特開2018-108511(P2018-108511A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ レスメド・リミテッドの特許一覧

特開2018-108511患者インターフェースシステムのためのエルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-108511(P2018-108511A)
(43)【公開日】2018年7月12日
(54)【発明の名称】患者インターフェースシステムのためのエルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/08 20060101AFI20180615BHJP
【FI】
   A61M16/08 330
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2018-77421(P2018-77421)
(22)【出願日】2018年4月13日
(62)【分割の表示】特願2014-517343(P2014-517343)の分割
【原出願日】2012年7月6日
(31)【優先権主張番号】61/505,711
(32)【優先日】2011年7月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/521,139
(32)【優先日】2011年8月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/648,807
(32)【優先日】2012年5月18日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】500046450
【氏名又は名称】レスメド・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ResMed Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】テック・フォン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・グレイ
(72)【発明者】
【氏名】アダム・フランシス・バーロウ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・トーマス・バーナム
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・スコット・スキッパー
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・アンソニー・ピドコック
(72)【発明者】
【氏名】ツムル・グプタ
(72)【発明者】
【氏名】ダミアン・ジュリアン・マッツォーネ
(72)【発明者】
【氏名】ホセ・イグナシオ・ロマニョーリ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・サミュエル・カレン
(57)【要約】
【課題】本発明は、患者インターフェースシステムのための旋回式組立体に関する。
【解決手段】旋回式組立体が、患者インターフェースシステムの開口部内に密閉状態で固定されるように構成されたリングを含む。リングが開口部内に固定された場合に、リングが、患者インターフェースシステムの内部に位置する第1の側面と、患者インターフェースの外部に位置する第2の側面とを含む。また、リングが、患者インターフェースシステムの内部から外部にガスを流すように構成されている複数の通気口を備える。エルボー及びコネクタを備える旋回式組立体は、リング内に旋回可能に固定されるエルボーを含んでいる。呼吸可能ガスの流れを利用者に搬送するための患者インターフェースシステムは、利用者の顔に密閉状態で係合するように構成される患者インターフェース構造体を含む。エルボー及びコネクタを備える旋回式組立体は、開口部内に密閉状態で固定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクに取り外し可能に接続される端部分を有している空気搬送チューブにおいて、
前記端部分が、第1の材料から構成されている第1の弧状領域と、第2の材料から構成されている第2の弧状領域とを含んでおり、
前記第1の弧状領域と前記第2の弧状領域とが、シリンダの少なくとも一部分を形成するように構成及び配置されていることを特徴とする空気搬送チューブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、米国仮出願61/505,711号明細書、米国仮出願61/521,139号明細書、及び米国仮出願61/648,807号明細書に基づく優先権を主張するものである。参照により、これら仮出願それぞれが本明細書に組み込まれている。
【0002】
さらに、参照により、特許文献1の内容全体が本明細書に組み込まれている。
【0003】
本発明の技術分野は、例えば鼻呼吸マスクのような患者インターフェースシステムのためのエルボー、及び、持続的気道陽圧法(CPAP)又は非侵襲的陽圧換気(NIPPV)によって例えば睡眠呼吸障害(SDB)を治療するための空気搬送システムのためのエルボーに関する。
【背景技術】
【0004】
一般に、呼吸可能ガスを患者に搬送するための装置は、陽圧気道圧(PAP)装置と空気搬送導管又は空気搬送チューブと患者インターフェースとを含んでいる。患者インターフェースは、加圧された呼吸可能ガスをPAP装置から患者に搬送するために、利用時には患者の顔に接触している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2010/139014号
【特許文献2】米国特許出願公開第2013/0213400号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2009/0044808号明細書
【特許文献4】国際公開第2009/052560号
【特許文献5】米国特許出願公開第2010/0307502号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2009/0078259号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2010/0000534号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一の実施態様は、流れ発生器からのガスを受容するように且つ当該ガスを患者インターフェースに搬送するように構成されている、エルボー及びコネクタを具備する組立体に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の実施態様は、患者インターフェースからのガスを通気させるように構成されているエルボー及びコネクタに関する。
【0008】
本発明の一の実施態様は、一の部品若しくは構成要素として及び/又は共に製造された状態で、例えばすべてが共に形成された急速解除ボタン/部材/アクチュエータ、バッフル、及び回り継手のような多数の機能を有しているので、患者は分解する必要が無く、全体的な部品コストを低減させる可能性を高めることができる。
【0009】
本発明の一の実施例は、チューブからの抗力を実質的に絶縁すると共に接続されたチューブが2つの独立した平面内で移動可能とされる多軸エルボー組立体に関する。
【0010】
本発明の他の実施態様は、患者インターフェース組立体のためのエルボーを製造するための方法であって、高剛性材料又は半剛性材料から成る骨格部分であって、圧力が作用した状態で空気搬送導管とマスクとの間において空気流を流通させるように構成されている骨格部分を準備するステップと、プルタブを具備する窒息防止バルブ(AAV)を別々に成形するステップと、AAVを骨格部分に対して保持及び/又は密閉するために、骨格部分の内側から骨格部分の開口部を通じてプルタブを引っ張ることによって、骨格部分とAAVとを組み付けるステップと、を備えている方法に関する。当該方法は、エルボーの外面と同一平面上に配置されたAAVの外側フランジを提供するように構成されているプルタブを引っ張ると、プルタブの少なくとも一部分が取り除かれるステップを含んでいる場合がある。当該方法は、AAVを所定位置に固定するために、可撓性を有している構成要素を準備するステップを備えている場合がある。可撓性を有している構成要素が、エルボー上に1つ以上の解除ボタンを形成している場合がある。
【0011】
本発明の他の実施態様は、患者インターフェース組立体のためのエルボーであって、高剛性材料又は半剛性材料から成る骨格部分又はフレームであって、圧力が作用した状態で空気搬送導管とマスクとの間において空気流を流通させるように構成されている骨格部分又はフレームと、AAVを骨格部分に組み付けるためのプルタブを具備する窒息防止バルブ(AAV)とを備えているエルボーにおいて、AAVを骨格部分に対して位置決め、保持、及び/又は密閉するために、プルタブが、骨格部分の内側に挿入又は案内され、骨格部分の開口部を通じて引っ張られる、エルボーに関する。AAVの外側フランジの少なくとも一部分は、プルタブが引っ張られると、エルボーの外面と同一平面上に配置される。エルボーは、AAVを所定位置に固定するための、及び/又は、1つ以上の解除場端又はアクチュエータをエルボーに形成するための可撓性を有している構成要素を含んでおり、解除ボタンは、エルボーをフレームから取り外すように構成されている。
【0012】
本発明の他の実施態様は、加圧された呼吸可能ガスをPAP装置から患者に搬送するための患者インターフェースのための、エルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体に関する。一の実施態様では、エルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体は、患者インターフェース構造体の開口部を通じて、例えばクッションのような可撓性を有している患者インターフェース構造体に接続されている。他の実施態様では、エルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体は、開口部において患者インターフェースに対して脱着可能とされる、例えばリングのようなコネクタを含んでいる。コネクタは、患者インターフェース構造体の内部からのガスを患者インターフェース構造体の外部に通気させるための、複数のスロットを含んでいる。
【0013】
本発明のさらなる他の実施態様は、コネクタに接続されている旋回式エルボー、及び、リングと旋回式エルボーとの間においてガスの通気を可能とするためのスロットに関する。他の実施態様では、旋回式エルボーは、コネクタに接続されており、スロットは、コネクタと例えばクッションのような患者インターフェースとの間においてガスを通気させることができ、コネクタと旋回式エルボーとの間では通気が発生しない。
【0014】
本発明のさらなる実施態様は、拡散通気口を有していると共に、エルボー及び窒息防止バルブを具備する旋回式組立体に関する。本発明のさらにさらなる実施態様は、一体に成形されている拡散通気口を有していると共に、エルボー及び窒息防止バルブを具備する旋回式組立体に関する。本発明のさらなる実施態様は、押圧された場合にエルボー及び窒息防止バルブを具備する旋回式組立体を例えばマスクのような患者インターフェースに対して係合及び係合解除することができる係合部分を有していると共に、エルボー及び窒息防止バルブを具備する旋回式組立体に関する。
【0015】
本発明の一の実施例では、エルボー及びコネクタを備えている旋回式組立体であって、旋回式組立体が、患者インターフェースシステムの開口部内に密閉状態で固定されるように構成されているリングであって、リングが開口部内に固定された場合に、リングが、患者インターフェースシステムの内部に位置する第1の側面と、患者インターフェースの外部に位置する第2の側面とを含んでおり、リングが、患者インターフェースシステムの内部から外部にガスを流すように構成されている複数の通気口を備えているリングと、リング内に旋回可能に固定されているエルボーとを備えている、患者インターフェースシステムのための旋回式組立体に関する。リングが、第1の側面に配設された第1のフランジと、第2の側面に配設された第2のフランジとを備えており、第1のフランジと第2のフランジとが、患者インターフェースシステムの開口部に密閉状態で係合するチャネルを形成しており、第2のフランジが、リングの長手方向軸線に対して所定の角度で複数の通気口からのガスの流れを方向づける傾斜面を備えている。
【0016】
本発明の他の実施例では、呼吸可能ガスの流れを利用者に搬送するための患者インターフェースシステムは、利用者の顔に密閉状態で係止するように構成されていると共に開口部を有している患者インターフェース構造体と、本明細書で説明されるエルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体とを備えている。
【0017】
本発明の他の実施例では、ガスを患者インターフェースに搬送するためのエルボーは、第1の接続部分と第2の接続部分と通気部分とを備えている。第1の接続部分が、チューブ接続部を受容するように構成されており、第2の接続部分が、患者インターフェース組立体を受容するように構成されており、通気部分が、第2の接続部分の近傍に配置されている。通気部分は、第2の接続部分の周囲に拡散させるようになっている。エルボーは、第1の接続部分から流入する空気流から通気部分を隔離するためのバッフルを備えている。
【0018】
本発明のさらにさらなる実施例では、エルボー及び窒息防止バルブを備えている旋回式組立体であって、患者インターフェース組立体のための旋回式組立体において、患者インターフェースの開口部内に又は開口部に対して密閉状態で固定されるように構成されている第1の接続部分と、回り継手又は搬送導管に接続されるように構成されている第2の接続部分と、第1の接続部分と第2の接続部分との間に配設されている1つ以上の第1のサポートと、1つ以上の第1のサポート同士の間に配設されている第1の開口部及び第2の開口部と、を含んでいる第1の構成要素、及び、バルブ部材と1つ以上の係合部材と可撓性を有している部材とを含んでいる第2の構成要素であって、バルブ部材が、第1の構成要素の1つ以上の第1のサポート同士の間に配設されており、バルブ部材が第1の開口部を閉塞している第1の位置と、バルブ部材が第1の開口部を閉塞していない第2の位置との間において移動可能とされ、係合部材が、患者インターフェースの利用者によって押圧された場合に、1つ以上の第1のサポートと係合するように構成されており、可撓性を有している部材が、1つ以上の係合部材に接続されており、第2の開口部を密閉している、第2の構成要素 を備えている旋回式組立体に関する。
【0019】
本発明の他の実施態様、特徴、及び利点は、本出願の一部分であると共に本発明の原理を例示的に説明する添付図面と関連して、以下の発明の詳細な説明を精読することによって明らかとなる。
【0020】
添付図面は、本発明に関する技術の様々な例示を理解するための手助けとなる。
[付記項1]
マスクに取り外し可能に接続される端部分を有している空気搬送チューブにおいて、
前記端部分が、第1の材料から構成されている第1の弧状領域と、第2の材料から構成されている第2の弧状領域とを含んでおり、
前記第1の弧状領域と前記第2の弧状領域とが、シリンダの少なくとも一部分を形成するように構成及び配置されていることを特徴とする空気搬送チューブ。
[付記項2]
前記第1の材料の剛性が、前記第2の材料の剛性より高いことを特徴とする付記項1に記載の空気搬送チューブ。
[付記項3]
前記第1の材料が、弾性を有しており、及び/又は堅いことを特徴とする付記項1又は2に記載の空気搬送チューブ。
[付記項4]
前記第2の材料が、可撓性を有していることを特徴とする付記項1〜3のいずれか一項に記載の空気搬送チューブ。
[付記項5]
前記第1の材料が、通気口を形成していることを特徴とする付記項1〜4のいずれか一項に記載の空気搬送チューブ。
[付記項6]
前記第2の材料が、バルブを形成していることを特徴とする付記項1〜5のいずれか一項に記載の空気搬送チューブ。
[付記項7]
前記第1の弧状領域が、ストッパを含んでいることを特徴とする付記項1〜6のいずれか一項に記載の空気搬送チューブ。
[付記項8]
前記第1の弧状領域と前記第2の弧状領域とが、一体に形成されているか、及び/又はオーバーモールド成形されていることを特徴とする付記項1〜7のいずれか一項に記載の空気搬送チューブ。
[付記項9]
アクチュエータを備えていることを特徴とする付記項1〜8のいずれか一項に記載の空気搬送チューブ。
[付記項10]
前記アクチュエータが、前記第2の弧状領域を変形させるように構成されていることを特徴とする付記項9に記載の空気搬送チューブ。
[付記項11]
エルボー及び窒息防止バルブを備えている旋回式組立体であって、患者インターフェース組立体のための前記旋回式組立体において、
患者インターフェースの開口部内に又は前記開口部に対して密閉状態で固定されるように構成されている第1の接続部分と、回り継手又は搬送導管に接続されるように構成されている第2の接続部分と、前記第1の接続部分と前記第2の接続部分との間に配設されている1つ以上の第1のサポートと、1つ以上の前記第1のサポート同士の間に配設されている第1の開口部及び第2の開口部と、を含んでいる第1の構成要素、及び、
バルブ部材と1つ以上の係合部材と可撓性を有している部材とを含んでいる第2の構成要素であって、前記バルブ部材が、前記第1の構成要素の1つ以上の前記第1のサポート同士の間に配設されており、前記バルブ部材が前記第1の開口部を閉塞している第1の位置と、前記バルブ部材が第1の開口部を閉塞していない第2の位置との間において移動可能とされ、前記係合部材が、前記患者インターフェースの利用者によって押圧された場合に、1つ以上の前記第1のサポートと係合するように構成されており、前記可撓性を有している部材が、1つ以上の前記係合部材に接続されており、前記第2の開口部を密閉している、前記第2の構成要素、
を備えていることを特徴とする旋回式組立体。
[付記項12]
前記第1の構成要素の1つ以上の前記第1のサポートが、可撓性を有しており、前記第2の構成要素の1つ以上の前記係合部材と係合した場合に、第1の位置から第2の位置に変形することを特徴とする付記項11に記載の旋回式組立体。
[付記項13]
前記第1の構成要素が、1つ以上の第2のサポートを備えており、
前記第2のサポートが、前記第2の構成要素の1つ以上の前記係合部材を支持するように構成されていることを特徴とする付記項12に記載の旋回式組立体。
[付記項14]
前記第2の構成要素の前記係合部材が、ボタン、グリップ、又はタブを備えていることを特徴とする付記項11〜13のいずれか一項に記載の旋回式組立体。
[付記項15]
前記第1の構成要素の前記第2の開口部が、前記第1の構成要素の前記第1の接続部分内に形成された間隙に至るまで延在しており、これにより、1つ以上の前記第1のサポートの変形によって、前記第1の接続部分が、第1の位置から第2の位置に変形されることを特徴とする付記項12〜14のいずれか一項に記載の旋回式組立体。
[付記項16]
前記第1の接続部分が、前記第1の位置において円状とされ、前記第2の位置において長円状又は楕円状とされることを特徴とする付記項15に記載の旋回式組立体。
[付記項17]
前記第1の構成要素の前記第1の接続部分が、前記患者インターフェースに係合するように構成されている係合タブを備えていることを特徴とする付記項11〜16のいずれか一項に記載の旋回式組立体。
[付記項18]
前記第1の構成要素が、前記患者インターフェースの前記開口部の内部に対する前記第1の構成要素の挿入を制限するように構成されているストッパを備えていることを特徴とする付記項11〜17のいずれか一項に記載の旋回式組立体。
[付記項19]
前記第1の構成要素が、前記患者インターフェースに搬送されるガスを患者が吐出したガスから隔離するように構成されているバッフルを備えていることを特徴とする付記項11〜18のいずれか一項に記載の旋回式組立体。
[付記項20]
前記第1の構成要素が、複数の通気口を備えていることを特徴とする付記項11〜19のいずれか一項に記載の旋回式組立体。
[付記項21]
複数の前記通気口が、前記第1の接続部分と前記第1の開口部との間に形成された表面に配設されていることを特徴とする付記項20に記載の旋回式組立体。
[付記項22]
前記表面が、テーパ状になっていることを特徴とする付記項21に記載の旋回式組立体。
[付記項23]
前記表面が、円状とされるか、又は丸くなっていることを特徴とする付記項21又は22に記載の旋回式組立体。
[付記項24]
複数の前記通気口が、20個〜60個の通気口であることを特徴とする付記項20〜23のいずれか一項に記載の旋回式組立体。
[付記項25]
複数の前記通気口が、30個〜50個の通気口であることを特徴とする付記項24に記載の旋回式組立体。
[付記項26]
複数の前記通気口が、38個の通気口であることを特徴とする付記項25に記載の旋回式組立体。
[付記項27]
複数の前記通気口が、40個の通気口であることを特徴とする付記項26に記載の旋回式組立体。
[付記項28]
複数の前記通気口が、42個の通気口であることを特徴とする付記項27に記載の旋回式組立体。
[付記項29]
複数の前記通気口それぞれが、約0.5mm×約0.5mm〜約1.0mm×約1.0mmの断面積を有していることを特徴とする付記項19〜28のいずれか一項に記載の旋回式組立体。
[付記項30]
複数の前記通気口それぞれが、約0.7mm×約0.7mmの断面積を有していることを特徴とする付記項29に記載の旋回式組立体。
[付記項31]
複数の前記通気口が、等間隔で配置されていることを特徴とする付記項19〜30のいずれか一項に記載の旋回式組立体。
[付記項32]
複数の前記通気口が、不等間隔で配置されていることを特徴とする付記項19〜30のいずれか一項に記載の旋回式組立体。
[付記項33]
前記第1の構成要素が、ポリカーボネート、ポリプロピレン、又はナイロンを含む高剛性材料から形成されていることを特徴とする付記項11〜32のいずれか一項に記載の旋回式組立体。
[付記項34]
前記第2の構成要素が、TPE、シリコーン、又はゲルを含む可撓性を有している材料から形成されていることを特徴とする付記項11〜33のいずれか一項に記載の旋回式組立体。
[付記項35]
前記第2の構成要素が、前記第1の構成要素の前記第1の開口部を囲むように構成されているリップを備えていることを特徴とする付記項11〜34のいずれか一項に記載の旋回式組立体。
[付記項36]
前記第2の構成要素が、前記第1の構成要素に対してオーバーモールド成形されていることを特徴とする付記項11〜35のいずれか一項に記載の旋回式組立体。
[付記項37]
付記項11〜35のいずれか一項に記載の旋回式組立体を製造するための方法において、
第1のツールによって前記第1の構成要素を形成するステップと、
第2のツールによって前記第2の構成要素を前記第1の構成要素に対してオーバーモールド成形するステップと、
を備えていることを特徴とする方法。
[付記項38]
前記第1のツールが、成形型であることを特徴とする付記項37に記載の方法。
[付記項39]
エルボー及びコネクタを備えている旋回式組立体であって、患者インターフェースシステムのための前記旋回式組立体において、
前記旋回式組立体が、
前記患者インターフェースシステムの開口部内に密閉状態で固定されるように構成されているリングであって、前記リングが前記開口部内に固定された場合に、前記リングが、前記患者インターフェースシステムの内部に位置する第1の側面と、前記患者インターフェースの外部に位置する第2の側面とを含んでおり、前記リングが、前記患者インターフェースシステムの内部から外部にガスを流すように構成されている複数の通気口を備えている、前記リングと、
前記リング内に旋回可能に固定されているエルボーと、
を備えており、
前記リングが、前記第1の側面に配設された第1のフランジと、前記第2の側面に配設された第2のフランジとを備えており、
前記第1のフランジと前記第2のフランジとが、前記患者インターフェースシステムの前記開口部に密閉状態で係合するチャネルを形成しており、
前記第2のフランジが、前記リングの長手方向軸線に対して所定の角度で複数の前記通気口からのガスの流れを方向づける傾斜面を備えていることを特徴とする旋回式組立体。
[付記項40]
第1の端部において前記エルボーに回転可能に接続されている第1の端部と、呼吸可能ガスの流れを前記患者インターフェースシステムに搬送するための導管に接続されるように、又は、第2の旋回式カフスに接続されるように構成されている第2の端部と、を有している第1の旋回式カフスを備えていることを特徴とする付記項39に記載の旋回式組立体。
[付記項41]
前記第1の旋回式カフスが、前記エルボーに回転可能に接続されており、
前記エルボーが、前記第1の旋回式カフスが前記エルボーに対して相対的に回転するに従って、前記第1の旋回式カフスの長手方向軸線と前記エルボーの長手方向軸線とが成す角度を変化させるように構成されていることを特徴とする付記項40に記載の旋回式組立体。
[付記項42]
前記角度が、約40°〜約60°の範囲で変化することを特徴とする付記項41に記載の旋回式組立体。
[付記項43]
前記角度が、約50°であることを特徴とする付記項42に記載の旋回式組立体。
[付記項44]
前記第2の旋回式カフスが、前記第1の旋回式カフスに回転可能に接続されており、
前記第1の旋回式カフスが、前記第2の旋回式カフスが前記第1の旋回式エルボーに対して相対的に回転するに従って、前記第2の旋回式カフスの長手方向軸線と前記第1の旋回式カフスの長手方向軸線とが成す角度を変化させるように構成されていることを特徴とする付記項40〜43のいずれか一項に記載の旋回式組立体。
[付記項45]
前記角度が、約40°〜約60°の範囲にあることを特徴とする付記項39に記載の旋回式組立体。
[付記項46]
前記角度が、約50°であることを特徴とする付記項45に記載の旋回式組立体。
[付記項47]
複数の前記通気口が、前記リングの内面に配設されていることを特徴とする付記項39〜46のいずれか一項に記載の旋回式組立体。
[付記項48]
前記リングと前記エルボーとの間にスリーブを備えていることを特徴とする付記項47に記載の旋回式組立体。
[付記項49]
前記エルボーが、前記リングと前記エルボーとの間に前記スリーブを固定するためのテーパ状のフランジを備えていることを特徴とする付記項48に記載の旋回式組立体。
[付記項50]
前記スリーブが、前記リングの第2のフランジと前記エルボーのフランジとの間にフランジを備えていることを特徴とする付記項47又は48に記載の旋回式組立体。
[付記項51]
複数の前記通気口が、前記リングの外面に配設されていることを特徴とする付記項39〜46のいずれか一項に記載の旋回式組立体。
[付記項52]
前記リングの内面が、部分的に球状とされ、
前記エルボーの外面が、部分的に球状とされ、
前記エルボーと前記リングとが、自在継手を形成していることを特徴とする付記項51に記載の旋回式組立体。
[付記項53]
前記エルボーの環状の表面が、前記エルボーの長手方向軸線と前記リングの長手方向軸線とが一直線上に配置された場合に、前記リングの環状の表面と同一平面上に配置されることを特徴とする付記項52に記載の旋回式組立体。
[付記項54]
前記エルボーが、前記リングの第2の環状の表面に係合することによって前記エルボーの旋回を制限するように構成されている環状結合部分を備えていることを特徴とする付記項53に記載の旋回式組立体。
[付記項55]
前記リング及び前記エルボーの部分的に球状の表面同士が、略同一の曲率半径を有していることを特徴とする付記項52〜54のいずれか一項に記載の旋回式組立体。
[付記項56]
エルボー及びコネクタを備えている旋回式組立体であって、患者インターフェースシステムのための前記旋回式組立体において、
前記旋回式組立体が、
前記患者インターフェースシステムの開口部内に密閉状態で受容されるように構成されているリングであって、前記リングが前記開口部内に固定された場合に、前記患者インターフェースシステムの内部に配設された第1の側面と、前記患者インターフェースシステムの外部に配設された第2の側面とを含んでいる前記リング、及び
前記リング内に旋回可能に固定されているエルボーであって、第1の接続部分と第2の接続部分と通気部分とバッフルとを備えている前記エルボー、
を備えており、
前記第1の接続部分が、チューブ接続部を受容するように構成されており、
前記第2の接続部分が、前記リングを受容するように構成されており、
前記通気部分が、前記第2の接続部分の近傍に位置しており、前記第2の接続部分の周囲から拡散するようになっており、
前記バッフルが、前記通気部分を前記第1の接続部分から流入する空気流から隔離するように構成されていることを特徴とする旋回式組立体。
[付記項57]
前記通気部分が、前記第2の接続部分の傾斜フランジ内に配設されていることを特徴とする付記項56に記載の旋回式組立体。
[付記項58]
前記第2の接続部分が、前記傾斜フランジに隣り合っている径方向フランジと、前記第2の接続部分の端部に配設されているテーパ状のフランジとを備えており、
前記径方向フランジと前記テーパ状のフランジとが、前記リングを受容するように構成されていることを特徴とする付記項57に記載の旋回式組立体。
[付記項59]
前記リングが、楕円状の断面を有していることを特徴とする付記項56〜58のいずれか一項に記載の旋回式組立体。
[付記項60]
前記リングが、前記エルボーの前記第2の接続部分を囲むように構成されている円状の径方向フランジを有していることを特徴とする付記項59に記載の旋回式組立体。
[付記項61]
複数の前記通気口が、20個〜60個の通気口であることを特徴とする付記項39〜60のいずれか一項に記載の旋回式組立体。
[付記項62]
複数の前記通気口が、30個〜50個の通気口であることを特徴とする付記項61に記載の旋回式組立体。
[付記項63]
複数の前記通気口が、38個の通気口であることを特徴とする付記項62に記載の旋回式組立体。
[付記項64]
複数の前記通気口が、40個の通気口であることを特徴とする付記項62に記載の旋回式組立体。
[付記項65]
複数の前記通気口が、42個の通気口であることを特徴とする付記項62に記載の旋回式組立体。
[付記項66]
複数の前記通気口それぞれが、約0.5mm×約0.5mm〜約1.0mm×約1.0mmの断面積を有していることを特徴とする付記項39〜65のいずれか一項に記載の旋回式組立体。
[付記項67]
複数の前記通気口それぞれが、約0.7mm×約0.7mmの断面積を有していることを特徴とする付記項66に記載の旋回式組立体。
[付記項68]
呼吸可能ガスの流れを利用者に搬送するための患者インターフェースにおいて、
利用者の顔に密閉状態で係止されるように構成されている患者インターフェース構造体であって、開口部を備えている前記患者インターフェース構造体と、
エルボー及びコネクタを備えている付記項39〜67のいずれか一項に記載の旋回式組立体又は旋回式エルボーと、
前記開口部内に密閉状態で固定可能とされる付記項11〜66のいずれか一項に記載の窒息防止バルブ組立体と、
を備えていることを特徴とする患者インターフェースシステム。
[付記項69]
前記患者インターフェースが、クッションを備えていることを特徴とする付記項37に記載の患者インターフェースシステム。
[付記項70]
前記クッションが、鼻用枕を備えていることを特徴とする付記項38に記載の患者インターフェースシステム。
[付記項71]
患者インターフェース組立体のためのエルボーを製造するための方法において、
高剛性材料又は半剛性材料から成る骨格部分であって、圧力が作用した状態で空気搬送導管とマスクとの間において空気流を流通させるように構成されている前記骨格部分を準備するステップと、
プルタブを具備する窒息防止バルブ(AAV)を別々に成形するステップと、
前記AAVを前記骨格部分に対して位置決め、保持及び/又は密閉するために、前記骨格部分の内側から前記骨格部分の開口部を通じて前記プルタブを引っ張ることによって、前記骨格部分と前記AAVとを組み付けるステップと、
を備えていることを特徴とする方法。
[付記項72]
前記エルボーの外面と同一平面上に配置された前記AAVの外側フランジを提供するように構成されている前記プルタブを引っ張ると、前記プルタブの少なくとも一部分が取り除かれるステップを備えていることを特徴とする付記項71に記載の方法。
[付記項73]
前記AAVを所定位置に固定するために、可撓性を有している構成要素を準備するステップを備えていることを特徴とする付記項71又は72に記載の方法。
[付記項74]
前記可撓性を有している構成要素が、前記エルボー上に1つ以上の解除ボタンを形成していることを特徴とする付記項73に記載の方法。
[付記項75]
患者インターフェースシステムのためのコネクタにおいて、
患者インターフェースに取り外し可能に接続されるように構成されている第1の部分と、
前記第1の部分との係合及び係合解除を可能とするように屈曲するように構成されている可撓性を有している部分であって、バルブを有している前記可撓性を有している部分と、
を備えていることを特徴とするコネクタ。
[付記項76]
患者インターフェースシステムのためのエルボーであって、
バルブを含んでいる可撓性を有している部分と、
外界に通じている開口部、及び通気口を含んでいる骨格部分と、
を備えている前記エルボーにおいて、
前記可撓性を有している部分によって、前記骨格部分が、前記患者インターフェースとの係合及び係合解除のために屈曲可能とされることを特徴とするエルボー。
[付記項77]
呼吸マスクと共に利用するためのコネクタであって、
ウエブ及びバルブを有している可撓性を有している部分と、
開口部、及び外界に通じている排出口を有しているカラーと、
を備えている前記コネクタにおいて、
前記カラーが、第1の位置から第2の位置に屈曲するように構成及び配置されており、
前記ウエブが、前記開口部に密閉状態で係合しており、
前記バルブが、前記排出口に隣接して位置決めされていることを特徴とするコネクタ。
[付記項78]
呼吸マスクのためのアダプタであって、
呼吸ガスを搬送するためのチャネルを具備するように構成されている骨格部分であって、アクチュエータを有している前記骨格部分と、
前記アクチュエータに密閉状態で係合するように構成されている可撓性を有している部分と、
バルブと、
を備えている前記アダプタにおいて、
前記可撓性を有している部分が、所定位置において前記バルブを前記骨格部分に密閉状態で係合させるように構成及び配置されており、
前記アクチュエータが、前記アダプタを前記呼吸マスクに対して係合及び係合解除するように構成されていることを特徴とするアダプタ。
[付記項79]
呼吸マスクのためのエルボーであって、
前記呼吸マスクと取り外し可能に接続するように構成されている接続領域と、
第1の位置と第2の位置とを有している変形可能領域であって、前記接続領域が前記呼吸マスクと係合及び係合解除可能とされるように構成されている前記変形可能領域と、
窒息防止バルブと、
を備えている前記エルボーにおいて、
前記変形可能領域と前記窒息防止バルブとが、一体に形成されていることを特徴とするエルボー。
[付記項80]
呼吸マスクのためのエルボーであって、
前記呼吸マスクと取り外し可能に接続するように構成されている接続領域と、
第1の位置及び第2の位置を有している変形可能領域であって、前記接続領域が前記呼吸マスクと係合及び係合解除可能とされるように構成されている前記変形可能領域と、
窒息防止バルブと、
を備えている前記エルボーにおいて、
前記変形可能領域の一部分が、前記窒息防止マスクを覆うように延在していることを特徴とするエルボー。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一の実施例におけるエルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体の斜視断面図である。
図2図1に表わすエルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体の側面断面図である。
図3図1に表わすエルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体の分解斜視図である。
図4図1に表わすエルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体の分解斜視図である。
図5】本発明の一の実施例におけるエルボー及びコネクタを具備する二重旋回式組立体の、第1の位置すなわち構成における斜視図である。
図6】本発明の一の実施例におけるエルボー及びコネクタを具備する二重旋回式組立体の、第1の位置すなわち構成における斜視図である。
図7図5及び図6に表わすエルボー及びコネクタを具備する二重旋回式組立体の側面図である。
図8図7に表わすエルボー及びコネクタを具備する二重旋回式組立体の、第2の位置すなわち構成における側面図である。
図9】エルボー及びコネクタを具備する二重旋回式組立体の、第1の位置から第2の位置への移行を表わす側面図である。
図10】エルボー及びコネクタを具備する二重旋回式組立体の、第1の位置における斜視断面図である。
図11】エルボー及びコネクタを具備する二重旋回式組立体の、第2の位置における斜視断面図である。
図12】エルボー及びコネクタを具備する二重旋回式組立体の、第1の位置における側面断面図である。
図13】エルボー及びコネクタを具備する二重旋回式組立体の、第3の位置すなわち構成における側面断面図である。
図14】エルボー及びコネクタを具備する二重旋回式組立体の、第1の位置から第2の位置への移行を表わす側面断面図である。
図15】エルボー及びコネクタを具備する二重旋回式組立体の、第4の位置すなわち構成における側面断面図である。
図16】エルボー及びコネクタを具備する二重旋回式組立体の、第3の位置から第4の位置への移行を表わす側面断面図である。
図17】本発明のさらなる他の実施例における第2の旋回式カフスを含むと共にエルボー及びコネクタを具備する三重旋回式組立体の、第1の位置すなわち構成における斜視図である。
図18】本発明のさらなる他の実施例における第2の旋回式カフスを含むと共にエルボー及びコネクタを具備する三重旋回式組立体の、第1の位置すなわち構成における斜視図である。
図19図17及び図18に表わすエルボー及びコネクタを具備する三重旋回式組立体の、第2の位置すなわち構成における斜視図である。
図20図17及び図18に表わすエルボー及びコネクタを具備する三重旋回式組立体の側面図である。
図21】エルボー及びコネクタを具備する三重旋回式組立体の、第1の位置から第2の位置への移行を表わす側面図である。
図22】エルボー及びコネクタを具備する三重旋回式組立体の、第2の位置における側面図である。
図23】エルボー及びコネクタを具備する三重旋回式組立体の、第1の位置における側面断面図である。
図24】エルボー及びコネクタを具備する三重旋回式組立体の、第2の位置における側面断面図である。
図25】エルボー及びコネクタを具備する三重旋回式組立体の、第1の位置から第2の位置への移行を表わす側面図である。
図26】エルボー及びコネクタを具備する三重旋回式組立体の、第1の位置における斜視断面図である。
図27】エルボー及びコネクタを具備する三重旋回式組立体の、第2の位置における斜視断面図である。
図28】エルボー及びコネクタを具備する三重旋回式組立体の、第3の位置すなわち構成における側面断面図である。
図29】エルボー及びコネクタを具備する三重旋回式組立体の、第4の位置すなわち構成における側面断面図である。
図30】エルボー及びコネクタを具備する三重旋回式組立体の、第3の位置から第4の位置への移行を表わす側面断面図である。
図31】本発明における実施例と共に利用可能な患者インターフェース構造体すなわちクッションの断面図である。
図32】本発明における一の実施例におけるエルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体の斜視図である。
図33図32に表わすエルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体の部分的な側面断面図である。
図34図32に表わすエルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体の上面断面図である。
図35図32に表わすエルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体の変形例の斜視図である。
図36図35に表わすエルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体の正面図である。
図37図35に表わすエルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体の断面図である。
図38】本発明の一の実施例におけるエルボー及び窒息防止バルブを具備する旋回式組立体の第1の構成要素の斜視図である。
図39図38に表わす第1の構成要素の側面図である。
図40図38及び図39に表わす第1の構成要素の背面図である。
図41図38図40に表わす第1の構成要素の側面断面図である。
図42】エルボー及び窒息防止バルブを具備する旋回式組立体の第1の構成要素及び第2の構成要素の斜視図である。
図43図42に表わすエルボー及び窒息防止バルブを具備する旋回式組立体の側面図である。
図44図42及び図43に表わすエルボー及び窒息防止バルブを具備する旋回式組立体の背面図である。
図45図42図44に表わすエルボー及び窒息防止バルブを具備する旋回式組立体の正面図である。
図46図42図45に表わすエルボー及び窒息防止バルブを具備する旋回式組立体の側面断面図である。
図47図42図46に表わすエルボー及び窒息防止バルブを具備する旋回式組立体の上面図である。
図48】本発明の他の実施例におけるエルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体を含む患者インターフェースの斜視図である。
図49】本発明の他の実施例におけるエルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体を含む患者インターフェースの斜視図である。
図50図49に表わすエルボーの斜視図である。
図51図49に表わす患者インターフェースの断面図である。
図52】本発明の他の実施例におけるエルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体を含む患者インターフェースの断面図である。
図53】本発明の一の実施例におけるエルボーの斜視図である。
図54図53に表わすエルボーの断面図である。
図55】本発明におけるエルボー及びチューブコネクタを具備する組立体の断面図である。
図56図55に表わす組立体の一部分についての拡大図である。
図57図55に表わすエルボー及びチューブコネクタを具備する組立体の分解図である。
図58】本発明の他の実施例におけるエルボー及びチューブコネクタを具備する組立体の分解図である。
図59図58に表わすエルボー及びチューブコネクタを具備する組立体の組立図である。
図60図59に表わすエルボー及びチューブコネクタを具備する組立体の断面図である。
図61】本発明の他の実施例におけるエルボー及びチューブコネクタを具備する組立体の分解図である。
図62図61に表わすエルボー及びチューブコネクタを具備する組立体の組立図である。
図63図62に表わすエルボー及びチューブコネクタを具備する組立体の断面図である。
図64図63に表わすエルボー及びチューブコネクタを具備する組立体の斜視図である。
図65図64に表わすコネクタの断面図である。
図66】本発明の一の実施例におけるチューブコネクタ組立体の断面図である。
図67図66に表わすチューブコネクタ組立体の斜視図である。
図68A】窒息防止バルブを具備するエルボーを製造するための方法の一のステップを表わす。
図68B】窒息防止バルブを具備するエルボーを製造するための方法の一のステップを表わす。
図68C】窒息防止バルブを具備するエルボーを製造するための方法の一のステップを表わす。
図68D】窒息防止バルブを具備するエルボーを製造するための方法の一のステップを表わす。
図69A】エルボーの変形例の斜視図である。
図69B図69Aに表わす変形例の断面図である。
図70】分離した状態におけるAAV(変形例)を表わす。
【発明を実施するための形態】
【0022】
共通する特徴及び形体を共有する幾つかの実施例に関して、以下に説明する。任意の一の実施例に関する1つ以上の特徴が、他の実施例に関する1つ以上の特徴と組み合わせることができることに留意すべきである。さらに、任意の実施例における任意の単一の特徴又は特徴の組み合わせが、さらなる実施例を構成する場合がある。
【0023】
本明細書では、“備えている(comprising)”は、“広義(open)”の意味で、すなわち、“含んでいる(including)”の意味で理解すべきである。従って、“狭義(closed)”の意味に、すなわち、“〜のみから成る(consisting only of)”の意味に限定すべきではない。対応する意味は、対応する用語である“備えた(comprise)”、“備えてられた(comprised)”、及び“具備した(comprises)”に帰属するべきである。
【0024】
“空気(air)”との用語の意味には、例えば補給用酸素を含む空気のような呼吸可能ガスが含められている。また、本明細書で説明するPAP装置又はブロワは、空気以外の流体を送出するように構成されている。
【0025】
現在において適用されている技術では、患者インターフェースとチューブの抗力を分断するように構成されている当該チューブとの間に、何らかの機構又は組立体が設けられており、チューブは自在に移動可能とされるので、排出ガスのための通気口についてのシールを破損させることなく、患者がチューブを所望の位置に位置決めすることができ、患者が審美的に許容することができる小型で邪魔にならない構造が実現されている。
【0026】
通気機構は、空気が患者又は同床者に向かって噴射されることを防止するために、及び、騒音を低減するために排出ガスを拡散させる。
【0027】
通気機構は、吐出された空気をさらに拡散させるために、エルボー組立体又はコネクタ組立体と協働する。例えば、エルボーは、空気を拡散された状態で偏向させるための隆起部を備えている場合がある。
【0028】
エルボーは、可動範囲を大きくするように且つチューブの抗力を分断することを補助するように構成されている、1つ以上の旋回式コネクタを備えている。
【0029】
エルボーは、アダプタやコネクタと呼称される場合があり、空気搬送チューブを患者インターフェースに取り付けるための任意の要素として説明される場合がある。
【0030】
[エルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体−通気口付コネクタ又は通気口付リング]
図1図4に表わすように、本発明の一の実施例におけるエルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体10は、通気口付コネクタ又は通気口付リング20と旋回式エルボー40とを備えている。スリーブ30は、通気口付リング20と旋回式エルボー40との間に配設されている。スリーブ30は、旋回式エルボー40の第1の端部と通気口付リング20との間に配設されている。旋回式カフス50は、第1の端部の反対側に位置する旋回式エルボー40の第2の端部に配設されている。旋回式カフス50は、旋回式カフス50の環状係合リング51を備えており、環状剣豪リング51は、旋回式エルボー40の環状溝43内に受容されているので、旋回式カフス50は、旋回式エルボー40に対して回転可能又は旋回可能とされる。
【0031】
また、旋回式エルボー40の第2の端部分は、テーパ状のフランジ44を含んでおり、テーパ状のフランジ44は、旋回式エルボー50の環状溝52内に受容されているので、旋回式エルボー50は、旋回式エルボー40に対して固定されている。また、旋回式エルボー40は、端部分53を含んでおり、端部分53は、空気搬送ホース又は空気搬送導管に接続されるように構成されており、空気搬送ホース又は空気搬送導管は、流れ発生器すなわちブロワによって発生される呼吸可能ガスの流れを搬送するように構成されている。
【0032】
図2に表わすように、通気口付リング20は、内側フランジ22と外側フランジ23とを備えている。例えば患者インターフェースシステムのクッション5のような、患者インターフェース構造体は、通気口付エルボーリング20のチャネル24の内部に装着されている。クッション5としては、鼻用クッション、顔全体用クッション、鼻用枕やプロングクッションが挙げられる。また、例えば、患者インターフェースシステムは、クッション5を支持する支持構造体若しくはフレーム、呼吸可能ガスの流れをクッションに搬送するように構成されているチューブ、導管、若しくはホース、並びに/又は、患者インターフェースを位置決め及び安定させるためのシステム(例えばヘッドギア)を含んでいる。また、通気口付エルボーリング20が、例えば支持構造体又はフレームに配設されていることに留意すべきである。
【0033】
図31に表わすように、旋回式エルボー40及びコネクタ組立体10と共に利用可能なクッション5は、シール部分950を含んでおり、シール部分950は、支持部分953によって支持されている上側リップ係合部分962を有している。シール部分950は、鼻先端係止部分952の近傍における前方間隙を介して、支持部分953から分離している。鼻先端係止部分952は、可撓性を有しており、患者の鼻が接触した場合に伸長可能とされるが、その伸長の可能性は、鼻先端係止部分952が支持部分953に到達可能な程度に制限されている。鼻先端係止部分952においては、開口部955からの長さが、様々な大きさの鼻の先端に装着可能とされるように伸長するので、様々な患者の鼻の先端が、様々な位置で鼻先端係止部分に係止可能とされる。ステム954は、支持部分953及びシール部分950を支持している。クッション5は、例えば特許文献1に開示されており、当該特許文献は、参照により本明細書に組み込まれている。しかしながら、本発明におけるエルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体は、例えば特許文献2又は特許文献3に開示されているクッションのような、他の患者インターフェース構造体又は患者インターフェースシステムと共に利用される場合があることに留意すべきである。当該特許文献は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0034】
ステム954は、通気口付エルボーリング20を受容している。通気口付エルボーリング20は、クッション5の開口部に挿入されているので、ステム954が、内側フランジ22と外側フランジ23との間に形成されたチャネル24内に配置されており、チャネル24を密封している。シール部分950とステム954と支持部分953とは、例えば液状シリコーンゴム材料、又は、TPE、ゲル状材料や発泡材料のような他の弾性材料のような、可撓性材料から作られている。ステム954と支持部分953とが共に例えば鋳型で形成され、シール部分950が別体で形成された後に、例えば接着によって共に結合される。代替的には、ステム954と支持部分953とが共に例えば鋳型で形成された後に、シール部分950が、型成形で支持部分953及びステム954に結合される。
【0035】
クッション5は、可撓性を有しているガセット965を備えており、ガセット965は、支持部分953とステム954とを含んでいる。支持部分953とステム954とは、単一の一体要素として形成されている。可撓性を有しているガセット965は、ショア硬さ約20A〜約90A、好ましくはショア硬さ約40Aのシリコーンから構成されている。可撓性を有しているガセット965は、また、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ナイロン、熱可塑性エラストマ(TPE)、又はハイトレル(登録商標)等から作られている。
【0036】
図1図4に表わすように、通気口付エルボーリング20は、複数の通気スロット25を備えており、通気スロット25は、内側フランジ22を貫通し、チャネル24を横断し、外側フランジ23を貫通して延在している。図2に表わすように、スリーブ30は、スリーブフランジ31を含んでおり、スリーブフランジ31は、旋回式エルボー40のフランジ41と通気口付エルボーリング20の外側フランジ23との間に配設されている。図1に表わすように、旋回式エルボー40と通気口付エルボーリング20とがスリーブ30を介して接続されているので、通気スロット25を通じてクッション5の内部からクッション5の外部に吐出ガスを通気させるための、複数の通気口21が形成される。
【0037】
本発明における一の実施例では、通気口の穴の形状について、その断面(例えば丸い)が、空気が外界に排出される外側の断面(例えば直径)と比較して、(空気が流入する)内側において、又は当該内側に向かって大きくなっているように形成されている。また、出口点又は出口領域が、同床者/ベッドクロスから離隔するように空気を拡散させるように、垂直ではなく傾斜している。
【0038】
滑らかな移行部分が、旋回軸に沿って通気口に発生する騒音を低減すること又は当該騒音を低く維持することを補助するために、及び、通気口の全長を効果的に大きくするために、通気通路に形成されている。その結果として、層流が発達するので、騒音を一層低減することができる。
【0039】
旋回式エルボー40の第1の端部分は、スリーブ30の環状の表面32に係止しているテーパ状のフランジ42を含んでいる。スリーブ30の円筒状の部分33は、スリーブフランジ31と旋回式エルボー40のテーパ状のフランジ42との間において延在している。図2に表わすように、スリーブ30は、テーパ状のフランジ42を介して旋回式エルボー40に永続的に組み付けられているが、スリーブ30が、組立コストを削減するために、アンダーモールド成形されているか、同時成形されているか、又は旋回式エルボー40と共に形成されていることに留意すべきである。
【0040】
図1に表わすように、旋回式エルボー40とコネクタ組立体10とは、複数の通気口を、例えば20個〜60個の通気口を、例えば30個〜50個の通気口を、例えば38個、40個、又は42個の通気口を備えている。通気口の断面領域は、多様であり、例えば0.5mm×0.5mm、例えば1.0mm×1.0mm又は0.7mm×0.7mmとされる。
【0041】
スリーブフランジ31と旋回式エルボー40のフランジ41とは、旋回式エルボー40を中心として360°の範囲でクッション5の内部から排出ガスを患者の顔から離隔するように通気させるようになっている所定の角度で配設されている。スリーブ30は良好な拡散性を有しており、通気通路は収容されており、容易に調整可能とされる。また、スリーブ30に通気口21が形成されていることによって、クッション5の内部から通気させる際に生じる騒音が低減される。
【0042】
図1図4は、円状の通気口付エルボーリング20を表わすが、通気口付エルボーリングの断面は、例えば図35及び図36に表わすように楕円状であっても良いことに留意すべきである。
【0043】
[エルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体−通気口付エルボー]
図32図37に表わすように、他の実施例におけるエルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体120は、旋回式エルボー140とコネクタ又はリング150とを備えている。クッション130は、可撓性を有しているベース133を備えており、ベース133は、リング150を密閉状態で受容するための開口部を備えている。可撓性を有しているベース133は、フランジ又はステム138を備えており、フランジ又はステム138は、内側フランジ152と外側フランジ153との間に形成されたリング150のチャネル154内に受容されるように構成されている。クッション130は、患者又は利用者の鼻孔に密閉状態で係合させるための鼻受け部131と、患者インターフェース構造体を位置決め及び安定化させるためのシステム(例えばヘッドギア)にクッション130を接続させるためのコネクタ132とを備えている。クッション130は、例えば特許文献4に開示されており、当該特許文献は、参照により本明細書に組み込まれている。硬質又は半硬質の患者インターフェース構造体(例えばフレーム)を含む他のクッション又は患者インターフェース構造体であっても、エルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体と共に利用可能であることに留意すべきである。
【0044】
旋回式エルボー140は、例えば搬送ホース又は搬送導管に接続されるように構成されている第1の端部143を含んでいる。旋回式エルボー104は、旋回式エルボー140をリング150に固定するために、第2の端部にテーパ状のフランジ142を含んでいる。第1の端部143と第2の端部との中間において、旋回式エルボー140は、傾斜フランジ141を含んでおり、傾斜フランジ141は、フランジ141の周囲に間隔を空けて配置されている複数の通気口145を有している。傾斜フランジ141は、旋回式エルボー140の長手方向軸線に対して傾斜している。また、傾斜フランジ141の周囲に対する通気口145の配置が、等間隔であっても不等間隔であっても良いことに留意すべきである。さらに、例えば図35に表わすように、通気口145が、旋回式エルボー140の傾斜フランジ141の全周に亘って延在していない場合があることに留意すべきである。
【0045】
径方向フランジ146は、リング150の外側フランジ153に係合している傾斜フランジ141を囲んでいる。リング150は、テーパ状のフランジ142と径方向フランジ146との間に固定されている。さらに、旋回式エルボー140は、第1の端部143からの呼吸可能ガスが通気部分147に流入することを防止するためのバッフル144を備えている。旋回式エルボー140は、円状とされるが、他の形状であっても良い。
【0046】
図35図37に表わすように、リング150は、楕円状(例えば楕円状の断面)に構成されている。円状の径方向フランジ155は、旋回式エルボー140の径方向フランジ146との密閉接続を実現するために、リング150に形成されている。また、図35に表わすように、通気口145は、旋回式エルボー140の全周に亘って配設されていない場合がある。例えば、傾斜フランジ141の下側部分159には通気口145が形成されておらず、及び/又は、傾斜フランジ141が通気口145同士の間に補剛部分157を有している場合がある。また、図37に表わすように、旋回式エルボー140のバッフル144は、楕円状に構成されており、旋回式エルボー140には、通気部分147及び不通気部分149が形成されている。
【0047】
[エルボー及びコネクタを具備する二重旋回式組立体−通気口付コネクタ又は通気口付リング]
図5図16に表わすように、一の実施例におけるエルボー及びコネクタを具備する二重旋回式組立体60は、玉継手すなわちボールジョイントとして機能する通気スロット付エルボーリング70と、ボールジョイントとして機能する通気スロット付エルボーリング70に旋回可能に接続されている、ボールジョイントとして機能する旋回式エルボー80と、ボールジョイントとして機能する旋回式エルボー80に旋回可能に接続されている旋回式カフス90とを備えている。ボールジョイントとして機能する通気スロット付エルボーリング70は、旋回式エルボー70の周囲に亘って延在している複数の通気スロット71を含んでいる。図7に表わすように、通気スロット71は、旋回式エルボーリング70の内側フランジ73を貫通して延在している。開口部を有しているクッション5は、内側フランジ73と外側フランジ74との間に形成されたチャネル75内に受容される。通気スロット付エルボーリング70がクッション5の開口部内に位置決めされた場合には、通気穴が、通気スロット付エルボーリング70の通気スロット71とクッション5との間に形成される。クッション5のステム454が通気スロット付エルボーリング70のチャネル75内に受容された場合には、クッション5は、エルボー及びコネクタを具備する二重旋回式組立体60に固定される。以下で利用するように、“密閉状態で固定(sealingly secured)”との用語は、旋回式エルボーを通じて例えばクッションのような患者インターフェースシステムに搬送される呼吸可能ガスの流れが、患者すなわち患者インターフェースシステムの装着者によって排出されることなく、通気口を通じて患者インターフェースの内部から外部に通過しないことを意味する。
【0048】
図6に表わすように、通気スロット付エルボーリング70は、環状面72を含んでいる。エルボー及びコネクタを具備する二重旋回式組立体60が図5図7に表わす位置すなわち構成とされる場合に、言い換えれば、旋回式エルボーが概略的に下向きに向いている場合に、環状面72は、ボールジョイントとして機能する旋回式エルボー80の環状面81と密接又は一致している。図10に表わすように、ボールジョイントして機能する旋回式エルボー80は、弓状に膨出した環状の又は部分的に球状の外面82を含んでいる。外面82は、通気スロット付エルボーリング70の、弓状に膨出した環状の又は部分的に球状の内面76によって旋回可能に囲まれている。従って、通気スロット付エルボーリング70とボールジョイントして機能する旋回式エルボー80とは、通気スロット付エルボーリング70と旋回式エルボー80とを接続する玉継手として機能する。内面76と外面82とは、略同一の曲率半径を有している。略同一の曲率半径は、通気スロット付エルボーリング70及び旋回式エルボー80を共に型成形することによって実現されるので、通気スロット付エルボーリング70と旋回式エルボー80とを化学的に結合したり、例えば鋳引けによって型成形で機械的に結合する必要がない。基本的には、内面76と外面82とが内面76と外面82との接触領域全体に亘って係合されるので、ガスが通気スロット付エルボーリング70と旋回式エルボー80との間を流れることは全く又はほとんどない。
【0049】
旋回式エルボー80は、図12に表わす位置から図13図15、及び図16に表わす位置に旋回可能とされる。図12では、環状面81が通気スロット付エルボーリング70の環状面72と密接しており、通気スロット付エルボーリング70の長手方向軸線と旋回式エルボー80の長手方向軸線とが同一直線上に配置されている。図13図15、及び図16では、環状面72,81が密接しておらず、通気スロット付エルボーリング70の長手方向軸線と旋回式エルボー80の長手方向軸線とが互いに対して傾斜している。図13図15、及び図16に表わすように、旋回式エルボー80の弓状に膨出した環状の外面82と旋回式エルボー80の端部分との間に形成された環状結合部分85は、通気スロット付エルボーリング70内部において、旋回式エルボー80の旋回を制限する。
【0050】
図10図16に表わすように、旋回式エルボー80の端部分は、旋回式カフス90のテーパ状の環状係合リング91を受容している環状溝83を含んでいる。旋回式エルボー80のテーパ状のフランジ84が、旋回式カフス90のテーパ状の環状係合リング91に係合されているので、旋回式カフス90が、旋回式エルボー80に保持されている。図12及び図13に表わすように、旋回式カフス90は、図12に表わす位置から図13に表わす位置に旋回式カフス90を回転させるための傾斜溝92を含んでいる。
【0051】
図9図14に表わすように、旋回式カフス90を回動させることによって、エルボー及びコネクタを具備する二重旋回式組立体60の長手方向軸線が、例えば40°〜60°の角度αで、好ましくは50°の角度αで回転される。
【0052】
エルボー及びコネクタを具備する二重旋回式組立体60は、空気搬送チューブ又は空気搬送導管と旋回式カフス90の端部分93との接続分を2つの方向において旋回させることができる。例えば図7及び図8に表わすように、旋回式カフス90は、旋回式エルボー80の環状面81が通気スロット付エルボーリング70の環状面72と密接するように旋回式エルボー80が所定の位置に維持された状態において、図7に表わす位置から図8に表わす位置に旋回可能とされる。図9は、図7に表わす配置から図8に表わす配置に至る移行を表わす。旋回式カフス90の中心軸線が、例えば50°の角度αで回転する。旋回式カフス90が図7に表わす位置から図8に表わす位置に旋回されることによって、短い空気搬送チューブ又は空気搬送導管を直線状にすることができ、これにより、通気スロット付エルボーリング70及びクッション5に作用するトルクを低減することができる。このような旋回機能を有しない他のマスクでは、空気搬送チューブがエルボーの中心軸線に対して垂直とされる方向に引き込まれた場合に、エルボーがL字状に構成されていると共に旋回機能を有しないので、エルボーは空気搬送チューブと一致するように回転することができない。従って、このような引き込む力がマスクに直接作用し、シールを破損させる場合がある。ボールジョイント(又は自在継手)を構成することによって、エルボーと旋回式カフスとが、空気搬送チューブによって作用される力に依存して再び位置合わせされる。
【0053】
また、エルボー及びコネクタを具備する二重旋回式組立体60は、例えば図13に表わす位置から図15に表わす位置に至るまで、旋回式エルボー80を通気スロット付エルボーリング70に対して旋回させることができる。旋回式エルボー80の弓状に膨出した環状の外面82と旋回式エルボー80の端部分との間に形成された環状結合部分85によって、旋回式エルボー80の回動又は旋回は制限される。また、旋回式エルボー80は、旋回式カフス90も旋回式エルボー80に対して回動又は旋回可能な状態において、図13に表わす位置から図16に表わす位置に至るまで旋回可能とされる。
【0054】
[エルボー及びコネクタを具備する三重旋回式組立体−通気口付コネクタ又は通気口付リング]
図17図30に表わすように、他の実施例におけるエルボー及びコネクタを具備する三重旋回式組立体は、旋回式カフス90の端部分に旋回可能に接続されている第2の旋回式カフス100を備えている。第2の旋回式カフス100は、旋回式カフス90の端部分において環状溝95内に受容されているテーパ状の環状係合リング101を備えている。テーパ状のフランジ94は、第2の旋回式カフス100の環状係合リング101に係合及び保持するために、旋回式カフス90の端部に配設されている。第2の旋回式カフス100は、旋回式カフス90のテーパ状のフランジ94を受容している環状溝102を含んでいる。第2の旋回式カフス100は、クッション5を含む患者インターフェースの内部に搬送するために、流れ発生器すなわちブロワによって提供される呼吸可能ガスの流れを受け入れるための空気搬送チューブ又は空気搬送導管を受容するように構成されている端部分103を含んでいる。
【0055】
図17図30に表わす実施例における旋回式カフス90と旋回式エルボー80とは、図5図16に表わす実施例に関して説明した態様と同一の態様で旋回可能とされる。図21及び図25に表わすように、旋回式カフス90を回動させることによって、エルボー及びコネクタを具備する三重旋回式組立体60の長手方向軸線が、例えば40°〜60°の角度βで、好ましくは50°の角度βで回転される。図示の実施例では、第2の旋回式カフス100は、旋回式カフス90のテーパ状のフランジ94を受容している環状溝102を含んでいるが、第2の旋回式カフス100が、旋回式カフス90が旋回式エルボー80に対して旋回する態様に類似した態様で第2の旋回式カフス100が所定の角度で旋回可能となるように、第1の旋回式カフス90の傾斜溝92に類似している傾斜溝を備えている場合があることに留意すべきである。
【0056】
[エルボー及び窒息防止バルブを具備する旋回式組立体]
図38図47に表わすように、本発明の一の実施例におけるエルボー及び窒息防止バルブを具備する旋回式組立体300は、拡散通気口を備えている。また、旋回式組立体300は、旋回式組立体300を例えばマスクのような患者インターフェースに対して係合又は係合解除するための、例えばボタンやアクチュエータのような係合部分を含んでいる。旋回式組立体300は、一体成形されている場合がある。このような構成は、患者が構成要素を取り外す必要が無い場合に優位である(これにより、構成要素を紛失する潜在的な可能性と再組立時における位置合わせの誤差とを排除することができる)。構成要素のコストが低減され、窒息防止バルブは、当該窒息防止バルブに毒を入れられないように、又は、当該窒息防止バルブが偶発的に取り外されないように位置決めされている。
【0057】
図38図41に表わすように、旋回式組立体300は、第1のエルボー要素、基本成形部分、カラー、又は骨格部分200を備えている。骨格部分200は、開位置又は患者位置において旋回式組立体300を支持するための、旋回式組立体300の基底構造を提供する。図38に表わすように、骨格部分200は、通気穴230を含んでおり、上述の実施例と同様に、通気穴230は、排出されたガスを患者インターフェースから流出させるように構成されている。さらに、図41に表わすように、骨格部分200は、バッフル260を備えており、上述の実施例と同様に、バッフル260は、旋回式組立体300内において流入するガスと流出するガスとを分離するように構成されている。
【0058】
また、例えば、骨格部分200は、患者インターフェースと接合又は接続するための係合タブ240を備えている第1の接続領域245を含んでいる。第1の接続領域245は、前方から見た場合に、略弧状に形成されているか、又は第1の弧状領域を形成している。また、例えば、骨格部分200は、チューブ又は回り継手と接合又は接続するための第2の接続領域250を含んでいる。さらに、例えば、骨格部分200は、マスクに対して相対的に旋回式組立体300を位置決めするためのストッパを含んでおり、当該ストッパは、マスクと接続させることによって、又は旋回式組立体300をマスクに挿入することによって旋回式組立体300の移動を防止する。
【0059】
骨格部分200は、比較的高剛性な材料又は堅い材料から形成されているので、骨格部分200の構造は、ガスを流通させるために開いた状態を維持している。比較的堅い材料は、空気が通気穴から流出する際の騒音を最小限度に抑えることができる。骨格部分200は、例えばポリカーボネート、ポリプロピレン、又はナイロンから形成されている。高剛性な材料は、また、ある程度の負荷が作用した状態において旋回式組立体300を、例えば旋回式組立体を装着している患者を開位置に維持することを補助する。高剛性な材料は、また、利用者がチューブ及び/又は回転継手をマスクに接続又は接続解除することを容易にする。
【0060】
さらに、図39に表わすように、骨格部分200は、第1の接続領域245を第2の接続領域250と接続させるように構成されているサポート、アーム、又は相互接続領域290を備えている。サポート290は、また、第1の開口部210及び第2の開口部220の境界を形成している。サポート290は、可撓性及び弾性を有しており、すなわち、サポート290は、変形後に元の形状に復元可能とされる。第1の開口部210は、窒息防止バルブ又は他のバルブを受容するように構成及び配置されている。第2の開口部220は、可撓性を有している部材又はウエブを受容するように構成及び配置されている。第2の開口部220は、図40に表わすように、第1の接続領域245において開口部、間隙、又は隆起280に至るまで延在している。
【0061】
図39に表わすように、通気穴230は、流出する空気流を良好に拡散させるように略円状又は丸くなっている表面235に配設されている。表面235は、湿気がエルボーに蓄積することを防止するためにテーパ状になっている場合がある。この場合には、通気に起因するホイッスル音が発生し、すなわち、通気穴から流出する空気が、甲高いホイッスルのような騒音を発生させる。通気穴230は、空気流を拡散させるために表面235の周囲に分散配置されている。通気穴230が、表面235の周囲に一定間隔で離隔して配置されているか、本明細書で説明する他の態様で配設されている場合があることに留意すべきである。
【0062】
骨格部分200は、さらに、第2のサポート又はストッパ270を含んでおり、第2のサポート270は、ボタン又は他の係合機構を受容するように構成されている。第2のサポート270は、例えばボタンのような係合機能又は係合機構から骨格部分200に力を伝達させるように構成されている。また、第2のサポート270は、例えばボタンのような係合機能又は係合機構のために補剛されているか、又は支持構造体を形成しているので、ボタンが押下された場合に、第2のサポート270は、圧潰されずに骨格部分200に力を伝達させることができる。第2のサポート270は、成形型やモールド内において骨格部分200を位置合わせするための位置合わせ機能を有している。第2のサポート270は、例えばオーバーモールドのような、当接又は接触して形成されている第2の構成要素のための表面を形成している。
【0063】
骨格部分200は、オーバーモールド成形されているか、又は例えば組立式オーバーモールド部材のような第2の構成要素335(可撓性を有している部分又は変形可能領域とも呼称される)を具備して形成されている。例えば、骨格部分200は、第1の成形型内で成形された後に、第2の構成要素335を具備したオーバーモールド成形を実施するために第2の成形型に輸送されるか、又は一の成形型内ですべてが実施される。第2の構成要素335は、化学的に、機械的に、又は骨格部分200に形成される場合がある。第2の構成要素335は、例えば熱可塑性エラストマー(TPE)、シリコーン、ゲルや他の材料のような、比較的可撓性を有している材料から形成されている。
【0064】
第2の構成要素335は、係合部分320と、可撓性を有している部材すなわちウエブ330と、リップ315と、バルブ部材310とを含んでいる。係合部分320としては、例えばボタン、グリップ、タブ、又は患者又は臨床医からの押圧力や他の動作を受容するように構成されている機構が挙げられる。係合部分320は、第2のサポート270によって支持又は補剛されている。係合部分320が、押圧された場合に互いに向かって押し込まれるので、これにより、第1のサポート290を内向きに変位させることができる。この場合には、第1のサポート290は、第1の静止位置(例えば円状の形態)から第2の押圧位置(例えば長円状又は楕円状の形態)に第1の接続領域245を変形させる。間隙又は隆起280は、第1の接続領域245が可撓性を有しているように構成されている。このように形状を変化させることによって、係合タブ240が第1の係合位置から第2の係合解除位置に移動される。間隙又は隆起280は、第2の弧状領域を形成しているので、当該第2の弧状領域が第1の接続領域245の第1の弧状領域と組み合わされた場合には、2つの構成要素は円ひいては円筒を形成する。
【0065】
可撓性を有している部材すなわちウエブ330は、係合部分320に接続されており、第2の開口部220を密閉している。可撓性を有している部材330は、膜の形態、又は容易に変形可能な他の形態とされるので、係合部分320が押圧された場合には、可撓性を有している部材330が屈曲又は湾曲するようになっている。
【0066】
リップ315は、第1の開口部210の中心に形成されており、第1の開口部210の周囲に亘って配設されている。リップ315は、物体が第1の開口部210から侵入することを防止するように構成されている。また、リップ315は、エルボー及び窒息防止バルブを具備する旋回式組立体300を成形するための蓋として機能する。
【0067】
図46に表わすように、バルブ部材310は、エルボー及び窒息防止バルブを具備する旋回式組立体300の本体の内部に、すなわち第1のサポート290同士の間に位置決めされている。バルブ部材310は、窒息防止バルブのように機能する。すなわち、例えば空気が第2の接続領域250から第1の接続領域245に搬送される場合には、バルブ部材310は、第1の開口部210を閉鎖するために第1の位置(図示しない)に向かって移動する。一方、第2の接続領域250から第1の接続領域245に搬送される空気が存在しない場合には、バルブ部材310は、第1の開口部210を閉塞しない第2の位置(図46参照)に向かって移動する。これにより、空気が大気から第1の開口部210を通じて患者に供給される。バルブ部材310は、フラップである場合がある。バルブ部材310は、例えばリップ315に取り付けられた一体型ヒンジを介して、第2の構成要素335と共に一体に形成されている。バルブ部材310は、第2の構成要素335から独立して形成されており、第2の構成要素335に取り付けられている場合があることに留意すべきである。バルブ部材310は、第1の開口部210より大きいので、空気が第2の接続領域250から第1の接続領域245に搬送される場合に、第1の開口部210を閉塞することができる。
【0068】
バルブ部材310とリップ315と係合部分320と可撓性を有している部材330とは、同一の材料から一体に形成されている場合がある。代替的には、これら構成部材のうち少なくとも1つの構成部材が、独立して形成されているか、及び/又は代替的な材料から形成されている。
【0069】
例えば図68A図70に表わすように、本発明におけるさらなる実施例では、エルボー800は、多数のステップから成る方法によって形成又は構成されている。当該多数のステップから成る方法としては、多数の機能を具備する単一の構成要素を実現するための3つのステップから成る方法が挙げられる。エルボー800は、骨格部分又はフレーム805を備えており、例えば、骨格部分805は、高剛性材料又は半剛性材料から構成されており、空気搬送チューブからマスクに空気流を搬送するように構成されている。最初に、骨格部分805は成形型内で形成又は成形される。骨格部分805は、例えばポリプロピレン、ポリカーボネートやナイロンのような高分子材料から構成されている。
【0070】
エルボー800は、さらに、フラップ812を有しているAAV(窒息防止バルブ)810を備えており、フラップ812は、流れ発生器が空気をマスクに搬送しない場合に、患者が大気ガスにアクセス可能となるように構成されている。AAV810は、骨格部分805の内部で形成若しくは成形されるか、又は形成若しくは成形された後に骨格部分805に組み付けられる場合がある。例えば図68A図68Dに表わすように、AAV810は、成形された後に、骨格部分805内において開口部815を通じて引っ張られる。AAV810のプルタブ820によって、開口部815を通じてAAV810を引っ張ることができる。プルタブ820は、使い捨ての構成要素とされる場合があり、この場合には、一度利用される(例えば開口部815を通じて引っ張られる)と、図69に表わすように(外側フランジ810.1の外面810.2がエルボー800の表面と略同一平面状に配置されるように)切り離されるか、又は取り除かれる(例えば内側フランジ825が引っ張られ、骨格部分805の内面に対して係留されると、さらなる作用力によって、プルタブ820がAAV810から離隔するように引き裂かれる。任意にはプルタブ820と外側フランジ810.1との間に形成されたミシン目によって、このような引き裂きが補助される)。代替的には、AAV810は、開口部815内において成形されており、プルタブ820を引っ張る必要なく、骨格部分805を貫通して延在している場合がある。AAV810は、骨格部分805の内壁830に対してAAV810を密閉するための内側フランジ825を含んでいる。
【0071】
エルボー800は、可撓性を有している構成要素832を備えており(図69A参照)、可撓性を有している構成要素832は、AAV810を所定位置に固定するように、及び/又は、エルボー800の1つ以上の解除ボタン835を形成するように構成されている。例えば、可撓性を有している構成要素832は、シリコーン又はTPEから成り、解除ボタン835の外側部分を形成するために骨格部分805を覆うように成形されているので、解除ボタン835は可撓性を有している。また、可撓性を有している構成要素832は、AAV810を密閉するために、及び、AAV810を骨格部材805に対する所定位置に保持するために、開口部815においてAAV810を覆うように成形されている。
【0072】
このような構成は、以下の利点のうち1つ以上の利点を有している。
− AAVは、所定位置において密閉され、エルボーから取り外すことができないので、患者が偶発的にAAVを分解することによって装置が危険な状態になることを防止することができる。
− 可撓性を有している構成要素は、単発成形で成形可能とされる。但し、可撓性を有している構成要素がAAVを覆うように配設されていない場合には、可撓性を有している構成要素がボタンそれぞれにおいてエルボーの両側に成形される場合がある。
− エルボーの視覚的訴求を高めることができる。
【0073】
[患者インターフェースであるクッションを含んでいる、エルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体]
図48に表わすように、呼吸可能ガスの流れを患者に搬送するための患者インターフェースシステム400は、旋回式エルボー410と、回り継手又はリング又はコネクタ420と、患者の気道を密閉状態で係止するためのクッション430とを含んでいる。図示のクッション430は、鼻受け部又はプロング又はパフを含んでいるが、例えば鼻用クッションや顔全体用クッションのような他のクッションであっても利用可能であることに留意すべきである。回り継手420は、回り止め部421を含んでいるバヨネット式接続部440を介して、クッション430に対して脱着可能とされる。回り止め部421は、クッション430に形成されたタブ431と係合するために回り継手420に形成されている。通気口411は、旋回式エルボー410と回り継手420との間に配設されている。通気口411は、旋回式エルボー410と回り継手420との間に通気間隙を形成するために、旋回式エルボー410の表面に形成されているスロットを含んでいる。スロットは、旋回式エルボー410ではなく、回り継手420に形成されているか、又は旋回式エルボー410及び回り継手420の両方に形成されている場合があることに留意すべきである。
【0074】
本発明の他の実施例では、図49図51に表わすように、患者インターフェースシステム450は、旋回式エルボー460と、回り継手又はリング又はコネクタ470と、クッションとを含んでいる。回り継手470は、符号481が指示する地点においてクッション490に取り付けられている、リング480に接続されている。リング480は、クッション490に永続的に又は取り外し可能に取り付けられている。例えば、クッション490は、リング480に対してオーバーモールド成形されており、リング480は、接着によって取り付けられている。他の実施例では、クッション490とリング480とが共に締まり嵌めされている場合がある。
【0075】
旋回式エルボー460は、回り継手470に取り外し可能に取り付けられているか、又は、旋回式エルボー460は、回り継手470に永続的に取り付けられている。旋回式エルボー460は、可撓性を有しているボタン462を有しており、ボタン462は、旋回式エルボー460に形成された溝463同士の間に配設されている。ボタン462は、旋回式エルボー460を回り継手470に対して接続及び接続解除するために押下されるか、又は屈曲される。
【0076】
通気口461は、旋回式エルボー460と回り継手470との間に形成されている。通気口461は、旋回式エルボー460と回り継手470との間に通気間隙を形成するために、旋回式エルボー460の表面に形成されたスロットを含んでいる。スロットが、旋回式エルボーではなく、回り継手に形成されているか、又は、スロットが、旋回式エルボー及び回り継手の両方に形成されている場合があることに留意すべきである。
【0077】
図52に表わすように、本発明の他の実施例における患者インターフェースシステム500は、旋回式エルボー510と、回り継手又はリング又はコネクタ520と、クッション530とを含んでいる。クッション530は、符号521が指示する地点において回り継手520に永続的に又は取り外し可能に接続されている。旋回式エルボー510は、回り継手520に締まり嵌めされており、溝463に類似する溝513同士の間に配設されているボタン512を押下することによって取り外し可能とされる。溝463は、材料又はオーバーモールド成形された第2の材料(例えばTPEやシリコーン)のいずれかの薄肉領域によって、気密状態とされる。さらに、旋回式エルボー510は、吐出されたガスを通気させるためのスロット511と、騒音を低減すると共に排出されたガスの洗浄量を増加させるためのバッフル514とを含んでいる。
【0078】
図53及び図54に表わすように、本発明の一の実施例におけるエルボー550は、吐出されたガスを通気させるためのスロット551と、騒音を低減すると共に排出されたガスの洗浄量を増加させるためのバッフル554とを含んでいる。開口部552は、呼吸可能ガスの流れが阻害又は停止された場合に患者の呼吸を可能とするために、エルボー550に形成されている。AAVフラップ555は、呼吸可能ガスがエルボー550内において流れた場合に開口部552を閉塞するために(すなわち、呼吸可能ガスの流れがAAVフラップ555を閉位置に向かって付勢することによって、開口部552を塞ぐために)設けられている。図53及び図54に表わすように、AAVフラップ555は開位置に位置している。エルボー550は、通気流れに起因する騒音を改善すると共にスロット551を閉塞させるために、例えば高剛材料から成形されている。AAVフラップ555は、呼吸可能ガスの流れの影響下においてAAVフラップ555を開位置から閉位置に移動可能とするために、例えば可撓性を有している材料から形成されている。
【0079】
[エルボー及びチューブコネクタを具備する組立体]
図55図57に表わすように、エルボー及びチューブコネクタを具備する組立体560は、エルボー570と、エルボー570の内面に挿入されているチューブコネクタ580とを含んでいる。チューブコネクタ580をエルボー570の内部に固定することによって、チューブ特有の取り付けが確立されるので、特定の製造業者が製造するチューブ590のみがエルボー570と共に利用可能となる。
【0080】
エルボー570は、リップ又は可撓性を有している要素571を含んでおり、リップ又は可撓性を有している要素571は、一層堅牢なシールを実現するために、例えばチューブコネクタ580の溝のような外面581と係合するように構成されている。また、チューブコネクタ580は、一連の隆起582を含んでおり、一連の隆起582は、エルボー570の内面と係合するように構成されている一方、チューブコネクタ580とエルボー570との間における摩擦の増加を回避することができるので、構成要素同士が互いに対して回転可能とされる。
【0081】
[エルボーのための直線状の回り継手、及びチューブ接続部]
図58図60に表わすように、チューブ及びエルボーを具備する組立体600は、旋回式エルボー610と、チューブコネクタ630と、回り継手又はコネクタ又はリング620とを含んでいる。チューブ及びエルボーを具備する組立体600は、例えば特許文献5に開示されるエルボーのようなエルボー610を、例えば特許文献6に開示されるチューブのような、例えば150ミリメートルの長さを有している短い伸縮式チューブに接続するために利用される。これら特許文献の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれている。組立体600は、チューブとエルボーとの間における回転力/トルク力を低減することができる。例えば特許文献7に開示されるように、患者インターフェースシステムは、患者の顔に接着された“枕状クッション(pillow cushion)”を含んでいる。患者インターフェースシステムにヘッドギアが含まれていない場合には、枕状クッションに竿油する回転力に対する抵抗が存在しない。患者インターフェースシステムは、結合解除用ガセットと、環状のエルボーと、エルボーに取り付けられた短い伸縮式チューブとを含んでいる。例えば2メートルの比較的長いチューブが、回り継手を介して、短い伸縮式チューブに接続されている場合がある。短い伸縮式チューブが短縮されると、短い伸縮式チューブは略一回転する。従って、これにより、エルボーが回転され、枕状クッションが変形し、プロング又は枕が引っ張られ、鼻から脱離する。特許文献7の患者インターフェースでは、伸縮式チューブ組立体は、“半永続的”であり、チューブとエルボーとの接続部を通じた漏出を最小限度に抑えるように構成されている。短い伸縮式チューブとエルボーとが相互作用する部位において回転することはなく、エルボーは中実の固定具として機能し、クッションに作用するトルクを大きくすることができる。
【0082】
患者インターフェースシステム内における回り継手の位置を変更することによって、例えば回り継手を短い伸縮式チューブとエルボーとの間に載置することによって、比較的長いチューブと短い伸縮式チューブとの両方の回転力すべてを介して、回り継手が枕状クッションから回転状態で結合解除される。
【0083】
エルボーの外面の形状と短いチューブカフスの内面の形状とを複製し、当該形状それぞれを例えば0.2mmで、好ましくは0.1mmでオフセットすることによって、エルボーとチューブカフスとの間に間隙が形成される。チューブが伸長され、回転開始すると、最小の摩擦を有する表面が旋回される。回り継手は、一方で“融着”し(すなわち回転しない)、他方で両側において100%の回転をするか、最大50%の回転をするので、枕状クッションは、引張力のみを受ける。
【0084】
図61図65に表わすように、本発明の他の実施例におけるチューブ及びエルボーを具備する組立体650は、例えばモールド組立体において第2の旋回式構成要素670を覆うように第1の旋回式構成要素680をオーバーモールド成形することによって製造された旋回式構成要素670,680を介して、チューブ又はチューブカフス690に接続可能とされるエルボー660を含んでいるので、より小さな設置面積内で回転継手を自在に回転させることができる。すなわち、エルボーの長さの伸長を最小限度に抑えることができる。チューブカフス690の内部形状とエルボーの外部形状とを複製することによって、漏出しない密な適合を実現し、さらには、インモールド組立体が収縮することによって、滑らかな回転が可能となる。旋回式構成要素670,680は、一体成形された二分割式回転継手を形成している。
【0085】
図66及び図67に表わすように、チューブカフスとチューブカフスとを接続するためのコネクタ組立体700は、トルク力を打ち消した状態で短いチューブのカフス710,730を結合するように構成されている回転継手を備えている。カフスコネクタ720は、100%の時計回りのトルク力を具備した長さ300mmの一方のチューブではなく、例えば150mmの長さの2つの短いチューブの間に配設されている。カフスコネクタ720は、2つの短いチューブを接続しており、2つの短いチューブそれぞれが、異なる方向に(50%が時計回りに、50%が反時計回りに)巻回されているので、それぞれが他方のトルクを打ち消すことができる。
【0086】
本発明について、現時点において最も実践的で好ましいと思われる実施例に関連させて説明したが、本発明を開示された実施例に限定することを意図している訳ではなく、逆に本発明の技術的思想及び技術的範囲に包含される様々な改良物及び均等物を保護することを意図するものであることに留意すべきである。また、上述の様々な実施例は、他の実施例と連携して実施可能とされる。例えば一の実施例の実施態様を例えば他の実施例の実施態様と組み合わせることによって、さらなる他の実施例を実現することができる。さらに、任意の組立体の独立した機能又は構成要素それぞれが、さらなる実施例を構成することができる。さらに、本発明がOSAを患っている患者に対する特定の用途を有しているが、他の病(例えば鬱血性心不全、糖尿病、病的肥満、発作、肥満手術等)を患っている患者が、上述の開示内容から恩恵を受けることができることは言うまでもない。さらに、上述の開示内容は、非医療用途においても同様に、患者と非患者とに適用することができる。
【符号の説明】
【0087】
5 クッション
10 エルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体
20 通気口付コネクタ(リング)
21 通気口
22 内側フランジ
23 外側フランジ
24 チャネル
25 通気スロット
30 スリーブ
31 スリーブフランジ
32 環状の表面
33 円筒状の部分
40 旋回式エルボー
41 フランジ
42 テーパ状のフランジ
44 テーパ状のフランジ
50 旋回式カフス
51 環状係合リング
52 環状溝
53 端部分
60 エルボー及びコネクタを具備する二重旋回式組立体
70 ボールジョイントとして機能する通気口付エルボーリング
71 通気スロット
72 環状面
73 内側フランジ
74 外側フランジ
75 チャネル
76 内面
80 ボールジョイントとして機能する旋回式エルボー
81 環状面
82 外面
83 環状溝
84 テーパ状のフランジ
85 環状結合部分
90 旋回式カフス
91 環状係合リング
93 端部分
94 テーパ状のフランジ
95 環状溝
100 第2の旋回式カフス
101 環状係合リング
102 環状溝
103 端部分
120 エルボー及びコネクタを具備する旋回式組立体
130 クッション
131 鼻受け部
132 コネクタ
133 ベース
138 フランジ(ステム)
140 旋回式エルボー
141 傾斜フランジ
142 テーパ状のフランジ
143 第1の端部
144 バッフル
145 通気口
146 径方向フランジ
147 通気部分
150 コネクタ(リング)
152 内側フランジ
153 外側フランジ
154 チャネル
157 補剛部分
159 下側部分
200 骨格部分
210 第1の開口部
220 第2の開口部
230 通気穴
235 表面
240 係合タブ
245 第1の接続領域
250 第2の接続領域
260 バッフル
270 第2のサポート
280 開口部(間隙、隆起)
290 第1のサポート(相互接続領域)
300 エルボー及び窒息防止バルブを具備する旋回式組立体
310 バルブ部材
315 リップ
320 係合部分
330 ウエブ(可撓性を有している部材)
335 第2の構成要素(可撓性を有している部分又は変形可能部分)
400 患者インターフェースシステム
410 旋回式エルボー
411 通気口
420 回り継手(コネクタ、リング)
421 回り止め部
430 クッション
431 タブ
440 バヨネット式接続部
450 患者インターフェースシステム
460 旋回式エルボー
461 通気口
462 可撓性を有しているボタン
463 溝
470 回り継手(コネクタ、リング)
480 クッション
454 ステム
500 患者インターフェースシステム
510 旋回式エルボー
511 スロット
512 ボタン
513 溝
514 バッフル
520 回り継手(コネクタ、リング)
530 クッション
550 エルボー
551 スロット
552 開口部
554 バッフル
555 AAVフラップ
560 エルボー及びチューブコネクタを具備する組立体
570 エルボー
580 チューブコネクタ
590 特定の製造業者が製造するチューブ
591 リップ(可撓性を有している要素)
600 チューブ及びエルボーを具備する組立体
610 旋回式エルボー
620 回り継手(コネクタ、リング)
630 チューブコネクタ
650 チューブ及びエルボーを具備する組立体
670 第2の旋回式構成要素
680 第1の旋回式構成要素
690 チューブ(チューブカフス)
700 コネクタ組立体
710 カフス
730 カフス
800 エルボー
805 骨格部分(フレーム)
810 AAV(窒息防止バルブ)
810.1 外側フランジ
810.2 外面
815 開口部
820 プルタブ
825 内側フランジ
830 内壁
832 可撓性を有している構成要素
835 解除ボタン
950 シール部分
952 鼻先端係止部分
953 支持部分
954 ステム
962 上唇係止部分
965 ガセット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
図60
図61
図62
図63
図64
図65
図66
図67
図68A
図68B
図68C
図68D
図69A
図69B
図70
【外国語明細書】
2018108511000001.pdf