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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-99687(P2017-99687A)
(43)【公開日】2017年6月8日
(54)【発明の名称】屋上設置型球技施設管理システム
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/02 20060101AFI20170512BHJP
   A63B 69/38 20060101ALI20170512BHJP
【FI】
   A63B71/02 E
   A63B69/38 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-235819(P2015-235819)
(22)【出願日】2015年12月2日
(71)【出願人】
【識別番号】396009274
【氏名又は名称】株式会社ダイエープロジェクト
(74)【代理人】
【識別番号】100096839
【弁理士】
【氏名又は名称】曽々木 太郎
(72)【発明者】
【氏名】浅岡 大舗
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ネットを昇降自在にするとともに、その昇降が気象変化に応じて自動的になし得る屋上設置型球技施設管理システムを提供する。
【解決手段】昇降自在とされたネットを備える屋上設置型球技施設を管理する屋上設置型球技施設管理システムSであって、ネットを昇降させるネット昇降機構31を備えてなるもので、ネット昇降機構31が、気象状況に応じて昇降動作するよう構成されてなる屋上設置型球技施設管理システムSである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降自在とされたネットを備える屋上設置型球技施設を管理する屋上設置型球技施設管理システムであって、
前記ネットを昇降させるネット昇降機構を備え、
前記ネット昇降機構が、気象状況に応じて昇降動作するよう構成されてなることを特徴とする屋上設置型球技施設管理システム。
【請求項2】
外部センサと、制御装置とを備え、
前記外部センサは、風速計を有し、
前記制御装置は、入力信号処理部と、メモリと、判定部と、制御処理部と、出力信号処理部とを有し、
前記判定部は、前記外部センサから入力される風速の計測値が、メモリに予め格納されている規制値を超えるか否かを判定してその判定結果を前記制御処理部に送出し、前記制御処理部は判定結果が計測された風速が規制値を超えるとするものであれば、ネットを降下させる降下指令を生成してその降下指令を出力信号処理部に送出し、前記出力信号処理部は前記降下指令に応答してネット降下信号をネット昇降機構に出力し、
前記ネット昇降機構は、前記ネット降下信号に応答してネットを降下させる
ことを特徴とする請求項1記載の屋上設置型球技施設管理システム。
【請求項3】
外部センサと、制御装置とを備え、
前記外部センサは、温度計を有し、
前記制御装置は、入力信号処理部と、メモリと、判定部と、制御処理部と、出力信号処理部とを有し、
前記判定部は、前記外部センサから入力される気温の計測値が、メモリに予め格納されている規制値を下回るか否かを判定してその判定結果を前記制御処理部に送出し、前記制御処理部は判定結果が計測された気温が規制値を下回るとするものであれば、ネットを降下させる降下指令を生成してその降下指令を出力信号処理部に送出し、前記出力信号処理部は前記降下指令に応答してネット降下信号をネット昇降機構に出力し、
前記ネット昇降機構は、前記ネット降下信号に応答してネットを降下させる
ことを特徴とする請求項1記載の屋上設置型球技施設管理システム。
【請求項4】
撮像装置と、画像表示装置とを付加して備え、
制御装置が、前記撮像装置からの撮像画像を処理する画像処理部を有する
ことを特徴とする請求項2または3記載の屋上設置型球技施設管理システム。
【請求項5】
警報装置を付加して備えてなることを特徴とする請求項2または3記載の屋上設置型球技施設管理システム。
【請求項6】
警報ランプを付加して備えてなることを特徴とする請求項2または3記載の屋上設置型球技施設管理システム。
【請求項7】
制御装置がタイマーを有し、ネット昇降機構が所定時刻に起動させられてネットが昇降させられてなること特徴とする請求項2または3記載の屋上設置型球技施設管理システム。
【請求項8】
照明設備を付加して備え、
外部センサが、光センサを有し、
制御装置が、前記光センサからの信号に基づいて前記照明設備を点灯または消灯するようにされてなる
こと特徴とする請求項2または3記載の屋上設置型球技施設管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は屋上設置型球技施設管理システムに関する。さらに詳しくは、ボールの飛散を防止するために防球ネットが設けられた屋上設置型球技施設管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建物の屋上の有効利用の一環として屋上にテニスコートなどを設けることがなされている。
【0003】
かかるテニスコートなどにおいては、ボールの施設外への飛散を防止するたにネットが周囲に設けられている。このネットは一般的には金網とされている。
【0004】
しかしながら、ネットを金網とした場合には、台風などの際における取り外しが困難なため、支柱の強度をネットに作用する風圧にも耐えるようなものとしなければならない。そのため、施設規模に比して支柱および支柱を支える基礎が過大なものになるという問題がある。それに伴い、躯体に余分な負荷を与えるという問題もある。
【0005】
なお、特許文献1には、防球ネット支持装置の提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3043413号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑みなされたものであって、ネットを昇降自在にするとともに、その昇降が気象変化に応じて自動的になし得る屋上設置型球技施設管理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の屋上設置型球技施設管理システムは、昇降自在とされたネットを備える屋上設置型球技施設を管理する屋上設置型球技施設管理システムであって、前記ネットを昇降させるネット昇降機構を備え、前記ネット昇降機構が、気象状況に応じて昇降動作するよう構成されてなることを特徴とする。
【0009】
本発明の屋上設置型球技施設管理システムの第1形態は、外部センサと、制御装置とを備え、前記外部センサは、風速計を有し、前記制御装置は、入力信号処理部と、メモリと、判定部と、制御処理部と、出力信号処理部とを有し、前記判定部は、前記外部センサから入力される風速の計測値が、メモリに予め格納されている規制値を超えるか否かを判定してその判定結果を前記制御処理部に送出し、前記制御処理部は判定結果が計測された風速が規制値を超えるとするものであれば、ネットを降下させる降下指令を生成してその降下指令を出力信号処理部に送出し、前記出力信号処理部は前記降下指令に応答してネット降下信号をネット昇降機構に出力し、前記ネット昇降機構は、前記ネット降下信号に応答してネットを降下させることを特徴とする。
【0010】
本発明の屋上設置型球技施設管理システムの第2形態は、外部センサと、制御装置とを備え、前記外部センサは、温度計を有し、前記制御装置は、入力信号処理部と、メモリと、判定部と、制御処理部と、出力信号処理部とを有し、前記判定部は、前記外部センサから入力される気温の計測値が、メモリに予め格納されている規制値を下回るか否かを判定してその判定結果を前記制御処理部に送出し、前記制御処理部は判定結果が計測された気温が規制値を下回るとするものであれば、ネットを降下させる降下指令を生成してその降下指令を出力信号処理部に送出し、前記出力信号処理部は前記降下指令に応答してネット降下信号をネット昇降機構に出力し、前記ネット昇降機構は、前記ネット降下信号に応答してネットを降下させることを特徴とする。
【0011】
本発明の屋上設置型球技施設管理システムにおいては、撮像装置と、画像表示装置とを付加して備え、制御装置が、前記撮像装置からの撮像画像を処理する画像処理部を有するのが好ましい。
【0012】
また、本発明の屋上設置型球技施設管理システムにおいては、警報装置を付加して備えてなるのが好ましい。
【0013】
また、本発明の屋上設置型球技施設管理システムにおいては、警報ランプを付加して備えてなるのが好ましい。
【0014】
また、本発明の屋上設置型球技施設管理システムにおいては、制御装置がタイマーを有し、ネット昇降機構が所定時刻に起動させられてネットが昇降させられてなること特徴とする請求項2または3記載の屋上設置型球技施設管理システム。
【0015】
また、本発明の屋上設置型球技施設管理システムにおいては、照明設備を付加して備え、外部センサが、光センサを有し、制御装置が、前記光センサからの信号に基づいて前記照明設備を点灯または消灯するようにされてなるのが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は前記の如く構成されているので、風速が規制値を超えたり、気温が低下して規制値を下回ったりした場合に自動的にネットを降下させることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態1に係る屋上設置型球技施設管理システムのブロック図である。
図2】同管理システムの管理対象を有する屋上設置型球技施設の一例の概略図である。
図3】ネット昇降機構の一例の概略図である。
図4】本発明の実施形態2に係る屋上設置型球技施設管理システムのブロック図である。
図5】本発明の実施形態3に係る屋上設置型球技施設管理システムのブロック図である。
図6】本発明の実施形態4に係る屋上設置型球技施設管理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではない。
【0019】
実施形態1
図1に本発明の実施形態1に係る屋上設置型球技施設管理システム(以下、単に管理システムという)Sをブロック図で示し、図2に同管理システムの管理対象を有する屋上設置型球技施設(以下、単に施設という)Fの一例を概略図で示す。なお、施設Fには、屋上テニスコート、屋上フットサルコートなどが含まれる。
【0020】
施設Fは、図2に示すように、建物の屋上に配設された基礎枠F1に鉄骨構造の施設外枠F2を配設し、その内側に合成樹脂製のネットNを昇降自在に張設してなるものとされる。なお、図示はされていないが、照明設備および音声出力装置(例えば、スピーカー)が、施設外枠F2の適宜位置に取り付けられている。
【0021】
管理システムSは、図1に示すように、外部センサ10と、入力装置20と、管理対象30と、外部センサ10からの信号に基づいて管理対象30の動作処理をなす制御装置40とを主要構成要素として備えてなるものとされる。
【0022】
外部センサ10には、風速計11、温度計12、および光センサ13が含まれる。なお、光センサ13は、フォトスイッチとされてもよい。
【0023】
風速計11を設けるのは、計測された風速が規制値を超えた場合にネットNを降下させるためである。温度計12を設けるのは、気温が低下して規制値を下回った場合に、ネットNへの着氷や積雪を防止するためにネットNを降下させるためである。光センサ13を設けるのは、日没などにより施設F内が暗くなった場合に照明設備を点灯するためである。
【0024】
入力装置20は、管理システムSを手動と自動とに切り替える手動・自動切替スイッチ21を有するとともに、図示はされていないが、手動時にネットNを降下させる降下ボタンと、ネットNを上昇させる上昇ボタンと、照明設備を点灯および消灯させる点灯・消灯スイッチとを有するものとされる。
【0025】
管理対象30には、ネットNを昇降させるネット昇降機構31、照明設備32、音声出力装置33、および警報設備34が含まれる。
【0026】
図3に、ネット昇降機構31の一例を概略図で示す。
【0027】
ネット昇降機構31は、図3に示すように、モータ駆動とされたウインチ31aを中心的構成要素として備え、ワイヤ31bにより張設されたネットNを、ネットNを張設しているワイヤ31bをウインチ31aにより巻き出したり巻き戻したりすることにより昇降させるものとされる。なお、ウインチ31aは、例えば施設外枠F2の支柱F3下部の適宜位置に配設され、ワイヤ31bは滑車31cを介してウインチ31aに巻回されている。
【0028】
照明設備32および音声出力装置33は、公知のものと同様とされている。
【0029】
警報設備34には、警報ランプ34aおよび警報ブザー34bが含まれる。警報ランプ34aおよび警報ブザー34bは、例えば制御装置40が格納されている制御盤の正面に配設される。
【0030】
制御装置40は、入力信号処理部41と、メモリ42と、判定部43と、制御処理部44と、出力信号処理部45とを備えてなるものとされる。
【0031】
入力信号処理部41は、外部センサ10からの入力信号を処理して制御処理部44およびメモリ42に送出するものとされる。つまり、入力信号処理部41は、風速計11からの風速信号、温度計12からの外気温度信号、および光センサ13からの明暗信号を処理して判定部43およびメモリ42に送出するものとされる。なお、光センサ13に替えてフォトスイッチが用いられた場合には、フォトスイッチからの信号は、後述する照明処理部に直接送出される。
【0032】
メモリ42は、制御処理部44の処理に必要なデータ、入力信号処理部41から入力される風速などのデータを記憶するものとされる。例えば、メモリ42には、風速の規制値、着氷温度、音声パターンデータなどが格納されている。
【0033】
判定部43は、外部センサ10から入力される計測値と、メモリ42に格納されている規制値とを比較して計測値が規制値内にあるか否か判定し、その判定結果を制御処理部44に送出するものとされる。
【0034】
制御処理部44は、ネット昇降機構31のネットNの昇降を処理する昇降処理部44aと、照明設備32の点灯および消灯を処理する照明処理部44bと、音声出力装置33の音声出力を処理する音声出力処理部44cと、警報処理部44dとを含み、外部センサ10からの計測値に基づいて動作指令を生成して出力信号処理部45に送出するものとされる。
【0035】
出力信号処理部45は、制御処理部44から入力される動作指令に応答して管理対象30に動作信号を送出するものとされる。つまり、昇降処理部44aからの昇降指令に応答して昇降信号を生成してネット昇降機構31に送出し、照明処理部44bからの点灯・消灯指令に応答して点灯・消灯信号を生成して照明設備32に送出し、音声処理部44cからの音声出力指令に応答して音声出力信号を生成して音声出力装置33に送出し、警報処理部44dからの警報指令に応答して警報信号を生成して警報設備34に送出するものとされる。
【0036】
ここで、制御装置40は、前記各部を構成するようプロクラムが格納されたマイコンを中心に構成され、例えば施設Fの管理室(図示省略)に設置される。
【0037】
次に、かかる構成とされた管理システムSによる風速に応じたネットNの昇降について説明する。
【0038】
A)風速に応じてネットNを降下させる場合
ステップ1:判定部43は、風速計11により計測された風速をメモリ42に予め設定されている規制値と比較し、計測された風速が規制値を超えているか否か判定する。
【0039】
ステップ2:判定部43は、判定結果を昇降処理部44a、音声処理部44cおよび警報処理部44dに送出する。
【0040】
ステップ3:昇降処理部44aは、入力された判定結果が、風速の計測値が規制値を超えるとするものであれば、ネットNを降下させるネット降下指令を生成する。
【0041】
ステップ4:昇降処理部44aは、生成したネット降下指令を出力信号処理部45に送出する。
【0042】
ステップ5:音声処理部44cは、入力された判定結果が、風速の計測値が規制値を超えるとするものであれば、例えば、「これからネットNを降下させますので、コート内からの退場をお願いします。」というアナウンスをなすための音声出力指令を生成する。ここで、音声出力指令の生成は、メモリ42に予め格納されている音声パターンデータを選択することによりなされる。
【0043】
ステップ6:音声処理部44cは、生成した音声出力指令を出力信号処理部45に送出する。
【0044】
ステップ7:警報処理部44dは、入力された判定結果が、風速の計測値が規制値を超えるとするものであれば、警報ランプ34aを点灯させる警報ランプ点灯指令、および警報ブザー34bを吹奏させる警報ブザー吹奏指令を生成する。
【0045】
ステップ8:警報処理部44dは、生成した警報ランプ点灯指令および警報ブザー吹奏指令を出力信号処理部45に送出する。
【0046】
ステップ9:出力信号処理部45は、音声信号処理部44cからの音声出力指令に応答して音声出力信号を生成して音声出力装置33に送出する。
【0047】
ステップ10:出力信号処理部45は、警報処理部44dからの警報ランプ点灯指令および警報ブザー吹奏指令に応答して警報ランプ点灯信号および警報ブザー吹奏信号を警報設備34に出力する。
【0048】
ステップ11:出力信号処理部45は、音声出力信号の送出から所定時間経過にネット降下指令に応答してネット降下信号を生成してネット昇降機構31に出力する。ここで、所定時間は、例えば5分とされる。
【0049】
しかして、音声出力装置33は、入力された音声信号に基づいてアナウンスをする。例えば、「これからネットNを降下させますので、コート内から退場をお願いします。」というアナウンスをする。また、警報設備34は、入力された警報ランプ点灯信号に応答して警報ランプ34aを点灯するとともに、入力された警報ブザー吹奏信号に応答して警報ブザー34bを吹奏する。
【0050】
ついで、所定時間経過後にネット昇降機構31は入力されたネット降下信号に応答しネットを降下させる。
【0051】
B)風速に応じてネットを上昇させる場合
ステップ21:判定部43は、風速計11により計測された風速をメモリ42に予め設定されている規制値と比較し、計測された風速が規制値を超えているか否か判定する。
【0052】
ステップ22:判定部43は、判定結果を昇降処理部44aおよび音声処理部44cに送出する。
【0053】
ステップ23:昇降処理部44aは、入力された判定結果が、風速の計測値が規制値を超えていないとするものであれば、ネットNを上昇させるネット上昇指令を生成する。
【0054】
ステップ24:昇降処理部44aは、生成したネット上昇指令を出力信号処理部45に送出する。
【0055】
ステップ25:音声処理部44cは、入力された判定結果が、風速の計測値が規制値を超えないとするものであれば、例えば、「これからネットNを上昇させますので、コートに近づかないようお願いします。」というアナウンスをなすための音声出力指令を生成する。ここで、音声出力指令の生成は、メモリ42に予め格納されている音声パターンデータを選択することによりなされる。
【0056】
ステップ26:音声処理部44cは、生成した音声出力指令を出力信号処理部45に送出する。
【0057】
ステップ27:出力信号処理部45は、音声信号処理部44cからの音声出力指令に応答して音声出力信号を生成して音声出力装置33に出力する。
【0058】
ステップ28:出力信号処理部45は、音声出力信号の送出から所定時間経過にネット上昇指令に応答してネット上昇信号を生成してネット昇降機構31に出力する。ここで、所定時間は、例えば5分とされる。
【0059】
しかして、音声出力装置33は、入力された音声信号に基づいてアナウンスをする。例えば、「これからネットNを上昇させますので、コートに近づかないようお願いします。」というアナウンスをする。
【0060】
ついで、所定時間経過後にネット昇降機構31は入力されたネット上昇信号に応答しネットNを上昇させる。
【0061】
なお、気温に応じてネットNを昇降させる場合は、判定部43において計測された気温が規制値を下回るか否か判定される他は、前述した風速に応じてネットNを昇降させる場合と同様とされる。
【0062】
このように、本実施形態によれば、風速および気温に応じてネットNが昇降されるので、ネットNが台風などの暴風時に風圧を受けることがなくなるとともに、ネットNへの着氷や積雪が防止されるので、施設外枠F2や建物に余分な負荷がかかるのが防止される。
【0063】
実施形態2
図4に、本発明の実施形態2に係る管理システムSをブロック図で示す。
【0064】
実施形態2は、実施形態1を改変してなるものであって、気象予報会社と契約し、気象予報会社からの気象予報に基づいてネットNの昇降などを行うようにされてなるものとされる。なお、その余の構成は実施形態1と同様とされているので、実施形態2の実施形態1と異なる点を中心に説明し、実施形態1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明は省略する。
【0065】
制御装置40は、図4に示すように、気象予報会社の通信設備Wとの通信をなす通信部46を備えてなるものとされる。なお、図示例においては、通信は無線が想定されているが、通信は無線に限定されるものではなく有線とされてもよい。
【0066】
気象予報会社は、施設F付近の風速が規制値を超えると予測すると、風速が規制値を超えるとの警報信号を制御装置40の通信部46に送信する。警報信号を受信した通信部46は、警報信号を入力信号処理部41に送出する。
【0067】
入力信号処理部41は、入力された警報信号を判定部43を通すことなく直接、制御処理部44に送出する。つまり、入力信号処理部41は、警報信号を昇降処理部44a、音声処理部44c、警報処理部44dに送出する。
【0068】
以下、実施形態1と同様にしてネットNの降下等がなされる。
【0069】
なお、ネットNの上昇は、安全の見地から風速計11の計測値に基づいて、実施形態1と同様にしてなされる。
【0070】
このように、本実施形態によれば、防風の発生前にネットNを降下させることができるので、実施形態1に比して安全性の向上が図られる。
【0071】
実施形態3
図5に、本発明の実施形態3に係る管理システムSをブロック図で示す。
【0072】
実施形態3は、実施形態1を改変してなるものであって、制御装置40にタイマー47を設け、所定時刻にネットNを自動的に昇降させるようにされてなるものとされる。例えば、営業開始時刻の30分前にネットNを自動的に上昇させるとともに、営業終了時刻の30分後にネットNを自動的に降下させるようにされてなるものとされる。ただし、風速計11により計測された風速が規制値を超える場合には、判定部43における判定が優先される。
【0073】
なお、その余の構成は実施形態1と同様とされているので、その余の構成の説明は省略する。
【0074】
このように、本実施形態によれば、営業開始前にネットNを自動的に上昇させることができるとともに、営業終了後にネットNを自動的に降下させることができるので、省力化が図られる。
【0075】
実施形態4
図6に、本発明の実施形態4に係る管理システムSをブロック図で示す。
【0076】
実施形態4は、実施形態1を改変してなるものであって、コートに撮像装置50、例えば監視カメラ51を設け、管理室に画像表示装置60、例えばモニタ61を設け、制御装置40に撮像装置50からの画像を処理して出力信号処理部45に送出する画像処理部48を設けてなるものとされる。
【0077】
なお、その余の構成は実施形態1と同様とされているので、その余の構成の説明は省略する。
【0078】
このように、本実施形態によれば、管理人は管理室にいながらにしてコートの状況を把握することができる。
【0079】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明してきたが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではなく、種々改変が可能である。
【0080】
例えば、実施形態1では、警報ランプ34aおよび警報ブザー34bは制御装置40を収納する制御盤に配設されているが、警報ランプ34aおよび警報ブザー34bは支柱F3に配設されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明はスポーツ産業に適用できる。
【符号の説明】
【0082】
S 管理システム
F 施設
F1 基礎枠
F2 施設外枠
F3 支柱
N ネット
W 通信設備
10 外部センサ
11 風速計
12 温度計
13 光センサ
20 入力装置
21 手動・自動切替スイッチ
30 管理対象
31 ネット昇降機構
31a ウインチ
31b ワイヤ
31c 滑車
32 照明設備
33 音声出力装置
34 警報設備
34a 警報ランプ
34b 警報ブザー
40 制御装置
41 入力信号処理部
42 メモリ
43 判定部
44 制御処理部
44a 昇降処理部
44b 照明処理部
44c 音声出力処理部
44d 警報処理部
45 出力信号処理部
46 通信部
47 タイマー
48 画像処理部
50 撮像装置
51 監視カメラ
60 画像表示装置
61 モニタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6