特開2018-112603(P2018-112603A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-112603(P2018-112603A)
(43)【公開日】2018年7月19日
(54)【発明の名称】シャッタ装置および撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 9/36 20060101AFI20180622BHJP
【FI】
   G03B9/36 C
   G03B9/36 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-1631(P2017-1631)
(22)【出願日】2017年1月10日
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】庭前 裕樹
【テーマコード(参考)】
2H081
【Fターム(参考)】
2H081AA23
2H081BB03
2H081BB26
2H081BB27
2H081CC19
2H081CC23
2H081CC29
(57)【要約】
【課題】連写速度を向上させることが可能なシャッタ装置を提供する。
【解決手段】電子先幕方式のシャッタ装置(202)であって、開口(1z)への入射光を遮光するように第一方向に移動する第一羽根群(61)と、開口への入射光を遮光するように第一方向とは逆の第二方向に移動する第二羽根群(62)と、第一羽根群を移動させる第一羽根レバー(7)と、第二羽根群を移動させる第二羽根レバー(8)と、第一羽根群が開口を閉じるように第一羽根レバーを駆動する第一駆動レバー(3)と、第二羽根群が開口を閉じるように第二羽根レバーを駆動する第二駆動レバー(4)と、第一駆動レバーをチャージする第一カム部材(43)と、第二駆動レバーをチャージする第二カム部材(44)とを有し、第一駆動レバーが第一カム部材によりチャージされた後、第二カム部材によりチャージされた第二駆動レバーは第二カム部材から離れる。
【選択図】図2(b)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子先幕方式のシャッタ装置であって、
開口への入射光を遮光するように第一方向に移動する第一羽根群と、
前記開口への前記入射光を遮光するように前記第一方向とは逆の第二方向に移動する第二羽根群と、
前記第一羽根群を移動させる第一羽根レバーと、
前記第二羽根群を移動させる第二羽根レバーと、
前記第一羽根群が前記開口を閉じるように前記第一羽根レバーを駆動する第一駆動レバーと、
前記第二羽根群が前記開口を閉じるように前記第二羽根レバーを駆動する第二駆動レバーと、
前記第一駆動レバーをチャージする第一カム部材と、
前記第二駆動レバーをチャージする第二カム部材と、を有し、
前記第一駆動レバーが前記第一カム部材によりチャージされた後、前記第二カム部材によりチャージされた前記第二駆動レバーは前記第二カム部材から離れる、ことを特徴とするシャッタ装置。
【請求項2】
前記第二駆動レバーが前記第二カム部材によりチャージされた後、前記第一カム部材によりチャージされた前記第一駆動レバーは前記第一カム部材から離れる、ことを特徴とする請求項1に記載のシャッタ装置。
【請求項3】
前記第一カム部材は、前記第一駆動レバーをチャージして第一基準位置へ移動させ、
前記第二カム部材は、前記第二駆動レバーをチャージして第二基準位置へ移動させ、
前記第一駆動レバーが前記第一カム部材により前記第一基準位置へ移動した後、前記第二基準位置にある前記第二駆動レバーは、前記第二カム部材から離れ、前記第二羽根群が前記開口を閉じるための第二走行開始位置へ移行することを特徴とする請求項1または2に記載のシャッタ装置。
【請求項4】
前記第二駆動レバーが前記第二カム部材により前記第二基準位置へ移動した後、前記第一基準位置にある前記第一駆動レバーは、前記第一カム部材から離れ、前記第一羽根群が前記開口を閉じるための第一走行開始位置へ移行することを特徴とする請求項3に記載のシャッタ装置。
【請求項5】
前記開口を開くように前記第一羽根群を付勢する第一復帰バネと、
前記開口を開くように前記第二羽根群を付勢する第二復帰バネと、
前記第一復帰バネの付勢力に抗するように前記第一羽根レバーを係止する第一係止部材と、
前記第二復帰バネの付勢力に抗するように前記第二羽根レバーを係止する第二係止部材と、
前記開口を閉じるように前記第一駆動レバーを付勢する第一駆動バネと、
前記開口を閉じるように前記第二駆動レバーを付勢する第二駆動バネと、を更に有し、
前記第一係止部材の係止が解除されて前記第一復帰バネの付勢力により前記第一羽根群が前記開口を開く動作を完了する前に、前記第二駆動レバーは、前記第二基準位置から前記第二走行開始位置へ移行することを特徴とする請求項3または4に記載のシャッタ装置。
【請求項6】
前記第二係止部材の係止が解除されて前記第二復帰バネの付勢力により前記第二羽根群が前記開口を開く動作を完了する前に、前記第一駆動レバーは、前記第一基準位置から第一走行開始位置へ移行することを特徴とする請求項5に記載のシャッタ装置。
【請求項7】
第一カム部材は、前記第二カム部材が前記第二駆動バネの付勢力に抗して前記第二駆動レバーをチャージしている間に、前記第一駆動バネにより前記第一駆動レバーが前記第一基準位置から所定位置まで走行するための第一傾斜部を有することを特徴とする請求項5または6に記載のシャッタ装置。
【請求項8】
第二カム部材は、前記第一カム部材が前記第一駆動バネの付勢力に抗して前記第一駆動レバーをチャージしている間に、前記第二駆動バネにより前記第二駆動レバーが前記第二基準位置から所定位置まで走行するための第二傾斜部を有することを特徴とする請求項7に記載のシャッタ装置。
【請求項9】
前記第一カム部材の前記第一傾斜部は、前記第二カム部材が前記第二駆動バネの付勢力に抗して前記第二駆動レバーを前記第二基準位置までチャージするのに要するトルクが最大となる位相を含むことを特徴とする請求項7または8に記載のシャッタ装置。
【請求項10】
前記第二カム部材の前記第二傾斜部は、前記第一カム部材が前記第一駆動バネの付勢力に抗して前記第一駆動レバーを前記第一基準位置までチャージするのに要するトルクが最大となる位相を含むことを特徴とする請求項8に記載のシャッタ装置。
【請求項11】
前記第一カム部材は、前記第一駆動レバーをチャージして前記所定位置から前記第一基準位置へ移行するための第一チャージ部を有することを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載のシャッタ装置。
【請求項12】
前記第二カム部材は、前記第二駆動レバーをチャージして前記所定位置から前記第二基準位置へ移行するための第二チャージ部を有することを特徴とする請求項11に記載のシャッタ装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか1項に記載のシャッタ装置と、
撮像光学系を介して形成された光学像を光電変換する撮像素子と、
前記撮像素子の画素ごとに電荷蓄積を開始する走査を行う走査手段と、
前記第一羽根群および前記第二羽根群のそれぞれの移動の開始タイミング、および、前記走査手段による走査パターンを制御する制御手段と、を有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子先幕方式のシャッタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、撮像素子とフォーカルプレーンシャッタとを有する撮像装置を用いて被写体を撮像する際の露出制御方法として、撮像素子が受光する光の蓄積時間を制御する方法が知られている。特許文献1には、電子先幕とフォーカルプレーンシャッタの後羽根とを用いて撮像素子が受光する光の蓄積時間を制御する撮像装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−22000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の撮像装置では、撮像素子における電荷蓄積が完了してから電荷を読み出すまでの間に、撮像素子への光をフォーカルプレーンシャッタの後羽根を用いて遮光する必要がある。すなわち、特許文献1の撮像装置では、連写の際に、1回目の撮像に対応する撮像素子の読み出し終了前に、フォーカルプレーンシャッタの駆動レバーをセット解除状態にする必要がある。そして、読み出し終了後にフォーカルプレーンシャッタの後羽根を走行して開口が開いてから、2回目の撮像を行う。したがって、特許文献1の撮像装置では、後羽根が走行してから2回目の撮像までの動作を安定させるための期間(安定期間)を設ける必要があり、連写速度の向上は困難である。
【0005】
そこで本発明の目的は、電子先幕とフォーカルプレーンシャッタの後羽根とを備えたシャッタ装置を用いて連写を実行する際に、連写速度を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としてのシャッタ装置は、電子先幕方式のシャッタ装置であって、開口への入射光を遮光するように第一方向に移動する第一羽根群と、前記開口への前記入射光を遮光するように前記第一方向とは逆の第二方向に移動する第二羽根群と、前記第一羽根群を移動させる第一羽根レバーと、前記第二羽根群を移動させる第二羽根レバーと、前記第一羽根群が前記開口を閉じるように前記第一羽根レバーを駆動する第一駆動レバーと、前記第二羽根群が前記開口を閉じるように前記第二羽根レバーを駆動する第二駆動レバーと、前記第一駆動レバーをチャージする第一カム部材と、前記第二駆動レバーをチャージする第二カム部材とを有し、前記第一駆動レバーが前記第一カム部材によりチャージされた後、前記第二カム部材によりチャージされた前記第二駆動レバーは前記第二カム部材から離れる。
【0007】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電子先幕とフォーカルプレーンシャッタの後羽根を備えたシャッタ装置を用いて連写を実行する際に、連写速度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態における撮像装置のブロック図である。
図2(a)】本実施形態におけるフォーカルプレーンシャッタを撮像素子側から見た分解斜視図である。
図2(b)】本実施形態におけるフォーカルプレーンシャッタを被写体側から見た分解斜視図である。
図2(c)】本実施形態において、撮像素子側から見た、後羽根、羽根レバー、駆動レバー、および、駆動緊定レバーの分解斜視図である。
図3】本実施形態におけるフォーカルプレーンシャッタの第一後羽根と第二後羽根による連写露光時の動作タイミングを示す図である。
図4(a)】本実施形態におけるフォーカルプレーンシャッタの動作を示す図である。
図4(b)】本実施形態におけるフォーカルプレーンシャッタの動作を示す図である。
図4(c)】本実施形態におけるフォーカルプレーンシャッタの動作を示す図である。
図4(d)】本実施形態におけるフォーカルプレーンシャッタの動作を示す図である。
図4(e)】本実施形態におけるフォーカルプレーンシャッタの動作を示す図である。
図4(f)】本実施形態におけるフォーカルプレーンシャッタの動作を示す図である。
図4(g)】本実施形態におけるフォーカルプレーンシャッタの動作を示す図である。
図4(h)】本実施形態におけるフォーカルプレーンシャッタの動作を示す図である。
図4(i)】本実施形態におけるフォーカルプレーンシャッタの動作を示す図である。
図4(j)】本実施形態におけるフォーカルプレーンシャッタの動作を示す図である。
図4(k)】本実施形態におけるフォーカルプレーンシャッタの動作を示す図である。
図4(l)】本実施形態におけるフォーカルプレーンシャッタの動作を示す図である。
図5】本実施形態におけるフォーカルプレーンシャッタの第一チャージカムギアおよび第二チャージカムギアのそれぞれの位相角度とモータに要するトルクとの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
まず、図1を参照して、本実施形態における撮像装置について説明する。図1は、撮像装置200のブロック図である。撮像装置200は、電子先幕方式の撮像装置であり、撮像素子203を有する撮像装置本体と、撮像装置本体に着脱可能な撮像レンズ201(交換レンズ、レンズ装置)とを備えて構成される。ただし本実施形態は、これに限定されるものではなく、撮像レンズと撮像装置本体とが一体的に構成された撮像装置にも適用可能である。
【0012】
撮像レンズ201(撮像光学系)からの被写体光は、撮像素子203に向かう。撮像レンズ201(レンズ装置)は、絞りを有していてもよい。撮像素子203は、CMOSイメージセンサなどを有し、撮像レンズ201(レンズ装置)により形成された被写体像(光学像)を光電変換する。撮像素子203に対して物体側に配置されたフォーカルプレーンシャッタ202(シャッタ装置)は、第一後羽根61(第一羽根群)および第二後羽根62(第二羽根群)を有する。CPU204(制御手段)は、シャッタ駆動回路205を介して、フォーカルプレーンシャッタ202(第一後羽根61および第二後羽根62)の動作(移動の開始タイミング)を制御する。またCPU204は、後述のように、垂直駆動変調回路208による走査パターンを制御する。
【0013】
第一スイッチ210(SW1)は撮像準備を開始するためのスイッチであり、第二スイッチ211(SW2)は撮像を開始するためのスイッチである。第一スイッチ210および第二スイッチ211は、2段スイッチとして構成されており、第一ストロークで第一スイッチ210がONし、第二ストロークで第二スイッチ211がONする。
【0014】
レンズ制御手段215は、撮像レンズ201の焦点距離、絞り径(絞り値)、射出瞳径、射出瞳と撮像素子203との間の距離などの撮影条件情報(レンズ装置の状態に関する情報、すなわちレンズ情報)をCPU204に出力する。またレンズ制御手段215は、CPU204からの指示に応じて、撮像レンズ201(絞りを含む)の動作(駆動)を制御する。CPU204は、信号処理回路209、垂直駆動変調回路208(走査手段)、シャッタ駆動回路205、および、レンズ制御手段215の制御および演算を行う。またCPU204は、パルス発生回路207を介して、走査クロック(水平駆動パルス)や所定の制御パルスを撮像素子203へ供給する。
【0015】
パルス発生回路207にて発生した走査クロックのうち垂直走査用のクロックは、垂直駆動変調回路208により所定のクロック周波数に変調され、撮像素子203に入力される。垂直駆動変調回路208は、CPU204の指令に基づいて、電子先幕としてのリセット走査の走査パターン(走査カーブ)を設定する。垂直駆動変調回路208は、電子先幕としての走査手段であり、リセット走査の走査パターンを決定する。垂直駆動変調回路208は、CPU204の指令に基づいて、上から下への方向ないし下から上への方向に順に蓄積電荷のリセット走査、すなわち、撮像素子203の画素ごとに電荷蓄積を開始する走査を行う。
【0016】
パルス発生回路207は、信号処理回路209にもクロック信号を出力する。信号処理回路209は、撮像素子203から読み出された信号に対して所定の処理(色処理やガンマ補正など)を施すことにより、画像データを生成する。記録媒体212は、信号処理回路209により処理された画像データを記録する。表示部213は、液晶ディスプレイ(LCD)などを有し、撮像した画像や各種メニュー画面などを表示する。RAM(Random Access Memory)214は、信号処理回路209に接続され、画像データなどを一時的に記憶する記憶手段である。
【0017】
次に、図2(a)〜図2(c)を参照して、フォーカルプレーンシャッタ202について説明する。フォーカルプレーンシャッタ202は、羽根部と駆動部に分けられる。まず、図2(a)を参照して、フォーカルプレーンシャッタ202の羽根部について説明する。図2(a)は、フォーカルプレーンシャッタ202を撮像素子203側(像面側)から見た分解斜視図である。
【0018】
シャッタ地板1および補助地板2にはそれぞれ類似した形状のアパチャ1zおよびアパチャ2z(開口)が形成されており、2つのアパチャ1z、2zを重ね合わせた長方形の露光開口が、シャッタを通過する光束を規定している。シャッタ地板1の撮像素子203側には、補助地板2が取り付けられており、その間に羽根用の走行スペースが形成されている。この走行スペースは更に二つに分かれている。すなわち、シャッタ地板1と中間板64の間には、第二後羽根62の走行スペースが形成されており、補助地板2と中間板64の間には、第一後羽根61の走行スペースが形成されている。
【0019】
第二後羽根62は、主アーム62e、サブアーム62f、1番羽根62a、2番羽根62b、3番羽根62c、および4番羽根62dによって平行リンクを形成している。第一後羽根61も同様に、主アーム61e、サブアーム61f、1番羽根61a、2番羽根61b、3番羽根61c、および4番羽根61dによって平行リンクを形成している。シャッタ地板1には、撮像素子203側に複数の軸が立設されている。1hは主アーム回転軸、1iはサブアーム回転軸である。主アーム回転軸1hには、主アーム61eおよび主アーム62eが回転可能に取り付けられている。サブアーム回転軸1iには、サブアーム61fおよびサブアーム62fが回転可能に取り付けられている。
【0020】
スペーサ66は、第二後羽根62の平行リンクを形成する軸部とシャッタ地板1のスペースを確保する機能を有する。スペーサ63は、第一後羽根61の平行リンクを形成する軸部と補助地板2のスペースを確保する機能を有する。スペーサ65は、第二後羽根62と中間板のスペースを確保する機能を有する。67は第一後羽根61の第一戻しスプリング(第一復帰バネ)、68は第二後羽根62の第二戻しスプリング(第二復帰バネ)である。第一戻しスプリング67および第二戻しスプリング68は、アパチャ1zおよびアパチャ2zを光束が通過する開いた状態にするように、すなわち開口を開くように第一後羽根61および第二後羽根62をそれぞれ付勢している。
【0021】
61aaは第一後羽根61のスリット形成部であり、光束の通過終了タイミングを決定する役割を有する。スリット形成部61aaと電子先幕とを組み合わせて擬似的なスリットを形成する。撮像素子203を下から上に順次露光する場合、電子先幕は下から上に走査する。62aaは、第二後羽根62のスリット形成部であり、光束の通過終了タイミングを決定する役割を有する。スリット形成部62aaと電子先幕とを組み合わせて擬似的にスリットを形成する。撮像素子203を上から下に順次露光する場合、電子先幕シャッタは上から下に走査する。本実施形態において、第一後羽根61は、開口1z(撮像素子203)への入射光を遮光するように第一方向に移動(走行)する。第二後羽根62は、開口1zへの入射光を遮光するように第一方向とは逆の第二方向に移動する。
【0022】
次に、図2(b)および図2(c)を参照して、フォーカルプレーンシャッタ202の駆動部について説明する。図2(b)は、フォーカルプレーンシャッタ202を被写体側から見た分解斜視図である。図2(c)は、説明を簡単にするために、撮像素子203側から見た、後羽根、羽根レバー、駆動レバー、および、駆動緊定レバーの分解斜視図である。
【0023】
シャッタ地板1には、被写体側において、複数の軸および受け部が立設されている。1aは駆動軸、1bは駆動緊定軸、1cは駆動緊定ストッパー軸、1dは羽根緊定軸、1eはヨーク受け部、1fはカムギア軸、1gは減速ギア軸である。駆動緊定ストッパー軸1cは、第一駆動緊定レバー5および第二駆動緊定レバー6の回転範囲を規制する。中間地板23は、カムギア軸1fおよび減速ギア軸1gと嵌合し、強度部材として機能する。
【0024】
第一羽根レバー7は、駆動軸1aに回転可能に取り付けられており、第一後羽根61を移動させる。第一羽根レバー7に設けられた駆動ピン7cは、メインアーム61eと係合する。第一駆動レバー3は、第一羽根レバー7が取り付けられた後に駆動軸1aに回転可能に取り付けられ、第一メインバネ51(第一駆動バネ)の付勢力により、被写体側から見て反時計方向に付勢される。第一駆動レバー3の立ち曲げ部3aは、第一羽根レバー7の当接部7aに当接し、第一メインバネ51の付勢力により第一羽根レバー7を押動し、第一後羽根61が開口を閉じるように走行する。ローラ3cは、第一駆動レバー3に設けられたローラ軸3dに回転可能に取り付けられている。このように第一駆動レバー3は、第一後羽根61が開口1zを閉じるように第一羽根レバー7を駆動する。また第一メインバネ51は、開口1zを閉じるように第一駆動レバー3を付勢する。
【0025】
第一駆動緊定レバー5は、駆動緊定軸1bに回転可能に取り付けられている。第一駆動緊定戻しバネ55は、被写体側から見て反時計方向に付勢し、第一駆動緊定レバー5は第一駆動レバー3の走行軌跡に侵入する。そして、第一駆動緊定レバー5の立ち曲げ部5bは、第一駆動レバー3の係止部3bに当接し、第一駆動レバー3の走行を係止する。
【0026】
第一羽根緊定レバー9(第一係止部材)は、第一マグネット11と一体に形成され、羽根緊定軸1cに回転可能に取り付けられている。第一ヨーク13は第一コイル15を有し、ヨーク受け部1eに接着固定される。第一コイル15に通電されると、第一ヨーク13に磁界が発生し、第一マグネット11が作動して第一羽根緊定レバー9が回転する。第一コイル15への通電を一方向またはその逆方向に行うことで、第一羽根緊定レバー9は、被写体側から見て時計方向または反時計方向にそれぞれ回転をする。第一羽根緊定レバー9は、第一羽根レバー7が走行完了状態の場合に走行軌跡に侵入し、第一羽根レバー7の係止部7bと当接する。これにより第一羽根緊定レバー9は、第一戻しスプリング67の付勢力に抗するように第一羽根レバー7を係止し、第一後羽根61が開口を開こうとする動作を妨げる。
【0027】
第二羽根レバー8は、駆動軸1aに回転可能に取り付けられており、第二後羽根62を移動させる。第二羽根レバー8に設けられた駆動ピン8cは、メインアーム62eと係合する。第二駆動レバー4は、第二羽根レバー8が取り付けられた後に駆動軸1aに回転可能に取り付けられ、第二メインバネ52(第二駆動バネ)の付勢力により、被写体側から見て時計方向に付勢される。第二駆動レバー4の立ち曲げ部4aは、第二羽根レバー8の当接部8aに当接し、第二メインバネ52の付勢力により第二羽根レバー8を押動し、第二後羽根62が開口を閉じるように走行する。ローラ4cは、第二駆動レバー4に設けられたローラ軸4dに回転可能に取り付けられている。このように第二駆動レバー4は、第二後羽根62が開口1zを閉じるように第二羽根レバー8を駆動する。また第二メインバネ52は、開口1zを閉じるように第二羽根レバー8を付勢する。
【0028】
第二駆動緊定レバー6は、駆動緊定軸1bに回転可能に取り付けられている。第二駆動緊定戻しバネ56は、被写体側から見て時計方向に付勢し、第二駆動緊定レバー6は第二駆動レバー4の走行軌跡に侵入する。そして、第二駆動緊定レバー6の立ち曲げ部6bは、第二駆動レバー4の係止部4bに当接し、第二駆動レバー4の走行を係止する。
【0029】
第二羽根緊定レバー10(第二係止部材)は、第二マグネット12と一体に形成され、羽根緊定軸1cに回転可能に取り付けられている。第二ヨーク14は第二コイル16を有し、ヨーク受け部1eに接着固定される。第二コイル16に通電されると、第二ヨーク14に磁界が発生し、第二マグネット12が作動して第二羽根緊定レバー10が回転する。第二コイル16への通電を一方向またはその逆方向に行うことにより、第二羽根緊定レバー10は被写体側から見て時計方向または反時計方向にそれぞれ回転をする。第二羽根緊定レバー10は、第二羽根レバー8が走行完了状態の場合に走行軌跡に侵入し、第二羽根レバー8の係止部8bと当接する。これにより第二羽根緊定レバー10は、第二戻しスプリング68の付勢力に抗するように第二羽根レバー8を係止し、第二後羽根62が開口を開こうとする動作を妨げる。
【0030】
第一緩衝部材17および第二緩衝部材18はそれぞれ、ゴムなどにより成形され、シャッタ地板1に取り付けられる。第一緩衝部材17および第二緩衝部材18は、走行してきた駆動ピン7cおよび駆動ピン8cとそれぞれ衝突することにより、後羽根が開口を再露光しないように後羽根の走行エネルギーを熱へ変換して吸収する。
【0031】
モータ41は、シャッタ地板1に取り付けられている。減速ギア42は、減速ギア軸1gに回転可能に取り付けられている。第一チャージカムギア43(第一カム部材)および第二チャージカムギア44(第二カム部材)は、カムギア軸1fに回転可能に取り付けられている。モータ41からの回転力は、減速ギア42、第二チャージカムギア44、および、第一チャージカムギア43の順に伝達される。第一チャージカムギア43および第二チャージカムギア44には、後述するカム面43a、44aがそれぞれ形成されている。第一チャージカムギア43および第二チャージカムギア44は、第一メインバネ51および第二メインバネ52のそれぞれの付勢力に抗して第一駆動レバー3および第二駆動レバー4のセット位置(基準位置)へのチャージを行い、カムトップにて保持される。
【0032】
上地板24は、第一ロータユニット34が回転可能に取り付けられた第一磁気回路ユニット32、および、第二ロータユニット35が回転可能に取り付けられた第二磁気回路ユニット33を保持する。第一磁気回路ユニット32および第二磁気回路ユニット33は、モータに類する構成を有し、駆動レバーの動作タイミングを制御するアクチュエータとして機能する。すなわち、通電により、駆動レバーを係止する第一駆動緊定レバー5のカム作用部5aおよび第二駆動緊定レバー6のカム作用部6aを押動して係止を解除することにより、駆動レバー、羽根レバー、および、後羽根を走行させることができる。本実施形態では、2種類の後羽根のバネ付勢による走行方向は互いに逆方向であり、それに対応して、第一ロータユニット34および第二ロータユニット35の回転方向も互いに逆方向である。通電による回転の後、第一ロータユニット34および第二ロータユニット35はそれぞれ、第一MG戻しバネ36および第二MG戻しバネ37により初期位置に復帰させられる。
【0033】
31は、第一磁気回路ユニット32および第二磁気回路ユニット33の不図示のコイルと接続されて電気を供給する電気回路ユニットである。31aは、第二チャージカムギア44の位相ブラシ44dの位置を検出する位相検出部である。位相検出部31aは、第二チャージカムギア44の回転位相に応じて、位相ブラシ44dの接触位置が切り替わり、位相信号がHIGHまたはLOWに切り替わる。
【0034】
次に、図3および図4(a)〜図4(l)を参照して、連写時のフォーカルプレーンシャッタ202の動作について説明する。図3は、フォーカルプレーンシャッタ202の第一後羽根61と第二後羽根62による連写露光時の1コマ目から2コマ目までの動作タイミングを示す図である。図4(a)〜図4(l)は、フォーカルプレーンシャッタ202の動作タイミングの各ステップに対応する、フォーカルプレーンシャッタ202の状態を被写体側から見た図であり、説明を簡単にするために各ステップにて動作する部材のみを示している。
【0035】
図4(a)〜図4(l)において、43aは第一チャージカムギア43のカム面、44aは第二チャージカムギア44のカム面であり、点線範囲のカム面は後述するアシスト部および再チャージ部である。また、各部材の回転方向は、被写体側から見た場合における時計方向または反時計方向として規定される。
【0036】
撮像装置200の待機状態において、図4(a)に示されるように、第一駆動レバー3および第二駆動レバー4は、第一チャージカムギア43および第二チャージカムギア44のカム面43a、44aのカムトップにて保持され、セット状態にある。第一羽根レバー7および第二羽根レバー8は、第一戻しバネ55および第二戻しバネ56の付勢力により当接部7a、8aが立ち曲げ部3a、4aに当接し、第一後羽根61および第二後羽根62がともに開口を開けた状態にある。
【0037】
図3のステップAにおいて、ユーザによるレリーズ動作(撮影開始の指示)として第二スイッチ211がONされると、モータ41が回転し、第一チャージカムギア43が反時計方向に、第二チャージカムギア44が時計方向にそれぞれ回転する。
【0038】
ステップBにおいて、モータ41の回転が停止し、図4(b)に示されるように、第一駆動レバー3は第一チャージカムギア43のカム面43aから外れてセット解除となる。そして第一駆動レバー3は、第一駆動緊定レバー5の立ち曲げ部5bと係止部3bとが当接して走行前位置(第一走行開始位置)へ移行する。一方、第二駆動レバー4は、第二チャージカムギア44のカムトップ面にて保持される。そして、モータ41が停止した所定時間後に撮像素子203の第一後羽根61の走行方向に合わせた上から下への電子先幕走査を行うことで、1コマ目の露光が開始する。ステップBから所定時間の後にステップCへ移行する。この所定時間は、撮像装置200に設定された露光時間と略等しい。
【0039】
ステップCにおいて、第一磁気回路ユニット32に通電され、第一ロータユニット34は、回動して第一駆動緊定レバー5を時計方向に回転させるようにカム作用部5aを押動する。第一駆動緊定レバー5の立ち曲げ部5bは、第一駆動レバー3の係止部3bの回転軌跡から退避する。これにより緊定が解除され、第一駆動レバー3は第一メインバネ51の付勢力により反時計方向への走行を開始する。第一羽根レバー7は、立ち曲げ部3aと当接部7aとにより押動されて同時に走行し、駆動ピン7cに連結された第一後羽根61は、羽根を展開する方向に動作を開始する。
【0040】
ステップDにおいて、第一磁気回路ユニット32への通電が完了し、第一後羽根61は、図4(c)に示されるように、第一羽根レバー7の駆動ピン7cが第一緩衝部材17と接触することにより走行を停止して走行完了となる。
【0041】
ステップEにおいて、撮像素子203は電荷蓄積を終了し、信号処理回路209への読み出しが開始される。また、第一コイル15の通電が開始されて第一羽根緊定レバー9が回動する。
【0042】
ステップFにおいて、第一コイル15への通電が終了し、図4(d)に示されるように、第一羽根緊定レバー9が第一羽根レバー7の走行軌跡に侵入し、第一羽根レバー7の係止部7bと当接する。これにより、第一戻しスプリング67の付勢によって第一後羽根61が開口を開こうとする動作を係止する。
【0043】
ステップGにおいて、第一駆動レバー3のチャージが開始される。モータ41が回転を開始し、第一チャージカムギア43が反時計方向に、第二チャージカムギアが時計方向にそれぞれ回転する。ローラ3cが第一チャージカムギア43のカム面43aに接触し、第一駆動レバー3がチャージされる。このとき第一羽根レバー7は、第一羽根緊定レバー9によって開口を開ける動作が係止されている。このため第一後羽根61は開口を閉じたままとなり、撮像素子203の読み出し中の露光は発生しない。また、第二ロータユニット35は回動して第二駆動緊定レバー6を反時計方向に回転するようにカム作用部6aを押動する。第二駆動緊定レバー6の立ち曲げ部6bは、第二駆動レバー4の係止部4bの回転軌跡から退避する。これにより、緊定が解除され、第二駆動レバー4は第二メインバネ52の付勢力により反時計方向に走行することが可能な状態になる。ただし、第二駆動レバー4は第二チャージカムギア44のカムトップ面にて保持されているため、この時点では走行開始とはならない。
【0044】
ステップHにおいて、図4(e)に示されるように、第一駆動レバー3のチャージがおおよそ完了する直前の状態となる。図4(e)において、第二チャージカムギア44のカム面44aの点線部は、アシスト部44b(第二傾斜部)および再チャージ部44c(第二チャージ部)である。アシスト部44bは、カムトップから徐々に回転中心からの距離が小さくなるような傾斜形状を有する。第二チャージカムギア44が回転して第二駆動レバー4のローラ4cがアシスト部44bに掛かると、第二駆動レバー4は第二メインバネ52の付勢力によりアシスト部44bの形状に沿って走行する。このとき第一チャージカムギア43は、第一駆動レバー3をチャージしているが、第二メインバネ52の付勢力により第二駆動レバー4は走行しようとし、第二チャージカムギア44には回転している時計方向に回転力が発生する。このため、第一駆動レバー3をチャージするために必要なトルクは低下する。
【0045】
ここで、図5を参照して、第一チャージカムギア43および第二チャージカムギア44のそれぞれの位相角度とモータ41に要するトルクとの関係について説明する。図5は、第一チャージカムギア43および第二チャージカムギア44のそれぞれの位相角度とモータ41に要するトルクとの関係を示す図であり、位相角度とトルクとの関係を図3中のステップGからステップKまでの区間について模式的に示している。図5中の破線は、比較例として第二チャージカムギアにアシスト部および再チャージ部を設けていない場合を示し、実線は本実施形態の第二チャージカムギア44を示している。
【0046】
本実施形態では、第一チャージカムギア43が第一駆動レバー3をチャージしている図5中の区間α(位相区間)において、第二チャージカムギア44の第二駆動レバー4による回転力発生により、モータ41に要するトルクは実線のように低下する。特に本実施形態において、アシスト部44bの位相は、トルクが最大となる前後の位相を包含するように決定される。これにより、モータ41の最大電流値を下げることができる。減速ギアの減速比は、撮像装置200のなかでチャージ電流として許容される最大電流値に応じて決定される。したがって、アシスト部44bにより最大電流値が低下した分、減速ギアの減速比を下げてチャージ時の最大電流値を破線トルク時相当となるように高速回転をすることで、第一チャージカムギア43のチャージ時間を短くすることができる。その結果、撮像装置200の高コマ速化を実現することが可能となる。
【0047】
ステップIにおいて、撮像素子203の信号処理回路209への読み出しが終了する。同時に、第一コイル15への通電が開始され、第一羽根緊定レバー9が第一羽根レバー7の走行軌跡から退避して、第一戻しスプリング67の付勢により第一後羽根61が開口を開いていくように戻し走行を行う。図4(f)に示されるように、第二駆動レバー4は、第二チャージカムギア44のカム面のうち再び第二駆動レバー4をチャージする再チャージ部44c(第二チャージ部)により、カムトップとなるセット位置(第二基準位置)までチャージされる。
【0048】
本実施形態において、アシスト部44bと再チャージ部44cとの切り替えは、第一羽根レバー7の開口開き始めと略同時に行われる。好ましくは、図4(f)に示されるように、第二後羽根62のスリット形成部62aaがアパチャ1zに現れる直前の位置で切り替えが行われるように構成される。これは、第一戻しスプリング67の付勢により第一後羽根61が開口を開いたときに第二後羽根がアパチャ1zを一部閉じていると、直後にライブビューとして撮像素子203により被写体像を取り込んだときに光束の一部を遮ってしまうためである。ただし、本実施形態はこれに限定されるものではなく、アシスト部44bと再チャージ部44cとの切り替えを、第二後羽根62のスリット形成部62aaがアパチャ1zに現れる位置で行ってもよい。
【0049】
ステップJにおいて、図4(g)に示されるように、第一戻しスプリング67の付勢により第一後羽根61が開口を開き終わり、第二駆動レバー4はセット位置(第一基準位置)までチャージされる。図5中の区間βは、ステップIからステップJまでの位相区間であり、第二チャージカムギア44による第二駆動レバー4の再チャージが行われるため、トルクは再チャージのない破線で示される場合よりも増える。区間αにおいてトルクが減った積分値は、区間βでトルクが増える積分値に相当する。区間βでは、破線で示される場合の電流値よりも増えるが、区間αの最大電流値よりも十分に低く、前述のように減速ギアの減速比を下げることが可能である。
【0050】
単写撮影の場合、ステップJにてモータ41の回転は停止し、第一チャージカムギア43および第二チャージカムギア44は、図4(a)の回転開始状態から略180度回転した位相となる。このとき第一駆動レバー3および第二駆動レバー4は、カムトップとなるセット位置にて保持される。単写撮影の場合、図4(a)および図4(g)に示される2つの位相状態のいずれかにてモータ41は停止し、開口を開いて撮像装置200は待機状態となる。一方、連写撮影の場合、ステップJにてモータ41は停止することなく回転を続けて、ステップKへ移行する。
【0051】
ステップKにおいて、モータ41は回転を停止し、図4(h)に示されるように、第二駆動レバー4は第二チャージカムギア44のカム面44aから外れてセット解除となる。そして第二駆動レバー4は、第二駆動緊定レバー6の立ち曲げ部6bと係止部4bとが当接して走行前位置(第二走行開始位置)へ移行する。一方、第一駆動レバー3は、第一チャージカムギア43のカムトップ面にて保持される。このとき第一後羽根61は、第一戻しスプリング67の付勢により開口を開けた直後であり、第一羽根レバー7が第一駆動レバー3に衝突することにより第一後羽根61の走行は停止する。その後、第一後羽根61は、図4(h)中の矢印Yに示される走行方向において所定時間だけ揺動する。このため、従来は第一後羽根61が走行してから次の撮影が可能になるまでの安定時間(所定期間)が必要となり、撮像装置の連写速度が遅かった。一方、本実施形態では、第一後羽根61の安定を待つことなく、第二駆動レバー4はセット解除されて次の撮影が行われる。したがって、本実施例のフォーカルプレーンシャッタ202は、一方の後羽根(第一後羽根61)の戻し走行による安定時間を待つことなく、他方の後羽根(第二後羽根62)の露光を開始することができる。このため、撮像装置200の高コマ速化が可能である。
【0052】
ステップLにおいて、モータ41が停止してから所定時間後に撮像素子203の第二後羽根62の走行方向に合わせた下から上への電子先幕走査を行うことにより、2コマ目の露光が開始する。ステップLから所定時間の後にステップMへ移行する。この所定時間は、撮像装置200に設定された露光時間と略等しい。
【0053】
ステップMにおいて、第二磁気回路ユニット33に通電され、第二ロータユニット35は回動して第二駆動緊定レバー6を反時計方向に回転するようにカム作用部6aを押動する。第二駆動緊定レバー6の立ち曲げ部6bは、第二駆動レバー4の係止部4bの回転軌跡から退避する。これにより、緊定が解除され、第二駆動レバー4は第二メインバネ52の付勢力によりで時計方向への走行を開始する。第二羽根レバー8は、立ち曲げ部4aと当接部8aとにより押動されて同時に走行し、駆動ピン8cに連結された第二後羽根62は、羽根を展開する方向に動作を開始する。
【0054】
ステップNにおいて、第二磁気回路ユニット33への通電は完了し、図4(i)に示されるように、第二後羽根62は駆動ピン8cが第二緩衝部材18と接触することにより走行を停止して、走行完了となる。
【0055】
ステップOにおいて、撮像素子203は電荷蓄積を終了し、信号処理回路209への読み出しが開始される。また、第二コイル16の通電が開始されて、第二羽根緊定レバー10が回動する。
【0056】
ステップPにおいて、第二コイル16への通電が終了し、図4(j)に示されるように、第二羽根緊定レバー10が第二羽根レバー8の走行軌跡に侵入し、第二羽根レバー8の係止部8bと当接する。これにより、第二戻しスプリング68の付勢により第二後羽根62が開口を開こうとする動作を係止する。
【0057】
ステップQにおいて、第二駆動レバー4のチャージが開始される。モータ41が回転を開始し、第一チャージカムギア43が反時計方向に、第二チャージカムギアが時計方向にそれぞれ回転する。ローラ4cが第二チャージカムギア44のカム面44aに接触して、第二駆動レバー4がチャージされる。このとき第二羽根レバー8は、第二羽根緊定レバー10により開口を開ける動作が係止されているため、第二後羽根62は開口を閉じたままとなり、撮像素子203の読み出し中の露光は発生しない。また、第一ロータユニット34は回動して第一駆動緊定レバー5を反時計方向に回転するようにカム作用部5aを押動する。第一駆動緊定レバー5の立ち曲げ部5bは、第一駆動緊定レバー5の係止部5bの回転軌跡から退避する。これにより、緊定が解除され、第一駆動緊定レバー5は第一メインバネ51の付勢力により反時計方向に走行することが可能な状態となる。ただし、第一駆動レバー3は第一チャージカムギア43のカムトップ面にて保持されているため、この時点では走行開始とはならない。
【0058】
ステップRにおいて、図4(k)に示されるように、第二駆動レバー4のチャージがおおよそ完了する直前である。図4(k)において、第一チャージカムギア43のカム面43aの点線領域は、アシスト部43b(第一傾斜部)および再チャージ部43c(第一チャージ部)である。アシスト部43bは、カムトップから徐々に回転中心からの距離が小さくなるような傾斜形状を有する。第一チャージカムギア43が回転して第一駆動レバー3のローラ3cがアシスト部43bに掛かると、第一駆動レバー3は第一メインバネ51の付勢力によりアシスト部43bの形状に沿って走行する。このとき、第二チャージカムギア44は第二駆動レバー4をチャージしているが、第一メインバネ51の付勢力により第一駆動レバーは走行しようとし、第一チャージカムギア43は回転している時計方向に回転力が発生する。このため、第二駆動レバー4をチャージするために必要なトルクが下がる。
【0059】
なお、ステップQ〜Uの区間についての第一チャージカムギア43および第二チャージカムギア44の位相角度とモータ41に要するトルクとの関係は、図5を参照して説明したステップG〜Kの区間と同等であるので、その説明は省略する。
【0060】
ステップSにおいて、撮像素子203の信号処理回路209への読み出しが終了する。同時に、第二コイル16への通電が開始され、第二羽根緊定レバー10が第二羽根レバー8の走行軌跡から退避して、第二戻しスプリング68の付勢により第二後羽根62は開口を開いていくように戻し走行する。また、図4(l)に示されるように、第一駆動レバー3は、第一チャージカムギア43のカム面のうち再び第一駆動レバー3をチャージする再チャージ部43c(第一チャージ部)により、カムトップとなるセット位置(第一基準位置)までチャージされる。また、アシスト部43bと再チャージ部43cとの切り替えを、第二チャージカムギア44と同様に、第二羽根レバー8の開口開き始めと略同時に行う。更に、図4(l)に示されるように、第一後羽根61のスリット形成部61aaがアパチャ1zに現れる直前で切り替えを行うように構成される。
【0061】
ステップTにおいて、図4(a)に示されるように、第二戻しスプリング68の付勢により第二後羽根62が開口を開き終わり、第一駆動レバー3はセット位置(第一基準位置)までチャージされる。第一チャージカムギア43および第二チャージカムギア44は、図4(g)の回転開始状態から略180度回転した位相であり、第一駆動レバー3および第二駆動レバー4はカムトップとなるセット位置にて保持される。
【0062】
ここで、連写撮影の2コマ目が終了する。更に連写撮影を行う場合には、ステップBへ移行する。このとき第二後羽根62は所定時間だけ揺動しているが、本実施形態では、第二後羽根62の安定を待つことなく、第一駆動レバー3はセット解除されて次の撮影が行われる。これにより、撮像装置200の高コマ速化が可能となる。
【0063】
このように本実施形態において、第一駆動レバー3が第一チャージカムギア43によりチャージされた後、第二チャージカムギア44によりチャージされた第二駆動レバー4は第二チャージカムギア44から離れる。同様に、第二駆動レバー4が第二チャージカムギア44によりチャージされた後、第一チャージカムギア43によりチャージされた第一駆動レバー3は第一チャージカムギア43から離れる。好ましくは、第一チャージカムギア43は、第一駆動レバー3をチャージして第一基準位置(セット位置)へ移動させ、第二チャージカムギア44は、第二駆動レバー4をチャージして第二基準位置(セット位置)へ移動させる。第一駆動レバー3が第一チャージカムギア43により第一基準位置へ移動した後、第二基準位置にある第二駆動レバー4は、第二チャージカムギア44から離れ、第二後羽根62が開口1zを閉じるための第二走行開始位置(走行前位置)へ移行する。また好ましくは、第二駆動レバー4が第二チャージカムギア44により第二基準位置へ移動した後、第一基準位置にある第一駆動レバー3は、第一チャージカムギア43から離れ、第一後羽根61が開口1zを閉じるための第一走行開始位置(走行前位置)へ移行する。また好ましくは、第一羽根緊定レバー9の係止が解除されて第一戻しスプリング67の付勢力により第一後羽根61が開口1zを開く動作を完了する前に、第二駆動レバー4は、第二基準位置から第二走行開始位置へ移行する。また好ましくは、第二羽根緊定レバー10の係止が解除されて第二戻しスプリング68の付勢力により第二後羽根62が開口1zを開く動作を完了する前に、第一駆動レバー3は、第一基準位置から第一走行開始位置へ移行する。
【0064】
以上のように、本実施形態の撮像装置では、駆動レバーおよび羽根レバーがそれぞれ2つ設けられている。また、1コマ目の撮像装置の読み出し完了後に一方の羽根レバーを戻し走行し、その間に他方の駆動レバーおよび羽根レバーをセット解除して2コマ目の撮影を直ぐに行うことができるように構成される。このような構成により、高コマ速化が可能となる。また本実施形態では、一方の駆動レバーをチャージしている間に、他方の駆動レバーをセット位置からカムギアに沿わせながら所定位置まで走行させる。これにより、モータの要するトルクを下げ、より減速比を高速側に設定することで、更なる高コマ速化が可能となる。このため本実施形態によれば、電子先幕とフォーカルプレーンシャッタの後羽根を備えたシャッタ装置を用いて連写を実行する際に、連写速度を向上させることができる。
【0065】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0066】
3 第一駆動レバー
4 第二駆動レバー
7 第一羽根レバー
8 第二羽根レバー
43 第一チャージカムギア(第一カム部材)
44 第二チャージカムギア(第二カム部材)
61 第一後羽根(第一羽根群)
62 第二後羽根(第二羽根群)
202 フォーカルプレーンシャッタ(シャッタ装置)
図1
図2(a)】
図2(b)】
図2(c)】
図3
図4(a)】
図4(b)】
図4(c)】
図4(d)】
図4(e)】
図4(f)】
図4(g)】
図4(h)】
図4(i)】
図4(j)】
図4(k)】
図4(l)】
図5