【解決手段】材料捕集装置100は、バキューム装置30と、バキューム装置30が吸引する混合気体から材料である活性炭Gを分離する遠心分離機構5と、遠心分離機構5の内部と外部とを連通させる排出管13と、排出管13の排出口13aを開閉可能に被覆する排出口開閉弁11と、排出管13の内部の、排出管13の内径よりも小さい径の回動弁12と、排出口開閉弁11と回動弁12とを接続する接続部材14とを備え、排出口13aが閉状態の時、排出口開閉弁11の上の活性炭Gが所定量以上になると排出口開閉弁11は開方向D1に回動し、排出口13aが開状態の時、負圧の影響を受ける回動弁12の回動により排出口開閉弁11は閉方向D3に回動する。
前記回動弁の径の大きさR2は、前記排出管の前記延長方向における前記排出口開閉弁の前記回動中心から前記回動弁の前記回動中心までの高さHよりも小さい請求項2に記載の材料捕集装置。
前記回動弁の径の大きさR2は、前記排出管の前記延長方向における前記排出口開閉弁の前記回動中心から前記回動弁の前記回動中心までの高さHよりも大きい請求項2に記載の材料捕集装置。
前記遠心分離機構には、前記材料が遠心分離された後の前記混合気体が排気される排気管が接続され、前記排気管には前記混合気体に残留する前記材料をさらに遠心分離する別の遠心分離機構が接続される請求項1〜4のいずれか一項に記載の材料捕集装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る材料捕集装置100の構成を
図1〜6に示す。なお、以下の説明において、材料捕集装置100は、捕集対象である材料としての活性炭の粒子又は粉末が空気に混合した混合気体から、活性炭を分離して捕集する装置であるものとする。
図1に示すように、材料捕集装置100は、材料捕集機構10と、材料捕集機構10の下部に接続される排出管13とを有する。排出管13の排出口13aには排出口開閉弁11が回動可能に設けられ、排出管13の内側には回動弁12が回動可能に設けられている。排出口開閉弁11と回動弁12とは接続部材14によって連動して回動可能に接続される。また、材料捕集機構10には吸気管20a及び排気管20bが接続されている。さらに、材料捕集機構10は、排気管20bを介してバキューム装置30と連通している。すなわち、活性炭が混合した混合気体は、バキューム装置30の駆動によって材料捕集機構10の内部に吸引されて遠心分離される。そして、混合気体から分離された活性炭Gは排出管13に落下する。
【0015】
材料捕集機構10の詳細な構造を
図2、3及び6を参照して説明する。
図2及び3に示すように、材料捕集機構10は、まず吸気管20a及び排気管20bが接続される遠心分離機構5を有している。遠心分離機構5は、略円筒形状の外円筒部15と、外円筒部15の径方向内側に設けられる略円筒形状の内円筒部17とを有する。吸気管20aは外円筒部15の側面に接続されており、排気管20bは内円筒部17の上部に接続されている。吸気管20aには、遠心分離機構5の外円筒部15の内部に連通する流入口21aが形成される。また、排気管20bには、遠心分離機構5の内円筒部17の内部に連通する流出口21bが形成されている。そして、吸気管20aの流入口21aから流入した混合気体は、外円筒部15と内円筒部17との間で高速回転し、混合気体に含まれる活性炭は遠心分離される。外円筒部15の半径は、混合気体に含まれる活性炭の質量によって決まる。また、外円筒部15の長さは、吸気管20aから流入した混合気体が1回転程度回転することができる長さとする。さらに、内円筒部17の半径は、混合気体に含まれる活性炭の質量及び活性炭の粒子の大きさによって決められる。また、遠心分離された後の混合気体が内円筒部17を通って排気管20bに流入しやすくなるよう、内円筒部17の長さは外円筒部15の長さよりも短くなっている。
【0016】
また、材料捕集機構10は、遠心分離機構5の下部に、外円筒部15よりも径が大きい略円筒形状の減速管16を有している。さらに、減速管16の下には、減速管16よりも径が小さい略円筒形状の排出管13が接続される。また、排出管13の下部には外部に対して開放可能な排出口13aが形成される。すなわち、排出口13aが開状態であれば、排出管13は減速管16を介して遠心分離機構5の内部と外部とを連通させる。
【0017】
図2に示すように、排出管13の排出口13aには、略円盤形状の排出口開閉弁11が第一ヒンジ18を介して回動可能に設けられている。排出口開閉弁11の直径R1は排出管13の内径Rcよりも大きい。また、排出口開閉弁11は第一ヒンジ18の軸、すなわち回動中心11aを中心に回動することにより、排出管13の排出口13aを適宜、閉鎖又は開放することができる。すなわち、排出口開閉弁11は排出管13の排出口13aを開閉可能に被覆する。また、排出口開閉弁11はイソプレンゴムと薄いプラスチック板とを貼り合わせたものによって形成される。具体的には、排出口開閉弁11の上面11d、すなわち排出口13aに接する面にはイソプレンゴムを用いて密閉性を高くし、イソプレンゴムの下面側にプラスチック板を貼り付けることで排出口開閉弁11の変形が防止される。なお、排出口開閉弁11の材料はこれに限定されず、軽量で、変形し難く、排出口13aを閉状態とした時に排出口13aとの間で密閉性が保てる材料によって形成されていればよい。また、排出口開閉弁11の重量は、バキューム装置30の吸込み風量及び馬力に応じて適宜設定される。
また、遠心分離機構5、減速管16及び排出管13とは、洗浄がしやすいように互いに分離可能に接続されている。
さらに、以下の説明において、排出管13が延長する方向をY方向とする。
【0018】
図6に示すように、排出管13の内側には、第一ヒンジ18のY方向上側において第二ヒンジ19が取り付けられている。そして、排出管13の内側には、この第二ヒンジ19を介して略円盤形状の回動弁12が回動可能に設けられている。なお、
図2に示すように、回動弁12の回動中心12aは第二ヒンジ19の軸であり、排出口開閉弁11の回動中心11aに対してY方向に距離H1を隔てて位置している。すなわち、Y方向における排出口開閉弁11の回動中心11aから回動弁12の回動中心12aまでの高さH=H1である。さらに、回動弁12の直径R2は排出管13の内径Rcよりもやや小さく、具体的には、回動弁12の直径R2は排出管13の内径Rcの95%の大きさである。また、回動弁12は軽量で変形しない部材であり、具体的には、プラスチック又はアクリルで形成される。なお、軽量かつ変形しない材料であればこれに限定されず、回動弁12はその他の材料で形成されてもよい。また、回動弁12の重量は、バキューム装置30の吸込み風量及び馬力に応じて適宜設定される。
また、回動弁12の径の大きさR2は、Y方向における排出口開閉弁11の回動中心11aから回動弁12の回動中心12aまでの高さH、すなわちH1よりも小さく、R2<H1の関係を満たす。
【0019】
また、排出口開閉弁11の上面11dには薄い帯形状の接続部材14の一端が接続されている。ここで、排出口開閉弁11の上面11dにおいて、接続部材14の端部が接続されている箇所を第一接続部11bとする。第一接続部11bは排出口開閉弁11の外縁よりも内側に設けられるとともに、回動中心11aとは排出口開閉弁11の中心を挟んで反対側に位置するように設けられている。
また、接続部材14の他端は回動弁12の外縁部分に接続される。ここで、回動弁12の外縁部分において、接続部材14の他端が接続されている箇所を第二接続部12bとする。第二接続部12bは、回動中心12aとは回動弁12の中心を挟んで反対側に位置するように設けられている。
【0020】
ここで、接続部材14の長さL=L1である。また、排出口開閉弁11の回動中心11aと第一接続部11bとの間の長さをV1とする。さらに、回動弁12の回動中心12aと第二接続部12bとの間の長さをV2とする。ここで、第二接続部12bは回動弁12の外縁部分に設けられているため、長さV2は回動弁12の直径R2に等しくなっている。
そして、排出口開閉弁11の回動中心11aと第一接続部11bとの距離V1、回動弁12の回動中心12aと第二接続部12bとの距離V2、回動中心11aから回動中心12aまでの高さH1及び接続部材14の長さL1は、(V2+L1)<(V1+H1)の関係を満たしている。
【0021】
次に、
図1〜6を用いて、材料捕集装置100の動作について説明する。
まず、バキューム装置30が駆動して、外部の混合気体が吸気管20aの流入口21aを介して材料捕集機構10の遠心分離機構5の内部に吸引される。遠心分離機構5の内部に流入した混合気体は、外円筒部15と内円筒部17との間で
図3に示すように1回転以上高速回転し、活性炭が遠心分離される。そして、活性炭が分離された後の空気は、内円筒部17の内側を流通し、流出口21bを介して排気管20bに流入してバキューム装置30に吸引される。
【0022】
一方、遠心分離機構5で分離された活性炭は回転しながら下方の減速管16の内部に移動する。減速管16は遠心分離機構5の外円筒部15よりも径が大きいため、活性炭の回転速度は遅くなり、活性炭に働く遠心力が弱まる。そのため、分離された活性炭はスムーズに排出管13の内部に案内され落下する。そして、活性炭Gは排出口開閉弁11の上面11dの上に溜まっていく。ここで、遠心分離機構5に流入する混合気体はバキューム装置30に吸引されているため、排出管13及び材料捕集機構10の内部は負圧となっている。従って、排出口開閉弁11は上方向に吸引されるとともに排出口13aを閉鎖する。一方、排出口開閉弁11の上に貯留される活性炭Gが一定量以上に達すると、排出口開閉弁11は活性炭Gの重さによって、
図4に示すように、開方向D1、すなわち排出口13aを開状態とする方向に回動する。これとともに、回動弁12も接続部材14を介して排出口開閉弁11に引っ張られ、開方向D2に回動する。ここで、(V2+L1)<(V1+H1)の関係により、排出口開閉弁11は、回動弁12及び接続部材14の張力によって完全には開き切らず、排出口13aとの間に所定の角度Θ1をなした状態で一旦停止する。
【0023】
そして、排出管13の内部に貯留されていた活性炭Gは、排出口13aが開状態になると排出口開閉弁11の上面11dの上を滑り落ちて、排出口13aの下部に設けられた容器(図示せず)に落下する。また、排出管13及び材料捕集機構10の内部は負圧となっているため、排出口13aが開状態となっている間は、外部の空気が排出口13aを介して排出管13及び材料捕集機構10の内部へと流入する。具体的には、
図5に示すように、外部の空気は、排出口13aを介して排出管13に流入した後(矢印A1)、回動弁12と排出管13の内周面との間の隙間を流通して(矢印A2)、減速管16に向かって流れ込む(矢印A3)。その際、矢印A4に示すような気流を下面に受けて、回動弁12は閉方向D4に回動する。すなわち、回動弁12は、材料捕集機構10の遠心分離機構5の内部に生じる負圧によって回動する。これに伴い、接続部材14に引っ張られて排出口開閉弁11も閉方向D3、すなわち排出口13aを閉状態とする方向に回動し、排出管13の排出口13aを再び閉鎖する。
【0024】
このように、材料捕集装置100は、あらかじめ容器に収納されていたり、作業場所に散乱していたりする活性炭を空気とともに吸引した上で遠心分離して捕集する。よって、容器や作業場所にあった活性炭は、材料捕集装置100に吸引され、排出管13を介して外部に取り出されるとともに別の容器に移し替えられる。すなわち、活性炭は材料捕集装置100によって移送され、これにより、容器内の活性炭の取り換えや交換が可能となる。
【0025】
以上より、この実施の形態1に係る材料捕集装置100では、排出管13の内部に排出管13の内径よりも小さい径を有する回動弁12が回動可能に設けられる。これにより、排出口開閉弁11が開状態にある時は、遠心分離機構5の内部の負圧によって生じる気流が回動弁12と排出管13との間を流通して上昇するとともに、回動弁12を押し上げて閉方向D4に回動させる。そして、排出口開閉弁11も接続部材14を介して回動弁12の回動に連動して閉方向D3に回動する。従って、貯留された活性炭Gの重みによって開方向D1に回動して排出口13aを開放した排出口開閉弁11は、自動的に閉方向D3に回動して再び排出口13aを閉鎖することができる。従って、排出管13内部に貯留された活性炭Gを外部に取り出す際であっても、排出口13aの開閉に作業員による操作は不要である。また、バキューム装置30の駆動を一時停止させずに活性炭Gの取り出し作業を行うことができるため、作業効率が向上する。
【0026】
また、Y方向における回動中心11aから回動中心12aまでの高さH1、排出口開閉弁11の回動中心11aと第一接続部11bとの距離V1、回動弁12の回動中心12aと第二接続部12bとの距離V2及び接続部材14の長さL1は、(V2+L1)<(V1+H1)の関係を満たしている。そのため、
図4に示すように、排出口開閉弁11は、回動弁12及び接続部材14の張力によって、排出口13aとの間に所定の角度Θ1をなした状態で一旦停止する。すなわち、排出口開閉弁11及び回動弁12は完全には開き切った状態にはならない。従って、回動弁12の下面は、遠心分離機構5の内部の負圧による気流A4を受けやすく、より迅速に閉方向D4に回動しやすい。そして、排出口開閉弁11も、回動弁12と連動してより迅速に閉方向D3に回動し、排出口13aを閉鎖しやすくなる。
【0027】
また、回動弁12の径の大きさR2が、排出口開閉弁11の回動中心11aから回動弁12の回動中心12aまでの高さH1よりも小さいことにより、排出口開閉弁11は回動弁12及び接続部材14の張力によって、よりY方向上向きに引っ張りあげられる。そのため、排出口13aが閉鎖される時は、排出口開閉弁11は迅速に閉方向D3に回動し排出口13aを閉鎖しやすい。従って、遠心分離機構5の内部を負圧の状態に保ちやすく、排出口13aの開閉によって遠心分離機構5の遠心分離作用が低下してしまう事態を防止することができる。また、回動弁12が開方向D2に回動した場合であっても、回動弁12が排出管13の排出口13aから外に出ることがなく、常に排出管13の内部に位置しているため、遠心分離機構5の内部の負圧による気流A4の影響をより受けやすい。従って、回動弁12が閉方向D4にさらに回動しやすく、排出口開閉弁11も閉方向D3に回動してさらに迅速に排出口13aを閉鎖しやすくなる。
【0028】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る材料捕集装置200の構成を
図7〜10に示す。なお、
図1〜6の参照符号と同一の符号は同一又は同様の構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
図7に示すように、Y方向における排出口開閉弁11の回動中心11aから回動弁12の回動中心12cまでの高さH-=H2である。ここで、回動弁12の径の大きさR2は、Y方向における排出口開閉弁11の回動中心11aから回動弁12の回動中心12cまでの高さH、すなわちH2よりも大きく、R2>H2の関係を満たす。そのため、排出口開閉弁11が閉状態の時、回動弁12の外縁部分は第二接続部12bを介して排出口開閉弁11の上面11dに当接している。
【0029】
排出口開閉弁11の上面11dには薄い帯形状の接続部材214の一端が接続されている。また、接続部材214の長さL=L2である。ここで、排出口開閉弁11の上面11dにおいて、接続部材214の一端は第一接続部11bに接続される。また、接続部材214の他端は回動弁12の外縁部分の第二接続部12bに接続される。
【0030】
また、排出口開閉弁11の回動中心11aと第一接続部11bとの距離V1、回動弁12の回動中心12cと第二接続部12bとの距離V2、回動中心11aから回動中心12cまでの高さH2及び接続部材214の長さL2は、(V2+L2)<(V1+H2)の関係を満たしている。
【0031】
次に、
図7〜10を用いて、材料捕集装置200の動作について説明する。
材料捕集装置100と同様に、材料捕集装置200の材料捕集機構10で分離された材料である活性炭Gは排出管13の内部に落下する。そして、活性炭Gは、排出管13の内部で斜めになった回動弁12の上面を滑り落ちるため、排出口開閉弁11の上面11dのうち、回動弁12の上面と排出管13の内周面との間の領域Pに集中的に貯留される。そして、排出口開閉弁11の上に貯留される活性炭Gが一定量以上に達すると、排出口開閉弁11は活性炭Gの重さによって、
図8に示すように、開方向D1に回動する。これとともに、回動弁12も接続部材214を介して排出口開閉弁11に引っ張られ、開方向D2に回動する。ここで、(V2+L2)<(V1+H2)の関係により、排出口開閉弁11は、回動弁12及び接続部材214の張力によって完全には開き切らず、排出口13aとの間に所定の角度Θ2をなした状態で一旦停止する。なお、この時の排出口開閉弁11と排出口13aとの角度Θ2は、
図4に示す材料捕集装置100の排出口開閉弁11と排出口13aとの角度Θ1よりも大きい。
【0032】
そして、排出管13の内部に貯留されていた活性炭Gは、排出口13aが開状態になると、排出口開閉弁11の上面11dの上を滑り落ちて、外部に取り出される。また、
図9に示すように、外部の空気は、排出口13aを介して排出管13に流入した後(矢印A5)、回動弁12と排出管13の内周面との間の隙間を流通して(矢印A6)、減速管16に向かって流れ込む(矢印A7)。その際、矢印A8に示すような気流を下面に受けて、回動弁12は閉方向D4に回動する。これに伴い、接続部材214に引っ張られて排出口開閉弁11も閉方向D3に回動し、排出管13の排出口13aを再び閉鎖する。
【0033】
以上より、この実施の形態2に係る材料捕集装置200では、材料捕集装置100と同様に、排出管13の内部に排出管13の内径よりも小さい径を有する回動弁12が回動可能に設けられる。これにより、排出口開閉弁11は、上面11dに貯留される活性炭Gの重さにより開方向D1に回動して排出口13aを開放した後、気流A8を受けて閉方向D4に回動する回動弁12に引っ張られることにより閉方向D3に回動し、再び排出口13aを閉鎖する。従って、排出口13aの開閉に作業員の操作を必要とせず、材料捕集装置200によって遠心分離された活性炭Gを自動的に外部に取り出すことができる。また、材料捕集装置100と同様に、バキューム装置30の駆動を一時停止させずに活性炭Gの取り出し作業を行うことができる。
【0034】
また、Y方向における回動中心11aから回動中心12cまでの高さH2、排出口開閉弁11の回動中心11aと第一接続部11bとの距離V1、回動弁12の回動中心12cと第二接続部12bとの距離V2及び接続部材214の長さL2は、(V2+L2)<(V1+H2)の関係を満たしている。そのため、
図8に示すように、排出口開閉弁11は、回動弁12及び接続部材214の張力によって、排出口13aとの間に所定の角度Θ2をなした状態で一旦停止する。従って、
図9に示すように、材料捕集装置100と同様、回動弁12の下面は、遠心分離機構5の内部の負圧による気流A8を受けやすく、より迅速に閉方向D4に回動しやすい。また、排出口開閉弁11も、回動弁12と連動してより迅速に閉方向D3に回動し、排出口13aを閉鎖しやすくなる。
【0035】
また、回動弁12の径の大きさR2が、排出口開閉弁11の回動中心11aから回動弁12の回動中心12cまでの高さH2よりも大きいことにより、排出口開閉弁11が排出口13aを閉鎖している時は、回動弁12の外縁部分は排出口開閉弁11に当接する。この時、回動弁12は斜めに傾斜した状態であるため、排出管13の内部に落下した活性炭Gは回動弁12の上面を滑り落ちて、回動弁12の上面と排出管13の内周面との間の領域Pに集中的に貯留される。そのため、排出口開閉弁11は、回動弁12から受ける重みと、領域Pに貯留された活性炭Gの重みとを受けて開方向D1により回動しやすくなる。そのため、活性炭Gの取り出し作業をよりスムーズに行うことができる。
また、排出口13aが開状態の時は、排出口開閉弁11は排出口13aとの間に所定の角度Θ2をなした状態で一旦停止するが、回動中心11aから回動中心12cまでの高さH2が、回動弁12の直径R2よりも小さいため、角度Θ2は角度Θ1よりも大きくなる。従って、排出口開閉弁11は排出口13aに対してより大きく開くため、排出管13に貯留された活性炭Gをより取り出しやすくなる。
【0036】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る材料捕集装置300の構成を
図11に示す。なお、
図1〜10の参照符号と同一の符号は同一又は同様の構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
遠心分離機構5に接続される排気管20bの下流側には、第二材料捕集機構50が接続される。第二材料捕集機構50は、略円筒形状の第二遠心分離機構55と、第二遠心分離機構55の下に設けられる略円筒形状の減速管56とを有する。減速管56の径の大きさは、第二遠心分離機構55の径の大きさよりも大きい。また、第二遠心分離機構55は、略円筒形状の外円筒部45と、外円筒部45の径方向内側に設けられる内円筒部47とを有する。排気管20bは外円筒部45の側面に接続されている。また、内円筒部47の上部には第二排気管31が接続されている。さらに、第二排気管31は下流側においてバキューム装置30に接続される。
【0037】
材料捕集機構10の遠心分離機構5の内部で材料である活性炭を遠心分離された混合気体は、排気管20bを流通して、第二材料捕集機構50の第二遠心分離機構55の内部に流入する。流入した混合気体は、第二遠心分離機構55の外円筒部45と内円筒部47との間で高速回転し、材料捕集機構10で分離し切れずに残っている活性炭が遠心分離される。そして、混合気体から活性炭が分離された後の空気は、内円筒部47の内側を流通し、第二排気管31に流入してバキューム装置30に吸引される。一方、第二遠心分離機構55で分離された活性炭は回転しながら下方の減速管56の内部に移動する。減速管56の内部では活性炭の回転速度が遅くなり、活性炭に働く遠心力が弱まるため、活性炭は減速管56の底部に落下して貯留される。
【0038】
以上より、この実施の形態3に係る材料捕集装置300では、材料捕集機構10の排気管20bに第二の遠心分離機構55が接続され、遠心分離機構5で活性炭が分離された混合気体を第二遠心分離機構55でさらに遠心分離することができる。ここで、材料捕集装置100,200と同様に、材料捕集装置300でも、排出口開閉弁11が自動的に開閉することにより、排出管13に貯留される活性炭を自動的に外部に取り出すことができる。そして、バキューム装置30を駆動させたまま排出口13aが開状態となった時、遠心分離機構5の内部は外部と連通するため、遠心分離機構5の内部は一時的に負圧が低くなり、それに伴って遠心分離作用も一時的に低下する可能性がある。従って、遠心分離機構5で遠心分離された後の混合気体であっても活性炭が完全に分離されずに残ってしまうことがあるが、排気管20bの下流側に別の遠心分離機構55が接続されていることにより、混合気体から確実に活性炭を分離することができる。
【0039】
なお、この実施の形態1〜3において、回動弁12と接続部材14,214とが接続する第二接続部12bは回動弁12の外縁部分に位置するが、これに限定されず、接続部材14,214は回動弁12の外縁部分より内側に接続されてもよい。そして、この時、回動弁12の回動中心12a,12cと第二接続部12bとの間の長さV2は回動弁12の径の大きさR2よりも小さくなる。
【0040】
また、回動弁12の直径R2は、排出管13の内径Rcの95%に限定されず、回動弁12の外縁が排出管13の内周面に干渉せず、回動弁12の外縁と排出管13の内周面との間に常に隙間ができる程度の大きさであればよい。なお、回動弁12の最適な直径R2は、バキューム装置30の吸込み風量及び馬力に応じて適宜設定される。
【0041】
さらに、実施の形態1〜3において、排出管13は断面が円形の円筒形状をなしているが、これに限定されず、排出口開閉弁11及び回動弁12の回動に干渉しない形状であれば、多角形や楕円等、その他の形状の断面を有していてもよい。また、排出管13が円形以外の形状の断面を有する場合、排出口開閉弁11又は回動弁12も、排出管13の形状に合わせて多角形や楕円等の形状をなしていてもよい。
【0042】
また、接続部材14,214は帯状の部材に限定されず、撓ませたり折り曲げたりすることができる物であれば、糸状の部材であってもよい。
【0043】
さらにまた、材料捕集装置100,200,300によって捕集される材料は、活性炭に限定されず、その他の吸着剤等であってもよい。また、捕集対象である材料は、粒状物、粉体物、液体、又はこれらの混合物であってもよい。