【解決手段】本実施形態では、未渡区分情報が、未入荷区分である場合、未入荷区分を含む未渡品すべてについて、売上金額の合計が記載された売上戻し仕訳および原価金額の合計が記載された在庫戻し仕訳を作成し、未渡区分情報が、入荷済区分である場合、入荷済区分を含む未渡品すべてについて、売上金額の合計が記載された売上戻し仕訳を作成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、商品の売上データに基づいて在庫管理を行う分野においては、商品の売上自体は上がったものの、顧客への在庫の引渡しが未だ行われていない商品(いわゆる未渡品)が存在する。前記未渡品については、レジ上では売上対象として扱われてしまうが、会計処理上は、顧客への在庫の引渡しが済むまで、売上として計上してはならない。
【0005】
このため、例えば、前記未渡品の売上金額が9,000円である場合には、この9,000円を売上計上から除外するための、いわゆる「売上戻し仕訳」を作成する必要がある。
【0006】
更に、前記未渡品が、工場から店舗に未だ届いていない商品である場合には、工場から商品が届くまでは、仕入れの計上をしてはならない。このため、例えば、前記未渡品の仕入れの原価金額が、2,000円である場合には、この2,000円を仕入計上から除外するための、いわゆる「在庫戻し仕訳」も同時に作成する必要がある。
【0007】
しかしながら、従来、前記売上戻し仕訳および前記在庫戻し仕訳の作成は、店舗の従業員等が、店舗に残っている在庫を確認し、売上計上から除外すべき商品、仕入計上から除外すべき商品を把握した上で、経理等に連絡することにより行っていたため、非常に作業負荷が大きかった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、売上戻し仕訳および在庫戻し仕訳を容易に作成できる仕訳作成装置、仕訳作成方法および仕訳作成プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る仕訳作成装置は、未渡しの商品である未渡品に関する仕訳を作成する、制御部および記憶部を備える仕訳作成装置であって、前記記憶部には、前記未渡品についての原価金額、売上金額および未渡区分情報を紐づけて記憶する未渡商品データが格納されており、前記未渡区分情報は、前記未渡品が未だ店舗に入荷していないことを示す未入荷区分および前記未渡品が既に店舗に入荷していることを示す入荷済区分のいずれか一方であり、前記制御部は、前記未渡区分情報が、前記未入荷区分である場合、前記未入荷区分を含む未渡品すべてについて、前記売上金額の合計が記載された売上戻し仕訳および前記原価金額の合計が記載された在庫戻し仕訳を作成し、前記未渡区分情報が、前記入荷済区分である場合、前記入荷済区分を含む未渡品すべてについて、前記売上金額の合計が記載された売上戻し仕訳を作成する仕訳作成手段を備えること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る仕訳作成装置は、前記制御部が、作成された仕訳を表示する表示実行手段を更に備えること、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る仕訳作成方法は、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される、未渡しの商品である未渡品に関する仕訳を作成する仕訳作成方法であって、前記記憶部には、前記未渡品についての原価金額、売上金額および未渡区分情報を紐づけて記憶する未渡商品データが格納されており、前記未渡区分情報は、前記未渡品が未だ店舗に入荷していないことを示す未入荷区分および前記未渡品が既に店舗に入荷していることを示す入荷済区分のいずれか一方であり、前記制御部で実行される、前記未渡区分情報が、前記未入荷区分である場合、前記未入荷区分を含む未渡品すべてについて、前記売上金額の合計が記載された売上戻し仕訳および前記原価金額の合計が記載された在庫戻し仕訳を作成し、前記未渡区分情報が、前記入荷済区分である場合、前記入荷済区分を含む未渡品すべてについて、前記売上金額の合計が記載された売上戻し仕訳を作成する仕訳作成ステップを含むこと、を特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る仕訳作成プログラムは、制御部および記憶部を備える情報処理装置に実行させるための、未渡しの商品である未渡品に関する仕訳を作成する仕訳作成プログラムであって、前記記憶部には、前記未渡品についての原価金額、売上金額および未渡区分情報を紐づけて記憶する未渡商品データが格納されており、前記未渡区分情報は、前記未渡品が未だ店舗に入荷していないことを示す未入荷区分および前記未渡品が既に店舗に入荷していることを示す入荷済区分のいずれか一方であり、前記制御部に実行させるための、前記未渡区分情報が、前記未入荷区分である場合、前記未入荷区分を含む未渡品すべてについて、前記売上金額の合計が記載された売上戻し仕訳および前記原価金額の合計が記載された在庫戻し仕訳を作成し、前記未渡区分情報が、前記入荷済区分である場合、前記入荷済区分を含む未渡品すべてについて、前記売上金額の合計が記載された売上戻し仕訳を作成する仕訳作成ステップを含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、売上戻し仕訳および在庫戻し仕訳を容易に作成できるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る仕訳作成装置、仕訳作成方法および仕訳作成プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
小売業界においては、眼鏡・スーツに代表されるオーダー品等は、完成して顧客に引き渡すまで売上処理を行うことができないが、商品をPOS(Point of Sales)レジに通した段階で、売上対象のデータとして扱われる(レジにて前受機能を保持しているものは少ない)。その結果、前受判断ができないことが多かった、このため、従来は、決算単位で、店舗に残っている在庫を把握し、売上から除外する商品や在庫の戻し計上をする商品等の未渡品に関する管理を行い、経理へ連絡することにより会計の戻し計上を行っていた。
【0017】
また、従来は、前記未渡品について、店舗における在庫の引渡状況・在庫有無に応じて、仕訳計上としてその都度、戻し仕訳と、再計上仕訳(例えば、顧客が、翌月には商品を受け取りに来ると仮定して起こされる仕訳)と、を作成する必要があった。
【0018】
そこで、本実施形態においては、月末・四半期・半期ごとに、前記未渡品について、入荷済未渡(商品が既に店舗に入荷している)または未入荷未渡(商品が未だ店舗に入荷していない)の区分を明確にする管理を可能とし、その区分ごとの売上戻し仕訳および在庫戻し仕訳の自動計上を可能とした。すなわち、従来は、売上戻しをする商品、在庫戻しをする商品等は、店舗での設定管理に応じて会計計上処理をその都度行う必要があったが、本実施形態においては、この処理の自動化を実現した。
【0019】
言い換えると、本実施形態においては、店舗におけるPOS売上データの一覧から、前記未渡品のチェックを、前記入荷済または前記未入荷の区分ごとに行うことを可能とし、決算時の未売上、未渡仕訳データの作成を可能とした。具体的には、区分が前記入荷済である場合には、売上仕訳の戻し処理をし、区分が前記未入荷である場合には、在庫仕訳の戻し処理および前記売上仕訳の戻し処理を可能とし、更に、翌月に、前記再計上仕訳を起こす処理を実現した。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0020】
[2.構成]
本実施形態に係る仕訳作成装置100の構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、仕訳作成装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
仕訳作成装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、仕訳作成装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0022】
仕訳作成装置100は、
図1に示すように、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。仕訳作成装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0023】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、仕訳作成装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、仕訳作成装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する記憶部106に格納されるデータは、サーバ200に格納されてもよい。
【0024】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114を、表示部としてのモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0025】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0026】
記憶部106は、売上データ106aと、在庫フォルダ106bと、未渡商品データ106cと、を備えている。これらのうち、売上データ106aおよび在庫フォルダ106bは、任意の構成要素であり、記憶部106に含まれていても含まれていなくてもよい。
【0027】
ここで、未渡品、売上戻し仕訳、在庫戻し仕訳について説明する。「未渡品」とは、商品の売上自体は上がったものの、顧客への在庫の引渡しが未だ行われていない商品を意味する。小売業界においては、顧客へ前記未渡品の引渡しが済むまでは、会計計上をしてはならない。このため、例えば、前記未渡品の売上金額が9,000円である場合には、この9,000円を売上計上から除外するための、いわゆる「売上戻し仕訳」を作成する必要がある。更に、前記未渡品が、工場から店舗に未だ届いていない商品である場合には、工場から商品が届くまでは、仕入れの計上をしてはならない。このため、例えば、前記未渡品の仕入れの原価金額が、2,000円である場合には、この2,000円を仕入計上から除外するための、いわゆる「在庫戻し仕訳」も同時に作成する必要がある。以下、各データおよび各フォルダ含む内容について、
図4を用いて説明する。
【0028】
売上データ106aは、
図4に示すように、例えば、売上No、売上行No、売上計上日、売上店舗、商品コード、売上数量、売上金額等の項目を記憶する。
【0029】
在庫フォルダ106bは、
図4に示すように、例えば、売上店舗、商品コード、元在庫数、更新在庫数等の項目を記憶する。売上データ106aと在庫フォルダ106bとは、前記商品コードを通して紐づいているため、売上データ106aにおける売上数量を元にして、在庫フォルダ106bにおける更新在庫数が算出される。例えば、在庫フォルダ106bにおける商品コードA00001Aの商品は、元在庫数が5であるが、売上データ106aを参照すると、A00001Aの商品は合計2個売れているため、更新在庫数は、5個−2個=3個となる。
【0030】
未渡商品データ106cは、
図4に示すように、例えば、前記未渡品についての原価金額、売上金額および未渡区分情報を紐づけて記憶する。未渡商品データ106cは、これらの項目に加えて、
図4に示すように、売上計上日、店舗名、商品コード、売上数量、元売上No等の項目を記憶していてもよい。前記未渡区分情報は、前記未渡品が未だ店舗に入荷していないことを示す未入荷区分(
図4においては、1:未入荷)および前記未渡品が既に店舗に入荷していることを示す入荷済区分(
図4においては、2:入荷済)のいずれか一方である。小売業者等は、売上データ106aにける所望の明細を、前記未渡品として選択することにより、未渡商品データ106cを作成することができる。
【0031】
制御部102は、仕訳作成装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0032】
制御部102は、機能概念的に、(1)前記未渡区分情報が、前記未入荷区分である場合、前記未入荷区分を含む未渡品すべてについて、前記売上金額の合計が記載された売上戻し仕訳および前記原価金額の合計が記載された在庫戻し仕訳を作成し、前記未渡区分情報が、前記入荷済区分である場合、前記入荷済区分を含む未渡品すべてについて、前記売上金額の合計が記載された売上戻し仕訳を作成する仕訳作成手段としての仕訳作成部102aと、(2)作成された仕訳を表示する表示実行手段としての表示実行部102bと、を備えている。これらのうち、表示実行部102bは、任意の構成要素であるが、制御部102に含まれることが好ましい。なお、各部が実行する処理の詳細については、以下の[3.処理の具体例]にて詳細に説明する。
【0033】
[3.処理の具体例]
以下、本実施形態に係る処理の具体例について、
図2〜
図4を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係る処理フローの概略の一例を示す図である。
図3は、仕訳作成画面の一例を示す図である。
図4は、本実施形態に係る処理フローおよびデータ構造の詳細の一例を示す図である。
【0034】
本実施形態に係る処理フローの概略を、
図2を用いて説明する。
図2に示すように、POSデータから、売上データ106aが作成される。次に、売上データ106aから、未渡品の選択と、更に、入荷済/未入荷の区分を選択して、未渡商品データ106cを作成することができる。そして、未渡商品データ106cから、仕訳処理により、戻し仕訳および再計上の仕訳(併せて、W仕訳という)を作成することができる。
【0035】
本実施形態に係る処理フローの詳細を、
図3および
図4を用いて説明する。本実施形態においては、前記未渡区分情報が、前記未入荷区分である場合、売上戻し仕訳および在庫戻し仕訳の両方が作成される。一方、前記未渡区分情報が、前記入荷済区分である場合、売上戻し仕訳のみが作成される。このため、以下においては、前記未渡区分情報が前記未入荷分である場合についてまず説明し、次に、前記未渡区分情報が、前記入荷済区分である場合について説明する。
【0036】
[3−1.未渡区分情報が、未入荷区分である場合]
仕訳作成部102aは、前記未渡区分情報が、前記未入荷区分である場合、前記未入荷区分を含む未渡品すべてについて、前記売上金額の合計が記載された売上戻し仕訳および前記原価金額の合計が記載された在庫戻し仕訳を作成する。なお、前記売上戻し仕訳および前記在庫戻し仕訳の作成は、例えば、
図3に示す仕訳作成画面において、「未渡」の項目にチェックを入れて実行ボタンを選択することにより、作成することができる。
【0037】
まず、売上戻し仕訳について説明する。具体的には、
図4の未渡商品データ106cに示すように、A00001AおよびZF0001Cは、未渡区分が1(未入荷)である。この場合、仕訳作成部102aは、A00001Aの売上金額9,000円とZF0001Cの売上金額5,000円を合計した14,000円が記載された売上戻し仕訳を、
図4右下の仕訳(1)に示すように作成する。仕訳(1)においては、借方が売上高となり、貸方が店舗現金(すなわち前受金)となる。このように、仕訳(1)を作成することにより、未渡品の売上金額14,000円を、7月分の売上計上から除外することができる。
【0038】
ここで、顧客は、通常、前記未渡品を翌月(本例の場合、8月)に受け取りに来ることが多い。このため、仕訳作成部102aは、顧客が翌月8月に前記未渡品を受け取りに来ると仮定して、再計上仕訳を、
図4右下の仕訳(2)に示すように作成してもよい。仕訳(2)においては、借方が店舗現金(すなわち前受金)となり、貸方が売上高となる。このように、仕訳(2)を作成することにより、前記未渡品が、翌月8月に顧客の手元に届いたものとして、未渡品の売上金額14,000円を正式に売上計上することができる。
【0039】
このように、仕訳作成部102aは、売上戻し仕訳として、通常の戻し仕訳である仕訳(1)のみを作成してもよいし、これに加えて、再計上仕訳である仕訳(2)も同時に作成してもよい。
【0040】
なお、本実施形態においては、前記未渡品の売上を7月分の売上計上から除外し、翌月8月に再計上するという月単位での処理について説明したが、処理期間の単位はこれには限定されず、例えば、四半期単位での処理、半期単位での処理等があげられ、好ましくは、四半期単位での処理である。このことは、以下の在庫戻し仕訳においても同様である。
【0041】
次に、在庫戻し仕訳について説明する。具体的には、
図4の未渡商品データ106cに示すように、A00001AおよびZF0001Cは、未渡区分が1(未入荷)である。この場合、仕訳作成部102aは、A00001Aの原価金額2,000円とZF0001Cの原価金額1,000円を合計した3,000円が記載された在庫戻し仕訳を、
図4右下の仕訳(3)に示すように作成する。仕訳(3)においては、借方が製品となり、貸方が売上原価となる。このように、仕訳(3)を作成することにより、未渡品の原価金額3,000円を、7月分の仕入計上から除外することができる。
【0042】
ここで、工場から、前記未渡品が翌月(本例の場合、8月)に店舗に届くと仮定して、仕訳作成部102aは、再計上仕訳を、
図4右下の仕訳(4)に示すように作成してもよい。仕訳(4)においては、借方が売上原価となり、貸方が製品となる。このように、仕訳(4)を作成することにより、前記未渡品が、翌月8月に店舗に届いたものとして、未渡品の原価金額3,000円を正式に仕入計上することができる。
【0043】
このように、仕訳作成部102aは、在庫戻し仕訳として、通常の戻し仕訳である仕訳(3)のみを作成してもよいし、これに加えて、再計上仕訳である仕訳(4)も同時に作成してもよい。
【0044】
表示実行部102bは、以上のように作成された仕訳(1)〜(4)を、表示してもよい。これにより、小売業者等は、売上計上から除外された売上金額とそれに関する再計上仕訳および仕入計上から除外された原価金額とそれに関する再計上仕訳を容易にかつ迅速に把握することができる。
【0045】
以上、本項目で説明したように、引渡商品が店舗に届いてない場合、売上の戻し処理および在庫の戻し処理を行う(なお、在庫数は、POS売上連携で減少しているため、正しい在庫数に修正することが必要である)。
【0046】
[3−2.未渡区分情報が、入荷済区分である場合]
仕訳作成部102aは、前記未渡区分情報が、前記入荷済区分である場合、前記入荷済区分を含む未渡品すべてについて、前記売上金額の合計が記載された売上戻し仕訳を作成する。なお、前記売上戻し仕訳の作成は、例えば、
図3に示す仕訳作成画面において、「未渡」の項目にチェックを入れて実行ボタンを選択することにより、作成することができる。
【0047】
具体的には、
図4の未渡商品データ106cに示すように、B00001Bは、未渡区分が2(入荷済)である。この場合、仕訳作成部102aは、B00001Bの売上金額7,000が記載された売上戻し仕訳を、
図4左下の仕訳(5)に示すように作成する。また、仕訳作成部102aは、再計上仕訳を、
図4の左下の仕訳(6)に示すように作成してもよい。仕訳(5)および仕訳(6)の詳細な内容、生じる効果、処理期間の単位等は、それぞれ、前記[3−1.]における仕訳(1)および仕訳(2)と同様であるため、説明を省略する。また、表示実行部102bは、作成された仕訳(5)および(6)を表示してもよく、これにより生じる効果は、前記[3−1.]と同様であるため、説明を省略する。
【0048】
以上、本項目で説明したように、引渡商品が店舗に届いている場合、棚卸にて在庫計上されるが、売上は戻し処理が必要である(なお、在庫数は、POS売上連携で減少しているが、棚卸作業により正しい在庫に修正できる)。
【0049】
なお、上記[3−1.]および[3−2.]の項目両方において、戻し仕訳の作成および再計上仕訳の作成は、四半期ごとに行うのが好ましいが、仮に、四半期、商品が未渡の状態の場合、再度、別計上月(別期)で、前記戻し仕訳および前記再計上仕訳を作成する。
【0050】
このように、本実施形態に係る仕訳作成装置100によれば、売上戻し仕訳および在庫戻し仕訳を容易に作成できる。特に、本実施形態に係る仕訳作成装置100によれば、前記売上戻し仕訳および前記在庫戻し仕訳として、通常の戻し仕訳に加えて、再計上仕訳を作成することもできるため、小売業者の会計処理作業における負荷を大幅に軽減することができる。
【0051】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0052】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0053】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0054】
また、仕訳作成装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0055】
例えば、仕訳作成装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて仕訳作成装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0056】
また、このコンピュータプログラムは、仕訳作成装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0057】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム商品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。したがって、本明細書で説明したような処理又は処理方法を実行するためのプログラムを格納した記録媒体もまた本発明を構成することとなる。
【0058】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0059】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0060】
また、仕訳作成装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、仕訳作成装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0061】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。