【課題】得意先および基準日の組合せが同一である伝票ごとにまとめて、伝票を出力することができる伝票出力制御装置、伝票出力制御方法および伝票出力制御プログラムの提供を課題とする。
【解決手段】本実施形態では、(1)得意先識別情報およびまとめ区分情報を紐づけて記憶する得意先マスタにおいて、前記まとめ区分情報としてまとめ単位で行うことを意味する区分が指定された得意先識別情報を含む伝票を、伝票識別情報、得意先識別情報、基準日、商品識別情報および金額を含む伝票を記憶する伝票データから取得し、(2)当該取得した伝票を、前記得意先識別情報および前記基準日の組合せが同一であるものごとにまとめた出力用伝票データを作成し、(3)当該作成した出力用伝票データごとに、前記得意先識別情報および前記基準日の組合せ、ならびに、前記商品識別情報、前記金額および前記伝票識別情報を表示する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る伝票出力制御装置、伝票出力制御方法および伝票出力制御プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0015】
[1.概要]
ある会社が得意先に対して、商品の納入を行う際、従来、納品書の発行単位は、得意先に対して1伝票ごとに行っていた。このため、得意より指定された納品書発行単位(例えば、得意先・売上日単位)での納品書の出力を行うには、前記ある会社(自社)内における伝票管理の単位を変更せざるを得なかった。また、得意先が異なるが同じ売上日で売上計上する伝票については、必ず売上伝票が分かれるため、別途エクセル等にて納品書を作成する必要があった。
【0016】
そこで、本実施形態においては、例えば、得意先マスタに、1伝票ごとに納品書を発行するか、または、得意先・売上日ごとに納品書を発行するかの区分を持たせることで、前記得意先マスタの設定により、納品書の出力単位を変更できる伝票出力制御装置、伝票出力制御方法および伝票出力制御プログラムを提供している。言い換えると、本実施形態においては、納品書を、得意先・売上日単位でまとめて出力する制御を行うが、このような、まとめて出力する制御が必要ない得意先については、前記得意先マスタの設定により、売上伝票単位での出力とする。
【0017】
このように、本実施形態に係る発明は、得意先との関係性を考慮した納品書の発行単位と、前記ある会社(自社)内での伝票登録単位と、を別々に管理可能としたため、汎用性が高い発明であると言える。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0018】
[2.構成]
本実施形態に係る伝票出力制御装置100の構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、伝票出力制御装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
伝票出力制御装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、伝票出力制御装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0020】
伝票出力制御装置100は、
図1に示すように、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。伝票出力制御装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0021】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、伝票出力制御装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、伝票出力制御装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する記憶部106に格納されるデータは、サーバ200に格納されてもよい。
【0022】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114を、表示部としてのモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0023】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0024】
記憶部106は、伝票データ106aと、得意先マスタ106bと、出力用伝票データ106cと、を備えている。なお、各データおよび各マスタが含む内容の概略は以下のとおりであるが、各データおよび各マスタが含む項目の詳細は、以下の[3.処理の具体例]で説明する。
【0025】
伝票データ106aは、伝票識別情報、得意先識別情報、基準日、商品識別情報および金額を含む伝票を記憶する。
【0026】
得意先マスタ106bは、得意先識別情報およびまとめ区分情報を紐づけて記憶する。
【0027】
出力用伝票データ106cは、前記得意先識別情報および前記基準日の組合せが同一である伝票をまとめたデータである。
【0028】
制御部102は、伝票出力制御装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0029】
制御部102は、機能概念的に、(1)前記得意先マスタにおいて、前記まとめ区分情報として前記まとめ単位で行うことを意味する区分が指定された得意先識別情報を含む伝票を、前記伝票データから取得する伝票取得手段としての伝票取得部102aと、(2)当該取得した伝票を、前記得意先識別情報および前記基準日の組合せが同一であるものごとにまとめた出力用伝票データを作成する出力用伝票データ作成手段としての出力用伝票データ作成部102bと、(3)当該作成した出力用伝票データごとに、前記得意先識別情報および前記基準日の組合せ、ならびに、前記商品識別情報、前記金額および前記伝票識別情報を表示する表示実行手段としての表示実行部102cと、(4)前記表示実行手段により表示された情報を印刷する印刷実行手段としての印刷実行部102dと、を備えている。これらのうち、印刷実行部102dは、任意の構成要素であるが、制御部102に含まれることが好ましい。なお、各部が実行する処理の詳細については、以下の[3.処理の具体例]にて詳細に説明する。
【0030】
[3.処理の具体例]
以下、本実施形態に係る処理の具体例について、
図2〜
図8を用いて詳細に説明する。
図2は、所望の伝票データを出力するための出力条件の入力画面の一例を示す図である。
図3は、本実施形態に係る通常パターンの納品書作成の一例を示す図である。
図4、
図5および
図6は、本実施形態に係る修正パターンの納品書作成の一例を示す図である。
図7は、本実施形態に係る再発行パターンの納品書作成の一例を示す図である。
図8は、伝票出力制御装置による処理フローの一例を示す図である。
【0031】
本実施形態に係る処理は、大きく分けると、過去に出力されていない伝票のみを対象として納品書を発行するパターン(通常パターン)、修正された伝票を対象として納品書を発行するパターン(修正パターン)、および、過去に出力された伝票のみを対象として納品書を再発行するパターン(再発行パターン)の3種類が存在する。このため、以下この順でそれぞれのパターンについて詳細に説明する。
【0032】
なお、納品書発行の概要としては、(1)得意先マスタ106bのまとめ区分情報にて、伝票単位での納品書発行とするか、得意先・売上日単位での納品書発行であるかを判断させ、(2)伝票単位での納品書発行FLG(フラグ)を参照し、最新のデータのみを出力する。
【0033】
[3−1.通常パターン]
最初に、過去に出力されていない伝票のみを対象として納品書を発行するパターン(通常パターン)について、主に
図3を用いて詳細に説明する。
【0034】
(伝票取得処理)
伝票取得部102aは、得意先マスタ106bにおいて、まとめ区分情報としてまとめ単位で行うことを意味する区分が指定された得意先識別情報を含む伝票を、伝票データ106aから取得する。
【0035】
ここで、伝票データ106aおよび得意先マスタ106bについて説明する。なお、以下の説明において、かっこの後ろに示す内容は、各項目の具体例であり、図には、具体例を示している。例えば、伝票識別情報(売上番号)と記載した場合、伝票識別番号の具体例として、売上番号があげられることを意味する。
【0036】
伝票データ106aは、伝票識別情報(売上番号)、得意先識別情報(得意先名)、基準日(売上日)、商品識別情報(商品名)および金額(売上金額)を含む伝票を記憶する。伝票データ106aは、通常、前述の項目を含む伝票が多数集まってできているデータである。前記伝票は、これらの項目の他に、例えば、伝票の行番号や、伝票が過去に出力されたことを意味する区分(1:発行済)および出力されていないことを意味する区分(0:未発行)のいずれかを含む出力有無識別情報(発行FLG)等を含んでもよい。なお、本実施形態における伝票は、売上伝票に限定されず、例えば、発注伝票等であってもよい。伝票が発注伝票である場合には、前記基準日は、発注日となり、前記金額は、発注金額となり、発行される対象は、発注書となる。
【0037】
得意先マスタ106bは、
図3に示すように、得意先識別情報、ならびに、伝票出力をまとめ単位で行うことを意味する区分(1)およびまとめ単位で行わないことを意味する区分(0)のいずれかを含むまとめ区分情報(納品書まとめ区分)を紐づけて記憶する。なお伝票出力を前記まとめ単位で行わないとは、従来のように、伝票番号単位で伝票の出力を行うことを意味する。
【0038】
伝票取得部102aが行う処理について、
図3および
図8を用いて具体的に説明する。伝票取得部102aは、多数の伝票を含む伝票データ106a中から、オペレータが
図2の入力画面を通して入力できる条件と、前記まとめ区分情報に関する条件と、の両方を満たす伝票を取得する。取得した伝票が、
図3の左上の売上伝票に示す、全部で7個(7行)の伝票である。
【0039】
まず、オペレータが
図2の入力画面を通して入力できる条件について説明する。オペレータは、
図2の入力画面を通して、得意先、売上日、売上番号等の項目を入力することにより、伝票取得部102aが伝票データ106a中から取得する伝票についての条件を設定することができる(
図8のステップS1)。
【0040】
つぎに、前記まとめ区分情報に関する条件について説明する。伝票取得部102aは、ステップS1で取得した伝票の中から、まとめ区分情報が区分1である得意先を含む伝票のみを取得する(
図8のステップS2)。
図3の得意先マスタ106bを参照すると、ZZ商事およびYY商事は、区分1であり、XX商事は、区分0である。このため、伝票取得部102aは、ステップS1で取得した伝票の中から、ZZ商事およびYY商事を得意先として含む伝票のみを取得する。なお、ステップS1で取得した伝票の中で、XX商事を得意先として含む伝票は、従来のように、伝票番号単位で伝票の出力が行われる(
図8のステップS4)。
【0041】
このようにして、伝票取得部102aは、
図3の左上の売上伝票に示す、全部で7個(7行)の伝票を取得する。
【0042】
(出力用伝票データ作成処理)
出力用伝票データ作成部102bは、当該取得した伝票を、前記得意先識別情報および前記基準日(売上日)の組合せが同一であるものごとにまとめた出力用伝票データを作成する(
図8のステップS3)。
【0043】
具体的には、出力用伝票データ作成部102bは、取得した
図3の左上の売上伝票に示すように、得意先がZZ商事で売上日が10/1である出力用伝票データ(売上番号U001とU002の伝票)と、得意先がYY商事で売上日が10/1である出力用伝票データ(売上番号U003の伝票)と、得意先がZZ商事で売上日が10/2である出力用伝票データ(売上番号U004の伝票)と、得意先がYY商事で売上日が10/2である出力用伝票データ(売上番号U005の伝票)と、の4つの伝票用作成データを作成する。
【0044】
(表示実行処理)
表示実行部102cは、当該作成した出力用伝票データごとに、前記得意先識別情報および前記基準日(売上日)の組合せ、ならびに、前記商品識別情報(商品名)、前記金額(売上金額)および前記伝票識別情報(売上番号)を表示する。
【0045】
ここで、オペレータは、作成した出力用伝票データに関して、どの伝票に含まれる情報を表示(出力)するかという条件を、
図2の入力画面を通して入力することができる。
図2においては、出力区分の項目における「通常」がチェックされている。表示実行部102cは、「通常」がチェックされた場合、前記出力有無識別情報(発行FLG)として、伝票が過去に出力されていないことを意味する区分(0:未発行)を含む伝票に含まれる情報のみを表示し、「再発行」がチェックされた場合、前記出力有無識別情報(発行FLG)として、伝票が過去に出力されたことを意味する区分(1:発行済)を含む伝票に含まれる情報のみを表示し、「通常」および「再発行」の両方がチェックされた場合、0:未発行を含む伝票に含まれる情報および1:発行済を含む伝票に含まれる情報の両方を表示する。
【0046】
具体的には、表示実行部102cは、
図2においては、出力区分の項目における「通常」がチェックされているため、発行FLGとして「0:未発行」を含む伝票に含まれる情報のみを表示する。すなわち、
図3の納品書(1)に示すように、得意先がZZ商事で売上日が10/1である出力用伝票データ(売上番号U001とU002の伝票)について、ZZ商事および10/1をヘッダ部分に表示し、本文中に、商品名(苛性ソーダ、フィルター、フィルム)、売上金額(¥1,000、¥2,000、¥3,000)および売上番号−行番号(U001−1、U002−1、U002−2)を表示することにより、納品書(1)を発行する。また、表示実行部102cは、他の3つの出力用伝票データについても同様にして、それぞれ、納品書(2)〜(4)を発行する。
【0047】
(印刷実行処理)
印刷実行部102dは、表示実行部102cにより表示された情報(納品書(1)〜(4)を印刷してもよい(
図8のステップS5)。これにより、本実施形態に係る処理は終了(
図8のエンド)する。
【0048】
なお、納品書の発行が済んだ伝票については、
図3の下の売上伝票に示すように、発行FLGの項目が、「0:未発行」から「1:発行済」へと更新される。
【0049】
以上をまとめると、通常発行時は、未発行状態の全ての伝票について、得意先・売上日ごとにまとめて伝票が発行される。また、各明細(各伝票)には、売上番号が印字される。
【0050】
[3−2.修正パターン]
つぎに、修正された伝票を対象として納品書を発行するパターン(修正パターン)について、主に
図4、5および6を用いて詳細に説明する。
【0051】
オペレータが、前記[3−1.]において、「0:未発行」から「1:発行済」へと更新された7つの伝票(
図3の下に示す売上伝票)に関して、以下の修正を行ったとする。すなわち、
図4の上の売上伝票に網掛けで示すように、売上番号U002の伝票の1行目の明細における売上金額を「¥2,300」に修正し、売上番号U003の伝票における得意先を「ZZ商事」に修正し、売上番号U005の伝票における売上日を「10/1」に修正したとする。なお、この修正に伴って、修正された伝票における発行FLGは、「1:発行済」から「0:未発行」へと自動更新される。
【0052】
伝票の修正後、出力条件として、
図2の出力区分の項目における「通常」をチェックすると、表示実行部102cは、発行FLGとして「0:未発行」を含む伝票に含まれる情報のみを表示する。すなわち、
図3の納品書(5)に示すように、得意先がZZ商事で売上日が10/1である出力用伝票データ(売上番号U002の伝票の1行目の明細と2行目の明細と売上番号U003の伝票)について、これらの伝票に含まれる情報を表示し、納品書(5)を発行する。また、表示実行部102cは、得意先がYY商事で売上日が10/1である出力用伝票データ(売上番号U005の伝票)についても同様にして、納品書(6)を発行する。
【0053】
そして、納品書の発行が済んだ伝票については、
図4の下の売上伝票に示すように、発行FLGの項目が、「0:未発行」から「1:発行済」へと更新される。
【0054】
なお、本実施形態においては、売上伝票単位で発行済か否かを保持しているため、修正の内容に関わらず、修正登録した伝票(例えば、U002の伝票)は、全ての明細(例えば、U002の伝票における1行目の明細と2行目の明細)が未発行状態となる。なお、伝票の変更が生じた場合は、明細単位で修正理由を摘要に記す運用を行うと、修正対象が判断可能である。また、修正の内容が得意先変更もしくは売上日変更の場合は、別の売上伝票として同じ納品書に印字される可能性がある。
【0055】
また、伝票の修正後、別の出力条件として、
図2の出力区分の項目における「通常」および「再発行」の両方をチェックし、かつ、売上番号を「U001〜U002」と入力すると、表示実行部102cは、発行FLGとして「0:未発行」を含む伝票に含まれる情報と「1:発行済」を含む伝票に含まれる情報の両方を表示する。すなわち、
図5の納品書(5)´に示すように、得意先がZZ商事で売上日が10/1である出力用伝票データ(売上番号U001の伝票と売上番号U002の伝票の2つの明細)について、これらの伝票に含まれる情報を表示し、納品書(5)´を発行する。このような出力条件とすることで、
図5に示す当初発行した納品書(1)と同様の明細で発行できる。
【0056】
また、伝票の修正後、さらに別の出力条件として、
図2の出力区分の項目における「通常」および「再発行」の両方をチェックし、かつ、売上番号を「U001〜U003」と入力すると、表示実行部102cは、発行FLGとして「0:未発行」を含む伝票に含まれる情報と「1:発行済」を含む伝票に含まれる情報の両方を表示する。すなわち、
図6の納品書(5)´´に示すように、得意先がZZ商事で売上日が10/1である出力用伝票データ(売上番号U001の伝票と売上番号U002の伝票の2つの明細と売上番号U003の伝票)について、これらの伝票に含まれる情報を表示し、納品書(5)´´を発行する。このような出力条件とすることで、納品書(5)の伝票だけではなく、他の同じ得意先・売上日の組合せの明細も印字させた形で納品書を発行できる。
【0057】
[3−3.再発行パターン]
最後に、過去に出力された伝票のみを対象として納品書を再発行するパターン(再発行パターン)について、主に
図7を用いて詳細に説明する。
【0058】
図7の上に示す売上伝票は、前記[3−2.]の項目において納品書の発行が済んだ伝票であり、すなわち、
図4の下に示す売上伝票である。オペレータが、出力条件として、
図2の出力区分の項目における「再発行」をチェックすると、表示実行部102cは、発行FLGとして「1:発行済」を含む伝票に含まれる情報のみを表示する。すなわち、
図7の納品書(7)に示すように、得意先がZZ商事で売上日が10/1である出力用伝票データ(売上番号U001の伝票と売上番号U002の伝票の2つの明細と売上番号U003の伝票)について、これらの伝票に含まれる情報を表示し、納品書(7)を発行する。また、表示実行部102cは、得意先がZZ商事で売上日が10/2である出力用伝票データ(売上番号U004の伝票の2つの明細)および得意先がYY商事で売上日が10/1である出力用伝票データ(売上番号U005の伝票)についても、それぞれ同様にして、納品書(8)および(9)を発行する。
【0059】
なお、発行する明細の情報を変更したい場合は、
図2の出力条件の売上番号を入力することで、絞り込みを行う運用とする。
【0060】
このように、本実施形態に係る伝票出力制御装置100によれば、得意先および基準日の組合せが同一である伝票ごとにまとめて、伝票を出力することができる。
【0061】
また、本実施形態に係る伝票出力制御装置100によれば、例えば、得意先の要望に応じた納品書の発行単位(得意先・売上日単位)と、自社内での伝票登録単位(1伝票ごと)と、を別々に管理可能としたため、自社内で、得意先・売上日単位をまとめた伝票として管理を行う必要がない。また、本発明は、様々な業種、業界で使用可能であり、非常に汎用性の高い発明であるといえる。
【0062】
なお、本実施形態に係る伝票出力制御装置100を使用する際には、以下の運用上の留意点1〜4が存在する。
【0063】
留意点の1つ目として、
図2の入力画面起動時の抽出条件は、以下のとおりとする。すなわち、事業所の項目は、自事業所(全社)、ユーザIDは、ログインユーザ(自身)、出力区分は、通常とする。このため、抽出条件を変更しない限り、自身が登録した売上伝票のうち、未発行の売上伝票が、得意先・売上日単位で発行されることとなる。
【0064】
留意点の2つ目として、同じ得意先・売上日の売上伝票はできるだけ、同日中に登録し、すべて登録した後に納品書の発行を行うことで、納品書をまとめる形となる。伝票の修正や、納品書の再発行が発生し、納品書における明細を出しわける必要がある場合は、出力区分における「通常」「再発行」や、売上番号の抽出条件を設定することにより、必要な明細に絞り込みを行う。
【0065】
留意点の3つ目として、修正した伝票を発行する場合、前回の納品書と同様の形にはならない(他の伝票と一緒にまとまる)可能性があるため、前回出力した発行単位での履歴を管理できない。保存が必要な場合は、直接プリンタ印刷するのではなく、必ずPDFファイルによる出力を行ってから印刷を行う運用とする。
【0066】
留意点の4つ目として、赤黒伝票については、同日の売上日で登録をする場合がある為、赤黒伝票分と通常伝票分とを分けた納品書にする場合は、売上番号の絞り込みを行う。
【0067】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0068】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0069】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0070】
また、伝票出力制御装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0071】
例えば、伝票出力制御装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて伝票出力制御装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0072】
また、このコンピュータプログラムは、伝票出力制御装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0073】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム商品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。したがって、本明細書で説明したような処理又は処理方法を実行するためのプログラムを格納した記録媒体もまた本発明を構成することとなる。
【0074】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0075】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0076】
また、伝票出力制御装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、伝票出力制御装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0077】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。