特開2017-99770(P2017-99770A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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▶ 佐々木 典政の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-99770(P2017-99770A)
(43)【公開日】2017年6月8日
(54)【発明の名称】ナッツ割り器
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/26 20060101AFI20170512BHJP
【FI】
   A47J43/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-237013(P2015-237013)
(22)【出願日】2015年12月3日
(71)【出願人】
【識別番号】509033697
【氏名又は名称】佐々木 典政
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 典政
【テーマコード(参考)】
4B053
【Fターム(参考)】
4B053AA03
4B053CA30
(57)【要約】
【課題】本発明は、いろいろな種類のナッツに対応できるよう、2通り以上の形状のナッツ保持・挟圧部を形成することができるナッツ割り器を提供することを課題とする。
【解決手段】その長手方向の両側面に挟圧部を有する板状の挟圧部材に柄を取り付けた片2つからなり、その2つの片は互いに分離しており、その2つの片は軸と軸受部を1つずつ有する2つの片であるか、又は軸を2つ有する片と軸受部を2つ有する片の2つの片であり、1つの片の軸と他の1つの片の軸受部を係合して使用するものであり、その軸と軸受部の係合の仕方を変えて、2通り以上の形状のナッツ保持・挟圧部を形成することができる構成とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その長手方向の両側面に挟圧部を有する板状の挟圧部材に柄を取り付けた片2つからなるナッツ割り器であって、
その2つの片は互いに分離しており、
その2つの片が軸と軸受部を1つずつ有する2つの片であるか、又は軸を2つ有する片と軸受部を2つ有する片の2つの片であって、
1つの片の軸と他の1つの片の軸受部を係合して使用するナッツ割り器であって、
その軸と軸受部の係合の仕方を変えて、2通り以上の形状のナッツ保持・挟圧部を形成することができるナッツ割り器。
【請求項2】
その長手方向の両側面に挟圧部を有する板状の挟圧部材に柄を取り付けた片2つからなり、
その2つの片は互いに分離しており、
挟圧部材は、それぞれ、柄とは反対の側に軸保持部がなく軸受部を有する中央挟圧部材を真中に、柄とは反対の側に軸受部がなく軸保持部を有する外側挟圧部材を上下に挟んで固着されており、
上下の外側挟圧部材の軸保持部の中心を貫通して軸が固定されており、
軸受部には、他の片の軸が軸受部の中心まで達することができるように、外縁から中心に至る軸通路が形成されており、
挟圧部材の軸保持部と軸受部の柄よりの縁にはそれぞれ前記挟圧部が形成されており、
2つの片の挟圧部で形成されるナッツ保持・挟圧部の形状は異なるように形成されており、
1つの片の軸を他の1つの片の軸受部に係合して使用する、
ナッツ割り器。
【請求項3】
軸保持部と軸受部の外周部及び他の片の軸受部が接することとなる部分の中央挟持部材の縁は同じ大きさの円の円弧の一部となっており、
1つの片の軸を他の1つの片の軸受部に係合して、2つの片の柄が最も近づいた状態にしたとき、係合した軸の軸保持部と軸受部とは精確に重なり、当該軸受部と係合した軸の軸保持部に連なる中央挟持部材の縁は密接しており、
軸通路が開口している方向は、軸保持部がある方向で柄とは反対の方向であり、
1つの片の軸を他の1つの片の軸受部に挿入するときの2つの片がなす角度が限定されることとなる、
ことを特徴とする請求項2に記載のナッツ割り器。
【請求項4】
その長手方向の両側面に挟圧部を有する板状の挟圧部材に柄を取り付けた片2つからなるナッツ割り器であって、
その2つの片は、互いに分離している軸受片1つと有軸片1つであって、
軸受片の挟圧部材は、柄とは反対の側の左右に軸受部を1つずつ有する中央挟圧部材を真中に、柄とは反対の側に軸受部も軸保持部もない外側挟圧部材を上下に挟んで固着されており、軸受部には、有軸片の軸が軸受部の中心まで達することができるように、外縁から中心に至る軸通路が形成されており、
有軸片の挟圧部材は、柄とは反対の側の左右にある軸保持部の部分が欠けている中央挟圧部材を真中に、柄とは反対の側の左右に軸保持部を1つずつ有する外側挟圧部材を上下に挟んで固着されており、上下の外側挟圧部材の軸保持部の中心を貫通して軸が固定されており、
挟圧部材の軸保持部又は軸受部の柄よりの2つの縁にはそれぞれ前記挟圧部が形成されており、
2つの片の挟圧部で形成されるナッツ保持・挟圧部の形状は異なるように形成されており、
有軸片の軸を軸受片の軸受部に係合して使用する、
ナッツ割り器。
【請求項5】
軸保持部と軸受部の外周部及び軸受片の軸受部が接することとなる有軸片の中央挟持部材の縁は同じ大きさの円の円弧の一部となっており、
有軸片の軸を軸受片の軸受部に係合して、2つの片の柄が最も近づいた状態にしたとき、係合した軸の軸保持部と軸受部とは精確に重なり、当該軸受部と係合した有軸片の軸保持部に連なる中央挟持部材の縁は密接しており、
軸受部の軸通路が開口している方向は、互いに他の軸受部がある方向で柄とは反対の方向であり、
有軸片の軸を軸受片の軸受部に挿入するときの2つの片がなす角度が限定されることとなる、
ことを特徴とする請求項4に記載のナッツ割り器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、2通り以上の形状のナッツ保持・挟圧部を形成することができるナッツ割り器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図9の(a)又は(d)のようなナッツ保持・挟圧部を1組有するナッツ割り器が考案されている。
また、図9の(b)のようなナッツ保持・挟圧部を1組有するナッツ割り器が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、図9の(c)のようなナッツ保持・挟圧部を1組有するナッツ割り器が考案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭53−6474号公報
【特許文献2】実開昭61−151640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特に堅い殻を有するオニグルミは図9の(a)のようなナッツ保持・挟圧部を有するナッツ割り器を使用すると、殻を割るのに大きな力が必要であり、大きな力を加えて割った場合、内部の実まで一緒に細かく割れてしまうことがある。
オニグルミの殻の外側には2本の突条部が並んで1周しており、その2本の突条部の間に、図9の(b)の突起又は(c)の押切刃を当てて殻を割ると容易に割ることができる。
一方で、このような突条部がないナッツにおいては、図9の(b)の突起又は(c)の押切刃を当てるところがなく、ナッツを確実に保持・挟圧することが困難である。
【0005】
本発明は、いろいろな種類のナッツに対応できるよう、2通り以上の形状のナッツ保持・挟圧部を形成することができるナッツ割り器を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の態様は、その長手方向の両側面に挟圧部を有する板状の挟圧部材に柄を取り付けた片2つからなり、その2つの片は互いに分離しており、その2つの片は軸と軸受部を1つずつ有する2つの片であるか、又は軸を2つ有する片と軸受部を2つ有する片の2つの片であり、1つの片の軸と他の1つの片の軸受部を係合して使用するものであり、その軸と軸受部の係合の仕方を変えて、2通り以上の形状のナッツ保持・挟圧部を形成することができるナッツ割り器であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、少なくとも2通りのナッツ保持・挟圧部を形成できるので、殻に突起又は押切刃を当てることができるナッツとそうでないナッツに対応して、2つの片の係合の仕方を変えて、適切な形状のナッツ保持・挟圧部でナッツを割ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施の形態に係るナッツ割り器の平面図である。
図2図1に示した2つの片を係合した状態での平面図である。
図3図1に示した2つの片を他の仕方で係合した状態での平面図である。
図4】本発明の第1の実施の形態に係るナッツ割り器の中央挟圧部材の形状を特に示した平面図である。
図5】本発明の第1の実施の形態に係るナッツ割り器の挟圧部材の構成を示した平面図である。
図6】本発明の第1の実施の形態に係るナッツ割り器の2つの片を係合する直前の平面図である。
図7】本発明の第1の実施の形態に係るナッツ割り器の2つの片を係合した直後の平面図である。
図8】本発明の第2の実施の形態に係るナッツ割り器の平面図である。
図9】ナッツ保持・挟圧部の形状の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照して、本発明の第1及び第2の実施の形態を説明する。
なお、図1から図8までにおいては、挟圧部4の形状を一部簡略化して記載しているが、挟圧部4の実際の形状は、図9の各図に例示しているナッツ保持・挟圧部4oの左側半分若しくは右側半分又はそれらを左右反転したもののいずれかである。
(第1の実施の形態)
【0010】
図1に示すように、ナッツ割り器のA片1aとB片1bは、軸5と軸受部7をそれぞれ1つずつ持っている。A片1aの軸受部7にB片1bの軸5を係合させると、A片1aの挟圧部4aRとB片1bの挟圧部4bLとで1つのナッツ保持・挟圧部4oが形成される。
また、B片1bの軸受部7にA片1aの軸5を係合させると、B片1bの挟圧部4bRとA片1aの挟圧部4aLとで1つのナッツ保持・挟圧部4oが形成される。
挟圧部4aRと挟圧部4bLとで形成されるナッツ保持・挟圧部4oの形状と、挟圧部4bRと挟圧部4aLとで形成されるナッツ保持・挟圧部4oの形状が異なるような挟圧部4の形状にしておくことにより、2通りの形状のナッツ保持・挟圧部4oを持つナッツ割り器とすることができる。
【0011】
ナッツ保持・挟圧部4oの形状は図9に例示するものが考えられるが、これらの任意の2つを組み合わせることが可能である。
殻に突起又は押切刃を当てることができるナッツに対しては、図9の(b)、(c)、(e)又は(f)が適しており、そうでないナッツに対しては、図9の(a)又は(d)が適している。
【0012】
2つの片を係合したとき、軸保持部6と軸受部7とがぴったり重なるようにすればデザイン的にすっきりしたものになる。
また、2つの片を係合したとき、係合している軸受部7に接近することとなる他の片の中央挟圧部材2cが軸受部7に密着して回動するためには軸受部7の外周は円である必要があり、前記中央挟圧部材2cの他の片の軸受部7に密着する部分も同じ大きさの円弧である必要がある。
【0013】
軸受部7に設ける軸通路8の開口の方向を軸保持部6がある方向で柄3とは反対の方向で適切に設定すれば、2つの片を係合するために軸5を軸通路8に挿入するときの2つの片がなす角度が限定される。逆に言えば、その角度でないと2つの片は外れないことになり、使用中に不用意に2つの片が外れることはなくなる。
(第2の実施の形態)
【0014】
図8に示すように、ナッツ割り器の軸受片1cは軸受部7を2つ、有軸片1dは軸5を2つ持っている。軸受片1cの軸受部7bに有軸片1dの軸5aを係合させると、軸受片1cの挟圧部4cRと有軸片1dの挟圧部4dLとで1つのナッツ保持・挟圧部4oが形成される。
また、軸受片1cの軸受部7bに有軸片1dの軸5bを係合させると、軸受片1cの挟圧部4cRと有軸片1dの挟圧部4dRとで1つのナッツ保持・挟圧部4oが形成される。
また、軸受片1cの軸受部7aに有軸片1dの軸5aを係合させると、軸受片1cの挟圧部4cLと有軸片1dの挟圧部4dLとで1つのナッツ保持・挟圧部4oが形成される。
また、軸受片1cの軸受部7aに有軸片1dの軸5bを係合させると、軸受片1cの挟圧部4cLと有軸片1dの挟圧部4dRとで1つのナッツ保持・挟圧部4oが形成される。
以上の4つの組み合わせがあるわけであるが、左右対称形のナッツ保持・挟圧部4oを含む場合は、ナッツ保持・挟圧部4oが同じ形状となる組み合わせが2以上存在することから、形成可能なナッツ保持・挟圧部4oの形状の種類は3以下となる場合がある。
【0015】
ナッツ保持・挟圧部4oの形状は図9に例示するものが考えられるが、(a)、(b)及び(c)を形成することができる組み合わせと(d)、(e)及び(f)を形成することができる組み合わせが考えられる。
また、(a)から(f)までの任意の2つを組み合わせることは可能である。
【0016】
2つの片を係合したとき、軸保持部6と軸受部7とがぴったり重なるようにすればデザイン的にすっきりしたものになる。
また、2つの片を係合したとき、係合している軸受片1cの軸受部7に接近することとなる有軸片1dの中央挟圧部材2cが軸受部7に密着して回動するためには軸受部7の外周は円である必要があり、前記中央挟圧部材2cの軸受片1cの軸受部7に密着する部分も同じ大きさの円弧である必要がある。
【0017】
軸受部7に設ける軸通路8の開口の方向を互いに他の軸受部7がある方向で柄3とは反対の方向で適切に設定すれば、2つの片を係合するために軸5を軸通路8に挿入するときの2つの片がなす角度が限定される。逆に言えば、その角度でないと2つの片は外れないことになり、使用中に不用意に2つの片が外れることはなくなる。
【符号の説明】
【0018】
1 本発明のナッツ割り器
1a A片
1b B片
1c 軸受片
1d 有軸片
2 挟圧部材
2c 中央挟圧部材
2s 外側挟圧部材
4 挟圧部
4aL 挟圧部
4aR 挟圧部
4bL 挟圧部
4bR 挟圧部
4cL 挟圧部
4cR 挟圧部
4dL 挟圧部
4dR 挟圧部
4o ナッツ保持・挟圧部
5 軸
5a 軸
5b 軸
6 軸保持部
7 軸受部
7a 軸受部
7b 軸受部
11 突起
12 押切刃
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9