特開2018-106285(P2018-106285A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2018-106285情報処理装置、テンプレート管理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-106285(P2018-106285A)
(43)【公開日】2018年7月5日
(54)【発明の名称】情報処理装置、テンプレート管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/70 20180101AFI20180608BHJP
   G06F 9/445 20180101ALI20180608BHJP
【FI】
   G06F9/06 620K
   G06F9/06 640E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-249761(P2016-249761)
(22)【出願日】2016年12月22日
(71)【出願人】
【識別番号】512192510
【氏名又は名称】株式会社インテリジェントドッグス
(74)【代理人】
【識別番号】100134706
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】今泉 敬義
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376BC24
5B376DA05
5B376FA13
(57)【要約】
【課題】古いバージョンに含まれていた項目やこの項目に入力された情報を新しいバージョンのテンプレートで利用することができる、ことを目的とする。
【解決手段】テンプレート管理装置は、新しいバージョンのテンプレートには含まれておらず、古いバージョンのテンプレートに含まれた項目である過去項目を、対応する過去項目入力情報と共に記憶し、過去項目及び過去項目入力情報を新しいバージョンのテンプレートに関連付けることで、テンプレートの履歴管理を行う。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
元となるテンプレートから項目を追加又は削除されて作成されたバージョンの異なる複数の前記テンプレートを管理する情報処理装置であって、
新しいバージョンの前記テンプレートには含まれておらず、古いバージョンの前記テンプレートに含まれた項目である過去項目を、該過去項目への入力情報と共に記憶する記憶手段と、
前記過去項目及び前記入力情報を新しいバージョンの前記テンプレートに関連付けることで、前記テンプレートの履歴管理を行うテンプレート管理手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記テンプレート管理手段は、新しいバージョンの前記テンプレートに前記過去項目及び前記入力情報を示すデータを付加する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記テンプレートに含まれる前記項目に対してユーザが情報を入力する場合、前記テンプレートに関連付けられている前記過去項目及び前記入力情報は出力手段に出力されない請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
情報が入力される複数の異なる項目を含む項目群から前記項目が選択されて、前記テンプレートを作成するテンプレート作成手段を備え、
前記テンプレート作成手段は、前記過去項目及び前記入力情報を前記記憶手段から読み出し、読み出した前記入力情報を初期値とした前記過去項目を含んだ新たな前記テンプレートを作成可能とする
請求項1から請求項3の何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記テンプレート管理手段は、新しいバージョンの前記テンプレートに関連付けられている前記過去項目を用いて、新しいバージョンの前記テンプレ―トから古いバージョンの前記テンプレートにバージョンを切り替えてモニタに表示させる請求項1から請求項4の何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記項目は、店舗に固有の情報が入力可能とされ、
前記記憶手段は、情報が入力された前記テンプレートを前記店舗に関連付けて記憶する請求項1から請求項5の何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項7】
元となるテンプレートから項目を追加又は削除されて作成されたバージョンの異なる複数の前記テンプレートを管理する情報処理装置によるテンプレート管理方法であって、
新しいバージョンの前記テンプレートには含まれておらず、古いバージョンの前記テンプレートに含まれた項目である過去項目を、該過去項目への入力情報と共に記憶手段に記憶する第1工程と、
前記過去項目及び前記入力情報を新しいバージョンの前記テンプレートに関連付ける第2工程と、
を有するテンプレート管理方法。
【請求項8】
元となるテンプレートから項目を追加又は削除されて作成されたバージョンの異なる複数の前記テンプレートを管理する情報処理装置が有するコンピュータを、
新しいバージョンの前記テンプレートには含まれておらず、古いバージョンの前記テンプレートに含まれた項目である過去項目を、該過去項目への入力情報と共に記憶する記憶手段と、
前記過去項目及び前記入力情報を新しいバージョンの前記テンプレートに関連付けることで、前記テンプレートの履歴管理を行うテンプレート管理手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、テンプレート管理方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、日報等に用いる複数の項目を有するテンプレートがデジタルデータで作成され、従業員等のユーザが、情報処理装置を用いてテンプレートに含まれる項目に情報を適宜入力して所属先に提出することが行われている。
【0003】
このようなテンプレートの一例として、特許文献1には、あらかじめ定義してあるテンプレートの項目を追加・削除し、または項目名を変更して、新しいテンプレートを作成する、ことが開示されている。
【0004】
テンプレートの項目を追加・削除することによって、異なるバージョンのテンプレートがその都度作成され、ユーザによって使用されることとなる。このため、テンプレートのバージョン管理の必要性が生じる。特許文献2には、端末装置において各種データが常に最新のバージョンにて使用されるように当該データのバージョン管理を行うバージョン管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−044181号公報
【特許文献2】特開2009−252207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方で、従来では古いバージョンのテンプレートに含まれる項目に入力された情報は、新しいバージョンのテンプレートの作成時に利用されていなかった。また、ユーザは、新しいバージョンのテンプレートから古いバージョンのテンプレートを直接的に確認することはできなかった。
【0007】
このように、従来では、古いバージョンのテンプレートで用いられた項目やその入力情報を新しいバージョンのテンプレートで利用できていなかった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、古いバージョンに含まれていた項目やこの項目に入力された情報を新しいバージョンのテンプレートで利用することができる、情報処理装置、テンプレート管理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の情報処理装置、テンプレート管理方法、及びプログラムは以下の手段を採用する。
【0010】
本発明の第一態様に係る情報処理装置は、元となるテンプレートから項目を追加又は削除されて作成されたバージョンの異なる複数の前記テンプレートを管理する情報処理装置であって、新しいバージョンの前記テンプレートには含まれておらず、古いバージョンの前記テンプレートに含まれた項目である過去項目を、該過去項目への入力情報と共に記憶する記憶手段と、前記過去項目及び前記入力情報を新しいバージョンの前記テンプレートに関連付けることで、前記テンプレートの履歴管理を行うテンプレート管理手段と、を備える。
【0011】
本発明の第二態様に係るテンプレート管理方法は、元となるテンプレートから項目を追加又は削除されて作成されたバージョンの異なる複数の前記テンプレートを管理する情報処理装置によるテンプレート管理方法であって、新しいバージョンの前記テンプレートには含まれておらず、古いバージョンの前記テンプレートに含まれた項目である過去項目を、該過去項目への入力情報と共に記憶手段に記憶する第1工程と、前記過去項目及び前記入力情報を新しいバージョンの前記テンプレートに関連付ける第2工程と、を有する。
【0012】
本発明の第三態様に係るプログラムは、元となるテンプレートから項目を追加又は削除されて作成されたバージョンの異なる複数の前記テンプレートを管理する情報処理装置が有するコンピュータを、新しいバージョンの前記テンプレートには含まれておらず、古いバージョンの前記テンプレートに含まれた項目である過去項目を、該過去項目への入力情報と共に記憶する記憶手段と、前記過去項目及び前記入力情報を新しいバージョンの前記テンプレートに関連付けることで、前記テンプレートの履歴管理を行うテンプレート管理手段と、して機能させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、古いバージョンに含まれていた項目やこの項目に入力された情報を新しいバージョンのテンプレートで利用することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係るテンプレート管理システムの構成図である。
図2】本発明の実施形態に係るテンプレート管理装置の電気的構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係る店舗マスタ管理に関する模式図である。
図4】本発明の実施形態に係るテンプレートセットの構成を示す模式図である。
図5】本発明の実施形態に係るテンプレート管理機能で作成されるテンプレートを示す模式図である。
図6】本発明の実施形態に係るテンプレート管理機能を示す機能ブロック図である。
図7】本発明の実施形態に係るテンプレート作成処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る情報処理装置、テンプレート管理方法、及びプログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
[1.テンプレート管理システムの構成]
図1は、本実施形態に係るテンプレート管理システム1の一例を示す構成図である。
【0017】
テンプレート管理システム1は、情報処理装置であるテンプレート管理装置10、及び一又は複数の電子端末装置12を備える。テンプレート管理装置10と電子端末装置12は、通信回線14を介してデジタルデータであるテンプレート等の各種情報の送受信を行う。テンプレートは、情報が入力される複数の項目を含んでおり、ユーザはこの項目への入力情報として文字や数値又は図等を入力し、各種報告書等を作成する。
【0018】
本実施形態に係るテンプレートは、一例として、正社員や派遣社員やアルバイト等も含む従業員(以下「スタッフ」という。)が所属先に対して提出する業務報告書や勤怠報告書、小売り店舗の情報を記載する店舗マスタ等に用いられる。なお、報告書は、ユーザであるスタッフが必要に応じて所属先に提出するものであって、日報、月報や週報であってもよい。また、テンプレートは、報告書に限られず、例えば、機械装置に対する点検記録等であってもよい。
【0019】
テンプレート管理装置10は、テンプレートを作成したり、情報が入力されたテンプレートを電子端末装置12から受信し、テンプレートを管理する。より具体的には、テンプレート管理装置10は、ユーザの操作に基づいて目的に応じたテンプレートを作成し、さらに、元となるテンプレートから項目を追加又は削除することでバージョンの異なるテンプレートを作成する。そして、テンプレート管理装置10は、バージョンの異なる複数のテンプレートを管理する。ここでいう管理とは、例えば、情報が入力されたテンプレートを記憶したり、バージョンの異なるテンプレートをグループとして記憶することをいう。
【0020】
電子端末装置12は、例えば、スマートフォン等の携帯電話端末、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等である。電子端末装置12は、テンプレート管理装置10で作成されたテンプレートに対しスタッフが情報を入力し、それをレポートとしてテンプレート管理装置10に送信する。
【0021】
なお、通信回線14は、電気事業者によって提供される広域通信回線又はLAN(Local Area Network)等の構内通信網等であり、有線回線又は無線回線の何れであってもよい。
【0022】
図2は、本実施形態に係るテンプレート管理装置10の電気的構成を示すブロック図である。
【0023】
本実施形態に係るテンプレート管理装置10は、テンプレート管理装置10全体の動作を司るCPU(Central Processing Unit)20、各種プログラム及び各種データ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)22、CPU20による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)24、各種プログラム及び各種データを記憶する記憶手段としてのHDD(Hard Disk Drive)26を備えている。なお、記憶手段は、HDD26に限らず、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリ等の他の記憶媒体であってもよい。
【0024】
HDD26は、テンプレート、情報が入力されたテンプレートである報告書、及び情報が入力される複数の異なる項目を含む項目群等を記憶している。テンプレート管理装置10は、詳細を後述するように、項目群から選択された項目を含むテンプレートを作成する。
【0025】
さらに、テンプレート管理装置10は、キーボード及びマウス等から構成され、各種操作の入力を受け付ける操作入力部28、各種画像を表示する、例えば液晶ディスプレイ装置等のモニタ30、通信回線14を介して電子端末装置12等の他の情報処理装置等と接続され、他の情報処理装置等との間で各種データの送受信を行う外部インタフェース32を備えている。
【0026】
これらCPU20、ROM22、RAM24、HDD26、操作入力部28、モニタ30、及び外部インタフェース32は、システムバス34を介して相互に電気的に接続されている。従って、CPU20は、ROM22、RAM24、及びHDD26へのアクセス、操作入力部28に対する操作状態の把握、モニタ30に対する画像の表示、並びに外部インタフェース32を介した他の情報処理装置等との各種データの送受信等を各々行なうことができる。
【0027】
[2.テンプレート管理機能]
以下の説明では、本実施形態に係るテンプレートを、一例として店舗マスタとする。店舗マスタは、例えば、店舗に派遣されたスタッフが店舗に固有の情報を記録するためのデータベースとして用いられる。店舗に固有の情報とは、例えば、店舗の場所や連絡先、売り場の担当職員、入客数、取扱商品、商品の販売促進品の数、又は商品の在庫状態等である。また、店舗に派遣されるスタッフは、一例として、派遣会社から派遣される者とするが、これに限られず、例えば、系列の他の店舗から派遣されてもよいし、派遣会社以外の企業から派遣されてもよい。また、この他にも、テンプレートは、例えば、調査会社において調査対象の店舗や企業等の調査結果が入力され、データベースとして使用されてもよい。
【0028】
図3は、本実施形態に係る店舗マスタ管理に関する模式図である。なお、以下に説明する店舗マスタ管理は、一例であり、これに限定されない。また、本実施形態に係る店舗マスタ管理は、一例として、対象となる業種を小売業としているが、本実施形態に係る店舗マスタ管理が適用できるものであればその業種は小売業に限られず、飲食業、マンション販売業、ラウンダ―事業等、他の業種に適用されてもよい。
【0029】
テンプレート40(40−1〜40−N、Nは整数であり、末尾に付されている1〜Nはバージョンの番号に相当)は、テンプレートセット41毎にテンプレート管理装置10によって管理されている。すなわち、バージョンが異なる複数のテンプレート40は、一つのグループとされ、テンプレートセット41に格納される。これにより、テンプレート40の管理が容易となる。
【0030】
スタッフは、店舗マスタ42を作成する場合、電子端末装置12からテンプレート管理装置10にアクセスし、テンプレートセット41から派遣先のチャネルに応じたバージョンのテンプレート40(店舗マスタテンプレート)を読み出す。図3の例では、チャネルであるAAカメラに派遣されたスタッフは、バージョン2のテンプレート40−2又はバージョン3のテンプレート40−3を使用し、チャネルであるBB電気に派遣されたスタッフは、バージョンNのテンプレート40−Nを使用する。スタッフは、テンプレート管理装置10から読み出したテンプレート40に対して、電子端末装置12を用いて情報を入力することで、店舗マスタ履歴43を更新する。また、店舗毎の店舗マスタ履歴43を作成するスタッフ(更新スタッフ)は、同一人物である必要はなく、異なる人が店舗マスタ履歴43を更新して店舗マスタ42に格納してもよい。
【0031】
情報が入力された店舗マスタ履歴43は、電子端末装置12からテンプレート管理装置10へ送信される。テンプレート管理装置10は、店舗マスタ履歴43を受信すると、店舗マスタ42とされるHDD26の所定領域に、店舗マスタ履歴43を店舗に関連付けて記憶する。すなわち、店舗マスタ42は、スタッフが派遣される店舗毎に設けられる。店舗マスタ42には、店舗マスタ履歴43が時系列で格納される。
【0032】
このように、店舗マスタ42は、新たな店舗マスタ履歴43が格納されることによって更新され、店舗毎の各種情報を履歴として保存することとなる。
【0033】
なお、店舗マスタ42に格納された店舗マスタ履歴43は、テンプレート管理装置10又は電子端末装置12によって必要に応じて読み出し、モニタで閲覧可能とされる。
【0034】
図4は、テンプレートセット41の構成を示す模式図である。
【0035】
テンプレートセット41は、バージョンの異なる複数のテンプレート40と共に、情報が入力される複数の異なる項目50を含む項目群51を格納している。テンプレート40に含まれる項目50は、テンプレートセット41に格納されている項目群51から選択されたものである。
【0036】
[3.テンプレート履歴管理]
テンプレート管理機能によるテンプレート40の履歴管理について説明する。
【0037】
本実施形態に係るテンプレート管理装置10は、新しいバージョンのテンプレート40には含まれておらず、古いバージョンのテンプレート40に含まれた項目である過去項目を、該過去項目への入力情報(以下「過去項目入力情報」という。)と共に記憶し、過去項目及び過去項目入力情報を新しいバージョンのテンプレート40に関連付けることで、テンプレート40の履歴管理を行う。
【0038】
過去項目と過去項目入力情報は、対応関係を保った状態で過去項目データとして、新しいバージョンのテンプレート40に付加されることで、テンプレート管理装置10のHDD26に記憶される。すなわち、過去項目と過去項目入力情報は、過去項目データに含まれることで、テンプレート40に関連付けられる。
【0039】
また、テンプレート管理装置10は、上述のように、HDD26に記憶されている項目群51から項目が選択され、選択された項目の追加や削除によってテンプレート40を作成する。なお、項目は、一例として、テンプレート40の作成者(以下「テンプレート作成者」という。)が選択するが、これに限らず、所定の条件に基づいてテンプレート管理装置10が項目群51から項目を選択してもよい。
【0040】
そして、本実施形態に係るテンプレート管理機能は、過去項目を過去項目入力情報と共に過去項目データから読み出し、読み出した過去項目入力情報を初期値とした過去項目を含んだ新たなテンプレート40を作成可能である。
【0041】
図5は、テンプレート管理機能で作成されるテンプレート40を示す模式図である。図5に示される模式図は、一例であり、これに限定されない。
【0042】
図5に示される店舗マスタ履歴43のうち、店舗マスタ履歴43−1と店舗マスタ履歴43−2は最も古いテンプレート40−1に情報が入力されたものである。このため、店舗マスタ履歴43−1と店舗マスタ履歴43−2に含まれる項目50は同じであるものの、店舗マスタ履歴43−2は店舗マスタ履歴43−1を更新したものであるため、項目に入力された入力情報50iは一部異なる。
【0043】
店舗マスタ履歴43−3は、次のバージョンであるバージョン2のテンプレート40−2に情報が入力されたものである。テンプレート40−2は、店舗マスタ履歴43−2から項目を追加又は削除することで作成されている。すなわち、テンプレート40−2は、店舗マスタ履歴43−2から「項目1」及び「項目2」を削除し、項目群51から「項目21」が選択されて追加されることで作成されている。このため、テンプレート40−2は、「項目c1」及び「項目c2」の入力情報50iも引き継いでいる。従って、店舗マスタ履歴43−3(テンプレート40−2)における「項目c1」及び「項目c2」の入力情報は、スタッフにより書き換えられない限り、店舗マスタ履歴43−2の「項目c1」及び「項目c2」の入力情報と同じである。
【0044】
そして、削除によりテンプレート40−2に含まれないものの、テンプレート40−1に含まれていた「項目1」及び「項目2」は、過去項目52としてその入力情報(過去項目入力情報52i)と共に過去項目データ54に追加される。作成されたテンプレート40−2は、過去項目52及び過去項目入力情報52iの追加により更新された過去項目データ54が付加されて、テンプレートセット41に格納される。
【0045】
なお、過去項目データ54に追加される過去項目52及び過去項目入力情報52iは、過去項目52が含まれていたテンプレート40のバージョンや、過去項目入力情報52iがテンプレート40に入力された日付等、関連する情報と共に過去項目データ54に追加される。
【0046】
店舗マスタ履歴43−4は、バージョン3のテンプレート40−3に情報が入力されたものである。テンプレート40−3は、店舗マスタ履歴43−3から項目を追加又は削除することで作成されている。すなわち、テンプレート40−3は、店舗マスタ履歴43−3から「項目c1」、「項目c2」及び「項目21」を削除し、項目群51から「項目31」、「項目32」が選択されて追加されることで作成されている。
【0047】
削除によりテンプレート40−3に含まれないものの、テンプレート40−2に含まれていた「項目21」、「項目c1」及び「項目c2」は、過去項目52としてその入力情報(過去項目入力情報52i)と共に過去項目データ54に追加される。作成されたテンプレート40−3は、過去項目52及び過去項目入力情報52iの追加により更新された過去項目データ54が付加されて、テンプレートセット41に格納される。
【0048】
店舗マスタ履歴43−5は、バージョン4のテンプレート40−4に情報が入力されたものである。テンプレート40−4は、店舗マスタ履歴43−4から項目を追加することで作成されている。すなわち、テンプレート40−4は、店舗マスタ履歴43−4から「項目31」及び「項目32」を削除し、「項目41」、「項目42」、「項目c1」及び「項目c2」が追加されることで作成されている。
【0049】
追加された「項目41」及び「項目42」は、項目群51から選択されたものである。一方、「項目c1」及び「項目c2」は、テンプレート40−3に付加されている過去項目データ54から過去項目入力情報52iと共に読み出されて追加されたものである。このため、テンプレート40−4の「項目c1」及び「項目c2」には、店舗マスタ履歴43−3における「項目c1」及び「項目c2」の過去項目入力情報52iが入力される。
【0050】
削除によりテンプレート40−4に含まれないものの、テンプレート40−3に含まれていた「項目31」及び「項目32」は、過去項目52としてその入力情報(過去項目入力情報52i)と共に過去項目データ54に追加される。一方、過去項目データ54から読み出されてテンプレート40−4に追加された「項目c1」及び「項目c2」は、過去入力情報52iと共に過去項目データ54から削除される。テンプレート40−4は、過去項目52及び過去項目入力情報52iの追加及び削除により更新された過去項目データ54が付加されて、テンプレートセット41に格納される。
【0051】
図5を参照して詳細に説明したように、新しいバージョンのテンプレート40には、新しいバージョンのテンプレート40に含まれない項目であり、古いバージョンのテンプレート40に含まれていた過去項目52及び過去項目入力情報52iを示す過去項目データ54が付加されている。
【0052】
過去項目データ54は、テンプレート40のバージョンが新しくなると、その内容が更新されてテンプレート40の履歴として引き継がれる。このため、古いバージョンのテンプレート40が複数ある場合、新しいバージョンのテンプレート40には含まれない過去項目52及び過去項目入力情報52iの全てが、新しいバージョンのテンプレート40に過去項目データ54として付加される。
【0053】
このように、新しいバージョンのテンプレート40は、古いバージョンのテンプレート40に含まれていた過去項目52及び過去項目入力情報52iを履歴として引き継いでいる。そして、本実施形態に係るテンプレート管理機能は、テンプレート40(店舗マスタ履歴43)に引き継がれている過去項目52及び過去項目入力情報52iを読み出し、新たに作成するテンプレート40に追加できる。また、過去項目入力情報52iは、新たなテンプレート40に過去項目52と共に追加された場合、その項目50の初期値として設定される。なお、新たなテンプレート40に過去項目52が追加された場合、対応する過去項目入力情報52iが初期値とされなくてもよい。テンプレート作成者は、新たなテンプレート40に過去項目52を追加した場合、過去項目入力情報52iの替わりに任意の値を入力してもよい。
【0054】
従って、テンプレート管理機能を店舗マスタ42の管理に適用することで、例えば、店舗へのスタッフの派遣元である派遣会社の担当者等は、日々変化する店舗の情報を的確に把握することができる。例えば、上記担当者がテンプレート作成者として、季節に応じて新たなバージョンのテンプレート40を作成する場合、夏に対応したバージョンのテンプレート40を新たに作成する際に、前年の夏に対応させて作成したバージョンのテンプレート40が含んでいた過去項目52を追加し、対応する過去項目入力情報52iを初期値として、新たなバージョンのテンプレート40を作成できる。このとき、テンプレート作成者は、前年の夏における店舗の情報を同時に把握でき、それに応じたテンプレート40の作成も可能となる。また、クリスマスやハロウィンのような季節に応じたイベント毎にしか利用されない項目50が、異なるバージョンのテンプレート40間で付け替えられてもよい。
【0055】
また、テンプレート40に含まれる項目50に対してスタッフが情報を入力する場合、テンプレート40が引き継いでいる過去項目52及び過去項目入力情報52iは出力手段である電子端末装置12のモニタ又はテンプレート管理装置10のモニタ30に表示(出力)されない。すなわち、過去項目データ54の内容は、テンプレート40への情報の入力の際にはモニタ30に表示されない。これにより、テンプレート40に引き継がれている過去項目入力情報52iの更新や削除をスタッフは行えない。従って、テンプレート40に引き継がれている過去項目入力情報が誤って改変されることが防止される。また、スタッフがプリンタからテンプレート40や店舗マスタ履歴43を印刷する場合にも、過去項目52及び過去項目入力情報52iは出力されない。
【0056】
さらに、テンプレート40は、古いバージョンのテンプレート40に含まれていた過去項目52が過去項目データ54として付加されているため、この過去項目データ54から過去項目52を読み出し、テンプレート40の項目を置き換えることで、新しいバージョンのテンプレート40から古いバージョンのテンプレート40にバージョンを切り替えることができる。
【0057】
また、過去項目データ54に含まれる過去項目52及び過去項目入力情報52iは、店舗マスタ42に含まれている項目50及び入力情報50iと同様に、検索により抽出が可能とされている。
【0058】
以上のことから、本実施形態に係るテンプレート管理機能は、古いバージョンのテンプレート40に含まれていた過去項目52及びその過去項目入力情報52iを、新しいバージョンのテンプレート40で利用することができる。
【0059】
[4.テンプレート管理機能に係る機能ブロック図]
図6は、本実施形態に係るテンプレート管理機能に関する機能ブロック図である。CPU20は、画像表示制御部60及びテンプレート管理部62を備える。CPU20が備える各機能は、HDDに記憶されているプログラムによって実現される。
【0060】
画像表示制御部60は、モニタ30に表示させる画像を示すデータをモニタ30に出力する。
【0061】
テンプレート管理部62は、テンプレート40の履歴管理を行う。このために、テンプレート管理部62は、テンプレート読出部64、テンプレート作成部66、過去項目データ更新部68、バージョン切替部70、及び検索部72を備える。
【0062】
テンプレート読出部64は、新たなバージョンのテンプレート40の元となる古いバージョンのテンプレート40又は店舗マスタ履歴43をHDD26から読み出す。なお、新規でテンプレート40を作成する場合、テンプレート読出部64は、例えば、項目50が何ら追加されていない新規作成用のテンプレート40をHDD26から読み出す。
【0063】
テンプレート作成部66は、テンプレート40を作成するために、読み出したテンプレート40又は店舗マスタ履歴43に対して項目50の追加又は削除を行う。項目50の追加は、項目群51から選択して追加してもよいし、読み出したテンプレート40又は店舗マスタ履歴43に付加されている過去項目データ54から過去項目52を読み出して追加してもよい。テンプレート作成部66によって、テンプレート管理部62は、過去項目入力情報52iを初期値とした過去項目52を含んだ新たなテンプレート40が作成可能とされる。
【0064】
過去項目データ更新部68は、過去項目データ54の内容を更新する。具体的には、過去項目データ54に含まれる過去項目52が新たなテンプレート40に追加された場合、過去項目データ更新部68は、追加された過去項目52及びその過去項目入力情報52iを過去項目データ54から削除する。また、新たなテンプレート40を作成する過程でテンプレート40から項目50が削除された場合、過去項目データ更新部68は、この項目50及びその入力情報50iを、過去項目52及び過去項目入力情報52iとして過去項目データ54に追加する。
【0065】
バージョン切替部70は、新しいバージョンのテンプレート40に関連付けられている過去項目52を用いて、新しいバージョンのテンプレ―トから古いバージョンのテンプレート40にバージョンを切り替え、切り替えたバージョンのテンプレート40を画像表示制御部60を介してモニタ30に表示させる
【0066】
検索部72は、ユーザが入力した検索条件を受け付け、この検索条件に合致するテンプレート40、項目50及び入力情報50i、並びに過去項目52及び過去項目入力情報52iを抽出し、抽出した内容を画像表示制御部60を介してモニタ30に表示させる。
【0067】
[5.テンプレート作成処理]
図7は、テンプレート管理装置10が備えるCPU20によって実行されるテンプレート管理機能によって実行されるテンプレート作成処理の流れを示すフローチャートである。テンプレート作成処理は、テンプレート作成者がテンプレート管理装置10を用いて新しいバージョンのテンプレート40を作成する場合に開始される。
【0068】
まず、ステップ100では、古いバージョンのテンプレート40又は店舗マスタ履歴43をテンプレート読出部64がHDD26から読み出す。より具体的には、古いバージョンのテンプレート40は、テンプレートセット41から読み出され、店舗マスタ履歴43は、店舗マスタ42から読み出される。読み出した古いバージョンのテンプレート40又は店舗マスタ履歴43は、作成する新たなバージョンのテンプレート40の元となる。
【0069】
次のステップ102では、新たなテンプレート40を作成するために、テンプレート作成者が過去項目データ54の参照を選択したか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ104へ移行し、否定判定の場合はステップ110へ移行する。
【0070】
ステップ104では、読み出した古いバージョンのテンプレート40又は店舗マスタ履歴43に付加されている過去項目データ54の内容を画像表示制御部60がモニタ30に表示する。
【0071】
次のステップ106では、テンプレート作成者による過去項目52の追加操作を受け付け、過去項目データ54から読み出した過去項目52及び過去項目入力情報52iを、テンプレート作成部66が作成中のテンプレート40に追加する。
【0072】
次のステップ108では、追加された過去項目52及びその過去項目入力情報52iを、過去項目データ更新部68が過去項目データ54から削除することで、過去項目データ54を更新する。
【0073】
次のステップ110では、新たなテンプレート40を作成するために、テンプレート作成者が項目群51の参照を選択したか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ112へ移行し、否定判定の場合はステップ116へ移行する。
【0074】
ステップ112では、項目群51の内容を画像表示制御部60がモニタ30に表示する。
【0075】
ステップ114では、テンプレート作成者による項目50の追加操作を受け付け、項目群51から読み出した項目50を、テンプレート作成部66が作成中のテンプレート40に追加する。なお、この場合、追加した項目50の初期値は、0(零)もしくはブランクとされる。
【0076】
次のステップ116では、読み出したテンプレート40又は店舗マスタ履歴43に含まれる項目の削除操作を、テンプレート作成者が行ったか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ118へ移行する。一方、否定判定の場合は、ステップ122へ移行する。
【0077】
ステップ118では、テンプレート作成者によって選択された項目50を、テンプレート作成部66が作成中のテンプレート40から削除する。
【0078】
次のステップ120では、削除された項目50及びその入力情報50iを、過去項目データ更新部68が過去項目データ54に追加することで、過去項目データ54を更新する。なお、ステップ118で削除された項目50が、ステップ114において項目群51から選択されて追加された項目50の場合、その項目50には未だ何ら情報が入力されていないので過去項目データ54に追加されない。
【0079】
次のステップ122では、テンプレート作成者がテンプレート40の作成を完了する操作を行った否かを判定し、肯定判定の場合はテンプレート作成処理を終了し、作成した新たなテンプレート40を最新のテンプレート40として店舗マスタテンプレートセット41に格納する。一方、否定判定の場合は、ステップ102へ戻り、テンプレート40の作成が継続される。
【0080】
以上説明したように、本実施形態に係るテンプレート管理装置10は、新しいバージョンのテンプレート40には含まれておらず、古いバージョンのテンプレート40に含まれた項目である過去項目を、対応する過去項目入力情報52iと共に記憶し、過去項目52及び過去項目入力情報52iを新しいバージョンのテンプレート40に関連付けることで、テンプレート40の履歴管理を行う。従って、本実施形態に係るテンプレート管理装置10は、古いバージョンに含まれていた項目やこの項目に入力された情報を新しいバージョンのテンプレート40で利用することができる。
【0081】
[5.他の実施形態]
以上、本発明を、上記各実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記各実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0082】
例えば、上記各実施形態では、テンプレート管理装置10でテンプレート40の管理を行い、電子端末装置12でテンプレート40に情報を入力する形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、単一の情報処理装置でテンプレート40の管理及びテンプレート40への情報の入力を行ってもよいし、テンプレート40の管理とテンプレート40の作成とを異なる情報処理装置で行う形態としてもよい。
【0083】
また、上記各実施形態で説明したテンプレート作成処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 テンプレート管理システム
10 テンプレート管理装置(情報処理装置)
12 電子端末装置(情報処理装置)
26 HDD(記憶手段)
30 モニタ
40 テンプレート
50 項目
50i 入力情報
52 過去項目
52i 過去項目入力情報
54 過去項目データ(データ)
62 テンプレート管理部(テンプレート管理手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7