前記亜鉛化合物が、グルコン酸亜鉛、塩化亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、及び低温焼成酸化亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の育毛用組成物。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0012】
本発明は、育毛用組成物を包含する。本発明の育毛用組成物は、
(A)オウゴンエキス、
(B)亜鉛化合物、及び
(C)シクロヘキサンジカルボン酸と、一般式(1):
R−(OCH
2CH
2)
n−OH (1)
[一般式(1)中、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示し、nは2〜11の整数を示す。]
で表されるポリオキシエチレンモノアルキルエーテルとのジエステル
を含む。
【0013】
なお、本明細書において、オウゴンエキスを「A成分」、亜鉛化合物を「B成分」、及びシクロヘキサンジカルボン酸と一般式(1)で表されるポリオキシエチレンモノアルキルエーテルとのジエステルを、単に「ジエステル」又は「C成分」とそれぞれ表記する場合がある。
【0014】
A成分であるオウゴンエキスは、コガネバナの根であるオウゴンの抽出物であり、養毛・育毛作用を有する。オウゴンエキスの製造方法としては特に制限されず、公知の方法により製造することができる。また、抽出溶媒も特に制限されず、例えば、水、アルコール、エーテル、クロロホルムなどの通常抽出に使用される公知の溶媒を用いることができる。また、オウゴンエキスとしては市販品を用いることができる。
【0015】
本発明の育毛用組成物に含まれるオウゴンエキスの含有量は、育毛作用が発揮される範囲内であれば特に制限されず、例えば、本発明の育毛用組成物全体を基準(100質量%)として、0.1〜10質量%程度、好ましくは1〜10質量%程度、より好ましくは2〜9質量%程度、さらに好ましくは2〜8質量%程度、一層好ましくは2〜7質量%程度、特に好ましくは3〜6質量%程度、最も好ましくは4〜5質量%程度である。
【0016】
B成分である亜鉛化合物は、毛髪にハリ・コシを付与する作用を有する。亜鉛化合物としては、育毛用組成物に配合可能な亜鉛化合物であれば特に限定されず、公知の亜鉛化合物を用いることができる。例えば、グルコン酸亜鉛、塩化亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、及び低温焼成酸化亜鉛などが挙げられる。これらの中でも、グルコン酸亜鉛が好ましい。また、亜鉛化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合して用いる場合、その混合割合は特に制限されず、適宜決定することができる。
【0017】
本発明の育毛用組成物に含まれる亜鉛化合物の含有量は、毛髪にハリ・コシを付与する作用が発揮される範囲内であれば特に制限されず、例えば、本発明の育毛用組成物全体を基準(100質量%)として、0.1〜10質量%程度、好ましくは0.1〜5質量%程度、より好ましくは0.1〜4質量%程度、さらに好ましくは0.1〜3質量%程度、一層好ましくは0.1〜2質量%程度、特に好ましくは0.1〜1質量%程度、最も好ましくは0.1〜0.75質量%程度である。
【0018】
C成分であるジエステルは、シクロヘキサンジカルボン酸と、一般式(1):
R−(OCH
2CH
2)
n−OH (1)
[一般式(1)中、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示し、nは2〜11の整数を示す。]
で表されるポリオキシエチレンモノアルキルエーテルとのジエステルである。
【0019】
当該ジエステルは、親水性及び親油性の両方の機能をもつエステル油剤であり、毛髪及び皮膚への有効成分の浸透を促進する作用を有する。さらに、限定的な解釈を望むものではないが、当該ジエステルを用いることにより、オウゴンエキスと亜鉛化合物とを含む組成物の白濁を抑制することができる。
【0020】
当該ジエステルを構成するシクロヘキサンジカルボン酸としては特に制限されず、例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。中でも、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。なお、シクロヘキサンジカルボン酸は、シス体及びトランス体の幾何異性体が存在するが、ジエステルを構成するシクロヘキサンジカルボン酸としては、シス体、トランス体、又はシス体及びトランス体の混合物のいずれであってもよい。
【0021】
ジエステルを構成するポリオキシエチレンモノアルキルエーテルは、上記一般式(1)で表される化合物である。一般式(1)中、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示し、nは2〜11の整数を示す。
【0022】
Rで示される炭素数1〜12のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよく、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基などが挙げられる。中でも、Rは、メチル基、又はエチル基であることが好ましい。
【0023】
nとしては、2〜11の整数であり、中でも、2〜9の整数であることが好ましく、2〜7の整数であることがより好ましく、2〜5の整数であることがさらに好ましく、2又は3であることが特に好ましい。
【0024】
上記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンモノアルキルエーテルとしては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。中でも、ジエチレングリコールモノエチルエーテルであることが好ましい。
【0025】
ジエステルの製造方法は、シクロヘキサンジカルボン酸と一般式(1)で表されるポリオキシエチレンモノアルキルエーテルとをエステル化反応させる方法であれば特に制限されず、公知の方法を採用することができる。例えば、特開2008−127342号公報に記載の方法などにより製造することができる。また、ジエステルは、市販品を用いることができる。
【0026】
本発明の育毛用組成物に含まれるジエステルの含有量は、毛髪及び皮膚への有効成分の浸透を促進する作用が発揮される範囲内であれば特に制限されず、例えば、本発明の育毛用組成物全体を基準(100質量%)として、0.1〜10質量%程度、好ましくは0.1〜9質量%程度、より好ましくは0.1〜8質量%程度、さらに好ましくは0.1〜7質量%程度、一層好ましくは0.1〜6質量%程度、特に好ましくは0.25〜5質量%程度、最も好ましくは0.5〜5質量%程度である。
【0027】
また、本発明の育毛用組成物は、B成分である亜鉛化合物に対するC成分であるジエステルの質量比(C成分/B成分)が3より大きいことが好ましく、3より大きく20以下であることがより好ましく、3より大きく15以下であることがさらに好ましく、4以上15以下であることが一層好ましく、5以上15以下であることが特に好ましい。限定的な解釈を望むものではないが、B成分に対するC成分の質量比が上記した範囲内とすることにより、本発明の育毛用組成物の白濁をより抑制することができる。
【0028】
本発明の育毛用組成物は、上記したA成分、B成分、及びC成分のほか、本発明の効果を損なわない範囲において、通常、育毛用組成物に配合可能な成分を含むことができる。例えば、オウゴンエキス以外の育毛成分、界面活性剤、加脂剤、保湿剤、高分子類、紫外線吸収剤、金属封鎖剤、溶剤、pH調整剤、ビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤、防腐剤、香料、清涼剤などが挙げられる。これらの成分は1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、本発明の育毛用組成物におけるこれらの成分の含有量は特に限定的ではなく、当該成分の配合目的に応じて適宜決定することができる。
【0029】
オウゴンエキス以外の育毛成分としては、育毛作用を有する成分であれば特に制限されず、公知の成分を用いることができる。例えば、末梢血管拡張剤、毛根賦活剤、抗炎症剤、皮脂分泌抑制剤などが挙げられる。
【0030】
末梢血管拡張剤としては、例えば、塩化カルプロニウム、ニコチン酸誘導体(例えば、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl−α−トコフェロールなど)、ビタミンE誘導体(例えば、dl−α−トコフェロール、d−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロールなど)、アセチルコリン、塩酸ジフェンヒドラミン、ヨウ化ニンニクエキス、スピロノラクトン、γ−オリザノール、セファランチン、ニコランジル、ミノキシジル、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、センブリエキス、ニンジンエキス、イチョウエキス、キナエキス、トウヒエキス、ソフォラエキスなどが挙げられる。
【0031】
毛根賦活剤としては、例えば、モノニトログアヤコールナトリウム、プラセンタエキス、N−アセチル−L−メチオニン、アデノシン、アデニン、アデノシン三リン酸ジナトリウム、セファランチン、アスパラギン酸カリウム、ペンタデカン酸グリセリド、パントテン酸、パントテン酸エチル、パンテノール、酵母エキス、ニンニクエキス、ローヤルゼリーなどが挙げられる。
【0032】
抗炎症剤としては、例えば、グリチルリチン酸誘導体(グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸物アンモニウムなど)、酢酸ヒドロコルチゾン、アズレン、グアイアズレン、プレドニゾロン、カミツレエキス、クマザサエキス、シラカバエキスなどが挙げられる。
【0033】
皮脂分泌抑制剤としては、例えば、レゾルシン、塩酸ピリドキシン、エストラジオールなどが挙げられる。
【0034】
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、親油性非イオン界面活性剤、親水性非イオン界面活性剤が挙げられる。
【0035】
アニオン界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム 等の高級アルキル硫酸エステル塩、POE−ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE−ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸、N−ミリストイル−N− メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、POE オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POEステアリルエーテルリン酸等のリン酸エステル塩、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、POE−アルキルエーテルカルボン酸、POE−アルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン、カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0036】
カチオン界面活性剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤、塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム)、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POE−アルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。第四級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ラウリルベンジルジメチルアンモニウムなどが挙げられる。
【0037】
両性界面活性剤としては、例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム等のイミダゾリン系両性界面活性剤、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤等が挙げられる。
【0038】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン等のグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0039】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート等の POEソルビタン脂肪酸エステル類、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート等の POEソルビット脂肪酸エステル類、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−グリセリン脂肪酸エステル類、POE−モノオレエート、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート等のPOE−脂肪酸エステル類、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル等のPOE−アルキルエーテル類、POE−オクチルフェニルエーテル、POE−ノニルフェニルエーテル、POE−ジノニルフェニルエーテル等のPOE アルキルフェニルエーテル類、ブルロニック等のプルロニック型類、POE・POPセチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン等の POE・POP−アルキルエーテル類、テトロニック等のテトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、等のPOE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POE−ソルビットミツロウ等のPOE−ミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノールアミド、POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル、POE−アルキルアミン、POE−脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、POE−ノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
【0040】
加脂剤としては、油脂類、ロウ類、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油などが挙げられる。
【0041】
油脂類としては、アボガド油、ツバキ油、アルモンド油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、グレープシード油、メドフォーム油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、ホホバ油、胚芽油、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、モクロウ核油、硬化ヒマシ油などが挙げられる。
【0042】
ロウ類としては、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、モクロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、 POEラノリンアルコールエーテルなどが挙げられる。
【0043】
炭化水素としては、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0044】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン(ベヘニン)酸、オレイン酸、12− ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0045】
高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等が挙げられる。
【0046】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル等が挙げられる。
【0047】
毛髪保護剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサンなどの環状ポリシロキサン、シリコーン樹脂等が挙げられる。
【0048】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリスリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等の糖アルコール、アミノ酸類、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、コラーゲン誘導体、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、海水(乾固物を含む)、海洋深層水(乾固物を含む)、キトサン誘導体、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ジグリセリン・エチレンオキシド・プロピレンオキシド付加物等が挙げられる。
【0049】
高分子類としては、天然の水溶性高分子、半合成の水溶性高分子、合成の水溶性高分子や無機の水系高分子などが挙げられる。
【0050】
天然の水溶性高分子としては、例えば、アラアビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)等の植物系高分子、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子が挙げられる。
【0051】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子が挙げられる。
【0052】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000 等のポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等の共重合系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオン化ポリマー等が挙げられる。
【0053】
無機の水系高分子としては、例えば、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(ビーガム)、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0054】
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、4−[N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]安息香酸エチル等の安息香酸系紫外線吸収剤、ホモメンチル−N− アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸p−tert−ブチルフェニル、サリチル酸ホモメンチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸ベンジル、パラメトキシ桂皮酸2−エトキシエチル、パラメトキシ桂皮酸オクチル、ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシ桂皮酸イソプロピル・ジイソプロピル桂皮酸エステル混合物等の桂皮酸系紫外線吸収剤、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルなどのウロカニン酸系紫外線吸収剤、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、4−tert−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン、2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)-1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0055】
金属封鎖剤としては、例えば、アラニン、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、酒石酸、コハク酸、エデト酸、フィチン酸等が挙げられる。
【0056】
溶剤としては、例えば、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングルコール、1,3−ブチレングルコール、等の2価のアルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等の3価のアルコール、ペンタエリスリトール等の4価アルコール、キシリトール等の5価アルコール、ソルビトール、マンニトール等の6価アルコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングルコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール重合体、エチレングリコールモノメチルエーテル等の2価のアルコールアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等の2価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の2価アルコールエーテルエステル、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等のグリセリンモノアルキルエーテル等が挙げられる。
【0057】
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、乳酸、酢酸、塩酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等が挙げられる。これらは単独若しくは組み合わせて使用することができ、pH値の調整だけでなく、調整したpH値の緩衝目的でも使用できる。
【0058】
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA,B1 ,B2 ,B6 ,Eおよびその誘導体、パントテン酸およびその誘導体等が挙げられる。
【0059】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
【0060】
防腐剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ウンデシレン酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸塩などの有機酸およびその誘導体、イソプロピルメチルフェノールなどのフェノール類、フェノキシエタノール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオールなどが挙げられる。
【0061】
清涼剤としては、例えば、l−メントール、乳酸メンチル、3−(メンチルオキシ)プロパン−1,2−ジオールなどが挙げられる。
【0062】
本発明の育毛用組成物の形態としては、育毛用組成物として使用される形態であれば特に限定的ではなく、例えば、水溶液(ウォータータイプ)、ローション、クリームなどの液状剤形だけでなく、ジェル剤、ペースト剤、固形スティック剤、粉末剤、顆粒剤などの形態であってもよい。
【0063】
また、本発明の育毛用組成物は、毛髪又は頭皮に接触させることにより使用することができる。毛髪への接触方法としては特に制限されず、毛髪に塗布する方法、毛髪又は頭皮に散布する方法などが挙げられる。
【実施例】
【0064】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
【0065】
製造例:育毛用組成物の調製
下記表1の実施例1〜6及び比較例1〜5で示される配合量で各成分を混合することにより、育毛用組成物を調製した。
【0066】
試験例:透明性の検討
上記製造例で調製した実施例1〜6及び比較例1〜5の育毛用組成物を、−5℃、25℃、及び40℃の条件でそれぞれ2ヶ月放置した。2ヶ月放置後の各育毛用組成物の様子を目視で確認し、以下の基準に従って透明性を評価した。結果を下記表1の「2ヶ月放置後の様子」欄に示す。
【0067】
○:濁りが確認されなかった。
△:若干濁りが確認された。
×:白濁が確認された。
【0068】
また、2ヶ月放置後の実施例1〜6及び比較例1〜5の育毛用組成物の写真を
図1に示す。なお、
図1中、左から順に実施例1〜6及び比較例1〜5に対応する。
【0069】
次いで、上記と同様の条件でさらに1ヶ月放置した後、紫外線可視分光光度計(UV−2600、島津製作所社製)を用いて波長500nmにおける透過率(単位:%、光路長:1cm、温度25℃)を測定した。結果を下記表1の「3ヶ月放置後の透過率(%)」欄に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
オウゴンエキス及びグルコン酸亜鉛を含む育毛用組成物(比較例4及び5)では、顕著な白濁が確認されたのに対して、オウゴンエキス及びグルコン酸亜鉛に加え、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコールを含む育毛用組成物(実施例1〜5)では、白濁は確認されなかった。また、オウゴンエキス及びシクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコールを含む育毛用組成物(比較例1〜3)では、白濁は確認されなかった。以上の結果から、オウゴンエキスとグルコン酸亜鉛とを組み合わせることにより白濁が発生し、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコールを用いることにより、白濁が発生しないことが分かった。
【0072】
さらに、実施例1〜5のうち、実施例3、5及び6では、40℃で放置した場合に若干濁りが確認されたのに対して、実施例1、2及び4では、40℃で放置した場合においても白濁は確認されなかった。以上の結果から、グルコン酸亜鉛に対するシクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコールの比率を特定の範囲(具体的には3より大きい値)とすることにより、組成物の濁りをより抑制することができることが分かった。