【解決手段】対象物の光学像を受けて画像データを生成し出力する撮像部13と、撮像部から出力された画像データに基く画像と各種情報を表示する表示部17と、端末装置40との間で通信を行い対象物に関する付随情報を取得する通信部19と、表示部に表示中の画像内に対応する付随情報に基く画像を重畳表示させる表示制御部24とを具備し、表示制御部は表示部の表示画面内において予め指定された位置に付随情報に基く画像を表示させる表示制御を行う。
上記通信部は、上記操作部による表示変更操作に応じて上記表示制御部により変更された上記付随情報に基づく画像の表示画面内における表示位置及び表示サイズの情報を、上記端末装置へと転送することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
上記撮像部から出力される画像データと、この画像データに対応する上記付随情報とを関連付けて記録する記録部を、さらに具備することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
上記撮像部から出力される画像データと、対応する上記付随情報に基く付随情報画像の画像データとを合成して合成画像データを生成する合成画像作成部を、さらに具備し、
上記記録部は、上記合成画像作成部にて生成された合成画像データを記録することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
上記合成画像データから合成画像の改竄を検出するための検出値を照合情報として算出する照合情報作成部を、さらに具備することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
上記表示制御部は、上記表示部に表示中の画像内に上記付随情報画像を重畳表示する際には、上記合成画像データに基く画像に含まれる上記付随情報画像とは異なる画像を表示させる表示制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
予め設定された記録画像サイズ情報と、上記操作部により設定された付随情報画像のサイズ情報とに基いて、上記付随情報画像のサイズが適切か否かの判定を行う分解能判定部を、さらに具備し、
上記表示制御部は、上記分解能判定部による判定結果が否である場合に上記表示部の表示画面上に所定の警告表示を表示する制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
上記分解能判定部は、上記操作部により設定された上記付随情報画像サイズが、予め規定されている最小値よりも小である場合に、上記操作部により設定された上記付随情報画像サイズが不適であるものとし、判定結果を否であると判定することを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
上記表示制御部は、上記分解能判定部による判定結果が否である場合に、上記警告表示を行うと同時に、さらに、上記付随情報画像サイズの再設定操作を促す表示を行うことを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
対象物の光学像を受けて画像データを生成し出力する撮像部と、上記撮像部から出力された上記画像データに基く画像と各種情報を表示する表示部と、端末装置との間で通信を行って上記対象物に関する付随情報を取得するボディ側通信部と、上記表示部に表示中の画像内において当該画像に対応する上記付随情報に基く画像を予め指定された位置に重畳表示させる表示制御部とを具備する撮像装置と、
上記撮像装置との間で上記ボディ側通信部を介して通信を行う端末側通信部と、複数の撮像対象物に関する複数の付随情報を含む記録対象イベントに関する情報データ群を記録する記録部と、上記記録部に記録されている上記情報データ群に基いて個々の撮像対象物のそれぞれに関する付随情報に基く付随情報画像を作成する画像処理部とを具備する端末装置と、
を備えて構成されていることを特徴とする撮像システム。
上記端末装置は、さらに、上記撮像装置により取得される画像データと、この画像データに対応する上記付随情報画像を表す画像データとを関連付けて記録する記録部を、さらに具備することを特徴とする請求項14に記載の撮像システム。
上記撮像装置により取得される画像データと、この画像データに対応する上記付随情報画像を表す画像データとを合成した合成画像データを生成する合成画像作成部を、さらに具備することを特徴とする請求項14に記載の撮像システム。
上記端末装置は、上記合成画像データから合成画像の改竄を検出するための検出値を照合情報として算出する照合情報作成部を、さらに具備することを特徴とする請求項16に記載の撮像システム。
上記通信部は、上記操作部による表示変更操作に応じて上記表示制御部により変更された上記付随情報に基づく画像の表示画面内における表示位置及び表示サイズの情報を、上記端末装置へと転送することを特徴とする請求項22に記載の撮像用表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。以下の説明に用いる各図面は模式的に示すものであり、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさで示すために、各部材の寸法関係や縮尺等を各構成要素毎に異ならせて示している場合がある。したがって、本発明は、各図面に記載された各構成要素の数量や各構成要素の形状や各構成要素の大きさの比率や各構成要素の相対的な位置関係等に関して、図示の形態のみに限定されるものではない。
【0029】
本発明の一実施形態の撮像装置は、例えば撮像光学系により結像された光学像を、例えばCCD(Charge Coupled Device;電荷結合素子)イメージセンサーやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor;相補性金属酸化膜半導体)型イメージセンサー等の光電変換素子等(以下、撮像素子という)を用いて順次光電変換し、これにより得られた画像信号を所定の形態の画像データ(例えば静止画像又は動画像を表わすデジタル画像データ)として記憶媒体に記録すると共に、この記憶媒体に記録されたデジタル画像データに基いて静止画像又は動画像を再生表示する画像表示装置、例えば液晶表示ディスプレイ(Liquid Crystal Display;LCD)や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL;Organic Electro-Luminescence:OEL)ディスプレイ等を備えて構成された撮像装置であって、具体的には例えばデジタルカメラ等を例示する。
【0030】
また、本発明の一実施形態の撮像システムは、上記撮像装置と、当該撮像装置と連携させて使用する小型の個人用情報端末機器であって他の電子機器との間で無線通信を行って各種データの送受信を行ない得る端末装置、例えばパーソナルコンピュータ(デスクトップ型PCまたはノート型PCあるいはタブレット型PC若しくはスマートフォン等によって構成される形態のシステムを例示する。
【0031】
この撮像システムは、無線通信若しくは有線通信によって接続するネットワーク、例えばインターネット若しくはローカルエリアネットワーク等を利用して、上記撮像装置と上記端末装置との間で各種データの送受信を行うことができるように構成されているものである。
【0032】
そして、本発明の一実施形態の撮像装置及び撮像システムは、具体的には例えば、土木工事や建築工事等の工事現場における各種様々な場面や特定対象物の作業段階による経時変化等を記録対象工事の経過状況等の記録を行うのに適した工事写真用撮像装置及び工事写真用撮像システムを例示している。
【0033】
[一実施形態]
まず、本発明の一実施形態の撮像装置と、この撮像装置を適用する撮像システムの構成を、
図1,
図2を用いて以下に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の撮像装置と、この撮像装置を適用する撮像システムの構成を概略的に示すシステムブロック構成図である。
図2は、本実施形態の撮像システム全体の構成を簡略的に示す概念図である。
【0034】
本発明の一実施形態の撮像装置10を適用する撮像システム1は、
図1に示すように、撮像装置10と、端末装置40と、外部サーバ60とによって構成される。
【0035】
撮像装置10と端末装置40とは、近距離無線通信若しくは有線通信等の既存の通信手段71(詳細後述)を用いて互いの間でデータの送受信を行ない得るように構成されている(詳細後述)。また、端末装置40と外部サーバ60とは、既存のネットワーク70を介した無線通信若しくは有線通信によって互いにデータの送受信を行ない得るように構成されている。
図1,
図2のネットワーク70の例示は、無線通信し得る構成のインターネット等の無線ネットワークを想定して図示している。
【0036】
撮像装置10は、ボディユニット11と、レンズユニット31とによって構成される。ボディユニット11とレンズユニット31とは、別体若しくは一体に構成されている。つまり、本実施形態の撮像装置10は、レンズユニット31がボディユニット11に対して着脱自在に構成されている形態のレンズ交換式の撮像装置、若しくはボディユニット11とレンズユニット31とが一体に構成されたレンズ固定式の撮像装置のいずれの形態のものでも適用することができる。
【0037】
本実施形態の撮像装置10は、例えば土木工事や建築工事等の工事現場等の過酷環境下においても使用し得るように、充分な防水,防塵,耐衝撃,耐荷重,耐低温等の各種の性能を備えて構成されているものである。なお、これらの各種性能を実現するための具体的な構成については、本発明に直接関連しない部分であるので、従来一般に普及している撮像装置等の電子機器において適用されているものと同じ構成を採るものとし、それらの構成についての詳細説明は省略する。
【0038】
ボディユニット11は、画像処理部12と、撮像部13と、レンズ制御部14と、ボディ側第1通信部15(
図1では「B1通信部」と略記している)と、センサ部16と、撮像装置側表示部17(
図1では「撮像装置側」を省略している。以下、これに準じて呼称する)と、撮像装置側操作部18(
図1では「撮像装置側」を省略している。以下、これに準じて呼称する)、ボディ側第2通信部19(
図1では「B2通信部」と略記している)と、撮像装置側記録部20(
図1では「撮像装置側」を省略している。以下、これに準じて呼称する)と、表示制御部24等を有して構成されている。
【0039】
画像処理部12は、撮像部13から出力される画像データや、端末装置40から転送された黒板情報データ等を受けて各種の信号処理を行う処理回路である。この画像処理部12は、合成画像作成部21と、ファイル作成部22と、分解能判定部23等を有して構成されている。
【0040】
合成画像作成部21は、撮像部13から出力される画像データと、この画像データに含まれる対象物の付随情報である黒板情報データとを関連付ける処理等を行う処理回路である。この合成画像作成部21によって画像データと黒板情報データとが関連付けられることによって、これらの各データが端末装置40へと転送されたとき、当該端末装置40側(の画像処理部45)において、所定の画像合成処理等が行われて、黒板画像(付随情報画像)付きの合成画像データが作成されることになる。なお、上記黒板情報データは、黒板画像の仕様を決定するデータであることから、以下黒板仕様データというものとする。
【0041】
ファイル作成部22は、画像データと対応する関連付けられた黒板仕様データとを一つの画像ファイルとしてファイル化するための回路部である。
【0042】
分解能判定部23は、当該撮像装置10において設定されている記録画像サイズの情報と、設定された黒板画像のサイズ情報とに基いて、黒板画像サイズが適切か否かの判定を行う回路部である。つまり、当該分解能判定部23において行われる判定は、具体的には、例えば所定の画像データに対応する黒板画像を合成処理したときに、当該画像データ中に合成された黒板画像の分解能(Optical resolution)、即ち黒板画像中に記載されている黒板情報(文字情報)の識別能力(確実に読み取れるか否か)の判定等である。
【0043】
照合情報作成部25は、合成画像データの改竄を防止するための照合情報を作成する。照合情報としては、例えば合成画像データを元にしたハッシュ値を作成する。ハッシュ値(hash code)とは、元となるデータに対して、ハッシュ関数(hash function)と呼ばれる所定の演算処理をすることにより求められる値である。代表的なハッシュ関数として、SHA-1やSHA-2、MD5などが知られている。ハッシュ値は、メッセージダイジェスト(message digest)やフィンガープリント(finger print、指紋)と呼ばれることもある。
【0044】
撮像部13は、レンズユニット31を介して結像される対象物の光学像を受けて光電変換を行って画像信号を生成する光電変換素子(以下、撮像素子という)等と、この撮像素子を駆動する駆動回路と、上記撮像素子から出力される画像信号(アナログ信号)を受けて所定の形態の画像データ(デジタル信号)を生成するアナログデジタル変換回路など各種の電子回路などによって構成されている。この撮像部13自体は、従来一般に普及している撮像装置と同じ構成のものが適用される。
【0045】
レンズ制御部14は、レンズユニット31を制御する制御回路である。このレンズ制御部14は、ボディ側第1通信部15及びレンズ側通信部34とを介してレンズユニット31の後述するAF部32,ズーム部33等を制御して、レンズユニット31の自動焦点調節動作やズーム動作等のほか、不図示の絞り制御若しくはシャッタ制御(レンズシャッタの場合)等を行なう。
【0046】
ボディ側第1通信部(B1通信部)15は、ボディユニット11側に設けられる第1の通信部である。このボディ側第1通信部15は、ボディユニット11とレンズユニット31(のレンズ側通信部34)との間で制御信号やデータ等の送受信を行うための回路部である。
【0047】
センサ部16は、当該撮像装置10の状態(横縦姿勢等)を検出する加速度センサ及びその検出回路等のほか、当該撮像装置10に加わる微振動を検出し振れ補正制御を行うためのジャイロセンサや、後述する表示部17における背面モニタと電子ビューファインダとの切り換えを行うためのアイセンサ等、適宜必要とする各種センサ及び対応する検出回路等を含んで構成される回路部である。
【0048】
表示部17は、撮像部13からの出力信号を受けて撮像画像(ライブビュー画像)を順次連続的に表示させたり、記録部20の記憶媒体に記録済みの画像データに基く画像を表示させたり、当該撮像装置10における設定を行うためのメニュー画像等を、適宜切り換えて表示するための表示ユニットである。この表示部17としては、撮像装置10の背面に設けられる背面モニタや電子ビューファインダ(EVF:Electric View Finder)等がある。
【0049】
操作部18は、撮像装置側の各種操作を行う複数の操作部材と、これら複数の操作部材の作用を受ける電気部品としての複数のスイッチ部材と、これら複数のスイッチ部材等を含む電気回路部を有して構成される。この操作部18としては、押しボタン式,スライド式,回転式等の各種形態の機械式スイッチ部品等のほか、表示部17の表示面上に設けられるタッチパネル等がある。
【0050】
ボディ側第2通信部(B2通信部)19は、ボディユニット11側に設けられる第2の通信部である。このボディ側第2通信部19は、ボディユニット11と端末装置40(の端末側第1通信部41;詳細後述)との間で画像データ,黒板仕様データ等の各種データの送受信を行うための回路部である。
【0051】
記録部20は、撮像部13によって取得され画像処理部12において所定の信号処理が施された記録用の画像データを記憶させる記憶媒体(不図示)と、この記憶媒体を駆動する駆動回路等によって構成される構成ユニットである。
【0052】
表示制御部24は、上記表示部17の駆動制御を行う回路部である。当該表示制御部24は、例えば操作部18からの操作信号を受けて表示部17に表示する表示内容の切り換え制御を行ったり、上記背面モニタと上記電子ビューファインダとの切り換え制御等を行う。また、表示制御部24は、ライブビュー画像の制御等も行う。例えば、撮像部13からの出力を受けて表示部17にライブビュー画像を表示するとき、このライブビュー画像の表示画面上に、所定の黒板画像を重畳表示させる等の表示制御を行う。この場合において、黒板画像を表示する位置やサイズの表示制御もまた、予め指定されたデータに基いて当該表示制御部24が行う。
【0053】
さらに、表示制御部24は、操作部18からの操作入力を受けて、黒板画像の表示画面内における表示位置や表示サイズを変更する表示制御も行う。具体的には、例えば、ライブビュー画像中に黒板画像を重畳表示させている状態で、使用者が、操作部18に含まれるタッチパネル上に任意の位置をタップ操作すると、黒板画像の位置が表示中の位置から指定した位置へと移動させるように表示制御される。また、表示中の黒板画像をタップ操作すると、黒板画像の大きさが変化するように表示制御される等である。なお、このような操作を行うことによって、黒板画像の位置や大きさの設定変更を行った場合には、変更された位置,大きさ等の設定情報は、上記画像処理部12等に置いて更新された後、B2通信部19を介して端末装置40側へと送信されて、後述する記録部44の黒板仕様データ52も更新されるようにしてもよい。
【0054】
レンズユニット31は、被写体の光学像を生成するための構成ユニットである。このレンズユニット31は、複数の光学レンズ等からなる撮像光学系(不図示)と、撮像光学系の各光学レンズを保持する複数の保持部材(不図示)と、これら複数の保持部材の一部を進退又は回転駆動させるための駆動機構(不図示)等と、この駆動機構を駆動制御するための回路部(AF部32,ズーム部33等)と、レンズ側通信部34(
図1では「L通信部」と略記している)等を有して構成されている。なお、図示を省略しているが、当該レンズユニット31には、絞り機構部等のほか、必要に応じてレンズシャッタ機構部等を有している。これら不図示の機構部については、本発明に直接関連しない部分であるので、従来一般に普及している撮像装置のレンズユニットに適用されているものと同じ構成を採るものとし、それらの構成についての詳細説明は省略する。
【0055】
このうちAF部32は、ボディユニット側のレンズ制御部14からの制御信号を受けて上記駆動機構(不図示)を駆動させることにより、自動焦点調節(AF;Auto Focus)動作を実現する回路部である。
【0056】
ズーム部33は、ボディユニット側のレンズ制御部14からの制御信号を受けて上記駆動機構(不図示)を駆動させることにより、変倍(Zoom)動作を実現する回路部である。
【0057】
レンズ側通信部(L通信部)34は、レンズユニット31側に設けられる通信部である。このレンズ側通信部34は、ボディユニット11(のボディ側第1通信部15)とレンズユニット31との間で制御信号やデータ等の送受信を行うための回路部である。
【0058】
一方、端末装置40は、本撮像システム1においては、上記撮像装置10との間で、通信手段71(詳細後述)を介して通信を行うことにより互いに連携して使用される小型の個人用情報端末機器である。端末装置40は、例えばパーソナルコンピュータ(デスクトップ型PC,ノート型PC,タブレット型PC)やスマートフォン等、従来一般に普及し実用化されている電子機器を利用する。これら一般的な形態の端末装置40において、本発明の一実施形態の撮像プログラムを適用することにより、本発明の一実施形態の撮像システム1が構成されることになる。
【0059】
なお、上記撮像装置10は、当該撮像装置10の全体を統括し、かつ当該撮像装置10の内部構成ユニット等のそれぞれを個々に制御する制御部(不図示)を有している。
【0060】
上記端末装置40は、端末側第1通信部41(
図1では「D1通信部」と略記している)と、端末側表示部42(
図1では「端末側」を省略している。以下、これに準じて呼称する)と、端末側操作部43(
図1では「端末側」を省略している。以下、これに準じて呼称する)と、端末側記録部44(
図1では「端末側」を省略している。以下、これに準じて呼称する)と、端末側画像処理部45(
図1では「端末側」を省略している。以下、これに準じて呼称する)と、端末側第2通信部46(
図1では「D2通信部」と略記している)と、位置情報時計情報部47等を有して構成されている。
【0061】
端末側第1通信部(D1通信部)41は、端末装置40側に設けられる第1の通信部である。この端末側第1通信部41は、当該端末装置40とボディユニット11(のボディ側第2通信部19)との間で画像データ,黒板仕様データ等の各種データの送受信を行うための回路部である。
【0062】
表示部42は、端末装置40において各種の情報を文字,画像等を用いて表示するPC等において適用される一般的な形態の表示装置である。
【0063】
操作部43は、端末装置40において使用者の操作を受け入れる入力操作装置である。この操作部43の具体的な形態としては、例えばキーボード等の入力機器や、マウス,トラックボール,ジョイスティック,タッチパネル(タッチスクリーン),ペンタブレット,タッチパッド,トラックパッド,ジョイパッド等のポインティングデバイス等がある。これらの操作部43は、PC等において適用される一般的な形態の入力操作装置である。
【0064】
記録部44は、端末装置40において各種の情報を電子データとして記憶するストレージデバイス(Storage Device)である。記録部44の具体的な形態としては、例えば半導体を用いた記憶装置や、ハードディスク装置等の磁気記憶装置等のほか、一時的な記憶をおこなう半導体メモリ等がある。この記録部44もまた、PC等において適用される一般的な形態の記憶装置である。
【0065】
なお、記録部44は、例えば工事設計図面データ51と、黒板仕様データ52と、撮像装置仕様データ53等の各種データが記憶される記録領域を有する。
【0066】
ここで、工事設計図面データ51は、記録対象工事(記録対象イベント)等の設計図面,設計仕様書等のほか当該記録対象工事等に関する各種資料等を含む固有データからなる情報データ群である。この工事設計図面データ51は、当該端末装置40において作成されるデータのほか、他の端末装置で作成され外部サーバ60等に蓄積されたデータをネットワーク70経由にてダウンロードされたデータ等である。
【0067】
黒板仕様データ52は、当該端末装置40において作成される黒板画像用の情報データである。黒板仕様データ52は、記録対象工事等に関する情報(工事設計図面データ51)に基いて当該端末装置40を使用して作成される。この黒板仕様データ52は、黒板画像のテンプレート(template;雛形)画像や、当該黒板画像内に書き込まれる情報(記録対象工事等の状況説明情報;例えば日付,場所等の基本情報や工事名,作業名,対象物名,会社名,その他のメモ等の各種情報)等のほか、対象物を含む画像データに基づいて表示される画像内に黒板画像を重畳表示(合成処理)する際の表示位置(合成位置)やサイズ等を指定するための各種情報等を含むものである。この黒板仕様データ52は、例えば、使用者による操作部43からの操作入力を受けて、画像処理部45等によって行われる処理の結果作成される。
【0068】
撮像装置仕様データ53は、当該撮像システム1において対応する特定の撮像装置10に関する固有のデータ、例えば撮像装置10のシリアル番号等の固有データや各種仕様データ、特にレンズユニット31に含まれる撮像光学系(不図示)の焦点距離情報,撮像部13に含まれる撮像素子(不図示)の受光面サイズ情報,(レンズ焦点距離と素子サイズとから算出される画角情報),記録画像サイズの情報等である。
【0069】
画像処理部45は、端末装置40において画像データに関する各種のデータ処理、例えば上記黒板仕様データ52の作成処理等のほか、表示部42において各種の情報を適宜表示させるための表示制御処理等を行なう回路部である。なお、画像処理部45は、上記ボディユニット11の画像処理部12と同様の機能をも有している。即ち、画像処理部45は、各種の画像編集処理(合成画像作成処理やファイル作成処理等)に加え、分解能判定処理等を行う機能をも有している。
【0070】
端末側第2通信部(D2通信部)46は、端末装置40側に設けられる第2の通信部である。この端末側第2通信部46は、当該端末装置40と外部サーバ60との間でネットワーク70を介して各種のデータの送受信を行うための回路部である。
【0071】
位置情報時計情報部47は、当該端末装置40の位置情報と、現在時刻に関する情報等を取得し、または生成する回路部である。
【0072】
なお、上記端末装置40は、当該端末装置40の全体を統括し、かつ当該端末装置40の内部構成ユニット等のそれぞれを個々に制御する制御部(不図示)を有している。
【0073】
外部サーバ60は、工事設計図面データ61と、黒板仕様データ62と、画像データ63等の各種各様の情報を電子データとして記憶するための記憶領域等を有するストレージ装置である。この外部サーバ60は、例えばインターネット若しくはローカルエリアネットワーク等の既存のネットワーク(Computer network)70を介した無線通信手段若しくは有線通信手段によって、上記撮像システム1と電気的に接続されている。
【0074】
なお、上記工事設計図面データ61は、端末装置40の工事設計図面データ51と同じものである。同様に、黒板仕様データ62は、端末装置40の黒板仕様データ52と同じものである。また、画像データ63は、撮像装置10によって取得された画像データや、この画像データに対して各種の処理(黒板画像の合成処理等)を施した形態の画像データ等である。これらの工事設計図面データ61,黒板仕様データ62,画像データ63等は、端末装置40若しくは他の端末装置からネットワーク70を介してアップロードされたデータである。
【0075】
なお、上述したように、上記撮像装置10と上記端末装置40との間は、所定の通信手段71によってデータの送受信を行ない得るように構成されている。この通信手段71としては、ボディ側第2通信部19と端末側第1通信部41とを用いた無線通信手段(例えば近距離型無線通信(NFC;Near field radio communication),無線LAN(Wireless Local Area Network),ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth)等)のほかに、
図2に示すように有線ケーブル通信手段(例えばユニバーサルシリアルバス(USB;Universal Serial Bus)等)を適用することができる。
【0076】
本実施形態の撮像装置10と、この撮像装置10を適用する撮像システム1におけるその他の構成は、従来一般の撮像装置,端末装置,外部サーバ等、個々の電子機器と同じ構成を有するものとして、その説明は省略する。
【0077】
このように構成された本実施形態の撮像装置10と、この撮像装置10を適用する撮像システム1を用いて行われる作用の概略を、以下に説明する。
【0078】
図3は、本実施形態の撮像システムを使用して対象記録工事等の記録操作を行う際のようすを示す概念図である。
【0079】
図4は、本実施形態の撮像システムにおける端末装置にて作成される黒板仕様データの表示形態の一例を示す図である。
【0080】
図5は、本実施形態の撮像システムにおける撮像装置にてライブビュー画像に重畳表示される黒板仕様データに基く簡易黒板画像の表示形態の一例を示す図である。
【0081】
図6は、本実施形態の撮像システムにおける撮像装置にてライブビュー画像に重畳表示される黒板仕様データの表示形態の一例であって、黒板仕様データによる黒板画像サイズの設定が小さ過ぎた場合に出現する警告表示の一例を示す図である。
【0082】
図7は、本実施形態の撮像システムにおいて撮像装置にて取得した画像データと対応する黒板仕様データに基いて端末装置にて表示される黒板画像付き合成画像の表示形態の一例を示す図である。
【0083】
図8は、本実施形態の撮像システムを使用して作成される記録報告書の一例を示す図である。
【0084】
本実施形態の撮像システム1の使用形態は、概略、以下に示す二種の使用形態が考えられる。
【0085】
まず、記録対象工事等の現場(以下、単に現場と略記する)とは異なる場所に位置する屋内施設(以下、事務所と略記する)において端末装置40を使用して、予め立案した計画に沿って、複数の対象物についてそれぞれに対応する複数の黒板仕様データ52を作成し、これを当該端末装置40の記録部44に保存する(
図2参照)。
【0086】
ここで、端末装置40を使用して所望の黒板仕様データ52を作成する際のようすは、
図4に示す通りである。
【0087】
まず、端末装置40の表示部42に黒板画像のテンプレート画像201を表示させる。ここで、使用者は、このテンプレート画像201内の所定の位置に、所定の情報(記録対象工事等の状況説明情報;例えば日付,場所等の基本情報や工事名,作業名,対象物名,会社名,その他のメモ等の各種情報)等を書き込む。
【0088】
この情報入力作業は、端末装置40の操作部43等を用いて行う。なお、この情報入力作業を行うのに際しては、黒板画像のテンプレート画像中への入力がし易いように、テンプレート画像201を表示画面内において拡大し、若干大きめに表示させることができる。
【0089】
なお、上記情報入力作業は、使用者による手入力作業によるほか、次のような自動入力作業とすることもできる。上記所定の情報は、工事設計図面データ61等として、外部サーバ60に予め蓄積されているのが普通である。したがって、端末装置40は、外部サーバ60にアクセスして、それらの所定の情報をダウンロードして利用することができる。そして、端末装置40にダウンロードされた上記所定の情報は、所定の項目毎に、上記黒板画像のテンプレート画像201における対応項目の欄に自動的に入力されるように構成してもよい。
【0090】
また、黒板仕様データ52の作成時には、対応する記録対象物を含む画像データの表示画面内において、当該黒板画像が表示される位置やサイズを指定しておくこともできる。また、記録対象物によって、縦長画像とするか横長画像とするかの適不適は、予め想定することができるので、画像データの取得時の縦位置設定若しくは横位置設定の指定を行うこともできる。
【0091】
こうして作成された黒板仕様データ52は、まず、端末装置40の記録部44に保存される。当該黒板仕様データ52は、そのほかにも、予め撮像装置10へと転送し、同撮像装置10の記録部20に保存しておいても良い。さらに、これと同時に、当該黒板仕様データ52は、外部サーバ60に対してアップロードしておいてもよい。
【0092】
ここまでの作業、即ち黒板仕様データ52の作成及び保存作業は、二種あるいずれの使用形態においても共通する作業である。
【0093】
その後、第1使用形態では、撮像装置10と端末装置40との両方の機器を記録対象工事等の現場(以下、単に現場と略記する)に持ち出し、当該現場にて撮像装置10と端末装置40とを連携させながら使用する。
【0094】
この場合、黒板仕様データ52は、上述したように、端末装置40に保存されている。また、予め撮像装置10に黒板仕様データを転送してある場合には、同じ黒板仕様データが撮像装置10にも保存されている。さらに、同黒板仕様データは、外部サーバ60にも保存されている場合もある。
【0095】
なお、第1使用形態においては、黒板仕様データは、少なくとも端末装置40に保存されていればよい。
【0096】
しかし、撮像装置10と端末装置40とのいずれか一方若しくは両方ともがネットワーク70(この場合はインターネット)を介した外部サーバ60との通信が可能である場合には、黒板仕様データは、撮像装置10,端末装置40,外部サーバ60のいずれかに一箇所に保存されていればよい。
【0097】
つまり、黒板仕様データが撮像装置10のみにある場合には、そのまま撮像装置10にて使用し、都度、端末装置40へと転送し、両者で連携して使用する形態となる。
【0098】
また、黒板仕様データが端末装置40のみにある場合は、端末装置40から撮像装置10へと必要に応じて都度転送し、両者間で連携しながら作業を進める形態となる。
【0099】
そして、黒板仕様データが外部サーバ60のみにある場合には、撮像装置10若しくは端末装置40の一方が外部サーバ60からダウンロードし、これを撮像装置10若しくは端末装置40の他方へと転送し、両者間で連携しながら作業を進める形態となる。
【0100】
一方、黒板仕様データ52を作成した後、第2使用形態では、端末装置40を事務所に置いたまま、黒板仕様データを転送保存済みの撮像装置10のみを現場に持ち出して使用する形態である。
【0101】
この場合、黒板仕様データ52は、事務所にて作成した後、予め撮像装置10に対して転送し、当該撮像装置10の記録部20に記録しておくことが必要である。
【0102】
しかし、第2使用形態においては、撮像装置10がネットワーク70(インターネット)を介して外部サーバ60と通信が可能であれば、黒板仕様データは、必ずしも撮像装置10に転送しておく必要はない。例えば、黒板仕様データを撮像装置10に転送せずに、現場へ出かけてしまったとしても、当該黒板仕様データは、現場において撮像装置10を用いて外部サーバ60からダウンロードすることができる。この場合、撮像操作の都度、ダウンロードしてもよいし、必要とする複数の黒板仕様データを一括してダウンロードしてもよい。
【0103】
なお、説明の煩雑化を避けるために、撮像装置10と端末装置40の設定は、以下のような条件にあるものとする。
【0104】
まず、第1使用形態の場合には、端末装置40に黒板仕様データが保存されているものとする。また、第2使用形態の場合には、撮像装置10に黒板仕様データが保存されているものとする。したがって、以下の説明においては、第1使用形態及び第2使用形態のいずれの場合にも、現場では、撮像装置10若しくは端末装置40を使っての外部サーバ60への接続操作を行わないものとする。
【0105】
ここで、現場の状況は、
図3に示すような状況を想定する。即ち、対象記録工事等の現場に記録対象物300がある場合において、第1使用者101は、撮像装置10を保持して、当該記録対象物300の撮像動作を行う。また、第2使用者102は、端末装置40を保持して、第1使用者101の撮像動作を補佐する。
【0106】
この場合において、第1使用形態では、第1使用者101(撮像装置10)と第2使用者102(端末装置40)とが現場に存在する場合である(
図3の符号A)。一方、第2使用形態では、第1使用者101(撮像装置10)のみが現場に存在する場合である(
図3の符号B)。
【0107】
なお、
図3においては、第1使用形態の場合に、二名の使用者(101,102)がそれぞれ撮像装置10と端末装置40とを保持して使用する状況を示しているが、この形態に限られることはない。例えば、第1使用形態の場合であっても、使用者を一名のみとし、この一名の使用者が撮像装置10と端末装置40とを交互に使用するといった形態として考えてもよい。
【0108】
現場において、第1使用形態の場合は、まず、第1使用者101は、撮像装置10を起動させて、これを記録対象物300に向ける。すると、撮像装置10の表示部17には、通常のライブビュー画像が表示される。
【0109】
これと同時に、第2使用者102は、端末装置40を操作して、記録対象物300に対応する黒板仕様データを表示部42に表示させると共に、当該黒板仕様データを、端末装置40から撮像装置10へと転送する操作を行う。即ち、この場合には、所望の記録対象物の撮像動作を行う毎に、都度、対応する黒板仕様データを端末装置40から取得するという操作を繰り返すことになる。
【0110】
すると、撮像装置10の表示部17においては、転送されてきた黒板仕様データに基く黒板画像202が、ライブビュー画像に重畳した形態で表示される。
図5は、このときの撮像装置10の表示部17に表示されるライブビュー画像表示の一例である。
【0111】
一方、現場において、第2使用形態の場合は、まず、第1使用者101が撮像装置10を操作して、記録対象物300に対応する黒板仕様データを選択する。すると、その黒板仕様データに基く黒板画像(簡略版)が、予め設定された位置に、予め設定されたサイズでライブビュー画像に重畳表示される。この場合の撮像装置10の表示部17の表示は、
図5に示す一例と同様である。
【0112】
ここで、撮像装置10側において表示される黒板画像202は、
図5に示すように、所定の黒板仕様データに対応する特定番号を付した枠画像のみからなる簡略化された表示形態である。
【0113】
撮像装置10において、黒板仕様データに基く黒板画像の表示形態を、このような簡略化形態としているのは、撮像装置10の表示部17が小型であるので、これに詳細情報を全て表示させたとしても表示画面上では判別し得ない場合があるという第1の理由と、黒板仕様データに含まれる全ての情報を読み込んで表示させるためには撮像装置10の画像処理部12や表示制御部24等、画像表示に関わる回路部にとって過負荷となることから、これらの回路部への負荷を軽減するために表示の際の情報量を低減するという第2の理由とがある。
【0114】
このとき、撮像装置10の第1使用者101は、表示された黒板画像202が記録対象物300に対応する正しい黒板仕様データに対応するものであるかどうかは、上記黒板画像202に表示される特定番号で判別できる。つまり、この特定番号に対応する画像仕様データの内容は、第2使用者102の保持する端末装置40によって表示させて確認することができる。また、撮像装置10においても、例えば、
図3の表示中に黒板画像202に対応する表示画面上の領域をタップ操作するか、又はOKボタン(不図示)等の所定の操作部材を操作することによって、当該表示中の黒板画像202に関する詳細情報が表示部17の表示画面全体を使って確認し得る表示形態に切り換えることができる。そして、その確認表示は、所定の操作部材に対するワンアクション操作等によって、即座に
図5の表示状態へと復帰させることができる。
【0115】
続いて、第1使用者101は、撮像装置10の表示部17のライブビュー画像を見ながら、当該表示画面中における黒板画像202の位置や大きさ等を、調整する操作を行う。この調整操作は、第1使用形態,第2使用形態に共通する作業である。
【0116】
即ち、この調整操作は、例えば表示画面中において黒板画像202が記録対象物300を隠したりしないような位置や大きさであるかを考慮して、黒板画像202の調整を行う操作である。この調整操作は、撮像装置10の操作部18における所定の操作部材若しくはタッチパネル等を用いて行われる。なお、第1使用形態では、第1使用者101による当該調整操作中、第2使用者102は待機している。
【0117】
なお、この調整操作中においては、例えば表示画面中における黒板画像202の枠サイズ(黒板画像サイズともいう)の設定が、設定済みの記録画像サイズに比べて小さくし過ぎてしまうことがある。
【0118】
この場合、設定されている記録画像サイズによっては、黒板画像202の分解能(黒板画像中に記載される各種情報(文字情報)の識別能力)が低下することになる。このことを考慮して、本実施形態の撮像装置10においては、記録画像サイズの設定に応じて、黒板画像サイズの最小値が規定されている。そして、上記調整操作の際に、黒板画像202のサイズについての設定変更を行った結果、設定された黒板画像202の枠画像サイズ情報が規定された最小サイズ値を下回った場合(小さくし過ぎた場合)には、撮像装置10の表示部17において、
図6に示すような警告表示211a,211bが行なわれる。
【0119】
ここで、
図6の警告表示211aは、黒板画像サイズが不適切である旨を示す表示例であって、黒板画像202の枠画像領域を打ち消すような斜線を表示する例を示している。また、
図6の警告表示211bは、黒板画像サイズが不適切である旨を、文字列によって示す表示した例である。
【0120】
このような警告表示は、例えば、分解能判定部23による判定結果を受けて表示制御部24が行う表示制御である。ここで、表示制御部24は、上記警告表示を行うと同時に、さらに加えて、黒板画像サイズの再設定操作を促す表示を行うようにしてもよい。
【0121】
このような調整操作が行われると、その調整結果を反映した新たな黒板仕様データが生成されて、この新たな黒板仕様データが旧データを更新し、新黒板仕様データが撮像装置10の記録部20に記録される。
【0122】
また、ここで、画面設定(縦位置か横位置かの設定)についても、現場の状況に合わせて変更してもよい。本実施形態の撮像装置10は、撮像動作の実行時の姿勢を自動的に検出するセンサ部16を有している。したがって、撮像動作が実行された時のセンサ部16による姿勢検出結果に対応する画面設定(縦位置か又は横位置設定)が、予め指定されている画面設定に対して異なる設定である場合(具体的には例えば縦位置設定が指定されているときに横位置での撮像動作が実行された場合など)には、黒板仕様データのうち画面設定に関するデータが自動的に更新される。
【0123】
なお、上述のように現場において、撮像動作前の調整を行う際に、予め指定された画面設定に対して異なる画面設定での撮像動作を実行するときには、黒板画像の位置やサイズについても、設定画面に合わせて適切な位置及びサイズとなるように自動的に表示が切り換わる。使用者は、これを見ながら、適宜微調整を行えばよい。
【0124】
このようにして黒板画像202の調整が済んだら、第1使用者101は、撮像装置10による画像取得操作(撮像操作)を実行する。これを受けて撮像装置10は、通常の画像取得動作を実行する。すると、通常の画像データが取得される。そして、この取得画像データは、記録部20に記録される。このとき、当該画像データには、対応する黒板仕様データが関連付けされて記録される。
【0125】
この場合に、画像データと対応する黒板仕様データは、それぞれが別ファイルの形態で記録されるようにしてもよいし、画像データと対応する黒板仕様データとを一体化させた一ファイルとして記録するようにしてもよい。両者を別ファイル形態で記録する場合には、例えば当該画像データのヘッダ部に付されるタグデータにおいて、これに対応する黒板仕様データが存在する旨の情報を付加する等により関連付けを行えばよい。また、両者を一ファイルとして記録するには、例えば黒板仕様データを画像データのヘッダ部に含めて記録するようにすればよい。
【0126】
ここで、撮像装置10によって取得された複数の画像データは、関連付けがなされた黒板仕様データの任意の項目(例えば日付,工事名,対象物名等)情報に基いて生成される複数のフォルダに対して分類され、各対応するフォルダに記録されるようにしてもよい。
【0127】
なお、第1使用形態では、調整済みの新たな黒板仕様データは、撮像装置10側において画像データと共に記録される。これと同時に、当該新黒板仕様データ及び対応する画像データはセットとして、撮像措置10から端末装置40へと転送される。これにより、端末装置40側の黒板仕様データも更新される。
【0128】
そして、端末装置40においては、転送された画像データとこれに対応する黒板仕様データとに基いて所定の画像合成処理が行われる。これにより、黒板画像付きの合成画像データが生成され、これに基く画像が表示部42に表示される。このときの端末装置40の表示部42に表示される黒板画像付き合成画像の表示例を
図7に示している。
【0129】
このように、第1使用形態の場合には、現場において、撮像装置10と端末装置40とを連携させながら、複数の画像データの取得と、複数の合成画像データの作成を行う。また、第2使用形態の場合には、現場において、撮像装置10を用いて、複数の画像データの取得と、各画像データに対応する黒板仕様データの関連付け処理を行なう。
【0130】
こうして、現場における一連の撮像動作を終えた後は、第1使用形態の場合は、撮像装置10と端末装置40とを事務所に持ち帰る。また、第2使用形態の場合は、撮像装置10を事務所に持ち帰る。
【0131】
事務所においては、上述のようにして現場にて取得された複数の画像データに対する整理作業を行う。この整理作業は、当該撮像システム1を使用して対象記録工事等の記録操作が現場にて行われた後に行う取得画像データ等の整理作業である(
図2参照)。
【0132】
第1使用形態の場合、取得した複数の画像データと、これに各対応し関連付けされた複数の黒板仕様データと、さらに、これらに基いて(現場にて撮像動作の都度、)合成処理されて作成した複数の合成画像データとが、端末装置40の記録部44に記録されている。
【0133】
また、第2使用形態の場合には、取得した複数の画像データと、これに各対応し関連付けされた複数の黒板仕様データとが、撮像装置10の記録部20に記録されている。
【0134】
したがって、事務所においては、第1使用形態の場合、端末装置40を用いて所望の画像データを表示させれば、その表示された画像データに関連付けされた黒板仕様データが自動的に読み出されて、画像データ内の指定された位置に重畳表示される。若しくは、単に現場で自動的に作成された合成画像データをそのまま表示させればよい。
【0135】
この合成画像データと、対応する黒板仕様データに含まれる各種の情報に基づいて、
図8に示すような記録報告書等の文書(ドキュメント)が自動的に作成される。こうして作成された記録報告書については、使用者は、任意に、所望する項目に対して所望の情報を付加入力(書き加える)こともできる。その付加入力操作は、端末装置40の操作部43を用いて行う。
【0136】
なお、上記記録報告書等とは、例えば予め規定された形態(フォーマット)を備えた報告書形式の文書等を想定している。
【0137】
こうして作成された記録報告書のデータは、例えば端末装置40の記録部44に記録されると共に、外部サーバ60へアップロードしておいてもよい。
【0138】
また、事務所において、第2使用形態の場合には、まず、使用者は、撮像装置10から端末装置40(事務所に置いてあった)へと、取得した複数の画像データと、これに各対応し関連付けされた複数の黒板仕様データとを通信手段71を介して転送する。
【0139】
その後、端末装置40において所定の整理作業を行う。以降の整理作業は、上述の第1使用形態で説明したものと同様である。
【0140】
本実施形態の撮像装置10と、この撮像装置10を適用する撮像システム1を用いて行われる記録対象工事等の記録,分類,整理作業は、簡略に説明すると、記録対象工事等にある複数の記録対象物について予め立案した計画(黒板仕様データ)に沿って複数の黒板仕様データを予め作成しておき、上記複数の黒板仕様データにそれぞれ対応する複数の画像データを取得する際には、各画像データに対応する黒板仕様データを関連付けして記録し、こうして取得した複数の画像データと、これら複数の画像データのそれぞれに関連付けられた複数の黒板仕様データとに基いて複数の黒板画像付き合成画像データを生成し、生成された複数の黒板画像付き合成画像データを、各黒板仕様データの所定の項目に基づいて分類し、別々のフォルダに振り分けて記録し、さらに、上記複数の黒板画像付き合成画像データと、これらに各対応する黒板仕様データ等に基いて記録報告書等の文書を作成する。
【0141】
なお、本実施形態の撮像装置10は、撮像装置10による画像データの取得操作時には、撮像部13に含まれる撮像素子(不図示)によって都度取得される画像データ(ライブビュー画像を表示させる各データ)から、対象物の寸法値を算出することができるように構成されている。
【0142】
図9は、本実施形態の撮像装置において、取得される画像データから対象物の寸法値を算出する場合の概念図である。
【0143】
ここで、撮像部13により取得された画像データより対象物の寸法値を算出するためには、撮像部13により取得された画像データ(記録済みの画像データ若しくはライブビュー表示用画像データ)から算出される対象物に関する情報(例えば撮像画面上における対象物の寸法値X等:
図9参照)と、撮像装置仕様データ53に含まれる各種の情報(例えばレンズユニット31の焦点距離F,画角φ,撮像部13の撮像素子の受光面サイズX0等:
図9参照)と、AF動作によって得られる各種の情報(例えば撮像装置10から対象物300までの距離D等:
図9参照)等に基づいて、対象物のサイズW(
図9参照)は(1)式により算出することができる。
【0144】
W=D・X/F … (1)
なお、上記画角φは、(2)式により算出することができる。
【0145】
φ≒arctanX0/F … (2)
このようにして算出されたサイズWは、黒板仕様データに含まれる各種の情報(例えば、予め工事設計図面データ61等から抽出された特定の記録対象物の設計寸法値等)と比較することにより、当該対象物が設計通りに築造されているか否かの確認を行うことができる。
【0146】
したがって、本実施形態の撮像装置10は、対象物の画像データを取得することによって、当該記録対象工事等が設計通りに実行されているか否かの確認を行うことができる。
【0147】
そのために、例えば撮像装置10の画像処理部12内に、画像データから算出される対象物のサイズWと対象物のサイズの設計値との比較結果を判定するための判定部を、さらに設けてよい。
【0148】
次に、上述した本実施形態の撮像装置と、この撮像装置を適用する撮像システムの作用を、
図10〜
図14の各フローチャートを用いて以下に説明する。
【0149】
図10は、本発明の一実施形態の撮像システムにおいて行われる資料作成シーケンスのフローチャートである。
【0150】
図11は、本発明の一実施形態の撮像システムにおける撮像装置の作用を示すフローチャートである。
【0151】
図12は、本発明の一実施形態の撮像システムにおける端末装置の作用を示すフローチャートである。
【0152】
図13は、
図12のステップS52にて分岐した先のフローチャートである。
【0153】
図14は、
図12のステップS58にて分岐した先のフローチャートである。
【0154】
まず、本実施形態の撮像システム1において行われる資料作成シーケンスの流れを、
図10を用いて以下に説明する。
【0155】
まず、ここで、本実施形態の撮像システム1は、
図2に示すような状態にあるものとする。その状態において、撮像装置10と端末装置40と外部サーバ60とは、いずれも稼働状態にあるものとする。また、撮像装置10と端末装置40とは、通信手段71を介して互いの間でデータの送受信を行ない得る状態にあるものとする。そして、端末装置40と外部サーバ60とは、ネットワーク70を介して互いの間でデータの送受信を行ない得る状態にあるものとする。
【0156】
この状態において、
図10のステップS11において、端末装置40の制御部(不図示)は、端末側第1通信部41を監視して、ボディ側第2通信部19との通信を行うことができるように、所定の待機モードで動作している。
【0157】
次のステップS12において、端末装置40の制御部(不図示)は、所定の設計図面データを取得するか否かの確認を行う。ここで、当該設計図面データを取得する場合には、次のステップS13の処理に進む。また、当該設計図面データを取得する必要がない場合には、ステップS15の処理に進む。
【0158】
ステップS13において、端末装置40の制御部(不図示)は、詳述の処理にて取得した設計図面データを用いて一連の撮像計画を作成する。
【0159】
続いて、ステップS14において、端末装置40の制御部(不図示)は、上述の処理にて作成された撮像計画に基づいて、必要となる複数の画像データに対応する複数の黒板仕様データの作成を行う。こうして作成された複数の黒板仕様データは、撮像装置10に対し、通信手段71を介して転送される。なお、この転送処理は、場合によっては省略することも可能である。
【0160】
ステップS15において、端末装置40の制御部(不図示)は、ドキュメント作成モードを実行するか否かの確認を行う。ここで、ドキュメント作成モードを実行する場合には、次のステップS16の処理に進む。また、ドキュメント作成モードを実行しない場合には、上述のステップS11の処理に戻って待機する。
【0161】
ステップS16において、端末装置40の制御部(不図示)は、関連画像を表示する処理を行う。ここで関連画像とは、例えば取得済み画像データと、対応する黒板仕様データとに基づいて作成された合成画像データにより表示される画像等である。
【0162】
続いて、ステップS17において、端末装置40の制御部(不図示)は、上記関連画像と、この関連画像に対応する各種の情報と基づいて、所定のドキュメント作成処理を実行する。ここで、作成されるドキュメントデータは、上述した記録報告書等の文書である。所定のドキュメントが作成された後は、当該ドキュメントの記録処理が行なわれる。
【0163】
同処理ステップにおいては、さらに続けて、当該ドキュメントについて、オンライン提出処理等を行うようにしてもよい。ここで、オンライン提出処理とは、当該端末装置40から上記ネットワーク70を介して、例えば担当役所若しくは取引先会社等にある他の端末装置への転送処理である。これら一連の処理が終了すると、上述のステップS11の処理に戻って待機する。
【0164】
なお、本実施形態においては、資料作成シーケンスとして、黒板仕様データ作成処理(S12〜S14)と、ドキュメント作成処理(S16,S17)とを明示したのみであるが、これらに限ることはない。他の処理がある場合には、上述のステップS15の処理において、さらに他の処理へと分岐させるようなシーケンスとすればよい。
【0165】
次に、本発明の一実施形態の撮像システムにおける撮像装置の作用を、
図11のフローチャートによって以下に説明する。
【0166】
まず、撮像装置10は、例えば電源オン状態とされて使用可能な状態で起動しているものとする。そして、このとき、撮像装置10の制御部(不図示)は、
図11のステップS21に示すように、他の機器、例えば端末装置40等との間での通信待機処理をバックグランドで起動させている。つまり、撮像装置10は、起動時には、バックグランドで通信を常に待機する動作モードを持つ。もちろん、この動作モードは、常に切り状態とすることも可能である。即ち、撮像装置10における通信動作モードは、必要に応じてオンオフできる。
【0167】
次いで、ステップS22において、撮像装置10の制御部(不図示)は、通信相手とすべき他の機器(ここでは端末装置40とする)を特定する設定がなされているか否かの確認を行う。ここで、通信相手機器(端末装置40)を特定する設定がなされていないことが確認された場合には、ステップS23の処理に進む。また、通信相手機器(端末装置40)を特定する設定がなされていることが確認された場合には、次のステップS26の処理に進む。
【0168】
上記ステップS22において通信相手の設定が確認されずにステップS23に進むと、このステップS23において、撮像装置10の制御部(不図示)は、通信相手の設定操作を行うかどうかの確認を行う。ここで、通信相手の設定操作を行う場合には、ステップS24の処理に進む。また、通信相手の設定操作を行わない場合には、上述のステップS21の処理に戻る。
【0169】
ステップS24において、撮像装置10の制御部(不図示)は、通信相手設定のための所定の設定手続き処理が実行される。その後、ステップS25の処理に進む。
【0170】
ステップS25において、撮像装置10の制御部(不図示)は、上述のステップS24の処理でなされた通信相手設定処理の設定処理結果を、所定の記憶部(例えば不図示の内部メモリ等)に記憶する。その後ステップS21の処理に戻る。
【0171】
一方、上記ステップS22において通信相手の設定が確認されてステップS26に進むと、このステップS26において、撮像装置10の制御部(不図示)は、当該撮像装置10の動作モードが撮像モードであるか否かの確認を行う。ここで、撮像装置10の動作モードが撮像モードである場合には、次のステップS27の処理に進む。また、撮像装置10の動作モードが撮像モード以外の動作モードに設定されている場合には、ステップS41の処理に進む。
【0172】
ステップS27において、撮像装置10の制御部(不図示)は、撮像部13を制御して画像取得処理を実行すると同時に、ボディ側第1通信部15を制御してレンズ側通信部34との通信を行うと共に、レンズ制御部14を介してAF部32,ズーム部33の駆動制御を行なう。そして、撮像装置10の制御部(不図示)は、表示制御部24を介して表示部17を制御してライブビュー画像表示処理を実行する。
【0173】
さらに、これらの処理と同時に、必要に応じて所定の動作を実行する。ここで、所定の動作とは、例えば画像判定処理や測定処理等を必要に応じて実行し、それらの処理結果を取得する。
【0174】
上記画像判定処理は、撮像部13の撮像素子により取得される画像データと、黒板仕様データとを参照し、画像データ内の主要被写体が、所望の記録対象物であるか否かを判定する処理である。
【0175】
上記測定処理は、撮像部13の撮像素子により取得される画像データと、当該撮像装置10の基本情報(レンズ焦点距離,素子サイズ,画角等の情報)と、AF動作によって得られる対象物までの距離情報等に基づいて、当該画像データ中に形成される対象物の所定の部位の寸法を算出する処理である。その測定結果のデータは、記録部20等の所定の領域に記憶される。
【0176】
続いて、ステップS28において、撮像装置10の制御部(不図示)は、撮像動作を行うべき対象物の選択を行う。
【0177】
ステップS29において、撮像装置10の制御部(不図示)は、上述のステップS28にて選択された対象物に対応する黒板仕様データに含まれる黒板画像のデータが存在するか否かの確認をする。ここで、対応する黒板画像のデータが存在していることが確認されると、次のステップS30の処理に進む。また、対応する黒板画像のデータが存在しない場合には、ステップS30をスキップして、ステップS31の処理に進む。
【0178】
ステップS30において、撮像装置10の制御部(不図示)は、センサ部16からの出力に基づいて検出される姿勢情報や、予め設定され各種の情報(例えば表示画面内における黒板画像の設定位置や、黒板画像の大きさ等の情報)を有する黒板仕様データに基づいて作成される各種各様の形態の黒板画像を表示する。これと共に、使用者が操作部18を操作することによって、黒板画像に対する各種の設定変更(主に画面内における位置やサイズ変更等)が行われる。
【0179】
ステップS31において、撮像装置10の制御部(不図示)は、上述のステップS30における設定変更が可能であるか否かの確認を行う。ここで、設定変更が可能である場合には、ステップS32の処理をスキップして次のステップS33の処理に進む。また、設定変更が不可能である場合には、次のステップS32の処理に進む。
【0180】
ここで、設定変更の可否は、例えば黒板画像のサイズに関する設定変更等である。上述したように、表示画面内における黒板画像サイズが、撮像装置10において設定されている記録画像サイズの設定に対して不適切(例えば小さ過ぎる等)である場合に設定変更は不可能である(無効である)旨の判定が行われる。
【0181】
ステップS32において、撮像装置10の制御部(不図示)は、上述のステップS30の処理にて行われた設定変更操作が不可能である旨の警告表示を実行する。ここで行われる警告表示の一例としては、例えば
図6に示すような警告表示である。
【0182】
続いて、ステップS33において、撮像装置10の制御部(不図示)は、撮像動作を開始する指示信号が生じたか否かの確認を行う。ここで、撮像動作開始指示信号は、例えばシャッターレリース操作部材の操作によって発生するシャッターレリース信号の発生等である。上述のステップS32の処理にて警告表示が表示されたら、使用者は、当然ながら撮像動作開始指示を行わない。即ち、撮像動作開始指示信号の発生が確認された場合には、ステップS34の処理に進む。また、同撮像動作開始指示信号の発生が確認されない場合には、ステップS21の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0183】
撮像動作開始指示信号の発生が確認されてステップS34の処理に進むと、このステップS34において、撮像装置10の制御部(不図示)は、所定の撮像動作処理を実行する。この撮像動作処理は、従来一般の撮像装置で行われる処理と同様である。
【0184】
続いて、ステップS35において、撮像装置10の制御部(不図示)は、現在設定されている黒板仕様データについて、上述のステップS34の撮像動作処理にて取得される画像データに関連付けるための所定のデータ処理を行う。この所定のデータ処理とは、例えば、黒板仕様データの内容を、画像データのヘッダ部に付すタグデータの作成処理等である。
【0185】
続いて、ステップS36において、撮像装置10の制御部(不図示)は、上述のステップS34の撮像動作処理にて取得された画像データと、現在設定されている黒板仕様データとを関連付けてファイル化する画像ファイル化処理を実行する。ここで、画像ファイル化は、例えば画像データと黒板仕様データとを関連付けされた別ファイルとして記録する形態のほか、画像データと黒板仕様データとを一つのファイルとして記録する形態、画像データと黒板仕様データを合成して合成画像データとして記録する形態等、様々なファイル形態がある。合成画像データを記録した際には、合成画像に対して、照合情報作成部25で照合情報を作成し、合成画像データに関連付けて記録する事で、合成画像データの改竄を検証する照合情報を取得し、検証することができる。その後、上述のステップS21の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0186】
一方、上述のステップS26の処理にて、当該撮像装置10の動作モードが撮像モード以外の動作モードに設定されている場合に、ステップS41の処理に進むと、このステップS41において、撮像装置10の制御部(不図示)は、撮像装置10の動作モードが再生・通信モードに設定されているか否かの確認を行う。ここで、撮像装置10の動作モードが、再生・通信モードではない場合には、上述のステップS21の処理に戻る。
【0187】
なお、上述の
図11の処理シーケンスでは、再生・通信モードではない場合には、ステップS21の処理に戻るように構成した例を示しているが、この形態に限られることはない。例えば、撮像装置10が再生・通信モード以外のその他の動作モードを持っていれば、当該その他の動作モードに移行するようにすればよい。
【0188】
上述のステップS41の処理にて、撮像装置10が再生・通信モードである場合にステップS42の処理に進むと、このステップS42において、撮像装置10の制御部(不図示)は、記録部20に記録された複数の画像データについての一覧表示を、表示部17を用いて行う。ここで、使用者は、表示部17に表示中の一覧表示に対して所定の操作を行って、所望の画像データを選択する選択操作を行うことになる。
【0189】
次のステップS43において、撮像装置10の制御部(不図示)は、使用者による選択操作が行われることによって、所定の選択信号が発生したか否かの確認を行う。ここで、所定の選択信号の発生が確認されると、次のステップS44の処理に進む。また、所定の選択信号の発生が確認されない場合は、ステップS45の処理に進む。
【0190】
ステップS44において、撮像装置10の制御部(不図示)は、所定の選択信号に対応する画像データに基く画像(選択画像)を表示部17に表示させる選択画像再生処理を実行する。
【0191】
ステップS45において、撮像装置10の制御部(不図示)は、通信要求信号が確認されている場合には、再生表示中の選択画像の画像データを端末装置40へと送信する。なお、ここで、通信要求信号が確認されない場合は、次のステップS46の処理に進む。
【0192】
ステップS46において、撮像装置10の制御部(不図示)は、本処理シーケンスを終了する旨の指示信号(終了指示信号という)、例えば再生・通信モードから他の動作モードへの切換信号等の発生を確認する。ここで、終了指示信号が確認されると、上述のステップS21の処理に戻る。また、終了指示信号が確認されない場合は、上述のステップS43の処理に戻って、以降の処理を繰り返す。
【0193】
なお、図面の煩雑化を避けるために図示を省略しているが、上述のステップS46の処理にて、終了指示信号として、例えば電源状態のオフ信号が確認されたような場合には、当該撮像装置10の一連の処理シーケンスを終了する。
【0194】
次に、本発明の一実施形態の撮像システムにおける端末装置の作用を、
図12〜
図14のフローチャートによって以下に説明する。
【0195】
まず、端末装置40は、例えば電源オン状態とされて使用可能な状態で起動しているものとする。そして、このとき、撮像装置10の制御部(不図示)は、
図12のステップS51に示すように、表示部42の表示画面上に動作可能な各種の動作モードの一覧を表示している。
【0196】
ステップS52において、端末装置40の制御部(不図示)は、各種の動作モードのうちカメラモードが選択されたか否かの確認を行う。ここで、カメラモードとは、撮像装置10との間で通信を行い、当該撮像装置10と連携して各種の動作を実行処理する動作モードである。なお、以下の説明においては、簡略化のために撮像装置10を単にカメラと呼称する場合がある。
【0197】
上記ステップS52において、カメラモードが選択されたことが確認されると、次のステップS53の処理に進む。また、同ステップS52において、カメラモード以外が選択されたことが確認されると、
図13の処理シーケンス(ステップS71の処理)に進む(
図12,
図13の符号13A参照)。
【0198】
ステップS53において、端末装置40の制御部(不図示)は、通信相手としての特定の撮像装置10が既に指定されている否かの確認を行う。この処理は、
図11のステップS22の処理に対応する。ここで、撮像装置10が既に指定済みであることが確認されると、次のステップS55の処理に進む。また、撮像装置10が指定されていない場合には、ステップS54の処理に進む。
【0199】
ステップS54において、端末装置40の制御部(不図示)は、使用者による所定の操作を受けて通信相手とする特定の撮像装置10を指定するための操作を行う。この指定操作は、例えば当該端末装置40と撮像装置10との間に通信を確立するための通信接続設定(例えば接続IDやパスワード等)の入力操作である。使用者による通信接続設定のための情報入力操作が完了すると、端末装置40の制御部(不図示)は、これらの情報を電子データとして記録部44内の所定の領域等に記録する。その後、ステップS53の処理に戻る。
【0200】
次いで、ステップS55において、端末装置40の制御部(不図示)は、指定済みの特定の撮像装置10に対し通信手段71を介して所定の通信処理を開始する。
【0201】
続いて、ステップS56において、端末装置40の制御部(不図示)は、指定された特定の撮像装置10との間の通信が確立したか否かの確認を行う。ここで、両者間の通信が確立(通信OK)されると、次のステップS58の処理に進む。また、両者間の通信が確立(通信NG)されなかった場合には、ステップS57の処理に進む。
【0202】
端末装置40と撮像装置10との間の通信が確立できずに、ステップS57の処理に進むと、このステップS57において、端末装置40の制御部(不図示)は、上記位置情報時計情報部47を参照して、所定の時間が経過した後に、表示部42において所定の警告表示を行う。その後、ステップS32の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0203】
一方、上述のステップS56の処理にて、端末装置40と指定された特定の撮像装置10との間の通信が確立したことが確認されて、ステップS58の処理に進むと、このステップS58において、端末装置40の制御部(不図示)は、撮像事前処理を行うか否かの確認を行う。ここで、撮像事前処理とは、黒板仕様データの作成処理等である。この撮像事前処理を行う場合には、使用者は、端末装置40の操作部43から撮像事前処理を開始する旨の入力操作を行う。そうして、撮像事前処理の実行が確認されると、次のステップS59の処理に進む。また、撮像事前処理を行わない場合には、
図14の処理シーケンス(ステップS81の処理)に進む(
図12,
図14の符号14A参照)。
【0204】
ステップS59において、端末装置40の制御部(不図示)は、撮像事前処理を実行する。ここで、まず、端末装置40の制御部(不図示)は、端末側第2通信部46を制御してネットワーク70経由で外部サーバ60へとアクセスし、当該外部サーバ60から所定の記録対象工事等に対応する工事設計図面データ61等を取得(ダウンロード)する。
【0205】
続いて、ステップS60において、端末装置40の制御部(不図示)は、記録対象物が指定されたか否かの確認を行う。ここで、使用者は、上述のステップS59の処理にて取得した工事設計図面データ61等を参照し、その中から所望の記録対象物を選択し指定する操作を行うことになる。そして、記録対象物の指定がなされたことが確認されると、次のステップS61の処理に進む。また、記録対象物の指定がなされない場合は指定入力を待機する。
【0206】
次いで、ステップS61において、端末装置40の制御部(不図示)は、上述のステップS60の処理にて指定された記録対象物に関する黒板仕様データの作成等を行なう。ここで作成される黒板仕様データは、上記工事設計図面データ61から所定の情報を取り込んで自動的に作成されるようにしてもよいし、使用者が、任意に必要とする情報を入力するようにしてもよい。
【0207】
上記黒板仕様データには、黒板画像のテンプレート画像データや、黒板画像の簡略版のための枠画像データ等に加え、対象とする記録対象工事等に共通の情報(工事名,所在地等の情報)と、記録対象物に固有の情報(対象物名,配置位置,サイズ等の情報)等である。
【0208】
また、黒板仕様データには、簡略化した黒板画像のための特定番号が含まれる。この記録対象物の特定番号は、例えば記録対象物毎に作成する黒板仕様データの作成順にナンバリングされる(番号が順次割り振られる)ようにしてもよいし、使用者が任意に入力するようにしてもよい。
【0209】
続いて、ステップS62において、端末装置40の制御部(不図示)は、撮像事前処理を終了するか否かの確認を行う。ここで、撮像事前処理の終了指示信号が確認されると、次のステップS63の処理に進む。また、撮像事前処理の終了指示信号が確認されない場合は、ステップS60の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。つまり、使用者は、撮像事前処理の終了指示信号を発生させる操作を行うまでは、個々の記録対象物の指定操作と、その指定された記録対象物に関する黒板仕様データの作成作業を続けることができる。
【0210】
撮像事前処理の終了指示信号が確認されて、次のステップS63の処理に進むと、このステップS63において、端末装置40の制御部(不図示)は、作成済みの複数の黒板仕様データを撮像装置10へ転送するか否かの確認を行う。ここで、使用者による操作を受けて、撮像装置10への転送処理指示信号が確認されると、次のステップS64の処理に進む。また、撮像装置10への転送処理指示信号が確認されない場合は、上述のステップS52の処理に戻る。
【0211】
続いて、ステップS64において、端末装置40の制御部(不図示)は、各種の設定条件(禁止事項等も含む)等の情報を撮像装置10へと送信する。その後、ステップS52の処理に戻る。
【0212】
一方、上述のステップS52の処理において、カメラモード以外が選択されたことが確認されて、
図13のステップS71の処理に進むと(
図12,
図13の符号13A)、このステップS71において、端末装置40の制御部(不図示)は、上述のステップS52の処理(
図12)にて選択された動作モードがドキュメント作成モードであるか否かの確認を行う。ここで、ドキュメント作成モードが選択されていることが確認されると、次のステップS72の処理に進む。また、ドキュメント作成モード以外が選択されている場合は、ステップS74の処理に進む。
【0213】
ステップS72において、端末装置40の制御部(不図示)は、使用者による操作を受けて、選択された複数の合成画像データ(現場にて取得された画像データと、この画像データに関連付けされた黒板仕様データとを合成して得られる画像データ;
図7参照)を表示部42に一覧表示させると共に、これら一連の合成画像データを一括して外部サーバ60へと送信する処理を行う。
【0214】
続いて、ステップS73において、端末装置40の制御部(不図示)は、ドキュメント作成処理を実行する。このドキュメント作成処理は、例えば、選択された一連の合成画像データと、これらに関連付けされた黒板仕様データ及び対応する各種情報(工事設計図面データ等から抽出される所定の情報)とによって、予め規定された形態(フォーマット)の記録報告書(ドキュメント)を作成する処理である。この記録報告書作成処理は、所定の記録対象工事等において関連する複数の合成画像データ及び各種関連情報に基づいて一括して処理される。その後、一連の処理を終了し、上述の
図12のステップS51の処理に戻る(
図13,
図12の符号13B参照)。
【0215】
また、上述のステップS71の処理にて、ドキュメント作成モード以外が確認された場合には、ステップS74に進み、このステップS74において、端末装置40の制御部(不図示)は、例えば工事設計図面データ取得モード等のその他の動作モードを実行する。なお、これらその他の動作モードについては、本発明と直接関連しない部分であるので、その説明は省略する。その後、一連の処理を終了し、上述の
図12のステップS51の処理に戻る(
図13,
図12の符号13B参照)。
【0216】
他方、上述のステップS58の処理において、撮像事前処理を行わない場合に、
図14のステップS81の処理に進むと(
図12,
図14の符号14A参照)、このステップS81において、端末装置40の制御部(不図示)は、画像取得合成処理を実行するか否かの確認を行う。
【0217】
この画像取得合成処理は、撮像装置10から取得済みの複数の画像データと、これら複数の画像データに関連付けされた複数の黒板仕様データとを取り込む処理と、これにより取り込まれた複数の画像データ及び黒板仕様データとに基づいて、所定の画像合成処理を行って黒板画像付きの合成画像データを作成する一連の処理である。
【0218】
ここで、画像取得合成処理を実行する指示が確認されると、次のステップS82の処理に進む。また、画像取得合成処理を実行する指示が確認されない場合は、上述の
図12のステップS51の処理に戻る(
図14,
図12の符号14B参照)。
【0219】
ステップS82において、端末装置40の制御部(不図示)は、端末側第1通信部41を介して撮像装置10へアクセスして、当該撮像装置10の記録部20に記録済みの複数の画像データと、これら複数の画像データに関連づけされた黒板仕様データ等を一括して取り込む処理を実行する。ここで取り込まれた画像データ等は、端末装置40における記録部44の所定の記憶領域に記録される。
【0220】
この取り込み処理の完了後、さらに、端末装置40の制御部(不図示)は、記録部44及び表示部42を制御して、取り込んだ複数の画像データのサムネイル一覧表示を実行する。
【0221】
続いて、ステップS83において、端末装置40の制御部(不図示)は、使用者が所望の画像データを選択したか否かの確認を行う。ここで、画像データの選択指示が確認されると、次のステップS84の処理に進む。また、画像データの選択指示が確認されない場合は選択指示を待機する。
【0222】
ステップS84において、端末装置40の制御部(不図示)は、上述のステップS83の処理にて選択指示された画像データを記録部44から読み出し、表示部42に再生表示すると共に、当該画像データに関連付けられた黒板仕様データを参照し、表示中の画像データに対して、所定の黒板画像を指定位置及び指定サイズで重畳表示する。これと同時に、画像処理部45において当該画像データと、対応する黒板画像との合成処理を実行し、黒板画像付き合成画像データを作成する。
【0223】
次いで、ステップS84Aにおいて、作成された合成画像データに対して、画像処理部45内の照合情報作成部(不図示)により、照合情報を作成し、合成画像データと関連付けて記録部44に記録する。
【0224】
続いて、ステップS85において、端末装置40の制御部(不図示)は、画像取得合成処理を終了するか否かの確認を行う。ここで、画像取得合成処理の終了指示信号が確認されない場合は、上述のステップS83の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。つまり、使用者は、画像取得合成処理の終了指示信号を発生させる操作を行うまでは、合成処理するための画像データの選択操作を行って、所望の黒板画像付き合成画像データの作成作業を続けることができる。また、画像取得合成処理の終了指示信号が確認されると、一連の処理を終了し、上述の
図12のステップS51の処理に戻る(
図14,
図12の符号14B参照)。
【0225】
以上説明したように上記一実施形態によれば、端末装置40においては、複数の撮像対象物に関する複数の付随情報を含む記録対象工事(記録対象イベント)に関する情報データ群に基いて個々の撮像対象物のそれぞれに対応する複数の付随情報画像(複数の黒板仕様データ)を、端末装置によって予め作成し、これら複数の付随情報画像(複数の黒板仕様データ)を撮像装置10へと転送することによって、撮像装置10においては、上記撮像対象物の画像データを生成する際に、その上記画像データに基く画像を表示部17に表示すると共に、上記複数の付随情報画像のうち上記表示部17に表示中の画像に対応する特定の付随情報画像を表示画面内の予め指定された位置に予め指定されたサイズによって重畳表示させる。
【0226】
そして、この状態において、撮像装置10によって撮像動作を実行して画像データが取得されると、この取得された画像データに対応する上記付随情報画像を表す黒板画像のデータが関連付けられて記録される。
【0227】
こうして記録された画像データと、関連付けされた黒板画像データを端末装置40側に転送して、当該端末装置40側で当該画像データを表示させると、端末装置40は、表示中の画像データと、対応する付随情報画像(黒板画像)の画像データとを合成して、合成画像データを生成し、記録する。
【0228】
なお、撮像装置10において、取得した画像データと、これに対応する付随情報画像データ(黒板画像データ)とを関連付けて記録すると同時に、表示中の画像データと、対応する付随情報画像(黒板画像)の画像データとを合成して合成画像データを生成するようにもできる。
【0229】
この場合において、撮像装置10において設定されている記録画像サイズに対して、関連付けされ合成されるべき黒板画像の設定サイズが不適切(例えば小さ過ぎる等)である場合には、その旨の警告表示を行うようにしている。これにより、使用者は、黒板画像の再設定操作を行うので、不適切な黒板画像を関連付けしてしまうようなことがなく、よって、失敗を抑止して、所望の合成画像データを確実に取得することができる。
【0230】
なお、上述の各実施形態で説明した各処理シーケンスは、その性質に反しない限り、手順の変更を許容し得る。したがって、上述の処理シーケンスに対して、例えば各処理ステップの実行順序を変更したり、複数の処理ステップを同時に実行させたり、一連の処理シーケンスを実行する毎に、各処理ステップの順序が異なるようにしてもよい。即ち、特許請求の範囲,明細書及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。また、これらの動作フローを構成する各ステップにおいては、発明の本質に影響しない部分について適宜省略することも可能であることは言うまでもない。
【0231】
また、ここで説明した技術のうち、主にフローチャートで説明した制御や機能は、多くがソフトウエアプログラムにより設定可能であることが多くあり、そのソフトウエアプログラムをコンピュータが読み取り実行することで上述した制御や機能を実現することができる。そのソフトウエアプログラムは、コンピュータプログラム製品として、予め製品製造過程において上記記憶媒体や記憶部等、具体的には例えばフレキシブルディスク CD−ROM等 不揮発性メモリ等の可搬媒体やハードディスク 揮発性メモリ等の記憶媒体に、その全体あるいは一部を記憶又は記録されている電子データである。また、これとは別に、製品出荷時又は可搬媒体或いは通信回線を介して流通又は提供が可能なものである。利用者は、製品出荷後であっても、自ら通信ネットワークやインターネット等を介して、それらのソフトウエアプログラムをダウンロードしてコンピュータにインストールしたり、あるいは記憶媒体からコンピュータにインストールすることで、動作可能にすることができ、これによって容易に本実施形態の撮像装置を実現することができる。また、撮像部と表示部は別体でも良い。この場合は撮像用の表示装置の発明となる。
【0232】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施し得ることが可能であることは勿論である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。この発明は、添付のクレームによって限定される以外にはそれの特定の実施態様によって制約されない。