(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-103166(P2018-103166A)
(43)【公開日】2018年7月5日
(54)【発明の名称】発泡合成樹脂切削くず吸引圧縮減容手段における切削くず収集機構
(51)【国際特許分類】
B08B 5/04 20060101AFI20180608BHJP
B08B 15/02 20060101ALI20180608BHJP
B08B 15/04 20060101ALI20180608BHJP
【FI】
B08B5/04
B08B15/02
B08B15/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2016-257989(P2016-257989)
(22)【出願日】2016年12月27日
(71)【出願人】
【識別番号】591253836
【氏名又は名称】相馬 督
(72)【発明者】
【氏名】相馬 督
【テーマコード(参考)】
3B116
3B117
【Fターム(参考)】
3B116AA46
3B116AB42
3B116AB53
3B116BB72
3B116BB75
3B116BB87
3B116CD11
3B116CD22
3B117AA01
(57)【要約】
【課題】濾布内面に切削くずの着かない方式の切削くず収集機構を提供する。
【解決手段】発泡合成樹脂の切削くずを減容するための減容機を用いる場合の該切削くずの収集手段において、該減容機上方に連通接続される濾布を設け、濾布内にその吐出口を位置させてなる吸引ブロワーを設け、該吸引ブロワーに連通接続されるとともに濾布内上方へ立ち上がる吐出管を設け、該濾布内上方において吐出管端を下向きに位置させることにより、吸引した該切削くずの濾布内壁への付着を防止しつつ減容機に導くことを可能としたことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡合成樹脂の切削くずを減容するための減容機を用いる場合の該切削くずの収集手段において、該減容機上方に連通接続される濾布を設け、濾布内にその吐出口を位置させてなる吸引ブロワーを設け、該吸引ブロワーに連通接続されるとともに濾布内上方へ立ち上がる吐出管を設け、該濾布内上方において吐出管端を下向きに位置させることにより、吸引した該切削くずの濾布内壁への付着を防止しつつ減容機に導くことを可能としたことを特徴とする発泡合成樹脂切削くず吸引圧縮減容手段における切削くず収集機構。
【請求項2】
吐出管および吸引ブロワーを平面視点対称の位置にて2系統設けてなる請求項1記載の発泡合成樹脂切削くず吸引圧縮減容手段における切削くず収集機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発泡合成樹脂切削くずを効率的に収集する手段に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、発泡合成樹脂の切削くずを収集する手段はあるが、本発明にて示すように、濾布内高位置から下方に向けて該切削くずを放出して収集する手段は見当たらない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発泡スチロール等の廃棄物は軽くてかさばり、輸送上や貯蔵上の効率化のため、これを減容しこれらを集めて二次加工やリサイクル製品化することが行われている。
この廃棄物処理に際し、廃棄物が粉体の場合にはまずその収集手段が必要である。
例えば、鋳物製作に先立って以前は木型作成が必須であったが、近年は発泡スチロール樹脂が多用されるようになってきた。切削装置を用いて発泡スチロール内を削り、所定形状の空間を作るのであるが、このとき切削くずが発生する。
発泡スチロールの減容機は従来より利用されているが、前記切削くずをこの減容機に収集する手段が必要となる。この場合の従来法としては、無底中空円筒形状の濾布内に、該切削くずを濾布内周方向へ吹き出し、吹き出た切削くずを重力により下方移動させて減容機に導き、圧縮減容する手段が用いられている。
しかし、この手段では濾布内に吹き出た切削くずが静電気その他の理由にて濾布内面に付着するために、定期的にこの付着物を除去しなければならないという問題があった。
本発明は以上に鑑み、切削くずの吹き出し位置を濾布内上方とし、そこから下方へ向けての吹き出しとすることにて、上記問題を解決し得る新規かつ有用なる手段を得ることを目的として発明されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題を解決する手段として本発明は以下の構成とした。
すなわち、発泡合成樹脂の切削くずを減容するための減容機を用いる場合の該切削くずの収集手段において、該減容機上方に連通接続される濾布を設け、濾布内にその吐出口を位置させてなる吸引ブロワーを設け、該吸引ブロワーに連通接続されるとともに濾布内上方へ立ち上がる吐出管を設け、該濾布内上方において吐出管端を下向きに位置させることにより、吸引した該切削くずの濾布内壁への付着を防止しつつ減容機に導くことを可能とする。
本発明は以上の構成よりなる発泡合成樹脂切削くず吸引圧縮減容手段における切削くず収集機構である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、切削くずを濾布内上方から下向きに吐出する方式のため、吐出された切削くずの濾布内壁への付着を防止して、濾布内下方に位置する減容機へと導くことができ、濾布内周方向への切削くず吐出としていた従来手段にて課題となっていた切削くずの濾布内壁への付着を解消するための有用なる手段を得ることができる。
また、既例のごとく吐出管および吸引ブロワーを2系統とすることにて、同時に2箇所からの切削くずの吸引とその処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図において、1は市販の減容機である。この減容機は、箱形のケース2内に駆動モーター3がその出力軸を下方に向けて位置し、ギア変換にてその回転速度を減少させるとともに、軸回転方向を直交変換し、この軸方向にスクリュー羽根(図示略)が設けられ、またこのスクリュー羽根と非接触にて複数個の破砕アームが位置し、該軸上方に開口部が位置している。モーターと反対側の軸方向には絞り込まれた排出口4が位置している。
従って、前記の開口部より投入された切削くずは前記のスクリュー羽根回転によって排出口へと送られつつ破砕アームにて押圧減容される仕組みとなっている。なお、スクリュー羽根の下方には機器冷却のための水貯留部分が設けられる。
この減容機上方には、以下に示す各部が位置している。
【0008】
10は金属平板による支持板で、正面視において左右に各々前部と後部に計4枚が減容機上面に螺着立設される。11は吸引ブロワーで、上記支持板上に通気部を水平にして取り付けられ、ブロワー付属のモーター12により駆動され、このブロワーは正面視において左右一対が設けられる。
13は中空逆円錐台形状のホッパーで、減容機の上部開口部に連通接続される。
14は通気性布体による濾布で、無底上部閉塞の中空体であり、ホッパー上部にその下部が取り付けられる。15は合成樹脂管による吐出管で、その下端は前記ブロワーの吐出口に接続されて吐出口に対しほぼ直角に上方へ向かい、上部は略半円形に折曲されて下向きの吐出口16が濾布内上方に位置している。この吐出管は平面視において点対称の位置に2本が位置する。なお、前記ブロワーの吐出口は濾布内に位置し、吸入口には吸引管17が接続され、吐出管位置保持のための保持体18が
図1のごとくブロワー上部に立設される。以上が本発明の一実施形態である。
【0009】
次に、本発明の機能について説明する。
まず、切削くず発生位置近傍に吸引管端を位置させ、モーター駆動にてブロワーを駆動させる。これにより、切削くずは吸引管端より吸引され、ブロワー通過にて吐出管に入り、吐出口より吐出される。吐出した切削くずはその重力にて下方移動し、ホッパーを介して減容機内へと入り、既述の方式にて圧縮減容されて固化物として排出口より排出される。
吸引管、吸引ブロワー、吐出管が各2個あるのは、2系統の吸引減容を可能とするためである。
【0010】
以上、本発明について記したが、本発明は濾布内高所から下向きに切削くずを吐出するところにその特徴を有するものである。
既述のごとく、従来法では切削くずを濾布内下位置から濾布の円周方向に水平に吐出していたので、吐出された切削くずの一部は濾布内面と摩擦接触となって静電気が発生し、濾布に吸着されるために濾布内面下部に堆積し、それ以外の切削くずはブロワーからの空気圧によって濾布内上方に留まって、定期的にその除去、例えばブロワーを停止させ、外から濾布をたたいて落下させねばならなかった。切削くずは細片となって軽いために、ブロワーからの空圧にて下に移動できないのである。従って、従来法では濾布内の上部と下部にこの切削くずが溜まるのである。
【0011】
これに対し本発明では、既述のように濾布内上方から下方に向けて切削くずを吐出する方式のために、濾布内での切削くずの平面視における円運動は発生しないために、静電気による濾布内面への付着と、ブロワーからの吐出空気による切削くずの押上作用は発生せず、既述の問題を解決できるものとなったのである。
濾布はその面積が大きいほど空気流通量を大とすることができるので、切削くずの処理量に適した濾布サイズの選定が必要である。この濾布は剛性がないために、ブロワー停止時にはしぼむこととなる。なお、保持体を管体として、空気吹き出し可能とすることにて、切削くずのすみやかなる下方移動効果を得ることができる。
以上のごとく、本発明によって発泡合成樹脂切削くずの減容機へのすみやかなる移動収集手段を得ることができる。
【符号の説明】
【0012】
1 減容機
2 ケース
3 駆動モーター
4 排出口
10 支持板
11 吸引ブロワー
12 モーター
13 ホッパー
14 濾布
15 吐出管
16 吐出口
17 吸引管
18 保持体