(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-100375(P2018-100375A)
(43)【公開日】2018年6月28日
(54)【発明の名称】ゴムポリマーの製造方法
(51)【国際特許分類】
C08C 1/15 20060101AFI20180601BHJP
C08C 19/00 20060101ALI20180601BHJP
【FI】
C08C1/15
C08C19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-248086(P2016-248086)
(22)【出願日】2016年12月21日
(71)【出願人】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100203091
【弁理士】
【氏名又は名称】水鳥 正裕
(74)【代理人】
【識別番号】100059225
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子
(72)【発明者】
【氏名】川合 伸友
【テーマコード(参考)】
4J100
【Fターム(参考)】
4J100AS03P
4J100CA01
4J100HB50
4J100HD01
4J100HE06
4J100HE12
4J100JA29
(57)【要約】
【課題】貯蔵弾性率が向上し、損失弾性率が低減されたゴムポリマーが得られる製造方法を提供する。
【解決手段】ゴムポリマーを含有するラテックスに、ラジカル発生剤と、pH7とその両側に緩衝域を持つ緩衝剤と、沸点が80℃以上の親水性有機溶媒とを少なくとも添加して反応系となし、親水性有機溶媒の配合量が、ラテックス中のゴムポリマー100質量部に対して3〜10質量部であり、ラジカル発生剤の配合量が、親水性有機溶媒1質量部に対して0.05〜0.3質量部であり、ラジカル発生剤からラジカルが発生する温度に上記反応系を調整する工程を有する製造方法とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴムポリマーを含有するラテックスに、ラジカル発生剤と、pH7とその両側に緩衝域を持つ緩衝剤と、沸点が80℃以上の親水性有機溶媒とを少なくとも添加して反応系となし、
前記親水性有機溶媒の配合量が、ラテックス中のゴムポリマー100質量部に対して3〜10質量部であり、
前記ラジカル発生剤の配合量が、親水性有機溶媒1質量部に対して0.05〜0.3質量部であり、
前記ラジカル発生剤からラジカルが発生する温度に前記反応系を調整する工程を有する
ことを特徴とするゴムポリマーの製造方法。
【請求項2】
前記ラジカル発生剤が過硫酸塩であることを特徴とする、請求項1に記載のゴムポリマーの製造方法。
【請求項3】
前記緩衝剤がリン酸塩であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のゴムポリマーの製造方法。
【請求項4】
前記親水性有機溶媒がプロパノールであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴムポリマーの製造方法。
【請求項5】
前記ラテックスが、天然ゴムラテックスであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴムポリマーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴムポリマーを原料として用い、改質されたゴムポリマーを製造する製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゴムポリマーの物性を高める手段が、従来から種々検討されている。例えば、不純物による物性のバラツキが多い天然ゴムの品質を向上させる手段として、特許文献1では、天然ゴムの高分子量成分を増加させることにより、天然ゴムの耐破壊特性及び耐摩耗性を向上させる方法が開示され、特許文献2では、天然ゴムの加工性を維持しつつ、耐亀裂進展性を向上させる方法が開示され、特許文献3では、貯蔵安定性が高く、接着剤や粘着剤等の原料として有用な、分子量分布の狭い安定な液状エポキシ化天然ゴムを得る方法が開示されている。
【0003】
一方で、ゴムポリマーは用途に応じて求められる物性が大きく異なり、特にタイヤ用ゴム組成物に配合するゴム成分としては、貯蔵弾性率が高く、損失弾性率の低いゴムポリマーが求められている。しかし、ゴムポリマーの貯蔵弾性率を向上させ、損失弾性率を低減する方法は特許文献1〜3にも開示されておらず未だ知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開番号WO2013/168640号
【特許文献2】特開2013−221069号公報
【特許文献3】特開2004−176013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、貯蔵弾性率が向上し、損失弾性率が低減された、ゴムポリマーの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るゴムポリマーの製造方法は、ゴムポリマーを含有するラテックスに、ラジカル発生剤と、pH7とその両側に緩衝域を持つ緩衝剤と、沸点が80℃以上の親水性有機溶媒とを少なくとも添加して反応系となし、親水性有機溶媒の配合量が、ラテックス中のゴムポリマー100質量部に対して3〜10質量部であり、ラジカル発生剤の配合量が、親水性有機溶媒1質量部に対して0.05〜0.3質量部であり、ラジカル発生剤からラジカルが発生する温度に上記反応系を調整する工程を有する製造方法とする。
【0007】
上記ラジカル発生剤は、過硫酸塩であるものとすることができる。
【0008】
上記緩衝剤は、リン酸塩であるものとすることができる。
【0009】
上記親水性有機溶媒は、プロパノールであるものとすることができる。
【0010】
上記ラテックスは、天然ゴムラテックスであるものとすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の製造方法によれば、貯蔵弾性率が向上し、損失弾性率が低減したゴムポリマーを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
【0013】
本実施形態に係るゴムポリマーの製造方法は、ラテックスに、ラジカル発生剤と、pH7とその両側に緩衝域を持つ緩衝剤と、沸点が80℃以上の親水性有機溶媒を添加し、ラジカル発生剤からラジカルを発生させるものである。
【0014】
ラテックスとしては、特に限定されないが、ジエン系ゴムラテックスであることが好ましく、具体的には、天然ゴム(NR)、合成イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴムなどのラテックスが挙げられる。これらの中でも、天然ゴムラテックスであることが好ましい。天然ゴムラテックスは、不純物が多く、物性のばらつきも大きいため、本発明による効果が顕著に認められる。天然ゴムラテックスとしては、濃縮ラテックスやフィールドラテックスといわれる新鮮ラテックスなどを使用することができ、必要に応じて、水を加えて濃度調整したものを用いてもよい。
【0015】
親水性有機溶媒としては、沸点が80℃以上であれば特に限定されないが、プロパノール、イソプロパノールなどの低級脂肪族アルコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコールなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても2種以上併用してもよい。より好ましくはプロパノールであり、さらに好ましくは2−プロパノールである。沸点が80℃以上であることにより、ラジカル反応を行う反応系において、溶媒が揮発する量を最小限とすることができる。
【0016】
親水性有機溶媒の量は、ラテックス中のゴムポリマー100質量部に対して、3〜10質量部であることが好ましく、4〜9質量部であることがより好ましい。3質量部以上である場合、ゴムポリマーに対するラジカル反応が起こりやすく、10質量部以下である場合、ゴムポリマーのミセルが安定しやすい。
【0017】
ラジカル発生剤としては、特に限定されないが、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物などが挙げられ、熱によりラジカルが発生するものや光照射によりラジカルが発生するものが含まれる。アゾ化合物の例としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)などが挙げられる。有機過酸化物の例としては、過硫酸塩、ジ−tert−ブチルペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンペルオキシドなどが挙げられる。これらの中でも、過硫酸塩であることが好ましく、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムであることがより好ましい。
【0018】
ラジカル発生剤の配合量は、親水性有機溶媒1質量部に対して0.05〜0.3質量部であることが好ましく、0.05〜0.1質量部であることがより好ましい。0.05〜0.3質量部である場合、ラジカル反応がゴムポリマーに対して均一に起こりやすい。
【0019】
緩衝剤としては、pH7とその両側に緩衝域を持つものであれば、特に限定されないが、例えば、リン酸塩であることが好ましく、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムであることがより好ましい。「pH7とその両側に緩衝域を持つ」緩衝剤とは、酸性域と塩基性域に跨がって緩衝域を持つものであり、化学平衡状態において、酸性になったり、塩基性になったりするものである。緩衝作用が得られるpHの範囲は、一般に緩衝剤のpKa−1〜pKa+1の範囲といわれているため、緩衝剤のpKaが6より大きいものであることが好ましく、6.2以上であることがより好ましく、6.4以上であることがさらに好ましい。また、8未満であることが好ましく、7.8以下であることがより好ましく、7.6以下であることがさらに好ましい。
【0020】
緩衝剤の配合量は、特に限定されないが、ラテックス中のゴムポリマー100質量部に対して0.005〜0.7質量部であることが好ましく、0.017〜0.66質量部であることがより好ましい。
【0021】
本実施形態に係る製造方法の反応系には、反応に供するラテックスの種類に応じて、界面活性剤が含まれていてもよい。例えば、天然ゴムラテックスにはアンモニアが含まれており、アンモニアは、ラテックス中のゴムポリマーのミセルを安定化させる役割がある。しかし、アンモニアが含まれていると反応系のpHが変化しにくく、本発明の効果が得られにくいおそれがある。そこで、反応系にノニオン性界面活性剤を加えることにより、アンモニアによるpHへの影響を抑制することができ、また、アンモニアの代わりにミセルを安定化させることができるため、反応系を本発明の効果が得られやすい環境にすることができる。ノニオン性界面活性剤としては、一般的なものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0022】
ラジカル発生剤、緩衝剤、及び界面活性剤に含まれる金属塩は、反応系内での影響を最小限にする観点から、それぞれ共通の金属からなる塩であることが好ましく、例えば、ラジカル発生剤がナトリウム塩である場合、緩衝剤及び界面活性剤もナトリウム塩であることが好ましい。
【0023】
本実施形態に係る製造方法は、上記ラテックス、ラジカル発生剤、緩衝剤、及び有機溶媒を少なくとも含む反応系の温度を、ラジカル発生剤からラジカルが発生する温度に調整する工程を有する。温度調整は、通常使用されている手段により、反応系を攪拌しながら、加熱及び必要に応じて冷却することにより行うことができる。
【0024】
より具体的には、例えば、次のような操作により行うことができる。すなわち、天然ゴムラテックスに対して、水と界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウムを添加し撹拌する。次いで、親水性有機溶媒である2−プロパノール、緩衝剤であるリン酸水素二ナトリウム、及びラジカル発生剤であるペルオキソ二硫酸ナトリウムを溶解した水溶液を用意し、先に調製した天然ゴムラテックスに投入する。これらの混合溶液を、常温のウォーターバス中に設置した後、ラジカル発生剤からラジカルが発生する温度、例えば、40〜70℃まで加温し撹拌する。次いで、エタノールを加えて貧溶媒化することでゴム分を取り出し、蒸留水で洗浄後、熱風循環乾燥機により乾燥させることにより、改質された天然ゴムラテックスを製造することができる。このように、pH7とその両側に緩衝域を持つ緩衝剤の存在下において、ゴムポリマーのラジカル反応を行うことにより、貯蔵弾性率を向上させ、損失弾性率を低減させることができる。そのメカニズムは定かではないが、次のように推測することができる。すなわち、ラジカル発生剤によりラジカルが発生し、ラジカルによってゴムポリマーの分子鎖の一部が切断される。この際、緩衝剤によって、反応系が一時的に塩基性になることによって、ゴムポリマーの切断された箇所が再度結合する。ゴムポリマーが一度切断され再度結合する際に、ゴムポリマーの分子鎖が複雑に絡まり合っていた部分が解消され、分子鎖の分布や分子量分布が最適化されることによるものであると考えられる。
【0025】
本実施形態に係る製造方法により得られたゴムポリマーは、通常のゴム工業で使用されている、カーボンブラックやシリカなどの補強性充填剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸、軟化剤、可塑剤、ワックス、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤などの配合薬品類を通常の範囲内で適宜配合し、タイヤ用ゴム組成物とすることができる。
【0026】
タイヤ用ゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し作製することができる。すなわち、第一混合段階で、製造したゴムポリマーに対し、補強性充填剤とともに、加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤を添加混合し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階で加硫剤及び加硫促進剤を添加混合してゴム組成物を調製することができる。
【0027】
このようにして得られるゴム組成物は、乗用車用空気入りタイヤ、トラックやバス等の重荷重用タイヤ等の各種タイヤのトレッド、サイドウォール、リムストリップ、ベルトコードやカーカスコード等の被覆用ゴム、インナーライナー、ビードフィラー等の部位に用いることができる。特に高い剛性が必要とされる、サイドウォールなどに好適に用いることができる。
【実施例】
【0028】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0029】
〈製造方法1〉
天然ゴムラテックス100質量部に対して、ラウリル硫酸ナトリウム0.6質量部と水50質量部を添加し、24時間撹拌した。また、水50質量部に2−プロパノール4質量部、リン酸水素二ナトリウム0.34質量部、ペルオキソ二硫酸ナトリウム0.2質量部を溶解し、先の天然ゴムラテックスに投入した。これらの混合溶液を、常温のウォーターバス中に設置した後、60℃まで加温し、そこから24時間撹拌した。次いで、エタノールを加えて貧溶媒化することでゴム分を取り出し、蒸留水で洗浄後、熱風循環乾燥機により30℃で24時間乾燥させて、改質ゴム1の固形物を得た。
【0030】
改質ゴム2〜8は、表1に示す配合に変更した以外は上記製造方法1と同じ方法で製造した。
【0031】
【表1】
【0032】
バンバリーミキサーを使用し、表2に示す配合(質量部)に従い、第一混練工程(ノンプロ練工程)で、加硫促進剤及び硫黄を除く成分を添加混練し(排出温度=100℃)、次いで、得られた混練物に、第二混練工程(プロ練工程)で、加硫促進剤及び硫黄を添加混練して(排出温度=80℃)、ゴム組成物を調製した。
【0033】
表1,2中の各成分の詳細は以下の通りである。
・ゴムラテックス:天然ゴムラテックス 株式会社レヂテックス製「HA−NR」、DRC(Dry Rubber Content)=60質量%
・原料ゴム:上記ゴムラテックスを乾燥させて得られた固形分
・改質ゴム1〜8:上記製造方法で得られた改質ゴム1〜8
・親水性有機溶媒:2−プロパノール ナカライテスク(株)製 ナカライ規格1級
・緩衝剤:リン酸水素二ナトリウム ナカライテスク(株)製 ナカライ規格1級
・ラジカル発生剤:ペルオキソ二硫酸ナトリウム ナカライテスク(株)製 ナカライ規格1級
・界面活性剤:ラウリル硫酸ナトリウム ナカライテスク(株)製 ナカライ規格1級
・カーボンブラック:東海カーボン(株)製「シースト3」
・シリカ:東ソー・シリカ(株)製「ニップシールAQ」
・シランカップリング剤:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニック社製「Si69」
・プロセスオイル:株式会社ジャパンエナジー製「X−140」
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1種」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS−20」
・老化防止剤:大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」
・硫黄:細井化学工業(株)製「ゴム用粉末硫黄150メッシュ」
・加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーCZ」
【0034】
得られた各ゴム組成物について、160℃で20分間加硫して所定形状の試験片を作製した。得られた試験片について、動的粘弾性測定装置(USM社製全自動粘弾性アナライザVR−7110)を用いて、周波数50Hz、静歪み10%、動歪み2%の条件で動的粘弾性試験を行い、貯蔵弾性率、及び損失弾性率を評価した。各評価方法は次の通りである。
【0035】
・貯蔵弾性率 E’:温度60℃の条件で貯蔵弾性率E’を測定し、比較例1を100とした指数で示す。数値が大きいほど、貯蔵弾性率E’が高く、剛性が高いことを示す。
【0036】
・損失弾性率 E”:温度60℃の条件で損失弾性率E”を測定し、逆数について、比較例1を100とした指数で示す。数値が大きいほど、損失弾性率E”が優れていることを示す。
【0037】
【表2】
【0038】
結果は、表2に示す通りであり、実施例1〜3は、比較例1と比較し、ゴムポリマーの貯蔵弾性率E’及び損失弾性率E”が共に優れていた。
【0039】
比較例2〜6は、親水性有機溶媒1質量部に対するラジカル発生剤の配合量が0.3質量部より多く、比較例1と比較して、比較例2は貯蔵弾性率E’が悪化し、比較例3〜6は、貯蔵弾性率E’及び損失弾性率E”が共に悪化した。これはラジカル反応が優位となり、ゴムポリマーの分子鎖が必要以上に切断されたことによるものと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の製造方法により得られたゴムポリマーは、乗用車、ライトトラック・バス等の各種タイヤのタイヤ用ゴム組成物に用いることができる。