラーゼエンコード配列(189−1313)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1314−1536)、およびPCR REプライマー(1537−1556)を含む。
【0087】
SEQ ID NO:25は、デザイナトリオースホスフェートイソメラーゼのDNAコンストラクトの例24を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのNRプロモータ(21−188)、Arabidopsis thalianaのクロロプラストトリオースホスフェートイソメラーゼ配列(ジェンバンク:AF247559)から選択され修正されたトリオースホスフェートイソメラーゼエンコード配列(189−1136)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1137−1359)、およびPCR REプライマー(1360−1379)を含む。
【0088】
SEQ ID NO:26は、デザイナホスホフルクトースキナーゼのDNAコンストラクトの例26を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのNRプロモータ(21−188)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Arabidopsis thalianaの6−ホスホフルクトキナーゼ配列(ジェンバンク:NM_001037043))から選択され修正されたホスホフルクトースキナーゼエンコード配列(324−1913)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1914−2136)、およびPCR REプライマー(2137−2156)を含む。
【0089】
先の例に示されるような、核酸コンストラクトは、付加的な適切な配列、例えば、選択マーカー遺伝子、およびオプションの生体タグ配列(例えば例4、SEQ ID NO:4で説明したLumioタグ)を含んで良い。コンストラクト中に選択され使用されて良い選択可能なマーカーは、カナマイシン、ハイグロマイシン、スペクチノマイシン、ストレプトマイシン、スルホニル尿素、ゲンタマイシン、クロラムフェニコール、その他への耐性を提供するマーカーを含み、これらはすべて、クローン化され、当業者は入手可能である。代替的には、選択的マーカーは、ホスト有機体において欠乏を補足できる栄養素マーカー遺伝子である。例えば、遺伝子エンコード・アルギノこはく酸リアーゼ(arg7)は、デザイナコンストラクト中において選択マーカーとして使用でき、これは、Chlamydomonas reinhardtii arg7−(マイナス)細胞がホスト細胞として使用されるときに形質転換体を特定することができる。
【0090】
デザイナ遺伝子を担持する核酸コンストラクトは、利用可能な遺伝子形質転換技術、例えば、DNAの電子穿孔、PEG誘導吸引、およびバリスティック搬送、ならびにアグロバクテリウムによる形質転換を利用して、ホストである藻類、藍藻類、または植物の組織または細胞に搬送できる。デザイナコンストラクトを藻類細胞中に搬送するためには、電子穿孔、ガラス玉、およびバイオリスティック遺伝子銃が好ましい方法として選択して使用でき、単細胞または単純な葉状体(thallus)が形質転換に利用して好ましい。
【0091】
種々のデザイナ遺伝子をホスト細胞中に、ステップごと順次的に、または同時に、1つのコンストラクトまたは1の形質転換を利用して、案内できる。例えば、10種類の酵素のホスホグリセレート分岐ブタノール生産経路のための、SEQ ID NO:13〜16(または17)および18〜23で示される10個のDNAコンストラクトを、単一の選択マーカー(Arg7)とともにp389−Arg7のような遺伝子ベクター中に配置できる。したがって、この態様でプラスミドを使用することによって、3−ホスホグリセレート分岐ブタノール生産経路(
図1の03−12)のための1つの形質転換においてすべての10種類のDNAコンストラクト(デザイナ遺伝子)をアルギニン要求Chlamydomonas reinhardtii−arg7ホスト(CC−48)に搬送することができる。必要な場合には、10種類のDNAコンストラクトを含む形質転換体をさらに形質転換させて、より多くのデザイナ遺伝子を付加的な選択マーカー例えばストレプトマイシンとともに遺伝子DNAを取得させて良い。適切なホスト有機体における遺伝子形質転換において種々のデザイナ酵素DNAコンストラクト、例えばSEQ ID NO:1〜26において提示されたものを組み合わせることにより、種々のブタノール生産経路、例えば
図1に示されるものを構築できる。例えば、グリセルアルデヒド三リン酸分岐ブタノール生産経路(
図1の01〜12)のために、SEQ ID NO:1〜12のデザイナDNAコンストラクトを選択でき;フルクトース−1,6−ジホスフェート分岐ブタノール生産経路(
図1の20〜33)のために、SEQ ID NO:1〜12、24および、25のデザイナDNAコンストラクトを選択でき;さらに、フルクトース−6−ホスフェート分岐ブタノール生産経路(
図1の19〜33)のために、SEQ ID NO:1〜12、および24〜26のデザイナDNAコンストラクトを選択できる。
【0092】
[
光合成ブタノール生産を増強するための付加的なホスト修正]
[NADPH/NADH変換機構]
光合成ブタノール生産経路によれば、1分子のブタノールを、4CO
2および5H
2Oから製造するために、14個のATPおよび12個のNADPHを必要とすると考えられ、これら双方は、水分解およびチラコイド膜を横切る光リン酸化によって生成される。3−ホスホグリセレート分岐ブタノール生産経路(
図1の03−12)を動作させるためには、光駆動電子搬送プロセスにより生成されるNADPHを使用できるブタノール生産経路酵素を使用するのが好ましいプラクティスである。Clostridium saccharoperbutylacetonicumのブタノールデヒドロゲナーゼ(ジェンバンク受入番号:AB257439)およびブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:AY251646)は、NADP(H)またはNAD(H)のいずれかを受容できるブタノール生産経路酵素の例である。NADPHおよびNADH(すなわちNAD(P)H)の双方を利用できるようなブタノール生産経路酵素も、この3−ホスホグリセレート分岐のデザイナブタノール生産経路、および任意の他のデザイナブタノール生産経路(
図1)にも選択して使用できる。Clostridium beijerinckiiのブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:AF494018)および3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:AF494018)は、NAD(H)のみを銃猟できるブタノール生産経路酵素の例である。NADHのみを使用できるブタノール生産経路酵素を採用するときには、3−ホスホグリセレート分岐ブタノール生産経路を動作させるためにNADPH/NADH変換機構が必要となるであろう。しかしながら、ホスト有機体の遺伝子バックグラウンドに応じて、NADPHおよびNADHの間の変換機構は、有機体においてNADPHおよびNADHが交換可能に使用できるように、そのホスト中に存在するかもしれない。さらに、NADPHはNADPHホスファターゼ活性によりNADHに変換できることが知られており(PattanayakおよびChatterjee(1998)、"Nicotinamide adenine dinucleotide phosphate phosphatase facilitates dark reduction of nitrate:regulation by nitrate and ammonia"、Biologia Plantarium 41(1):75−84)、また、NADがNADキナーゼ活性によりNADPに変換できることが知られている(Muto、Miyachi、Usuda、Edwards、およびBassham(1981)、"Light−induced conversion of nicotinamide adenine dinucleotide to nicotinamide adenine dinucleotide phosphate in higher plant leaves"、Plant Physiology、68(2):324−328、およびMatsumura−Kadota、Muto、Miyachi(1982)、"Light−induced conversion of NAD
+ to NADP
+ in Chlorella ells"、Biochimica Biophysica Acta、679(2):300−300)。したがって、増強NADPH/NADH変換が必要な場合には、ホストは遺伝子的に修正されてNADPHホスファターゼおよびNADキナーゼ活性を増強させて良い。このため、種々の実施例の1つにおいて、光合成ブタノール生産デザイナ植物、デザイナ藻類または植物細胞は、NADPHホスファターゼおよびNADキナーゼ(ジェンバンク:XM 001609395、XM 001324239)のようなNADPH/NADH内変換を実施するための、さらに付加的な導入遺伝子(
図2B)を、藻類クロロプラストのストロマ中に、含む。
【0093】
NADPH/NADH変換機構を提供できる他の実施例は、デザイナブタノール生産経路のためのカルビン回路の適切な分岐点を正しく選択することによる。この実施例に従って経路設計と行うことによりNADPH/NADH変換機構を付与するためには、
図1に示されるようなカルビン回路のグリセルアルデヒド三リン酸の点またはその後方でデザイナブタノール経路を分岐するのが好ましいプラクティスである。これらの経路設計において、NADPH/NADH変換は、基本的には2ステップの機構により実現される。すなわち。(1)NADHを使用して1,3−ジホスホグリセレートをグリセルアルデヒド−3−ホスフェートに還元する、カルビン回路のグリセルアルデヒド三リン酸デヒドロゲナーゼのステップを使用すること、および、(2)グリセルアルデヒド−3−ホスフェートを3−ジホスホグリセレートに酸化する際にNADHを生成する、デザイナ経路のNAD
+依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ01のステップを使用することである。上述した2つのステップの正味の結果は、NADPHからNADHへの変換であり、これはデザイナブタノール生産経路のためにNADHを形成する所望の還元力を供給できる。ステップ(1)については、ホスト有機体中に自然にあるカルビン回路のNADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼで通常充分である。この結果、カルビン回路のNADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼと協働するためのデザインNAD
+依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ01を導入すると、NADPH/NADH変換機構の機能を付与でき、これが、3−ホスホグリセレート分岐ブタノール生産経路(
図1の03−12)が良好に動作するためには必要となる。この理由のために、デザインNAD
+依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼのDNAコンストラクト(例12、SEQ ID NO:12)は、NADPH/NADH変換遺伝子(
図2B)としても、使用されて、種々の実施例の1つにおいて、3−ホスホグリセレート分岐ブタノール生産経路(
図1の03−12)をサポートする。これは、デザイナブタノール生産経路のためにこの2ステップのNADPH/NADH変換機構を付与するためにNAD
+依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ01を使用することがなぜ重要であるかの説明となる。したがって、種々の実施例の1つにおいて、
図1に示すようなデザイナブタノール生産経路中で、NAD
+依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、そのイソ酵素、機能的誘導体、アナログ、デザイナ修正酵素、および/またはそれらの組み合わせを使用することが好ましいプラクティスでもある。
【0094】
[光合成調整機能をさらに管理するためのiRNA技術]
この発明の他の実施例において、ホスト植物または細胞がされに修正されて、ホストが、デンプン(オキシクロロバクテリアの場合グリコーゲン)、セルロース、生物精製所産業がしばしば効率的に使用することが非効率または困難なリグロセルロースを合成する代わりに、直接に液体の燃料ブタノールを製造できるようにするようにカルビン回路を管理するようにされる。種々の実施例の1つにおいて、カルビン回路(
図1)に連結するデンプン合成経路のデンプンシンターゼ(オキシクロロバクテリアの場合グリコーゲンシンターゼ)13、グルコース−1−ホスフェート(G−1−P)アデニリルトランスフェラーゼ14、ホスホグルコムターゼ15、およびヘキソースホスフェートイソメラーゼ16のようなキーとなる酵素のいずれかの表出を抑制する余とによって、デンプン合成活性が不活性化される。
【0095】
カルビン回路生産物についてデザイナブタノール生産経路と競合するデンプン合成活性を禁止できる遺伝子的に搬送可能なファクタを導入すると光合成ブタノール生産をさらに助長できる。具体的な実施例において、競合的なデンプン合成経路に対する遺伝子的にエンコード可能なインヒビター(
図2C)は、
図1にラベル13〜16で示される、デンプンシンターゼ16、グルコース−1−ホスフェート(G−1−P)アデニリルトランスフェラーゼ15、ホスホグルコムターゼ14、および/またはヘキソース−ホスフェート−イソメラーゼ13のようなデンプン合成経路の酵素を個別的に阻害する干渉RNA(iRNA)分子である。DNA配列エンコードデンプン合成iRNA、グルコース−1−ホスフェート(G−1−P)アデニリルトランスフェラーゼiRNA、ホスホグルコムターゼiRNA、および/またはG−P−イソメラーゼiRNAは、それぞれ、当業界で知られているRNA干渉技術に基づいて設計され、合成できる(Liszewski(June 1,2003)、Progress in RNA interference、Genetic Engineering News、Vol.23、number11、pp.1−59)。全般的に述べれば、干渉RNA(iRNA)分子は、アンチセンスであるが、個々のタンパク質(遺伝子)の通常のmRNAと相補的であり、そのようなiRNA分子は個別的に個々の遺伝子の通常のmRNAとバインドして、それゆえ、遺伝子固有のmRNAがタンパク質に翻訳されるのを阻害(ブロック)するようになっている(Fire、Xu、Montgomery、Kostas、Driver、Mello(1998)、"Potent and specific genetic interference by double−stranded RNA in Caenorhabditis elegans"、Nature 391(6669):806−11;Dykxhoorn、Novina、Sharp(2003)、"Killing the messenger: short RNAs that silence gene expression"、Nat Rev Mol Cell Biol.4(6):457−67)。
【0096】
デザイナデンプン合成iRNAのDNAコンストラクト(
図2C)はリストのSEQ ID NO:27および28に示される。簡単に説明すると、SEQ ID NO:27は、デザイナNialプロモータ制御デンプンシンターゼiRNAのDNAコンストラクト(860bp)の例27を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、262−bpのNailプロモータ(21−282)、Chlamydomonas reinhardtiiのデンプンシンターゼmRNA配列(ジェンバンク:AF026422)の2つの固有な配列断片のコドンタグおよび逆相補配列を有する、デンプンシンターゼiRNA配列(283−617)、223−bpのRbcS2ターミネータ(618−850)、およびPCR REプライマー(851−860)を含む。Nialプロモータ(21−282)を使用しているので、このデザイナデンプン合成iRNA遺伝子は、特別な誘導因子、ニトレート(NO
3)の存在下で光合成ブタノール生産が増強される必要があるときにのみ表出されるように設計され、これはデザイナ有機体を導入するための肥料(fertilizer)として培養媒体中に付加されて良い。デンプンシンターゼiRNA系列(283−617)はデンプンシンターゼ遺伝子の通常のmRNAとバインドするように設計され、そのため機能的なデンプンシンターゼにそれが翻訳されるのを阻害する。このような態様でデンプン/グリコーゲンシンターゼの活性が16において阻害されるので、カルビン回路のより多くの光合成生成物が
図1に示すようなカルビン回路分岐ブタノール生産経路、例えばグリセルアルデヒド−3−ホスフェート分岐ブタノール生産経路01−12に案内される。
【0097】
SEQ ID NO:28は、デザイナHydAlプロモータ制御デンプンシンターゼiRNAのDNAコンストラクト(1328bp)の例28を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、282−bpのHydAlプロモータ(21−302)、デザイナデンプンシンターゼiRNA配列(303−1085)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1086−1308)、およびPCR REプライマー(1309−1328)を含む。デザイナデンプンシンターゼiRNA配列(303−1085)は:Chlamydomonas reinhardtiiのデンプンシンターゼmRNA配列(ジェンバンク:AF026422)の最初の300−bpの固有なコード配列から選択された300−bpのセンス断片(303−602)、183−bpのデザイナ・イントロン状ループ(603−785)、および、Chlamydomonas reinhardtiiのデンプンシンターゼmRNA配列(ジェンバンク:AF026422)の最初の300−bpと相補的な、300−bpのアンチセンス配列を有する。このデザイナデンプンシンターゼiRNA配列(303−1085)は以下の2つの機構によって、デンプンシンターゼの合成を阻害するように設計されている。第1に、300−bpのアンチセンス相補的iRNA配列(DNA配列786−1085に対応する)が、デンプンシンターゼ遺伝子の通常のmRNAとバインドして、これが機能的デンプンシンターゼに翻訳されるのを阻止する。第2に、300−bpのアンチセンス相補的iRNA配列(DNA配列786−1085に対応する)が、同一のデザイナiRNA分子中の300−bpのセンス・カウンターパート(DNA系列303−602に対応する)にもバインドしてループとしての183−bpのデザイナ・イントロン状配列(603−785)を伴ってヘアーピン状の二重螺旋RNA構造を形成する。実験的な検討によれば、このタイプのヘアーピン状二重螺旋RNAも翻訳後遺伝子サイレンシングをトリガーすることがわかっている(Fuhrmann、Stahlberg、Govorunova、Rank、および、Hegemann(2001)、 Journal of Cell Science 114:3857−3863)。HydAlプロモータ(21−302)を使用しているので、デザイナデンプン合成iRNA遺伝子は、
図1において説明する01−12、03−12、および/または20−33のようなブタノール生産経路中に、より多くの光合成生成物を送り込むことにより光生物学的なブタノール生産を増強することが必要なときに、嫌気性条件下のみで、表出するように設計される。
【0098】
[デザイナデンプン分解および解糖の遺伝子]
この発明の他の実施例において、光生物学的ブタノール生産は、デザイナブタノール生産遺伝子(
図2A)に組み合わせて、デンプン/グリコーゲンを分解するのを助長できる付加的な1組のデザイナ遺伝子(
図2D)を組み入れることにより増強される。デンプン分解のためのそのような付加的なデザイナ遺伝子は、例えば、17:アミラーゼ、デンプンホスホリラーゼ、ヘキソキナーゼ、ホスホグルコムターゼ、および18:グルコース−ホスフェート−イソメラーゼ(G−P−イソメラーゼ)を含み、これは
図1に示すとおりである。デザイナ解糖(glycolysis)遺伝子はクロロプラスト対象化解糖酵素:グルコセホスフェートイソメラーゼ18、ホスホフルクトースキナーゼ19、アルドラーゼ20、トリオースホスフェートイソメラーゼ21、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ22、ホスホグリセレートキナーゼ23、ホスホグリセレートムターゼ24、エノラーゼ25、およびピルビン酸キナーゼ26をエンコードする。デザイナデンプン分解および解糖遺伝子は
図1に示される任意のブタノール生産経路と組み合わせて、デンプン/グリコーゲンからブタノールへの付加的な経路を形成できる(17−33)。この結果、デンプン分解および解糖の遺伝子をブタノール生産経路遺伝子とともに表出して光生物学的ブタノールの生産も増強させることができる。したがって、この実施例は、増強した光生物学的ブタノール生産のためにカルビン回路を管理するための他のアプローチを実現する。この場合、この場合では、カルビン回路の生成物のいくつかが、デンプン合成経路(13−16)に流れ出て、この後に、デンプン/グリコーゲンからブタノールへの経路(17−33)が続き、これは
図1に示すとおりである。この場合、デンプン/グリコーゲンはカルビン回路生成物の一時的な貯蔵プールとして働き、そののち、これらはブタノールに変換できる。この機構は、所定の場合には、ブタノール生産収率を最大化させる上で極めて有益である。例えば、正午付近の極めて大きな太陽光強度で、カルビン回路のCO
2固定の速度が大きくてブタノール生産経路の最大速度許容値を超えるときには、このデンプン合成機構を使用して過剰な光合成生産物の一時的な貯蔵を可能にし、のちにブタノール生産にも使用できる。
【0099】
図1は、デザイナデンプン/グルコーゲンブタノール経路をデザイナ酵素(17から33でラベル付けされている)とともにカルビン回路分岐デザイナブタノール生産経路、例えばグリセルアルデヒド−3−ホスフェート分岐ブタノール生産経路01−12と組み合わせて使用して光生物学的なブタノール生産を増強させることも示す。カルビン回路分岐のブタノール生産経路を使用する際の利点と同様に、デザイナデンプン/グリコーゲンブタノール経路(17−33)を使用すると、糖類が、生物精製所産業によって容易に利用できないリグノセルロースバイオマスのような複雑な生体分子に変換されるまえに、光合成生成物をブタノールに変換するのを支援できる。したがって、カルビン回路分岐のデザイナブタノール生産経路(例えば、01−12、03−12、および/または20−33)、および/またはデザイナデンプン/グリコーゲンブタノール経路(17−33)は「手に負えないリグノセルロース」問題を含む現行のバイオマス技術のボトルネックの問題を有効にバイパスすることができる、とりわけ革新的な技術を提供できる。
【0100】
他の特徴は、カルビン回路分岐デザイナブタノール生産経路活性(例えば01−12、03−12、および/または20−33)が光がある日中に支配的に起こるということである。なぜならば、それが、チラコロイド膜システムを通じた光合成水分解および光駆動プロトン転地結合電子運搬プロセスにより発生させられる還元力(NADPH)およびエネルギー(ATP)の供給を必要とするカルビン回路の中間生成物を利用するからである。デザイナデンプン/グリコーゲンブタノール経路(17−33)は光合成を通じてデンプン/グリコーゲンとして貯蔵された過剰な糖類を利用でき、日中だけでなく、夜も動作可能である。この結果、
図1に示すように、カルビン回路分岐デザイナブタノール生産経路(例えば、01−12、03−12、および/または20−33)をデザイナデンプン/グリコーゲンブタノール経路(17−33)とともに使用すると、日中および夜の双方でブタノールを生産できるようになる。
【0101】
デザイナデンプン/グリコーゲンブタノール経路およびカルビン回路分岐デザイナブタノール生産経路の双方の表出は誘導可能プロモータ例えば嫌気性ヒドロゲナーゼプロモータを利用して制御できるので、このタイプのデザイナ有機体は、嫌気性(通常)条件下で独立栄養で成長可能である。デザイナ光合成有機体が成長して光生物学的ブタノール生産の準備ができたときに、細胞は、嫌気性条件下のような特別な誘導条件下に置かれ(あるいは、デザイナNial/nirAプロモータ制御ブタノール生産経路が利用されるならば、アンモニアニトレートファーティライザ利用シフトで)、
図1および
図3に示すようにブタノール生産を増強する。
【0102】
デザイナデンプン(グリコーゲン)分解遺伝子は、リストのSEQ ID NO:29および33に示される。簡単に説明すると、SEQ ID NO:29は、デザイナアミラーゼのDNAコンストラクト(1889bp)の例29を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのNRプロモータ(21−188)、9−bpのXho I NdeIサイト(189−197)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(198−332)、Barley alphaアミラーゼ(ジェンバンク:アリューロン細胞中でテストされたJ04202A my46表現)から選択され修正されたアミラーゼエンコード配列(333−1616)、21−bpのLumioタグ配列(1617−1637)、9−bpのXbaIサイト(1638−1646)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1647−1869)、およびPCR REプライマー(1870−1889)を含む。
【0103】
SEQ ID NO:30は、デザイナデンプンホスホリラーゼのDNAコンストラクト(3039bp)の例30を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのNRプロモータ(21−188)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Citrusの根のデンプンホスホリラーゼ配列(ジェンバンク:AY098895、Citrusの根においてテストされた表現)から選択され修正されたデンプンホスホリラーゼエンコード配列(324−2846)、223−bpのRbcS2ターミネータ(2847−3069)、およびPCR REプライマー(3070−3089)を含む。
【0104】
SEQ ID NO:31は、デザイナヘキソースキナーゼのDNAコンストラクト(1949bp)の例31を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのNRプロモータ(21−188)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Ajellomyces capsulatusのヘキソキナーゼmRNA配列(ジェンバンク:XM_001541513)から選択され修正されたヘキソキナーゼエンコード配列(324−1706)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1707−1929)、およびPCR REプライマー(1930−1949)を含む。
【0105】
SEQ ID NO:32は、デザイナホスホグルコムターゼのDNAコンストラクト(2249bp)の例32を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのNRプロモータ(21−188)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Pichia stipitisのホスホグルコムターゼ配列(ジェンバンク:XM_001383281)から選択され修正されたホスホグルコムターゼエンコード配列(324−2006)、223−bpのRbcS2ターミネータ(2007−2229)、およびPCR REプライマー(2230−2249)を含む。
【0106】
SEQ ID NO:33は、デザイナグルコセホスフェートのDNAコンストラクト(2231bp)の例33を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのNRプロモータ(21−188)、135−bpのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、S.cerevisiaeのホスホグルコイソメラゼ配列(ジェンバンク:M21696)から選択され修正されたグルコセホスフェートイソメラーゼエンコード配列(324−1988)、223−bpのRbcS2ターミネータ(1989−2211)、およびPCR REプライマー(2212−2231)を含む。
【0107】
デザイナデンプン分解遺伝子、例えば、SEQ ID NO:29−33のものは、
図1に示す経路のような種々のデンプン分解ブタノール生産経路を構築するために種々のデザイナブタノール生産経路と組み合わせて選択して使用できる。例えば、SEQ ID NO:1−12、24−26、および29−33に示すデザイナ遺伝子は、以下のデザイナ酵素を有する、Nialプロモータ制御デンプンブタノール生産経路を構築するために選択できる。すなわち、アミラーゼ、デンプンホスホリラーゼ、ヘキソキナーゼ、ホスホグルコムターゼ、グルコセホスフェートイソメラーゼ、ホスホフルクトースキナーゼ、フルクトースジホスフェートアルドラーゼ、トリオースホスフェートイソメラーゼ、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、ホスホグリセレートキナーゼ、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、ピルビン酸−NADP
+オシシドレダクターゼ(またはピルビン酸フェレドキシンオキシドレダクターゼ)、チオラーゼ、3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ、クロトナーゼ、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ、ブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ、およびブタノールデヒドロゲナーゼである。このデンプン/グリコーゲンブタノール経路17−33は単独で利用しても良いし、
図1に示されるような3−ホスホグリセレート分岐ブタノール生産経路03−12のような他のブタノール生産経路と組み合わせて使用しても良い。
【0108】
[クロロプラストおよび細胞質の間のデザイナブタノール生産経路の分散]
この発明の他の実施例において、光生物学的ブタノール生産活性は、デザイナブタノール生産経路を真核植物細胞中のクロロプラストおよび細胞質の間に選択的に分散させることにより増強される。すなわち、デザイナブタノール生産経路(
図1)のすべてがクロロプラスト中で動作する必要はなく、望まれるときには、デザイナブタノール生産経路の部分が細胞質で動作できても良い。例えば、種々の実施例の1つにおいて、ジヒドロキシアセトンホスフェートブタノール(21−33)からデザイナデンプンブタノール経路活性の重要な部分は、細胞質で起こり、他方、デンプンからジヒドロキシアセトンホスフェートへのステップ(17−20)はクロロプラストであるように設計される。この例では、デザイナ経路のクロロプラスト部分と細胞質部分の間のリンクは、トリオースホスフェート−ホスフェートトランスロケータを使用して達成され、これは、ジヒドロキシアセトンをクロロプラスト膜を横切って転置されるのを容易にする。トリオースホスフェート−ホスフェートトランスロケータを使用することで、グリセルアルデヒド−3−ホスフェート分岐デザイナブタノール生産経路がクロロプラストのみでなく、細胞質においても動作可能になる。デザイナブタノール生産経路の細胞質部分は、デザイナブタノール生産経路遺伝子(
図2AのDNAコンストラクト)を、それらのクロロプラスト対象化配列を省略して使用することにより構築でき、これは
図2Eに示すとおりである。
【0109】
[デザイナブタノール生産経路を細胞質中に伴うデザイナオキシホトバクテリア]
藍藻類(シアノバクテリアおよびオキシクロロバクテリアを含むオキシホトバクテリア)のような原核光合成有機体は、典型的には光合成チラコイド膜を有しクロロプラスト構造を有さず、この原核光合成有機体では、カルビン回路は細胞質に位置決めされる。この特殊な場合には、これに限定されないが、グリセルアルデヒド−3−ホスフェート分岐ブタノール生産経路(01−12)、3−ホスホグリセレート分岐ブタノール生産経路(03−12)、フルクトース−1,6−ジホスフェート分岐経路(22−33)、フルクトース−6−ホスフェート分岐経路(19−33)、およびデンプン(またはグリコーゲン)−ブタノール経路(17−33)を含む、完全なデザイナブタノール経路(
図1)が藍藻類の細胞質中でカルビン回路とともに動作するように、設計上、調整される。細胞質デザイナブタノール生産経路の構築は、デザイナブタノール生産経路遺伝子(
図2AのDNAコンストラクト)を、クロロプラスト対象化配列をすべて省略したうえで、使用して実現できる。
図2Eに示すように、デザイナDNAコンストラクトにおいてクロロプラスト対象化配列を省略するとき、デザイナ遺伝子は細胞質中の酵素へ転写、翻訳され、これにより、デザイナブタノール生産経路が付与される。デザイナ遺伝子はホストの藍藻類(シアノバクテリアおよびオキシクロロバクテリアを含むオキシホトバクテリア)中の染色体および/またはプラスミドのDNAに、当業者に知られている遺伝子形質転換の技術を用いて組み込むことができる。デザイナ遺伝子は、統合的な形質転換(integrative transformation)を通じて、デザイナ遺伝子に対してより良好な遺伝子的安定性を通常では実現する染色体DNA中に一体化させることが好ましいプラクティスである。シアノバクテリアのようなオキシホトバクテリアにおいては、統合的な形質転換は同種のDNA二重リコンビネーションをホスト染色体DNAにデザイナDNAコンストラクトを使用して組み入れるプロセスを通じて実現でき、これを
図2Fに示し、これは、典型的には5'の上流から3'の下流へ、リコンビネーションサイト1、デザイナブタノール生産経路遺伝子、およびリコンビネーションサイト2を有する。このタイプのDNAコンストラクト(
図2F)は、電子穿孔、自然形質転換、および/または、接合(conjugation)を含む、多くの利用可能な遺伝子形質転換手法で、オキシホトバクテリア(藍藻類)に搬出可能である。藍藻類から形成された遺伝子組み替えデザイナ有機体はデザイナ藍藻類(デザイナシアノバクテリアおよびデザイナオキシクロロバクテリアを含むデザイナオキシホトバクテリア)とも呼ばれる。
【0110】
デザイナオキシホトバクテリアブタノール生産経路遺伝子の例は、リストのSEQ ID NO:34および45に示される。簡単に説明すると、SEQ ID NO:34は、デザイナオキシホトバクテリアのブタノールデヒドロゲナーゼのDNAコンストラクト(1709bp)の例34を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、Thermosynechococcus elongatus BP−1からの400−bpのニトライトレダクターゼ(nirA)プロモータ(21−420)、Clostridium saccharoperbutylacetonicumのブタノールデヒドロゲナーゼ配列(AB257439)から選択され修正された酵素エンコード配列(421−1569)、Thermosynechococcus elongatus BP−1からの120−bpのrbcSターミネータ(1570−1689)、および、3'端のPCR REプライマー(1690−1709)を含む。
【0111】
SEQ ID NO:35は、デザイナオキシホトバクテリアのブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼのDNAコンストラクト(1967bp)の例35を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、400−bpのThermosynechococcus elongatus BP−1のニトライトレダクターゼnirAプロモータ(21−420)、Clostridium saccharoperbutylacetonicumのブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ配列(AY251646)から選択され修正された酵素エンコード配列(421−1827)、Thermosynechococcus elongatus BP−1からの120−bpのrbcSターミネータ(1828−1947)、および、PCR REプライマー(1690−1709)を含む。
【0112】
SEQ ID NO:36は、デザイナオキシホトバクテリアのブチリル−CoAデヒドロゲナーゼのDNAコンストラクト(1602bp)の例36を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、305−bpのThermosynechococcus elongatus BP−1のニトライトレダクターゼプロモータ(21−325)、Clostridium beijerinckiiのブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ(AF494018)の配列から選択され修正されたブチリル−CoAデヒドロゲナーゼエンコード配列(326−1422)、120−bpのThermosynechococcusのrbcSターミネータ(1423−1582)、および、PCR REプライマー(1690−1709)を含む。
【0113】
SEQ ID NO:37は、デザイナオキシホトバクテリアのクロトナーゼのDNAコンストラクト(1248bp)の例37を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、305−bpのThermosynechococcus elongatus BP−1のニトライトレダクターゼプロモータ(21−325)、Clostridium beijerinckiiのクロトナーゼ(ジェンバンク:AF494018)の配列から選択され修正されたクロトナーゼエンコード配列(326−1108)、120−bpのThermosynechococcus elongatus BP−1のrbcSターミネータ(1109−1228)、および、PCR REプライマー(1690−1709)を含む。
【0114】
SEQ ID NO:38は、デザイナオキシホトバクテリアの3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼのDNAコンストラクト(1311bp)の例38を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、305−bpのnirAプロモータ(21−325)、Clostridium beijerinckiiの3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ配列クロトナーゼ(ジェンバンク:AF494018)から選択され修正された3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼエンコード配列(326−1171)、120−bpのThermosynechococcusのrbcSターミネータ(1172−1291)、および、PCR REプライマー(1292−1311)を含む。
【0115】
SEQ ID NO:39は、デザイナオキシホトバクテリアのチオラーゼのDNAコンストラクト(1665bp)の例39を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、305−bpのThermosynechococcusのnirAプロモータ(21−325)、Butyrivibrio fibrisolvensのチオラーゼ配列(AB 190764)から選択されたチオラーゼエンコード配列(326−1525)、120−bpのThermosynechococcusのrbcSターミネータ(1526−1645)、および、PCR REプライマー(1646−1665)を含む。
【0116】
SEQ ID NO:40は、デザイナオキシホトバクテリアのピルビン酸フェレドキシンオキシドレダクターゼのDNAコンストラクト(4071bp)の例40を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、Thermosynechococcus elongatus BP−1からの305−bpのnirAプロモータ(21−325)、Mastigamoeba balamuthiのピルビン酸フェレドキシンオキシドレダクターゼ(ジェンバンク:AY101767)から選択され修正されたピルビン酸フェレドキシンオキシドレダクターゼエンコード配列(326−3931)、Thermosynechococcus elongatus BP−1からの120−bpのrbcSターミネータ(3932−4051)、および、PCR REプライマー(4052−4071)を含む。
【0117】
SEQ ID NO:41は、デザイナオキシホトバクテリアのピルビン酸キナーゼのDNAコンストラクト(1806bp)の例41を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、Thermosynechococcusからの305−bpのnirAプロモータ(21−325)、Thermoproteus tenaxのピルビン酸キナーゼ(ジェンバンク:AF065890)から選択され修正されたピルビン酸キナーゼエンコード配列(326−1666)、120−bpのThermosynechococcusのrbcSターミネータ(1667−1786)、および、PCR REプライマー(1787−1806)を含む。
【0118】
SEQ ID NO:42は、デザイナオキシホトバクテリアのエノラーゼのDNAコンストラクト(1696bp)の例42を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、Thermosynechococcusからの231−bpのnirAプロモータ(21−251)、Chlamydomonasの細胞質エノラーゼ(ジェンバンク:X66412、P31683)の配列から選択され修正されたエノラーゼエンコード配列(252−1556)、Thermosynechococcusからの120−bpのrbcSターミネータ(1557−1676)、および、PCR REプライマー(1677−1696)を含む。
【0119】
SEQ ID NO:43は、デザイナオキシホトバクテリアのホスホグリセレートムターゼのDNAコンストラクト(2029bp)の例43を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、Thermosynechococcus elongatus BP−1からの231−bpのnirAプロモータ(21−251)、Pelotomaculum thermopropionicum SIのホスホグリセレートムターゼ(ジェンバンク:YP 001213270)の配列から選択され修正されたホスホグリセレートムターゼエンコード配列(252−1889)、120−bpのThermosynechococcusのrbcSターミネータ(1890−2009)、および、PCR REプライマー(2010−2029)を含む。
【0120】
SEQ ID NO:44は、デザイナオキシホトバクテリアのホスホグリセレートキナーゼのDNAコンストラクト(1687bp)の例44を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、Thermosynechococcus elongatus BP−1からの231−bpのnirAプロモータ(21−251)、Pelotomaculum thermopropionicum SIのホスホグリセレートキナーゼ(ジェンバンク:BAF60903)から選択され修正されたホスホグリセレートキナーゼエンコード配列(252−1433)、234−bpのThermosynechococcus elongatus BP−1のrbcSターミネータ(1434−1667)、および、PCR REプライマー(1668−1687)を含む。
【0121】
SEQ ID NO:45は、デザイナオキシホトバクテリアのグリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼのDNAコンストラクト(1514bp)の例45を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、Thermosynechococcus elongatus BP−1の305−bpのnirAプロモータ(21−325)、Blastochloris viridisのNAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(CAC80993)から選択され修正された酵素エンコード配列(326−1260)、234−bpのThermosynechococcus elongatus BP−1からのrbcSターミネータ(1261−1494)、および、PCR REプライマー(1495−1514)を含む。
【0122】
SEQ ID NO:34〜45に示すようなデザイナオキシホトバクテリア遺伝子は、充分に、または部分的に、および/または、種々の他のデザイナブタノール生産経路遺伝子と組み合わせて、選択して使用して、
図1に示すような種々のデザイナオキシホトバクテリアブタノール生産経路を構築できる。例えば、SEQ ID NO:34〜45に示されるデザイナ遺伝子は、オキシホトバクテリアnirAプロモータ制御で、グリセルアルデヒド−3−ホスフェート分岐ブタノール生産経路(01−12)を構築するために使用でき、これは以下のデザイナ酵素を有する。すなわち、NAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ01、ホスホグリセレートキナーゼ02、ホスホグリセレートムターゼ03、エノラーゼ04、ピルビン酸キナーゼ05、ピルビン酸フェレドキシンオキシドレダクターゼ(またはピルビン酸−NADP
+オキシドレダクターゼ)06、チオラーゼ07、3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ08、クロトナーゼ09、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ10、ブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ11、および、ブタノールデヒドロゲナーゼ12である。好熱性または耐熱性のシアノバクテリア中にこれらデザイナオキシホトバクテリアブタノール生産経路遺伝子(SEQ ID NO:34〜45)を使用すると、好熱性または耐熱性ブタノール生産オキシホトバクテリアを実現できる。例えば、これらデザイナ遺伝子(SEQ ID NO:34〜45)を、Thermosynechococcus elongatus BP−1のような好熱性/耐熱性シアノバクテリア中に使用することにより、デザイナブタノール生産Thermosynechococcusのようなデザイナ好熱性/耐熱性ブタンール生産シアノバクテリアを実現できる。
【0123】
[バイオセーフティを確実にするためのホストのさらなる修正]
この発明は、細胞分裂制御可能なデザイナ遺伝子組み換え植物(例えば藻類およびオキシホトバクテリア)または植物細胞に基づく、バイオセーフティ防護光合成バイオ燃料(例えばブタノールおよび/または関連する高級アルコール)生産方法も実現する。例えば、細胞分裂制御可能なデザイナ光合成有機体(
図3)は、細胞分裂およびメーティング機能(mating function)が制御可能に停止されてより良好なバイオセーフティ特性が実現されるように、デザイナバイオセーフティ制御遺伝子(
図2G)を、デザイナブタノール生産経路遺伝子(
図2A〜2F)との関係で、デザイナバイオセーフティ制御遺伝子(
図2G)を使用することにより、形成される。
【0124】
種々の実施例の1つにおいて、基本的な特徴は、デザイナ細胞分裂制御可能な光合成有機体(例えば、藻類、植物細胞、またはオキシホトバクテリア)が2つのキーとなる機能(
図3A)を含むことである。すなわち、デザイナバイオセーフティ機能およびデザイナバイオ燃料生産経路である。
図3Bに示すように、デザイナバイオセーフティ特徴は多くのメカニズムにより付与され、これは、(1)デザイナプロトンチャンネルを細胞質膜に誘導可能に挿入してどのような細胞分裂もメーティング能力も永久に不能にすること、(2)デザイナ細胞分裂サイクル制御タンパク質または干渉RNAを選択的に適用して細胞分裂サイクルを永久に阻害し、好ましくは細胞をG
1相またはG
0状態に保持すること、および、(3)デザイナバイオ燃料生産経路を表出のために高CO
2要求ホスト光合成有機体を革新的に使用することを含む。デザイナバイオ燃料生産経路の例は、デザイナブタノール生産経路を含み、これは、カルビン回路と協働して二酸化炭素(CO
2)および水(H
2O)から直接にブタノールのようなバイオ燃料を合成する。デザイナ細胞分裂制御技術は、光合成バイオ燃料生産のためのデザイナ有機体に使用してバイオセーフティが確実になるように支援できる。したがって、この実施例は、細胞分裂制御可能デザイナーバイオ燃料生産藻類、シアノバクテリア、オキシクロロバクテリア、植物、または植物細胞をベースにして、とりわけ、バイオセーフティ防護されたバイオ燃料(例えばブタノールおよび/または関連する高級アルコール)生産方法を実現する。
【0125】
種々の実施例の1つにおいて、細胞分裂制御可能なデザイナブタノール生産真核藻類または植物細胞が、デザイナプロトンチャンネル遺伝子(
図2H)をホスト藻類または植物細胞(
図3B)に導入することにより、形成される。SEQ ID NO:46は、デザイナNialポロモータ制御プロトンチャンネル遺伝子(609bp)の詳細なDNAコンストラクトの例46を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、262−bpのニトレートレダクターゼNialプロモータ(21−282)、メリチンプロトンチャンネルエンコード配列(283−366)、223−bpのRbcS2ターミネータ(367−589)、および、PCR REプライマー(590−609)を含む。
【0126】
デザイナプロトンチャンネル遺伝子(
図2H)の表出は、誘導可能プロモータ、例えば、ニトレートレダクターゼ(Nial)によって制御され、これは、デザイナバイオ燃料生産毛糸遺伝子の表出を制御するためにも使用されて良い。したがって、デザイナ遺伝子の表出が誘導される前に、デザイナ有機体が、野生型の有機体とまったく同様に、光独立栄養で、CO
2を炭素源とし、H
2Oを電子源として利用する。デザイナ有機体培養が成長してバイオ燃料の光合成生産の準備ができたときに、細胞培養は、特別な誘導条件下(例えば、ニトレートレダクターゼ(Nial)プロモータが誘導プロモータとして使用されるならばニトレートを培養に付加することによって)に配置されて、デザイナプロトンチャンネル遺伝子およびデザイナバイオ燃料生産経路遺伝子の双方の表出が誘導される。プロトンチャンネル遺伝子の表出は核の中にそれが転写され、細胞質にそれが翻訳されることを通じて起こるように設計される。特別な分子設計のために、表出されたプロトンチャンネルは自動的に細胞質膜に挿入されるが、光合成チラコイド膜は完全なままに置かれる。デザイナプロトンチャンネルが細胞質膜に挿入されると、細胞質膜を横切るプロトン勾配が崩壊させられて細胞分裂およびメーティング機能が永久的に不活性となる。しかしながら、クロロプラスト内の光合成チラコイド膜は(機能的に)完全な状態に維持されてストロマ領域に表出されたデザイナバイオ燃料精製経路酵素がカルビン回路と協働してCO
2およびH
2Oからバイオ燃料を生産できるようになっている。すなわち、デザイナプロトンチャンネル遺伝子、およびデザイナバイオ燃料生産経路遺伝子の双方がターンオンするときに、デザイナ有機体は、バイオ燃料を専門的に光合成生産するための再生産不可能な細胞となる。この段階で、細胞分裂およびメーティング機能は永久的に不活性化(死滅)されているので、デザイナ有機体培養は、CO
2およびH
2Oをバイオ燃料に光化学的に変換するための触媒機能を除けば、もはや生命体ではない。事故による環境への開放がかりに起こり野生型の西郷と接触するようなことになっても、どのような遺伝子物質をも他のどのような細胞との間で、係合し、交換することがもはや不可能である。
【0127】
種々の実施例の1つによれば、ニトレートレダクターゼ(Nial)プロモータまたはニトライトレダクターゼ(nirA)プロモータは、デザイナ遺伝子の表出を制御するのに使用して好ましい誘導可能プロモータである。培養媒体中にアンモニア(ただしニトレートではない)があるときには、Nialプロモータ制御デザイナプロトンチャンネル遺伝子およびバイオ燃料生産経路遺伝子を伴う、デザイナ有機体は、野生型の有機体とまったく同様に、光独立栄養で、CO
2を炭素源とし、H
2Oを電子源として利用して成長できる。デザイナ有機体培養が成長してバイオ燃料の光合成生産の準備ができたときに、デザイナプロトンチャンネル遺伝子およびデザイナバイオ燃料生産経路遺伝子の双方の表出を、いくらかのニトレートファーティライザを培養媒体に付して誘導することが可能になる。ニトレートは、土壌中に、また地球上のほとんどすべての地表水に広く存在する。したがって、Nialプロモータ制御デザイナ有機体が事故により自然環境に放出されても、それは直ちに死滅してしまう。なぜならば、環境中のニトレートがNialプロモータ制御デザイナプロトンチャンネル遺伝子の表出をトリガーして、これが、プロトンチャンネルを細胞質膜に挿入し、もって、細胞を死滅させるからである。すなわち、Nialプロモータ制御プロトンチャンネル遺伝子を伴うデザイナ光合成有機体は、環境中のニトレートと遭遇するやいなや死滅するようにプログラムされている。Nialプロモータ制御プロトンチャンネル遺伝子を伴う細胞分裂制御可能デザイナ有機体の、この特徴により、付加的なバイオセーフティ特徴が実現される。
【0128】
プロトンチャンネル遺伝子(
図2H)をチラコイド膜対象化配列に関連して構築する技術が最近開示された(James W. Lee(2007)、Designer proton−channel transgenic algae for photobiological hydrogen production、PCT国際出願公開番号第WO2007/134340A2)。細胞分裂制御花王デザイナ有機体を製造する、この発明においては、チラコイド膜対象化配列はプロトンチャンネル遺伝子設計から省略しなければならない。例えば、Nialプロモータ制御デザイナプロトンチャンネル遺伝子の基本的な要素は、プロトンチャンネルが細胞質膜に挿入するけれども光合成チラコイド膜には挿入しないように、単純に、プロトンチャンネルエンコード配列(どのようなチラコイド膜対象化配列もない)とリンクしたNialプロモータであってよい。
【0129】
種々の実施例の1つによれば、デザイナプロトンチャンネル遺伝子およびデザイナバイオ燃料生産経路遺伝子の双方の表出を制御するために同一のプロモータ例えばNialプロモータを知要することが好ましいプラクティスである。このようにすると、デザイナバイオ燃料生産経路は、細胞分裂およびメーティングを含む所定の細胞機能を終了させるデザイナプロトンチャンネル遺伝子と同時に誘導的に表出させることができる。
【0130】
種々の実施例の1つにおいて、このデザイナバイオセーフティ実施例において使用可能な誘導可能プロモータは、ヒドロゲナーゼプロモータ(HydAl(Hydl)およびHydA2、受入番号:AJ308413、AF289201、AY090770)、Cyc6遺伝子プロモータ、Cpxl遺伝子プロモータ、熱ショックタンパク質プロモータHSP70A、CabII−1遺伝子(受入番号M24072)プロモータ、Cal遺伝子(受入番号P20507)プロモータ、Ca2遺伝子(受入番号P24258)プロモータ、ニトレートレダクターゼ(Nial)プロモータ、ニトライト−レダクターゼ遺伝子(nirA)プロモータ、双方向ヒドロゲナーゼ−遺伝子hoxプロモータ、光−および熱−応答groEプロモータ、Rubisco−オペロンrbcLプロモータ、金属(亜鉛)誘導可能smtプロモータ、鉄−応答idiAプロモータ、レドックス−応答crhRプロモー、熱ショック遺伝子hspl6.6プロモータ、小熱ショックタンパク質(Hsp)プロモータ、C0
2−応答カルボニックアンヒドラーゼ遺伝子プロモータ、緑色/赤色光応答cpcB2A2プロモータ、UV光応答lexA、recA、およびruvBプロモータ、ニトレートレダクターゼ遺伝子(narB)プロモータ、および、これらの組み合わせからなるグループから選択される。
【0131】
他の実施例において、細胞分裂制御デザイナ光合成有機体は、カルボニックアンヒドラーゼ欠損突然変異体、または高CO
2要求突然変異体をホスト有機体として使用してデザイナバイオ燃料生産有機体を形成することにより、形成される。この発明で選択して利用可能な高CO
2要求突然変異体は、(これに限定されないが)Chlamydomonas reinhardtiiカルボニックアンヒドラーゼ欠損突然変異体12−1C(CC−1219 cal mt−)、Chlamydomonas reinhardtii cia3突然変異体(Plant Physiology 2003、132:2267−2275)、Synechococcus sp. Strain PCC 7942の高C0
2要求突然変異体M3、Synechocystis sp. PCC 6803のカルボキシソーム欠損細胞(Plant biol (Stuttg) 2005、7:342−347)を含み、これはCO
2濃縮機構を欠いて0.2〜3%のCO
2のような高い濃度の下でのみ光独立栄養で成長できる。
【0132】
環境CO
2濃度レベル(380ppm)下では、カルボニックアンヒドラーゼ欠損または高CO
2要求突然変異体は一般には生き残れない。したがって、ここでのキーとなる考え方は、CO
2濃縮機構を欠く、高C0
2要求デザイナバイオ燃料生産有機体は、CO
2供給を伴う封視されたバイオリアクタ内で、常に、高いCO
2濃度レベル(0.2〜5%CO
2)の下で、成長し、光生物学的にバイオ燃料を生産するのに使用されるということである。そのようなデザイナ遺伝子組み替え有機体は、それが環境CO
2濃度レベル(380ppm=0.038%CO
2)に露呈すると生き残れない。なぜならば、有効な光合成CO
2固定のためのCO
2濃縮機構(CCM)が突然変異によって壊されているからである。そのようなデザイナ有機体が事故により自然環境に放出されても、その細胞は直ちに分裂またはメーティングができなくなり、炭素の欠乏によりすぐに死滅してしまう。なぜならば、それは、環境CO
2濃度レベル(380ppm)で光合成CO
2固定を有効に行えないからである。したがって、そのような高CO
2要求突然変異体を、デザイナバイオ燃料生産経路遺伝子の組み換え用ホストとして使用すれば、CO
2およびH
2Oからバイオセーフティ防護光生物学的にバイオ燃料を生産するために提案された細胞分裂制御可能デザイナ有機体を形成する他の方法が提供可能になる。
【0133】
他の実施例において、細胞分裂制御可能デザイナ有機体(
図3B)は、デザイナ細胞分裂サイクル調整遺伝子をバイオセーフティ制御遺伝子(
図2G)として使用することにより形成され、これは、ホスト有機体において細胞分裂サイクル(cdc)遺伝子の表出を制御して、デザイナ遺伝子の特別な誘導に基づいてその再生産機能を誘導的にターンオフし、例えば、細胞分裂およびメーティング能力を永久に遮断できるようにするものである。
【0134】
生物学的には、シアノバクテリア、藻類、および高級植物細胞において細胞成長および細胞分裂サイクルを制御するのは自然のcdc遺伝子の表出である。細胞周期の最も基本的な機能は、染色体中の膨大な量のDNAをSフェーズ(Sは合成(synthesis)を表す)で正確に複写して、つぎにこれらコピーをMフェーズ(Mは有糸分裂(mitosis)を表す)で厳格に2つの遺伝子的に同一な娘細胞へと分けていくことである。有糸分裂は典型的には染色体濃度に依存して開始する。複製されたDNAストランドは長尺化された染色体中にパッケージ化され、濃縮されてセグレゲーションに必要なよりコンパクトな染色体となる。つぎに隔膜が破裂し、各々、一対の姉妹染色分体を有する複製染色体が、有糸分裂紡錘体の微小管に結合するようになる。有糸分裂が進むと、細胞はメタフェーズ(中期)で少し止まり、このとき、染色体は有糸分裂の紡錘体の赤道面に整合させられて分離に準備をする。娘染色分体の急激な分離がアナフェーズ(後期)の初めを表し、この間に、両染色体が、紡錘体の対向する両極に移動し、ここで脱濃縮されて完全な核を再構成する。細胞はつぎに細胞質分裂(サイトキネシス:cytokinesis)によって2つに絞られ、細胞分裂が完了する。ここで、ほとんどの細胞は、プロテインの質量および細胞小器官を成長させ倍加するのに、DNAを複製し(Sフェーズ)、分裂する(Mフェーズ)のにようする時間より多くの時間を必要とすることに留意されたい。したがって、2つのギャップフェーズがある。すなわち、MフェーズおよびSフェーズの間のG
1ギャップと、Sフェーズおよび有糸分裂の間のG
2ギャップである。この結果、真核細胞の細胞周期は、伝統的には、4つの順次的なフェーズである、G
1、S、G
2、およびMに分割される。生理学的には、2つのギャップフェーズは、細胞がSフェーズおよび有糸分裂の大きな激動に対処可能であることを約束する前に、内部および外部の環境を監視して環境が適切で準備が整っているかどうかを、細胞が確かめるための時間も提供する。G
1フェーズは、この点でとくに重要である。その長さは、外部環境、および他の細胞からの細胞外信号に多分に左右される。細胞外環境が好ましくないならば、例えば、細胞はG
1を通じてプロセスを遅延させ、さらには、G
0(Gゼロ)で知られる特別な休止状態に入り、この期間、細胞は数日、数週間、数年さえも止まって、その後、増殖を再開する。実際、多くの細胞は死滅するまで永久的にG
0状態に止まる。
【0135】
種々の実施例の1つにおいて、デザイナcdc規制タンパク質をコード化するデザイナ遺伝子、または特殊なcdc−iRNAが使用されて、デザイナ遺伝子が特別な誘導条件によってトリガーされるときに、所定のcdc遺伝子の表出を阻害して細胞分裂を停止させ、メーティング能力を不能にする。細胞分裂制御可能なデザイナ培養が成長してバイオ燃料の生産の準備ができたときに、例えば、デザイナバイオ燃料生産経路遺伝子の誘導とともに、特別なデザイナcdc−iRNAの表出を誘導して細胞がG
1フェーズまたはG
0状態に永久的に滞留するようになすのが好ましいプラクティスである。このようにして、成長したデザイナ有機体細胞はCO
2およびH
2Oからバイオ燃料を光合成生産するための完全な触媒になる反面、細胞分裂およびメーティングの機能はG
1フェーズまたはG
0状態で永久的に遮断されてバイオセーフティが確実になるように支援される。
【0136】
SEQ ID NO:1−45(58−165)においてリストされた種々のデザイナバイオ燃料生産経路遺伝子を伴うバイオセーフティ実施例を使用して種々のバイオセーフティ防護の光生物学的バイオ燃料生産物(
図3A、3B、および3C)を形成できる。ここで、SEQ ID NO:46、および1−12(例1−12)は、デザイナNialプロモータ制御プロトンチャンネル遺伝子(SEQ ID NO:46)、および一組のデザイナNialプロモータ制御ブタノール生産経路遺伝子(SEQ ID NO:1−12)を含む、細胞分裂制御可能デザイナ藻類(例えばChlamydomonas)のような細胞分裂制御可能デザイナ真核有機体の例を示すことに留意されたい。デザイナプロトンチャンネル遺伝子およびデザイナバイオ燃料生産経路遺伝子はすべて同一のNialプロモータ配列によって制御されるので、これらは、
図3Bに示すように、ニトレートファーティライザを培養媒体中に付加してバイオセーフティ防護光合成バイオ燃料生産能力を付与することにより、同時に表出できる。高CO
2要求ホスト光合成有機体、例えば、Chlamydomonas reinhardtiiカルボニックアンヒドラーゼ欠損突然変異体l2−lC(CC−1219 cal mt−)、または、Chlamydomonas reinhardtii cia3突然変異体の中に、デザイナNialプロモータ制御ブタノール生産経路遺伝子(SEQ ID NO:1−12)を使用すると、デザイナ細胞分裂制御可能光合成有機体を形成してバイオセーフティを確実にする他の例を表現する。
【0137】
このデザイナバイオセーフティの特徴は他のバイオ燃料、例えば、バイオオイル、バイオ水素、エタノール、および中間生成物を生産する上でも有益である。例えば、このバイオセーフティ実施例は、SEQ ID NO:47−53に示される一組のデザイナエタノール生産経路遺伝子を組み合わせて、細胞分裂制御可能エタノール生産装置(
図3C)を表現できる。簡単に説明すると、SEQ ID NO:47は、nirAプロモータ制御デザイナNAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ遺伝子の詳細なDNAコンストラクト(1360塩基対(bp))の例47を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、Synechococcus sp.(淡水シアノバクテリア)ニトライトレダクターゼ遺伝子プロモータ配列から選択された88−bpのnirAプロモータ(21−108)、Cyanidium caldariumの細胞質NAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ配列(ジェンバンク受入番号:CAC85917)から選択され修正された酵素エンコード配列(109−1032)、308−bpのSynechococcusのrbcSターミネータ(1033−1340)、および、3'端のPCR REプライマー(1341−1360)を含む。
【0138】
SEQ ID NO:48は、デザイナnirAプロモータ制御ホスホグリセレートキナーゼのDNAコンストラクト(1621bp)の例48を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、88−bpのSynechococcus sp.strain PCC 7942のニトライトレダクターゼnirAプロモータ(21−108)、Geobacillus kaustophilusのホスホグリセレートキナーゼ配列(ジェンバンク:BAD77342)から選択されたホスホグリセレートキナーゼエンコード配列(109−1293)、308−bpのSynechococcusのrbcSターミネータ(1294−1601)、および、PCR REプライマー(1602−1621)を含む。
【0139】
SEQ ID NO:49は、デザイナnirAプロモータ制御ホスホグリセレートムターゼのDNAコンストラクト(1990bp)の例49を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、88−bpのSynechococcus sp.strain PCC 7942のニトライトレダクターゼnirAプロモータ(21−108)、9−bpのXho I NdeIサイト(109−117)、Caldicellulosiruptor saccharolyticus DSM 8903のホスホグリセレートムターゼ(ジェンバンク:ABP67536)の配列から選択されたホスホグリセレートムターゼエンコード配列(118−1653)、308−bpのSynechococcus sp. strainのrbcSターミネータ(1663−1970)、および、PCR REプライマー(1971−1990)を含む。
【0140】
SEQ ID NO:50は、デザイナnirAプロモータ制御エノラーゼのDNAコンストラクト(1765bp)の例50を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、88−bpのSynechococcus sp.strain PCC 7942のニトライトレダクターゼnirAプロモータ(21−108)、9−bpのXho I NdeIサイト(109−117)、Cyanothece sp. CCY0110のエノラーゼ(ジェンバンク:ZP 01727912)の配列から選択されたエノラーゼエンコード配列(118−1407)、21−bpのLumioタグエンコード配列(1408−1428)、停止コドンを含む、9−bpのBbaIサイト(1429−1437)、308−bpのSynechococcusのrbcSターミネータ(1438−1745)、および、3'端のPCR REプライマー(1746−1765)を含む。
【0141】
SEQ ID NO:51は、デザイナnirAプロモータ制御ピルビン酸キナーゼのDNAコンストラクト(1888bp)の例51を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、88−bpのSynechococcusのニトライトレダクターゼnirAプロモータ(21−108)、9−bpのXho I NdeIサイト(109−117)、Selenomonas ruminantiumのピルビン酸キナーゼ配列(ジェンバンク:AB037182)から選択されたピルビン酸キナーゼエンコード配列(118−1530)、21−bpのLumioタグエンコード配列(1531−1551)、9−bpのBbaIサイト(1552−1560)、308−bpのSynechococcusのrbcSターミネータ(1561−1868)、および、PCR REプライマー(1971−1990)を含む。
【0142】
SEQ ID NO:52は、デザイナnirAプロモータ制御ピルビン酸デカルボキシラーゼのDNAコンストラクト(2188bp)の例52を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、88−bpのSynechococcusのニトライトレダクターゼnirAプロモータ(21−108)、9−bpのXho I NdeIサイト(109−117)、Pichia stipitisのピルビン酸デカルボキシラーゼ配列(ジェンバンク:XM 001387668)の配列から選択されたピルビン酸デカルボキシラーゼエンコード配列(118−1830)、21−bpのLumioタグエンコード配列(1831−1851)、9−bpのBbaIサイト(1852−1860)、308−bpのSynechococcusのrbcSターミネータ(1861−2168)、および、3'端のPCR REプライマー(1971−1990)を含む。
【0143】
SEQ ID NO:53は、デザイナnirAプロモータ制御NAD(P)H依存アルコールデヒドロゲナーゼのDNAコンストラクト(1510bp)の例53を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、88−bpのSynechococcusのニトライトレダクターゼnirAプロモータ(21−108)、Kluyveromyces lactisのアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH3)遺伝子(ジェンバンク:X62766)から選択され修正された(ミトコンドリア信号ペプチド配列は除去されている)、AD(P)H依存アルコールデヒドロゲナーゼエンコード配列(109−1161)、21−bpのLumioタグエンコード配列(1162−1182)、308−bpのSynechococcusのrbcSターミネータ(1183−1490)、および、3'端のPCR REプライマー(1491−1510)を含む。
【0144】
SEQ ID NO:47−53(DNAコンストラクト例47−53)は、Synechococcus sp.ストレインPCC 7942のようなオキシホトバクテリアに使用できる一組のデザイナnirAプロモータ制御エタノール生産経路遺伝子を表すことに留意されたい。この一組のデザイナエタノール生産経路遺伝子をSynechococcus sp.ストレインPCC 7942突然変異体M3のような高CO
2要求シアノバクテリアに利用することにより、CO
2およびH
2Oからバイオ燃料をバイオセーフティ防御光合成生産するための、細胞分裂制御可能デザイナシアノバクテリアの他の例を表現する。
【0145】
[デザイナ・カルビン回路チャンネルのブタノールおよび関連高級アルコールの生産に関するその他の事項]
この発明は、二酸化炭素および水からブタノールおよび関連高級アルコールを光生物学的に生産する、デザイナDNAコンストラクト(デザイナ遺伝子)およびデザイナ遺伝子組み換え光合成有機体に関連して、デザイナ・カルビン回路チャンネルで、光合成NADPH(還元されたニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドホスフェート)増強された、経路をさらに開示する。明細書のこの文脈を通じて、さきに述べたように、「高級アルコール」または「高級アルコール」または「関連する高級アルコール」は少なくとも4個の炭素原子を有するアルコールを指し、これは直鎖または分岐アルコールの双方、例えば1−ブタノールおよび2−メチル−1−ブタノールを含む。カルビン回路チャンネルおよび光合成NADPH増強経路は、ブタノールおよび関連する高級アルコールを光生物学的に生産する、藻類およびオキシホトバクテリア(シアノバクテリアおよびオキシクロロバクテリアを含む)のようなホスト光合成有機体中のデザイナ遺伝子の利用を通じて表現されるデザイナ酵素により構築される。上述のブタノールおよび関連する高級アルコールは、1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノール、1−ペンタノール、1−ヘプタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、5−メチル−1−ヘプタノール、4−メチル−1−ペンタノール、5−メチル−1−ヘキサノール、および、6−メチル−1−ヘプタノールからなるグループから選択される。藻類およびオキシホトバクテリア(シアノバクテリアおよびオキシクロロバクテリアを含む)のようなデザイナ光合成有機体は、二酸化炭素および水から増強された光生物学的対応でブタノールおよび関連高級アルコールを生産するための、カルビン回路チャンネルおよび光合成NADPH増強経路のデザイナ遺伝子、およびバイオセーフティ防護技術を含む。
【0146】
光合成水分解および関連するプロトン勾配結合電子搬送プロセスが、アデノシン三リン酸(ATP)の形態で化学エネルギーを生成し、還元ニコチアンアミドアデニン三リン酸(NADPH)の形態で還元力を生成する。しかしながら、所定のブタノール関連代謝経路酵素、例えば、NADH依存ブタノールヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:YP_148778、NP_561774、AAG23613、ZP 05082669、 AD012118、ADC48983)は、NADPHでなく、還元されたニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)しか使用できない。したがって、ブタノールおよび関連高級アルコールを生産するためにデザイナ経路をカルビン回路に実際に結合するには、この発明に従って、有効なNADPH/NADH変換機構、および/またはNADPH利用酵素(例えばNADPH依存酵素)を用いて、互換性のあるデザイナ経路を光合成/カルビン回路プロセスに結合することが、好ましいプラクティスである。
【0147】
種々の実施例の1つにおいて、二酸化炭素および水からブタノールおよび高級アルコールを生産するために、所定のアミノ酸対処経路に組み合わせてNADPH/NADH変換機構を使用して多くの種々のデザイナ・カルビン回路チャンネル経路を形成できる。カルビン回路チャンネルおよび光合成NADPH増強経路は、典型的には、ブタノールおよび高級アルコールを生産するためのホスト藻類またはオキシホトバクテリアのようなホスト光合成有機体の中にデザイナ遺伝子を使用することにより選択的に表現されるデザイナ酵素を用いて構築される。カルビン回路チャンネルおよび光合成NADPH増強経路の構築に使用するために選択できる事例的な酵素のリストは表1に表される。
図4〜10に示されるように、カルビン回路とともに動作する、カルビン回路チャンネルおよび光合成NADPH増強経路の正味の結果は、光合成により生成されたATP(アデノシン三リン酸)およびNADPH(還元ニコチアンアミドアデニン三リン酸)を利用した、二酸化炭素(CO
2)および水(H
2O)からのブタノールおよび関連する高級アルコールの生産である。特筆すべき特徴は、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ34、および、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ35を使用してNADPH/NADH変換機構として働かせ、これが、所定の量の、光合成により製造されたNADPHをNADHに変換でき、これが、NADH依存アルコールデヒドロゲナーゼ43(このエンコード遺伝子の例は、ジェンバンク受入番号:BAB59540、CAA89136、NP_148480である)のような、NADH要求経路酵素に使用され、ブタノールおよび高級アルコールを生産する。
【0148】
より具体的には、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ34(例えば、ジェンバンク受入番号:ADC37857、ADC87332、YP_003471459、ZP_04395517、YP 003287699、ZP_07004478、ZP_04399616)は、NADPHを利用して1,3−ジホスホグリセレート(1,3−DiPGA)を3−ホスホグリセルアルデヒド(3−PGAld)および無機のホスフェート(Pi)に還元する以下の反応の触媒として働く。
1,3−DiPGA + NADPH + H
+ → 3−PGAld + NADP
+ + Pi [3]
他方、NAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ35(例えば、ジェンバンク受入番号:ADM41489、YP_003095198、ADC36961、ZP_07003925、ACQ61431、YP_002285269、ADN80469、ACI60574)は、酸化ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD
+)を1,3−DPGAに戻すことによる、3−PGAldを酸化するときの触媒として働く。
3−PGAld + NAD
+ + Pi → 1,3−DiPGA + NADH + H
+ [4]
酵素反応[3]および[4]の正味の結果は、光合成により生成されたNADPHをNADHに変換することであり、NADH依存アルコールデヒドロゲナーゼ43のような種々のNADH要求デザイナ経路酵素は、ブタノールおよび関連高級アルコールを生産する際に、このNADHを利用できる。過剰なNADHがあるときには、このNADPH/NADH変換システムが逆に動作してNADHおよびNADPHの供給をバランスさせる。したがって、ブタノールおよび関連高級アルコールの堅牢な(robust)生産を実現することが必要なとき、あるいはこれが必要であれば、デザイナスイッチ可能プロモータ、例えばnirA(または真核系についてはNial)プロモータの制御の下で、このようなNADPH/NADH変換システムを革新的に採用することが好ましいプラクティスである。光生物学的にブタノールおよび関連高級アルコールを生産するために、所定のアミノ酸代謝関連経路とともに、NADPH/NADH変換機構と組み合わせられるカルビン回路チャンネル経路が、さらに以下に説明される。
表1は、ブタノールおよび関連高級アルコールを生産するためにデザイナ・カルビン回路リンク付け経路を構築する酵素の例を列挙する。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【表25】
【表26】
【表27】
【表28】
【0149】
[デザイナ・カルビン回路チャンネル・1−ブタノール生産経路]
種々の実施例の1つにおいて、カルビン回路の中間生成物である、3−ホスホグリセレートを採って、これを、(
図4の数字ラベル34、35、03−05、36−43で示すように)NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ34、NAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ35、ホスホグリセレートムターゼ03、エノラーゼ04、ピルビン酸キナーゼ05、シトラマレートシンターゼ36、2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼ37、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ38、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39、2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ40、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41、2−ケト酸デカルボキシラーゼ42、およびアルコールデヒドロゲナーゼ(NAD依存)43を有する1組の酵素を利用して、1−ブタノールに変換する、カルビン回路チャンネル経路が形成される。この経路設計において、上述したとおり、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ34およびNAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ35は、NADPH/NADH変換機構として働き、これは、光合成により生成されたNADPHの所定の量をNADHに変換でき、NADH要求アルコールヒドロゲナーゼ43(このエンコード遺伝子の例は以下のジェンバンク受入番号:BAB59540、CAA89136、NP_148480)がこのNADHを利用でき、ブチルアルデヒドの還元により1−ブタノールが生成できる。
【0150】
種々の実施例の1つにおいて、NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ44も利用することが好ましいプラクティスであり、このデヒドロゲナーゼは、還元剤のソースとしてNADPHを利用でき、ブタノールおよび他のアルコールの増強された光生物学的生産のためのNADH供給の要求を軽減する。表1に列挙されるように、NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ44は(これに限定されないが)、ジェンバンク受入番号YP_001211038、ZP_04573952、XP_002494014、CAY71835、NP_417484、EFC99049、およびZP_02948287のいずれかを伴う酵素を含む。
【0151】
2−ケト酸デカルボキシラーゼ42(例えば、AAS49166、ADA65057、CAG34226、AAA35267、CAA59953、A0QBE6、A0PL16)、および、アルコールデヒドロゲナーゼ43(および/または44)は極めて広い基質特異性を有する。この結果、これらを使用することにより、1−ブタノールのみでなく、ホスト光合成有機体の遺伝子または代謝上の背景に基づいてプロパノールのような他のアルコールも生産できるようになる。これは、すべての2−ケト酸が、2−ケト酸デカルボキシラーゼ42およびアルコールデヒドロゲナーゼ44により、それらの広い基質特異性に起因して、アルコールに変換されるからである。したがって、他の実施例によれば、1−ブタノールが所望のときには、または所望されるならば、基質特異性酵素、例えばブタノールデヒドロゲナーゼ12を利用するのが好ましいプラクティスである。表1に列挙されるように、ブタノールデヒドロゲナーゼ12はNADH依存ブタノールデヒドロゲナーゼ(例えば、ジェンバンク:YP_148778、NP_561774、AAG23613、ZP_05082669、AD012118)、および/またはNAD(P)H依存ブタノールデヒドロゲナーゼ(例えば、NP_562172、AAA83520、EFB77036、EFF67629、ZP_06597730、EFE12215、EFC98086、ZP_05979561)である。
【0152】
種々の実施例の1つにおいて、カルビン回路の中間生成物である、3−ホスホグリセレートを採って、これを、(数字ラベル34、35、03、04、45−52、40−43(44/12)で示すように)NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ34、NAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ35、ホスホグリセレートムターゼ03、エノラーゼ04、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ45、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ46、アスパルトキナーゼ47、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ48、ホモセリンデヒドロゲナーゼ49、ホモセリンキナーゼ50、トレオニンシンターゼ51、トレオニンアンモニアリアーゼ52、2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ40、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39、2−ケト酸デカルボキシラーゼ42、およびアルコールデヒドロゲナーゼ43(および/またはNADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ44またはブタノールデヒドロゲナーゼ12)を有する1組の酵素を利用して、1−ブタノールに変換する、他のカルビン回路チャンネル経路が形成される。
【0153】
他の実施例によれば、アミノ酸代謝関連の1−ブタノール生産経路(数字ラベル03−05、36−43;および/または03、04、45−52、および39−43(44/12))は、他の光生物学的ブタノール生産経路と組み合わせて、および/または並行して、動作可能である。例えば、
図4に示すように、フルクトース−6−ホスフェート分岐の1−ブタノール生産経路(数字ラベル13−32および44/12は、ピルビン酸、および/またはホスホエノールピルビン酸を結合点として、アミノ酸代謝関連経路(数字ラベル36−42および/または45−52および40−42)の部分とともに動作可能である。
【0154】
デザイナ・カルビン回路チャンネルの1−ブタノール生産経路遺伝子(DNAコンストラクト)の例は、DNA配列表に示される。SEQ ID NO:58−70は、Thermosynechococcus elongatus BP1のようなホストオキシホトバクテリア中の、デザイナnirAプロモータ制御カルビン回路チャンネルの1−ブタノール生産経路(
図4に数字ラベル34、35、03−05、および36−43に示すような)のための一組のデザイナ遺伝子を示す。簡単に説明すると、SEQ ID NO:58は、デザイナnirAプロモータ制御のNADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(34)のDNAコンストラクト(1417bp)の例58を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Staphylococcus aureus 04−02981のNADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:ADC37857)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1277)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1278−1397)、および、3'端のPCR REプライマー(1398−1417)を含む。
【0155】
SEQ ID NO:59は、デザイナnirAプロモータ制御のNAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(35)のDNAコンストラクト(1387bp)の例59を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Edwardsiella tarda FL6−60のNAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:ADM41489)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1247)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1248−1367)、および、3'端のPCR REプライマー(1368−1387)を含む。
【0156】
SEQ ID NO:60は、デザイナnirAプロモータ制御のホスホグリセレートムターゼ(03)のDNAコンストラクト(1627bp)の例60を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Oceanithermus profundus DSM 14977のホスホグリセレートムターゼ(ジェンバンク:ADR35708)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1487)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1488−1607)、および、PCR REプライマー(1659−1678)を含む。
【0157】
SEQ ID NO:61は、デザイナnirAプロモータ制御のエノラーゼ(04)のDNAコンストラクト(1678bp)の例61を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Syntrophothermusのエノラーゼ(ジェンバンク:ADI02602)の配列から選択された酵素エンコード配列(252−1538)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1539−1658)、および、PCR REプライマー(1659−1678)を含む。
【0158】
SEQ ID NO:62は、デザイナnirAプロモータ制御のピルビン酸キナーゼ(05)のDNAコンストラクト(2137bp)の例62を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Syntrophothermus lipocalidusのピルビン酸キナーゼ(ジェンバンク:ADI02459)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1997)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1998−2117)、および、PCR REプライマー(2118−2137)を含む。
【0159】
SEQ ID NO:63は、デザイナnirAプロモータ制御のシトラマレートシンターゼ(36)のDNAコンストラクト(2163bp)の例63を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、305−bpのnirAプロモータ(21−325)、Hydrogenobacter thermophilus TK−6のシトラマレートシンターゼ(YP_003433013)から選択され修正された酵素エンコード配列(326−1909)、BP1からの234−bpのrbcSターミネータ(1910−2143)、および、PCR REプライマー(2144−2163)を含む。
【0160】
SEQ ID NO:64は、デザイナnirAプロモータ制御の3−イソプロピルリンゴ酸/(R)−2−メチルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(37)のDNAコンストラクト(2878bp)の例64を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Eubacteriumの3−イソプロピルリンゴ酸/(R)−2−メチルリンゴ酸デヒドロゲナーゼの大サブユニット(YP 002930810)の配列から選択され修正された3−イソプロピルリンゴ酸/(R)−2−メチルリンゴ酸デヒドロゲナーゼの大サブユニットエンコード配列(252−2012)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(2013−2243)、Eubacteriumの3−イソプロピルリンゴ酸/(R)−2−メチルリンゴ酸デヒドロゲナーゼの小サブユニット(YP 002930809)の配列から選択され修正された3−イソプロピルリンゴ酸/(R)−2−メチルリンゴ酸デヒドロゲナーゼの小サブユニットエンコード配列(2244−2738)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(2739−2858)、および、PCR REプライマー(2859−2878)を含む。
【0161】
SEQ ID NO:65は、デザイナnirAプロモータ制御の3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ(38)のDNAコンストラクト(2380bp)の例65を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Thermotoga petrophilaの 3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼの大サブユニット(ABQ46641)の配列から選択され修正された3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼの大サブユニットエンコード配列(252−1508)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(1509−1739)、Thermotogaの3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼの小サブユニット(ABQ46640)の配列から選択され修正された3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼの小サブユニットエンコード配列(1740−2240)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(2241−2360)、および、PCR REプライマー(2361−2380)を含む。
【0162】
SEQ ID NO:66は、デザイナnirAプロモータ制御の3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(39)のDNAコンストラクト(1456bp)の例66を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Thermotogaの3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:CP000702領域349983..351047)の配列から選択され修正された3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼエンコード配列(252−1316)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1317−1436)、および、PCR REプライマー(1437−1456)を含む。
【0163】
SEQ ID NO:67は、デザイナnirAプロモータ制御の2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ(40、EC4.1.3.12)のDNAコンストラクト(1933bp)の例67を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatusからのnirAプロモータ(21−251)、Thermotoga petrophilaの 3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(CP000702領域:352811..354352)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1793)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1794−1913)、および、PCR REプライマー(1437−1456)を含む。
【0164】
SEQ ID NO:68は、デザイナnirAプロモータ制御のイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ(41)のDNAコンストラクト(2632bp)の例68を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Geobacillus kaustophilusの3−イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼの大サブユニット((YP_148509)の配列から選択され修正された3−イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼの大サブユニットエンコード配列(252−1667)、231−bpのThermosynechococcusからのnirAプロモータ(1668−1898)、Geobacillus kaustophilusの3−イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼの小サブユニット(YP_148508)の配列から選択された3−イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼの小サブユニットエンコード配列(1899−2492)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(2493−2612)、および、PCR REプライマー(2613−1632)を含む。
【0165】
SEQ ID NO:69は、デザイナnirAプロモータ制御の2−ケト酸デカルボキシラーゼ(42)のDNAコンストラクト(2035bp)の例69を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Lactococcus lactisの分岐鎖αケト酸デカルボキシラーゼ(AAS49166)の配列から選択され修正された2−ケト酸デカルボキシラーゼエンコード配列(252−1895)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1896−2015)、および、3'端のPCR REプライマー(2016−2035)を含む。
【0166】
SEQ ID NO:70は、デザイナnirAプロモータ制御のNAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ(43)のDNAコンストラクト(1426bp)の例70を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Aeropyrum pernix Klの依存アルコールデヒドロゲナーゼ(NP_148480)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1286)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1287−1406)、および、PCR REプライマー(1407−1426)を含む。
【0167】
先に述べたように、還元剤のソースとしてNADPHを使用できるNADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ44を使用すると、増強した光生物学的なブタノールおよび他のアルコールの生産に必要なNADHの供給要求を緩和するのに役立つ。SEQ ID NO:71は、デザイナnirAプロモータ制御のNADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ(44)のDNAコンストラクト(1468bp)の例71を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、広範な基質特異性を伴う、Pichia pastorisのNADPH依存中鎖アルコールデヒドロゲナーゼ(XP 002494014)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1328)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1329−1458)、および、3'端のPCR REプライマー(2016−2035)を含む。例の1つにおいて、このタイプのNADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子(SEQ ID NO:71)はカルビン回路チャンネルブタノール生産経路の構築にも使用できる。
【0168】
ただし、2−ケト酸デカルボキシラーゼ(42、SEQ ID NO:69)、およびアルコールデヒドロゲナーゼ(43、SEQ ID NO:70;または44、SEQ ID NO:71)は広範な基質特異性を伴うので、デザイナ遺伝子SEQ ID NO:69、およびSEQ ID NO:71(および/またはSEQ ID NO:71)によって表出された経路では、単一のアルコールが生産されるのでなくアルコール混合物が生産されることになる。なぜならば、すべての2−ケト酸は、2つの広範な基質の酵素によってアルコールに変換できるからである。したがって、1−ブタノールの特異性を向上させるには、より基質特異性があるブタノールデヒドロゲナーゼ12を使用することが好ましいプラクティスである。SEQ ID NO:72は、デザイナnirAプロモータ制御のNADH依存ブタノールデヒドロゲナーゼ(12a)のDNAコンストラクト(1555bp)の例72を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Geobacillus kaustophilusのNADH依存ブタノールデヒドロゲナーゼ(YP_148778)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1415)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1416−1535)、および、3'端のPCR REプライマー(1536−1555)を含む。
【0169】
SEQ ID NO:73は、デザイナnirAプロモータ制御のNADPH依存ブタノールデヒドロゲナーゼ(12b)のDNAコンストラクト(1558bp)の例73を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Clostridium perfringensのNADPH依存ブタノールデヒドロゲナーゼ(NP 562172)の配列から選択され修正されたNADPH依存ブタノールデヒドロゲナーゼエンコード配列(252−1418)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1419−1528)、および、3'端のPCR REプライマー(1529−1558)を含む。
【0170】
SEQ ID NO:72および/または73(12aおよび/または12b)を、SEQ ID NO:758−69とともに使用すると、
図4において34、35、03−05、36−42、および12の数字ラベルで示すような特別なカルビン回路チャンネル・1−ブタノール生産経路が表現される。
【0171】
SEQ ID NO:74−81は、代替的な(アミノ酸代謝関連)経路(
図4の45−52)を表し、これは、カルビン回路チャンネル・1−ブタノール生産経路において、ホスホエノールピルビン酸の点から分岐して2−ケトブチレートの点で一緒になる。簡単に説明すると、SEQ ID NO:74は、デザイナnirAプロモータ制御のホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(45)のDNAコンストラクト(3646bp)の例74を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Thermaerobacter subterraneus DSM 13965のホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(EFR61439)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−3506)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(3507−3626)、および、3'端のPCR REプライマー(3627−3646)を含む。
【0172】
SEQ ID NO:75は、デザイナnirAプロモータ制御のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(46)のDNAコンストラクト(1591bp)の例75を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Thermotoga lettingaeのアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(YP_001470126)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1451)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1452−1471)、および、PCR REプライマー(1472−1591)を含む。
【0173】
SEQ ID NO:76は、デザイナnirAプロモータ制御のアスパラギン酸キナーゼ(47)のDNAコンストラクト(1588bp)の例76を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Thermotoga lettingaeのTMOアスパラギン酸キナーゼ(YP_001470361)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1448)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1449−1568)、および、PCR REプライマー(1569−1588)を含む。
【0174】
SEQ ID NO:77は、デザイナnirAプロモータ制御のアスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ(48)のDNAコンストラクト(1411bp)の例77を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Thermotoga lettingaeのTMOアスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ(YP_001470981)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1271)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1272−1391)、および、3'端のPCR REプライマー(1392−1411)を含む。
【0175】
SEQ ID NO:78は、デザイナnirAプロモータ制御のホモセリンデヒドロゲナーゼ(49)のDNAコンストラクト(1684bp)の例78を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Syntrophothermus lipocalidus DSM 12680のホモセリンデヒドロゲナーゼ(ADI02231)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1544)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1545−1664)、および、3'端のPCR REプライマー(1665−1684)を含む。
【0176】
SEQ ID NO:79は、デザイナnirAプロモータ制御のホモセリンキナーゼ(50)のDNAコンストラクト(1237bp)の例79を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Thermotoga petrophila RKU−1のホモセリンキナーゼ(YP_001243979)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1097)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1098−1217)、および、3'端のPCR REプライマー(1218−1237)を含む。
【0177】
SEQ ID NO:80は、デザイナnirAプロモータ制御のトレオニンシンターゼ(51)のDNAコンストラクト(1438bp)の例80を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Thermotogaのトレオニンシンターゼ(YP_001243978)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1298)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1299−1418)、および、PCR REプライマー(1419−1438)を含む。
【0178】
SEQ ID NO:81は、デザイナnirAプロモータ制御のトレオニンアンモニアリアーゼ(52)のDNAコンストラクト(1600bp)の例81を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Geobacillus kaustophilusのトレオニンアンモニアリアーゼ(BAD75876)Thermotogaの配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1460)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1461−1580)、および、3'端のPCR REプライマー(1581−1600)を含む。
【0179】
SEQ ID NO:58−61、74−81、66−69、および72(および/または73)は、34、35、03、04、45−52、40、41、39、42、および12のカルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強・1−ブタノール生産経路を表現し、他方、SEQ ID NO:58−69および72(および/または93)は、
図4において、34、35、03−05、36−42、および12として数字ラベル付けされる、他のカルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強・1−ブタノール生産経路を表現することに留意されたい。カルビン回路と協働するデザイナ光合成NADPH増強経路の正味の結果は、光合成により生成されたATP(アデノシン三リン酸)およびNADPH(還元されたニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート)を用いて、次のプロセス反応に従って、二酸化炭素(CO
2)および水(H
2O)から1−ブタノール(CH
3CH
2CH
2CH
2OH)を光生物学的に生産することである。
4CO
2 + 5H
2O → CH
3CH
2CH
2CH
2OH + 6O
2 [5]
【0180】
[デザイナ・カルビン回路チャンネル・2−メチル−1−ブタノール生産経路]
種々の実施例の1つにおいて、カルビン回路の中間生成物である、3−ホスホグリセレートを採って、これを、(
図5において数字ラベル34、35、03−05、36−39、53−55、42、43、または44/56で示すように)NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ34、NAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ35、ホスホグリセレートムターゼ03、エノラーゼ04、ピルビン酸キナーゼ05、シトラマレートシンターゼ36、2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼ37、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ38、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39、アセト乳酸シンターゼ53、ケトール酸レダクトイソメラーゼ54、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ55、2−ケト酸デカルボキシラーゼ42、およびNAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ43(またはNADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ44;より好ましくは、2−メチルブチルアルデヒドレダクターゼ56)を有する1組の酵素を例えば利用して、2−メチル−1−ブタノールに変換する、カルビン回路チャンネル・2−メチル−1−ブタノール生産経路が形成される。
【0181】
他の実施例において、カルビン回路の中間生成物である、3−ホスホグリセレートを採って、これを、(
図5において数字ラベル34、35、03、04、45−55、42、43、または44/56で示すように)NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ34、NAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ35、ホスホグリセレートムターゼ03、エノラーゼ04、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ45、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ46、アスパルトキナーゼ47、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ48、ホモセリンデヒドロゲナーゼ49、ホモセリンキナーゼ50、トレオニンシンターゼ51、トレオニンアンモニアリアーゼ52、アセト乳酸シンターゼ53、ケトール酸レダクトイソメラーゼ54、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ55、2−ケト酸デカルボキシラーゼ42、およびNAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ43(またはNADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ44;より好ましくは、2−メチルブチルアルデヒドレダクターゼ56)を有する1組の酵素を例えば利用して、2−メチル−1−ブタノールに変換する、カルビン回路チャンネル・2−メチル−1−ブタノール生産経路が形成される。
【0182】
これら経路(
図5)は、
図4の経路と極めて類似している。ただし、アセト乳酸シンターゼ53、ケトール酸レダクトイソメラーゼ54、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ55、および、2−メチルブチルアルデヒドレダクターゼ56を使用する点で異なる。
【0183】
SEQ ID NO:82は、デザイナnirAプロモータ制御のアセト乳酸シンターゼ(53)のDNAコンストラクト(2107bp)の例82を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Bacillus subtilis subsp. subtilis str. 168のアセト乳酸シンターゼ(CAB07802)の配列から選択され修正されたアセト乳酸シンターゼエンコード配列(252−1967)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1968−2087)、および、3'端のPCR REプライマー(2088−2107)を含む。
【0184】
SEQ ID NO:83は、デザイナnirAプロモータ制御のケトール酸レダクトイソメラーゼ(54)のDNAコンストラクト(1405bp)の例83を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Syntrophothermus lipocalidus DSM 12680のケトール酸レダクトイソメラーゼ(ADI02902)の配列から選択され修正されたケトール酸レダクトイソメラーゼエンコード配列(252−1265)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(12668−1385)、および、3'端のPCR REプライマー(1386−1405)を含む。
【0185】
SEQ ID NO:84は、デザイナnirAプロモータ制御のジヒドロキシ酸デヒドラターゼ(55)のDNAコンストラクト(2056bp)の例84を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Thermotogaのジヒドロキシ酸デヒドラターゼ(YP 001243973)の配列から選択された酵素エンコード配列(252−1916)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1917−2036)、および、PCR REプライマー(2037−2056)を含む。
【0186】
SEQ ID NO:85は、デザイナnirAプロモータ制御の2−メチルブチルアルデヒドレダクターゼ(56)のDNAコンストラクト(1360bp)の例85を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Schizosaccharomyces japonicusの2−メチルブチルアルデヒドレダクターゼ(XP_002173231)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1220)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1221−1340)、および、3'端のPCR REプライマー(1341−1360)を含む。
【0187】
SEQ ID NO:58−66、82−84、69、および85は、34、35、03−05、36−39、53−55、42、および56として数字ラベル付けされたカルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強・2−メチル−1−ブタノール生産経路を表現できるサンプルデザイナ遺伝子の他の組を表現することに留意されたい。ここで、SEQ ID NO:58−66、82−84、69、および85は、
図5における、34、35、03−05、36−39、53−55、42、および56の他のカルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強・2−メチル−1−ブタノール生産経路を表現できる一組のサンプルデザイナ遺伝子を表現する。これらのデザイナ遺伝子は、
図5において13−26、36−39、53−55、42、および56(および/または、13−25、45−55、42、および56として)として数字ラベル付けされたカルビン回路フルクトース−6−ホスフェート分岐2−メチル−1−ブタノール生産経路のような所定の他の経路を表出するために他の経路遺伝子と組み合わせて使用しても良い。カルビン回路と協働するデザイナ光合成NADPH増強経路の正味の結果は、光合成により生成されたATPおよびNADPHを用いて、次のプロセス反応に従って、二酸化炭素(CO
2)および水(H
2O)から2−メチル−1−ブタノール(CH
3CH
2CH(CH
3)CH
2OH)を光生物学的に生産することである。
10CO
2 + 12H
2O → 2CH
3CH
2CH(CH
3)CH
2OH + 15O
2 [6]
【0188】
[イソブタノールおよび3−メチル−1−ブタノールを生産するカルビン回路チャンネル経路]
種々の実施例の1つによれば、カルビン回路の中間生成物である、3−ホスホグリセレートを採って、これを、(
図6において数字ラベル34、35、03−05、53−55、42、43(または44)で示すように)NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ34、NAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ35、ホスホグリセレートムターゼ03、エノラーゼ04、ピルビン酸キナーゼ05、アセト乳酸シンターゼ53、ケトール酸レダクトイソメラーゼ54、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ55、2−ケト酸デカルボキシラーゼ42、およびNAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ43(またはNADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ44)を有する1組の酵素を例えば利用して、イソブタノールに変換する、デザイナ・カルビン回路チャンネル経路が形成される。カルビン回路と協働するこの経路の正味の結果は、光合成により生成されたATPおよびNADPHを用いて、次のプロセス反応に従って、二酸化炭素(CO
2)および水(H
2O)からイソブタノール((CH
3)
2CHCH
2OH)を光生物学的に生産することである。
4CO
2 + 5H
2O → (CH
3)
2CHCH
2OH + 6O
2 [7]
【0189】
他の実施例によれば、カルビン回路の中間生成物である、3−ホスホグリセレートを採って、これを、(
図6において数字ラベル34、35、03−05、53−55、40、38、39、42、43(または44/57)で示すように)NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ34、NAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ35、ホスホグリセレートムターゼ03、エノラーゼ04、ピルビン酸キナーゼ05、アセト乳酸シンターゼ53、ケトール酸レダクトイソメラーゼ54、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ55、2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ40、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ38、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39、2−ケト酸デカルボキシラーゼ42、およびNAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ43(またはNADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ44;または、より好ましくは、3−メチルブタナールレダクターゼ57)を有する1組の酵素を例えば利用して、3−メチル−1−ブタノールに変換する、デザイナ・カルビン回路チャンネル経路が形成される。カルビン回路と協働するこの経路の正味の結果は、光合成により生成されたATPおよびNADPHを用いて、次のプロセス反応に従って、二酸化炭素(CO
2)および水(H
2O)から3−メチル−1−ブタノール(CH
3CH(CH
3)CH
2CH
2OH)を光生物学的に生産することである。
10CO
2 + 12H
2O → CH
3CH(CH
3)CH
2CH
2OH + 15O
2 [8]
【0190】
これらデザイナ経路(
図6)では
図4および5のデザイナ経路酵素の番号を流用する。ただし、3−メチルブタナールレダクターゼ57は好ましくは3−メチル−1−ブタノールの生産に使用される。これらはすべて、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ34およびNAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ35を、光合成により生成されたHADPHの所定の量をNADHに変換するNADPH/NADH変換機構として使用し、このNADHをNADH要求アルコールデヒドロゲナーゼ43のようなNADH要求経路酵素に使用させることができるという共通の特徴を伴う。
【0191】
SEQ ID NO:86は、デザイナnirAプロモータ制御の3−メチルブタナールレダクターゼ(57)のDNAコンストラクト(1420bp)の例86を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Saccharomyces cerevisiae S288cの3−メチルブタナールレダクターゼ(DAA10635)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1280)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1280−1400)、および、3'端のPCR REプライマー(1401−1420)を含む。
【0192】
SEQ ID NO:58−66、82−84、69、70(71)は、カルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強イソブタノール生産経路(34、35、03−05、53−55、42、43または44)を表現できる一組のサンプルデザイナ遺伝子を表現する。他方、SEQ ID NO:58−62、82−84、65−67、69、および86は、他のカルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強・3−メチル−1−ブタノール生産経路(
図6における、34、35、03−05、53−55、40、38、39、42、および57)を表現できる他の一組のサンプルデザイナ遺伝子を表現する。
【0193】
これらのデザイナ遺伝子は、
図6において13−26、53−54、39−40、42、および57(または43/44)で示されるカルビン回路フルクトース−6−ホスフェート分岐3−メチル−1−ブタノール生産経路のような所定の他の経路を表出するために他の経路遺伝子と組み合わせて使用しても良い。カルビン回路と協働するデザイナ光合成NADPH増強経路の正味の結果は、光合成により生成されたATPおよびNADPHを用いて、二酸化炭素(CO
2)および水(H
2O)からイソブタノール((CH
3)
2CHCH
2OH)および/または3−メチル−1−ブタノール(CH
3CH(CH
3)CH
2CH
2OH)を生産することでもある。
【0194】
[1−ヘキサノールおよび1−オクタノールを生産するカルビン回路チャンネル経路]
種々の実施例の1つによれば、カルビン回路の中間生成物である、3−ホスホグリセレートを採って、これを、(
図7において数字ラベル34、35、03−10、07'−12'で示すように)NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ34、NAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ35、ホスホグリセレートムターゼ03、エノラーゼ04、ピルビン酸キナーゼ05、ピルビン酸フェレドキシンオキシドレダクターゼ06、チオラーゼ07、3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ08、クロトナーゼ09、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ10、デザイナ3−ケトチオラーゼ07'、デザイナ3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼ08'、デザイナエノイル−CoAデヒドラターゼ09'、デザイナ2−エノイル−CoAレダクターゼ10'、デザイナアシル−CoAレダクターゼ11'、およびヘキサノールデヒロゲナーゼ12'を有する1組の酵素を例えば利用して、1−ヘキサノールに変換する、デザイナ・カルビン回路チャンネル経路が形成される。カルビン回路と協働するこの経路の正味の結果は、光合成により生成されたATPおよびNADPHを用いて、次のプロセス反応に従って、二酸化炭素(CO
2)および水(H
2O)から1−ヘキサノール(CH
3CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2OH)を光生物学的に生産することである。
6CO
2 + 7H
2O → CH
3CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2OH + 9O
2 [9]
【0195】
他の実施例によれば、カルビン回路の中間生成物である、3−ホスホグリセレートを採って、これを、(
図7において数字ラベル34、35、03−10、07'−10'、および07''−12''で示すように)NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ34、NAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ35、ホスホグリセレートムターゼ03、エノラーゼ04、ピルビン酸キナーゼ05、ピルビン酸フェレドキシンオキシドレダクターゼ06、チオラーゼ07、3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ08、クロトナーゼ09、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ10、デザイナ3−ケトチオラーゼ07'、デザイナ3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼ08'、デザイナエノイル−CoAデヒドラターゼ09'、デザイナ2−エノイル−CoAレダクターゼ10'、デザイナ・3−ケトチオラーゼ07''、デザイナ・3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼ08''、デザイナエノイル−CoAデヒドラターゼ09''、デザイナ・2−エノイル−CoAレダクターゼ10''、デザイナアシル−CoAレダクターゼ11''、および、オクタノールデヒドロゲナーゼ12''を有する1組の酵素を例えば利用して、1−オクタノールに変換する、デザイナ・カルビン回路チャンネル経路が形成される。
【0196】
これら経路は、さきに開示した1−ブタノール生産経路(03−10)の部分を伴う経路設計において著しく品質を向上させる。キーとなる特徴は、1−ヘキサノールを生産するために(
図7において07'−12'で示す)、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ34およびNAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ35を、NADPH/NADH変換機能として採用してNADPH要求デザイン炭化水素鎖伸長経路(07'ー10')を駆動する点である。
【0197】
SEQ ID NO:87−92は、一組の1−ヘキサノールを生産するためにデザイナ炭化水素鎖伸長経路(
図7において07'−12'で示す)を表す。簡単に説明すると、SEQ ID NO:87は、デザイナnirAプロモータ制御の3−ケトチオラーゼ(07')のDNAコンストラクト(1540bp)の例87を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Geobacillus kaustophilusの3−ケトチオラーゼ(YP_147173)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1400)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1401−1520)、および、PCR REプライマー(1521−1540)を含む。
【0198】
SEQ ID NO:88は、デザイナnirAプロモータ制御の3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼ(08')のDNAコンストラクト(1231bp)の例88を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Syntrophothermus lipocalidusの3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼ(YP_003702743)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1091)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1092−1211)、および、PCR REプライマー(1212−1231)を含む。
【0199】
SEQ ID NO:89は、デザイナnirAプロモータ制御のエノイル−CoAデヒドラターゼ(09')のDNAコンストラクト(1162bp)の例89を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Bordetella petriiのエノイル−CoAデヒドラターゼ(CAP41574)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1022)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1023−1442)、および、3'端のPCR REプライマー(1443−1162)を含む。
【0200】
SEQ ID NO:90は、デザイナnirAプロモータ制御の2−エノイル−CoAレダクターゼ(10')のDNAコンストラクト(1561bp)の例90を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Xanthomonas campestrisの2−エノイル−CoAレダクターゼ(CAP53709)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1421)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1422−1541)、および、PCR REプライマー(1542−1561)を含む。
【0201】
SEQ ID NO:91は、デザイナnirAプロモータ制御のアシル−CoAレダクターゼ(11')のDNAコンストラクト(1747bp)の例91を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Clostridium cellulovoransのアシル−CoAレダクターゼ(YP_003845606)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1607)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1608−1727)、および、PCR REプライマー(1728−1747)を含む。
【0202】
SEQ ID NO:92は、デザイナnirAプロモータ制御のヘキサノールデヒドロゲナーゼ(12')のDNAコンストラクト(1450bp)の例92を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Mycobacterium chubuenseのヘキサノールデヒドロゲナーゼ(ACZ56328)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−1310)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(1311−1430)、および、PCR REプライマー(1431−1450)を含む。
【0203】
SEQ ID NO:93は、デザイナnirAプロモータ制御のオクタノールデヒドロゲナーゼ(12'')のDNAコンストラクト(1074bp)の例93を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Drosophila subobscuraのオクタノールデヒドロゲナーゼの配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−934)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(935−1054)、および、3'端のPCR REプライマー(1055−1074)を含む。
【0204】
SEQ ID NO:87−91のデザイナ酵素は所定の広範な基質特異性を伴うことに留意されたい。この結果、これらは、デザイナ・3−ケトチオラーゼ07''、デザイナ・3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼ08''、デザイナエノイル−CoAデヒドラターゼ09''、デザイナ・2−エノイル−CoAレダクターゼ10''、および、デザイナアシル−CoAレダクターゼ11''としても使用できる。したがって、SEQ ID NO:87−91および93は、1−オクタノール生産のための他のデザイナ炭化水素鎖伸長経路(
図7において07'−10'および07''ー12''で示す)を表現することができる1組のデザイナ遺伝子を表す。SEQ ID NO:93(オクタノールデヒドロゲナーゼ12''をエンコードする)はこの経路において1−オクタノールを生産可能にするキーとなるデザイナ遺伝子である。カルビン回路と協働するこの経路の正味の結果は、光合成により生成されたATPおよびNADPHを用いて、次のプロセス反応に従って、二酸化炭素(CO
2)および水(H
2O)から1−オクタノール(CH
3CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2OH)を光生物学的に生産することである。
8CO
2 + 9H
2O → CH
3CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2OH + 12O
2 [10]
【0205】
[1−ペンタノール、1−ヘキサノールおよび1−ヘプタノールを生産するカルビン回路チャンネル経路]
種々の実施例の1つによれば、カルビン回路の中間生成物である、3−ホスホグリセレートを採って、これを、(
図8において数字ラベル34、35、03−05、36−41、39、39'−43'、39'ー43'、12'、および39''ー43''で示すように)NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ34、NAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ35、ホスホグリセレートムターゼ03、エノラーゼ04、ピルビン酸キナーゼ05、シトラマレートシンターゼ36、2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼ37、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ38、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39、2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ40、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ40'、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41'、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39'、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ42'、短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ43'、ヘキサノールデヒドロゲナーゼ12'、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ40''、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41''、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39''、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ42''、およびデザイナアセト乳酸シンターゼ53、ケトール酸レダクトイソメラーゼ54、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ55、2−ケト酸デカルボキシラーゼ42、および、短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ43''を有する1組の酵素を例えば利用して、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、および/または、1−ヘプタノールに変換する、デザイナ・カルビン回路チャンネル経路が形成される。この経路は、カルビン回路と協働して、光合成により生成されたATPおよびNADPHを用いて、次のプロセス反応に従って、二酸化炭素(CO
2)および水(H
2O)から1−ペンタノール(CH
3CH
2CH
2CH
2CH
2OH)、1−ヘキサノール(CH
3CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2OH)、および/または1−ヘプタノール(CH
3CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2OH)を光生物学的に生産することである。
10CO
2 + 12H
2O → 2CH
3CH
2CH
2CH
2CH
2OH + 15O
2 [11]
6CO
2 + 7H
2O → CH
3CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2OH + 9O
2 [12]
14CO
2 + 16H
2O → 2CH
3CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2OH + 21O
2 [13]
【0206】
他の実施例によれば、カルビン回路の中間生成物である、3−ホスホグリセレートを採って、これを、(
図8において数字ラベル34、35、03−05、45−52、40、41、39、39'−43'、12'、および39''ー43''で示すように)NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ34、NAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ35、ホスホグリセレートムターゼ03、エノラーゼ04、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ45、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ46、アスパルトキナーゼ47、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ48、ホモセリンデヒドロゲナーゼ49、ホモセリンキナーゼ50、トレオニンシンターゼ51、トレオニンアンモニアリアーゼ52、2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ40、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ40'、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41'、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39'、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ42'、短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ43'、ヘキサノールデヒドロゲナーゼ12'、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ40''、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41''、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39''、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ42''、および短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ43''を有する1組の酵素を例えば利用して、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、および/または、1−ヘプタノールに変換する、デザイナ・カルビン回路チャンネル経路が形成される。
【0207】
これら経路(
図8)は、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ34およびNAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ35を、NADPH/NADH変換機構として使用し、デザイナ・カルビン回路チャンネル経路をデザイナ炭化水素鎖伸長経路(40'、41'、39')と組み合わせて、1−ペンタノール、1−ヘキサノールおよび/または1−ヘプタノールの生産を推進するという共通の特徴を伴う。この実施例は、2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ40、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39、2−ケト酸デカルボキシラーゼ42、および短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ43が、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ40'、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41'、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39'、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ42'、短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ43'、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ40''、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41''、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39''、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ42''、および短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ43''として機能できるようにして、これらの広範な基質特異性の利点も有する。
【0208】
この場合、所定の混乱性を伴って適切に短鎖アルコールデヒドロゲナーゼを選択するも重要である。SEQ ID NO:94は、デザイナnirAプロモータ制御の短鎖アルコールデヒドロゲナーゼのDNAコンストラクト(1096bp)の例94を表し、これはPCR FDプライマー(配列1−20)、231−bpのThermosynechococcus elongatus BP1からのnirAプロモータ(21−251)、Pyrococcus furiosus DSM 3638の短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ(AAC25556)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(252−956)、BP1からの120−bpのrbcSターミネータ(957−1076)、および、3'端のPCR REプライマー(1077−1096)を含む。
【0209】
したがって、SEQ ID NO:58−69および94は、
図8において数字ラベル34、35、03−05、36−41、39、39'−43'、39''−43''で示されるカルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強・1−ペンタノール、1−ヘキサノールおよび/または1−ヘプタノール生産経路を表現できる一組のデザイナ遺伝子を表現する。同様に、SEQ ID NO:58−61、74−81、66−69、および94は、
図8において数字ラベル34、35、03、04、45−52、40、41、39、39'−43'、39''−43''で示されるカルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強・1−ペンタノール、1−ヘキサノールおよび/または1−ヘプタノール生産経路を表現できる他の一組のサンプルデザイナ遺伝子を表現する。ここで、これら2つの経路は、ともに、単一のアルコールではなく異なる鎖長のアルコール混合物を生成することに留意されたい。なぜならば、混雑性を伴う、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ42'およびデザイナ短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ43'を利用して、2−ケト酸(例えば2−ケトヘキサノエート、2−ケトヘプタノエート、および2−ケトオクタノエート)がアルコールに変換されるからである。
【0210】
生成物の特定性を向上させるには、基質特異性のあるデザイナ酵素を使用することが好ましいプラクティスである。例えば、混雑性の短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ(43')の代わりに基質特異性のあるデザイナ1−ヘキサノールデヒドロゲナーゼ12'(SEQ ID NO:92)を使用すれば、1−ヘキサノールについての生成物特定性が向上する。この結果、SEQ ID NO:58−69および92は、
図8において数字ラベル34、35、03−05、36−41、39、39'−43'、39''−42''および12'で示されるカルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強・1−ヘキサノール生産経路を表現できる一組のサンプルデザイナ遺伝子を表現する。
【0211】
[3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、および5−メチル−1−ヘプタノールを生産するカルビン回路チャンネル経路]
種々の実施例の1つによれば、カルビン回路の中間生成物である、3−ホスホグリセレートを採って、これを、(
図9において数字ラベル34、35、03−05、36−39、53−55、39'−43'、39'ー43'、および39''ー43''で示すように)NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ34、NAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ35、ホスホグリセレートムターゼ03、エノラーゼ04、ピルビン酸キナーゼ05、シトラマレートシンターゼ36、2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼ37、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ38、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39、アセト乳酸シンターゼ53、ケトール酸レダクターゼ54、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ55、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ40'、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41'、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39'、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ42'、短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ43'、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ40''、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41''、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39''、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ42''、および短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ43''を有する1組の酵素を例えば利用して、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、および/または、5−メチル−1−ヘプタノールに変換する、デザイナ・カルビン回路チャンネル経路が形成される。
【0212】
他の実施例によれば、この中間生成物である、3−ホスホグリセレートを採って、これを、(
図9において数字ラベル34、35、03、04、45−55、39、39'−43'、39'−43'、および39''ー43''で示すように)NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ34、NAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ35、ホスホグリセレートムターゼ03、エノラーゼ04、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ45、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ46、アスパルトキナーゼ47、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ48、ホモセリンデヒドロゲナーゼ49、ホモセリンキナーゼ50、トレオニンシンターゼ51、トレオニンアンモニアリアーゼ52、アセト乳酸シンターゼ53、ケトール酸レダクトイソメラーゼ54、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ55、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ40'、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41'、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39'、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ42'、短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ43'、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ40''、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41''、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39''、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ42''、および短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ43''を有する1組の酵素を例えば利用して、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、および/または、5−メチル−1−ヘプタノールに変換する、デザイナ・カルビン回路チャンネル経路が形成される。
【0213】
これら経路(
図9)は、
図8に示す経路と類似である。ただし、これらは、アセト乳酸シンターゼ53、ケトール酸レダクトイソメラーゼ54、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ55、および、2−メチルブチルアルデヒドレダクターゼ56を、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、および/または、5−メチル−1−ヘプタノールの生産経路の一部として使用する点で異なる。これらは、すべて、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ34およびNAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ35を、NADPH/NADH変換機構として使用し、デザイナ・カルビン回路チャンネル経路をデザイナ炭化水素鎖伸長経路(40'、41'、39')と組み合わせて、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、および/または、5−メチル−1−ヘプタノールの生産を推進するという共通の特徴を伴う。この実施例は、2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ40、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39、2−ケト酸デカルボキシラーゼ42、および短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ43が、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ40'、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41'、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39'、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ42'、短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ43'、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ40''、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41''、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39''、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ42''、および短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ43''として機能できるようになし、これらの広範な基質特異性の利点も有する。
【0214】
したがって、SEQ ID NO:58−69、82−84、および94は、
図9において数字ラベル34、35、03−05、36−39、53−55、39'−43'、39'−43'、および39''−43''で示されるカルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、および/または、5−メチル−1−ヘプタノール生産経路を表現できる一組のデザイナ遺伝子を表現する。同様に、SEQ ID NO:58−61、74−81、82−84、66−69、および94は、
図9において数字ラベル34、35、03、04、45−55、39'−43'、39'−43'、39''−43''で示されるカルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強・3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、および/または、5−メチル−1−ヘプタノール生産経路を表現できる他の一組のサンプルデザイナ遺伝子を表現する。カルビン回路と協働するデザイナ光合成NADPH増強経路の正味の結果は、光合成により生成されたATPおよびNADPHを用いて、次のプロセス反応に従って、二酸化炭素(CO
2)および水(H
2O)から3−メチル−1−ペンタノール(CH
3CH
2CH(CH
3)CH
2CH
2OH)、4−メチル−1−ヘキサノール(CH
3CH
2CH(CH
3)CH
2CH
2CH
2OH)、および5−メチル−1−ヘプタノール(CH
3CH
2CH(CH
3)CH
2CH
2CH
2CH
2OH)を生産することである。
6CO
2 + 7H
2O → CH
3CH
2CH(CH
3)CH
2CH
2OH + 9O
2 [14]
14CO
2 + 16H
2O → 2CH
3CH
2CH(CH
3)CH
2CH
2CH
2OH + 21O
2 [15]
8CO
2 + 9H
2O → CH
3CH
2CH(CH
3)CH
2CH
2CH
2CH
2OH + 12O
2 [16]
【0215】
[4−メチル−1−ペンタノール、5−メチル−1−ヘキサノール、および6−メチル−1−ヘプタノールを生産するカルビン回路チャンネル経路]
種々の実施例の1つによれば、カルビン回路の中間生成物である、3−ホスホグリセレートを採って、これを、(
図10において数字ラベル34、35、03−05、53−55、40、38、39、39'−43'、39'ー43'、および39''ー43''で示すように)NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ34、NAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ35、ホスホグリセレートムターゼ03、エノラーゼ04、ピルビン酸キナーゼ05、アセト乳酸シンターゼ53、ケトール酸レダクターゼ54、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ55、イソプロピルリンゴ酸シンターゼ40、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ38、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ40'、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41'、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39'、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ42'、短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ43'、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ40''、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41''、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39''、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ42''、および短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ43''を有する1組の酵素を例えば利用して、4−メチル−1−ペンタノール、5−メチル−1−ヘキサノール、および/または、6−メチル−1−ヘプタノールに変換する、デザイナ・カルビン回路チャンネル経路が形成される。
【0216】
これら経路(
図10)は、
図8に示す経路と類似である。ただし、これらは、シトラマレートシンターゼ36、および2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼ37を使用せず、アセト乳酸シンターゼ53、ケトール酸レダクトイソメラーゼ54、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ55を、4−メチル−1−ペンタノール、5−メチル−1−ヘキサノール、および/または、6−メチル−1−ヘプタノールの生産経路の一部として使用する点で異なる。これらは、すべて、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ34およびNAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ35を、NADPH/NADH変換機構として使用し、デザイナ・カルビン回路チャンネル経路をデザイナ炭化水素鎖伸長経路(40'、41'、39')と組み合わせて、4−メチル−1−ペンタノール、5−メチル−1−ヘキサノール、および6−メチル−1−ヘプタノールの生産を推進するという共通の特徴を伴う。この実施例は、2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ40、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39、2−ケト酸デカルボキシラーゼ42、および短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ43が、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ40'、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41'、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39'、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ42'、短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ43'、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ40''、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ41''、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ39''、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ42''、および短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ43''として機能できるようになし、これらの広範な基質特異性の利点も有する。
【0217】
したがって、SEQ ID NO:58−62、82−84、65−69、および94は、
図10において数字ラベル34、35、03−05、53−55、40、38、39、39'−43'、39'−43'、および39''−43''で示されるカルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強、4−メチル−1−ペンタノール、5−メチル−1−ヘキサノール、および/または、6−メチル−1−ヘプタノール生産経路を表現できる一組のデザイナ遺伝子を表現する。カルビン回路と協働するデザイナ光合成NADPH増強経路の正味の結果は、光合成により生成されたATPおよびNADPHを用いて、次のプロセス反応に従って、二酸化炭素(CO
2)および水(H
2O)から4−メチル−1−ペンタノール(CH
3CH(CH
3)CH
2CH
2CH
2OH)、5−メチル−1−ヘキサノール(CH
3CH(CH
3)CH
2CH
2CH
2CH
2OH)、および6−メチル−1−ペプタノール(CH
3CH(CH
3)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2OH)を生産することである。
6CO
2 + 7H
2O → CH
3CH(CH
3)CH
2CH
2CH
2OH + 9O
2 [17]
14CO
2 + 16H
2O → 2CH
3CH(CH
3)CH
2CH
2CH
2CH
2OH + 21O
2 [18]
8CO
2 + 9H
2O → CH
3CH(CH
3)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2OH + 12O
2 [19]
【0218】
[ブタノールおよび関連高級アルコールを生産するカルビン回路チャンネル経路を伴うデザイナオキシホトバクテリア]
種々の実施例の1つによれば、所定のオキシホトバクテリアホストの遺伝子形質探検においてデザイナDNAを使用することにより、二酸化炭素および水からブタノールおよび関連高級アルコールを光生物学的に生産するカルビン回路チャンネル経路を伴う種々の遺伝子組み替えオキシホトバクテリアを形成できる。デザイナ遺伝子組み替え光合成有機体ベースのバイオ燃料生産に使用する際にバイオセーフティを確実にするには、バイオセーフティ防護された特徴をデザイナ遺伝子組み換え光合成有機体にも組み込むことが好ましいプラクティスである。したがって、この発明によれば、デザイナ遺伝子組み替えオキシホトバクテリアを含む種々のデザイナ光合成有機体が、細胞分裂制御可能なデザイナ遺伝子組み替え古豪性有機体をベースにしてバイオセーフティ防護された光生物学的バイオ燃料生産技術を用いて形成される。細胞分裂制御可能なデザイナ高暴政有機体は2つのキーとなる機能を含む。すなわち、デザイナバイオセーフティ機能およびデザイナバイオ燃料生産経路である。デザイナバイオセーフティ特徴は多くのメカニズムにより付与され、これは、(1)デザイナプロトンチャンネルを細胞質膜に誘導可能に挿入してどのような細胞分裂もメーティング能力も永久に不能にすること、(2)デザイナ細胞分裂サイクル制御タンパク質または干渉RNA(iRNA)を選択的に適用して細胞分裂サイクルを永久に阻害し、好ましくは細胞をG
1相またはG
0状態に保持すること、および、(3)デザイナバイオ燃料生産経路を表出のために高CO
2要求ホスト光合成有機体を革新的に使用することを含む。デザイナ細胞分裂制御技術は、光合成バイオ燃料生産のためのデザイナ有機体に使用してバイオセーフティが確実になるように支援できる。
【0219】
光生物学的にブタノールおよび関連高級アルコールを生産するためにデザイナ遺伝子組み替えオキシホトバクテリアを形成する際にホスト有機体として選択して使用できるオキシホトバクテリア(シアノバクテリアおよびオキシクロロバクテリアを含む)は(これに限定されないが)以下を含む。すなわち、Thermosynechococcus elongatus BP−l、Nostoc sp. PCC 7120、Synechococcus elongatus PCC6301、Syncechococcus sp. strain PCC 7942、Syncechococcus sp. strain PCC 7002、Syncechocystis sp. strain PCC 6803、Prochlorococcus marinus MED4、Prochlorococcus marinus MIT 9313, Prochlorococcus marinus NATLIA、Prochlorococcus SS120、Spirulina platensis(Arthrospira platensis)、Spirulina pacifica、Lyngbya majuscule、Anabaena sp., Synechocystis sp.、Synechococcus elongates、Synechococcus(MC−A)、Trichodesmium sp.、Richelia intracellularis、Synechococcus WH7803、Synechococcus WH8102、Nostoc punctiforme、Syncechococcus sp. strain PCC 7943、Synechocyitis PCC 6714 phycocyanin−deficient mutant PD−l、Cyanothece strain 51142、Cyanothece sp. CCYO11 0、Oscillatoria limosa、Lyngbya majuscula、Symplocamuscorum、Gloeobacter violaceus、Prochloron didemni、Prochlorothrix hollandica、Prochlorococcus marinus、Prochlorococcus SS120、Synechococcus WH8102、Lyngbyamajuscula、Symploca muscorum、Synechococcus bigranulatus, cryophilic Oscillatoria sp.、Phormidium sp.、Nostoc sp.−l、Calothrix parietina、thermophilic Synechococcus bigranulatus、Synechococcus lividus、thermophilic Mastigocladus laminosus、Chlorogloeopsis fritschii PCC 6912、Synechococcus vulcanus、Synechococcus sp. strain MA4、Synechococcus sp. strain MAI9、および Thermosynechococcus elongatusを含む。
【0220】
例の1つによれば、Thermosynechococcus elongatus BP−1のような所定のオキシホトバクテリアホストを、SEQ ID NO:58−94のようなデザイナDNAコンストラクトを使用して、遺伝子形質転換すると、ブタノールおよび関連高級アルコールを生産するカルビン回路チャンネル経路と伴う一連のデザイナ遺伝子オキシホトバクテリアを形成できる。この結果、SEQ ID NO:58−61、74−81、66−69、および72(および/または73)は、二酸化炭素および水から1−ブタノールを光生物学的に生産するカルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強・1−ブタノール生産経路(
図4において34、35、03、04、45−52、40、41、39、42、および12として数字ラベル付けされる)のデザイナ遺伝子を有するデザイナ遺伝子組み替えThermosynechococcusのようなデザイナ遺伝子組み換えオキシホトバクテリアを表現する。また、SEQ ID NO:58−69、および72(および/または73)は、二酸化炭素および水から1−ブタノールを光生物学的に生産するカルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強・1−ブタノール生産経路(
図4において34、35、03−05、36−42、および12として数字ラベル付けされる)のデザイナ遺伝子を有するデザイナ遺伝子組み替えThermosynechococcusのような他のデザイナ遺伝子組み換えオキシホトバクテリアを表現する。
【0221】
同様に、SEQ ID NO:58−66、82−84、69、および85は、二酸化炭素および水から2−メチル−1−ブタノールを光生物学的に生産するカルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強・2−メチル−1−ブタノール生産経路(
図5において34、35、03−05、36−39、53−55、42、および56として数字ラベル付けされる)を伴うデザイナ遺伝子組み替えThermosynechococcusのような他のデザイナ遺伝子組み換えオキシホトバクテリアを表現する。他方、SEQ ID NO:58−61、74−84、69および85は、二酸化炭素および水から2−メチル−1−ブタノールを光生物学的に生産するカルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強・2−メチル−1−ブタノール生産経路(
図5において34、35、03、04、45−55、42、および56として数字ラベル付けされる)を伴う他のデザイナ遺伝子組み替えThermosynechococcusを表現する。
【0222】
SEQ ID NO:58−63、82−84、69、70(または71)は、カルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強イソブタノール生産経路(34、35、03−05、53−5、42、43、または44)を伴うデザイナ遺伝子組み替えThermosynechococcusのような他のデザイナ遺伝子組み換えオキシホトバクテリアを表現する。他方、SEQ ID NO:58−62、81−83、65−67、69、および86は、カルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強・3−メチル−1−ブタノール生産経路(
図6において34、35、03−05、53−55、40、38、39、42、および57として数字ラベル付けされる)を伴う他のデザイナ遺伝子組み替えThermosynechococcusを表現する。
【0223】
SEQ ID NO:87−89は、光生物学的に1−ヘキサノールを生産するためのデザイナ炭化水素鎖伸長経路(
図7に07'−12'で示される)を伴う他のデザイナ遺伝子組み替えThermosynechococcusを表現する。他方、SEQ ID NO:87−91、および93は、光生物学的に1−オクタノールを生産するためのデザイナ炭化水素鎖伸長経路(
図7に07'−10'、および07''−12''で示される)を伴う他のデザイナ遺伝子組み替えThermosynechococcusを表現する。
【0224】
SEQ ID NO:58−69、および92は、二酸化炭素および水から1−ヘキサノールを光生物学的に生産するデザイナ・カルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強経路(
図9の34、35、03−05、36−39、53−55、39'−40'、39'−42'、および12')を伴う他のデザイナ遺伝子組み替えThermosynechococcusを表現する。
【0225】
SEQ ID NO:58−69、82−84、および94は、二酸化炭素および水から3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、および5−メチル−1−ヘプタノールを光生物学的に生産するデザイナ・カルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強経路(
図9の34、35、03−05、36−39、53−55、39'−43'、39'−43'、39''−43'')を伴うデザイナ遺伝子組み替えThermosynechococcusを表現する。また、SEQ ID NO:58−61、74−81、82−84、66−69、および94)は、二酸化炭素および水から3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、および5−メチル−1−ヘプタノールを光生物学的に生産するカルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強経路(
図9の34、35、03、04、45−55、39'−43'、39'−43'、39''−43'')を伴う他のデザイナ遺伝子組み替えThermosynechococcusを表現する。
【0226】
SEQ ID NO:58−62、82−84、および94は、二酸化炭素および水から4−メチル−1−ペンタノール、5−メチル−1−ヘキサノール、および/または6−メチル−1−ヘプタノールを光生物学的に生産するデザイナ・カルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強経路ラベル(
図10の34、35、03−05、53−55、40、38、39、39'−43'、39'−43'、および39''−43'')を伴うデザイナ遺伝子組み替えThermosynechococcusを表現する。
【0227】
適切なデザイナDNAコンストラクト(遺伝子)を利用して遺伝子形質転換を行うために、Synechococcus sp. strain PCC 7942、Synechocystis sp. strain PCC 6803、Prochlorococcus marinus、Cyanothece sp. ATCC 51142のようなホストオキシホトバクテリアを利用すると、ブタノールおよび高級アルコールを光生物学的に生産する他のデザイナオキシホトバクテリアを形成できる。例えば、SED ID NO:95−98(および/または99)を利用する遺伝子形質転換に、Synechococcus sp. strain PCC 7942をホスト有機体として用いると、1−ブタノールを光生物学的に生産するデザイナ遺伝子組み替えSynechococcusを形成できる。簡単に説明すると、SEQ ID NO:95は、デザイナNADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(34)の遺伝子の詳細なDNAコンストラクト(1438塩基対(bp))の例95を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、Synechococcus sp. strain PCC 7942(淡水シアノバクテリア)のニトライトレダクターゼ遺伝子プロモータ配列から選択された、88−bpのnirAプロモータ(21−108)、StaphylococcusのNADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートヒドロゲナーゼ配列(ジェンバンク受入番号:YP_003471459)から選択され修正された酵素エンコード配列(109−1110)、308−bpのSynechococcusのrbcSターミネータ(1111−1418)、および、PCR REプライマー(1419−1438)を含む。
【0228】
SEQ ID NO:96は、デザイナNAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(35)の遺伝子の詳細なDNAコンストラクト(1477bp)の例96を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、Synechococcusのニトライトレダクターゼ遺伝子プロモータ配列から選択された、88−bpのnirAプロモータ(21−108)、Staphylococcus aureusのNAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ配列(ジェンバンク受入番号:ADC36961)から選択され修正された酵素エンコード配列(109−1119)、308−bpのSynechococcusのrbcSターミネータ(1120−1427)、および、PCR REプライマー(1428−1447)を含む。
【0229】
SEQ ID NO:97は、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ(42)の遺伝子の詳細なDNAコンストラクト(2080bp)の例97を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、Synechococcusのニトライトレダクターゼ遺伝子プロモータ配列から選択された、88−bpのnirAプロモータ(21−108)、Lactococcus lactisの分岐鎖アルファ−ケト酸デカルボキシラーゼ(ジェンバンク受入番号:AAS49166)から選択され酵素エンコード配列(109−1752)、308−bpのSynechococcusのrbcSターミネータ(1753−2060)、および、PCR REプライマー(2060−2080)を含む。
【0230】
SEQ ID NO:98は、デザイナNADPH依存ブタノールデヒドロゲナーゼ(12a)の遺伝子の詳細なDNAコンストラクト(1603bp)の例98を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、Synechococcusのニトライトレダクターゼ遺伝子プロモータ配列から選択された、88−bpのnirAプロモータ(21−108)、ClostridiumのNADH依存ブタノールデヒドロゲナーゼ(ジェンバンク受入番号:ADOI2118)から選択され酵素エンコード配列(109−1275)、308−bpのSynechococcusのrbcSターミネータ(1276−1583)、および、PCR REプライマー(1584−1603)を含む。
【0231】
SEQ ID NO:99は、デザイナNADPH依存ブタノールデヒドロゲナーゼ(12b)の遺伝子の詳細なDNAコンストラクト(1654bp)の例99を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、Synechococcusのニトライトレダクターゼ遺伝子プロモータ配列から選択された、88−bpのnirAプロモータ(21−108)、ButyrivibrioのNADPH依存ブタノールデヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:EFF67629)から選択され酵素エンコード配列(109−1326)、308−bpのSynechococcusのrbcSターミネータ(1327−1634)、および、PCR REプライマー(1635−1654)を含む。
【0232】
SEQ ID NO:95−98(および/または99)により表現されるデザイナ遺伝子組み替えSynechococcusにおいては、Synechococcusの生来の酵素03−05、36−41、および、45−52は、34、35、42、および12のデザイナnirAプロモータ制御酵素(SEQ ID NO:95−98(および/または99)によりエンコードされる)と組み合わせて利用され、二酸化炭素および水から1−ブタノールを光生物学的に生成する(
図4)カルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強経路を付与する。
【0233】
同様に、SED ID NO:100−102(および/または103)を利用する遺伝子形質転換に、Synechocystis sp. strain PCC 6803をホスト有機体として用いると、1−ブタノールを光生物学的に生産するデザイナ遺伝子組み替えSynechocystisを形成できる。簡単に説明すると、SEQ ID NO:100は、デザイナNAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(35)の遺伝子の詳細なDNAコンストラクト(1440bp)の例100を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、89−bpのSynechocystis sp. strain PCC 6803のニトライトレダクターゼのnirAプロモータ(21−109)、Streptococcus pyogenesのNAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:YP_002285269)から選択された酵素エンコード配列(110−1011)、409−bpのSynechocystis sp. strain PCC 6803のrbcSターミネータ(1012−1420)、および、PCR REプライマー(1421−1440)を含む。
【0234】
SEQ ID NO:101は、デザイナnirAプロモータ制御2−ケト酸デカルボキシラーゼ(42)のDNAコンストラクト(2180bp)の例101を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、89−bpのSynechocystis sp. strain PCC 6803のニトライトレダクターゼのnirAプロモータ(21−109)、Lactococcus lactisの分岐鎖アルファ−ケト酸デカルボキシラーゼ(ジェンバンク:AAS49166)から選択された酵素エンコード配列(110−1753)、409−bpのSynechocystis sp. strain PCC 6803のrbcSターミネータ(1754−2162)、および、PCR REプライマー(2163−2182)を含む。
【0235】
SEQ ID NO:102は、デザイナnirAプロモータ制御NADPH依存ブタノールデヒドロゲナーゼ(12a)のDNAコンストラクト(1705bp)の例102を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、89−bpのSynechocystis sp. strain PCC 6803のニトライトレダクターゼのnirAプロモータ(21−109)、Clostridium carboxidivorans P7のNADPH依存ブタノールデヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:AD012118)から選択された酵素エンコード配列(110−1276)、409−bpのSynechocystis sp. strain PCC 6803のrbcSターミネータ(1277−1685)、および、PCR REプライマー(1686−1705)を含む。
【0236】
SEQ ID NO:103は、デザイナnirAプロモータ制御NADPH依存ブタノールデヒドロゲナーゼ(12b)のDNAコンストラクト(1756bp)の例103を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、89−bpのSynechocystis sp. strain PCC 6803のニトライトレダクターゼのnirAプロモータ(21−109)、Butyrivibrio crossotusのNADPH依存ブタノールデヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:EFF67629)から選択された酵素エンコード配列(110−1327)、409−bpのSynechocystis sp. strain PCC 6803のrbcSターミネータ(1328−1736)、および、PCR REプライマー(1737−1756)を含む。
【0237】
SEQ ID NO:100−102(および/または103)のデザイナ遺伝子を含むデザイナ遺伝子組み換えSynechocystisにおいては、Synechocystisの正味の酵素34、03−05、36−41、および45−52は、35、42、および12のデザイナnirAプロモータ制御酵素(SEQ ID NO:100−102(および/または103)によりエンコードされる)と組み合わせて利用され、二酸化炭素および水から1−ブタノールを光生物学的に生成する(
図4)カルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強経路を付与することに留意されたい。
【0238】
SED ID NO:104−109を利用する遺伝子形質転換に、Nostoc sp. strain PCC 7120をホスト有機体として用いると、2−メチル−1−ブタノールを光生物学的に生産する(
図5)デザイナ遺伝子組み替えNostocを形成できる。簡単に説明すると、SEQ ID NO:104は、デザイナhoxプロモータ制御NAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(35)のDNAコンストラクト(1655bp)の例104を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc sp. strain PCC 7120(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Streptococcus pyogenes NZ131のNAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:YP_002285269)から選択され修正された酵素エンコード配列(193−1203)、432−bpのNostoc sp. strain PCC 7120のgorターミネータ(1204−1635)、および、PCR REプライマー(1636−1655)を含む。
【0239】
SEQ ID NO:105は、デザイナhoxプロモータ制御アセト乳酸シンターゼ(53)のDNAコンストラクト(2303bp)の例105を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc sp. strain PCC 7120(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Thermosynechococcus elongatus BP−1のアセト乳酸シンターゼ(ジェンバンク:NP_682614)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−1851)、432−bpのNostoc sp. strain PCC 7120のgorターミネータ(1852−2283)、および、PCR REプライマー(2284−2303)を含む。
【0240】
SEQ ID NO:106は、デザイナhoxプロモータ制御ケトール酸レダクトイソメラーゼ(54)のDNAコンストラクト(1661bp)の例106を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc sp. strain PCC 7120(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Calditerrivibrio nitroredueensのケトール酸レダクトイソメラーゼ(ジェンバンク:YP_004050904)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−1209)、432−bpのNostoc sp. strain PCC 7120のgorターミネータ(1210−1641)、および、PCR REプライマー(1642−1661)を含む。
【0241】
SEQ ID NO:107は、デザイナhoxプロモータ制御ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ(55)のDNAコンストラクト(2324bp)の例107を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc sp. strain PCC 7120(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Marivirga traetuosa DSM 4126のジヒドロキシ酸デヒドラターゼ(ジェンバンク:YP_004053736)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−1872)、432−bpのNostoc sp. strain PCC 7120のgorターミネータ(1873−2304)、および、PCR REプライマー(2305−2324)を含む。
【0242】
SEQ ID NO:108は、デザイナhoxプロモータ制御分岐鎖アルファ−ケト酸デカルボキシラーゼ(42)のDNAコンストラクト(2288bp)の例108を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc sp. strain PCC 7120(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Lactococcus lactisの分岐鎖アルファ−ケト酸デカルボキシラーゼ(ジェンバンク:AAS49166)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−1836)、432−bpのNostoc sp. strain PCC 7120のgorターミネータ(1837−2268)、および、PCR REプライマー(2269−2288)を含む。
【0243】
SEQ ID NO:109は、デザイナhoxプロモータ制御2−メチルブチルアルデヒドレダクターゼ(56)のDNAコンストラクト(1613bp)の例109を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc sp. strain PCC 7120(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Schizosaccharomyces japonicusの2−メチルブチルアルデヒドレダクターゼ (ジェンバンク:XP_002173231)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−1461)、432−bpのNostoc sp. strain PCC 7120のgorターミネータ(1462−1893)、および、PCR REプライマー(1894−1613)を含む。
【0244】
SEQ ID NO:104−109のデザイナhoxプロモータ制御遺伝子を含むデザイナ遺伝子組み換えNostocにおいては、Nostocの正味の酵素34、03−05、36−39、および45−52は、35、53−55、42、および56のデザイナhoxプロモータ制御酵素(SEQ ID NO:104−109のDNAコントラクトによりエンコードされる)と組み合わせて利用され、二酸化炭素および水から2−メチル−1−ブタノールを光生物学的に生成する(
図5)カルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強経路を付与することに留意されたい。
【0245】
SED ID NO:110−122を利用する遺伝子形質転換に、Prochlorococcus marinus MIT 9313をホスト有機体として用いると、イソブタノール、および/または、3−メチル−1−ブタノールを光生物学的に生産する(
図6)デザイナ遺伝子組み替えProchlorococcus marinusを形成できる。簡単に説明すると、SEQ ID NO:110は、デザイナgroEプロモータ制御NAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(35)のDNAコンストラクト(1300bp)の例110を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、137−bpのProchlorococcus marinus MIT 9313の熱および光応答groEプロモータ(21−157)、Vibrio cholerae MJ−1236NAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:ACQ61431)から選択された酵素エンコード配列(158−1159)、121−bpのProchlorococcus marinus MIT 9313のrbcSターミネータ(1160−1280)、および、PCR REプライマー(1281−1300)を含む。
【0246】
SEQ ID NO:111は、デザイナgroEプロモータ制御ホスホグリセレートムターゼ(03)のDNAコンストラクト(1498bp)の例111を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、137−bpのProchlorococcus marinus MIT 9313の熱および光応答groEプロモータ(21−157)、Pelotomaculum thermopropionicum S1のホスホグリセレートムターゼ(ジェンバンク:YP_001212148)から選択された酵素エンコード配列(158−1357)、121−bpのProchlorococcus marinusのrbcSターミネータ(1358−1478)、および、PCR REプライマー(1479−1498)を含む。
【0247】
SEQ ID NO:112は、デザイナgroEプロモータ制御エノラーゼ(04)のDNAコンストラクト(1588bp)の例112を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、137−bpのProchlorococcus marinus MIT 9313の熱および光応答groEプロモータ(21−157)、Thermotogaのエノラーゼ(ジェンバンク:ABQ46079)から選択された酵素エンコード配列(158−1447)、121−bpのProchlorococcus marinusのrbcSターミネータ(1448−1568)、および、PCR REプライマー(1569−1588)を含む。
【0248】
SEQ ID NO:113は、デザイナgroEプロモータ制御ピルビン酸キナーゼ(05)のDNAコンストラクト(1717bp)の例113を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、137−bpのProchlorococcus marinus MIT 9313の熱および光応答groEプロモータ(21−157)、Thermotoga lettingae TMOのピルビン酸キナーゼ(ジェンバンク:YP_001471580)から選択された酵素エンコード配列(158−1576)、121−bpのProchlorococcus marinus MIT 9313のrbcSターミネータ(1577−1697)、および、PCR REプライマー(1698−1717)を含む。
【0249】
SEQ ID NO:114は、デザイナgroEプロモータ制御アセト乳酸シンターゼ(53)のDNAコンストラクト(2017bp)の例114を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、137−bpのProchlorococcus marinus MIT 9313の熱および光応答groEプロモータ(21−157)、Bacillus licheniformis ATCC 14580のアセト乳酸シンターゼ(ジェンバンク:AAU42663)から選択された酵素エンコード配列(158−1876)、121−bpのProchlorococcus marinus MIT 9313のrbcSターミネータ(1877−1997)、および、PCR REプライマー(1998−2017)を含む。
【0250】
SEQ ID NO:115は、デザイナgroEプロモータ制御ケトール酸レダクトイソメラーゼ(54)のDNAコンストラクト(1588bp)の例115を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、137−bpのProchlorococcus marinus MIT 9313の熱および光応答groEプロモータ(21−157)、Thermotoga petrophila RKU−1のケトール酸レダクトイソメラーゼ(ジェンバンク:ABQ46398)から選択された酵素エンコード配列(158−1168)、121−bpのProchlorococcus marinus MIT 9313のrbcSターミネータ(1169−1568)、および、PCR REプライマー(1569−1588)を含む。
【0251】
SEQ ID NO:116は、デザイナgroEプロモータ制御ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ(55)のDNAコンストラクト(1960bp)の例116を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、137−bpのProchlorococcus marinusの熱および光応答groEプロモータ(21−157)、Syntrophothermus lipoealidus DSM 12680のジヒドロキシ酸デヒドラターゼ(ジェンバンク:ADI02905)から選択された酵素エンコード配列(158−1819)、121−bpのProchlorococcus marinusのrbcSターミネータ(1820−1940)、および、PCR REプライマー(1941−1960)を含む。
【0252】
SEQ ID NO:117は、デザイナgroEプロモータ制御2−ケト酸デカルボキシラーゼ(42)のDNAコンストラクト(1945bp)の例117を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、137−bpのProchlorococcus marinusの熱および光応答groEプロモータ(21−157)、Lactococcus lactis アルファ−ケト吉草酸デカルボキシラーゼ(ジェンバンク:ADA65057)から選択された酵素エンコード配列(158−1804)、121−bpのProchlorococcusのrbcSターミネータ(1805−1925)、および、PCR REプライマー(1926−1945)を含む。
【0253】
SEQ ID NO:118は、デザイナgroEプロモータ制御アルコールデヒドロゲナーゼ(43/44)のDNAコンストラクト(1138bp)の例118を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、251−bpのProchlorococcusのnirAプロモータ(21−271)、Geobacillusの短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:YP_146837)から選択された酵素エンコード配列(272−997)、121−bpのProchlorococcusのrbcSターミネータ(998−1118)、および、PCR REプライマー(1119−1138)を含む。
【0254】
SEQ ID NO:110−118のデザイナ遺伝子を含むデザイナ遺伝子組み換えProchlorococcusにおいては、Prochlorococcusの正味の遺伝子(酵素)34は、35、03−05、53−55、42、および43/44のデザイナgroEおよびnirAプロモータ制御遺伝子(酵素)(SEQ ID NO:110−118のDNAコントラクトによりエンコードされる)と組み合わせて利用され、二酸化炭素および水からイソブタノールを光生物学的に生成する(
図6)カルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強経路を付与することに留意されたい。以下の4つのデザイナgroEプロモータ制御遺伝子(SEQ ID NO:119−122)を加えると、二酸化炭素および水からイソブタノールおよび3−メチル−1−ブタノールの双方を生成することができる(
図6に35、03−05、53−55、42、43/44、さらに加えて、38−40、および57で示す)他のデザイナ遺伝子組み換えProchlorococcusを得る。
【0255】
簡単に説明すると、SEQ ID NO:119は、デザイナgroEプロモータ制御2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ(40)のDNAコンストラクト(1816bp)の例119を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、137−bpのProchlorococcus marinus MIT 9313の熱および光応答groEプロモータ(21−157)、Pelotomaculum thermopropionicum S1の2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ(ジェンバンク:YP_001211081)から選択された酵素エンコード配列(158−1675)、121−bpのProchlorococcus marinusのrbcSターミネータ(1676−1796)、および、PCR REプライマー(1797−1816)を含む。
【0256】
SEQ ID NO:120は、デザイナgroEプロモータ制御3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ(38)のDNAコンストラクト(2199bp)の例120を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、137−bpのProchlorococcus marinus MIT 9313の熱および光応答groEプロモータ(21−157)、Pelotomaculum thermopropionicum SIの3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ大サブユニット(ジェンバンク:YP_001211082)から選択された3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ大サブユニットエンコード配列(158−1420)、137−bpのProchlorococcus marinus MIT 9313の熱および光応答groEプロモータ(1421−1557)、Pelotomaculum thermopropionicum SIの3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ小サブユニット(ジェンバンク:YP_001211083)から選択された3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ小サブユニットエンコード配列(1558−2058)、121−bpのProchlorococcus marinusのrbcSターミネータ(2059−2179)、および、PCR REプライマー(2180−2199)を含む。
【0257】
SEQ ID NO:121は、デザイナgroEプロモータ制御3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(39)のDNAコンストラクト(1378bp)の例121を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、137−bpのProchlorococcus marinus MIT 9313の熱および光応答groEプロモータ(21−157)、Syntrophothermus lipocalidus DSM 12680の3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:ADI02898)から選択された酵素エンコード配列(158−1237)、121−bpのProchlorococcus marinusのrbcSターミネータ(1238−1358)、および、PCR REプライマー(1359−1378)を含む。
【0258】
SEQ ID NO:122は、デザイナgroEプロモータ制御3−メチルブタナールレダクターゼ(57)のDNAコンストラクト(1327bp)の例122を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、137−bpのProchlorococcus marinus MIT 9313の熱および光応答groEプロモータ(21−157)、Saccharomyces cerevisiae S288cの3−メチルブタナールレダクターゼ(ジェンバンク:DAA10635)から選択された酵素エンコード配列(158−1186)、121−bpのProchlorococcus marinus MIT9313のrbcSターミネータ(1187−1307)、および、PCR REプライマー(1308−1327)を含む。
【0259】
SEQ ID NO:110−117および119−122をProchlorococcus marinus MIT9313の遺伝子形質転換に利用すると、groEプロモータ制御デザイナ・カルビン回路チャンネル経路(
図6において34(正味)、35、03−05、53−55、38−40、42、および57として特定される)を利用して、二酸化炭素および水から3−メチル−1−ブタノールを光生物学的に生成する他の遺伝子組み換えProchlorococcus marinusを形成することに留意されたい。
【0260】
SED ID NO:123−128を利用する遺伝子形質転換に、Cyanothece sp. ATCC 51142をホスト有機体として用いると、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、および/または、1−ヘプタノールを光生物学的に生産する(
図8)デザイナ遺伝子組み替えCyanotheceを形成できる。簡単に説明すると、SEQ ID NO:123は、デザイナnirAプロモータ制御2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ(40)のDNAコンストラクト(2004bp)の例123を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、203−bpのCyanotheceのnirAプロモータ(21−223)、Hydrogenobacter thermophilusの2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ配列(ジェンバンク:BAI69273)から選択された酵素エンコード配列(224−1783)、201−bpのCyanothece sp.のrbcSターミネータ(1784−1984)、および、PCR REプライマー(1985−2004)を含む。
【0261】
SEQ ID NO:124は、デザイナnieAプロモータ制御イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ(38)の大/小サブユニットのDNAコンストラクト(2648bp)の例124を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、203−bpのCyanothece sp. ATCC 51142のnirAプロモータ(21−223)、Anoxybacillus flavithermus WK1のイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼの大サブユニットの配列(ジェンバンク:YP_002314962)から選択されたイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ大サブユニットエンコード配列(224−1639)、203−bpのCyanothece sp. ATCC 51142のnirAプロモータ(1640−1842)、Anoxybacillus flavithermus WK1のイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼの小サブユニットの配列(ジェンバンク:YP_002314963)から選択されたイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ小サブユニットエンコード配列(1843−2427)、201−bpのCyanothece sp. ATCC 51142のrbcS(2428−1628)、および、PCR REプライマー(2629−2648)を含む。
【0262】
SEQ ID NO:125は、デザイナnirAプロモータ制御3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(39)のDNAコンストラクト(1530bp)の例125を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、203−bpのCyanothece sp. ATCC 51142のnirAプロモータ(21−223)、Thermosynechococcus elongatus BP−1の3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼの配列(ジェンバンク:BAC09152)から選択された酵素エンコード配列(224−1309)、201−bpのCyanothece sp. ATCC 51142のrbcSターミネータ(1310−1310)、および、PCR REプライマー(1311−1530)を含む。
【0263】
SEQ ID NO:126は、デザイナnirAプロモータ制御2−ケト酸デカルボキシラーゼ(42')のDNAコンストラクト(2088bp)の例126を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、203−bpのCyanotheceのnirAプロモータ(21−223)、Lactococcus lactisの2−ケト酸デカルボキシラーゼ(ジェンバンク:AAS49166)から選択された酵素エンコード配列(224−1867)、201−bpのCyanotheceのrbcSターミネータ(1868−2068)、および、PCR REプライマー(2069−2088)を含む。
【0264】
SEQ ID NO:127は、デザイナnirAプロモータ制御ヘキサノールデヒドロゲナーゼ(12')のDNAコンストラクト(1503bp)の例127を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、203−bpのCyanotheceのnirAプロモータ(21−223)、Mycobacterium chubuenseのヘキサノールデヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:ACZ56328)から選択された酵素エンコード配列(224−1282)、201−bpのCyanotheceのrbcSターミネータ(1283−1483)、および、PCR REプライマー(1484−1503)を含む。
【0265】
SEQ ID NO:128は、デザイナnirAプロモータ制御短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ(43'、43'')のDNAコンストラクト(1149bp)の例128を表し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、203−bpのCyanothece sp. ATCC 51142のnirAプロモータ(21−223)、Pyrococcus furiosus DSM3638の短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:AAC25556)から選択された酵素エンコード配列(224−928)、201−bpのCyanothece sp. ATCC 51142のrbcSターミネータ(929−1129)、および、PCR REプライマー(1130−1149)を含む。
【0266】
SEQ ID NO:123−127のデザイナnirAプロモータ制御遺伝子を含むデザイナ遺伝子組み換えCyanotheceにおいては、Cyanotheceの正味の酵素34、03−05、36−38、および45−52は、35、39−41(39'−41'、39'−41')、42'、および12'のデザイナnirAプロモータ制御酵素(SEQ ID NO:123−127のDNAコントラクトによりエンコードされる)と組み合わせて利用され、二酸化炭素および水から1−ヘキサノールを光生物学的に生成する(
図8)カルビン回路・3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強経路を付与することに留意されたい。乱雑性を伴う、デザイナnirAプロモータ制御遺伝子(SEQ ID NO:128)を加えると、二酸化炭素および水からイソブタノールおよび1−ペンタノール、1−ヘキサノール、および、1ヘキサノールを生成することができる(
図8に35、39−41、39'−43'、39'−43'、および39''−43''で示す)カルビン回路チャンネル経路を含む、他のデザイナ遺伝子組み換えCyanotheceを得る。
【0267】
[ブタノールおよび関連高級アルコールを生産するカルビン回路チャンネル経路を伴うデザイナ高度光合成有機体]
種々の実施例の1つによれば、植物細胞、真核水性植物(例えば、真核藻類、沈水性水草、浮草(duckweed)、ウォーターキャベツ、ワーターリリー、ホテイアオイ、Bolbitis heudelotii、Cabomba sp.、および海草を含む)のような真核光合成有機体を遺伝子形質変換する際に、所定のデザイナDNAコンストラクトを使用すると、二酸化炭素および水からブタノールおよび関連高級アルコールを生成するためのデザイナ遺伝子組み換え真核光合成有機体を形成できる。二酸化炭素および水からブタノールおよび関連高級アルコールを光生物学的に生産するためのデザイナ藻類を形成するためにホスト有機体として選択できる真核藻類は(これに限定されないが)つぎのものを含む。すなわち、Dunaliella salina、Dunaliella viridis、Dunaliella bardowil、Crypthecodinium cohnii、Schizochytrium sp.、Chlamydomonas reinhardtii、Platymonas subcordiformis、Chlorellafusca、Chlorella sorokiniana、Chlorella vulgaris、'Chlorella' ellipsoidea、Chlorella spp.、Haematococcus pluvialis;Parachlorella kessleri、Betaphycus gelatinum、Chondrus crispus、Cyanidioschyzon merolae、Cyanidium caldarium、Galdieria sulphuraria、Gelidiella acerosa、Gracilaria changii、Kappaphycus alvarezii、Porphyra miniata、Ostreococcus tauri、Porphyra yezoensis、Porphyridium sp.、Palmaria palmata、Gracilaria spp.、Isochrysis galbana、Kappaphycus spp.、Laminariajaponica、Laminaria spp.、Monostroma spp.、Nannochloropsis oculata、Porphyra spp.、Porphyridium spp.、Undaria pinnatifida、Ulva lactuca、Ulva spp.、Undaria spp.、Phaeodactylum Tricornutum、Navicula saprophila、Cylindrotheca fusiformis、Cyclotella cryptica、Euglena gracilis、Amphidinium sp.、Symbiodinium microadriaticum、 Macrocystis pyrifera、Ankistrodesmus braunii、Scenedesmus obliquus、Stichococcus sp.、Platymonas sp.、Dunalielki sauna、およびStephanoptera gracilisである。
【0268】
他の実施例によれば、遺伝子組み替え光合成有機体は、水性植物、植物細胞、緑藻類、紅藻類、褐藻類、藍藻類(シアノバクテリアおよびオキシクロロバクテリアを含むオキシホトバクテリア)、珪藻、海藻類、淡水藻類、耐塩性藻類株、耐冷温藻類株、耐熱性藻類株、アンテナ色素欠失変異体、耐ブタノール性藻類株、耐高級アルコール性藻類株、耐ブタノール性オキシホトバクテリア、耐高級アルコール性オキシホトバクテリア、およびこれらの組み合わせからなるグループから選択された、遺伝子組み替えデザイナ植物または植物細胞を有する。
【0269】
他の実施例によれば、上述の遺伝子組み替え光合成有機体は、予め定められた誘導条件の下で誘導可能なデザイナプロトンチャンネル遺伝子、予め定められた誘導条件の下で誘導可能なデザイナ細胞分裂周期iRNA遺伝子、デザイナ細胞分裂制御可能な光合成有機体を形成する際にデザイナバイオ燃料生産経路遺伝子を用いて形質転換するためのホストとしての高CO
2要求突然変異、および、これらの組み合わせからなるグループから選択されるバイオセーフティ防護機構を有する。
【0270】
真核植物細胞はより複雑で局在化しているので、水および二酸化炭素からブタノールおよび/または高級アルコールを生産するために区画上隔離された、広範な範囲の光生物学的に活性なデザイナ有機体および新規な代謝経路を形成できる。真核藻類細胞においては、例えば、デザイナ角遺伝子の翻訳は、細胞質ゾルで起こり、他方、光合成/カルビン回路は藻類の葉緑体の内部に位置づけられる。藻類の葉緑体光合成は、細胞質膜、細胞質ゾル、およびミトコンドリアのような他の細胞内器官と明確に隔離されるので、バイオセーフティ防護デザイナ藻類を、デザイナプロトンチャンネルを誘導可能に細胞質に挿入してどのような細胞分裂、および/または、メーティング能力も永久的に不能にしつつ、それでいて、ブタノールおよび関連高級アルコールを生産するデザイナバイオ燃料生産経路を伴う藻類葉緑体機能を維持することを通じて、バイオセーフティ防護のデザイナ藻類を形成できるという利点がもたらされる。ただし、デザイナ酵素を遺伝子的に葉緑体に搬入してカルビン回路を付与してCO
2およびH
2Oからの直接的なブタノールへの同化作用を方向づけることが基本である。このため、所望の結果を得るにはより複雑な遺伝子設計が必要となる。
【0271】
種々の実施例の1つにおいて、デザイナ不明遺伝子を用いてエンコードしたデザイナ回路チャンネル経路酵素は、トランジット信号ペプチド配列を利用して藻類葉緑体中に対象化されて表現される。その信号ペプチドは、ヒドロゲナーゼトランジットペプチド配列(HydA1およびHydA2)フェレドキシントランジットペプチド配列(Frx1)、チオレドキシンmトランジットペプチド配列(Trx2)、グルタミンシンターゼトランジットペプチド配列(Gs2)、LhcIIトランジットペプチド配列、PSII−Tトランジットペプチド配列(PsbT)、PSII−Sトランジットペプチド配列(PsbS)、PSII−Wトランジットペプチド配列(PsbW)、CF
0CF
1サブユニット−γトランジットペプチド配列(AtpC)、CF
0CF
1サブユニット−δトランジットペプチド配列(AtpD)、CF
0CF
1サブユニット−Iトランジットペプチド配列(AtpG)、ホトシステムI(PSI)、RubiscoSSUトランジットペプチド配列、およびこれらの組み合わせからなるグループから選択される。
【0272】
SED ID NO:129−165は、ブタノールおよび関連高級アルコールを光生物学的に生産するためにカルビン回路チャンネル光合成NADPH増強された経路を知要するデザイナ藻類のようなデザイナ真核光合成有機体を形成するためのデザイナ葉緑体対象化酵素のデザイナDNSコンストラクトの例を表す。簡単に説明すると、SEQ ID NO:129は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化ホスホグリセレートムターゼ(03)のDNAコンストラクト(1910bp)の例129を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNial(ニトレートレダクターゼ)プロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Nostoc azollaeのホスホグリセレートムターゼ(ADI65627)から選択されたホスホグリセレートムターゼエンコード配列(324−1667)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1668−1890)、および、PCR REプライマー(1891−1910)を含む。
【0273】
SEQ ID NO:130は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化エノラーゼ(04)のDNAコンストラクト(1856bp)の例130を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonas reinhardtiiのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonas reinhardtiiのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Nostoc azollaeのエノラーゼ(ADI63801)から選択され修正されたエノラーゼエンコード配列(324−1613)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1614−1836)、および、PCR REプライマー(18837−1856)を含む。
【0274】
SEQ ID NO:131は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化ピルビン酸キナーゼ(05)のDNAコンストラクト(1985bp)の例131を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonas reinhardtiiのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonas reinhardtiiのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Cyanothece sp. PCC 8802のピルビン酸キナーゼ(YP_003138017)から選択され修正された酵素エンコード配列(324−1742)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1743−1965)、および、PCR REプライマー(1966−1985)を含む。
【0275】
SEQ ID NO:132は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(34)のDNAコンストラクト(1568bp)の例132を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(21−188)、135−bpの ChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Staphylococcus lugdunensisのNADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(ADC87332)から選択され修正されたNADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼエンコード配列(324−1325)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1326−1548)、および、PCR REプライマー(1549−1568)を含む。
【0276】
SEQ ID NO:133は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化NAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(35)のDNAコンストラクト(1571bp)の例133を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNial(ニトレートレダクターゼ)プロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Flavobacteriaceae bacteriumのNAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(YP_003095198)から選択され修正されたNAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼエンコード配列(324−1328)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1329−1551)、および、PCR REプライマー(1552−1571)を含む。
【0277】
SEQ ID NO:134は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化シトラマレートシンターゼ(36)のDNAコンストラクト(2150bp)の例134を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNial(ニトレートレダクターゼ)プロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Hydrogenobacterのシトラマレートシンターゼ(AD045737)から選択されたシトラマレートシンターゼエンコード配列(324−1907)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1908−2130)、および、PCR REプライマー(20131−2150)を含む。
【0278】
SEQ ID NO:135は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化3−イソプロピルリンゴ酸/(R)−メチルリンゴ酸デヒドラターゼ(37)の大/小サブユニットのDNAコンストラクト(3125bp)の例135を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonas reinhardtiiのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Eubacterium eligensの3−イソプロピルリンゴ酸/(R)−メチルリンゴ酸デヒドラターゼの大サブユニット(YP_002930810)から選択され修正された3−イソプロピルリンゴ酸/(R)−メチルリンゴ酸デヒドラターゼの大サブユニットのエンコード配列(324−2084)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(2085−2252)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(2253−2387)、Eubacterium eligensの3−イソプロピルリンゴ酸/(R)−メチルリンゴ酸デヒドラターゼの小サブユニット(YP_002930809)から選択され修正された3−イソプロピルリンゴ酸/(R)−メチルリンゴ酸デヒドラターゼの小サブユニットのエンコード配列(2388−2882)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(2883−3105)、および、PCR REプライマー(3106−3125)を含む。
【0279】
SEQ ID NO:136は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ(38)の大/小サブユニットのDNAコンストラクト(2879bp)の例136を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Cyanotheceの3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ大サブユニット(YP_003886427)から選択され修正された3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ大サブユニットのエンコード配列(324−1727)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(1727−1894)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(1895−2029)、Cyanotheceの3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼの小サブユニット(YP_003889452)から選択され修正された3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼの小サブユニットのエンコード配列(2030−2636)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(2637−2859)、および、PCR REプライマー(2860−2879)を含む。
【0280】
SEQ ID NO:137は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(39)のDNAコンストラクト(1661bp)の例137を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNial(ニトレートレダクターゼ)プロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Cyanotheceの3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(YP_003888480)から選択され修正された3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼエンコード配列(324−1418)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1419−1641)、および、PCR REプライマー(1642−1661)を含む。
【0281】
SEQ ID NO:138は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ(40)のDNAコンストラクト(2174bp)の例138を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Cyanotheceの2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ(YP_003890122)から選択され修正された2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼエンコード配列(324−1931)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1932−2154)、および、PCR REプライマー(2155−2174)を含む。
【0282】
SEQ ID NO:139は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ(41)の大/小サブユニットのDNAコンストラクト(2882bp)の例139を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Anabaena variabilisのイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼの大サブユニット(YP_324467)から選択され修正されたイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼの大サブユニットのエンコード配列(324−1727)、2×84−bpのChlamydomonas reinhardtiiのNialプロモータ(1728−1895)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(1896−2030)、Anabaenaのイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼの小サブユニット(YP_324466)から選択され修正されたイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼの小サブユニットの小サブユニットのエンコード配列(2031−2639)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(2640−2862)、および、PCR REプライマー(2863−2882)を含む。
【0283】
SEQ ID NO:140は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化2−ケト酸デカルボキシラーゼ(42)のDNAコンストラクト(2210bp)の例140を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Lactococcusの2−ケト酸デカルボキシラーゼ(AAS49166)から選択された2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼエンコード配列(324−1967)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1968−2190)、および、PCR REプライマー(2191−2210)を含む。
【0284】
SEQ ID NO:142は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化NADH依存アルコールデヒドロゲナーゼ(43)のDNAコンストラクト(1724bp)の例141を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Gluconacetobacter hanseniiのNADH依存アルコールデヒドロゲナーゼ(ZP_06834544)から選択され修正されたNADH依存アルコールデヒドロゲナーゼのエンコード配列(324−1481)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1482−1704)、および、PCR REプライマー(1705−1724)を含む。
【0285】
SEQ ID NO:142は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ(44)のDNAコンストラクト(1676bp)の例142を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonas reinhardtiiのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、FusobacteriumのNADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ(ZP_04573952)から選択され修正されたNADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼのエンコード配列(324−1433)、223−bpのChlamydomonas reinhardtiiのRbcS2ターミネータ(1434−1656)、および、PCR REプライマー(1657−1676)を含む。
【0286】
Chlamydomonasのような真核光合成有機体を遺伝子形質転換する際にSEQ ID NO:129−141(および/または142)を使用すると、二酸化炭素および水から光生物学的に1−ブタノールを生産するためのカルビン回路チャンネル・3−ホスホグリセレート分岐NADPH増強経路(
図4の03−05、34−43/44)を伴うデザイナChlamydomonasのようなデザイナ真核光合成有機体を形成できることに留意されたい。
【0287】
SEQ ID NO:143は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(45)のDNAコンストラクト(3629bp)の例143を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonas reinhardtiiのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Cyanothece sp. PCC 7822のホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(YP_003887888)から選択され修正されたホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼのエンコード配列(324−3386)、223−bpのChlamydomonas reinhardtiiのRbcS2ターミネータ(3387−3609)、および、PCR REプライマー(3610−3629)を含む。
【0288】
SEQ ID NO:144は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(46)のDNAコンストラクト(1745bp)の例144を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonas reinhardtiiのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Synechococcus elongatus PCC 6301のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(YP_172275)から選択され修正されたアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼのエンコード配列(324−1502)、223−bpのChlamydomonas reinhardtiiのRbcS2ターミネータ(1503−1525)、および、PCR REプライマー(1526−1745)を含む。
【0289】
SEQ ID NO:145は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化アスパルトキナーゼ(47)のDNAコンストラクト(2366bp)の例145を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonas reinhardtiiのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Cyanotheceのアスパルトキナーゼ(YP_003136939)から選択され修正されたアスパルトキナーゼのエンコード配列(324−2123)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(2124−2346)、および、PCR REプライマー(2347−2366)を含む。
【0290】
SEQ ID NO:146は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ(48)のDNAコンストラクト(1604bp)の例146を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonas reinhardtiiのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonas reinhardtiiのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Trichodesmium erythraeum IMS101のアスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ABG50031)から選択され修正されたアスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼのエンコード配列(324−1361)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1362−1584)、および、PCR REプライマー(1585−1604)を含む。
【0291】
SEQ ID NO:147は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化ホモセリンデヒドロゲナーゼ(49)のDNAコンストラクト(1868bp)の例147を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Cyanotheceのホモセリンデヒドロゲナーゼ(YP_003887242)から選択されたホモセリンデヒドロゲナーゼのエンコード配列(324−1625)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1626−1848)、および、PCR REプライマー(1849−1868)を含む。
【0292】
SEQ ID NO:148は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化ホモセリンデキナーゼ(50)のDNAコンストラクト(1472bp)の例148を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Cyanotheceのホモセリンキナーゼ(YP_003886645)から選択され修正されたホモセリンキナーゼのエンコード配列(324−1229)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1230−1452)、および、PCR REプライマー(1453−1472)を含む。
【0293】
SEQ ID NO:149は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化トレオニンシンターゼ(51)のDNAコンストラクト(1655bp)の例149を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Cyanotheceのトレオニンシンターゼ(YP_002485009)から選択され修正されたトレオニンシンターゼのエンコード配列(324−1412)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1413−1635)、および、PCR REプライマー(1636−1655)を含む。
【0294】
SEQ ID NO:150は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化トレオアンモニアリアーゼ(52)のDNAコンストラクト(2078bp)の例150を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Synechococcusのトレオアンモニアリアーゼ(ZP_05035047)から選択され修正されたトレオアンモニアリアーゼのエンコード配列(324−1835)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1836−2058)、および、PCR REプライマー(2059−2078)を含む。
【0295】
Chlamydomonasのような真核光合成有機体を遺伝子形質転換する際にSEQ ID NO:129、130、132、133、143−150、137−141(および/または141)を使用すると、二酸化炭素および水から光生物学的に1−ブタノールを生産するためのカルビン回路チャンネル・3−ホスホグリセレート分岐NADPH増強経路(
図4の03−05、34、35、45−52、39−43/44)を伴うデザイナChlamydomonasのようなデザイナ真核光合成有機体を形成できることに留意されたい。
【0296】
SEQ ID NO:151は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化アセトラクテートシンターゼ(53)のDNAコンストラクト(2282bp)の例151を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonas reinhardtiiのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Bacillus subtilisのアセトラクテートシンターゼ(CAB07802)から選択されたアセトラクテートシンターゼのエンコード配列(324−2039)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(2040−2262)、および、PCR REプライマー(2263−2282)を含む。
【0297】
SEQ ID NO:152は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化ケトール酸レダクトイソメラーゼ(54)のDNAコンストラクト(1562bp)の例152を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Cyanotheceのケトール酸レダクトイソメラーゼ(YP_003885458)から選択され修正された酵素エンコード配列(324−1319)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1320−1542)、および、PCR REプライマー(1543−1562)を含む。
【0298】
SEQ ID NO:153は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ(55)のDNAコンストラクト(2252bp)の例153を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Cyanotheceのジヒドロキシ酸デヒドラターゼ(YP_003887466)から選択されたジヒドロキシ酸デヒドラターゼのエンコード配列(324−2009)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(2010−2232)、および、PCR REプライマー(2233−2252)を含む。
【0299】
SEQ ID NO:154は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化2−メチルブチルアルデヒドレダクターゼ(56)のDNAコンストラクト(1496bp)の例154を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonas reinhardtiiのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonas reinhardtiiのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Pichia pastoris OS115の2−メチルブチルアルデヒドレダクターゼ(XP_002490018)から選択され修正された酵素エンコード配列(324−1253)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1254−1476)、および、PCR REプライマー(1477−1496)を含む。
【0300】
Chlamydomonasのような真核光合成有機体を遺伝子形質転換する際にSEQ ID NO:129−137、140、および151−154を使用すると、二酸化炭素および水から光生物学的に2−メチル−1−ブタノールを生産するためのカルビン回路チャンネル・3−ホスホグリセレート分岐NADPH増強経路(
図5の03−05、34−39、53−55、42、および、56)を伴うデザイナChlamydomonasのようなデザイナ真核光合成有機体を形成できることに留意されたい。
【0301】
SEQ ID NO:155は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化3−メチルブタナールレダクターゼ(57)のDNAコンストラクト(1595bp)の例155を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonas reinhardtiiのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonas reinhardtiiのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Saccharomyces cerevisiae S288cの3−メチルブタナールレダクターゼ(DAA10635)から選択され修正された3−メチルブタナールレダクターゼのエンコード配列(324−1352)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1353−1575)、および、PCR REプライマー(1576−1595)を含む。
【0302】
Chlamydomonasのような真核光合成有機体を遺伝子形質転換する際にSEQ ID NO:129−133、151−153、140、および141(または142)を使用すると、二酸化炭素および水から光生物学的にイソブタノールを生産するためのカルビン回路チャンネル・3−ホスホグリセレート分岐NADPH増強経路(
図6の03−05、34、35、53−55、42、および、43(44))を伴うデザイナChlamydomonasのようなデザイナ真核光合成有機体を形成できることに留意されたい。他方、Chlamydomonasのような真核光合成有機体を遺伝子形質転換する際にSEQ ID NO:129−133、151−153、136−138、140、および155を使用すると、二酸化炭素および水から光生物学的に3−メチル−1−ブタノールを生産するためのカルビン回路チャンネル・3−ホスホグリセレート分岐NADPH増強経路(
図6の03−05、34、35、53−55、40、38、39、42、および、57)を伴うデザイナChlamydomonasのようなデザイナ真核光合成有機体を形成できる。
【0303】
SEQ ID NO:156は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化NADH依存ブタノールデヒドロゲナーゼ(12a)のDNAコンストラクト(1739bp)の例156を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonas reinhardtiiのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonas reinhardtiiのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Clostridium perfringensのNADH依存ブタノールデヒドロゲナーゼ(NP_561774)から選択され修正された酵素エンコード配列(324−1496)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1497−1719)、および、PCR REプライマー(1720−1739)を含む。
【0304】
SEQ ID NO:157は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化NADPH依存ブタノールデヒドロゲナーゼ(12b)のDNAコンストラクト(1739bp)の例157を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonas reinhardtiiのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonas reinhardtiiのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Clostridium saccharobutylicumのNADPH依存ブタノールデヒドロゲナーゼ(AAA83520)から選択され修正された酵素エンコード配列(324−1490)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1491−1713)、および、PCR REプライマー(1714−1733)を含む。
【0305】
Chlamydomonasのような真核光合成有機体を遺伝子形質転換する際にSEQ ID NO:129−140、および156(および/または157)を使用すると、二酸化炭素および水から光生物学的にイソブタノールをより特定的に生産するためのカルビン回路チャンネル・3−ホスホグリセレート分岐NADPH増強経路(
図4の03−05、34−42、および12)を伴うデザイナChlamydomonasのようなデザイナ真核光合成有機体を形成できることに留意されたい。同様に、SEQ ID NO:129、130、132、133」、143−150、137−140、および156(および/または157)は、二酸化炭素および水から光生物学的に1−ブタノールを生産するためのカルビン回路チャンネル・3−ホスホグリセレート分岐NADPH増強経路(
図4の03、04、34、35、45−52、39−42、および12)を伴うデザイナChlamydomonasのような他のデザイナ真核光合成有機体を表す。
【0306】
SEQ ID NO:158は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化3−ケトチオラーゼ(07')のDNAコンストラクト(1745bp)の例158を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNial(ニトレートレダクターゼ)プロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Azohydromonas lataの3−ケトチオラーゼ(AADI0275)から選択され修正された3−ケトチオラーゼのエンコード配列(324−1502)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1503−1725)、および、PCR REプライマー(1726−1745)を含む。
【0307】
SEQ ID NO:159は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼ(08')のDNAコンストラクト(1479bp)を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Oceanithermusの3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼ(ADR36325)から選択され修正された酵素エンコード配列(324−1196)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1197−1419)、および、PCR REプライマー(1420−1439)を含む。
【0308】
SEQ ID NO:160は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化エノイル−CoAデヒドラターゼ(09')のDNAコンストラクト(1337bp)の例160を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Bordetella petriiのエノイル−CoAデヒドラターゼ(YP_001629844)から選択され修正された酵素エンコード配列(324−1094)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1095−1317)、および、PCR REプライマー(1318−1337)を含む。
【0309】
SEQ ID NO:161は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化2−エノイル−CoAレダクターゼ(10')のDNAコンストラクト(1736bp)の例161を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Xanthomonas campestrisの2−エノイル−CoAレダクターゼ(YP_001905744)から選択され修正された酵素エンコード配列(324−1493)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1494−1716)、および、PCR REプライマー(1717−1736)を含む。
【0310】
SEQ ID NO:162は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化アシル−CoAレダクターゼ(11')のDNAコンストラクト(2036bp)の例162を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonas reinhardtiiのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Thermosphaera aggregansのアシル−CoAレダクターゼ(YP_003649571)から選択され修正された酵素エンコード配列(324−1793)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1794−2016)、および、PCR REプライマー(2017−2036)を含む。
【0311】
SEQ ID NO:163は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化ヘキサノールデヒドロゲナーゼ(12')のDNAコンストラクト(1625bp)の例163を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Mycobacterium chubuenseのヘキサノールデヒドロゲナーゼ(ACZ56328)から選択され修正された酵素エンコード配列(324−1382)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(13834−1605)、および、PCR REプライマー(1606−1625)を含む。
【0312】
Chlamydomonasのような真核光合成有機体を遺伝子形質転換する際にSEQ ID NO:158−163を、他の適切な、SEQ ID NO:132、および133のようなDNAコンストラクトとともに使用すると、二酸化炭素および水から光生物学的に1−ヘキサノールを生産するためのカルビン回路チャンネル・3−ホスホグリセレート分岐NADPH増強経路(
図7の34、35、03−10、07'−12')を伴うデザイナChlamydomonasのようなデザイナ真核光合成有機体を形成できることに留意されたい。
【0313】
SEQ ID NO:164は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化オクタノールデヒドロゲナーゼ(12'')のDNAコンストラクト(1249bp)の例164を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Drosophila subobscuraのオクタノールデヒドロゲナーゼ(AB065263)から選択され修正された酵素エンコード配列(324−1006)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1007−1229)、および、PCR REプライマー(1230−1249)を含む。
【0314】
SEQ ID NO:132、133、および、158−163は、光生物学的に1−ヘキサノールを生産するためのデザイナ炭化水素鎖伸長経路(
図7の34、35、07'−12')を伴うデザイナChlamydomonasのようなデザイナ真核光合成有機体を表す。SEQ ID NO:132、133、158−162、および164は、光生物学的に1−オクタノールを生産するためのデザイナ炭化水素鎖伸長経路(
図7の34、35、07'−10'、および07''−012'')を伴うデザイナChlamydomonasのような他のデザイナ真核光合成有機体を表す。
【0315】
SEQ ID NO:165は、デザイナNialプロモータ制御葉緑体対象化短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ(43'')のDNAコンストラクト(1769bp)を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、2×84−bpのChlamydomonasのNialプロモータ(21−188)、135−bpのChlamydomonasのRbcS2トランジットペプチド(189−323)、Burkholderiaの短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ(AB056626)から選択され修正された酵素エンコード配列(324−1526)、223−bpのChlamydomonasのRbcS2ターミネータ(1527−1749)、および、PCR REプライマー(1750−1769)を含む。
【0316】
Chlamydomonasのような真核光合成有機体を遺伝子形質転換する際にSEQ ID NO:129−140、および165を使用すると、二酸化炭素および水から光生物学的に1−ペンタノール、1−ヘキサノール、および、1−ヘプタノールを生産するためのカルビン回路チャンネル・3−ホスホグリセレート分岐NADPH増強経路(
図8の03−05、34−41、39'−43'、39'−43'、および39''−43'')を伴うデザイナChlamydomonasのようなデザイナ真核光合成有機体を形成できることに留意されたい。同様に、SEQ ID NO:129−140、および、163は、二酸化炭素および水から光生物学的に1−ヘキサノールを生産するためのカルビン回路チャンネル・3−ホスホグリセレート分岐NADPH増強経路(
図8の03−05、34−41、39'−41'、39'−42'、および、12')を伴うデザイナChlamydomonasのような他のデザイナ真核光合成有機体を表す。
【0317】
同様に、Chlamydomonasのような真核光合成有機体を遺伝子形質転換する際にSEQ ID NO:129−137、151−153、138−140、および165を使用すると、二酸化炭素および水から光生物学的に3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、および、5−メチル−1−ヘプタノールを生産するためのカルビン回路チャンネル・3−ホスホグリセレート分岐NADPH増強経路(
図9の03−05、34−39、53−55、39'−43'、39'−43'、および39''−43'')を伴うデザイナChlamydomonasのようなデザイナ真核光合成有機体を形成できる。ホストChlamydomonasのような真核光合成有機体における、SEQ ID NO:129、130、132、133、143−150、151−153、137−140、および165の表現は、二酸化炭素および水から光生物学的に3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、および、5−メチル−1−ヘプタノールを生産するためのカルビン回路チャンネル・3−ホスホグリセレート分岐NADPH増強経路(
図9の03、05、34、35、42−55、39'−43'、39'−43'、および39''−43'')を伴う他のデザイナ真核光合成有機体を表す。Chlamydomonasのようなホスト真核光合成有機体における、SEQ ID NO:129−133、151−153、136−140、および165の表現は、二酸化炭素および水から光生物学的に4−メチル−1−ペンタノール、5−メチル−1−ヘキサノール、および、6−メチル−1−ヘプタノールを生産するためのカルビン回路チャンネル・3−ホスホグリセレート分岐NADPH増強経路(
図10の03−05、34、35、53−55、40、38、39、39'−43'、39'−43'、および39''−43'')を伴う、さらに他のデザイナ真核光合成有機体を表す。
【0318】
[ブタノールおよび関連高級アルコールを生産・収穫するために光バイオリアクタを伴うデザイナ光合成有機体の利用]
デザイナ・カルビン回路チャンネル光合成NADPH増強経路(
図1、および
図4−10)を伴うデザイナ光合成有機体は、ブタノールおよび/または関連高級アルコールを生産・収穫するために、光バイオリアクタと一緒に使用することができる。上述のブタノールおよび/または関連高級アルコールは、1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノール、1−ペンタノール、1−ヘプタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、5−メチル−1−ヘプタノール、4−メチル−1−ペンタノール、5−メチル−1−ヘキサノール、6−メチル−1−ヘプタノール、およびこれらの組み合わせからなるグループから選択される。
【0319】
デザイナ遺伝子組み換えオキシホトバクテリアおよび藻類のような上述のデザイナ光合成有機体は、二酸化炭素および水からのブタノールおよび関連高級アルコールの生産を増進するために、デザイナ・カルビン回路チャンネルの光合成NADPH増強された経路遺伝子と、バイオセーフティ防護技術とを有する。種々の実施例の1つによれば、無機栄養素を含む培養媒体とともに、二酸化炭素(CO
2)および水(H
2O)を炭素および電子のソースとして用いて、デザイナ光合成有機体を、光独立栄養の態様で成長させることが好ましいプラクティスである。酸素光合成有機体成長に一般的に必要とされる栄養素の元素は、約1−10mMの濃度のN、P、およびKと、約0.5〜1.0mMの濃度のMg、Ca、S、およびClと、μMの濃度レベルの微量元素(trace element)のMn、Fe、Cu、Zn、B、Co、Mo、その他である。鉱物栄養素のすべては、水(デザイナ淡水藻類に対しては淡水、耐塩性デザイナ海洋藻類に対しては海水)、および、比較的少量の廉価な肥料、および、鉱物、例えば、重炭酸アンモニア(NH
4HCO
3)(または硝酸アンモニア、塩化アンモニア)、リン酸カリウム(K
2HPO
4およびKH
2PO
4)、硫酸マグネシウム7水和物(MgSO
4・7H
2O)、塩化カルシウム(CaCl
2)、硫酸亜鉛7水和物(ZnSO
4・7H
2O)、蓚酸鉄(II)7水和物(FeSO
4・7H
2O)、およびホウ酸(H
3BO
3)、その他を用いる、充分に確立した処方の水素光合成有機体(例えば藻類)の培養媒体を利用して製造できる、水最小の媒体中に供給できる。すなわち、大量のデザイナ藻類(またはオキシホトバクテリア)の細胞を短期間で廉価に成長させることができる。なぜならば、デザイナ藻類は、野生型の親株と同様の速さで空気のCO
2を利用してそれ自体が光独立栄養で池のような好気性条件下で成長できるからである。再生可能な太陽エネルギー生産のための光活性なバイオ触媒(デザイナ藻類またはオキシホトバクテリアのようなデザイナ光合成バイオ燃料生産有機体)を生産する費用効率の予期解決手段を実現できるという点がこの発明の特質すべき特徴(利点)である。
【0320】
種々の実施例の1つによれば、デザイナ光合成有機体が成長してブタノールおよび/または関連高級アルコールを光合成生産する準備ができたとき、デザイナ光合成有機体細胞は、二酸化炭素および水からブタノールおよび/または関連高級アルコールを生産するために、デザイナ・カルビン回路チャンネル光合成NADPH増強経路を表出するように誘導される。例えば、デザイナ・カルビン回路チャンネル経路遺伝子、例えば、二酸化炭素および水から1−ブタノールを生産するためのカルビン回路3−ホスホグリセレート分岐光合成NADPH増強経路(
図4に34、35、03−05、35−42、および12で数字でラベル付けされる)のデザイナ遺伝子を有する、デザイナ遺伝子組み替えThermosynechococcusを表すSEQ ID NO:58−69、および72(および/または73)のようなデザイナ・カルビン回路チャンネル経路遺伝子を制御するためにnirAプロモータを使用するとき、または使用するならば、デザイナ遺伝子組み替えThermosynechococcusは、アンモニア(ただし硝酸塩はない)および他の無機栄養素を含む水最小の培養媒体中で成長させられる。デザイナ遺伝子組み換えThermosynechococcusが成長してバイオ燃料のブタノールを光合成生産する準備ができたとき、硝酸塩肥料が培養媒体に加えられてデザイナnirA制御カルビン回路チャンネル経路の表現が誘導されてこの例では二酸化炭素および水から1−ブタノールが生産されるようになる。
【0321】
デザイナホメオボックス(hox)プロモータ制御カルビン回路3−ホスホグリセレート分岐経路遺伝子のSEQ ID NO:104−109を含む、デザイナ遺伝子組み替えNostocのような嫌気性プロモータ制御経路を具備するデザイナ光合成有機体については、二酸化炭素および水から光生物学的に2−メチル−1−ブタノールを生産する(
図5)ためのデザイナ経路遺伝子の表出を誘導するために、嫌気性条件を採用できる。すなわち、デザイナ遺伝子組み替えNostoc培養が成長して光生物学的にバイオ燃料を生産する準備ができたときに、そのセルは所定の嫌気性条件内に配され(シールされ)、二酸化炭素および水から2−メチル−1−ブタノールを光生物学的に生産するためにデザイナhox制御経路遺伝子の表出を誘導する。
【0322】
一組のデザイナgroEプロモータ制御およびnirAプロモータ制御のカルビン回路3−ホスホグリセレート分岐経路遺伝子のSEQ ID NO:110−118を含む、デザイナ遺伝子組み替えProchlorococcusのような熱および光応答プロモータ制御およびnirAプロモータ制御の経路を具備するデザイナ光合成有機体については、二酸化炭素および水から光生物学的にイソブタノールを生産する(
図6)ためのデザイナ経路遺伝子の表出を誘導するために、光および熱を、硝酸塩添加とともに採用できる。
【0323】
他の実施例において、デザイナ海洋藻類または海洋オキシホトバクテリアを使用すると、淡水またな農業土壌を必要とすることなく海水および/または地表水を利用してバイオ燃料の光生物学的な生産が可能になる。例えば、デザイナ遺伝子のSEQ ID NO:110−117および119−122を含むデザイナProchlorococcus marinusは、groEプロモータ制御デザイナ・カルビン回路チャンネル経路(
図6において、34(ネイティブ)、35、03−05、53−55、38−40、42、および57で特定される)を用いて、海水および/または所定の地表水を用いて、光独立栄養で成長して、また、二酸化炭素および水から3−メチル−1−ブタノールを生産できる。デザイナ光合成有機体は、高効率に水を使用してイソブタノールを生産するため、砂漠で作動する光バイオリアクタ内に封止されて使用されてもよい。蒸発および/または発散により水のロスがほとんど、またはまったくないからである。通常の作物システムは耐えることができないであろう。すなわち、この実施例は、耕作地または淡水源を必要とすることなく再生可能なエネルギー(ブタノールおよび関連高級アルコール)を新たに生成することが可能になる。
【0324】
他の実施例によれば、窒素固定のデザイナオキシホトバクテリアを利用して、窒素肥料を必要とすることなく、光生物学的にバイオ燃料を生産できる。例えば、デザイナhoxプロモータ制御遺伝子のSEQ ID NO:104−109を含むデザイナ遺伝子組み替えNostocは窒素(N
2)固化、および、二酸化炭素および水からの2−メチル−1−ブタノールの生産の双方を実施できる(
図6)。したがって、デザイナ遺伝子組み替えNostocを使用すると、光独立栄養で成長するとともに2−メチル−1−ブタノールを二酸化炭素および水から光合成で生産できる。
【0325】
所定のオキシホトバクテリアは複数の機能を実現するように設計される。例えば、デザイナnirAプロモータ制御遺伝子のSEQ ID NO:123−127を含むデザイナ遺伝子組み替えCyanotheceは。(1)海水を使用でき、(2)窒素N
2を固定し、二酸化炭素および水から1−ヘキサノールを光生物学的に生産できる(
図8)。このタイプのデザイナオキシホトバクテリアを使用すると、窒素肥料を必要とすることなく海水を使用して1−ヘキサノールのような高度なバイオ燃料を光生物学的に生産できる。
【0326】
種々の実施例の1つによれば、ブタノールおよび関連高級アルコールを光生物学的に生産・収穫する方法は:(a)カルビン回路の中間生成物に作用して中間生成物をブタノールおよび関連高級アルコールに変換するように構成された一組の酵素のための遺伝子組み換えコードを有する遺伝子組み換え光合成有機体を、光生物学的リアクタシステムに導入し;(b)遺伝子光合成有機体に関連して光合成水分解およびプロトン勾配結合電子搬送プロセスから取得される還元力およびエネルギーを光バイオリアクタ中で利用して二酸化炭素および水からブタノールおよび関連高級アルコールを合成し;(c)精選物分離プロセスを利用して合成ブタノールおよび/または関連高級アkルコールを光バイオリアクタから収穫することを有する。
【0327】
まとめると、どのようにデザイナ有機体が使用されて光生物学的にブタノール(および/または関連高級アルコール)を生産するかについて多くの実施例がある。好ましい実施例の1つは、光生物学的に直接にCO
2およびH
2Oからブタノールを生産するためのデザイナ有機体を、光生物学的リアクタおよびブタノール収穫(フィルタリングおよび蒸留/蒸発)システムとともに使用することであり、これは、以下のステップとして記述される具体的な操作プロセスを含み、これらステップは、(a)デザイナブタノール生産経路遺伝子の表出を誘導する前に、好気性(通常)条件の下で、空気のCO
2を炭素源として用いる、最小培養媒体中で光独立栄養でデザイナ遺伝子組み換え有機体を成長させ;(b)デザイナ有機体が成長してブタノール生産の準備ができたときに、培養を特別な条件下に封止または配置してデザイナ・カルビン回路チャンネル経路遺伝子の表出を誘導し;(c)デザイナ経路酵素が表出されたときに、太陽光のような可視光エネルギーを供給してデザイナ遺伝子表出細胞が触媒として働きブタノールおよび/または関連高級アルコールがCO
2およびH
2Oから生産されるようになし;(d)当業者に知られている任意の方法を使用して生産物のブタノールおよび/または関連高級アルコールを収穫する。例えば、光生物学的なリアクタからのブタノールおよび/または関連高級アルコールの収穫は、膜フィルタリングおよび蒸留/蒸発のブタノール収穫技法を組み合わせて実現できる。
【0328】
デザイナ有機体を使用して光生物学的にブタノールおよび関連高級アルコールを生産し収穫する上述のプロセスは、複数の操作サイクルだけ繰り返してより所望の結果を実現して良い。上述のプロセスのステップ(a)〜(d)のいずれかを所定の特別な条件に適合化させるためにこの発明に従って調整されても良い。実際には、このプロセスのステップ(a)〜(d)のいずれかが全面的に、または部分的に適用され、および/または任意の調整された組み合わせで適用され、この発明に従うブタノールおよび高級アルコールの光生物学的な生産が増進されるようにして良い。
【0329】
ブタノールおよび/または関連高級アルコールの生産に加えて、デザイナ有機体、または、そのデザイナブタノール生産経路の一部を利用して所定のデザイナ・カルビン回路チャンネル経路(
図1、および4−10)の所定の中間生成物を生成することも可能であり、この中間生成物は(これに限定されないが)、ブチルアルデヒド、ブチリル−CoA、クロトニル−CoA、3−ヒドロキシブチリル−CoA、アセトロアセチル−CoA、アセチル−CoA、ピルビン酸エステル、ホスホエノールピルビン酸エステル、2−ホスホグリセレート、1,3−ジホスホグリセレート、グリセルアルデヒド−3−ホスフェート、ジヒドロキシアセトンホスフェート、フルクトース−1,6−ジホスフェート、フルクトース−6−ジホスフェート、グルコース−6−ホスフェート、グルコース、グルコース−1−ホスフェート、シトラマレート、シトラコネート、メチル−D−リンゴ酸、2−ケトブチレート、2−ケトバレレート、オクサロアセテート、アスパラギン酸エステル、ホモセリン、トレオニン、2−ケト−3−メチルバレレート、2−メチルブチルアルデヒド、3−メチルブチルアルデヒド、4−メチル−2−オキソペンタノエート、3−イソプロピルリンゴ酸、2−イソプロピルリンゴ酸、2−オキソイソバレレート、2,3−ジヒドロキシ−イソバレレート、2−アセトラクテート、イソブチルアルデヒド、3−ケト−C6−アシル−CoA、3−ヒドロキシ−C6−アシル−CoA、C6−エノイル−CoA、C6−アシル−CoA、3−ケト−C8−アシル−CoA、3−ヒドロキシ−C8−アシル−CoA、C8−エノイル−CoA、C8−アシル−CoA、オクタナール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ケトヘキサノエート、2−ケトヘプタノエート、2−ケトオクタノエート、2−エチルリンゴ酸、3−エチルリンゴ酸、3−メチル−1−ペンタナール、4−メチル−1−ヘキサナール、5−メチル−1−ヘプタナール、2−ヒドロキシ−2−エチル−3−オキソブタノエート、2,3−ヒドロキシ−3−メチル−ペンタノエート、2−ケト−4−メチル−ヘキサノエート、2−ケト−5−メチル−ヘプタノエート、2−ケト−6−メチル−オクタノエート、4−メチル−1−ペンタナール、5−メチル−1−ヘキサナール、6−メチル−1−ヘプタナール、2−ケト−7−メチルオクタノエート、2−ケト−6−メチル−ヘプタノエート、および、2−ケト−5−メチル−ヘキサノエートを含む。したがって、種々の実施例の1つによれば、さらなる実施例は、誘導された遺伝子組み換えデザイナ有機体からも生産されて良い中間生成物を収穫する付加的なステップを有する。中間的な生成物の生産は、デザイナ経路でその消費を触媒として増進させるデザイナ酵素活性をスイッチ・オフすることにより、選択的に増強させることができる。その中間生成物の生産は、1またはいくつかのデザイナ酵素をデザイナブタノール生産経路から省力したデザイナ有機体を使用することよっても増強させることができる。例えば、
図1のデザイナ経路からブタノールデヒドロゲナーゼまたはブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼを省略したデザイナ有機体を使用してブチルアルデヒドまたはブチリル−CoAをそれぞれ生産できる。
【0330】
[デザイナ・カルビン回路チャンネル好気性水素化バイオ燃料経路]
種々の実施例の1つによれば、水素(H
2)、酸素(O
2)、および二酸化炭素(CO
2)を取得してブタノールおよび関連高級アルコールを含む高度なバイオ燃料をデザイナ・カルビン回路チャンネル経路(
図1、および
図4−10)を通じて生産するデザイナ水素化カルビン回路チャンネル経路(
図11)が形成される。
図11に示すように、種々の実施例の1つは、ここでは、シアノバクテリアのようなデザイナ微生物細胞において水素の消費からNAD(P)HおよびATPを形成するデザイナ酸素(O
2)耐性ヒドロゲナーゼの表現である。膜束縛ヒドロゲナーゼ(表1に列挙されるMBH70、およびその付属タンパク質72)は、吸気性電子搬送チェーン(ETC)システムを通じてH
2の酸化を可能にし、プロトン(H
+)を細胞膜を横切ってポンプで引き上げATP合成のための膜横断電気化学ポテンシャルを形成し、他方、溶解可能なヒドロゲナーゼ(SH71、およびその付属タンパク質72)を使用すると、H
2によるNAD(P)
+のSH仲介還元を通じてNAD(P)Hの形成が可能になる。ATPおよびNAD(P)Hを利用すると、デザイナ・カルビン回路チャンネル経路(
図1、および
図4−10)が駆動されて、CO
2が固定され、バイオ燃料ブタノールおよび関連高級歩きオールが生産される。したがって、これは、デザイナ・カルビン回路チャンネルのバイオ燃料生産経路を革新的な応用を表現する。
【0331】
例えば、膜束縛ヒドロゲナーゼ(MBH70およびその付属タンパク質72)と、溶解可能ヒドロゲナーゼ(SH71およびその付属タンパク質72)が、すでにデザイナブタノール生産経路遺伝子であるSEQ ID NO:58−69、および72(および/または73)を含むデザイナ遺伝子組み換えシアノバクテリア中に表現されると、
図4において数字の34、35、03−05、36−42、および12でラベル付けされる水素化カルビン回路3−ホスホグリセレート分岐1−ブタノール生成経路を形成できる。このデザイナ水素化経路の正味の結果は、次のプロセス反応に従って、二酸化炭素(CO
2)および水(H
2O)から1−ブタノール(CH
3CH
2CH
2CH
2OH)を光生物学的に生産することである。
(12+2n)H
2 + 4CO
2 + nH
2O → CH
3CH
2CH
2CH
2OH + (7+n)O
2 [20]
吸気性電子搬送結合リン酸化反応により水素(H
2)を酸化して1−ブタノールを生産するために使用される酸素(O
2)分子の数は、この例では、約5であると見積もられた。
【0332】
デザイナ遺伝子がオンに切り換えられる前には、遺伝子組み換えシアノバクテリア(
図11)は、CO
2、H
2O、および太陽光を利用して野生型の親株と同様に成長できることに留意されたい。それらは、成長して利用準備が整うと、H
2(約85%)、およびCO
2(約10%)の供給を受け、O
2(約5%)を制限されたバイオリアクタ中に配置されて、高級アルコール、例えば1−ブタノールを、例えば
図1のカルビン回路チャンネルブタノール生産経路を通じて、光合成または太陽光を必要とすることなく、水素化合成してよい。H
2は、水の電気分解を含む多数のソースから製造できるので、デザイナ水素化カルビン回路チャンネル経路技術(
図11)を用いると、廉価な産業性CO2と太陽電池、風力、および原子力発電所からの電気とを利用して、耕作値または光合成を何ら必要とすることなく、ブタノールのような「ドロップインレディ」(drop−in−ready)の液体搬送燃料を生産できるようになる。
【0333】
[デザイナ嫌気性水素化還元性アセチル−CoAバイオ燃料生産経路]
種々の実施例の1つによれば、デザイナ水素化還元性アセチル−CoAバイオ燃料生産経路技術(
図12)が形成され、これは、水素(H
2)および二酸化炭素(CO
2)を取得してブタノールおよび関連高級アルコールを含む高度なバイオ燃料を嫌気性条件下で生産する。
図12に示すように、種々の実施例の1つは、ここでは、シアノバクテリアのようなデザイナ微生物細胞においてデザイナ嫌気性水素化システム、および、還元性アセチル−CoAブタノール生産経路(
図13)を付与する一組のデザイナ遺伝子の表現である。デザイナ嫌気性水素化システムは、例えば、エネルギー変換ヒドロゲナーゼ(表1中のEch、91)、[NiFe]−ヒドロゲナーゼ Mvh(95)、コエンザイム F
420−還元性ヒドロゲナーゼ(Frh、96)、野生型(または異種)の溶解性ヒドロゲナーゼ(SH、71)、NAD(P)H、還元フェレドキシン(FD
red2−)、HS−CoM、HS−CoB、および、ヘテロジスルフィドレダクターゼ(Hdr;94)を含み、他方、デザイナ還元性アセチル−CoAブタノール生産経路(
図13において数字83−90、および07−12/43で示される)は、ホルミルメタノフランデヒドロゲナーゼ(dehydroganse)83、ホルミルトランスフェラーゼ84、10−メテニル−テトラヒドロメタノプテリンシクロヒドロラーゼ85、10−メチレン−H
4メタノプテリンデヒドロゲナーゼ86、10−メチレン−H
4メタノプテリンレダクターゼ87、10−メチレン−H
4メタノプテリン:コリノイド鉄硫黄タンパク質メチルトランスフェラーゼ88、コリノイド鉄硫黄タンパク質89、COデヒドロゲナーゼ/アセチル−CoAシンターゼ90、チオラーゼ07、3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ08、クロトナーゼ09、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ10、ブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ11、ブタノールデヒドロゲナーゼ12、および/またはアルコールデヒドロゲナーゼ43を有する。この例では、デザイナ嫌気性水素化還元性アセチル−CoAブタノール生産経路技術(
図12および
図13)の正味の結果は、次のプロセス反応に従って、水素(H
2)および二酸化炭素(CO
2)から1−ブタノール(CH
3CH
2CH
2CH
2OH)を光生物学的に生産することである。
12H
2 + 4CO
2 → CH
3CH
2CH
2CH
2OH + 7O
2 [21]
この全体的な還元のための標準的な自由エネルギー変化(Δ
rG
0)は、−244.7kJ/mol・1−ブタノールであり、これは、この水素駆動のブタノール生産技術が熱力学の法則に反しないことを示す。この等式は、12分子(24電子)の水素(H
2)が4分子の二酸化炭素(CO
2)から1分子の1−ブタノールを生成できることを示す。12分子のH
2を水の電気分解から生成するためにはこれは電気から24個の電子を使用する。したがって、水の電気分解が水素源として使用されるならば、24個の電子(電気からの)が、デザイナ嫌気性水素化還元性アセチル−CoAブタノール生産経路技術(
図12および
図13)を通じて4分子の二酸化炭素(CO
2)から1分子の1−ブタノールを生成するために十分である。
【0334】
したがって、種々の実施例の1つにおいて、デザイナ独立栄養有機体は、一組のデザイナ遺伝子(例えば、デザイナDNAコンストラクト)を有し、これらは、デザイナ嫌気性水素化ブタノール生産経路システム(
図12および
図13に示す)を付与する一組の酵素を表現し、これらは、エネルギー変換ヒドロゲナーゼ(Ech)91、[NiFe]−ヒドロゲナーゼ(Mvh)95、コエンザイム F
420−還元性ヒドロゲナーゼ(Frh96)96、野生型(または異種)の溶解性ヒドロゲナーゼ(SH)71、ヘテロジスルフィドレダクターゼ(Hdr)94、ホルミルメタノフランデヒドロゲナーゼ(dehydroganse)83、ホルミルトランスフェラーゼ84、10−メテニル−テトラヒドロメタノプテリンシクロヒドロラーゼ85、10−メチレン−H
4メタノプテリンデヒドロゲナーゼ86、10−メチレン−H
4メタノプテリンレダクターゼ87、10−メチレン−H
4メタノプテリン:コリノイド鉄硫黄タンパク質メチルトランスフェラーゼ88、コリノイド鉄硫黄タンパク質89、COデヒドロゲナーゼ/アセチル−CoAシンターゼ90、チオラーゼ07、3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ08、クロトナーゼ09、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ10、ブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ11、ブタノールデヒドロゲナーゼ12、および/またはアルコールデヒドロゲナーゼ43を有する。
【0335】
デザイナ遺伝子がオンに切り換えられる前には、遺伝子組み換えシアノバクテリア(
図12)は、CO
2、H
2O、および太陽光を利用して野生型の親株と同様に成長できる。それらは、成長して利用準備が整うと、バイオリアクタ中に配置されて、嫌気性条件下で、どのような光合成も必要とすることなく、また、どのようなH2の酸素分子(O
2)による吸気酸化も必要とすることなく、H
2およびCO
2からブタノールを生産する。このデザイナ還元性アセチル−CoAブタノール生産経路(
図13)の固有の特徴は、何らATPを必要としない点である。この経路は、還元フェレドキシン(FD
red2−)、F
420H
2、およびNAD(P)Hを使用し、このデザイナ嫌気性水素化システム(
図12)は、これらを、H2から供給でき、その際、所定の電子−プロトン結合バイオエネルギー二分岐機構を採用する。種々の実施例の1つによれば、このデザイナ経路(
図13)は現時点では最もエネルギー効率のよいブタノール生産プロセスの1つを表す。この具体的な嫌気性水素化ブタノール生産プロセス[式 21]の標準的な自由エネルギー変化(Δ
rG
0)は、使用H
2あたり、−20.4kJ/molである。その最高水素(H
2)−ブタノールエネルギー変換効率は約91.4%と見積もられる。
【0336】
種々の実施例の1つによれば、デザイナ水素化還元性アセチル−CoAバイオ燃料生産経路技術(
図14において数字ラベル74−81、および07−12/43で示される)が形成され、これは、水素(H
2)および二酸化炭素(CO
2)を取得して1−ブタノールを一組の酵素から生産し、この一組の酵素は、蟻酸デヒドロゲナーゼ74、10−ホルミル−H
4ホレートシンターゼ75、メテニルテトラヒドロホレートシクロヒドロラーゼ76、10−メチレン−H
4ホレートデヒドロゲナーゼ77、10−メチレン−H
4ホレートレダクターゼ78、メチル−H
4ホレート:コリノイド鉄硫黄タンパク質メチルトランスフェラーゼ79、コリノイド鉄硫黄タンパク質80、COデヒドロゲナーゼ/アセチル−CoAシンターゼ81、チオラーゼ07、3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ08、クロトナーゼ09、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ10、ブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ11、ブタノールデヒドロゲナーゼ12、および/またはアルコールデヒドロゲナーゼ43を有する。
【0337】
このデザイナ経路は、10−ホルミル−H
4ホレートシンターゼ75(
図14)のステップにおいてATP消費を必要とする点を除いて
図13の経路と類似している。したがって、これは、動作するために他の細胞プロセスからのATP供給を必要とする。種々の実施例の1つにおいて、この経路(
図14)は、ATP、(FD
red2−)、FD
red2−、F
420H
2、およびNAD(P)Hを生成するデザイナメタン生成水素化細胞システム(
図15)によりサポートできる。このデザイナ独立栄養有機体は、一組のデザイナ遺伝子(例えば、デザイナDNAコンストラクト)を有し、これらは、デザイナメタン生成水素化ブタノール生産経路システム(
図14および
図16に示す)を表現する一組の酵素を有し、これらは、メチル−H4MPT:コエンザイム−Mメチルトランスフェラーゼ Mtr92、原生または(異種の)A
1A
0−ATPシンターゼ97、メチル−コエンザイムMレダクターゼMcr93、エネルギー変換ヒドロゲナーゼ(Ech)91、[NiFe]−ヒドロゲナーゼ(Mvh)95、コエンザイムF
420還元ヒドロゲナーゼ(Frh)96、原生または(異種の)溶解性ヒドロゲナーゼ(SH)71、ヘテロジスルフィドレダクターゼ(Hdr)94、ホルミルメタノフランデヒドロゲナーゼ(dehydroganse)83、ホルミルトランスフェラーゼ84、10−メテニル−テトラヒドロメタノプテリンシクロヒドロラーゼ85、10−メチレン−H
4メタノプテリンデヒドロゲナーゼ86、10−メチレン−H
4メタノプテリンレダクターゼ87、10−メチレン−H
4メタノプテリン:コリノイド鉄硫黄タンパク質メチルトランスフェラーゼ88、コリノイド鉄硫黄タンパク質89、COデヒドロゲナーゼ/アセチル−CoAシンターゼ90、チオラーゼ07、3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ08、クロトナーゼ09、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ10、ブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ11、ブタノールデヒドロゲナーゼ12、および/またはアルコールデヒドロゲナーゼ43を有する。
【0338】
例えば、デザイナメタン生成水素化システム(
図15)は、メチル−H4MPT:コエンザイム−Mメチルトランスフェラーゼ Mtr92、A
1A
0−ATPシンターゼ97、エネルギー変換ヒドロゲナーゼ(Ech;表1の91)、[NiFe]−ヒドロゲナーゼMvh(95)、コエンザイム F
420−還元性ヒドロゲナーゼ(Frh、96)、野生型(または異種)の溶解性ヒドロゲナーゼ(SH、71)、NAD(P)H、還元フェレドキシン(Fd
red2−)、HS−CoM、HS−C0M、メチル−コエンザイムMレダクターゼ Mcr93、およびヘテロジスルフィドレダクターゼ(Hdr、94)を含む。このシステム中のMtr92は、CH
3−H
4MPT中間体の一部を採ってメタンを生産し、ATP合成用に膜透過電気化学ポテンシャルを形成し、これは、
図14のATP要求嫌気性還元性アセチル−CoAブタノール生産経路を支持する。したがって、メタン生成水素化システム(
図15)とATP要求嫌気性還元性アセチル−CoAブタノール生産経路を組み合わせると、ブタノールおよびメタンの双方を生産する組み合わせ経路(
図16)が得られる。この正味の結果は、次のプロセス反応に従って、水素(H
2)および二酸化炭素(CO
2)からブタノールおよびメタン(CH
4)を生産することである。ここで、mは、生産される1−ブタノール当たり、ともに生成されるCH
4分子の数である。
(12+4m)H
2 + (4+m)CO
2 → CH
3CH
2CH
2CH
2OH + (7+m)H
2O + mCH
4 [22]
【0339】
非ATP要求嫌気性還元性アセチル−CoAブタノール生産経路(
図13)も、もちろん、このデザイナメタン生成水素化システム(
図15)とともに動作でき、ブタノールおよびメタンの双方を生産する他の組み合わせ経路をもたらす(
図17)。したがって、種々の実施例の1つにおいて、デザイナ独立栄養有機体は、一組のデザイナ遺伝子(例えば、デザイナDNAコンストラクト)を有し、これらは、デザイナメタン生成水素化嫌気性水素化ブタノール生産経路システム(
図15、
図13、および
図17に示す)を表現する一組の酵素を有し、これらは、メチル−H4MPT:コエンザイム−Mメチルトランスフェラーゼ Mtr92、原生または(異種の)A
1A
0−ATPシンターゼ97、メチル−コエンザイムMレダクターゼMcr93、エネルギー変換ヒドロゲナーゼ(Ech)91、[NiFe]−ヒドロゲナーゼ(Mvh)95、コエンザイムF
420還元ヒドロゲナーゼ(Frh)96、原生または(異種の)溶解性ヒドロゲナーゼ(SH)71、ヘテロジスルフィドレダクターゼ(Hdr)94、蟻酸デヒドロゲナーゼ74、10−ホルミル−H
4ホレートシンターゼ75、メテニルテトラヒドロホレートシクロヒドロラーゼ76、10−メチレン−H
4ホレートデヒドロゲナーゼ77、10−メチレン−H
4ホレートレダクターゼ78、メチル−H
4ホレート:コリノイド鉄硫黄タンパク質メチルトランスフェラーゼ79、コリノイド鉄硫黄タンパク質80、COデヒドロゲナーゼ/アセチル−CoAシンターゼ81、チオラーゼ07、3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ08、クロトナーゼ09、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ10、ブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ11、ブタノールデヒドロゲナーゼ12、および/またはアルコールデヒドロゲナーゼ43を有する。
【0340】
これら酵素のいくつかは、ホスト有機体のいくつかの中にその遺伝的な背景に依存して自然に存在する。これら原生の酵素のいくつかは、デザイナ遺伝子とともに、デザイナ経路(
図12〜
図17)の一部を構築するのに使用してよい。したがって、種々の実施例の1つによれば、嫌気性水素化還元性アセチル−CoAバイオ燃料生産経路を通じてブタノールのようなバイオ燃料を生産するためのデザイナ独立栄養有機体は、以下のグループから選択された少なくとも1つの酵素を表現できるデザイナ遺伝子を有し、このグループは、エネルギー変換ヒドロゲナーゼ(Ech)91、メチル−H4MPT:コエンザイム−Mメチルトランスフェラーゼ Mtr92、メチル−コエンザイムMレダクターゼMcr93、ヘテロジスルフィドレダクターゼ(Hdr)94、[NiFe]−ヒドロゲナーゼ(Mvh)95、コエンザイムF
420還元ヒドロゲナーゼ(Frh)96、溶解性ヒドロゲナーゼ(SH)71、A
1A
0−ATPシンターゼ97、蟻酸デヒドロゲナーゼ74、10−ホルミル−H
4ホレートシンターゼ75、メテニルテトラヒドロホレートシクロヒドロラーゼ76、10−メチレン−H
4ホレートデヒドロゲナーゼ77、10−メチレン−H
4ホレートレダクターゼ78、メチル−H
4ホレート:コリノイド鉄硫黄タンパク質メチルトランスフェラーゼ79、コリノイド鉄硫黄タンパク質80、COデヒドロゲナーゼ/アセチル−CoAシンターゼ81、ホルミルメタノフランデヒドロゲナーゼ(dehydroganse)83、ホルミルトランスフェラーゼ84、10−メテニル−テトラヒドロメタノプテリンシクロヒドロラーゼ85、10−メチレン−H
4メタノプテリンデヒドロゲナーゼ86、10−メチレン−H
4メタノプテリンレダクターゼ87、10−メチレン−H
4メタノプテリン:コリノイド鉄硫黄タンパク質メチルトランスフェラーゼ88、コリノイド鉄硫黄タンパク質89、COデヒドロゲナーゼ/アセチル−CoAシンターゼ90、チオラーゼ07、3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ08、クロトナーゼ09、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ10、ブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ11、ブタノールデヒドロゲナーゼ12、および/またはアルコールデヒドロゲナーゼ43からなる。
【0341】
SEQ IDNO:166−198は、還元性アセチル−CoAバイオ燃料生産経路を伴う、デザイナシアノバクテリアのようなデザイナ水素化バイオ燃料生産有機体を形成するためのデザイナ酵素のデザイナDNAコンストラクトの例を表す。簡単に説明すると、SEQ ID NO:166は、デザイナhoxlプロモータ制御ホルミルメタノフランデヒドロゲナーゼ(Fmd;83)のDNAコンストラクト(6110bp)の例166を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Methanothermobacter marburgensisのホルミルメタノフランデヒドロゲナーゼのサブユニットB、C、E(ジェンバンク:ADL58895、ADL58894、ADL58893)、およびMethanosphaera stadtmanaeのホルミルメタノフランデヒドロゲナーゼのサブユニットA、D、およびG(ジェンバンク:ABC56660、ABC56658、ABC56657)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−5659)、432−bpのNostoc sp. strain PCC7120のgorターミネータ(5659−6090)、および、3'端のPCR REプライマー(6091−6110)を含む。
【0342】
SEQ ID NO:167は、デザイナhoxlプロモータ制御ホルミルトランスフェラーゼ(84)のDNAコンストラクト(1538bp)の例167を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Methanothermobacter marburgensisのホルミルメタノフランテトラヒドロメタノプテリンホルミルトランスフェラーゼ(ジェンバンク:ADL59225)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−1086)、432−bpのNostocのgorターミネータ(1087−1518)、および、PCR REプライマー(1519−1538)を含む。
【0343】
SEQ ID NO:168は、デザイナhoxlプロモータ制御5,10−メテニルテトラヒドロメタノプテリン(H
4メタノプテリン)シクロヒドロラーゼ(85)のDNAコンストラクト(1631bp)の例168を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのAnabaena PCC 7120のhoxプロモータ(21−192)、Methanosphaera stadtmanaeのN(5),N(10)−メテニルテトラヒドロメタノプテリンシクロヒドロラーゼ(ジェンバンク:ABC57615)の配列から選択された酵素エンコード配列(193−1179)、432−bpのNostocのgorターミネータ(1180−1161)、および、PCR REプライマー(1162−1631)を含む。
【0344】
SEQ ID NO:169は、デザイナhoxlプロモータ制御5,10−メチレン−H
4−メタノプテリンヒドロゲナーゼ(86)のDNAコンストラクト(1475bp)の例169を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのAnabaena PCC 7120のhoxプロモータ(21−192)、Methanothermobacter marburgensisのF
420依存メチレン−5,6,7,8−テトラヒドロメタノプテリンヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:ADL57660)の配列から選択された酵素エンコード配列(193−1023)、432−bpのNostocのgorターミネータ(1180−1161)、および、PCR REプライマー(1162−1631)を含む。
【0345】
SEQ ID NO:170は、デザイナhoxlプロモータ制御メチレンテトラヒドロホレートレダクターゼ、および/またはメチレン−H
4−メタノプテリンレダクターゼ(78、87)のDNAコンストラクト(2594bp)の例170を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc sp. strain PCC7120(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Moorella thermoaceticaのメチレンテトラヒドロホレートレダクターゼ(ジェンバンク:YP_430048)およびMethanoplanus petroleariusのF
420依存N(5),N(10)−メテニルテトラヒドロメタノプテリンレダクターゼ(ジェンバンク:ADN36752)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−2142)、432−bpのNostocのgorターミネータ(2143−2574)、および、PCR REプライマー(2575−2594)を含む。
【0346】
SEQ ID NO:171は、デザイナhoxlプロモータ制御メチルテトラヒドロホレート:コリノイド鉄硫黄タンパク質メチルトランスフェラーゼ(79、88)のDNAコンストラクト(2819bp)の例171を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Moorella thermoaceticaのメチレンテトラヒドロホレート:コリノイド鉄硫黄タンパク質メチルトランスフェラーゼ(ジェンバンク:YP_430950)およびMethanothermobacter marburgensisのアセチル−CoAデカルボニラーゼ/シンターゼのサブユニットガンマ(ジェンバンク:ADL57900)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−2467)、432−bpのNostoc sp. strain PCC7120のgorターミネータ(2468−2899)、および、PCR REプライマー(2575−2594)を含む。
【0347】
SEQ ID NO:172は、デザイナhoxlプロモータ制御コリノイド鉄硫黄タンパク質(80、89)のDNAコンストラクト(2771bp)の例172を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Moorella thermoaceticaの小サブユニットコリノイド鉄硫黄タンパク質(ジェンバンク:AAA23255)およびMethanothermobacter marburgensisのアセチル−CoAデカルボニラーゼ/シンターゼのサブユニットデルタ(ジェンバンク:ADL57899)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−2319)、432−bpのNostocのgorターミネータ(2319−2751)、および、PCR REプライマー(2752−2771)を含む。
【0348】
SEQ ID NO:173は、デザイナhoxlプロモータ制御COデヒドロゲナーゼ/アセチル−CoAシンターゼ(81、90)のDNAコンストラクト(7061bp)の例173を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Moorella thermoaceticaのアセチル−CoAデカルボニラーゼ/シンターゼベータサブユニット/アセチル−CoAデカルボニラーゼ/シンターゼアルファサブユニット(ジェンバンク:ABC19516)、およびMethanothermobacter marburgensisのアセチル−CoAデカルボニラーゼ/シンターゼのサブユニットアルファ、ベータ、イプシロンデルタ(ジェンバンク:ADL57895、ADL59006、ADL57897)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−6609)、432−bpのNostoc sp. strain PCC7120のgorターミネータ(6610−7041)、および、PCR REプライマー(7042−7061)を含む。
【0349】
SEQ ID NO:174は、デザイナhoxlプロモータ制御チオラーゼ(07)のDNAコンストラクト(1847bp)の例174を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Butyrivibrio fibrisolvensのチオラーゼ(ジェンバンク:AB190764)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−1395)、432−bpのNostocのgorターミネータ(1396−1827)、および、PCR REプライマー(1828−1847)を含む。
【0350】
SEQ ID NO:175は、デザイナhoxlプロモータ制御3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ(08)のDNAコンストラクト(1514bp)の例175を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Thermoanaerobacteriumの3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:Z92974)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−1062)、432−bpのNostocのgorターミネータ(1063−1494)、および、PCR REプライマー(1495−1514)を含む。
【0351】
SEQ ID NO:176は、デザイナhoxlプロモータ制御クロトナーゼ(09)のDNAコンストラクト(1430bp)の例176を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Clostridium betjerinckiiのクロトナーゼ(ジェンバンク:AF494018)の配列から選択された酵素エンコード配列(193−978)、432−bpのNostocのgorターミネータ(979−1410)、および、PCR REプライマー(1411−1430)を含む。
【0352】
SEQ ID NO:177は、デザイナhoxlプロモータ制御ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ(10)のDNAコンストラクト(1784bp)の例177を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Clostridium betjerinckiiのブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:AF494018)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−1332)、432−bpのNostocのgorターミネータ(1333−1764)、および、PCR REプライマー(1765−1784)を含む。
【0353】
SEQ ID NO:178は、デザイナhoxlプロモータ制御ブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ(11)のDNAコンストラクト(2051bp)の例178を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Clostridium saccharoperbutylacetonicumのブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:AY251646)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−1599)、432−bpのNostocのgorターミネータ(1600−2031)、および、PCR REプライマー(2032−2051)を含む。
【0354】
SEQ ID NO:179は、デザイナhoxlプロモータ制御NADH依存ブタノールデヒドロゲナーゼ(12)のDNAコンストラクト(1808bp)の例179を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Geobacillus kaustophilusのNADH依存ブタノールデヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:YP_148778)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−1356)、432−bpのNostoc sp. strain PCC7120のgorターミネータ(1357−1788)、および、3'端のPCR REプライマー(1789−1808)を含む。
【0355】
シアノバクテリアAnabaena PCC 7120のような微生物細胞(これに限定されないが)を含む微生物ホスト細胞を遺伝子形質転換する際にSEQ ID NO:166−179を使用すると、光合成すなわち太陽光を必要とすることなく、水素および二酸化炭素から1−ペンタノールを生産するためのデザイナ還元性アセチル−CoAバイオ燃料生産経路(
図8に83−90、および07−12として数字でラベル付けされる)を伴うデザイナAnabaenaのようなデザイナシアノバクテリアを形成できることに留意されたい。すなわち、SEQ ID NO:166−179は、Anabaena PCC 7120のようなバクテリアの中において、デザイナ水素化還元性アセチル−CoAバイオ燃料生産経路(
図13において83−90、および07−12)を伴うデザイナ有機体を表し、この経路は、完全に真っ暗な中でも、水素および二酸化炭素からブタノールを嫌気性条件で化学合成独立栄養(chemolithoautotrophic)により生産するように動作可能である。
【0356】
SEQ ID NO:180は、デザイナhoxlプロモータ制御エネルギー変換ヒドロゲナーゼ(Ech)(91)のDNAコンストラクト(10538bp)の例180を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Methanosphaera stadtmanae DSM 3091のエネルギー変換ヒドロゲナーゼサブユニット(EchA、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q)(ジェンバンク:ABC57807、およびABC57812−ABC57827)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−10086)、432−bpのNostocのgorターミネータ(10087−10518)、および、PCR REプライマー(10519−10538)を含む。
【0357】
SEQ ID NO:181は、デザイナhoxlプロモータ制御[NiFe]−ヒドロゲナーゼMvhADG(95)のDNAコンストラクト(3416bp)の例181を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Methanothermobacter marburgensisの[NiFe]−ヒドロゲナーゼMvhADG(ジェンバンク:ADL59096、ADL59098、ADL59097)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−2964)、432−bpのNostoc sp. strain PCC7120のgorターミネータ(2965−3396)、および、PCR REプライマー(3397−3416)を含む。
【0358】
SEQ ID NO:182は、デザイナhoxlプロモータ制御ヘテロジスルフィドレダクターゼ(HdrABC、HdrDE)(94)のDNAコンストラクト(6695bp)の例182を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのAnabaena PCC 7120のhoxプロモータ(21−192)、Methanosaeta harundinaceaのヘテロジスルフィドレダクターゼ(HdrABC、HdrDE)(ジェンバンク:AET63985、AET63982、AET63983、AET64166、AET64165)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−6243)、432−bpのNostocのgorターミネータ(6244−6675)、および、PCR REプライマー(6676−6695)を含む。
【0359】
SEQ ID NO:183は、デザイナhoxlプロモータ制御コエンザイムF
420還元性ヒドロゲナーゼ(Frh)(96)のDNAコンストラクト(3407bp)の例183を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc sp. strain PCC7120(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Methanocella paludicola SANAEMeのコエンザイムF
420還元性ヒドロゲナーゼ(FrhB1−3)(ジェンバンク:YP_003357229、YP_003357467、YP_003357509)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−2955)、432−bpのNostoc sp. strain PCC7120のgorターミネータ(2956−3387)、および、3'端のPCR REプライマー(3388−3407)を含む。
【0360】
シアノバクテリアAnabaena PCC 7120のようなバクテリア細胞(これに限定されないが)を含む微生物ホスト細胞を遺伝子形質転換する際にSEQ ID NO:180−183を使用すると、デザイナ還元性アセチル−CoAブタノール生産経路(
図13において83−90、07−12)のサポートの下で、H
2から還元力(Fd
red2−およびF
420H
2)を生成する嫌気性化学合成独立栄養(chemolithoautotrophic)水素利用システムを付与することができ、このシステムは
図12に示すように、エネルギー変換ヒドロゲナーゼ(Ech)(91)、[NiFe]−ヒドロゲナーゼMvhADG(95)、コエンザイム F
420−還元性ヒドロゲナーゼ(Frh)96、およびコエンザイム F
420−還元性ヒドロゲナーゼ(Frh)96を有する。したがって、Anabaena PCC 7120のようなバクテリアにおける、SEQ ID NO:180−183の表現は、SEQ ID NO:166−179を伴うと、光合成または好気性の吸気を必要とすることなく水素および二酸化炭素からブタノールを嫌気性条件で化学合成独立栄養(chemolithoautotrophic)により生産することができる、フルデザイナ還元性アセチル−CoAバイオ燃料生産経路システム(
図12および
図13)を伴うデザイナ有機体(デザイナAnabaenaのような)を表す。この例の正味の結果は、反応式[21]に示されるように水素および二酸化炭素からブタノールを嫌気性条件で化学合成独立栄養(chemolithoautotrophic)により生産することである。
【0361】
また、これらデザイナ遺伝子(SEQ ID NO:166−183)はデザイナhox嫌気性プロモータによって制御されることに留意されたい。したがって、開放された池の大規模培養中のような、嫌気性条件下で、この例のデザイナAnabaenaは、野生型の親株とまったく同様に空気の二酸化炭素および水を炭素および電子のソースとして利用して急速に光独立栄養で成長する。デザイナAnabaena細胞培養が成長して使用(この用途における触媒として)の準備ができると、これらは、暗所で嫌気性化学合成独立栄養でブタノールを生産する(
図12および
図13に示す)ためのデザイナ遺伝子表現を誘導するために、産業CO
2およびH
2ガスの供給を受ける、嫌気性リアクタ中へと配置できる。
【0362】
SEQ ID NO:184は、デザイナhoxlプロモータ制御メチル−H4MPT:コエンザイムMメチルトランスフェラーゼ(MtrA−H)(92)のDNAコンストラクト(5417bp)の例184を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのAnabaena PCC 7120のhoxプロモータ(21−192)、Methanosphaera stadtmanaeのメチル−H4MPT:コエンザイムMメチルトランスフェラーゼ(MtrA−H)(ジェンバンク:ABC56714、ABC56713、YP_447360、YP_447354、YP_447359、YP_447355)、および、Methanosaeta harundinaceaおよびMethanoculleus marisnigriのmtrEF(AET65445、NC_009051)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−4965)、432−bpのNostoc sp. strain PCC7120のgorターミネータ(4966−5397)、および、PCR REプライマー(5398−5417)を含む。
【0363】
SEQ ID NO:185は、デザイナhoxlプロモータ制御メチルコエンザイムMレダクターゼ(Mcr)(93)のDNAコンストラクト(5042bp)の例185を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc sp. strain PCC7120(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Methanosphaera stadtmanaeのメチルコエンザイムMレダクターゼのサブユニットA、B、C、G(ジェンバンク:CAE48306、CAE48303、ABC56709、CAE48305)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−4590)、432−bpのNostoc sp. strain PCC7120のgorターミネータ(4591−5022)、および、PCR REプライマー(5023−50427)を含む。
【0364】
シアノバクテリアAnabaena PCC 7120のようなバクテリア細胞を含む微生物ホスト細胞を遺伝子形質転換する際にSEQ ID NO:184および185をSEQ ID NO:180−183とともに使用すると、メタン生成水素化システムを付与でき、このシステムは、
図15に示すように、メチル−H4MPT:コエンザイムMメチルトランスフェラーゼ(MtrA−H)(92)、メチルコエンザイムMレダクターゼ(Mcr)(93)、エネルギー変換ヒドロゲナーゼ(Ech)(91)、[NiFe]−ヒドロゲナーゼMvhADG(95)、コエンザイム F
420−還元性ヒドロゲナーゼ(Frh)96、およびコエンザイム F
420−還元性ヒドロゲナーゼ(Frh)96を有する。これら酵素は、原生のATPアーゼ97と一緒に、デザイナ還元性アセチル−CoAメタン生成ブタノール生産経路(
図16および
図17)のサポートの下で、H
2からATPおよび還元力(Fd
red2−およびF
420H
2)を生成できる。したがって、Anabaena PCC 7120のようなバクテリアにおける、SEQ ID NO:180−185の表現は、SEQ ID NO:166−179を伴うと、光合成を必要とすることなく水素および二酸化炭素からブタノールおよびメタンを嫌気性条件で生産するように動作することができる、デザイナ水素化還元性アセチル−CoAメタン生成バイオ燃料生産経路システム(
図15および
図17)を伴うデザイナ有機体(デザイナAnabaenaのような)を表す。この例の正味の結果は、反応式[22]に示されるように水素および二酸化炭素からブタノールおよびメタンを嫌気性条件で化学合成独立栄養(chemolithoautotrophic)により生産することである。
【0365】
SEQ ID NO:186は、デザイナhoxlプロモータ制御蟻酸デヒドロゲナーゼ(74)のDNAコンストラクト(5450bp)の例186を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc sp. strain PCC7120(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Moorella thermoaceticaの葉酸デヒドロゲナーゼのアルファおよびベータサブユニット(ジェンバンク:AAB18330、AAB18329)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−4998)、432−bpのNostoc sp. strain PCC7120のgorターミネータ(4999−5430)、および、PCR REプライマー(5431−5450)を含む。
【0366】
SEQ ID NO:187は、デザイナhoxlプロモータ制御10−ホルミル−H
4ホレートシンターゼ(75)のDNAコンストラクト(2324bp)の例187を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Moorella thermoaceticaの10−ホルミルテトラヒドロホレートシンセターゼ(ジェンバンク:YP_428991)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−1872)、432−bpのNostoc sp. strain PCC7120のgorターミネータ(1873−2304)、および、PCR REプライマー(2305−2324)を含む。
【0367】
SEQ ID NO:188は、デザイナhoxlプロモータ制御10−メテニル−H
4ホレートシクロヒドロラーゼ(76)のDNAコンストラクト(1487bp)の例188を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Moorella thermoaceticaのメテニルテトラヒドロホレートシクロヒドロラーゼ(ジェンバンク:YP_430368)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−1035)、432−bpのNostocのgorターミネータ(1036−1467)、および、PCR REプライマー(1468−1487)を含む。
【0368】
SEQ ID NO:189は、デザイナhoxlプロモータ制御10−メチレン−H
4ホレートデヒドロゲナーゼ(77)のDNAコンストラクト(1487bp)の例189を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Moorella thermoaceticaのメテニルテトラヒドロホレートシクロヒドロラーゼ/5,10−メチレンテトラヒドロホレートデヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:ABC19825)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−1035)、432−bpのNostocのgorターミネータ(1036−1467)、および、PCR REプライマー(1468−1487)を含む。
【0369】
SEQ ID NO:190は、デザイナhoxlプロモータ制御10−メチレン−H
4ホレートレダクターゼ(78)のDNAコンストラクト(1565bp)の例190を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのNostoc(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Moorella thermoaceticaのメテニルテトラヒドロホレートレダクターゼ(ジェンバンク:ABC1505)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−1113)、432−bpのNostocのgorターミネータ(1114−1545)、および、PCR REプライマー(1546−1565)を含む。
【0370】
SEQ ID NO:191は、デザイナhoxlプロモータ制御メチレン−H
4ホレート:コリノイド鉄硫黄タンパク質メチルトランスフェラーゼ(79)のDNAコンストラクト(1442bp)の例191を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのAnabaena PCC 7120のhoxプロモータ(21−192)、Moorella thermoaceticaのメチルテトラヒドロホレート:コリノイド/鉄硫黄タンパク質メチルトランスフェラーゼ(ジェンバンク:YP_430174)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−690)、432−bpのNostocのgorターミネータ(691−1122)、および、PCR REプライマー(1123−1442)を含む。
【0371】
SEQ ID NO:192は、デザイナhoxlプロモータ制御コリノイド鉄硫黄タンパク質(80)のDNAコンストラクト(2942bp)の例192を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのAnabaena PCC 7120のhoxプロモータ(21−192)、Clostridium autoethanogenumのコリノイド鉄硫黄タンパク質の大および小サブユニット(ジェンバンク:AEI90745、AEI90746)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−2490)、432−bpのNostoc sp. strain PCC7120のgorターミネータ(2491−2922)、および、PCR REプライマー(2923−2942)を含む。
【0372】
SEQ ID NO:193は、デザイナhoxlプロモータ制御COデヒドロゲナーゼ/アセチル−CoAシンターゼ(81)のDNAコンストラクト(4859bp)の例193を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのAnabaena PCC 7120のhoxプロモータ(21−192)、Moorella thermoaceticaの一酸化炭素デヒドロゲナーゼのアルファサブユニットおよびベータサブユニットト(ジェンバンク:AAA23229、AAA23228)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−4407)、432−bpのNostocのgorターミネータ(4408−4839)、および、PCR REプライマー(4840−4859)を含む。
【0373】
シアノバクテリアAnabaena PCC 7120のような微生物ホスト細胞を遺伝子形質転換する際にSEQ ID NO:186−193をSEQ ID NO:174−179とともに使用すると、ATP要求還元性アセチル−CoAブタノール生産経路(
図14の74−81、および07−12/42)を付与できる。同様に、シアノバクテリアAnabaena PCC 7120のようなバクテリアを遺伝子形質転換する際にSEQ ID NO:186−193をSEQ ID NO:180−185とともに使用すると、ATP要求還元性アセチル−CoAメタン生成バイオ燃料生産経路および水素化メタン生成結合ATP生成システム(
図15および
図16)を伴うデザイナ有機体(デザイナAnabaenaのような)を表すことができ、これらシステムは水素および二酸化炭素からブタノールおよびメタンの双方を生産するように動作できる。この例の正味の結果は、反応式[22]に示されるように水素および二酸化炭素からブタノールおよびメタンを嫌気性条件で化学合成独立栄養(chemolithoautotrophic)により生産することである。
【0374】
SEQ ID NO:194は、デザイナhoxlプロモータ制御F
420合成酵素(99)のDNAコンストラクト(6428bp)の例194を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのAnabaena PCC 7120のhoxプロモータ(21−192)、Methanobrevibacter ruminantiumのラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼ CoA(ジェンバンク:ADC46523)、Methanothermobacter Marburgensisの2−ホスホ−1−ラクテートグアニリルトランスフェラーゼ(ジェンバンク:ADL58588)、Methanococcus maripaludisの2−ホスホ−L−ラクテートトランスフェラーゼ(ジェンバンク:NP_987524)、Methanocorpusculum labreanumのコエンザイムF420−0ガンマ−グルタミルリガーゼ(YP_001030766)、Methanocella paludicolamのFOシンターゼのサブユニット1および2(YP_003357513、YP_003357511)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−4976)、432−bpのNostoc sp. strain PCC7120のgorターミネータ(4977−6408)、および、PCR REプライマー(6409−6428)を含む。
【0375】
SEQ ID NO:195は、デザイナhoxlプロモータ制御ピリドキサールホスフェート依存L−チロシンデカルボキシラーゼ(mfnAはメタノフラン合成を表す)(100)のDNAコンストラクト(1778bp)の例195を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのAnabaena PCC 7120のhoxプロモータ(21−192)、Methanocella paludicolaのL−チロシンデカルボキシラーゼ(ジェンバンク:YP_003355454)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−1326)、432−bpのNostocのgorターミネータ(1327−1758)、および、PCR REプライマー(1759−1778)を含む。
【0376】
SEQ ID NO:196は、デザイナhoxlプロモータ制御メタノプテリン合成酵素(101)のDNAコンストラクト(3215bp)の例196を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのAnabaena PCC 7120のhoxプロモータ(21−192)、Methanosphaera stadtmanae DSM 3091のGTPシクロヒドロラーゼ(ジェンバンク:YP_447347)、Methanococcus maripaludis C5の環状ホスホジエステラーゼ MptB(AB035741)、Methanocella paludicola SANAEのベータ−リボフラノシラミノベンゼン 5'−ホスフェートシンターゼ(YP_003356610)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−2763)、432−bpのNostoc sp. strain PCC7120のgorターミネータ(2764−3195)、および、PCR REプライマー(3196−3215)を含む。
【0377】
SEQ ID NO:197は、デザイナhoxlプロモータ制御コエンザイムM合成酵素(102)のDNAコンストラクト(4226bp)の例197を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのAnabaena PCC 7120(Anabaena PCC 7120)のhoxプロモータ(21−192)、Methanothermobacter marburgensisのホスホスルホラクテートシンターゼ、2−ホスホスルホラクテートホスファターゼ、およびスルホラクテートデヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:ADL57861、YP_003850451、ADL59162)、およびMethanocella paludicola SANAEのスルホピルビン酸デカルボキシラーゼ(YP_003357048)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−3774)、432−bpのNostoc sp. strain PCC7120のgorターミネータ(3775−4026)、および、PCR REプライマー(4027−4226)を含む。
【0378】
SEQ ID NO:198は、デザイナhoxlプロモータ制御コエンザイムB合成酵素(103)のDNAコンストラクト(5198bp)の例197を示し、これは、PCR FDプライマー(配列1−20)、172−bpのAnabaena PCC 7120のhoxプロモータ(21−192)、Methanopyrus kandleriのノイソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(ジェンバンク:AAM01606、NP_614498)、Marinobacter adhaerensのイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼの大および小サブユニット(ADP98363、ADP98362)の配列から選択され修正された酵素エンコード配列(193−4746)、432−bpのNostocのgorターミネータ(4747−5178)、および、PCR REプライマー(5179−5198)を含む。
【0379】
シアノバクテリアAnabaena PCC 7120のような微生物ホスト細胞中のSEQ ID NO:194−198の表現は、デザイナ水素化還元性アセチル−CoAバイオ燃料生産経路(
図13、14、16、および17の経路)が動作するために必要な、F
420、メタノフラン、メタノプテリン、コエンザイムM、およびコエンザイムBのようなコファクターのいくつかを合成する能力を実現する。シアノバクテリアのような種々のホスト細胞の遺伝子バックグラウンドに左右されて、それらの多くは、これら酵素のいくつかを処理してこの種の特別なコファクターを合成してもよいし、しなくてもよい。したがって、種々の実施例の1つにおいて、これらの例で示すように、この種のデザイナコファクター酵素(例えば、SEQ ID NO:194−198)を水素化デザイナ還元性アセチル−CoAバイオ燃料生産経路遺伝子と一緒に表現するのが好ましいプラクティスである。
【0380】
Methanocella paludicola SANAEのような水素化バクテリアおよびメタン細菌の多くは、自然に、所定の水素化、および/または、還元性アセチル−CoA経路、ならびに、F420、メタノフラン、メタノプテリン、コエンザイムM、およびコエンザイムBを含む関連するコファクターを合成する能力を保持する。したがって、水素(H
2)および二酸化炭素(CO
2)から1−ブタノールのような高度なバイオ燃料を化学合成独立栄養で生産するための水素化、および/またはメタン生成ホスト細胞中に、バイオ燃料生産経路(
図1、4、5、6、7、8、10、13、および14)例えばSED ID NO:174−179を、所定のデザイナ遺伝子中に表現することも好ましいプラクティスである。種々の実施例の1つによれば、この具体的な適用のための水素化、および/またはメタン生成ホスト有機体は、次のグループから選択され、このグループは、Methanocella paludicola SANAE、Acinetobacter baumannii ABNlH3、Acinetobacter baumannii ABNlH4、Acinetobacter sp. DR1、Agrobacterium sp. H13−3;Agrobacterium vitis S4、Alcaligenes sp.、Allochromatium vinosum DSM 180、Amycolatopsis mediterranei S699、Anoxybacillus flavithermus WK1、Aquifex aeolicus VF5、Archaeoglobusfulgidus DSM 4304、Archaeoglobus veneficus SNP6、Azospirillum sp. B510、Burkholderia cenocepacia HI2424、Caldicellulosiruptor bescii DSM 6725、Carboxydothermus hydrogenoformans、Centipeda periodontii DSM2778、Clostridium autoethanogenum、Clostridium ragsdalei、Clostridium sticklandii DSM519、Clostridium sticklandii、Corynebacterium glutamicum、Cupriavidus metallidurans CH34、Cupriavidus necator N−1、Desulfobacca acetoxidans DSM 11109、Exiguobacterium sp. AT1b、Ferrimonas balearica DSM9799、Ferroglobus placidus DSM 10642、Geobacillus kaustophilus HTA426、Helicobacter bilis ATCC 43879、Herbaspirillum seropedicae SmR1、Hydrogenobacter thermophilus TK−6、Hydrogenovibrio marinus、Klebsiella variicola At−22、Methanobacterium sp. SWAN−I、Methanobrevibacter ruminantium M1、Methanocaldococcusfervens AG86、Methanocaldococcus infemus ME、Methanocaldococcus jannaschii、Methanocaldococcus sp. FS406−22、Methanocaldococcus vulcanius M7、Methanococcus aeolicus Nankai−3、Methanococcus maripaludis C6、Methanococcus maripaludis S2、Methanococcus voltae A3、Methanocorpusculum labreanum Z、Methanoculleus marisnigri JR1、Methanohalophilus mahii DSM5219、Methanolinea tarda NOBl−1、Methanoplanus petrolearius DSM 11571、Methanoplanus petrolearius、Methanopyrus kandleri AV19、Methanoregula boonei 6A8、Methanosaeta harundinacea 6Ac、Methanosalsum zhilinae DSM 4017、Methanosarcina acetivorans C2A、Methanosarcina barkeri str. Fusaro、Methanosarcina mazei Go1、Methanosphaera stadtmanae、Methanospirillum hungatei JF−1、Methanothermobacter marburgensis str. Marburg、Methanothermobacter marburgensis、Methanothermobacter thermautotrophicus、Methanothermococcus okinawensis 1H1、Methanothermusfervidus DSM 2088、Methylobacillus flagellates、Methylobacterium organophilum、Methylococcus capsulatus、Methylomicrobium kenyense、Methylomonas methanica MC09、Methylomonas sp. LW13、Methylosinus sp. LW2、Methylosinus trichosporium OB3b、Methylotenera mobilis JLW8、Methylotenera versatilis 301、Methylovorus glucosetrophus S1P3−4、Moorella thermoacetica ATCC 39073、Moorella thermoacetica、Oligotropha carboxidovorans OM5、Paenibacillus terrae HPL−003、Pelotomaculum thermopropionicum S1、Planctomyces brasiliensis DSM 5305、Pyrococcusfuriosus DSM3638、Pyrococcus horikoshii OT3、Pyrococcus yayanosii CHI、Ralstonia eutropha H16、Rubrivivax sp.、Selenomonas noxia ATCC 43541、Shewanella baltica BA175、Stenotrophomonas sp. SKAI4、Synechococcus sp. JA−2−3B'a(2−13)、Synechococcus sp. JA−3−3Ab、Thermococcus gammatolerans EJ3、Thermococcus kodakarensis KOD1、Thermococcus onnurineus NA1、Thermococcus sp. 4557、Thermodesulfatator indicus DSM 15286、Thermofilum pendens Hrk 5、Thermotoga lettingae TMO、Thermotoga petrophila RKU1、Thiocapsa roseopersicina、Thiomonas intermedia K12、Xanthobacter autotrophicus、Yersinia pestis Antiqua、およびこれらの組み合わせから成る。
【0381】
この発明はいくつかの実施例により説明され、また説明した実施例は非常に詳細に説明されたけれども、この出願は、添付の特許請求の範囲のスコープをその詳細な程度にまで制限し、その他、どのような態様でもその詳細な程度にまで制限する意図はない。付加的な利点および変更は当業者には容易に理解できる。したがって、この発明は、その最も広い側面では具体的な詳細、対応する装置および方法、ならびに、図示され、説明された、図説の例に限定されない。したがって、この出願の全体的な発明概念の精神または範囲から逸脱することなく、そのような詳細からに変更できる。
以下、ここで説明した技術的特徴を列挙する。
[技術的特徴1]
ブタノールおよび関連高級アルコールを独立栄養で生産する方法において、
カルビン回路の中間生成物に作用して、または、水素化経路を付与するように作用して、少なくとも4個の炭素原子を有する高級アルコールを生産するように構成された一組の酵素のために遺伝子組み換えコードを有する遺伝子組み換え独立栄養有機体を、リアクタのシステム中に導入するステップと、
上記遺伝子組み換え独立栄養有機体に関連して、光合成水分解、または水素化プロセスから取得される、NADPH、還元フェレドキシン、およびエネルギーATPを利用して、生物学的な上記リアクタ内で二酸化炭素および水から上記高級アルコールを合成するステップと、
生産物分離プロセスを使用して合成した上記アルコールを光バイオリアクタから収穫するステップとを有することを特徴とする、上記方法。
[技術的特徴2]
上記遺伝子組み替え独立栄養有機体は、上記高級アルコールを独立栄養生産するための、デザイナ・カルビン回路チャンネル経路、および水素化経路の少なくとも1つを有する、遺伝子組み換え光合成植物、遺伝子組み換え光合成細胞、および遺伝子組み換えバクテリアの少なくとも1つを有し、上記高級アルコールは、1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノール、1−ペンタノール、1−ヘプタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、5−メチル−1−ヘプタノール、4−メチル−1−ペンタノール、5−メチル−1−ヘキサノール、6−メチル−1−ヘプタノール、およびこれらの組み合わせからなるグループから選択される、技術的特徴1記載の上記方法。
[技術的特徴3]
上記遺伝子組み替え独立栄養有機体は、藍藻類(シアノバクテリアおよびオキシクロロバクテリアを含むオキシホトバクテリア)、水素化バクテリア、メタン細菌、水性植物、植物細胞、緑藻類、紅藻類、褐藻類、珪藻、海藻類、淡水藻類、耐塩性藻類株、耐冷温藻類株、耐熱性藻類株、アンテナ色素欠失変異体、耐ブタノール性藻類株、耐高級アルコール性藻類株、耐ブタノール性オキシホトバクテリア、耐ブタノール性水素化バクテリア、耐ブタノール性メタン細菌、耐高級アルコール性オキシホトバクテリア、耐高級アルコール性水素化バクテリア、耐高級アルコール性メタン細菌、およびこれらの組み合わせからなるグループから選択された、遺伝子組み替えデザイナ植物、遺伝子組み替えデザイナ植物細胞、またはバクテリア細胞の少なくとも1つを有する、技術的特徴1記載の上記方法。
[技術的特徴4]
上記遺伝子組み換え独立栄養有機体は、デザイナ嫌気性水素化ブタノール生産経路を表現する一組のデザイナ遺伝子を有し、この一組のデザイナ遺伝子は、エネルギー変換ヒドロゲナーゼ(Ech)、[NiFe]−ヒドロゲナーゼ(Mvh)、コエンザイムF
420還元ヒドロゲナーゼ(Frh)、原生または(異種の)溶解性ヒドロゲナーゼ(SH)、ヘテロジスルフィドレダクターゼ(Hdr)、ホルミルメタノフランデヒロゲナーゼ、ホルミルトランスフェラーゼ、10−メテニル−テトラヒドロメタノプテリンシクロヒドロラーゼ、10−メチレン−H
4−メタノプテリンヒドロゲナーゼ、10−メチレン−H
4−メタノプテリンレダクターゼ、メチル−H
4−メタノプテリン:コリノイド鉄硫黄タンパク質メチルトランスファラーゼ、コリノイド鉄硫黄タンパク質、COデヒドロゲナーゼ/アセチル−CoAシンターゼ、チオラーゼ、3−ヒドロキシブチル−CoAデヒドロゲナーゼ、クロトナーゼ、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ、ブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ、およびブタノールデヒドロゲナーゼを有する、技術的特徴1記載の上記方法。
[技術的特徴5]
上記遺伝子組み換え独立栄養有機体は藍藻類(シアノバクテリアおよびオキシクロロバクテリアを含むオキシホトバクテリア)およびバクテリアを有し、これらは、Thermosynechococcus elongatus BP−1、Nostoc sp. PCC 7120、Synechococcus elongatus PCC 6301、Syncechococcus sp. strain PCC 7942、Syncechococcus sp. strain PCC 7002、Syncechocystis sp. strain PCC 6803、Prochlorococcus marinus MED4、Prochlorococcus marinus MIT 9313、Prochlorococcus marinus NATLIA、Prochlorococcus SS120、Spirulina platensis (Arthrospira platensis)、Spirulina pacifica、Lyngbya majuscule、Anabaena sp.、Synechocystis sp.、Synechococcus elongates、Synechococcus (MC−A)、Trichodesmium sp.、Richelia intracellulars、Synechococcus WH7803、Synechococcus WH8102、Nostoc punctiforme、Syncechococcus sp. strain PCC 7943、Synechocyitis PCC 6714 phycocyanin−deficient mutant PD−1、Cyanothece strain 51142、Cyanothece sp. CCY0110、Oscillatoria limosa、Lyngbya majuscula、Symploca muscorum、Gloeobacter violaceus、Prochloron didemni、Prochlorothrix hollandica、Synechococcus (MC−A)、Trichodesmium sp.、Richelia intracellulars、Prochlorococcus marinus、Prochlorococcus SS120、Synechococcus WH8102、Lyngbya majuscula、Symploca muscorum、Synechococcus bigranulatus、cryophilic Oscillatoria sp.、Phormidium sp.、Nostoc sp.−l、Calothrix parietina、thermophilic Synechococcus bigranulatus、Synechococcus lividus、thermophilic Mastigocladus laminosus、Chlorogloeopsis fritschii PCC 6912、Synechococcus vulcanus、Synechococcus sp. strain MA4、Synechococcus sp. strain MAI 9、Methanocella paludicola SANAE、Acinetobacter baumannii ABNIH3、Acinetobacter baumannii ABNIH4、Acinetobacter sp. DRl、Agrobacterium sp. HI 3−3; Agrobacterium vitis S4、Alcaligenes sp.、AUochromatium vinosum DSM 180、Amycolatopsis mediterranei S699、Anoxybacillus flavithermus WK1、Aquifex aeolicus VF5、Archaeoglobus fulgidus DSM 4304、Archaeoglobus veneficus SNP6、Azospirillum sp. B510、Burkholderia cenocepacia HI2424、Caldicellulosiruptor bescii DSM 6725、Carboxydothermus hydrogenoformans、Centipeda periodontii DSM 2778、Clostridium autoethanogenum、Clostridium ragsdalei、Clostridium sticklandii DSM 519、Clostridium sticklandii、Corynebacterium glutamicum,Cupriavidus metallidurans CH34、Cupriavidus necator N−l、Desulfobacca acetoxidans DSM 11109、Exiguobacterium sp. AT lb、Ferrimonas balearica DSM 9799、Ferroglobus placidus DSM 10642、Geobacillus kaustophilus HTA426、Helicobacter bilis ATCC 43879、Herbaspirillum seropedicae SmRl、Hydrogenobacter thermophilus TK−6、Hydrogenovibrio marinus、Klebsiella variicola At−22、Methanobacterium sp. SWAN−1、Methanobrevibacter ruminantium M1、Methanocaldococcus fervens AG86、Methanocaldococcus infernus ME、Methanocaldococcus jannaschii、Methanocaldococcus sp. FS406−22、Methanocaldococcus vulcanius M7、Methanococcus aeolicus Nankai−3、Methanococcus maripaludis C6、Methanococcus maripaludis S2、Methanococcus voltae A3、Methanocorpusculum labreanum Z、MethanocuUeus marisnigri JRI、Methanohalophilus mahii DSM 5219、Methanolinea tarda NOBI−1、Methanoplanus petrolearius DSM 11571、Methanoplanus petrolearius、Methanopyrus kandleri A VI 9、Methanoregula boonei 6A8、Methanosaeta harundinacea 6Ac,Methanosalsum zhilinae DSM 4017、Methanosarcina acetivorans C2A、Methanosarcina barkeri str. Fusaro、Methanosarcina mazei Gol、Methanosphaera stadtmanae、Methanospirillum hungatei JF−1、Methanothermobacter marburgensis str. Marburg、Methanothermobacter marburgensis、Methanothermobacter thermautotrophicus、Methanothermococcus okinawensis IH1、Methanothermus fervidus DSM 2088、Methylobacillus flagellates、Methylobacterium organophilum、Methylococcus capsulatus、Methylomicrobium kenyense、Methylomonas methanica MC09、Methylomonas sp. LW13、Methylosinus sp. LW2、Methylosinus trichosporium OB 3b、Methylotenera mobilis JLW8、Methylotenera versatilis 301、Methylovorus glucosetrophus SIP 3 −4、Moorella thermoacetica ATCC 39073、Moorella thermoacetica、Oligotropha carboxidovorans OM5、Paenibacillus terrae HPL−003、Pelotomaculum thermopropionicum SI、Planctomyces brasiliensis DSM 5305、Pyrococcus furiosus DSM 3638、Pyrococcus horikoshii OT3、Pyrococcus yayanosii CHI、Ralstonia eutropha HI 6、Rubrivivax sp.、Selenomonas noxia ATCC 43541、Shewanella baltica BA175、Stenotrophomonas sp. SKA 14、Synechococcus sp. JA−2−3B'a(2−13)、Synechococcus sp. JA−3−3Ab、Thermococcus gammatolerans EJ3、Thermococcus kodakarensis KOD 1、 Thermococcus onnurineus NA1、Thermococcus sp. 4557、Thermodesulfatator indicus DSM 15286、Thermofilum pendens Hrk 5、Thermotoga lettingae TMO、Thermotoga petrophila RKU−1、Thiocapsa roseopersicina、Thiomonas intermedia K12、Xanthobacter autotrophicus、Yersinia pestis Antiqua、および、Thermosynechococcus elongatusから成るグループから選択される、技術的特徴1記載の上記方法。
[技術的特徴6]
上記遺伝子組み換え独立栄養有機体は、予め定められた誘導条件で誘導可能なデザイナプロトンチャンネル遺伝子、予め定められた誘導条件で誘導可能なデザイナ細胞分裂周期iRNA遺伝子、デザイナ細胞分裂制御可能な独立栄養有機体を形成するためにデザイナバイオ燃料生成経路遺伝子を形質転換するためのホスト有機体としての高CO
2要求突然変異体、およびこれらの組み合わせから成るグループから選択されるバイオセーフティ防護機構を有し、
上記遺伝子組み替え独立栄養有機体は、耐酸素溶解性ヒドロゲナーゼ(SH)、耐酸素膜束縛ヒドロゲナーゼ(MBH)、エネルギー変換ヒドロゲナーゼ(Ech)、メチル−H4MPT:コエンザイム−Mメチルトランスフェラーゼ(Mtr)、メチル−コエンザイムMレダクターゼ(Mcr)、ヘテロジスルフィドレダクターゼ(Hdr)、[NiFe]−ヒドロゲナーゼ(Mvh)、コエンザイムF
420還元ヒドロゲナーゼ(Frh)、A
1A
0−ATPシンターゼ、蟻酸デヒドロゲナーゼ、10−ホルミル−H
4−葉酸シンターゼ、メテニルテトラヒドロ葉酸シクロヒドロラーゼ、10−メチレン−H
4−葉酸デヒドロゲナーゼ、10−メチレン−H
4−葉酸レダクターゼ、メチル−H
4−葉酸:コリノイド鉄硫黄タンパク質メチルトランスファラーゼ、コリノイド鉄硫黄タンパク質、COデヒドロゲナーゼ/アセチル−CoAシンターゼ、ホルミルメタノフランデヒドロゲナーゼ、ホルミルトランスファラーゼ、10−メテニル−テトラヒドロメタノプテリンシクロヒドロラーゼ、10−メチレン−H
4−メタノプテリンヒドロゲナーゼ、10−メチレン−H
4−メタノプテリンレダクターゼ、メチル−H
4−メタノプテリン:コリノイド鉄硫黄タンパク質メチルトランスファラーゼ、コリノイド鉄硫黄タンパク質、COデヒドロゲナーゼ/アセチル−CoAシンターゼ、チオラーゼ、3−ヒドロキシブチル−CoAデヒドロゲナーゼ、クロトナーゼ、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ、ブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ブタノールデヒドロゲナーゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、2−メチルブチルアルデヒドレダクターゼ、3−メチルブタナールレダクターゼ、ヘキサノールデヒドロゲナーゼ、オクタノールデヒドロゲナーゼ、および短鎖アルコールデヒドロゲナーゼから成るグループから選択される酵素のうちの少なくとも1つを表現する、配列表に示されるSEQ ID NO:1−198の事例的なデザイナDNAコンストラクトに例示される一組のデザイナ遺伝子を有する、技術的特徴1記載の上記方法。
[技術的特徴7]
上記一組の酵素は、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドラターゼ、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、シトラマル酸シンターゼ、2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ、およびブタノールデヒドロゲナーゼからなるグループから選択された酵素のうちの少なくとも1つを有する、技術的特徴1記載の上記方法。
[技術的特徴8]
上記一組の酵素は、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドラターゼ、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アスパルトキナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ホモセリンデヒドロゲナーゼ、ホモセリンキナーゼ、トレオニンシンターゼ、トレオニンアンモニアラーゼ、2−イソプロピルリンゴ酸、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ、およびブタノールデヒドロゲナーゼからなるグループから選択された酵素のうちの少なくとも1つを有する、技術的特徴1記載の上記方法。
[技術的特徴9]
上記一組の酵素は、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドラターゼ、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、シトラマル酸シンターゼ、2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、アセト乳酸シンターゼ、ケトール酸レダクトイソメラーゼ、ヒドロキシ酸デヒドラターゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、NAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ、NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ、および2−メチルブチルアルデヒドレダクターゼからなるグループから選択された酵素のうちの少なくとも1つを有する、技術的特徴1記載の上記方法。
[技術的特徴10]
上記一組の酵素は、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドラターゼ、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アスパルトキナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ホモセリンデヒドロゲナーゼ、ホモセリンキナーゼ、トレオニンシンターゼ、トレオニンアンモニアラーゼ、アセト乳酸シンターゼ、ケトール酸レダクトイソメラーゼ、ヒドロキシ酸デヒドラターゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、NAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ、NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼ、および2−メチルブチルアルデヒドレダクターゼからなるグループから選択された酵素のうちの少なくとも1つを有する、技術的特徴1記載の上記方法。
[技術的特徴11]
上記一組の酵素は、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドラターゼ、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、アセト乳酸シンターゼ、ケトール酸レダクトイソメラーゼ、ヒドロキシ酸デヒドラターゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、NAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ、および、NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼからなるグループから選択された酵素のうちの少なくとも1つを有する、技術的特徴1記載の上記方法。
[技術的特徴12]
上記一組の酵素は、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドラターゼ、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、アセト乳酸シンターゼ、ケトール酸レダクトイソメラーゼ、ヒドロキシ酸デヒドラターゼ、2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、NAD依存アルコールデヒドロゲナーゼ、および、NADPH依存アルコールデヒドロゲナーゼからなるグループから選択された酵素のうちの少なくとも1つを有する、技術的特徴1記載の上記方法。
[技術的特徴13]
上記一組の酵素は、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、NAD依存グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、ピルビン酸フェレドキシンオキシドレダクターゼ、チオラーゼ、3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ、クロトナーゼ、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ、デザイナ3−ケトチオラーゼ、デザイナ3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼ、デザイナエノイル−CoAデヒドラターゼ、デザイナ2−エノイル−CoAレダクターゼ、デザイナアシル−CoAレダクターゼ、および、ヘキサノールデヒロゲナーゼ;ならびに、デザイナ3−ケトチオラーゼ、デザイナ2−エノイル−CoAレダクターゼ、デザイナアシル−CoAレダクターゼ、およびオクタノールデヒドロゲナーゼからなるグループから選択された酵素のうちの少なくとも1つを有する、技術的特徴1記載の上記方法。
[技術的特徴14]
上記一組の酵素は、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドラターゼ、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、シトラマル酸シンターゼ、2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ、短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ、ヘキサノールデヒドロゲナーゼ、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ、およびデザイナ短鎖アルコールデヒドロゲナーゼからなるグループから選択された酵素のうちの少なくとも1つを有する、技術的特徴1記載の上記方法。
[技術的特徴15]
上記一組の酵素は、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドラターゼ、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アスパルトキナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ホモセリンデヒドロゲナーゼ、ホモセリンキナーゼ、トレオニンシンターゼ、トレオニンアンモニアラーゼ、2−イソプロピルリンゴ酸、イソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ、短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ、ヘキサノールデヒドロゲナーゼ、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ、およびデザイナ短鎖アルコールデヒドロゲナーゼからなるグループから選択された酵素のうちの少なくとも1つを有する、技術的特徴1記載の上記方法。
[技術的特徴16]
上記一組の酵素は、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドラターゼ、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、シトラマル酸シンターゼ、2−メチルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、アセト乳酸シンターゼ、ケトール酸レダクトイソメラーゼ、ヒドロキシ酸デヒドラターゼ、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ、短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ、およびデザイナ短鎖アルコールデヒドロゲナーゼからなるグループから選択された酵素のうちの少なくとも1つを有する、技術的特徴1記載の上記方法。
[技術的特徴17]
上記一組の酵素は、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドラターゼ、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アスパルトキナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ホモセリンデヒドロゲナーゼ、ホモセリンキナーゼ、トレオニンシンターゼ、トレオニンアンモニアラーゼ、アセト乳酸シンターゼ、ケトール酸レダクトイソメラーゼ、ヒドロキシ酸デヒドラターゼ、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ、短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ、およびデザイナ短鎖アルコールデヒドロゲナーゼからなるグループから選択された酵素のうちの少なくとも1つを有する、技術的特徴1記載の上記方法。
[技術的特徴18]
上記一組の酵素は、NADPH依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、NAD依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドラターゼ、ホスホグリセレートムターゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、アセト乳酸シンターゼ、ケトール酸レダクトイソメラーゼ、ヒドロキシ酸デヒドラターゼ、イソプロピルリンゴ酸シンターゼ、デヒドラターゼ、3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ、短鎖アルコールデヒドロゲナーゼ、デザイナイソプロピルリンゴ酸シンターゼ、デザイナイソプロピルリンゴ酸イソメラーゼ、デザイナ3−イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、デザイナ2−ケト酸デカルボキシラーゼ、およびデザイナ短鎖アルコールデヒドロゲナーゼからなるグループから選択された酵素のうちの少なくとも1つを有する、技術的特徴1記載の上記方法。
[技術的特徴19]
上記デザイナ独立栄養有機体は、1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノール、1−ペンタノール、1−ヘプタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ヘキサノール、5−メチル−1−ヘプタノール、4−メチル−1−ペンタノール、5−メチル−1−ヘキサノール、6−メチル−1−ヘプタノール、およびこれらの組み合わせからなるグループから選択される上記高級アルコールのうちの少なくとも1つを生産するためのデザイナ・カルビン回路チャンネル経路、および水素化経路の少なくとも1つを有する、技術的特徴1記載の上記方法。
[技術的特徴20]
デザイナ独立栄養有機体の上記デザイナ遺伝子組み替え有機体は、メチル−H4MPT:コエンザイム−MメチルトランスフェラーゼMtr、A
1A
0−ATPシンターゼ、メチル−コエンザイムMレダクターゼMcr、エネルギー変換ヒドロゲナーゼ(Ech)、[NiFe]−ヒドロゲナーゼ(Mvh)、コエンザイムF
420還元ヒドロゲナーゼ(Frh)、溶解性ヒドロゲナーゼ(SH)、ヘテロジスルフィドレダクターゼ(Hdr)、蟻酸デヒドロゲナーゼ、10−ホルミル−H
4−葉酸シンターゼ、メテニルテトラヒドロ葉酸シクロヒドロラーゼ、10−メチレン−H
4−葉酸デヒドロゲナーゼ、10−メチレン−H
4−葉酸レダクターゼ、メチル−H
4−葉酸:コリノイド鉄硫黄タンパク質メチルトランスファラーゼ、コリノイド鉄硫黄タンパク質、COデヒドロゲナーゼ/アセチル−CoAシンターゼ、チオラーゼ、3−ヒドロキシブチル−CoAデヒドロゲナーゼ、クロトナーゼ、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ、ブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ、および、ブタノールデヒドロゲナーゼを有するデザイナメタン生成水素化ブタノール生産経路システムを表現する一組の遺伝子を有し、
上記独立栄養有機体は、メチル−H4MPT:コエンザイム−Mメチルトランスフェラーゼ Mtr、原生または(異種の)A
1A
0−ATPシンターゼ、メチル−コエンザイムMレダクターゼMcr、エネルギー変換ヒドロゲナーゼ(Ech)、[NiFe]−ヒドロゲナーゼ(Mvh)、コエンザイムF
420還元ヒドロゲナーゼ(Frh)、原生または(異種の)溶解性ヒドロゲナーゼ(SH)、ヘテロジスルフィドレダクターゼ(Hdr)、ホルミルメタノフランデヒドロゲナーゼ、ホルミルトランスファラーゼ、10−メテニル−テトラヒドロメタノプテリンシクロヒドロラーゼ、10−メチレン−H
4−メタノプテリンヒドロゲナーゼ、10−メチレン−H
4−メタノプテリンレダクターゼ、メチル−H
4−メタノプテリン:コリノイド鉄硫黄タンパク質メチルトランスファラーゼ、コリノイド鉄硫黄タンパク質、COデヒドロゲナーゼ/アセチル−CoAシンターゼ、チオラーゼ、3−ヒドロキシブチル−CoAデヒドロゲナーゼ、クロトナーゼ、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ、ブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼ、および、ブタノールデヒドロゲナーゼを有するデザイナメタン生成水素化ブタノール生産経路システムを表現する一組の遺伝子を有る、技術的特徴1記載の上記方法。