【解決手段】キャリッジ10と、キャリッジ10の両幅よりもそれぞれの内側に配置される内側搬送チェーン20と、キャリッジ10の両幅よりもそれぞれの外側に配置される外側搬送チェーン30とを備え、キャリッジ10は、両側の前後方向に一定長さを有するキャリッジ用チェーン15と、前後方向に並んで配置される複数の棚板11とを備え、棚板11は、両側のキャリッジ用チェーン15のリンク間を上部で接続しており、キャリッジ用チェーン15は、内側搬送チェーン20と外側搬送チェーン30の間に平行に配置され、キャリッジ用チェーン15の前側で内側搬送チェーン20又は外側搬送チェーン30のいずれか一方に接続されており、キャリッジ用チェーン15の後ろ側で内側搬送チェーン20又は外側搬送チェーン30のいずれか他方に接続されている。
キャリッジと、前記キャリッジの両幅よりもそれぞれの内側に配置される内側搬送チェーンと、前記キャリッジの両幅よりもそれぞれの外側に配置される外側搬送チェーンとを備え、
前記キャリッジは、両側の前後方向に一定長さを有するキャリッジ用チェーンと、前後方向に並んで配置される複数の棚板とを備え、
前記棚板は、両側の前記キャリッジ用チェーンのリンク間を上部で接続しており、
前記キャリッジ用チェーンは、前記内側搬送チェーンと前記外側搬送チェーンの間に平行に配置され、
前記キャリッジ用チェーンの前側で前記内側搬送チェーン又は前記外側搬送チェーンのいずれか一方に接続されており、前記キャリッジ用チェーンの後ろ側で前記内側搬送チェーン又は前記外側搬送チェーンのいずれか他方に接続されていることを特徴とする傾斜搬送コンベア。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態を説明する。
【0015】
図1は、本発明の傾斜搬送コンベアにおけるキャリッジの一実施形態を示す平面図である。
図2は、本発明の傾斜搬送コンベアにおけるキャリッジの一実施形態を示す側面図である。なお、
図1及び
図2の左右方向をキャリッジ10の前後方向とし、
図1の上下方向をキャリッジ10の横方向とする。また、
図2の左右方向をキャリッジ10の前後方向とし、
図2の上下方向をキャリッジ10の上下方向とする。また、傾斜搬送部を上昇させる構成の場合はキャリッジ10の進行方向は、
図1、2において右側である。
【0016】
キャリッジ10は、キャリッジ用チェーン15と、棚板11と、棚板固定部12とを備えている。
【0017】
キャリッジ用チェーン15は、キャリッジ10の両側に平行に設けられるローラーチェーンであり、前後方向に延びており、2つで構成されている。ローラーチェーンとしては、内リンク16と外リンク17を交互に組み合わせたローラーチェーンを適用できる。キャリッジ用チェーン15は、前後方向に一定の長さを有している。なお、内リンク16と外リンク17が連結される連結部18の回動の軸方向は横方向となっている。
【0018】
ここで、内リンク16は2つの平行する内プレート16aの間を横方向に延びる2つのローラ16bが前後方向に平行に並べた状態で取り付けられている。外リンク17は2つの平行する外プレート17aの間を横方向に延びる2つのピン17bが前後方向に平行に並べた状態で取り付けられている。このとき、外プレート17aは、内プレート16aの外側から取り付けられている。外リンク17の2つのピン17bは1つの内リンク16のローラ16b内と、隣の別の内リンク16のローラ16b内にそれぞれ挿入されている。ここで、ローラ16bにピン17bが挿入されている部分が内リンク16と外リンク17の回動の中心となり、ここが連結部18となる。また隣合う連結部18の距離が、キャリッジ用チェーン15のピッチPとなる。
【0019】
棚板11は、複数で構成されている。棚板11は、横方向を長手方向とする直方体部材である。棚板11は、キャリッジ10が水平な状態(
図1、2の状態)では、前後方向に並べて設けられており、隣合う棚板11の前後方向の側面同士が当接している。また、棚板11は、キャリッジ用チェーン15の上部に棚板固定部12を介して、両側の2つのキャリッジ用チェーン15のリンク間を接続している。棚板11の材質は、樹脂やステンレス、鉄等が適用できる。
【0020】
棚板固定部12は、キャリッジ用チェーン15に棚板11を固定するための部材である。棚板固定部12は、棚板11の両端でそれぞれ固定し、両側のキャリッジ用チェーン15の1つのリンク(内リンク16もしくは外リンク17)とそれぞれ固定されている。また、棚板固定部12は、キャリッジ用チェーン15の1つのリンクと一体に構成してもよい。
【0021】
例えば、
図1、2に示すように棚板固定部12は、キャリッジ用チェーン15の外側の外プレート17aから上部へ延長する延長部12aと、延長部12a上端より横方向内側に折り曲げる固定部12bを有する構成とする。このため、棚板固定部12は外側の外プレート17aと一体に形成されている。そして、固定部12bの上部に棚板11を載せて固定する。固定は、ボルト止めや接合などふさわしい方法が適用される。
【0022】
棚板固定部12は、両側のキャリッジ用チェーン15の外プレート17aごとに設けられている。すなわち、隣り合う外側の外プレート17aにそれぞれ棚板固定部12が設けられていることになる。そして、棚板11の横方向両端部付近の下部が棚板固定部12により固定されている。
【0023】
キャリッジ10の全体的な構成として、図の例では10個の棚板11が前後方向に並んで構成されている。そして、棚板11の長手方向(横方向)の長さは、両側のキャリッジ用チェーン15における外側の外プレート17a間の長さ程度となっている。これは、キャリッジ10の横方向の長さと略同じである。また、棚板11の前後方向の長さは、キャリッジ用チェーン15のピッチPの2倍となっている。これは、1つ飛んだリンクごと(外リンク22ごと)に棚板11が取り付けられている構成において、棚板11の側面同士を前後方向で当接させるために必要な長さである。
【0024】
また、キャリッジ用チェーン15はキャリッジ10の両側で同じものを用いることができる。一方で、棚板固定部12まで含めた構成は、キャリッジ10の横方向の中心に対して対称形状となっている。また、キャリッジ10の前方部には、棚板11を設けない部分Iが存在する。この部分は、後述する傾斜下内側スプロケット54との干渉を防止するための大きさを確保した部分である。
図1、2の例では2.5リンク分だけ設けられていない。
【0025】
図3は、本発明の傾斜搬送コンベアにおけるキャリッジを内側搬送チェーン及び外側搬送チェーンに取り付けた状態の一実施形態を示す平面図である。
図4は、本発明の傾斜搬送コンベアにおけるキャリッジを内側搬送チェーン及び外側搬送チェーンに取り付けた状態の一実施形態を示す正面図である。なお、
図3の左右方向がキャリッジ10の前後方向となり、
図3の上下方向がキャリッジ10の横方向となる。また、
図4の左右方向がキャリッジ10の横方向となり、
図4の上下方向がキャリッジ10の上下方向となる。また、傾斜搬送部を上昇させる構成の場合はキャリッジ10の進行方向は、
図3において右側である。
【0026】
本発明の傾斜搬送コンベアは、キャリッジ10の両側に備えられるキャリッジ用チェーン15に対して、内側に内側搬送チェーン20が、外側に外側搬送チェーン30が配置されている。
【0027】
内側搬送チェーン20は、両側のキャリッジ用チェーン15のすぐ内側にそれぞれ配置され、キャリッジ用チェーン15と平行に並んで設けられる。すなわち、2つの内側搬送チェーン20がキャリッジ10の両幅よりもそれぞれの内側に設けられていることになる。内側搬送チェーン20は、端部のないエンドレスチェーンであり、内リンク21と外リンク22を組み合わせたローラーチェーンを適用できる。ここでの内リンク21と外リンク22の構成は、上述したキャリッジ用チェーン15の内リンク16と外リンク17と同様の構成が適用できる。なお、内リンク21と外リンク22が連結される連結部23の回動の軸方向は横方向となっている。
【0028】
外側搬送チェーン30は、両側のキャリッジ用チェーン15のすぐ外側にそれぞれ配置され、キャリッジ用チェーン15と平行に並んで設けられる。すなわち、2つの外側搬送チェーン30がキャリッジ10の両幅よりも外側に設けられていることになる。外側搬送チェーン30は、端部のないエンドレスチェーンであり、内リンク31と外リンク32を組み合わせたローラーチェーンを適用できる。ここでの内リンク31と外リンク32の構成は、上述したキャリッジ用チェーン15の内リンク16と外リンク17と同様の構成が適用できる。なお、内リンク31と外リンク32が連結される連結部33の回動の軸方向は横方向となっている。
【0029】
内側搬送チェーン20と外側搬送チェーン30は、一体でつながっている無端条のチェーンである。内側搬送チェーン20と外側搬送チェーン30は、同じ長さのチェーンにより構成することができる。さらには、内側搬送チェーン20と外側搬送チェーン30はまったく同じチェーンを適用してもよい。そして、内側搬送チェーン20と外側搬送チェーン30は、駆動の同期及び速度が同じである。すなわち、内側搬送チェーン20及び外側搬送チェーン30は、動きだし、停止のタイミングが同じであると共に、同じ速度で駆動される。
【0030】
キャリッジ用チェーン15と内側搬送チェーン20との接続は内側連結部材41により行う。内側連結部材41は、横方向を軸方向とする軸形状を適用できる。そして、キャリッジ用チェーン15の先端側の連結部18に内側連結部材41を取り付ける。内側連結部材41は、そこから横方向の内側に延びており、内側搬送チェーン20の連結部23の1つに取り付けられる。この部分では、内側搬送チェーン20の連結部23で用いるピンの代わりに内側連結部材41とすることができる。内側連結部材41が取り付けられた部分では、キャリッジ用チェーン15に対して内側搬送チェーン20が横方向を軸方向として回動可能となるように構成されている。
【0031】
キャリッジ用チェーン15と外側搬送チェーン30との接続は外側連結部材42により行う。外側連結部材42は、横方向を軸方向とする軸形状を適用できる。そして、キャリッジ用チェーン15の後端側の連結部18に外側連結部材42を取り付ける。外側連結部材42は、そこから横方向の外側に延びており、外側搬送チェーン30の連結部33の1つに取り付けられる。この部分では、外側搬送チェーン30の連結部33で用いるピンの代わりに外側連結部材42とすることができる。外側連結部材42が取り付けられた部分では、キャリッジ用チェーン15に対して外側搬送チェーン30が横方向を軸方向として回動可能となるように構成されている。
【0032】
図3、4では、水平状態における図を示すが、この状態では、内側搬送チェーン20は、棚板11の下部に位置している。すなわち、棚板11及び棚板固定部12(固定部12b)は内側搬送チェーン20よりも高い位置に設けられていることになる。また、
図4に示すようにキャリッジ用チェーン15、内側搬送チェーン20、外側搬送チェーン30は同じ高さに横方向に並んで設けられている。
【0033】
搬送時は、内側搬送チェーン20と外側搬送チェーン30は同速度で移動する。これにより、キャリッジ10は、前側で両側2つの内側連結部材41により支えられ、後ろ側で両側2つの外側連結部材42に支えられながら移動することができる。なお、内側搬送チェーン20、外側搬送チェーン30、キャリッジ用チェーン15は同じものを適用可能である。また、内側連結部材41と外側連結部材42も同じものを適用可能である。
【0034】
図5は、本発明の傾斜搬送コンベアにおけるコンベア構成の一例を示す側面図である。
図6は、本発明の傾斜搬送コンベアにおけるコンベア構成の一例を示す平面図である。
図7は、本発明の傾斜搬送コンベアにおける傾斜搬送時の一例を示す側面図である。
図8は、本発明の傾斜搬送コンベアにおけるキャリッジの進行方向変更時の一例を示す側面図である。
【0035】
図5、6では、内側搬送チェーン20と外側搬送チェーン30の図示を簡略化して太い実線で記載してある。また、
図6では、キャリッジ10は1台のみ例示してある。また、
図8では、内側搬送チェーン20と外側搬送チェーン30の図示は省略してあり、第1中間スプロケット71の図示は簡略化している。
【0036】
図5、6の例では、第1水平搬送部A、傾斜搬送部B、第2水平搬送部C、第1戻り経路D、第2戻り経路Eを有するコンベアの構成例について説明する。
【0037】
第1水平搬送部Aでは、
図3、4で示した構成の様に、キャリッジ用チェーン15の内側に、内側搬送チェーン20が、キャリッジ用チェーン15の外側に外側搬送チェーン30が平行に配列されている。そして、キャリッジ10は、内側搬送チェーン20及び外側搬送チェーン30と同じ速度で水平移動する。
【0038】
傾斜搬送部Bでは、内側搬送チェーン20と外側搬送チェーン30は、同じ傾斜角θの角度で水平に対して傾斜しており、水平距離Lを保って平行に配置されている。ここでの水平距離Lは、内側連結部材41と外側連結部材42の前後方向の距離と同じである。すなわち水平距離Lは、キャリッジ用チェーン15に対する内側搬送チェーン20と外側搬送チェーン30の接続間の前後方向の距離となる。そして、内側搬送チェーン20が前側、外側搬送チェーン30が後ろ側となっている。なお、傾斜角θは、目的に応じたふさわしい角度が適用される。
【0039】
内側搬送チェーン20は、傾斜搬送部Bが開始される下側の部分で、傾斜下内側スプロケット54により角度が水平から傾斜角θに変わる。また、傾斜搬送部Bが終了となる上側の部分で、傾斜上内側スプロケット55により角度が傾斜角θから水平に変わる。
【0040】
外側搬送チェーン30は、傾斜搬送部Bが開始される下側の部分で、傾斜下外側スプロケット64により角度が水平から傾斜角θに変わる。また、傾斜搬送部Bが終了となる上側の部分で、傾斜上外側スプロケット65により角度が傾斜角θから水平に変わる。
【0041】
ここで、傾斜下内側スプロケット54と傾斜下外側スプロケット64の前後方向の距離は、上記の水平距離Lと同じである。また、傾斜上内側スプロケット55と傾斜上外側スプロケット65の前後方向の距離も、上記の水平距離Lと同じである。そして、傾斜搬送部Bの下側では、傾斜下内側スプロケット54が前側で、傾斜下外側スプロケット64が後ろ側に位置している。また、傾斜搬送部Bの上側では、傾斜上内側スプロケット55が前側で、傾斜上外側スプロケット65が後ろ側に位置している。また、傾斜下内側スプロケット54と傾斜下外側スプロケット64は同じスプロケットを適用できる。傾斜上内側スプロケット55と傾斜上外側スプロケット65も同じスプロケットを適用できる。
【0042】
傾斜搬送部Bにおいて、内側搬送チェーン20の傾斜面下側(前後方向では前方側)には、ガイド部81を備えている。ガイド部81は、内側搬送チェーン20の近傍又は当接するように、内側搬送チェーン20に沿って設けられている。すなわち、ガイド部81は、傾斜角θで、内側搬送チェーン20と平行に設けられていることになる。ガイド部81は、金属製や樹脂製の板材等を適用することができる。ガイド部81は、内側搬送チェーン20に力がかかり下側に落ち込まないように、ガイド部81に当接させて、直線的な位置を維持させる。これにより、キャリッジ10の水平を維持することができる。
【0043】
また、傾斜搬送部Bにおいて、外側搬送チェーン30の傾斜面下側にもガイド部81と同様のガイド部82を備えている。外側搬送チェーン30に対するガイド部82の構成は、上述した内側搬送チェーン20に対するガイド部81の構成と同様である。
【0044】
第2水平搬送部Cでは、第1水平搬送部Aよりも高さが高くなっている。そして、第2水平搬送部Cにおける、キャリッジ10に対する内側搬送チェーン20と外側搬送チェーン30の構成は、第1水平搬送部Aと同様である。
【0045】
キャリッジ10が、第2水平搬送部Cから第1水平搬送部Aへ戻る経路の構成について説明する。ここでは、第1戻り経路D及び第2戻り経路Eにより構成されている。これらの経路においては、第1水平搬送部Aと第2水平搬送部Cと同様に、内側搬送チェーン20と外側搬送チェーン30は並んで構成されている。そして、スプロケットによりキャリッジ10が進行方向を変更する進行方向変更部を複数介して第2水平搬送部Cから第1水平搬送部Aへ戻る経路を形成している。
【0046】
内側搬送チェーン20は、第2水平搬送部Cから、第1内側スプロケット51、第2内側スプロケット52、第3内側スプロケット53により第1水平搬送部Aへ戻る経路が形成されている。外側搬送チェーン30は、第2水平搬送部Cから、第1外側スプロケット61、第2外側スプロケット62、第3外側スプロケット63により第1水平搬送部Aへ戻る経路が形成されている。
【0047】
このとき、第1内側スプロケット51と第1外側スプロケット61は横方向を軸方向とする同じ回転軸で形成される。また、第2内側スプロケット52と第2外側スプロケット62についても同様である。また、第3内側スプロケット53と第3外側スプロケット63についても同様である。
【0048】
さらに、第1内側スプロケット51と第1外側スプロケット61の間にはこれらと同じ回転軸で第1中間スプロケット71が配置されている。第2内側スプロケット52と第2外側スプロケット62の間にはこれらと同じ回転軸で第2中間スプロケット72が配置されている。第3内側スプロケット53と第3外側スプロケット63の間にはこれらと同じ回転軸で第3中間スプロケット73が配置されている。
【0049】
ここで、第1中間スプロケット71、第2中間スプロケット72、第3中間スプロケット73は、キャリッジ用チェーン15とかみ合うためのスプロケットである。そして、同時に回転するために、第1内側スプロケット51と第1外側スプロケット61と第1中間スプロケット71は同じスプロケットを適用するとよい。第2内側スプロケット52、第2外側スプロケット62、第2中間スプロケット72についても同様である。第3内側スプロケット53、第3外側スプロケット63、第3中間スプロケット73についても同様である。
【0050】
第1戻り経路Dは、第1内側スプロケット51及び第1外側スプロケット61と、第2内側スプロケット52及び第2外側スプロケット62との間の経路である。ここでは、傾斜搬送部Bと同じ傾斜角θで形成してもよい。第2戻り経路Eは、第2内側スプロケット52及び第2外側スプロケット62と、第3内側スプロケット53及び第3外側スプロケット63との間の経路で水平で形成されている。また、第3内側スプロケット53及び第3外側スプロケット63では、キャリッジ10が180°反転する様に形成されている。
【0051】
内側搬送チェーン20及び外側搬送チェーン30の駆動は、第1内側スプロケット51及び第1外側スプロケット61、又は、第2内側スプロケット52及び第2外側スプロケット62、又は、第3内側スプロケット53及び第3外側スプロケット63のいずれかを駆動源と接続して同軸で同時に回転させることにより駆動させることができる。
【0052】
次にキャリッジ10の動きについて説明する。
【0053】
まず、内側搬送チェーン20及び外側搬送チェーン30を同じ速度で移動させる。
【0054】
第1水平搬送部Aでは、キャリッジ10は、
図1〜4に示した状態となる。キャリッジ10は水平状態を保ち、キャリッジ10の上面は棚板11が並んで形成され水平面を保つ。ここに搬送物を載せることができる。そして、内側搬送チェーン20及び外側搬送チェーン30と同じ速度でキャリッジ10が
図5、6の左から右へ移動をする。
【0055】
第1水平搬送部Aから傾斜搬送部Bへ差しかかる部分では、内側搬送チェーン20用の傾斜下内側スプロケット54がキャリッジ10の棚板11に近づく。しかし、キャリッジ10の前方の部分Iの距離だけ棚板11を設けない部分があるので、これに干渉することがなく、傾斜搬送部Bに移行することができる。また、外側搬送チェーン30用の傾斜下外側スプロケット64はキャリッジ10の両幅よりも外側であるので干渉しない。
【0056】
傾斜搬送部Bでは、キャリッジ10は水平状態を保ったまま、傾斜角θで斜めに移動して高さを高くする。傾斜搬送部Bでは、キャリッジ10は、
図7に示した状態となり、内側搬送チェーン20が前側で、外側搬送チェーン30が後ろ側になる。このとき、内側搬送チェーン20と、外側搬送チェーン30は水平距離L離れた状態で平行に同じ速度で動くため、キャリッジ10の水平が保たれる。キャリッジ10の上面は、棚板11が並んでいるが、前後方向に並んだ棚板11の側面同士が当接するため、棚板11を有する部分では、下側に落ち込むことがない。
【0057】
さらに、傾斜搬送部Bでは、ガイド部81、ガイド部82を有している。これらにより、内側搬送チェーン20、外側搬送チェーン30は、傾斜角θ方向にガイドされ、下側へのたわみが規制される。そして、内側搬送チェーン20、外側搬送チェーン30に力がかかってもガイド部81に案内されるためキャリッジ10の水平が保たれる。具体的には、キャリッジ10の前方では、内側搬送チェーン20の進行方向への駆動による張力によりキャリッジ10が前側に引っ張られる。また、キャリッジ10の後方では、外側搬送チェーン30に対するガイド部82の反力が作用してキャリッジ10が後ろ側に引っ張られる。このようにして、キャリッジ10、特にキャリッジ用チェーン15の水平を保つことができる。
【0058】
傾斜搬送部Bから第2水平搬送部Cに変更する部分では、内側搬送チェーン20用の傾斜上内側スプロケット55は、内側搬送チェーン20の下側に位置しているため干渉しない。また、外側搬送チェーン30用の傾斜上外側スプロケット65はキャリッジ用チェーン15よりも外側であるので干渉しない。
【0059】
第2水平搬送部Cでは、キャリッジ10は、
図1〜4に示した状態となり、第1水平搬送部Aと同様に水平状態を保ったまま、
図5、6の左から右へ移動する。ここで搬送物は取り除かれる。
【0060】
第2水平搬送部Cから第1戻り経路Dへ差しかかる部分では、キャリッジ10は、内側搬送チェーン20及び外側搬送チェーン30と共に進行方向を変更する。この部分では、
図8に示すように、キャリッジ用チェーン15が第1中間スプロケット71にかみ合っている。すなわち、キャリッジ10は第1中間スプロケット71によって方向が変更される。このときは、棚板11は、第1中間スプロケット71の中心に対してキャリッジ用チェーン15よりも外側に位置することとなる。すると、隣合う棚板11は互いに離れるようになるため、キャリッジ10を曲げることができ、方向を変更することができる。
【0061】
第1戻り経路Dでは、キャリッジ10の棚板11が傾斜面下側になる。キャリッジ10は、内側搬送チェーン20及び外側搬送チェーン30と同じ速度で高さが下がる方向へ移動する。
【0062】
第1戻り経路Dから第2戻り経路Eへ差しかかる部分では、上述した第2水平搬送部Cから第1戻り経路Dに変更する部分と同様にキャリッジ10の進行方向が変更される。
【0063】
第2戻り経路Eでは、キャリッジ10は、棚板11が下側になる水平状態となる。キャリッジ10は、内側搬送チェーン20及び外側搬送チェーン30と同じ速度で、
図5、6の右から左へ移動する。
【0064】
第2戻り経路Eから第1水平搬送部Aへ差しかかる部分では、上述した第2水平搬送部Cから第1戻り経路Dに変更する部分と同様にキャリッジ10の進行方向が変更される。
【0065】
なお、第1戻り経路D及び第2戻り経路Eでは、キャリッジ10は、内側連結部材41及び外側連結部材42を介して内側搬送チェーン20及び外側搬送チェーン30と固定されているため下に落ちることはない。
【0066】
なお、本発明の構成であると、
図5に示すように、複数のキャリッジ10をコンベアシステム内で連続して作動させることが可能となる。キャリッジ10の間隔は目的に応じて設定できる。例えば、キャリッジ10の間隔を広げれば、その分だけ間隔が空くので、高さが高い搬送物でも、先行するキャリッジ10にぶつけることなく傾斜搬送部で搬送することができる。
【0067】
このようにして、本発明は、キャリッジ10が水平状態を保ったまま、傾斜搬送部でも移動が可能となり、キャリッジ10に載せた搬送物が落ちることなく的確に傾斜搬送することができる。また、傾斜搬送部の傾斜角度は、目的に応じた角度に設定することができる。また、内側搬送チェーン20を棚板11の下側に配置することで、棚板11の横幅を広くでき、搬送物を載せられる範囲を広げることができる。
【0068】
以上の様に、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態に設けられた全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を削除したり、他の実施形態の構成に置き換えたり、あるいはまた、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
【0069】
例えば、キャリッジ10の棚板11は10個の例を示したが、複数個から適用可能である。さらに、棚板の数は、10以上、15以上、20以上と増やすことは可能である。
【0070】
また、キャリッジ10の棚板11は水平状態で側面同士が当接することを説明したが、側面同士が当接しない場合でも水平状態を保つ構成とすることが可能である。この場合、内側搬送チェーン20と外側搬送チェーン30間でキャリッジ10(キャリッジ用チェーン15)の前後方向にかかる張力により、キャリッジ10の水平を保つことができる。この場合、前方へは、内側搬送チェーン20の駆動による張力により引っ張られ、後方へは、ガイド部82の反力が外側搬送チェーン30に作用して引っ張られている。
【0071】
また、キャリッジ10の棚板11は、外リンク17ごとに設けられた棚板固定部12に固定する例を示したが、内リンク16ごとでもよい。さらには、外リンク17及び内リンク16のリンクごとでもよい。この場合は、棚板の前後方向の幅はチェーンのピッチの幅となる。
【0072】
また、キャリッジ用チェーン15、内側搬送チェーン20、外側搬送チェーン30は、内リンク16、21、31と外リンク17、22、32を連結したローラーチェーンの例を示したが、これらは、同様の機能を有すればこれ以外の構成のチェーンでも提供可能である。
【0073】
また、上記
図1〜8では傾斜搬送部でキャリッジ10が上昇する場合の例について説明してきた。しかし、傾斜搬送部でキャリッジ10が下降する場合にも本発明を適用することができる。この場合、例えば、
図5、6で、キャリッジ10を内側搬送チェーン20と外側搬送チェーン30と共に逆方向に動かすことで実現することができる。このため、
図5、6では、C、B、A、E、Dの順にキャリッジ10が進行する。逆方向への駆動は各スプロケットを逆回転させればよい。傾斜搬送部でキャリッジ10が下降する構成の場合、
図1〜3では、左側が前方方向になり、また、
図7では、キャリッジ10は、左下へ進行することになる。