【課題】廃盤部品およびこれと組み合わせて使用される廃盤関連部品を容易に検索できる部品表検索装置、部品表検索方法および部品表検索プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】本実施形態では、(1)設定領域にユーザ特定データおよび機械特定データが設定されると、設定されたユーザ特定データおよび機械特定データと紐付く部品表特定データを部品表管理データから検索し、検索された部品表特定データを含むレコードを部品表データから検索し、(2)検索したレコードに含まれる部品特定データを表示させ、その際に、部品群特定データを含むレコードに含まれる部品特定データを、部品群特定データ毎に異なる表示態様で表示させる。
前記記憶部には、前記部品群特定データと前記置換部品の前記部品特定データと前記置換関連部品の前記部品特定データとを含む部品表置換データがさらに記憶されており、
前記制御部は、
前記表示態様で前記部品特定データが表示されている、前記表示領域内の領域が指定されると、指定された前記領域に表示されている前記部品特定データを含む前記レコードに含まれる前記部品群特定データを前記部品表データから取得し、取得した前記部品群特定データと紐付く前記置換部品の前記部品特定データおよび前記置換関連部品の前記部品特定データを前記部品表置換データから取得する部品取得手段と、
前記部品取得手段で取得した前記部品特定データが設定されている画面を生成する画面生成手段と、
前記画面生成手段で生成した前記画面を前記表示部に表示させる画面表示実行手段と、
をさらに備えること、
を特徴とする請求項1に記載の部品表検索装置。
制御部と記憶部と表示部を備える情報処理装置で実行される、機械を構成する複数種類の構成部品に関する情報を管理するための部品表を検索する部品表検索方法であって、
前記記憶部には、
ユーザを特定するためのユーザ特定データと前記機械を特定するための機械特定データと前記部品表を特定するための部品表特定データとを含む部品表管理データと、
前記部品表特定データと前記構成部品を特定するための部品特定データとを含むレコードであって、廃盤になった前記構成部品である廃盤部品に対応する置換部品および前記置換部品と組み合わせて使用される置換関連部品を含む置換部品群を特定するための部品群特定データをさらに含ませることが可能なものを、前記機械における前記構成部品の種類数分含む部品表データと、
が記憶されており、
前記部品表データには、前記廃盤部品に対応する前記レコードおよび前記廃盤部品と組み合わせて使用される廃盤関連部品に対応する前記レコードが含まれており、前記廃盤部品に対応する前記レコードおよび前記廃盤関連部品に対応する前記レコードには、同一の前記部品群特定データが含まれており、
前記表示部には、前記ユーザ特定データおよび前記機械特定データの設定領域と前記部品表データの表示領域とを含む画面が表示されており、
前記制御部で実行される、
前記設定領域に前記ユーザ特定データおよび前記機械特定データが設定されると、設定された前記ユーザ特定データおよび前記機械特定データと紐付く前記部品表特定データを前記部品表管理データから検索し、検索された前記部品表特定データを含む前記レコードを前記部品表データから検索する部品検索ステップと、
前記部品検索ステップで検索した前記レコードに含まれる前記部品特定データを前記表示領域に表示させる部品表示実行ステップと、
を含み、
前記部品表示実行ステップは、前記部品群特定データを含む前記レコードに含まれる前記部品特定データを、前記部品群特定データ毎に異なる表示態様で表示させること、
を特徴とする部品表検索方法。
制御部と記憶部と表示部を備える情報処理装置に実行させるための、機械を構成する複数種類の構成部品に関する情報を管理するための部品表を検索する部品表検索プログラムであって、
前記記憶部には、
ユーザを特定するためのユーザ特定データと前記機械を特定するための機械特定データと前記部品表を特定するための部品表特定データとを含む部品表管理データと、
前記部品表特定データと前記構成部品を特定するための部品特定データとを含むレコードであって、廃盤になった前記構成部品である廃盤部品に対応する置換部品および前記置換部品と組み合わせて使用される置換関連部品を含む置換部品群を特定するための部品群特定データをさらに含ませることが可能なものを、前記機械における前記構成部品の種類数分含む部品表データと、
が記憶されており、
前記部品表データには、前記廃盤部品に対応する前記レコードおよび前記廃盤部品と組み合わせて使用される廃盤関連部品に対応する前記レコードが含まれており、前記廃盤部品に対応する前記レコードおよび前記廃盤関連部品に対応する前記レコードには、同一の前記部品群特定データが含まれており、
前記表示部には、前記ユーザ特定データおよび前記機械特定データの設定領域と前記部品表データの表示領域とを含む画面が表示されており、
前記制御部に実行させるための、
前記設定領域に前記ユーザ特定データおよび前記機械特定データが設定されると、設定された前記ユーザ特定データおよび前記機械特定データと紐付く前記部品表特定データを前記部品表管理データから検索し、検索された前記部品表特定データを含む前記レコードを前記部品表データから検索する部品検索ステップと、
前記部品検索ステップで検索した前記レコードに含まれる前記部品特定データを前記表示領域に表示させる部品表示実行ステップと、
を含み、
前記部品表示実行ステップは、前記部品群特定データを含む前記レコードに含まれる前記部品特定データを、前記部品群特定データ毎に異なる表示態様で表示させること、
を特徴とする部品表検索プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る部品表検索装置、部品表検索方法および部品表検索プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
[1.概要]
機械業、製造業等の分野においては、ユーザが使用する機械のある部品の交換が必要となった場合に、修理業者の営業担当の者が、ユーザへの修理見積を提示した後で、初めて、前記ある部品が廃盤であることに気づくということがある。この場合に、前記ある部品の代替部品の値段の方が高いと、修理業者の赤字となってしまうという問題があった。また、廃盤に気づかずに前記ある部品を発注してしまい、その後に前記代替部品の発注をするも、ユーザが希望する納期に間に合わないという問題もあった。
【0015】
これらの問題が生じる原因として、ユーザへ納品した機械の部品表と最新の部品データとがリンクしておらず、その結果、修理が必要な部品が廃盤になっていることを、修理業者の営業担当の者が把握できないというものがあった。
【0016】
また、さらなる問題として、修理が必要な部品だけ交換しても、その部品と組み合わせて使用される関連部品も同時に交換しないと機械が使用できないという問題もあった。すなわち言い換えると、オペレータが1個の修理対象部品を入力すると、前記修理対象部品が廃盤か否かが表示されるという、1:1の検索では、前記関連部品の把握ができず、機械が結局使用できないという問題があった。
【0017】
そこで、本実施形態においては、例えば、ユーザに納品している機械に使用している部品のバージョン管理をすることにより、機械故障によるユーザへの修理見積提示前に、修理が必要な部品が廃盤となっていることに気づき、その結果、代替部品の価格を反映した見積をユーザに提示できる部品表管理装置(本発明の部品表検索装置を含む)、部品表管理方法(本発明の部品表検索方法を含む)および部品表管理プログラム(本発明の部品表検索プログラムを含む)を提供している。また、本実施形態においては、例えば、修理が必要となっている部品が廃盤であることを知らずに発注を行い、後日になって仕入先から廃盤の連絡を受けて日程ロスが生じるということもなくなった。
【0018】
また、本実施形態においては、例えば、前述の修理見積のミスや納品日遅れ等の課題に着目し、修理業者の資材部が把握している部品の廃盤情報および技術部が把握している部品の代替品情報を、ユーザに納品している機械の部品情報とリンクさせて、修理業者の営業担当に公開することにより、ユーザからの修理依頼に対してスピィーディーかつ修理業者の赤字もなく対応できる部品表管理装置(本発明の部品表検索装置を含む)、部品表管理方法(本発明の部品表検索方法を含む)および部品表管理プログラム(本発明の部品表検索プログラムを含む)を提供している。
【0019】
そして、本実施形態においては、例えば、ユーザに納品している機械の図面を管理することにより、ユーザからの修理依頼時に修理対象部品の確認をし、また、修理対象部品の廃盤に伴う代替部品の把握をできる部品表管理装置(本発明の部品表検索装置を含む)、部品表管理方法(本発明の部品表検索方法を含む)および部品表管理プログラム(本発明の部品表検索プログラムを含む)を提供している。また、本実施形態においては、オペレータが複数の修理対象部品を入力すると、前記複数の修理対象部品が廃盤か否かが表示されると同時に、前記複数の修理対象部品の関連部品も表示されるという、N:Nの検索もすることができる。また、本実施形態においては、例えば、あるユーザが使用するある部品が廃盤である時に、この廃盤部品を使用している他のユーザも一括で検索することにより、一括で部品表の更新をすることができる。ただし、ここでいう更新とは、部品表における廃盤部品を代替部品へと変える更新を意味しているのではなく、部品表における廃盤部品に印をつけることにより、廃盤部品が存在するという気づきを与える更新である。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0020】
[2.構成]
本発明を包含する本実施形態に係る部品表管理装置100の構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、部品表管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
部品表管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、部品表管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0022】
部品表管理装置100は、
図1に示すように、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。部品表管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0023】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、部品表管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、部品表管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する記憶部106に格納されるデータは、サーバ200に格納されてもよい。
【0024】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114を、表示部としてのモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0025】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0026】
記憶部106は、部品表管理データとしての部品表管理データテーブル106aと、部品表データとしての部品表データテーブル106bと、部品表置換データとしての部品表置換データテーブル106cと、を備えている。これらのうち、部品表置換データテーブル106cは、任意の構成要素であるが、記憶部106に含まれることが好ましい。
【0027】
部品表管理データテーブル106aは、ユーザを特定するためのユーザ特定データと前記機械を特定するための機械特定データと部品表を特定するための部品表特定データとを含む。
【0028】
前記ユーザ特定データは、例えば、機械を使用しているユーザ名、ユーザコード等である。前記機械特定データは、例えば、機種名(または機種コード)、機番コード、機械における部位名(または部位コード)、機械のバージョンコード等である。前記部品表特定データは、機械を構成する複数種類の構成部品に関する情報を管理するための部品表を特定するためのデータであり、各部品表に対して付される番号・コード等である。例えば、
図2の部品表データテーブルには、部品表特定データとして、部品表番号「310」が付されている。
【0029】
部品表データテーブル106bは、前記部品表特定データと前記構成部品を特定するための部品特定データとを含むレコードであって、廃盤になった前記構成部品である廃盤部品に対応する置換部品および前記置換部品と組み合わせて使用される置換関連部品を含む置換部品群を特定するための部品群特定データをさらに含ませることが可能なものを、前記機械における前記構成部品の種類数分含む。部品表データテーブル106bの一例を、
図2に示す。
【0030】
前記レコードは、具体的には、
図2の部品表データテーブルにおける横一行の情報のことを指す。部品表データテーブル106bは、前記レコードを、前記構成物品の種類数分、例えば、
図2の部品表データテーブルにおいては、前記構成物品が15種類(行番号1〜15)存在するため、15個含む。
【0031】
前記レコードが含む各項目について説明する。前記レコードは、前述のとおり、前記部品表特定データと前記部品特定データと前記部品群特定データとを含む。前記部品表特定データは、前述の記載を援用できるため、説明は省略する。
【0032】
前記部品特定データは、前記構成物品を特定するためのデータであり、例えば、
図2の部品表データテーブルに示すように、部品名(または部品コード)、部品バージョンコード等である。
【0033】
前記部品群特定データは、前述のとおり、廃盤になった前記構成部品である廃盤部品に対応する置換部品および前記置換部品と組み合わせて使用される置換関連部品を含む置換部品群を特定するためのデータであり、具体的には、
図2における置換No.3のことを指す。前記廃盤部品とは、
図2においては、部品名アジャストファスナー(C−1222) 部品バージョン「1」のことであり、これに対応する置換部品とは、
図3における部品名アジャストファスナー(C−1222) 部品バージョン「2」のことである。また、前記廃盤部品と組み合わせて使用される部品を、廃盤関連部品といい、
図2においては、部品名ボールベヤリング(カートリッジ型ユニットUCC208) 部品バージョン「2」のことである。さらに、前記置換部品と組み合わせて使用される部品を、置換関連部品といい、
図3においては、部品名ボールベヤリング(UCP207)ピロ型 部品バージョン「1」のことである。
【0034】
ここで、部品表データテーブル106bには、前記廃盤部品に対応する前記レコードおよび前記廃盤部品と組み合わせて使用される廃盤関連部品に対応する前記レコードが含まれており、前記廃盤部品に対応する前記レコードおよび前記廃盤関連部品に対応する前記レコードには、同一の前記部品群特定データが含まれている。
【0035】
具体的には、
図2においては、前記廃盤部品に対応する前記レコードとは、部品名アジャストファスナー(C−1222) 部品バージョン「1」のレコード(行番号8)であり、廃盤関連部品に対応する前記レコードとは、部品名ボールベヤリング(カートリッジ型ユニットUCC208) 部品バージョン「2」のレコード(行番号10)である。これら2つのレコードには、
図2に示すように、同一の前記部品群特定データとして、置換No.3が含まれている。
【0036】
部品表置換データテーブル106cは、前記部品群特定データと前記置換部品の前記部品特定データと前記置換関連部品の前記部品特定データとを含む。部品表置換データテーブル106cの一例を、
図3に示す。
【0037】
具体的には、
図3においては、前記部品群特定データとは、置換No.3であり、前記置換部品の前記部品特定データとは、部品名アジャストファスナー(C−1222)、部品コードZC−1222および部品バージョンコード「2」であり、前記置換関連部品の前記部品特定データとは、部品名ボールベヤリング(UPC207)ピロ型、部品コードZUCP207および部品バージョンコード「1」である。
【0038】
制御部102は、部品表管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0039】
制御部102は、機能概念的に、(1)置換部品登録部102aと、(2)前記ユーザ特定データおよび前記機械特定データの設定領域に前記ユーザ特定データおよび前記機械特定データが設定されると、設定された前記ユーザ特定データおよび前記機械特定データと紐付く前記部品表特定データを前記部品表管理データから検索し、検索された前記部品表特定データを含む前記レコードを前記部品表データから検索する部品検索手段としての部品検索部102bと、(3)前記部品検索手段で検索した前記レコードに含まれる前記部品特定データを前記部品表データの表示領域に表示させる手段であり、前記部品群特定データを含む前記レコードに含まれる前記部品特定データを、前記部品群特定データ毎に異なる表示態様で表示させる部品表示実行手段としての部品表示実行部102cと、(4)前記表示態様で前記部品特定データが表示されている、前記表示領域内の領域が指定されると、指定された前記領域に表示されている前記部品特定データを含む前記レコードに含まれる前記部品群特定データを前記部品表データから取得し、取得した前記部品群特定データと紐付く前記置換部品の前記部品特定データおよび前記置換関連部品の前記部品特定データを前記部品表置換データから取得する部品取得手段としての部品取得部102dと、(5)前記部品取得手段で取得した前記部品特定データが設定されている画面を生成する画面生成手段としての画面生成部102eと、(6)前記画面生成手段で生成した前記画面を前記表示部に表示させる画面表示実行手段としての画面表示実行部102fと、を備えている。これらのうち、置換部品登録部102a、部品取得部102d、画面生成部102eおよび画面表示実行部102fは、任意の構成要素であるが、制御部102に含まれることが好ましい。なお、各部が実行する処理の詳細については、以下の[3.処理の具体例]にて詳細に説明する。
【0040】
[3.処理の具体例]
以下、本実施形態に係る処理の具体例について、
図2〜
図5を用いて詳細に説明する。
図2は、部品表データテーブルの一例を示す図である。
図3は、部品表置換データテーブルの一例を示す図である。
図4は、部品表データテーブルを管理するための画面の一例を示す図である。
図5は、部品表データテーブルを検索するための画面の一例を示す図である。
【0041】
本実施形態に係る部品表管理装置100では、修理業者等が、
図4の画面により、部品表データテーブルの登録・編集・削除等の管理を予め行い、ユーザが使用する機械における部品の修理・交換が必要になった際に、
図5の画面により、部品表データテーブルの検索を行うことができる。このため、まず、部品表データテーブルの管理について説明し、つぎに、部品表データテーブルの検索について説明する。
【0042】
[3−1.部品表データテーブルの管理]
(置換部品登録処理)
置換部品登録部102aは、修理業者等のオペレータ(以下、単に「オペレータ」という。)が
図4の登録画面(MA)に必要事項を入力することにより、以下のようにして、置換部品等の登録を行う。
【0043】
まず、オペレータは、
図4の左上の四角内に示すように、ユーザが使用する機械における廃盤部品として、アジャストファスナー(C−1222) バージョン「1」を、これと組み合わせて使用される廃盤関連部品として、ボールベヤリング(カートリッジ型ユニットUCC208) バージョン「2」を、指定する。これら2つの部品を併せて、
図4の左上の四角内に示すように、置換元部品という。
【0044】
入力後、「表示」ボタンを選択すると、
図4の中段に示すように、前記2つの部品両方を使用しているユーザおよび機種が一覧で表示される。これらのうち、オペレータは、部品表データテーブルの更新をしたいユーザの左横のチェックボックスに印をつける。
【0045】
続いて、オペレータは、
図4の左下の四角内に示すように、前記廃盤部品に対応する置換部品として、アジャストファスナー(C−1222) バージョン「2」を、これと組み合わせて使用される置換関連部品として、ボールベヤリング(UPC207)ピロ型 バージョン「1」を、指定する。なお、この際に、
図4の下部に示すように、前記置換部品および前記置換関連部品に関するコメント(
図4では、「アジャストファスナーの廃盤規格変更に伴いベアリング(ZUC208)を変更というコメント」)を入力してもよい。
【0046】
指定後、
図4の右下の置換ボタンを選択すると、当該選択したユーザに関して、以下のようにして、部品表データテーブルの更新および部品表置換データテーブルの更新が行われる。すなわち、
図2に示すように、部品表データテーブルにおける前記廃盤部品および前記廃盤関連部品には、置換No.「3」が付され、また、一方で、
図3に示すように、前記置換部品および前記置換関連部品の情報を含む部品表置換データテーブルが作成される。
【0047】
この登録処理を言い換えると、オペレータが、「置換元部品」の2部品両方を使用しているユーザ、機種を検索し、部品表データテーブルに置き換え候補として表示するかどうかを選択し、この処理を行った部品表データテーブルについては、部品表データテーブルで置き換え候補が表示されるという処理であるといえる。
【0048】
このようにして、オペレータは、置換部品等の登録処理を予め済ませた状態にしておき、ユーザが使用する機械における部品の修理・交換が必要になった際(例えば、ユーザの元に修理作業に行った際、ユーザから部品の修理の連絡を受けた際等)に、以下の部品表データテーブルの検索を行う。
【0049】
[3−2.部品表データテーブルの検索]
本実施形態に係る部品表管理装置100の表示部としてのモニタ114には、
図5に示すように、ユーザ特定データ(ユーザの項目)および機械特定データ(機種、機番、部位、バージョンの項目)の設定領域と部品表データ(部品番号、名称、バージョンの項目)の表示領域とを含む画面(MB)が表示されている。オペレータは、この画面(MB)を通して、以下のようにして、部品表データテーブルの検索を行うことができる。
【0050】
(部品検索処理)
部品検索部102bは、前記設定領域に前記ユーザ特定データおよび前記機械特定データが設定されると、設定された前記ユーザ特定データおよび前記機械特定データと紐付く前記部品表特定データを部品表管理データテーブル106aから検索し、検索された前記部品表特定データを含む前記レコードを部品表データテーブル106bから検索する。
【0051】
具体的には、
図5の検索画面の左上に示すように、前記設定領域に、前記ユーザ特定データ(ユーザ:43230)および前記機械特定データ(機種:155、機番:3553L、部位:150、バージョン:4)が設定される。また、この際、案件番号(43230)も設定される。部品検索部102bは、設定された前記ユーザ特定データおよび前記機械特定データと紐付く前記部品表特定データとして、部品表番号310を、部品表管理データテーブル106aから検索する。部品検索部102bは、検索された前記部品表特定データである部品表番号310を含む前記レコードを、部品表データテーブル106bから検索する。ここで、
図2の部品表データテーブル106bを参照すると、部品表番号310を含むレコードは全部で15個(行番号1〜15)あり、この15個のレコードが検索の結果ヒットしたものとなる。
【0052】
(部品表示実行処理)
部品表示実行部102cは、部品検索部102bで検索した前記レコードに含まれる前記部品特定データを前記表示領域に表示させる。
【0053】
具体的には、部品表示実行部102cは、
図5の中段に示すように、部品検索部102bで検索した前記15個のレコードに含まれる前記部品特定データとして、部品番号、名称およびバージョンを表示させている。
図5中段には、5個のレコードに含まれる前記部品特定データ(つまり5行)しか示されていないが、実際は、前記表示領域の右のスクロールバーを下にスクロールすることにより、残り10個のレコードに含まれる前記部品特定データ(つまり10行)も見ることができる。
【0054】
この表示の際、部品表示実行部102cは、前記部品群特定データを含む前記レコードに含まれる前記部品特定データを、前記部品群特定データ毎に異なる表示態様で表示させる。
【0055】
具体的には、部品アジャストファスナー(C−1222) バージョン「1」が、廃盤部品であるとすると、この廃盤部品と組み合わせて使用される部品ボールベヤリング(カートリッジ型ユニットUCC288) バージョン「2」は、廃盤関連部品である。前記廃盤部品に対応するレコードおよび前記廃盤関連部品に対応するレコードには、
図2に示すように、同一の部品群特定データ(置換NO.3)が付されている。この場合、
図5の中段に示すように、この2つの部品の「置換」の項目は、共にドット模様の塗りつぶしという表示様態で表示される。これによりオペレータは、同じ表示様態で表示された部品が、同じ部品群特定データを有する部品(すなわち、組み合わせて使用される部品同士)であることを容易に認識することができる。なお、この表示様態は、同一の部品群特定データの塗りつぶしに限らず、例えば、同一の部品群特定データに同じ印(米印等)をつける等の表示様態であってもよい。また、部品表示実行部102cは、前記部品群特定データが複数存在する場合(
図5には示していないが)、例えば、置換No.3と置換No.4とが存在する場合、置換No.3を含むレコードに含まれる部品特定データは青、置換No.4を含むレコードに含まれる部品特定データは赤、等の方法で、前記部品群特定データ毎に異なる表示様態で表示させることができる。
【0056】
(部品取得処理)
部品取得部102dは、前記表示態様で前記部品特定データが表示されている、前記表示領域内の領域が指定されると、指定された前記領域に表示されている前記部品特定データを含む前記レコードに含まれる前記部品群特定データを部品表データテーブル106bから取得し、取得した前記部品群特定データと紐付く前記置換部品の前記部品特定データおよび前記置換関連部品の前記部品特定データを部品表置換データテーブル106cから取得する。
【0057】
具体的には、まず、
図5の中段に示すように、同じ表示様態で表示されている部品アジャストファスナー(C−1222) バージョン「1」および部品ボールベヤリング(カートリッジ型ユニットUCC288) バージョン「2」の表示領域内の領域として、ドット模様で塗りつぶした領域が指定されると、部品取得部102dは、指定された前記領域に表示されているこれら2つの部品を含む前記レコードに含まれる前記部品群特定データとして、部品表データテーブル106bに示すように、置換No.3を取得する。
【0058】
部品取得部102dは、取得した置換No.3と紐づく前記置換部品の部品特定データおよび前記置換関連部品の前記部品特定データを、部品表置換データテーブル106cから取得する。ここで、前記部品アジャストファスナー(C−1222) バージョン「1」の置換部品は、
図3の部品表置換データテーブル106cに示すように、置換No.3を有する部品アジャストファスナー(C−1222) バージョン「2」であり、これの置換関連部品は、
図3の部品表置換データテーブル106cに示すように、置換No.3を有する部品ボールベヤリング(UPC207)ピロ型 バージョン「1」である。
【0059】
(画面生成処理)
画面生成部102eは、部品取得部102dで取得した前記部品特定データ「部品コード:ZC−1222、部品名:アジャストファスナー(C−1222)、部品バージョン:2」および「部品コード:ZUCP207、部品名:ボールベヤリング(UPC207)ピロ型、部品バージョン:1」が設定されている画面(MC)を生成する。
【0060】
(画面表示実行処理)
画面表示実行部102fは、画面生成部102eで生成した前記画面(MC)を、
図5の右下の四角内に示すように、前記表示部に表示させる。なお、この際、前記置換部品および前記置換関連部品に関して、
図4の登録画面を通して予め入力したコメント(アジャストファスナーの廃盤規格変更に伴いベアリング(ZUC208)を変更)を併せて表示してもよい。
【0061】
このように、本実施形態に係る部品表管理装置100によれば、廃盤部品およびこれと組み合わせて使用される廃盤関連部品を容易に検索できる。これにより、例えば、ユーザが、前記廃盤品のみを代替品に交換するも、前記代替品と組み合わせて使用される関連部品の交換を行っていないために、結局機械の使用ができないといったことが生じるのを防ぐことができる。また、本実施形態に係る部品表管理装置100によれば、同時に、廃盤部品に対応する置換部品およびこれと組み合わせて使用される置換関連備品も容易に検索できる。つまり、本実施形態に係る部品表管理装置100は、前記廃盤部品、前記廃盤関連部品、前記置換部品および前記置換関連部品を同時に検索できる装置であるといえる。
【0062】
また、本実施形態に係る部品表管理装置100によれば、オペレータが複数の修理対象部品を入力すると、前記複数の修理対象部品が廃盤か否かを把握できる当時に、前記複数の修理対象部品それぞれと組み合わせて使用される関連部品も併せて把握することができる。
【0063】
そして、本実施形態に係る部品表管理装置100によれば、ユーザが使用するある部品が廃盤である時に、この廃盤部品を使用している他のユーザも一括で検索することにより、一括で部品表の更新をすることができる。これにより、例えば、廃盤部品を使用している他のユーザに対して、予め、廃盤のアナウンスを行う等の対応をすることができる。なお、ここでいう更新とは、部品表における廃盤部品を代替部品へと変える更新を意味しているのではなく、部品表における廃盤部品に印をつけることにより、廃盤部品が存在するという気づきを与える更新である。
【0064】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0065】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0066】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0067】
また、部品表管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0068】
例えば、部品表管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて部品表管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0069】
また、このコンピュータプログラムは、部品表管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0070】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム商品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。したがって、本明細書で説明したような処理又は処理方法を実行するためのプログラムを格納した記録媒体もまた本発明を構成することとなる。
【0071】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0072】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0073】
また、部品表管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、部品表管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0074】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。