【実施例】
【0013】
(プリント回路基板)
(第1実施例)
図1は、本発明の第1実施例に係るプリント回路基板を示す図である。
図1を参照すると、本発明の第1実施例に係るプリント回路基板1000は、メタル層510と、上部導体パターン層110と、下部導体パターン層210と、上部絶縁層120と、下部絶縁層220と、貫通ビアV1と、を含み、ソルダーレジスト層620をさらに含むことができる。
【0014】
メタル層510は、後述する上部及び下部導体パターン層110、210を構成する物質よりも相対的に剛性に優れた物質を含む。例として、メタル層510は、通常のプリント回路基板の導体パターンを形成するに使用される銅(Cu)よりも剛性に優れたインバー(Invar)を含むことができる。
【0015】
メタル層510は、インバーを含む3層構造を有することができる。例として、メタル層510は、インバーを含む内層511の両面に、銅(Cu)を含む外層512、513がそれぞれ形成された構造を有することができる。または、メタル層510は、銅を含む内層511の両面に、インバーを含む外層512、513がそれぞれ形成された構造を有することもできる。
貫通ホールHは、メタル層510を貫通する。貫通ホールHには、後述する貫通ビアV1が形成される。
【0016】
上部及び下部導体パターン層110、210は、メタル層510上にそれぞれ形成される。すなわち、上部導体パターン層110は、メタル層510の上部に形成され、下部導体パターン層210は、メタル層510の下部に形成される。上部及び下部導体パターン層110、210のそれぞれは、通常のプリント回路基板においての信号パターン、パワーパターン、グラウンドパターン及び外部接続端子のうちの少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0017】
上部導体パターン層110と下部導体パターン層210は、互いに形成位置のみが異なっている。よって、以下の本実施例に係るプリント回路基板1000の説明においては、上部導体パターン層110と下部導体パターン層210との区別が必要な場合を除き、導体パターン層と通称する。また、
図1に基づいて、上部導体パターン層110を第1導体パターン層と称し、下部導体パターン層210を第2導体パターン層と称する。
【0018】
導体パターン層110、210は、電気的特性に優れた銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)等で形成することができる。第1導体パターン層110及び第2導体パターン層210のパターン形状は、互いに同一であってもよく、設計上の必要によって互いに異なってもよい。
【0019】
上部絶縁層120は、メタル層510と第1導体パターン層110との間に形成され、下部絶縁層220は、メタル層510と第2導体パターン層210との間に形成される。
【0020】
上部絶縁層120と下部絶縁層220は、互いに形成位置のみが異なっている。よって、以下の本実施例に係るプリント回路基板1000の説明においては、上部絶縁層120と下部絶縁層220との区別が必要な場合を除き、絶縁層と通称する。また、
図1に基づいて、上部絶縁層120を第1絶縁層と称し、下部絶縁層120を第2絶縁層と称する。
以下の説明においては、説明の便宜上第1絶縁層120に対してのみ説明する。
【0021】
絶縁層120は、光硬化性樹脂を含み、光に反応する物質で形成された感光性絶縁層であることができる。または絶縁層120は、通常の層間絶縁物質であるプリプレグ(prepreg)またはABF(Ajinomoto Build−up Film)等の非感光性絶縁物質で形成されることもできる。
【0022】
感光性絶縁層120は、光により硬化度を調整することができる。ただし、感光性絶縁層220は、熱硬化性でもあるので、熱により硬化度を調整することもできる。
【0023】
感光性絶縁層120は、フォトリソグラフィ(photolithography) 工程が可能であるため、プリプレグ(prepreg)等の非感光性絶縁層にホールを加工する場合よりも微細なホールの実現が有利であり、一度のフォトリソグラフィ工程のみで複数のホールを同時に形成することができるので、ホールの形成工程を単純化することができる。
【0024】
また、感光性絶縁層120は、フォトリソグラフィ工程により、ホールの形状をより容易に様々な形状に形成することができる。例えば、ホールの縦断面形状は、逆台形、正台形、長方形等を有することができる。
【0025】
感光性絶縁層120は、ポジ型(positive type)またはネガ型(negative type)であることができる。ポジ型の感光性絶縁層120の場合、露光された部分の光重合体ポリマー結合が切れる。以後、現像工程を行うと、光を受けて光重合体ポリマー結合の切れた部分が除去される。ネガ型(negative type)の感光性絶縁層220の場合、露光された部分が光重合反応を起こし、単一構造から鎖構造の3次元綱状構造となり、現像工程を行うと、光を受けていない部分が除去される。
【0026】
感光性絶縁層120は、光硬化性樹脂に無機フィラーが含有されたものであってもよい。無機フィラーは、感光性絶縁層120の剛性を向上させ、熱膨脹係数を低減させる。
【0027】
無機フィラーとしては、シリカ(SiO
2)、アルミナ(Al
2O
3)、炭化ケイ素(SiC)、硫酸バリウム(BaSO
4)、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム(AlOH
3)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)
2)、炭酸カルシウム(CaCO
3)、炭酸マグネシウム(MgCO
3)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ホウ酸アルミニウム(AlBO
3)、チタン酸バリウム(BaTiO
3)及びジルコン酸カルシウム(CaZrO
3)から構成された群より選択された少なくとも1種以上を用いることができる。
【0028】
第1絶縁層120及び第2絶縁層220のそれぞれは、第1導体パターン層110及び第2導体パターン層210と共に、後述する第1及び第2の一般単位基板100、200に含まれる。すなわち、第1絶縁層120は、第1導体パターン層110と共に、後述する第1の一般単位基板100に含まれる。第1絶縁層120及び第2絶縁層220は、順次積層工法とは異なって、互いに分離して別に形成された後に一括的に同時に積層される。
【0029】
貫通ビアV1は、第1導体パターン層110と第2導体パターン層210とが互いに接続するように、第1絶縁層120、第2絶縁層220及び貫通ホールHに形成される。
【0030】
貫通ビアV1の両端は、それぞれ第1導体パターン層110及び第2導体パターン層210に接触され、第1導体パターン層110と第2導体パターン層210とを電気的に互いに接続する。
【0031】
貫通ビアV1は、低融点金属層20及び低融点金属層20の溶融点よりも高い溶融点を有する高融点金属層10を含む。
図1を参照すると、本実施例に適用される貫通ビアV1は、第1導体パターン層110及び第2導体パターン層210にそれぞれ形成された高融点金属層10と、高融点金属層10の間に介在され、貫通ホールHに形成される低融点金属層20とを含む。
【0032】
高融点金属層10は、電気的特性に優れ、低融点金属層20の溶融点よりも高い溶融点を有する銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)等で形成することができる。
【0033】
一例として、高融点金属層10及び導体パターン層110、210はすべて銅で形成することができ、この場合、両方とも同種物質で形成されるので、相互間の結合力が向上される。また、両方を互いに異なる物質で形成する場合に比べて、工程を単純化でき、コストを低減することができる。しかし、上述した例は、例示に過ぎず、本発明の範囲がこれに限定されることはない。
【0034】
低融点金属層20は、高融点金属層10の溶融点よりも溶融点が低い。低融点金属層20は、ソルダー材質で形成することができる。ここで、「ソルダー」とは、半田付けに使用可能な金属材料を意味し、鉛(Pb)を含む合金であってもよく、鉛を含まなくてもよい。
【0035】
例えば、ソルダーは、錫(Sn)、銀(Ag)、銅(Cu)またはこれらから選択された金属の合金であってもよい。具体的に、本発明の実施例で使用するソルダーは、ソルダー全体に対する錫(Sn)の含量が90%以上である錫、銀及び銅を成分として含む合金であることができる。
【0036】
低融点金属層20は、後述する単位基板100、200、500、600を一括積層する際に、少なくとも一部が溶融して単位基板100、200、500、600の間の圧力バラ付きを緩和することができる。
【0037】
低融点金属層20は、一括積層の際の温度及び圧力により、少なくとも一部が溶融するので、低融点金属層20は、高融点金属層10または導体パターン層110、210を構成する物質と容易に反応することができる。これにより、低融点金属層20と高融点金属層10または導体パターン層110、210との間には、金属間化合物層(Inter−Metallic Compound、IMC)が形成され得る。金属間化合物層により導体パターン層110、210の間の物理的結合力が向上する。
【0038】
絶縁層120,220は、貫通ホールHの内壁と貫通ビアV1との間を充填する。後述するように、絶縁層120,220は、一括積層前には半硬化状態(B−stage)を維持する。また、本実施例の場合、貫通ホールHの直径は貫通ビアV1の直径よりも大きく形成される。よって、一括積層の際に絶縁層120,220の流動性により絶縁層120,220は貫通ホールHの内壁と貫通ビアV1との間の空間を充填する。
【0039】
ソルダーレジスト層620は、導体パターン層110、210上に形成される。ソルダーレジスト層620は、導体パターン層110、210を外部から保護し、短絡(short)を防止するために電気絶縁性物質を含む。また、ソルダーレジスト層620は、感光性物質を含むことができ、剛性または熱膨脹係数を調整する必要性から無機フィラーを含むことができる。
ソルダーレジスト層620には、導体パターン層110、210のうち外部接続端子を外部に開放する開口を形成することができる。
【0040】
(第2実施例)
図2は、本発明の第2実施例に係るプリント回路基板を示す図である。
【0041】
図2を参照すると、本実施例に係るプリント回路基板2000は、メタル層510と、上部導体パターン層110と、下部導体パターン層210と、上部絶縁層120と、下部絶縁層220と、貫通ビアV1と、絶縁膜520と、を含み、ソルダーレジスト層620をさらに含むことができる。
【0042】
本実施例に係るプリント回路基板2000は、本発明の第1実施例に係るプリント回路基板1000に比べて、絶縁膜520及び貫通ビアV1が異なるので、本実施例を説明するに当たっては、本実施例に適用される絶縁膜520及び貫通ビアV1を中心にして説明する。
【0043】
絶縁膜520は、貫通ホールHの内壁と貫通ビアV1との間に形成される。より具体的には、絶縁膜520は、貫通ホールHの内壁を含むメタル層510の表面に形成される。
【0044】
絶縁膜520は、電気伝導性物質で構成されるメタル層510の表面に形成されることで、メタル層510と導体パターン層110、210との間の短絡(short)を防止する。
絶縁膜520は、ぺリレン等の絶縁物質をメタル層510に蒸着して形成可能であり、これに限定されることはない。
【0045】
絶縁膜520は、貫通ホールH内に、後述する導体フィラー30が形成されるように、非常に薄い厚を有する。貫通ホールHの内壁に絶縁膜520が形成されるので、貫通ホールH内には絶縁膜520により定義される貫通孔H'が形成される。
本実施例に適用される貫通ビアV1は、高融点金属層10、低融点金属層20及び導体フィラー30を含む。
【0046】
導体フィラー30は、貫通孔H'に形成される。導体フィラー30は、メッキにより形成されるか、導体ペーストで形成されることができる。導体フィラー30は、電気的特性に優れた銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)等で形成することができ、これに限定されることはない。
【0047】
導体フィラー30は、上述した低融点金属層20と同一の材質及び同一の方法により形成することができる。または導体フィラー30は、低融点金属層20とは異なる材質で形成することもできる。導体フィラー30と低融点金属層20の材質が互いに異なる場合は、導体フィラー30と低融点金属層20との間に金属間化合物層が形成されることができる。
【0048】
(第3実施例)
図3は、本発明の第3実施例に係るプリント回路基板を示す図である。
【0049】
図3を参照すると、本実施例に係るプリント回路基板3000は、メタル層510と、上部導体パターン層110と、下部導体パターン層210と、上部絶縁層120と、下部絶縁層220と、貫通ビアV1と、絶縁膜520と、層間ビアV2と、を含み、ソルダーレジスト層620をさらに含むことができる。
【0050】
本実施例に係るプリント回路基板3000は、本発明の第2実施例に係るプリント回路基板2000に比べて、層間ビアV2をさらに含み、上部導体パターン層110及び/または下部導体パターン層210の数が異なるので、本実施例を説明するに当たっては上記の差異点を中心に説明する。
【0051】
本実施例に適用される上部導体パターン層110及び/または下部導体パターン層210、310、410は、それぞれ複数形成される。このとき、上部導体パターン層110の数と下部導体パターン層210、310、410の数は、互いに異なってもよい。
【0052】
通常のプリント回路基板の場合、導体パターンの密度差及び絶縁材の密度差等により、基板の上部及び下部における剛性及び熱膨脹係数が互いに異なることがある。これにより、基板の上部または下部に反りが発生することがある。よって、本実施例の場合は、メタル層510を基板の反りが発生する領域に配置することで基板の反りを防止する。
図3は、基板の反りが上部側から発生する場合、メタル層510が基板の上部側に形成されたことを例示的に示す図である。
【0053】
図3では、上部導体パターン層110が単数形成され、下部導体パターン層210、310、410が複数形成されたことを示しているが、これは、例示に過ぎない。すなわち、上部導体パターン層110と下部導体パターン層210、310、410の数は、様々に変更することができる。
【0054】
一方、第3導体パターン層310及び第4導体パターン層410については、本発明の第1実施例に係るプリント回路基板で説明した導体パターン層110、210に対する説明を同様に適用することができる。
【0055】
層間ビアV2は、隣接している上部導体パターン層110同士を互いに接続させるか、隣接している下部導体パターン層210、310、410同士を互いに接続させる。
【0056】
図3には、層間ビアV2が、隣接している下部導体パターン層210、310、410を互いに接続させるために下部絶縁層220、320、420に形成されているが、上部導体パターン層110が複数形成される場合は、層間ビアV2は、隣接している上部導体パターン層110を接続させるために、上部絶縁層120に形成されることができる。
【0057】
(プリント回路基板の製造方法)
図4、
図5、及び
図8から
図18は、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造方法を順次示す図である。具体的に、
図4、
図5、及び
図8から
図18は、上述した本発明の第3実施例に係るプリント回路基板3000を製造するための例示的な製造方法を示している。
【0058】
具体的には、
図4及び
図5は、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造方法に適用されるメタル単位基板の製造工程を順次示す図であり、
図8から
図13は、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造方法に適用される一般単位基板の製造工程を順次示す図であり、
図14から
図16は、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造方法に適用される保護単位基板の製造工程を順次示す図であり、
図17及び
図18は、
図3、
図4、
図6、及び
図8から
図16により製造されたメタル単位基板、一般単位基板及び保護単位基板を一括的に積層することを示す図である。
図6及び
図7は、それぞれメタル単位基板の変形例を示す図である。
【0059】
以下では、メタル単位基板の製造工程、一般単位基板の製造工程及び保護単位基板の製造工程を順次説明し、その後複数の単位基板を積層する工程を説明する。また、メタル単位基板、一般単位基板及び保護単位基板を区別する必要がない限り、単位基板と通称する。
【0060】
(メタル単位基板の製造方法)
図4及び
図5は、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造方法に適用されるメタル単位基板の製造工程を順次示す図である。
【0061】
先ず、
図4を参照すると、内層板511'の両面に外層板512'、513'が形成されたメタル原板MPを準備する。
【0062】
内層板511'、外層板512'、513'及びメタル原板MPは、それぞれ後続工程により、本発明の第1実施例から第3実施例に係るプリント回路基板1000、2000、3000で説明した内層511、外層512及びメタル層510となる構成である。
【0063】
内層板511'は、インバーを含むことができ、外層板512'、513'は、銅(Cu)を含むことができる。外層板512'、513'は、内層板511'の両面にそれぞれフィルム状に積層されるか、電解メッキにより形成されることができる。
その後、
図5を参照すると、メタル原板MPに貫通ホールHを加工した後に、絶縁膜520を形成する。
【0064】
メタル層510は、メタル原板MPを選択的に除去して貫通ホールHを形成することで得られる。メタル原板MPの一部を選択的に除去する方法としては、化学的エッチング法、レーザードリリング法、または機械的ドリリング法のうちの少なくともいずれか一つを用いることができる。
【0065】
絶縁膜520は、貫通ホールHの内壁を含むメタル層510の表面に沿って形成される。このとき、絶縁膜520の厚さは、貫通ホールHの直径の半分よりも小さい値を有するので、貫通ホールH内に貫通孔H'が形成される。すなわち、貫通孔H'は、貫通ホールH内に形成され、絶縁膜520により定義される。
【0066】
絶縁膜520は、メタル層510にぺリレン等の絶縁物質を蒸着することにより形成可能であるが、これに限定されるものではない。他の例として、メタル層510の表面をすべてカバーする絶縁材をメタル層510に形成した後に、貫通ホールH内に貫通孔H'を形成するために、絶縁材の一部を除去することで絶縁膜520を形成することが可能である。
【0067】
図6及び
図7は、本実施例に適用されるメタル単位基板の変形例を示す図である。
図6及び
図7は、本発明の第1実施例及び第2実施例に係るプリント回路基板1000、2000のそれぞれに適用されるメタル単位基板500'、500''を示す。
【0068】
第1実施例に係るプリント回路基板1000に適用されるメタル単位基板500'においては、貫通ホールHの内壁と貫通ビアV1との間の空間を絶縁層120,220で充填する。これにより、
図4及び
図5で説明したメタル単位基板500とは異なって、絶縁膜520が形成されない。
【0069】
第2実施例に係るプリント回路基板2000に適用されるメタル単位基板500''においては、
図4及び
図5で説明したメタル単位基板500と類似であるものの、貫通孔H'内を導体フィラー30で充填する。
【0070】
(一般単位基板の製造方法)
図8から
図13は、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造方法に適用される一般単位基板の製造工程を順次示す図である。
【0071】
先ず、
図8を参照すると、第1キャリアC1の両面に第1金属箔F1、F1'をそれぞれ形成する。第1キャリアC1は、要求される剛性を有する金属材、無機材または有機材のうちのいずれか1種で形成することができる。
第1金属箔F1、F1'は、銅泊であってもよく、他の伝導性金属を含むものであってもよい。
【0072】
第1金属箔F1、F1'は、フィルム状で第1キャリアC1の両面に積層形成されることができ、メッキ工程により第1キャリアC1の両面に形成されることもできる。
【0073】
その後、
図9を参照すると、第1金属箔F1、F1'に選択的に第1導体パターン層110を形成する。第1導体パターン層110は、第1金属箔F1、F1'をシード層とするMSAP(Modified Semi−Additive Process)法を用いて形成することができる。
【0074】
第1導体パターン層110は、第1金属箔F1、F1'上に第1導体パターン層110と逆パターンを有するメッキレジストを形成し、その後、電解メッキを行い、電解メッキ完了後にメッキレジストを除去することで形成することができる。
【0075】
一方、上述の例では、通常の回路パターン形成工法中、MSAP法に限定して説明したが、周知のSubstractive法、Full−Additive法またはSemi−Additive法のうちのいずれか一つの方法を用いて第1導体パターン層110を形成することもできる。
【0076】
次に、
図10を参照すると、第1導体パターン層110上に第1絶縁層120を形成する。
第1絶縁層120には、第1導体パターン層110のうちの一部を選択的に外部に露出させる開口部を形成する。開口部は、フォトリソグラフィ工法を用いて形成することができる。すなわち、第1導体パターン層110の全面に感光性絶縁物質の第1絶縁層120を形成し、その後に選択的露光及び現像を行って開口部を形成することができる。また、開口部は、レーザードリリングにより形成することもできる。
【0077】
第1絶縁層120は、真空ラミネートを用いて第1導体パターン層110にラミネートされることができる。ただし、ラミネートされ、選択的露光工程を経た第1絶縁層120は、一括積層時まで後硬化工程を経ないので、半硬化状態(B−stage)にある。例として、選択的露光工程を経た第1絶縁層120は、完全硬化状態(C−stage)対比10〜20%の硬化度を有することができる。
【0078】
一方、必要によって、第1絶縁層120は、別途の工程により、完全硬化状態(C−stage)対比50%の硬化度を有するように半硬化することができる。別途の半硬化工程としては、開口を形成するためのフォトリソグラフィ工程に使用されるUV光を用いて行われることができる。しかし、この場合であっても、第1絶縁層120は、一括積層前には完全硬化されない。
【0079】
次に、
図11を参照すると、第1絶縁層120の開口部に高融点金属層10と低融点金属層20を順次形成する。第1の一般単位基板100の高融点金属層10及び低融点金属層20は、第2の一般単位基板(
図17の200)の高融点金属層10及び低融点金属層20と共に一括積層後に貫通ビアV1を形成する。
【0080】
高融点金属層10は、電解メッキにより形成される。電解メッキの場合、異方性または等方性メッキをすべて含む。高融点金属層10は、銅電解メッキにより形成され、銅(Cu)を含むことができる。高融点金属層10を電解メッキにより形成するに当たって、シード層として第1導体パターン層110を用いることができる。またはシード層として、第1導体パターン層110ではなく、別途の工程により形成したものを用いることもできる。
【0081】
低融点金属層20は、i)低融点金属、例えば、ソルダー等の低融点金属を選択的にメッキするか、ii)ソルダーペースト等の低融点金属ペーストを選択的に塗布し、その後低融点金属ペーストを乾燥することにより形成することができる。ソルダーまたはソルダーペーストは、錫、銀、銅またはこれらから選択された金属の合金を主成分とすることができる。また、本発明で使用するソルダーペーストにはフラックス(flux)が含まれなくてもよい。ソルダーペーストは、相対的に高い温度(ex.800℃)で固まる焼結型と相対的に低い温度(ex.200℃)で固まる硬化型がある。本実施例で使用するソルダーペーストは、ソルダーペーストの硬化時に第1絶縁層220の完全硬化を防止するために相対的に低い温度で固まる硬化型を用いることができる。
【0082】
低融点金属ペーストは、比較的高い粘性を有するものであることができ、高融点金属層10上に形成された後にその形状を維持することができる。また、低融点金属ペーストは、低融点金属粒子を有し、このような粒子により低融点金属ペーストが固まって形成された低融点金属層20の表面は、でこぼこになることがある。
次に、
図12を参照すると、低融点金属層20及び第1絶縁層120をカバーするカバーフィルムCFを形成する。
【0083】
カバーフィルムCFは、一般単位基板100、200、300、400を外部から保護する。具体的には、カバーフィルムCFは、一般単位基板100、200、300、400に結合しており、一括積層工程の直前にそれぞれの一般単位基板100、200、300、400から分離される。
【0084】
次に、
図13を参照すると、第1金属箔F1、F1'から第1キャリアC1を分離し、第1金属箔F1、F1'を除去した後にカバーフィルムCFを除去することで、第1の一般単位基板100が得られる。第1金属箔F1、F1'は、化学的エッチングにより除去可能であり、これに限定されることはない。
【0085】
一方、
図8から
図13には、第1キャリアC1の両面それぞれに第1の一般単位基板100が形成されることを示しているが、第1キャリアC1の一面にのみ第1の一般単位基板100を形成することも可能である。また、第1キャリアC1の一面には第1の一般単位基板100を形成し、第1キャリアC1の他面には第2の一般単位基板200等他の一般単位基板を形成することも可能である。
【0086】
また、上述した例では、第1の一般単位基板100のみを基準にして説明したが、第2の一般単位基板200、第3の一般単位基板300及び第4の一般単位基板400も第1の一般単位基板100の製造方法により製造可能である。
【0087】
(保護単位基板の製造方法)
図14から
図16は、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造方法に適用される保護単位基板の製造工程を順次示す図である。
先ず、
図14を参照すると、第2キャリアC2の両面に第2金属箔F2、F2'をそれぞれ形成する。
【0088】
第2キャリアC2は、要求される剛性を有する金属材、無機材または有機材のうちのいずれか1種により形成することができる。第2金属箔F2、F2'は、銅泊であってもよく、他の伝導性金属を含むものであってもよい。第2金属箔F2、F2'は、フィルム状に第2キャリアC2の両面に積層して形成することができ、メッキ工程により第2キャリアC2の両面に形成することもできる。
【0089】
次に、
図15を参照すると、第2金属箔F2、F2'上にソルダーレジスト層620を形成する。
【0090】
ソルダーレジスト層620には、第2金属箔F2、F2'の一部を選択的に外部に露出させる開口部が形成される。開口部は、フォトリソグラフィ工法を用いて形成することができる。すなわち、第2金属箔F2、F2'の全面に感光性絶縁物質のソルダーレジストを形成した後、ソルダーレジストを選択的露光及び現像することで、開口部を形成することができる。また、開口部は、レーザードリリングにより形成することもできる。
ソルダーレジスト層620は、真空ラミネートを用いて第2金属箔F2、F2'にDFRフィルムを積層して形成することができ、これに限定されることはない。
【0091】
次に、
図16を参照すると、第2金属箔F2、F2'から第2キャリアC2を除去することにより、保護単位基板600が得られる。このとき、示されていないが、第2キャリアC2を容易に除去し、保護単位基板600を一括積層時まで支持及び保護するために、保護単位基板600にカバーフィルムCFを積層することができる。このカバーフィルムCFについては上述したので説明を省略する。
【0092】
(単位基板を一括積層するステップ)
図17及び
図18は、
図3、
図4、
図6及び
図8から
図16により製造されたメタル単位基板、一般単位基板及び保護単位基板を一括的に積層することを示す図である。
【0093】
図17を参照すると、複数の単位基板100、200、300、400、500、600を上下に配置し、これらを一括的に積層する。このとき、複数の単位基板100、200、300、400、500、600のそれぞれに形成された位置合わせマークを用いて複数の単位基板100、200、300、400、500、600を位置合わせし、V−press積層機等を用いて高温圧着してすべての層を一括的に接合する。
【0094】
一括積層時の温度は、180〜200℃に設定し、プレス圧力を30〜50kg/cm2に設定することが可能であり、これに限定されず、一括積層時の温度及び圧力は、第1絶縁層から第4絶縁層120、220、320、420の成分または低融点金属層20の成分等に応じて異ならせて設定することが可能である。特に、一括積層時の温度は、低融点金属層20の溶融点以上であればよい。
【0095】
一括積層時に、低融点金属層20が溶融されながら、隣合う導体パターン層110、210、310、410を接合させることができる。この場合、一括積層後に低融点金属層20の広がりにより、低融点金属層20の上部断面積と低融点金属層20の下部断面積とは互いに異なる大きさに形成され得る。
また、半硬化状態にあった第1絶縁層から第4絶縁層120、220、320、420は、一括積層時の温度及び圧力により完全硬化される。
【0096】
次に、
図18を参照すると、保護単位基板600のそれぞれに残っている第2金属箔F2、F2'を除去してソルダーレジスト層620を外部に露出させる。第2金属箔F2、F2'は、化学的エッチングによりソルダーレジスト層620から除去されるか、物理的な剥離により除去されることができる。
【0097】
一方、
図17及び
図18には、ソルダーレジスト層620が第1導体パターン層110及び第4導体パターン層410上にそれぞれ形成されているが、これとは異なって、保護単位基板600を第1の一般単位基板100または第4の一般単位基板400のうちのいずれか一つに配置することで、第1導体パターン層110または第4導体パターン層410のうちのいずれか一つにのみソルダーレジスト層620を形成することができる。
【0098】
以上、本発明の一実施例について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載した本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更または削除等により本発明を多様に修正及び変更することができ、これも本発明の権利範囲内に含まれるものといえよう。