【課題】本発明は、商品又は製品からなる物品の在庫管理に関し、移動元と移動先における在庫管理に要する手間を軽減することができる物品移動データ作成装置、物品移動データ作成方法、及び物品移動データ作成プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る物品移動データ作成装置は、物品の移動元から移動先への移動に関する物品移動データを作成するための物品移動データ作成装置である。この物品移動データ作成装置の制御部は、物品に関する物品情報と当該物品又はその構成品の分類に関する分類情報とが互いに関連付けられている物品情報マスタから、所定の移動先へ移動すべき移動対象品の分類情報を取得し、取得した分類情報ごとに、前記移動対象品の移動数量に関するデータを前記物品移動データとして作成する。
制御部を備えた情報処理装置において実行させるための、物品の移動元から移動先への移動に関する物品移動データを作成するための物品移動データ作成プログラムであって、
前記制御部において実行させるための、
物品に関する物品情報と当該物品又はその構成品の分類に関する分類情報とが互いに関連付けられている物品情報マスタから、所定の移動先へ移動すべき移動対象品の分類情報を取得する分類情報取得ステップと、
前記分類情報取得ステップで取得した分類情報ごとに、前記移動対象品の移動数量に関するデータを前記物品移動データとして作成する物品移動データ作成ステップと
を含む
ことを特徴とする物品移動データ作成プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.構成]
本実施形態に係る物品移動データ作成装置を含む物品移動データ作成システムの構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、物品移動データ作成装置を含む物品移動データ作成システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0017】
図1に示す物品移動データ作成システム1000は、情報処理装置としての物品移動データ作成装置100と、サーバ200と、物品移動データ作成装置100及びサーバ200を通信可能に接続するネットワーク300とを含んでいる。
【0018】
物品移動データ作成装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータであり、商品又は製品からなる物品の移動元から移動先への移動に関する物品移動データを作成するための情報処理装置である。この物品移動データ作成装置100は、例えば、事業者において物品の在庫管理を行う部署(売上部門又は受注部門)に1台設置されている。なお、物品移動データ作成装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。また、物品移動データ作成装置100は、物品移動データ作成システム1000内において複数台設置されていてもよい。
【0019】
物品移動データ作成装置100は、制御部102と、通信インターフェース部104と、記憶部106と、入出力インターフェース部108とを備えている。物品移動データ作成装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0020】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、物品移動データ作成装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、物品移動データ作成装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。したがって、通信インターフェース部104は、他の部署(移動元や移動先)に備え付けの情報処理装置からの入力情報、受注元(納品先)からの入力情報等を、ネットワーク300又はネットワーク300及びサーバ200を介して受け付けることが可能に構成されているとともに、所定の情報処理装置(移動元や移動先にある情報処理装置)や、受注元に対して所定の情報を出力することが可能に構成されている。
【0021】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラム(本発明のプログラムを含む)が記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。また、この記憶部106には、本発明のプログラムを実施するために用いられる各種のデータが書き出し/読み出し可能に格納されている。
【0022】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。
【0023】
制御部102は、物品移動データ作成装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0024】
さらに
図1を参照しながら、記憶部106及び制御部102の構成について詳述する。
【0025】
記憶部106は、
図1に示されるように、物品情報マスタ106aと、物品移動データ記憶領域106bと、振替データ記憶領域106cとを含む。
【0026】
物品情報マスタ106aは、在庫管理の対象となる物品の各々につき、物品に関する物品情報と、当該物品又はその構成品の分類に関する分類情報とが互いに関連付けられているマスタである。物品情報マスタ106aにおいては、物品が複数の構成品からなる場合、物品と構成品との関連付け(セットパターンの設定)もなされている。物品情報には、例えば、物品の商品名、商品コード、必要数量に関する情報及び単価に関する情報が含まれる。分類情報については後述する。
【0027】
物品移動データ記憶領域106bは、移動対象品の移動数量に関する物品移動データを記憶するための領域であり、物品移動データは物品移動データ作成装置100によって作成されて保存される。振替データ記憶領域106cは、移動対象品の移動元から所定の移動先へ振り替えるべき数量に関する振替データを記憶するための領域であり、振替データは、物品移動データ作成装置100によって作成されて保存される。
【0028】
制御部102は、
図1に示されるように、複数のモジュールを備えている。
図1に示す例では、制御部102は、分類情報取得部102aと、物品移動データ作成部102bと、移動元特定情報作成部102cと、振替データ作成部102dとを備えている。
【0029】
分類情報取得部102aは、物品情報マスタ106aから、所定の移動先へ移動すべき移動対象品の分類情報を取得する分類情報取得手段として機能するモジュールである。
【0030】
物品移動データ作成部102bは、上記物品移動データを作成する物品移動データ作成手段として機能するモジュールであり、本実施形態においては、物品移動データ作成部102bは、分類情報ごとに物品移動データを作成する。
【0031】
移動元特定情報作成部102cは、物品移動データに含まれる移動元特定情報を作成する移動元特定情報作成手段として機能するモジュールであり、本実施形態においては、移動元特定情報作成部102cは、移動対象品の移動先の種別又は所属を識別するための移動先識別情報と、分類情報とを用いて移動元特定情報を作成する。
【0032】
振替データ作成部102dは、移動対象品の移動元から所定の移動先へ振り替えるべき数量に関する振替データを作成する振替データ作成手段として機能するモジュールである。
【0033】
[2.処理]
次に、
図1に示す物品移動データ作成システム1000において実行される物品移動データ作成方法を例示的に説明する。
【0034】
図2は、
図1の物品移動データ作成システム1000において、物品移動データ作成装置100が実行する物品移動データ作成方法の処理手順を示すフローチャートである。この
図2に示す処理は、概略的には、物品の移動元から移動先への移動に関する物品移動データを作成し、さらに振替データを作成するというものであり、本処理の大部分は、物品移動データ作成装置100の制御部102において実行される。以下に説明する例では、主として、倉庫に収納している商品について売上が生じた場合に物品移動データが作成される場合について説明する。
【0035】
まず、ステップS201では、物品移動データ作成装置100において、物品情報マスタ106aの登録又は更新(メンテナンス)が行われる。具体的には、在庫管理の対象となる物品の各々につき、物品に関する物品情報と当該物品の分類に関する分類情報とが互いに関連付けたマスタが構築される。分類情報は、物品の種別を示す情報(例えば、メイン食材、サブ食材、容器及び付属品の区別)を示す情報であってもよいし、物品の倉庫における保管場所(例えば、倉庫番号、又は、冷暗所、冷蔵庫及び冷凍庫の区別)を示す情報であってもよいし、物品の管理区分(例えば、付属品、添付品及び包材の区別)を示す情報であってもよい。
【0036】
また、物品が複数の構成品からなる場合(例えば、物品がセット品である場合)には、各構成品に関する物品情報と当該構成品の分類に関する分類情報とが互いに関連付けられる。ここで、物品が複数の構成品からなる旨(セットパターン)の設定は、例えば
図3に示すような画面を介して行われる。
図3の例は、煮込みうどんのセット品についての構成品の登録が行われることを示している。なお、セットパターンの設定は、
図3に示すような画面を介して行うことに代えて、既存のセットパターンを読み出してもよい。
図4には、ステップS201において物品情報マスタ106aに登録されたデータが模式的に示されている。
図4に示されるように、物品が、商品「NUF−40」とその付属品(箸)とからなるセット品である場合、商品1つ当たりに必要な構成品の必要数量に関する情報が関連付けられる。さらに、商品及びその構成品の各々には分類情報が付される。物品が単一の構成品からなる場合であっても、セット品であるよう扱えるように、物品情報と分類情報とを互いに関連付けておくことが好ましく、これにより、登録された全ての物品の在庫管理を行うことができる。
【0037】
次に、ステップS202では、売上入力を行うかどうかを判別する。ここで、ステップS202の判別の結果、売上入力を行わない場合には(ステップS202でNo)、物品情報マスタ106aのメンテナンス及び売上入力を待機すべく、ステップS201の処理に戻る。一方、ステップS202の判別の結果、売上入力を行う場合には(ステップS202でYes)、売上データを取得して、ステップS203の処理に進む。
【0038】
売上入力を行う場合(ステップS202でYes)、ユーザは、
図5に示すような売上入力画面を起動して売上に係る商品とその数量を登録してもよいし、所定の売上データ(例えば、店頭に設置されたPOS端末からのPOSデータ)を読み出すよう操作指示を入力してもよい。これらのようにして、物品移動データ作成装置100は売上データを取得する。
図6には、物品移動データ作成装置100が取得する売上データの一例が模式的に示されている。
【0039】
そして、ステップS203では、取得した売上データに係る商品の商品情報で物品情報マスタ106aを参照して、当該商品が構成品を含むセット品であるかどうかを判別する。商品が構成品を含むセット品であるかどうかは、例えば、物品情報マスタ106aにおいてセット品であることを示すフラグがONになっているかどうかで判別することができる。セット品でない場合には(ステップS203でNo)、当該商品の分類情報を物品情報マスタ106aから取得して(ステップS204)、ステップS206の処理に進む。一方、セット品である場合には(ステップS203でYes)、当該商品に含まれる構成品の各々につきその分類情報を取得して(ステップS205)、ステップS206の処理に進む。また、セット品である場合には、売上に係る物品1つ当たりに必要な構成品の必要数量も取得される。
【0040】
続くステップS206では、物品移動データの作成を行う。物品移動データとは、物品の移動元から移動先への移動に関するデータであり、移動対象品の移動数量に関するデータを含むデータであり、通常は、移動元に関する情報と移動先に関する情報とを含むデータである。移動元に関する情報は、例えば、分類情報から取得することができ、また、移動先に関する情報は、例えば、POS端末からの売上データから取得することができる。売上データが地方発送品に係る商品の売上データであれば移動先は配送センターであり、売上データが店頭販売品に係る商品の売上データであれば移動先は店頭又は管理倉庫である。なお、移動元又は移動先が一意に特定される場合には物品移動データがそれらの情報を含んでいなくてもよい。本実施形態では、物品移動データは、ステップS204又はステップS205で取得した分類情報ごとに作成される。
【0041】
図7(a)には、ステップS206で作成された物品移動データの一例を模式的に示す図である。
図7(a)に示す物品移動データは、分類「2」に属する物品(商品「NUF−40」)の移動データと、当該物品の付属品であって分類「5」に属する物品(箸)の移動データとを含む。このように、本実施形態では、物品移動データとして、分類情報ごとに物品移動データを作成することで、予め登録した分類情報に応じた物品情報を得ることができるようになる。また、分類情報は、物品移動データに含まれる移動元特定情報に含まれていることが好ましい。
図7(a)に示す例では、移動元倉庫を示す4桁の数字の末尾1桁の数字が分類情報を示す数字となっており、ステップS204又はステップS205で取得した分類情報を用いて、具体的には、移動先を識別するための4桁の数字の末尾1桁の数字を、分類情報を示す数字に置き換えることで作成される。この場合、移動元特定情報に含まれることとなる移動先倉庫を示す4桁の数字の上3桁の数字は、移動先の種別又は所属(例えば、倉庫又は移動元の管理部門)を示す情報であり、移動対象品の商品としての売上げを計上すべき売上計上元を識別するための売上計上元識別情報の少なくとも一部である。
【0042】
さらに、ステップS207では、振替データの作成を行う。振替データとは、移動対象品の移動元から移動先へ振り替えるべき数量に関するデータである。すなわち、振替データは、物品の移動があった場合に、物品の移動先における入庫数量(すなわち移動元からの振替数量)を示すデータである。振替データの一例は、
図7(b)に模式的に示されている。振替データは、ステップS206で作成した物品移動データに基づいて作成されることが好ましいが、ステップS202で取得した売上データ、すなわち移動数量に基づいて作成してもよい。この振替データは、移動先の在庫管理等で利用される。そして、本処理を完了する。
【0043】
以上詳細に説明したように、
図2に示した物品移動データ作成方法によれば、物品の分類情報を取得して(ステップS204又はS205)、取得した分類情報ごとに、物品移動データを作成する(ステップS206)ので、予め登録した分類情報にしたがって、物品の移動数量を把握することができるようになる。したがって、物品の在庫管理に関し、移動元と移動先における在庫管理に要する手間を軽減することができる。また、物品移動データが移動元に関する情報と移動先に関する情報とを含むことで、移動元からの出庫数量と、移動先への入庫数量の確認を容易に行うことができる。これに対して、物品移動データ作成装置100を用いて、手入力で物品の移動を登録して、登録された移動情報に基づき、物品移動データ及び振替データを作成することも可能である。ただし、この場合には、
図8に示すような画面を介して物品の移動を登録する必要があるため、特には物品の移動元情報と移動先情報を入力する必要があるため、在庫管理に要する手間を大幅に軽減するには至らない。
【0044】
また、
図2の処理によれば、移動元識別情報と、取得した分類情報とを用いて物品移動データの移動元特定情報が作成される(ステップS206)ので、物品移動データから移動元に関する情報を容易に取得することができるようになる。これにより、どの物品をどの移動元から移動すべきかを物品移動データから速やかに把握することができるとともに、移動元特定情報又は移動元特定情報を移動対象品の商品としての売上げを計上すべき売上計上元を識別するための売上計上元識別情報としても利用することができる。また、分類情報が移動元における保管場所を示す情報である場合には、移動対象品の保管場所も特定できることとなる。特に、物品が複数の構成品からなるセット品である場合には、各構成品の保管場所が異なっても速やかにセット品を準備することができるようになる。
【0045】
さらに、
図2の処理によれば、振替データが作成される(ステップS207)ので、移動先への入庫数量を的確に処理することができる。具体的には、作成された振替データを用いて移動先の在庫データを更新することで、移動先における在庫データの更新に係る手間を軽減できるとともに、入力ミス等による間違いの発生を減らすことができる。一方で、移動元における在庫データは、売上データに基づいて更新されてもよいし、作成された物品移動データに基づいて更新されてもよい。なお、
図2の処理において、ステップS207の振替データを作成する処理を省略してもよい。
【0046】
なお、上述した実施形態では、商品又は構成品の各々に分類情報が付されているとしたが、一部の商品又は構成品に分類情報が付されていなくてもよい。例えば在庫管理の対象としていない物品(例えば消耗品)に対しては分類情報を付す必要がない。
図9(a)には、在庫管理の対象としていない構成品を含む物品が物品情報マスタ106aに登録された例を模式的に示しており、
図9(b)には、
図9(a)に係る物品情報に基づいて作成された物品移動データの一例が模式的に示されている。
図9(b)に示されるように、在庫管理の対象としていない商品又は構成品については物品移動データの作成が省略される。これにより、物品移動データのデータ量が膨大になるのを防止することができる。ところで、
図9(b)に示す物品移動データの例では、店舗にて商品「NUF−40(店売り用)」の注文を受けた場合に、商品「NUF−40(5食入り・地方発送品)」を移動元倉庫「第二資材」から移動先倉庫「外商 第二倉庫」へ移動し、かつ、商品「箸(5本入)」を移動元倉庫「第二資材」から移動先倉庫「外商 第五倉庫」へ移動することを示している。このようにすることで、所定の倉庫から店舗倉庫への移動も管理することができる。また、
図9(b)に示されるように、
図9(a)に係る物品情報に含まれていない構成品(箸)であっても、予め商品と関連付けておくことにより、在庫管理が必要な構成品の物品移動データが自動的に作成されるように構成してもよい。
【0047】
また、上述した実施形態では、物品移動データに含まれるべき移動先に関する情報をPOS端末からの売上データから取得するとしたが、これに代えて、予め物品情報マスタ106aに物品ごとに移動先に関する情報を登録しておき、より好ましくは分類情報に含ませて移動先に関する情報を登録しておき、物品情報マスタ106aから移動先に関する情報を取得してもよい。例えば、商品が地方発送品である場合には、分類情報として倉庫から配送センターへの移動パターンが登録され、商品が店頭販売品である場合には、分類情報として倉庫から店頭又は営業所への移動パターンが登録されていてもよい。移動パターンとは、移動元を識別するための識別情報と、移動先を識別するための識別情報とを互いに関連付けたものをいう。この場合には、移動パターンごとに物品移動データを作成してもよく、これにより、例えば倉庫間における積荷の管理も容易にすることができる。
【0048】
なお、上述した実施形態では、主として、商品を扱う場合について説明したが、製品についても同様に説明される。製品の場合には、例えば、部品を組み立てて1つの製品が製造されるが、各部品について物品情報と分類情報を物品情報マスタ106aに登録すればよく、売上データに代えて受注データを用いることで、物品移動データを作成することができる。
【0049】
[3.具体例]
次に、上述した実施形態の具体例を説明する。
【0050】
図10は、
図2の処理において用いられるデータの関係を説明するために用いられる図である。この
図10には、物品情報マスタ106aに登録されたセット品の構成内容を示すデータと、セット品の売上データに対応するPOSデータと、
図2の処理によって作成される物品移動データ及び振替データとが示されている。
【0051】
図10を用いて、
図2に示した処理手順を説明する。まず、
図10に示されるように物品情報マスタ106aにはセット品の構成内容が登録されている(
図2のステップS201)。そして、POSデータを取り込むと、売上入力を行うと判断される(
図2のステップS202でYes)。
【0052】
続いて、POSデータから、セット品の売上数量に関する情報として
図10に示す例では「5食」を取得するとともに、セット品に対応する構成内容のデータから、各構成品の分類情報として1桁の数字を取得する(
図2のステップS205)。さらに、このPOSデータには、通常、移動対象品の商品としての売上げを計上すべき売上計上元を識別するための売上計上元識別情報が含まれており、
図10に示す例では、倉庫コード「1010」が売上計上元識別情報に該当する。本具体例では、この売上計上元識別情報の少なくとも一部又は全部を移動先識別情報として用いる。そして、POSデータから、当該POSデータに含まれている移動先識別情報としての倉庫コード「1010」の上3桁「101」を抽出し、物品移動データの移動元特定情報としての4桁の移動元コードにセットするとともに、取得した分類情報を示す数字を移動元コードの末尾1桁にセットする。これにより、移動元コードが完成する。さらに、移動元コードが同じ構成品につき、その商品情報と移動数量をセットする。これにより、移動元コードごとに物品移動データが作成される(
図2のステップS206)。
【0053】
振替データについては、POSデータに含まれる移動先識別情報を、移動先の倉庫を識別するための倉庫コードにセットし、移動数量については、作成した物品移動データ又はPOSデータの売上数量をセットする。これにより、振替データが作成される(
図2のステップS207)。
【0054】
以上、
図10を用いて説明したように、本具体例によれば、物品情報マスタ106aに登録した情報と、POSデータとを用いることにより、物品移動データと振替データを自動的に作成することができるようになる。これにより、ユーザの手間を軽減することができる。
【0055】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0056】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0057】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0058】
また、物品移動データ作成装置100及び物品移動データ作成システム1000に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0059】
例えば、物品移動データ作成装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて物品移動データ作成装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0060】
また、このコンピュータプログラムは、物品移動データ作成装置100に対して任意のネットワーク(例えばネットワーク300)を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0061】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。したがって、本明細書で説明した処理を実行するためのプログラムを格納した記録媒体もまた本発明を構成することとなる。
【0062】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0063】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0064】
また、物品移動データ作成装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、物品移動データ作成装置100は、当該装置に本明細書で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0065】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。