【課題】コネクタ部材を被取付部材に取り付ける場合に、一方向に限られず、コネクタ部材の取り付けやすい方向に取り付けることができるカバー部材、カバーユニット及びコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ部材12と嵌合されると共に、被取付部材162に取り付けられるカバーハウジング78を有するカバー部材76であって、カバーハウジング78には、被取付部材162に取り付けるための複数の取付部104、122を有し、取付部104、122はそれぞれ、被取付部材162に対してコネクタ部材12との嵌合方向が異なる向きとなるように形成されている。
前記取付部はそれぞれ、前記被取付部材に対して前記コネクタ部材との嵌合方向が異なる向きとなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカバー部材。
前記取付部には、挿入された前記被取付部材に設けられた被係止部と係止される係止部がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のカバー部材。
前記カバーハウジングは、前記取付部が前記被取付部材に形成された孔部に挿入されて取り付けられる構成となっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のカバー部材。
前記カバーハウジングの前記取付部はそれぞれ、前記被取付部材に対して前記コネクタ部材との嵌合方向が異なる向きとなるように形成されていることを特徴とする請求項9に記載のカバーユニット。
前記カバーハウジングの前記取付部はそれぞれ、前記被取付部材に対して前記コネクタ部材との嵌合方向が同じ向きとなるように形成されていることを特徴とする請求項9に記載のカバーユニット。
前記取付補助部材は、前記被取付部材に形成された孔部に挿入され、且つ、固定されるクリップ部を有することを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載のカバーユニット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に開示されたダミーキャップを用いた場合、取り付け方向が固定部材に対して水平方向の一方向でしか取り付けることができないため、取り付け方向が限定され、作業性を損なうおそれがある。
【0005】
本発明は上述のような従来技術の課題を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、取り付ける被取付部材に対してコネクタ部材を取り付ける方向が選択可能なカバー部材、カバーユニット及びコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様のカバー部材は、コネクタ部材と嵌合されると共に、被取付部材に取り付けられるカバーハウジングを有するカバー部材であって、
前記カバーハウジングは、前記被取付部材に取り付けるための複数の取付部を有していることを特徴とする。
【0007】
また、第2の態様のカバー部材は、第1の態様のカバー部材において、前記取付部はそれぞれ、前記被取付部材に対して前記コネクタ部材との嵌合方向が異なる向きとなるように形成されていることを特徴とする。
【0008】
また、第3の態様のカバー部材は、第1又は第2の態様のカバー部材において、前記取付部は、前記カバーハウジングが前記被取付部材に対して前記コネクタ部材が嵌合される方向に沿って取り付けることができる第1取付部と、
前記カバーハウジングが前記被取付部材に対して前記コネクタ部材が嵌合される方向に対して直交する方向に取り付けることができる第2取付部と、を含んでいることを特徴とする。
【0009】
また、第4の態様のカバー部材は、第1の態様のカバー部材において、前記取付部はそれぞれ、前記被取付部材に対して前記コネクタ部材との嵌合方向が同じ向きとなるように形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、第5の態様のカバー部材は、第1の態様のカバー部材において、前記取付部はそれぞれ、前記被取付部材に対して前記コネクタ部材との嵌合方向が異なる向きとなるものと、
前記異なる向きの前記取付部の少なくとも1つと同じ向きとなるものと、が形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、第6の態様のカバー部材は、第1〜第5のいずれかの態様のカバー部材において、前記カバーハウジングは、前記取付部に前記被取付部材が挿入されて取り付けられる構成となっていることを特徴とする。
【0012】
また、第7の態様のカバー部材は、第1〜第6のいずれかの態様のカバー部材において、前記取付部には、挿入された前記被取付部材に設けられた被係止部と係止される係止部がそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、第8の態様のカバー部材は、第1〜第5のいずれかの態様のカバー部材において、前記カバーハウジングは、前記取付部が前記被取付部材に形成された孔部に挿入されて取り付けられる構成となっていることを特徴とする。
【0014】
第9の態様のカバーユニットは、コネクタ部材と嵌合されるカバーハウジングを有するカバー部材と、前記カバー部材に取り付けられる取付補助部材と、を有するカバーユニットであって、
前記カバーハウジングには、複数の取付部が形成されており、
前記取付補助部材は、前記取付部のいずれかに装着される装着部を有していることを特徴とする。
【0015】
また、第10の態様のカバーユニットは、第9の態様のカバーユニットにおいて、前記カバーハウジングの前記取付部はそれぞれ、前記被取付部材に対して前記コネクタ部材との嵌合方向が異なる向きとなるように形成されていることを特徴とする。
【0016】
また、第11の態様のカバーユニットは、第10の態様のカバーユニットにおいて、前記取付部は、前記カバーハウジングが前記被取付部材に対して前記コネクタ部材が嵌合される方向に沿って取り付けることができる第1取付部と、
前記カバーハウジングが前記被取付部材に対して前記コネクタ部材が嵌合される方向に対して直交する方向に取り付けることができる第2取付部と、を含んでいることを特徴とする。
【0017】
また、第12の態様のカバーユニットは、第9の態様のカバーユニットにおいて、前記カバーハウジングの前記取付部はそれぞれ、前記被取付部材に対して前記コネクタ部材との嵌合方向が同じ向きとなるように形成されていることを特徴とする。
【0018】
また、第13の態様のカバーユニットは、第9の態様のカバーユニットにおいて、前記カバーハウジングの前記取付部はそれぞれ、前記被取付部材に対して前記コネクタ部材との嵌合方向が異なる向きとなるものと、
前記異なる向きの前記取付部の少なくとも1つと同じ向きとなるものと、が形成されていることを特徴とする。
【0019】
また、第14の態様のカバーユニットは、第9〜第13の態様のカバーユニットにおいて、前記取付補助部材は、前記被取付部材に形成された孔部に挿入され、且つ、固定されるクリップ部を有することを特徴とする。
【0020】
第15の態様のコネクタは、第1〜第8のいずれかに記載の前記カバー部材と、前記コネクタ部材と、が嵌合されたことを特徴とする。
【0021】
第16の態様のコネクタは、第9〜第14のいずれかに記載の前記カバーユニットの前記カバー部材と、前記コネクタ部材と、が嵌合されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
第1の態様のカバー部材によれば、コネクタ部材を被取付部材に取り付ける場合に、コネクタ部材の取り付けやすい方向に取り付けることができるようになる。
【0023】
また、第2又は第3の態様のカバー部材によれば、コネクタ部材を被取付部材に取り付ける場合に、一方向に限られず、コネクタ部材の取り付けやすい方向に取り付けることができるようになる。
【0024】
また、第4の態様のカバー部材によれば、コネクタ部材を被取付部材に取り付ける場合に、同じ方向であっても、コネクタ部材の取り付けやすい向きに取り付けることができるようになる。
【0025】
第5の態様のカバー部材によれば、コネクタ部材を被取付部材に取り付ける場合に、コネクタ部材の取り付けやすい方向に取り付けることができるようになる。
【0026】
また、第6の態様のカバー部材によれば、被取付部材が板状や棒状に形成されている場合に、取付部との取り付けを簡単に行うことができるようになる。
【0027】
また、第7の態様のカバー部材によれば、被取付部材から外れることを抑制することができるようになる。
【0028】
また、第8の態様のカバー部材によれば、被取付部材に形成された孔部に例えば、突起状に形成された取付部を挿入することで簡単に取り付けを行うことができるようになる。
【0029】
第9の態様のカバーユニットによれば、カバー部材の構成を変更せずに、被取付部材に形成された孔部への取り付けを行うことができ、コネクタ部材を被取付部材に取り付ける場合に、コネクタ部材の取り付けやすい方向に取り付けることができるようになる。
【0030】
また、第10及び第11の態様のカバーユニットによれば、コネクタ部材を被取付部材に取り付ける場合に、一方向に限られず、コネクタ部材の取り付けやすい方向に取り付けることができるようになる。
【0031】
また、第12の態様のカバーユニットによれば、コネクタ部材を被取付部材に取り付ける場合に、同じ方向であっても、コネクタ部材の取り付けやすい向きに取り付けることができるようになる。
【0032】
第13の態様のカバーユニットによれば、コネクタ部材を被取付部材に取り付ける場合に、コネクタ部材の取り付けやすい方向に取り付けることができるようになる。
【0033】
また、第14の態様のカバーユニットによれば、被取付部材への取付補助部材の取り付けを容易に行うことができるようになる。
【0034】
第15の態様のコネクタによれば、コネクタ部材の取り付けやすい嵌合方向で被取付部材に取り付けられたカバー部材にコネクタ部材を嵌合させることができる。
【0035】
第16の態様のコネクタによれば、コネクタ部材の取り付けやすい嵌合方向で被取付部材に取り付けられたカバーユニットのカバー部材にコネクタ部材を嵌合させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのカバー部材、カバーユニット及びコネクタを例示するものであって、本発明をこれに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
【0038】
[実施形態1]
まず、実施形態1に係るコネクタ10について、
図1〜
図12を参照して説明する。実施形態1のコネクタ10は、
図1に示すように、少なくとも1つのコンタクト54が設けられたコネクタ部材12と、このコネクタ部材12に嵌合されるカバー部材76とを有しており、コネクタ部材12とカバー部材76とが嵌合されるように構成されている。
【0039】
そして、実施形態1のコネクタ部材12は、二輪車や自動車等の車両等の検査等に用いられるものとなり、検査用の装置に設けられた相手側コネクタ部材と接続されて用いられるものとなっている。一方、コネクタ部材12が検査等に使用されない場合は、車両等の所定の場所に設けられた被取付部材162に予め取り付けられたカバー部材76に、コネクタ部材12を嵌合させることで、コネクタ部材12が車両等に固定され、且つ、水や粉塵等から保護されるようになる。
【0040】
このとき、実施形態1のコネクタ10は、カバー部材76の被取付部材162への取り付けにおいて、例えば、
図1A、
図2に示すように、被取付部材162に対して、コネクタ部材12とカバー部材76の嵌合方向が略水平方向となるように取り付けられる場合と、
図1B、
図3に示すように、被取付部材162に対して、コネクタ部材12とカバー部材76の嵌合方向が略垂直方向となるように取り付けられる場合とが選択できるように構成されている。
【0041】
すなわち、カバー部材76は、
図1A,
図2に示すように、被取付部材162に対してコネクタ部材12が水平に嵌合されるように取り付けられる場合と、
図1B、
図3に示すように、被取付部材162に対してコネクタ部材12が垂直に嵌合されるように取り付けられる場合となるような構成とされている。
【0042】
なお、実施形態1の被取付部材162は、
図2、
図3に示すように、後述するカバー部材76に形成された各取付部104、122に挿入可能な幅の板状体で形成されており、この被取付部材162の面の一部に開口された被係止部164が形成されている。また、被取付部材162は、カバー部材76の各取付部104、122へ先に挿入される先端部166と被係止部164との間に凸状に盛り上がった凸部168が挿入方向に対して直交する方向に形成されている。以下、各構成について説明する。
【0043】
まず、
図4〜
図6を参照して、実施形態1のコネクタ部材12について説明する。実施形態1のコネクタ部材12は、電線68が装着された少なくとも1つ、実施形態1では6つのコンタクト54と、これらのコンタクト54がそれぞれ収容されるコネクタハウジング14と、コネクタハウジング14内で各コンタクトを固定するリテーナ72と、で構成されている。また、コネクタ部材12の内部には、嵌合されたカバー部材76との隙間を埋める樹脂製のシール部材74が設けられており、電線68には、電線68とコネクタハウジング14内の電線保持部42(
図4参照)との隙間を埋める樹脂製の電線シール部材70が設けられている。
【0044】
実施形態1のコネクタ部材12のコネクタハウジング14は、
図5、
図6に示すように、一方にカバー部材76が挿入される開口部18を有する前面16と、他方にコンタクト54に装着された複数の電線68が挿通される挿通口22が形成された後面20と、ロック機構26が形成された上面24と、上面24と対向する底面28と、一方の側面30及び他方の側面32と、を有し、樹脂材料で一体に形成されている。
【0045】
また、コネクタハウジング14の内側には、コンタクト54が保持される柱状のコンタクト保持部34が後面20側から前面16側に向かって突出して形成されており、このコンタクト保持部34の前面16側には、相手側のコンタクト(図示省略)が挿入される複数のコンタクト挿入口38が形成されている。
【0046】
さらに、コンタクト保持部34の内部には、コンタクト54が収容され、保持されるコンタクト収容部40が形成され、コンタクト挿入口38と連通されている。また、コンタクト保持部34の後面20側には、電線68が保持される電線保持部42がそれぞれ形成され、コネクタハウジング14の後面20に形成された挿通口22とそれぞれ連通されている。そして、コンタクト収容部40と電線保持部42は、コンタクト保持部34内でそれぞれ連通されて形成されており、前面16側のコンタクト挿入口38と後面20側の挿通口22が連通されている。
【0047】
また、コンタクト保持部34には、コンタクト収容部40に収容されたコンタクト54を固定するランス46がそれぞれ形成されている。
【0048】
また、コネクタハウジング14の上面24側、底面28側、一方の側面30側及び他方の側面32側の内側と、コンタクト保持部34の外周との間には、隙間部36が形成されており、この隙間部36に後述するカバー部材76の一部が挿入されるようになる。なお、コンタクト保持部34の外周の後面20側は、シール部材74が取り付けられるシール部材取付部44となっている。
【0049】
また、コネクタハウジング14の他方の側面32には、リテーナ72が挿入されるリテーナ挿入口50が形成され、コネクタハウジング14の内部には、このリテーナ72が取り付けられるリテーナ取付部52が他方の側面32から一方の側面30側に亘って形成されている。
【0050】
さらに、コネクタハウジング14の一方の側面30及び他方の側面32の内側には、嵌合方向に沿って溝状に形成されたガイド溝部48がそれぞれ形成されている。このガイド溝部48は、後述するカバー部材76に形成されたガイド突部96に嵌め合わされ、嵌合時に案内されるようになる。
【0051】
また、コネクタハウジング14の上面24側に形成されたロック機構26は、後述するカバー部材76に形成された係合部88と係合される部分となる。
【0052】
また、実施形態1のコンタクト54は、
図4に示すように、一方に、相手側のコネクタ部材が有するコンタクト(図示省略)と接触される接触片58を内部に有する接触部56を有し、他方に電線68が接続される電線接続部60が形成されている。電線接続部60は、複数の接続片62を有しており、これらに挟持されることで、電線68が装着されるようになる。このとき、接続片62は、電線シール部材70と共に電線68が挟持されるようになっている。なお、コンタクト54に装着された電線68は、例えば、車両内部に設けられた各種の機器や装置等につながれている。
【0053】
また、コンタクト54のコネクタハウジング14の上面24側に配置される側には、コンタクト保持部34に形成されたランス46が係止されるランス係止部64が形成されている。さらにまた、コンタクト54の接触部56の電線接続部60側には、リテーナ72と係合されるリテーナ係合部66が形成されている。
【0054】
また、コネクタ部材12の組み立ては、まず、コネクタハウジング14の内側のコンタクト保持部34の外周に形成されたシール部材取付部44にシール部材74を取り付ける。
【0055】
その後、コネクタハウジング14の他方の側面32に形成されたリテーナ挿入口50からリテーナ72を挿入し、コネクタハウジング14内にリテーナ72を所定の仮止め位置にて仮止めさせる。
【0056】
そして、コネクタハウジング14の後面20に形成された挿通口22から、電線68を接続させたコンタクト54を、接触部56が先になるようにしてそれぞれ挿入させ、コンタクト収容部40に収容させる。このとき、コンタクト54は、仮止めされたリテーナ72に形成された貫通孔(不図示)を貫通させると共に、コンタクト保持部34内に形成されたランス46がコンタクト54のランス係止部64に係止されるようになる。このランス46がコンタクト54のランス係止部64に係止されることで、コンタクト54がコンタクト収容部40に固定されると共に、抜け止めされるようになる。
【0057】
また、電線68に取り付けられた電線シール部材70は、電線保持部42に挿入されることで、電線68と電線保持部42との隙間が埋まるようになり、水や粉塵等の浸入が抑制される。
【0058】
次に、コネクタハウジング14の他方の側面32のリテーナ挿入口50から挿入されて、仮止めされていたリテーナ72をさらに挿入させ、コンタクト54をコネクタハウジング14内に固定させる。このとき、挿入されたリテーナ72は、コネクタハウジング14内のリテーナ取付部52に取り付けられると共に、コンタクト54のリテーナ係合部66と係合されるようになる。以上で、コネクタ部材12の組み立てが完了する(
図2〜
図6参照)。
【0059】
次に、
図7、
図8を参照して実施形態1のカバー部材76について説明する。カバー部材76は、コネクタ部材12と嵌合される嵌合開口部82が形成された前面部80と、前面部80と対向し、閉塞された後面部84と、コネクタ部材12のロック機構26と係合される係合部88が形成された上面部86と、上面部86と対向する底面部90と、一方の側面部92及び他方の側面部94と、を有し、樹脂材料で一体に形成された箱状体のカバーハウジング78を有している。
【0060】
また、カバーハウジング78の内部は、前面部80に形成された嵌合開口部82から挿入されたコネクタ部材12のコンタクト保持部34が収容される収容空間98となっている。この収容空間98は、
図7Cに示すように、空洞となっている。
【0061】
なお、カバー部材の上面部86、底面部90、一方の側面部92及び他方の側面部94が前面部80側からコネクタ部材12の隙間部36に挿入されるようになる。
【0062】
また、カバー部材76は、複数、実施形態1では、2つの取付部104、122を有しており、この取付部104、122は、カバーハウジング78の底面部90側に形成された第1取付部104と、後面部84側に形成された第2取付部122と、からなっている。
【0063】
第1取付部104は、底面部90側から離間された位置に設けられ、後面部84から延設された延設部100により繋がれて形成されており、底面部90との間にコネクタ部材12の底面28側が挿通される挿通溝部120を有するように形成されている。
【0064】
また、第1取付部104は、内部に挿入された被取付部材162を囲うような筒状に形成されており、カバーハウジング78の一方の側面部92側及び他方の側面部94側が一部曲面状になるように構成されている。
【0065】
また、第1取付部104は、カバーハウジング78の後面部84側に被取付部材162が挿入される第1挿入口106が形成されており、内部には、第1挿入口106から挿入された被取付部材162が配置される第1配置部108が形成されている。
【0066】
また、第1取付部104の挿通溝部120とは反対側は、略中央部分に、被取付部材162に形成された被係止部164に係止される第1係止部110が形成されている。この第1係止部110は、弾性変形可能な第1片部112と、この第1片部112の第1配置部108側に突出された第1突部114とで構成されている。また、第1取付部104の第1片部112の両側は切り欠かれた第1切り欠き部116がそれぞれ形成されており、この第1切り欠き部116の両側は、それぞれ第1支持突部118となっている。
【0067】
そして、カバー部材76は、カバーハウジング78の第1取付部104に被取付部材162が後面部84側から挿入されることで、被取付部材162に対してコネクタ部材12が略水平に嵌合されるように配置されるようになる。
【0068】
一方、第2取付部122は、カバーハウジング78の後面部84側に形成されている。この第2取付部122は、後面部84に直接形成されており、実施形態1では、他方の側面部94側に被取付部材162が挿入される第2挿入口124が形成され、内部に挿入された被取付部材162が囲われるように後面部84を一面とした筒状に形成されている。また、第2取付部122の内部には、第2挿入口124から挿入された被取付部材162が配置される第2配置部126が形成されている。
【0069】
また、第2取付部122の後面部84とは反対側は、略中央部分に、被取付部材162に形成された被係止部164に係止される第2係止部128が形成されている。この第2係止部128は、弾性変形可能な第2片部130と、この第2片部130の第2配置部126側に突出された第2突部132とで構成されている。
【0070】
また、第2取付部122の第2片部130の両側は切り欠かれた第2切り欠き部134がそれぞれ形成されており、この第2切り欠き部134の両側は、それぞれ第2支持突部136となっている。
そして、カバー部材76は、カバーハウジング78の第2取付部122に被取付部材162が他方の側面部94側から挿入されることで、被取付部材162に対してコネクタ部材12が略垂直に嵌合されるように配置されるようになる。
【0071】
また、カバーハウジング78の上面部86には、係合部88が突出して形成されている。この係合部88は、コネクタ部材12に形成されたロック機構26と係合されるようになる。
【0072】
また、カバーハウジング78の一方の側面部92及び他方の側面部94には、カバー部材76の嵌合方向に沿って突出したガイド突部96がそれぞれ形成されており、コネクタ部材12に形成されたガイド溝部48に嵌め合わされる部分となる。
【0073】
次に、カバー部材76の被取付部材162への取り付け、及びカバー部材76とコネクタ部材12の嵌合について説明する。なお、実施形態1では、上述したようにカバー部材76は、被取付部材162に対して、コネクタ部材12との嵌合方向が、略水平に取り付けられる場合と、略垂直に取り付けられる場合とが選択できるようになる。
【0074】
まず、主に
図1A、
図2、
図9、
図10を参照して、カバー部材76とコネクタ部材12との嵌合方向が被取付部材162に対して略水平となる場合について説明する。
【0075】
被取付部材162に対してコネクタ部材12の嵌合方向が略水平となる場合は、
図9に示すように、カバー部材76の底面部90側に形成された第1取付部104に被取付部材162が取り付けられる。この取り付けは、被取付部材162を先端部166を先にして、カバー部材76のカバーハウジング78の後面部84側から、底面部90側に形成された第1取付部104の第1挿入口106に挿入させて行う。このとき、被取付部材162とカバー部材76の取り付け方向は、コネクタ部材12とカバー部材76の嵌合方向と同じ向きとなっている。
【0076】
また、
図9Cに示すように、第1取付部104に挿入された被取付部材162は、第1取付部104に形成された第1係止部110と被取付部材162に形成された被係止部164とが係止され、抜け止めがされると共に、第1取付部104内の第1配置部108に配置されるようになる。このとき、被取付部材162に凸部168が形成されていることで第1取付部104の第1配置部108内において、被取付部材162が上下方向に押圧するようになることで、カバー部材76の振動等を抑制し、安定して取り付けることができるようになる。
【0077】
次に、カバー部材76にコネクタ部材12を嵌合させる。カバー部材76とコネクタ部材12の嵌合は、
図10に示すように、コネクタ部材12の前面16とカバー部材76の前面部80とを対向させ、コネクタ部材12の前面16の開口部18側をカバー部材76の前面部80の嵌合開口部82から挿入させることで行われる。
【0078】
このとき、コネクタ部材12のコネクタハウジング14の内側とコンタクト保持部34との間の隙間部36にカバー部材76が挿入されると共に、カバー部材76の嵌合開口部82からコネクタ部材12のコンタクト保持部34が収容空間98に挿入されるようになる。
【0079】
なお、コネクタ部材12の底面28側は、カバー部材76の底面部90と第1取付部104との間の挿通溝部120を挿通されるようになる。さらに、コネクタ部材12のガイド溝部48にカバー部材76のガイド突部96が嵌め合わされて案内されるようになる。
【0080】
さらに、コネクタ部材12を挿入させると、
図10Cに示すように、コネクタ部材12の上面24に形成されたロック機構26がカバー部材76の上面部86に形成された係合部88と係合されるようになる。以上で、カバー部材76とコネクタ部材12との嵌合が終了する。
【0081】
このとき、コネクタ部材12は、被取付部材162に対して略水平となるように取り付けられるようになる。
【0082】
次に、主に
図1B、
図3、
図11、
図12を参照して、カバー部材76とコネクタ部材12との嵌合方向が被取付部材162に対して略垂直となる場合について説明する。
【0083】
被取付部材162に対してコネクタ部材12の嵌合方向が略垂直となる場合は、
図11に示すように、カバー部材76の後面部84側に形成された第2取付部122に被取付部材162が取り付けられる。この取り付けは、被取付部材162を先端部166を先にして、カバー部材76のカバーハウジング78の他方の側面部94側から、後面部84に形成された第2取付部122の第2挿入口124に挿入させて行う。このとき、被取付部材162とカバー部材76の取り付け方向は、コネクタ部材12とカバー部材76の嵌合方向に対して直交する向きとなっている。
【0084】
また、
図11Cに示すように、第2取付部122に挿入された被取付部材162は、上述した被取付部材162を第1取付部104に取り付ける場合と同様に、カバー部材76の第2取付部122に形成された第2係止部128と被取付部材162に形成された被係止部164とが係止され、抜け止めがされると共に、第2取付部122内の第2配置部126に配置されるようになる。このとき、被取付部材162に凸部168が形成されていることで第2取付部122の第2配置部126内において、被取付部材162が上下方向に押圧するようになることで、カバー部材76の振動等を抑制し、安定して取り付けることができるようになる。
【0085】
次に、カバー部材76にコネクタ部材12を嵌合させる。カバー部材76とコネクタ部材12の嵌合は、向きが異なるだけで上述した被取付部材162に対して水平方向に嵌合させる場合と同様であって、
図12に示すように、コネクタ部材12の前面16とカバー部材76の前面部80とを対向させ、カバー部材76の前面部80側を、コネクタ部材12の前面16の開口部18から挿入させることで行われる。
【0086】
このとき、コネクタ部材12のコネクタハウジング14の内側とコンタクト保持部34の間の隙間部36にカバー部材76が挿入されると共に、カバー部材76の嵌合開口部82から収容空間98にコネクタ部材12のコンタクト保持部34が挿入されるようになる。さらに、コネクタ部材12のガイド溝部48にカバー部材76のガイド突部96が嵌め合わされて案内されるようになる。
【0087】
さらに、コネクタ部材12を挿入させると、
図12Cに示すように、コネクタ部材12の上面24に形成されたロック機構26がカバー部材76の上面部86に形成された係合部88と係合されるようになる。以上で、カバー部材76とコネクタ部材12との嵌合が終了する。
【0088】
このとき、コネクタ部材12は、被取付部材162に対して略垂直となるように取り付けられるようになる。
【0089】
以上で、被取付部材162に取り付けられたカバー部材76へのコネクタ部材の嵌合が終了する。
【0090】
このような構成とすることで、車両等の内部に設けられた装置等に電線により繋がれたコネクタ部材を被取付部材に取り付ける場合に、取り付けやすい向きで取り付けることができるようになる。
【0091】
なお、実施形態1では、カバー部材76を被取付部材162へ取り付ける方向を、コネクタ部材12との嵌合方向に対して略水平方向とした場合と、略垂直方向とした場合と、について説明したが、これに限らず、被取付部材に対してコネクタ部材が取り付けしやすい方向となるように、カバー部材の取付部を形成するようにしてもよい。
【0092】
なお、複数の取付部は、カバー部材76を被取付部材162へ取り付ける方向が同一方向となるように複数個形成するようにしてもよい。例えば、コネクタ部材12との嵌合方向に対してカバー部材を被取付部材に取り付ける方向が略水平方向又は略垂直方向となる取付部を複数形成することができる。
【0093】
また、複数の取付部は、カバー部材76を被取付部材162へ取り付ける方向が異なる方向となるものと、同一方向となるものをそれぞれ複数形成してもよい。
【0094】
また、実施形態1では、カバー部材76の取付部を第1取付部104と第2取付部122の2つの場合を説明したが、これに限らず、被取付部材を異なる方向や異なる向きから挿入できる3つ以上の取付部を形成してもよい。
【0095】
また、実施形態1では、カバー部材76を先に被取付部材162に取り付けた後、コネクタ部材12とカバー部材76を嵌合させているが、これに限らず、カバー部材とコネクタ部材を先に嵌合させ、その後、カバー部材を被取付部材に取り付けるようにしてもよい。
【0096】
[実施形態2]
次に、
図4〜
図8、
図13〜
図23を参照して実施形態2のコネクタ10Aについて説明する。実施形態1では、被取付部材162が板状に形成されており、この被取付部材162をカバー部材76のいずれかの取付部104、122に取り付ける構成とされている。一方、実施形態2では、被取付部材162Aは、板体の一部に開口された孔部170を有するように形成されており、この孔部170に取付補助部材140を介してカバー部材76を取り付ける構成となっている。なお、実施形態1の構成と共通する部分には同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0097】
実施形態2のコネクタ10Aは、
図13に示すように、二輪車や自動車等の車両等の検査等に用いられる少なくとも1つのコンタクト54が設けられたコネクタ部材12と、このコネクタ部材12に嵌合されるカバー部材76と、カバー部材76と組み合わされ、被取付部材162Aに取り付けられる取付補助部材140と、で構成されている。
【0098】
そして、実施形態1と同様に、実施形態2のコネクタ部材12は、二輪車や自動車等の車両等の検査等に用いられるものとなり、検査用の装置に設けられた相手側コネクタ部材と接続されて用いられるものとなっている。一方、コネクタ部材12が検査等に使用されない場合は、車両等の所定の場所に設けられた被取付部材に予め取り付けられた取付補助部材140と組み合わされたカバー部材76に、コネクタ部材12を嵌合させることで、コネクタ部材12が車両等に固定され、且つ、水や粉塵等から保護されるようになる。なお、組み合わされたカバー部材76と取付補助部材140をカバーユニット138という。
【0099】
また、実施形態2のカバー部材76も実施形態1と同様に、
図13A、
図14に示すように、被取付部材162Aに対して、コネクタ部材12との嵌合方向が略水平方向となるように取り付けられる場合と、
図13B、
図15に示すように、被取付部材に対して、コネクタ部材12との嵌合方向が略垂直方向となるように取り付けられる場合とが選択できる構造となっている。
【0100】
すなわち、カバー部材76は、
図13A、
図14に示すように、取付補助部材140を介して被取付部材162Aに対してコネクタ部材12が水平に嵌合されるように取り付けられる場合と、
図13B、
図15に示すように、被取付部材162Aに対してコネクタ部材12が垂直に嵌合されるように取り付けられる場合となるような構成とされている。
【0101】
なお、実施形態2の被取付部材162Aは、
図14、
図15に示すように、板体であって、この板体の一部に開口された孔部170が形成されている。また、実施形態2の被取付部材162Aの孔部170は、例えば、略正方形状に形成されている。
【0102】
以下、各構成について説明する。なお、実施形態2のコネクタ部材12及びカバー部材76は、実施形態1のコネクタ部材12及びカバー部材76と共通するので、
図4〜
図8を参照すると共に、詳細な説明は省略する。
【0103】
まず、
図16、
図17を参照して、実施形態2のカバー部材76と組み合わされ、カバーユニット138を構成する取付補助部材140について説明する。取付補助部材140は、被取付部材162Aの一方の面に載置される本体部142を有し、この本体部142の一方にカバー部材76の第1取付部104又は第2取付部122が装着され、組み合わされる装着部144を有し、他方に、被取付部材162Aの孔部170に取り付けられるクリップ部150と、で構成されており、例えば、樹脂材料により一体に形成されている。
【0104】
本体部142は、略楕円形の板状体であって、被取付部材162Aに近づくにつれて広がるような、いわゆるスカート状に形成されている。そして、この本体部142の最も広くなったクリップ部150側が被取付部材162Aに載置される部分となる。
【0105】
また、装着部144は、本体部142の一方側、すなわち、本体部142が被取付部材162Aに載置される側とは反対側の上方側に形成されており、略直方体状に形成されている。この装着部144は、カバー部材76の第1取付部104又は第2取付部122に嵌入されて装着され、組み合わされる部分となる。
【0106】
装着部144には、略中央部にカバー部材76の第1取付部104の第1係止部110又は第2取付部122の第2係止部128が挿通される係止溝部148が形成されており、この係止溝部148の溝を繋ぐように、第1係止部110の第1突部114又は第2係止部128の第2突部132が係止される被係止部149が形成されている。
【0107】
また、装着部144の両側面145a、145b側には、カバー部材76の第1取付部104又は第2取付部122に形成された第1支持突部118又は第2支持突部136が嵌り込み、移動される装着溝部146がそれぞれ形成されている。
【0108】
また、クリップ部150は、本体部142の略中心部分から他方側、すなわち、本体部142が被取付部材162Aに載置される側に延設された柱状部152と、この柱状部152の端部から本体部142側に延設された複数、例えば、一対の弾性片部156とで構成されている。
【0109】
また、弾性片部156には、被取付部材162Aの他方の面を支持する段状の支持部158をそれぞれ有し、柱状部152の端部から支持部158の間には、テーパー160がそれぞれ形成されている。
【0110】
そして、取付補助部材140とカバー部材76とが組み合わされてカバーユニット138となる(
図18、
図21参照)。このカバーユニット138は、取付補助部材140の装着部144がカバー部材76の第1取付部104又は第2取付部122に装着されることで組み合わされる。このとき、取付補助部材140の装着部144がカバー部材76の第1取付部104に装着される場合と、第2取付部122に装着される場合とで、カバー部材76とコネクタ部材12の嵌合される方向が被取付部材162Aに対して異なる方向とすることができるようになる。
【0111】
次に、実施形態2のカバーユニット138を構成するカバー部材76と取付補助部材140の組み立て、カバーユニット138の被取付部材162Aへの取り付け、及びカバー部材76とコネクタ部材12の嵌合について説明する。
【0112】
なお、実施形態2では、上述したようにカバーユニット138のカバー部材76は、被取付部材162Aに対して、コネクタ部材12との嵌合方向が、略水平に取り付けられる場合と、略垂直に取り付けられる場合とが選択できるようになる。
【0113】
まず、主に
図13A、
図14、
図18〜
図20を参照して、カバー部材76とコネクタ部材12との嵌合方向が被取付部材162Aに対して略水平となる場合について説明する。
【0114】
被取付部材162Aに対してコネクタ部材12との嵌合方向が略水平となる場合は、まず、
図18に示すように、カバー部材76の第1取付部104に取付補助部材140の装着部144を装着させる。この装着は、カバー部材76の第1取付部104の第1係止部110が取付補助部材140の装着部144の係止溝部148に挿入されると共に、第1取付部104の各第1支持突部118が、装着部144の装着溝部146に嵌り込み、移動されることで行われる。
【0115】
そして、
図18Cに示すように、第1係止部110の第1突部114が装着部144の被係止部149に係止されることで、抜け止めがされると共に、被係止部149が第1取付部104内の第1配置部108に配置されるようになり、カバー部材76と取付補助部材140の装着が完了し、カバーユニット138が完成する。
【0116】
このとき、カバー部材76がコネクタ部材12と嵌合する方向と、取付補助部材140のクリップ部150との軸線方向とが略直交するようになる。
【0117】
次に、
図19に示すように、カバーユニット138の取付補助部材140のクリップ部150を被取付部材162Aに取り付ける。この取り付けは、被取付部材162Aに形成された孔部170にカバーユニット138の取付補助部材140のクリップ部150を柱状部152の本体部142とは反対の先端154側から挿入することで行われる。
【0118】
このとき、クリップ部150の弾性片部156のテーパー160が孔部170の外周にそれぞれ当接されることで、弾性片部156が弾性変形しながら挿入される。さらに、クリップ部150を挿入させると、取付補助部材140の本体部142が被取付部材162Aに当接され、弾性片部156のテーパー160が孔部170の外周から外れることで、弾性片部156の弾性変形されていた弾性力が開放され、元の位置に戻り、弾性片部156の支持部158が被取付部材162Aの孔部170の外周を支持するように取り付けられるようになる(
図19C参照)。
【0119】
また、被取付部材162Aは、取付補助部材140の本体部142とクリップ部150の各弾性片部156の支持部158により挟まれることで、取り付けられるようになっている。そして、被取付部材162Aに取り付けられたカバーユニット138は、カバー部材76とコネクタ部材12の嵌合する方向が、被取付部材162Aと略平行となっている。
【0120】
次に、
図20に示すように、カバーユニット138のカバー部材76にコネクタ部材12を嵌合させる。カバー部材76とコネクタ部材12の嵌合は、実施形態1のコネクタ部材12とカバー部材76の嵌合と同様に行われる。なお、詳細な説明は実施形態1と共通するので省略する。以上で、カバー部材76とコネクタ部材12との嵌合が終了する。
【0121】
このとき、コネクタ部材12は、被取付部材162に対して略水平となるように取り付けられるようになる。
【0122】
次に、
図13B、
図15、
図21〜
図23を参照して、カバー部材76とコネクタ部材12との嵌合方向が被取付部材に対して略垂直となる場合について説明する。
【0123】
被取付部材162Aに対してコネクタ部材12との嵌合方向を略垂直とする場合は、まず、
図21に示すように、カバー部材76の第2取付部122に取付補助部材140の装着部144を装着させる。この装着は、カバー部材76の第2取付部122の第2係止部128が取付補助部材140の装着部144の係止溝部148に挿入されると共に、第2取付部122の各第2支持突部136が、装着部144の装着溝部146に嵌り込み、移動されることで行われる。
【0124】
そして、
図21Cに示すように、第2係止部128の第2突部132が装着部144の被係止部149に係止されることで、抜け止めがされると共に、被係止部149が第2取付部122内の第2配置部126に配置されるようになり、カバー部材76と取付補助部材140の装着が完了し、カバーユニット138が完成する。
【0125】
このとき、カバー部材76がコネクタ部材12と嵌合する方向と、取付補助部材140のクリップ部150との軸線方向とが略平行となっている。
【0126】
次に、
図22に示すように、カバーユニット138の取付補助部材140のクリップ部150を被取付部材162Aに取り付ける。この取り付けは、上述した場合と同様に、被取付部材162Aに形成された孔部170にカバーユニット138の取付補助部材140のクリップ部150を柱状部152の先端部166から挿入することで行われる(
図22C参照)。なお、詳細な説明は上記と共通するので省略する。
【0127】
そして、被取付部材162Aに取り付けられたカバーユニット138は、カバー部材76とコネクタ部材12の嵌合する方向が、被取付部材162Aと略垂直となっている。
【0128】
次に、
図23に示すように、カバーユニット138のカバー部材76にコネクタ部材12を嵌合させる。カバー部材76とコネクタ部材12の嵌合は、実施形態1と同様に行われる。なお、詳細な説明は、実施形態1と共通するので省略する。以上で、カバー部材76とコネクタ部材12との嵌合が終了する。
【0129】
このとき、コネクタ部材12は、被取付部材162Aに対して略垂直となるように取り付けられるようになる。
【0130】
以上で、被取付部材162Aに取り付けられたカバー部材76へのコネクタ部材12の嵌合が終了する。
【0131】
このような構成とすることで、電線68により車両等の内部に設けられた装置等に繋がれたコネクタ部材12を、被取付部材に取り付ける場合に、取り付けやすい向きで取り付けることができるようになる。また、被取付部材162Aに孔部170が形成されているだけで、特別な形状を必要とせずにカバーユニットを取り付けることができるようになる。
【0132】
なお、実施形態2では、カバー部材76を被取付部材162Aへ取り付ける方向を、コネクタ部材12との嵌合方向に対して略水平方向とした場合と、略垂直方向とした場合と、について説明したが、これに限らず、被取付部材に対してコネクタ部材が取り付けしやすい方向となるように、カバー部材の取付部を形成するようにしてもよい。
【0133】
また、実施形態2では、カバー部材76の取付部を第1取付部104と第2取付部122の2つの場合を説明したが、これに限らず、被取付部材を異なる方向から挿入できる3つ以上の取付部を形成してもよい。
【0134】
また、実施形態2では、カバーユニット138を先に被取付部材162Aに取り付けた後、コネクタ部材12とカバー部材76を嵌合させているが、これに限らず、カバーユニットのカバー部材とコネクタ部材を先に嵌合させ、その後、カバーユニットの取付補助部材を被取付部材に取り付けるようにしてもよい。
【0135】
また、実施形態2では、被取付部材162Aの孔部170に取り付けるために取付補助部材140をカバー部材76と組み合わせたカバーユニット138を用いたが、これに限らず、カバー部材に取付補助部材に形成されたクリップ部と同様の構成を例えば各取付部が形成されている位置に直接形成し、カバー部材を被取付部材の孔部に取り付けることができるようにしてもよい。