【課題】携帯用情報機器を内側に収納する収納姿勢と、携帯用情報機器を立たせた起立姿勢との間の姿勢変化を容易に行うことができ、高い利便性を得ることができるカバースタンド及びカバースタンド付き携帯用情報機器を提供する。
【解決手段】カバースタンド10は、互いの内面に亘って二つ折りに折り畳み可能な携帯用情報機器12の背面12dが装着される第1カバー部14及び第2カバー部15と、この間を折曲可能に接続する第1背表紙部16と、第1縦折り線Y1と直交する第1横折り線X1を介して第1カバー部14の一端部に接続された第1スタンド板18と、第2縦折り線Y2と直交する第2横折り線X2を介して第2カバー部15の一端部に接続された第2スタンド板19と、この間を折曲可能に接続する第2背表紙部20と、第1背表紙部16と第2背表紙部20との間を切り離すように設けられた切れ目24とを備える。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るカバースタンド及びカバースタンド付き携帯用情報機器について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係るカバースタンド10を用いて携帯用情報機器12を起立させた状態を示す斜視図である。
図2は、
図1に示すカバースタンド10及び携帯用情報機器12の側面図である。
図3は、カバースタンド10を折り畳み、携帯用情報機器12を内側に収納した状態を示す側面図である。
【0018】
カバースタンド10は、携帯用情報機器12を机の上や着席した使用者の太ももや膝等の載置面上で立てることができるスタンドとしての機能と、携帯用情報機器12を収納して持ち運ぶためのカバーケースとしての機能とを備える。カバースタンド10の使用対象となる携帯用情報機器12として、本実施形態では二つ折りに折り畳み可能なタブレット型PCを例示する。携帯用情報機器12は、折り畳み不能なタブレット型PC、携帯電話又はスマートフォン等でもよい。
【0019】
図1及び
図3に示すように、携帯用情報機器12は、二つ折りに折り畳み可能な一対の筐体部材12a,12aと、一対の筐体部材12a,12aの表面を覆うように設けられたディスプレイ12bとを備える。
【0020】
一対の筐体部材12a,12a間は、ヒンジ12cを介して折り畳み可能に連結されている(
図3参照)。各筐体部材12aの内部には図示しない演算装置及びメモリ等の各種電子部品が収納されている。
図3ではヒンジ12cは2本のアーム部材と4本の軸を備えた構造を例示しているが、ヒンジ12cは1軸構造やフレキシブルヒンジ等であってもよい。
【0021】
ディスプレイ12bは、例えばタッチパネル式の液晶ディスプレイである。ディスプレイ12bは、筐体部材12a,12aを折り畳んだ際に一緒に折り畳み可能な構造である。ディスプレイ12bは、例えば柔軟性の高いペーパー構造を持った有機EL(Electro Luminescence)等のフレキシブルディスプレイであり、筐体部材12a,12aの開閉動作に伴って開閉する。ディスプレイ12bは、各筐体部材12aの表面にそれぞれ小型のディスプレイを設けた2画面構造で構成されてもよい。
【0022】
図4は、カバースタンド10を平板状に展開した状態を模式的に示した平面図である。
図5は、収納姿勢にあるカバースタンド10の斜視図である。
【0023】
カバースタンド10は、携帯用情報機器12を使用する際の起立姿勢(
図1及び
図2参照)と、携帯用情報機器12を内側に収納する際の収納姿勢(
図3参照)とに姿勢変化可能である。
【0024】
図1〜
図5に示すように、カバースタンド10は、第1カバー部14及び第2カバー部15と、第1背表紙部16と、第1スタンド板18及び第2スタンド板19と、第2背表紙部20とを備える。なお、
図4では、第1カバー部14、第2カバー部15、第1背表紙部16、第1スタンド板18、第2スタンド板19及び第2背表紙部20を一枚板状に図示しているが、カバースタンド10を開いた実際の起立姿勢では
図1及び
図2に示すように第1カバー部14及び第2カバー部15以外は携帯用情報機器12の背面12dから離間した位置に移動した立体形状となる。
【0025】
第1カバー部14及び第2カバー部15は、携帯用情報機器12の各筐体部材12aの背面12dに装着される薄板状部材である。第1カバー部14及び第2カバー部15は、第1背表紙部16を介して互いに二つ折りに折曲可能に接続されている。各カバー部14,15は同一形状の外形を有し、
図3及び
図5に示す収納姿勢では第1背表紙部16を介して二つ折りに折り畳んだ状態で携帯用情報機器12を挟んで互いに重なる。各カバー部14,15は、
図1及び
図2に示す起立姿勢では第1背表紙部16を挟んで平板状に並ぶ。
【0026】
本実施形態の場合、各カバー部14,15は、携帯用情報機器12の背面12dの略上半分を覆う外形を有する。各カバー部14,15は、その内面が携帯用情報機器12の背面12dに装着される。
【0027】
各カバー部14,15の上下左右適宜箇所には、それぞれ磁石22が埋設されている(
図2及び
図4参照)。カバースタンド10は、各磁石22を携帯用情報機器12の筐体部材12aに埋設された磁石又は金属板等の被吸着体23に吸着させることで携帯用情報機器12の背面12dに装着される。携帯用情報機器12に対するカバー部14,15の装着構造は、磁石22を用いた構造以外、例えば各カバー部14,15の隅部等に携帯用情報機器12の隅部等を挿入保持可能な保持バンド(図示せず)を設けた構造等であってもよい。
【0028】
第1背表紙部16は、携帯用情報機器12を内側にしてカバー部14,15を二つ折りに折り畳んだ場合に、一緒に折り畳まれた携帯用情報機器12の端面及びその周辺部を覆う部分である(
図3及び
図5参照)。第1背表紙部16は、携帯用情報機器12の背面12dから接離可能である。第1背表紙部16は、第1縦折り線Y1を介して第1カバー部14と折曲可能に接続されると共に、第2縦折り線Y2を介して第2カバー部15と折曲可能に接続されている。これにより第1背表紙部16は、第1カバー部14と第2カバー部15との間を折曲可能に接続している。
【0029】
第1スタンド板18及び第2スタンド板19は、携帯用情報機器12の各筐体部材12aの背面12d側に接離可能に配置される薄板状部材である。第1スタンド板18及び第2スタンド板19は、第2背表紙部20を介して互いに二つ折りに折曲可能に接続されている。各スタンド板18,19は同一形状の外形を有する。各スタンド板18,19は、
図3及び
図5に示すように携帯用情報機器12を内側にして第2背表紙部20を介して二つ折りに折り畳んだ状態で携帯用情報機器12を挟んで互いに重なる。各スタンド板18,19は、
図1及び
図2に示す起立姿勢では携帯用情報機器12の背面12dから離間した位置に移動し、互いの間に山折り形状の第2背表紙部20を形成する。
【0030】
第1スタンド板18は、第1縦折り線Y1と直交する第1横折り線X1を介して第1カバー部14の一端部(
図4中で下端部)と接続されている。第2スタンド板19は、第2縦折り線Y2と直交する第2横折り線X2を介して第2カバー部15の一端部(
図4中で下端部)と接続されている。これにより各スタンド板18,19は、各カバー部14,15に対して各横折り線X1,X2を介して折曲可能であり、第2背表紙部20と共に携帯用情報機器12の背面12dから接離する方向に移動可能である。
【0031】
本実施形態の場合、各スタンド板18,19は、携帯用情報機器12の背面12dの略下半分を覆う外形を有する(
図3及び
図5)。つまり
図3及び
図5に示す収納姿勢では、各カバー部14,15、各背表紙部16,20及び各スタンド板18,19によって携帯用情報機器12の背面12dの全面が覆われる。
【0032】
第2背表紙部20は、第1背表紙部16の長手方向一端側(
図4中で下側)に並んで設けられる。第2背表紙部20は、携帯用情報機器12を内側にしてスタンド板18,19を二つ折りに折り畳んだ場合に、一緒に折り畳まれた携帯用情報機器12の端面及びその周辺部を覆う部分である(
図3及び
図5参照)。第2背表紙部20は、携帯用情報機器12の背面12dから接離可能である。第2背表紙部20は、第3縦折り線Y3を介して第1スタンド板18と折曲可能に接続されると共に、第4縦折り線Y4を介して第2スタンド板19と折曲可能に接続されている。これにより第2背表紙部20は、第1スタンド板18と第2スタンド板19との間を折曲可能に接続している。
【0033】
図4に示すように、第2背表紙部20は、その幅寸法W2(第3縦折り線Y3と第4縦折り線Y4との間の距離)が第1背表紙部16の幅寸法W1(第1縦折り線Y1と第2縦折り線Y2との間の距離)よりも幅広に構成されている。
【0034】
第1背表紙部16と第2背表紙部20との境界部分には、切れ目24が設けられている。切れ目24は、第1背表紙部16と第2背表紙部20との間を切り離す切断線である。
【0035】
第1背表紙部16は、第1縦折り線Y1と第2縦折り線Y2との間となる位置に、これらと平行する第5縦折り線Y5及び第6縦折り線Y6を有する。第2背表紙部20は、第3縦折り線Y3と第4縦折り線Y4との間となる位置に第7縦折り線Y7及び第8縦折り線Y8を有する。第7縦折り線Y7及び第8縦折り線Y8は、それぞれ切れ目24を挟んで第5縦折り線Y5及び第6縦折り線Y6の延長線上に延びている。第1背表紙部16は、第5縦折り線Y5と第6縦折り線Y6とに挟まれた部分が背表紙板16aとなる。第2背表紙部20は、第7縦折り線Y7と第8縦折り線Y8とに挟まれた部分が背表紙板20aとなる。背表紙板16a,20aは、
図3及び
図5に示す収納姿勢で携帯用情報機器12の端面に対面配置され、この部分を厚み方向に覆う背表紙となる。
【0036】
なお、第1横折り線X1はスタンド板18の外側端部から第3縦折り線Y3を通過して第7縦折り線Y7まで延在し、第2横折り線X2はスタンド板19の外側端部から第4縦折り線Y4を通過して第8縦折り線Y8まで延在している。
【0037】
切れ目24は、背表紙板16a,20a間を切り離している。切れ目24は、第5縦折り線Y5(第7縦折り線Y7)との交点P1から第1縦折り線Y1まで第1横折り線X1から離間して第1カバー部14に向かう方向に延在する。さらに切れ目24は、第6縦折り線Y6(第8縦折り線Y8)との交点P2から第2縦折り線Y2まで第2横折り線X2から離間して第2カバー部15に向かう方向に延在する。
【0038】
切れ目24の両端部からは第1傾斜折り線Z1及び第2傾斜折り線Z2が延びている。第1傾斜折り線Z1は、切れ目24と第1縦折り線Y1との交点P3から第3縦折り線Y3と第1横折り線X1との交点P4まで延在している。第2傾斜折り線Z2は、切れ目24と第2縦折り線Y2との交点P5から第4縦折り線Y4と第2横折り線X2との交点P6まで延在している。
【0039】
切れ目24の形状は他の形状であってもよい。例えば切れ目24は、背表紙板16a,20a間を切り離した部分と、この部分の両端部である交点P1,P2からそれぞれ各横折り線X1,X2に沿って延びた後、各縦折り線Y1,Y2の延長線との交点から交点P3,P5に向かって伸びた形状であってもよい。この構成の場合、切れ目24は、
図4中で交点P3,P5から縦折り線Y1,Y2の延長線上を延びて各横折り線X1,X2に接触し、そのまま各横折り線X1,X2に沿って互いに中央に向かって延びた形状となる。
【0040】
このようなカバースタンド10は、例えばガラスエポキシ樹脂やポリカーボネイト、カーボン等からなる薄い平板を芯材とし、その周囲を皮革や人工皮革、布等の表面材で囲繞した材質のものを用いるとよい。すなわち、例えば第1カバー部14及び第1スタンド板18では、第1カバー部14の芯材と第1スタンド板18の芯材とを両面を覆う表面材を介して連接し、第1横折り線X1となる部分の表面材に溝状の折り目等を設けた構成となり、他の部分についても同様である。また、切れ目24は芯材を有さないだけでなく表面材も切断された部分である。
【0041】
次に、以上のように構成されるカバースタンド10を
図5に示す収納姿勢から
図1に示す起立姿勢へと姿勢変化させる方法を説明する。
【0042】
図6Aは、収納姿勢のカバースタンド10及び携帯用情報機器12を開き動作させた状態を示す斜視図である。
図6Bは、
図6Aに示すカバースタンド10及び携帯用情報機器12をさらに開き動作させて起立姿勢とした状態を示す斜視図である。
【0043】
先ず、
図5に示す収納姿勢では、カバースタンド10は各縦折り線Y5〜Y8を介して各背表紙部16,20が折り曲げられている。これによりカバースタンド10は、二つ折りに折り畳まれた携帯用情報機器12を内側に収納した状態で各背表紙板16a,20aを背表紙とし、各カバー部14,15及び各スタンド板18,19が二つ折りに折り畳まれている。携帯用情報機器12は、その3面(上下面と背表紙側端面)が各カバー部14,15、各スタンド板18,19及び各背表紙板16a,20aによって覆われている。このため、使用者はブックカバーのようにカバースタンド10で携帯用情報機器12を保護して持ち運ぶことができる。
【0044】
この際、携帯用情報機器12の3面を覆う各カバー部14,15、各スタンド板18,19及び各背表紙板16a,20aは、各面共に平板状に形成される。このため、カバースタンド10は全体としてコンパクトな折り畳み形状となり、持ち運び性や収納性が確保される。
【0045】
次に、
図5に示す収納姿勢にあるカバースタンド10及び携帯用情報機器12を起立姿勢に変化させる場合には、
図6Aに示すように各カバー部14,15及び各スタンド板18,19のそれぞれを各背表紙部16,20を介して互いに離間する方向に開き動作させる。そうすると、第1背表紙部16の両端の縦折り線Y1,Y2間の距離(幅寸法W1)が縮まり、第1背表紙部16が左右のカバー部14,15から中心に向かう方向の押圧力を受けて山折り形状に立ち上がる。同様に、第2背表紙部20の両端の縦折り線Y3,Y4間の距離(幅寸法W2)が縮まり、第2背表紙部20が左右のスタンド板18,19から中心に向かう方向の押圧力を受けて山折り形状に立ち上がる。
【0046】
この際、カバースタンド10は、カバー部14,15側の第1背表紙部16の幅寸法W1よりもスタンド板18,19側の第2背表紙部20の幅寸法W2が幅広に形成されている。このため、第1背表紙部16と第2背表紙部20の幅寸法W1,W2の差分により、第2背表紙部20の山折り形状の高さが、第1背表紙部16の山折り形状の高さより大きくなる。これにより、各スタンド板18,19がそれぞれ各横折り線X1,X2を介して各カバー部14,15から折れ曲がって携帯用情報機器12の背面12dから離間する方向に移動する。
【0047】
各カバー部14,15及び各スタンド板18,19のそれぞれを各背表紙部16,20を介してさらに開き動作させる。そうすると、
図6Bに示すように第2背表紙部20がさらに高い山折り形状に変形しつつ、この第2背表紙部20が各傾斜折り線Z1,Z2付近から各カバー部14,15への引寄せ力を受ける。すなわち、幅狭なために第2背表紙部20よりも低い高さの山折り形状を形成した第1背表紙部16と第2背表紙部20の山折り形状とが高低差を生じ、第1背表紙部16から第2背表紙部20に引寄せ力が付与される。これにより、各スタンド板18,19及び第2背表紙部20が各横折り線X1,X2を介してさらに立ち上がり、切れ目24が山折り形状を形成した第1背表紙部16の下端部を飲み込むように第1背表紙部16側に移動する(
図2参照)。このため、切れ目24を形成する第2背表紙部20の端面が第1背表紙部16の外面に当接する。その結果、カバースタンド10は、各スタンド板18,19の下縁部が載置面上に着地し、携帯用情報機器12の下縁部と共に側面視三角構造を構築した起立姿勢となる(
図2参照)。
【0048】
この起立姿勢では、携帯用情報機器12は、例えば鉛直方向から背面側に20〜40度程度寝た角度位置、つまり載置面上から110〜130度程度起き上がった角度位置に保持され、携帯用情報機器12の重量によって
図2に示す三角構造が安定する。例えば、携帯用情報機器12の背面12dとスタンド板18,19との間の角度は50〜70度程度に設定される。しかも、各スタンド板18,19の下縁部が携帯用情報機器12の下縁部と平行する直線状に配置される。このため、例えば着席した使用者の太ももや膝上等での使用時であっても安定した起立姿勢を保持することができる。
【0049】
なお、起立姿勢での起立角度を寝かせる場合は、第2背表紙部20の幅寸法W2を大きくし、第1背表紙部16と第2背表紙部20との間の山折り形状の高低差を大きくすればよい。反対に、起立姿勢での起立角度を起こす場合は、第2背表紙部20の幅寸法W2を小さくし、第1背表紙部16と第2背表紙部20との間の山折り形状の高低差を小さくすればよい。
【0050】
以上のように、本実施形態に係るカバースタンド10は、互いの内面に亘って二つ折りに折り畳み可能な携帯用情報機器12の背面12dが装着される第1カバー部14及び第2カバー部15と、第1縦折り線Y1を介して第1カバー部14と折曲可能に接続されると共に、第2縦折り線Y2を介して第2カバー部15と折曲可能に接続されることで、第1カバー部14と第2カバー部15との間を折曲可能に接続する第1背表紙部16とを備える。さらにカバースタンド10は、第1縦折り線Y1と直交する第1横折り線X1を介して第1カバー部14の一端部に接続され、携帯用情報機器12の背面12d側から接離する方向に移動可能な第1スタンド板18と、第2縦折り線Y2と直交する第2横折り線X2を介して第2カバー部15の一端部に接続され、携帯用情報機器12の背面12d側から接離する方向に移動可能な第2スタンド板19と、第1縦折り線Y1と平行する第3縦折り線Y3を介して第1スタンド板18と折曲可能に接続されると共に、第2縦折り線Y2と平行する第4縦折り線Y4を介して第2カバー部15と折曲可能に接続されることで、第1スタンド板18と第2スタンド板19との間を折曲可能に接続するものであり、第3縦折り線Y3と第4縦折り線Y4との間の幅寸法W2が、第1背表紙部16の第1縦折り線Y1と第2縦折り線Y2との間の幅寸法W1よりも幅広に構成された第2背表紙部20とを備える。さらにカバースタンド10は、第1背表紙部16と第2背表紙部20との間を切り離すように設けられた切れ目24を備える。
【0051】
そして、カバースタンド10は、第1カバー部14と第2カバー部15とを第1背表紙部16を介して互いに二つ折りに折り畳んだ場合に、第1スタンド板18と第2スタンド板19とが第2背表紙部20を介して二つ折りに折り畳まれ、これにより内側に携帯用情報機器12を収納する収納姿勢に変化する。また、カバースタンド10は、収納姿勢から第1カバー部14と第2カバー部15とを第1背表紙部16を介して互いに離間する方向に開いた場合に、第1スタンド板18と第2スタンド板19とが第2背表紙部20を介して互いに離間する方向に開くと共に、第1スタンド板18及び第2スタンド板19がそれぞれ第1横折り線X1及び第2横折り線X2を介して第1カバー部14及び第2カバー部15から折れ曲がることで携帯用情報機器12の背面12dから離間する方向に移動し、これにより切れ目24を形成する第2背表紙部20の端面が第1背表紙部16の外面に当接し、携帯用情報機器12を起立保持する起立姿勢に変化する。
【0052】
従って、当該カバースタンド10は、
図5に示すように二つ折りに折り畳んで内側に携帯用情報機器12を収納した収納姿勢から起立姿勢に変化させる際には、各カバー部14,15及び各スタンド板18,19を互いに離間させる方向に開き操作する。そうすると、第2背表紙部20が第1背表紙部16より高い山折り形状に変化しつつ、各スタンド板18,19が各カバー部14,15の外面からそれぞれ折れ曲がる方向に移動する。これにより、切れ目24を形成する第2背表紙部20の端面が第1背表紙部16の外面に当接し、携帯用情報機器12を起立保持する起立姿勢に変化する。つまり、使用者は各カバー部14,15及び各スタンド板18,19を開き操作するだけの1アクションで収納姿勢にあるカバースタンド10を起立姿勢に容易に変化させることができ、高い利便性が得られる。この際、スタンド板18,19のカバー部14,15からの折れ曲がり角度は、切れ目24を形成する第2背表紙部20の端面が第1背表紙部16の外面に当接することで固定される。このため、スタンド板18,19の角度を安定させるためのトルクヒンジ機構等も不要である。
【0053】
第1背表紙部16は、第1縦折り線Y1と第2縦折り線Y2との間となる位置に、第1縦折り線Y1及び第2縦折り線Y2と平行する第5縦折り線Y5及び第6縦折り線Y6を有し、第2背表紙部20は、第3縦折り線Y3と第4縦折り線Y4との間となる位置に、切れ目24を挟んで第5縦折り線Y5及び第6縦折り線Y6の延長線上に延びた第7縦折り線Y7及び第8縦折り線Y8を有する。そして、第5縦折り線Y5と第6縦折り線Y6とに挟まれた部分と、第7縦折り線Y7と第8縦折り線Y8とに挟まれた部分とが、収納姿勢で携帯用情報機器12の端面を厚み方向に覆う背表紙板16a,20aとなる。これにより、収納姿勢で携帯用情報機器12の3面をカバースタンド10で確実に覆いつつ、その厚みを最小限に構成することができる。
【0054】
切れ目24は、第5縦折り線Y5との交点P1から第1縦折り線Y1まで第1横折り線X1から離間する方向に延在すると共に、第6縦折り線Y6との交点P2から第2縦折り線Y2まで第2横折り線X2から離間する方向に延在している。これにより、山折り形状になった第2背表紙部20を第1背表紙部16の一端部を覆うように移動させ、切れ目24を形成する第2背表紙部20の端面を第1背表紙部16の外面に安定して当接させることができる。
【0055】
当該カバースタンド10は、切れ目24と第1縦折り線Y1との交点P3から、第3縦折り線Y3と第1横折り線X1の交点P4まで延在する第1傾斜折り線Z1と、切れ目24と第2縦折り線Y2との交点P5から、第4縦折り線Y4と第2横折り線X2の交点P6まで延在する第2傾斜折り線Z2とを備える。これにより、切れ目24と第1傾斜折り線Z1と第1横折り線X1とで囲まれた三角形状部分と、切れ目24と第2傾斜折り線Z2と第2横折り線X2とで囲まれた三角形状部分とが、第1背表紙部16と第2背表紙部20の山折り形状の高低差を連続させる傾斜面となる。このため、起立姿勢時に第1背表紙部16と第2背表紙部20との当接部周辺がより安定し、起立姿勢での安定性が向上する。
【0056】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0057】
上記では、各カバー部14,15を携帯用情報機器12の背面12dの略上半分にのみ装着する構成としたが、各カバー部14,15及び第1背表紙部16は背面12dの全面を覆う外形を有してもよい。この場合は、例えば第1背表紙部16を間に挟んで各カバー部14,15を携帯用情報機器12の背面12d全面に設け、各カバー部14,15の略下半分に重なるように各スタンド板18,19を設け、さらに第1背表紙部16の略下半分に重なるように第2背表紙部20を設けるとよい。
【0058】
上記では、カバースタンド10を携帯用情報機器12に着脱可能とした構成のカバースタンド付き携帯用情報機器を例示したが、カバースタンド10と携帯用情報機器12とは一体的に固定された構成であってもよい。