【解決手段】層内の3次元内に収集された電磁(EM)エネルギーは、複数の平面が、最適化されたバンドギャップ構造を用いて動作可能に機能することを可能にし、それによって、統合された変形および重複する3次元電磁フィルムは、システムが、電磁スペクトル全体を横断してエネルギーを収集することを可能にし、本システムは、活用されるべき直接光および間接光の両方を利用する。EM−CSは、世界のエネルギー需要に対処する従来のシステムよりも多くのエネルギーをEMRから捕捉および含有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、電磁放射(EMR)からエネルギーを捕捉し、そのエネルギーを電気として提供し得るセルを提供する。セルは、従来のシステムよりも広いスペクトルのEMR、すなわち、紫外線から赤外線を超えて延在するEV範囲からエネルギーを捕捉する。セルは、EMRが3つの独立した次元を横断してエネルギーを付与するという識見を利用して、3次元の空間を横断してEMRと相互作用する材料の組成物を含み、第1の次元は、磁場Bの変化の方向、第2の次元は、電場Eの変化、第3の次元は、EMRの伝搬の方向によって画定される。内向きのリフレクタを使用することによって、セルは、EMRを内部に捕捉する。3D媒体を使用することによって、セルは、EMRとのその潜在的な相互作用およびEMRからエネルギーを捕捉するための潜在性を最大限にする。セルは、複数のバンドギャップを特徴とする材料の組成物を含む。広い電磁スペクトルを横断してからの内部EMRは、それらの材料の電子を価電子帯から伝導帯に活性化し、これは、含まれる電極を使用して電流として採取されることができる。
【0007】
吸収面およびプリズム集束を伴う湾曲した上面幾何学形状を含むことによって、セルは、毎日の長い持続時間にわたってであってもEMRエネルギーを捕捉し、実際には、厳密には日光ではないとき、セルは、全ての形態の光、間接、反射、拡散、屈曲、およびプリズムを捕捉する。説明される特徴および現象によって、本発明のセルは、エネルギーが捕捉されるEMRスペクトル、ならびにそのエネルギーの捕捉効率、および1日あたり捕捉持続時間を最大限にする。少なくともそれらの理由から、本発明のセルは、非常に高い効率を呈し、実際には、少なくとも約2.9kWh/m
3またはそれを上回る電力を提供し得る。
【0008】
本発明のセルによって提供される高い効率および電力生産に起因して、エネルギーに対する人々の需要は、化学量論的量の二酸化炭素を生産することなく、かつ炭化水素燃料の不均一な分布の周辺の地政学的緊張を悪化させることなく、満たされ得る。したがって、本発明のシステムおよび方法は、人々の悩みを積もらせることなく、世界のエネルギー需要を満たすためのツールを提供する。本発明のシステムおよび方法を使用して、人々は、夜間に読書し、旅行し、自身のビジネスを運営し、楽しく持続可能な様式で自身の生活を継続し得る。
【0009】
PVソーラー発電の問題に対処するためのモジュール式技術は、利用可能なエネルギーの電磁スペクトル全体の活用を妨げている、二次元(ユークリッド)アプローチによって現在まで制約を受けていると思量される。要するに、xおよびy軸を使用してPVソーラーエネルギー収集の限界ならびに境界を定義することは、本質的に制限的である。
【0010】
故に、本発明の目的は、多くのKw/時および1平方メートルあたりの最大エネルギー採取を促進する、高密度充填(リボン技術)を活用する方法論、システム、およびプロセスを提供することである。
【0011】
簡潔に記載すると、層内の3次元に収集された電磁(EM)エネルギーは、複数の平面が、最適化されたバンドギャップ構造を用いて動作可能に機能することを可能にし、それによって、統合された変形および重複する3次元電磁フィルムは、システムが、電磁スペクトル全体を横断してエネルギーを収集することを可能にし、本システムは、活用されるべき直接光および間接光の両方を利用する。
【0012】
本発明の側面は、上面層および下面層を伴う材料の本体を含む、電磁エネルギー捕捉セルを提供する。上面層は、材料への電磁放射(EMR)を受信し、上面層および下面層は、内部(EMR)を材料に戻すように反射し、材料は、内部EMRが3次元内の材料と相互作用するように、実質的に、上面と下面との間の空間の3次元に及ぶ。材料の組成物は、可視スペクトルの外側の内部EMRの波長が、電子を価電子帯から伝導帯に励起するように、複数のバンドギャップを画定する。
【0013】
セルは、材料と接触する少なくとも1つの電極を含む。好ましい実施形態では、下面層は、材料内に焦点を有する放物曲線を画定する。上面層は、例えば、セルが雲のない日に屋外に位置するとき、直射日光が日の出から日の入まで曲面の法線を画定するように、湾曲してもよい。材料は、複数の半導体から成る複数のフィルムを含んでもよい。好ましくは、フィルムは、非平面幾何学形状を画定する。フィルムは、フィルムが層剥離に抵抗するように、アルゴンガスを使用するプロセスによって形成されてもよい。当業者は、厚い/薄いという用語に関わる意味論は、技術的な区別とは対照的に、歴史的なアーチファクトであることを理解する。
【0014】
セルはさらに、材料と接触し、セルの外側からアクセス可能な第1の電気接点および第2の電気接点を画定する、第1の電極および第2の電極を含んでもよい。赤外波長を含むEMRへの上面の暴露は、第1の電気接点および第2の電気接点を横断して電圧を生産する。
【0015】
実施形態によると、セルは、広いスペクトルのEMRを電気に変換し、EMRは、紫外線から赤外線を超えた形態を含む。セルは、電力を生産するために、UV、可視、および不可視EMRを使用するように動作可能であってもよい。本発明のセルは、200〜5000EVのスペクトルを網羅する。EMRへの上面の暴露は、少なくとも2kW/m
3を生産することが見出され得る。
【0016】
ある実施形態では、セルは、間接EM放射エネルギーを吸収するために、角度付けられた銀めっき頂点のプリズムを含む。セルは、透明かつ安定しており、200ev〜5000evを吸収することが可能であり得る、複数のEMアルゴンフィルムを含んでもよい。好ましくは、角度付けられた銀めっき頂点のプリズムは、間接EM放射エネルギーを吸収する。セルは、屈折されたEMRの10%を下回る合計EMRスペクトルを吸収してもよい。プリズム集束が、表面積を2倍に増加させてもよい。
【0017】
セルは、1つまたはそれを上回る内部鏡面放物線リフレクタを備える、アセンブリを含んでもよい。セルは、(例えば、材料を通してEMRの光子の内部反射および複数の通過を助長するために)二重放物線反射基部を含んでもよい。セルはまた、中への放射を可能にするが、その退出を阻害する半透過性膜として作用することによって、EMRを分散し、吸収を増加させる、内部ライニングを含んでもよい。いくつかの実施形態では、内部EMRの任意の所与の光子が、少なくとも7回電子と相互作用する。ある実施形態では、内部EMRの光子が、平均して、30回を上回って電子と相互作用する。セルは、EMRの光子が、平均して、少なくとも7回材料を通過し、EMRの光子の少なくとも一部が、少なくとも37回材料を通過するように、材料を通して戻るようにEMRを押勢する、放物線鏡面を底面に備えてもよい。
【0018】
前述の特徴、化学作用、および構造によって、本発明のセルは、UVからIRを超えたフルスペクトルのEMRからエネルギーを採取する。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
改良された高効率電磁エネルギー捕捉システム(EM−CS)であって、前記システムは、組み合わせて、
上面層および下面層を備える材料の少なくとも1つの本体を備え、それによって、前記上面層は、前記材料への電磁放射(EMR)を受信し、
前記上面層および下面層は、内部EMRを前記材料に戻すように反射し、
前記材料は、実質的に、前記上面層と前記下面層との間の空間の3次元に及び、それによって、前記内部EMRは、前記3次元内の材料と相互作用し、
前記材料は、複数のバンドギャップによって画定される高密度充填リボン技術を用いて、その中に進行するEMRを捕捉し、それによって、前記内部EMRは、電子を価電子帯から伝導帯に励起し、
少なくとも1つの電極が、前記材料と接触し、電気エネルギーを提供し、それによって、EV範囲から吸収されたエネルギーの50を上回る効率が、達成される、システム。
(項目2)
前記下面は、前記材料内に焦点を有する放物曲線を画定し、前記材料は、複数の半導体を含む複数のフィルムを備える、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記フィルムは、アルゴンガスを使用するプロセスによって形成される製品であり、前記フィルムは、層剥離に抵抗する、項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記材料と接触し、セルの外側からアクセス可能な第1の電気接点および第2の電気接点を画定する、第1の電極および第2の電極をさらに備える、項目1に記載のシステム。(項目5)
前記上面は、曲面であり、前記曲面は、前記セルが雲のない日に屋外に位置するとき、直射日光が日の出から日の入まで前記曲面の法線を画定するように成形される、項目1に記載のシステム。
(項目6)
赤外EMRへの前記上面の暴露は、前記第1の電気接点および前記第2の電気接点を横断して電圧を生産する、項目5に記載のシステム。
(項目7)
前記セルは、少なくとも約200〜5000EVのスペクトルを横断して前記EMRからエネルギーを捕捉する、項目1に記載のシステム。
(項目8)
前記EMRへの前記上面の暴露は、少なくとも2kW/m
3を生産する、項目1に記載のシステム。
(項目9)
電力を生産するために、強化リン酸塩、MgF、およびサファイアガラスを含む、UV、可視、および不可視EMRを使用するように動作可能であり、間接EM放射エネルギーを吸収するために、角度付けられた銀めっき頂点のプリズムをさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目10)
少なくとも約3つのEMアルゴンフィルムを備える、項目1に記載のシステム。
(項目11)
前記EMアルゴンフィルムは、透明かつ安定しており、少なくとも約200ev〜5000evを吸収することが可能である、項目10に記載のシステム。
(項目12)
屈折された前記EMRの6〜8%を下回る合計EMRスペクトルを吸収するように動作可能である、項目1に記載のシステム。
(項目13)
二重放物線反射基部をさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目14)
中への放射を可能にするが、その退出を阻害する半透過性膜として作用することによって、前記EMRを分散し、吸収を増加させる、内部ライニングをさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目15)
プリズム集束が、表面積を2倍に増加させる、項目1に記載のシステム。
(項目16)
EMRの光子が、平均して、少なくとも約7回前記材料を通過し、前記EMRの光子の少なくとも一部は、およそ37回前記材料を通過するように、前記材料を通して戻るようにEMRを押勢する、放物線鏡面を底面に備える、項目1に記載のシステム。
(項目17)
電力を生成するためのプロセスであって、
複数のバンドギャップによって画定される、材料内に構成される高密度充填材料リボンを有する3次元空間を画定する、上面および下面を伴う材料の本体と、電気エネルギーを生産するためにそれと接触する少なくとも1つの電極とを供給するステップと、
EM放射を受信するステップと、
花弁状幾何学構成を有する電磁捕捉システム(EM−CS)内で、前記EM放射内のエネルギーの55%を上回るものを電気エネルギーに変換するステップと、
を含む、プロセス。
(項目18)
前記EM−CSはさらに、前記システムの効率が最大限にされるように、日光を指向および捕捉する二重放物線反射基部を備え、それによって、プリズムコンセントレータが追加されると、これは、2倍のエネルギー面積と同等である暴露を与える複数の変形を追加する、項目17に記載のプロセス。
(項目19)
前記EM−CSはさらに、最高点および区域に応じて、より多くの吸収される合計kW/日を与える、少なくとも約500パーセントのさらなるEM放射までを捕捉する能力を有するシステムを備える、項目18に記載のプロセス。
(項目20)
前記EM−CSはさらに、捕捉側面を有する標準EMパネルおよびアセンブリを備え、それによって、内部ライニングは、中への放射を可能にするが、その退出を阻害する半透過性膜として作用し、EM放射を分散し、吸収を増加させる、項目19に記載のプロセス。
(項目21)
従来の光起電性パネルまたはフィルム単独よりも、最大66%の合計放射の増加に効果的なEM−CSをさらに備える、項目19に記載のプロセス。
(項目22)
直接、間接、反射、プリズム、および拡散されたエネルギーを吸収する能力を有する一方、ルーチン保守のみで経時的に動作的に機能するシステムをさらに備える、項目21に記載のプロセスまたは本明細書のいずれかの他の項目による製品。
【発明を実施するための形態】
【0020】
上面および下面を伴う材料の本体を含む、電磁エネルギー捕捉セルが、本明細書に示される。材料は、挙げられている性質を呈する、化学作用および内部形状を伴うガラスまたは他のそのような材料を含んでもよい。少なくとも下面は、説明されるような放物線集束を提供することができる。セルは、好ましくは、材料への電磁放射(EMR)を受信する上面を有し、上面および下面は、内部(EMR)を材料に戻すように反射し、材料は、内部EMRが3次元内の材料と相互作用するように、実質的に、上面と下面との間の空間の3次元に及ぶ。例えば、発明的プロセスによる(例えば、アルゴンパージプロセスを介して作製された)フィルムの形態における材料の組成物は、可視スペクトルの外側の内部EMRの波長が、電子を価電子帯から伝導帯に励起するように、複数のバンドギャップを画定する。セルは、重複形成を伴う内部構造または幾何学形状、すなわち、本明細書のデータによって示されるように、従来のPVアレイよりも多くの電力を生成するリボン技術または配置エネルギー密度を有する。
【0021】
本発明は、そのような放射されたエネルギーのスペクトル全体を活用し、電力を生成する、電磁捕捉システムを構成した。
【0022】
今日の標準PVが、より狭い範囲の800〜1100EVを網羅する一方、描写される電磁捕捉システム(EM−CS)は、200−5000EVのより広いスペクトルを網羅する。EM−CSは、今日の標準薄フィルムとは対照的に、より動的なアルゴンフィルムを利用する。
【0023】
EM捕捉システム(EM−CS)は、熱捕捉の領域において、紫外線の形態から赤外線(C)を超えた形態の光を含む、広いスペクトルの電磁放射を捕捉および変換する、新しい技術である。
【0024】
そのようなより広い日中範囲の電磁放射を捕捉する本技術の能力は、「ソーラー」と同一のものではない。増加したシステム効率と結合されたこの増加した範囲は、より長い時間周期にわたってより大きいパネル容量をもたらし、これは、ワットあたりのより低いコストおよびより大きい合計出力をもたらす。
【0025】
増加したパネル容量は、有意に少ない表面積を要求し、空間が限定される、および/または高価であっても、パネルが設置されることを可能にする。
【0026】
(本願に対して同時に使用される)「含有する」または「捕捉する」技術は、有意に少ない専有面積、設置労力、および付帯設備を要求する、より小さい建設面積ならびに低減されたパネル数に起因して、現在の住宅/商業/公共施設グレードの設置にわたって、有意なコスト節約をもたらす。
【0027】
バッテリーストレージと組み合わせられたEM−CSは、最初の正当な「ベースロード」再生可能エネルギー解決策として機能することができる。
【0028】
グリッド接続システムおよびオフグリッドシステムの両方に対して適しているため、本システムは、全EMスペクトルエネルギーの区切り使用を提供する。
【0029】
実施形態によると、本発明の「パネル」は、市販の全ての他のパネルと異なり、最大2.9kW/m
3のより広い範囲の放射を含有/捕捉および変換するように設計される。故に、本発明によると、パネルは、UV、可視、および不可視光スペクトルを使用する。
【0030】
実施形態によると、複数のEM「アルゴンフィルム」(透明かつ安定しており、200ev〜5000evを吸収することが可能である)が、開示される。同様に、専用のガラス調合物が、合計EM放射スペクトル(任意のタイプの最小値から6〜8%の屈折光)を吸収するように設計され、角度付けられた銀めっき頂点のプリズムの追加がさらに、間接EM放射エネルギーを吸収する能力を増加させる。
【0031】
実施形態によると、二重放物線反射基部が、本システムの効率が最大限にされるように、日光に指向し、それを捕捉する。
【0032】
本技術は、最高点および区域に応じて、より多くの吸収される合計kW/日を与える、最大800パーセントのさらなるEM放射を可能にする。
【0033】
実施形態によると、内部ライニングは、中への放射を可能にするが、その退出を阻害する半透過性膜として作用し、EM放射を分散し、吸収を増加させる。
【0034】
新しい技術は、フィルム単独よりも、合計放射を最大66%増加させる。それが、従来技術が開示するような単なる別のソーラーパネルではなく、これがEM「システム」である理由である。
【0035】
直接、間接、反射、プリズム、さらには拡散されるエネルギーを吸収する能力も、同様に特徴となる。
【0036】
内部設計が、電子通過を少なくとも約7〜37回に増加させると思量される。
【0037】
EMパネルがEMスペクトルの一部のみを使用する従来のシステムとは、対照的である(現在のパネルは、0.6kW/m
2の最大20%における可視スペクトルのみを使用する)。
【0038】
本システムは、平均ソーラーパネルの狭い範囲をはるかに超え、UVからIRの大規模に利用可能な範囲をさらに超える、利用可能な電磁放射エネルギーの全てを使用するシステムを設計したことに由来する。本システムは、はるかに大きい放射のスペクトルを吸収するように設計される。
【0039】
既存のソーラーパネルは、800〜1100の波長のみを使用する一方、本教示は、はるかに大きい200〜5000の波長を使用する広スペクトル技術を使用する。
【0040】
現在のパネルは、日光を「跳ね返す」一方、新しいEMパネルは、太陽のエネルギーを「捕捉する」、および/またははるかに大きいその分割量を「含有する」。
【0041】
放射回転設計は、伝統的なモデルよりも最大約70%放射暴露を増加させる。
【0042】
本設計は、日光の角度、地球の回転、直線増加時間と、反射/屈折光を減少させ、捕捉セルに進入する光放射の量を増加させるより大きい吸収との関係(スネルの法則)を使用する。
【0043】
加えて、ガラス組成物は、これが間接光を吸収することを可能にする。
【0044】
付加的かつ有用な背景が、Takamotoによる「Status of multijunction solar cells and future development」(2009年5月18日〜21日のCS MANTECH CONFERENCE)(Tampa,FL,USA)(4ページ);Heringによる米国特許第8,093,492号;Bachによる米国特許第6,335,480号;およびOrtabasiによる米国特許第6,689,949号(そのそれぞれは、あらゆる目的のために、あたかも本明細書に完全に記載されているかのように、参照することによって明示的に組み込まれる)に見出され得る。
【0045】
本明細書に開示される技術は、太陽等の源からエネルギーを生成するためのシステムおよび方法を対象とする。開示される技術の実施形態は、広いスペクトルの電磁エネルギーを捕捉し、そのエネルギーを種々の使用のために電気に効率的に変換することが可能であるように構成される。種々の特徴が、電磁エネルギーの効率的な捕捉が、ソーラー電力生成システムの効率を増加させることを可能にするために含まれることができる。例えば、ガラスの一意の形状および組成物が、本システム内の光の進入および捕捉を改良させるために使用されることができ、放物線状または他の同様のリフレクタが、種々の角度で太陽(または他の電磁エネルギーの源)からそのようなソーラーエネルギー等のエネルギーを捕捉するために使用されることができ、種々の異なるバンドギャップにおける光起電性材料の複数の層が、可視光スペクトル内およびそれを超える広いスペクトルの電磁エネルギーを捕捉するために組み合わせられることができる。
【0046】
本システムの初期プロトタイプは、ガラスまたは他の透明封入体と、異なるバンドギャップ(バンドギャップ材料)を有する1つまたはそれを上回るソーラー変換材料(すなわち、光起電性材料)を使用して生成された、エネルギー変換スタックと、反射光がガラス封入体によって捕捉され、光起電性材料に向かって指向され得るように、そうでなければ封入体に衝突し得ない日光(または太陽からの他の電磁エネルギー)をガラス封入体に再指向させるように構成され得る、リフレクタとを含む。開示される技術のこれらならびに他の特徴および側面が、利用され、種々の組み合わせにおいて組み合わせられ、効率的なエネルギー生成システムを生成することができる。これらの特徴の種々の側面が、実施例を用いて本文書に説明される。種々の実施形態では、光起電性材料を包装するために使用されるガラスは、光起電性材料に到達する、およびそれによって捕捉され得る電磁放射スペクトルの合計量を増加または最大限にするように調合されることができる。
【0047】
ガラスは、その破壊への抵抗性を改良するように強化され、その広い波長透過スペクトルのために望ましい。例えば、種々の実施形態では、強化リン酸塩、MgF、およびサファイアガラスが、およそ400〜2750nmの波長を横断しておよそ80〜90%の透過をもたらす透過スペクトルを提供されることができる。いくつかの実施形態では、ガラスは、およそ200〜5000nmのスペクトルにわたる高パーセンテージの透過を達成することができる。ガラスは、電磁エネルギーの吸収ならびにガラスの屈折率を改変するために、リン化学物質(例えば、20%またはそれを下回るもの、但し、他のドーピングパーセンテージも使用されることができる)を用いてドーピングされることができる。ドーピングは、ドーピングされていないガラスと比較して、太陽からより多いエネルギーがガラス中に受け入れられ、ガラスの表面から反射されるものがより少なくなるように、ガラスの受け入れの効果的な角度を増加させるために行われる。
【0048】
加えて、ガラス包装は、とりわけ、ガラスの外面上の反射防止(AR)コーティングおよびガラスの内面上の酸化コーティングを含めて管理される。反射防止コーティングは、コーティングされていないガラスと比較して、外面からの反射量を低減させるために追加されることができる。内面上の酸化コーティングは、種々の機能を実施するために提供されることができる。例えば、酸化コーティングは、光をその構成スペクトル成分にプリズム的に分割させるために提供されることができる。これは、入射する光が、スペクトル成分に分離され、スペクトル成分が、ガラスの内面から異なる方向に指向されることを可能にする。
【0049】
酸化コーティングはまた、中への放射を可能にするが、その退出を阻害する半透過性膜として作用することもできる。これは、材料を通したその最初の通過の際に吸収および変換されない光子の再使用を促進することができる。説明されるような適切なドーピングおよび他の特性を用いて、ガラスに衝突する直接光の58.86%のバンドギャップ材料への送達およびガラスに衝突する間接光の最大30%のバンドギャップ材料への送達を達成する、実施形態が、実装されることができる。これは、浅い角度でガラスに衝突する光が、反射されるのではなく、捕捉され得、次いで、ガラス包装の中心領域内に位置する光起電性バンドギャップ材料に向かって屈折され得るため、達成されることができる。
【0050】
本教示によると、浅い角度でガラスに衝突する光は、反射されるのではなく、捕捉されることができる。この単純な実施例が、
図2に例証され、浅い角度で入射する光線は、光起電性エネルギー変換材料のスタックによって受け入れられ、それに向かって屈折される。ガラス筐体の形状は、本システムの効率および本システムによって捕捉され得る電磁スペクトルの範囲を増加させるために、重要である。本形状は、図に示されるものに限定されない。種々の形状のガラス封入体が使用され得るが、いくつかの実施形態では、丸形形状が、電磁エネルギーの源(例えば、太陽、ランプ、または他のエネルギー源)により直接的な角度を提示し、光起電性材料に向けた光の屈折を促進するために使用される。
【0051】
一側面では、本発明は、改良された高効率電磁エネルギー捕捉システム(EM−CS)を提供する。EM−CSは、セル101を含む。
【0052】
図1は、本発明のセル101を示す。セル101は、コア部材201と、1つまたはそれを上回る端部部材301とを含む。
【0053】
図2A−2Cは、セル101のコア部材201を示す。
図2Aは、コア部材201の斜視図を与える。
図2Bは、部材201の裁断輪郭図を与える。
図2Cは、コア部材201内の電極網を示す。コア部材101は、組み合わせて、少なくとも上面層および下面層を伴う材料本体を含み、それによって、上面層は、材料への電磁放射(EMR)を受信し、上面層および下面層は、内部EMRを材料に戻すように反射する。表面層は、好ましくは、例えば、MgF2もしくは他の好適な金属ハライドを用いてドーピングされたガラスまたはそのような材料(「専用のガラス」)を含む。本体は、上面層と下面層との間の空間の3次元に及び、それによって、内部EMRは、3次元内の材料と相互作用する。本体は、複数のバンドギャップによって画定された高密度充填リボン技術を用いて、その中に進行するEMRを捕捉し、それによって、内部EMRの波長は、電子を価電子帯から伝導帯に励起する。高密度充填リボン技術は、最も内側のフィルム205と、第2のフィルム206と、第3のフィルム207と、最も外側のフィルム208とを含む。好ましい実施形態では、少なくとも約3〜7つのフィルムが、含まれる。一実施形態では、各フィルムは、GaAs、Ge、Si、およびGalnP2から別個に選択されるものを含む。各フィルムは、表1に列挙される材料を別個に含んでもよい。他の実施形態では、GaS、GIP、GIA、InGa、CdTe、CIGS、CdTe/CdS、CulnSe2、GIN、ZMT、および/またはCdS等の材料が、使用されてもよい。
図2Cは、本体のフィルムと接触する電極を例証する。本明細書で材料本体の「専用のガラス」と呼ばれる上面は、セル101内のEM放射の保持率を最大限にするために、金属ハライド、好ましくは、MgF2を用いてドーピングされるガラスによって提供されてもよい。ドーピングされる上面は、最も外側のフィルム208であってもよい、すなわち、好ましくは、材料本体の上面の層を被覆する。
【0054】
図3は、セル101の端部部材301を示す。端部部材301は、端部部材601に当接し、基部区分501によって支持される、ハードウェア区分401を含む。
図4Aは、ハードウェア区分401の斜視図を与える。
図4Bは、ハードウェア区分401の端面図を与える。
図4Cは、ハードウェア区分401の上面図を与える。
図5Aは、基部区分501の斜視図を与える。
図5Bは、基部区分501の端面図を与える。
図5Cは、基部区分501の上面図を与える。
図6Aは、端部部材601の斜視図を与える。
図6Bは、端部部材601の端面図を与える。
図6Cは、端部部材601の上面図を与える。
【0055】
図7は、セル101等のEM−CS捕捉モジュールの効率を示す。本発明の捕捉モジュールは、一方から他方の両方の端部に延在する、下面および湾曲した上面を有する本体を伴う捕捉セルを含み、湾曲した上面は、日の出から日没まで、太陽が空を横断して進行する際に、太陽の光線にほぼ垂直な表面を提供するように輪郭を付けられてもよい。このような幾何学形状は、従来のフラットまたはボックスタイプのソーラーセルを上回って、最大約66%のソーラー暴露の増加を提供し得る。封入体のサイズは、地球に対して非常に小さいため、太陽は、概して、封入体に対して一定の円弧内を進行しないことに留意されたい。いくつかの実施形態では、ガラス筐体は、ガラス筐体の上面を横断するのと比較して、2つの側面により小さい曲率半径を有するように構成されることができる。言い換えると、筐体は、おおよそ花の形状の構成を有するように構成される。
【0056】
これは、太陽からのエネルギーが地球へと低い傾斜角でガラスに衝突するとき、日の出と日没との間の時間に直接光の捕捉を提供するために有用であり得る。他の実施形態では、ガラス筐体は、太陽が日中に空を横断して移動する際に、太陽の光線に対する法線面を提示するように花弁状形状において構成される。
【0057】
図8A−8Dは、ある実施形態による、厚フィルム/マルチフィルムセル内で使用するための「花弁」部材に関する複合的形状を例証する。
図8Aは、花弁的実施形態の斜視図を与える。
図8Bは、花弁的実施形態の側面図を与える。
図8Cは、花弁的実施形態の上面図を与える。
図8Dは、
図8Cの線AAに沿った断面図である。
図8Aに描写される形態は、
図9によって例証されるアルゴリズムの適用を通して導出され、日中の複数の異なる時間からの広いスペクトルの入射するEMのベクトルを、スパッタリング、セレン化、焼鈍、および積層によって生産された厚フィルム状層に対する配向に変形させてもよい。花弁要素のうちの1つまたは複数は、相互に、もしくは広スペクトルEM−CSセルを伴う本明細書に開示される他の要素と併用されてもよい。一実施形態では、本発明は、
図8に示されるような少なくとも1つ、好ましくは、少なくとも約3〜7つの部材を含むEM捕捉セルを提供し、各部材は、本明細書のいずれかに列挙されるような含まれる半導体材料によって、少なくとも約1つから多くのバンドギャップを画定する厚フィルムを備える。
【0058】
複合的な部分的球状形状が、使用されてもよいが、使用される必要はなく、実際には、種々の実施形態では、封入体は、適用の所与の緯度および経度または地理的領域に対する太陽の天体暦に基づいて、太陽により直接的な角度を提示するように成形されることができる。日光モデルおよび他の技法も、ガラス封入体の形状および輪郭を最適化し、最大量のエネルギーを捕捉するために使用されることができる。
【0059】
図9は、レンズ製造者の方程式およびスネルの法則の組み合わせの結果を示し、EM−CSに3.5の太陽エネルギーを屈折させ、集束させ、(反射させない)ようにし得ることを示し、外側層は、底部パネルに例証されるベクトルによって示されるような光を図式的に指向させる。
【0060】
図9は、本発明のセルによる表面幾何学形状の設計を導くための変換公式の使用を例証する。(X,Y,Z)が、世界座標空間における3D点の座標である場合、(u,v)は、ピクセルにおける投影点の座標である。Aは、固有パラメータの行列と呼ばれ、(cx,cy)は、(通常、画像中心にある)主点であり、fx,fyは、ピクセル関連単位で表される焦点距離である。したがって、ユニット内からの画像が、ある倍率によってスケーリングされる場合、これらのパラメータは全て、同一の倍率によってスケーリング(それぞれ、乗算/除算)されるはずである。固有パラメータの行列は、入射する光に依存せず、いったん推定されると、(焦点距離が固定されている限り)再使用されることができる。結合回転並進行列[R|t]は、付帯的パラメータの行列と呼ばれる。これは、セルに対する光源の運動を説明するために使用される。つまり、[R|t]は、点(X,Y,Z)の座標をセルに対して固定されたある座標系に変換する。セルの表面は、ある程度の歪み、主に半径方向の歪みおよびわずかな接線方向の歪みを有し得る。そのため、上記のモデルは、
図9に示されるように拡大される。
図9では、k_1,k_2,k_3,k_4,k_5,k_6は、半径方向の歪み係数であり、p_1,p_2は、接線方向の歪み係数である。より高次の係数は、考慮されない。示される関数では、係数は、(k_1,k_2,p_1,p_2[,k_3[,k_4,k_5,k_6]])ベクトルとしてパスまたは返される。つまり、ベクトルが4つの要素を含有する場合、これは、k_3=0であることを意味する。歪み係数は、外光に依存せず、したがって、それらもまた、固有セルパラメータに属する。
図9に示される拡大されたモデルは、固有および付帯的パラメータを前提として、3D点を画像平面に投影し;固有パラメータ、いくつかの3D点、およびその投影を前提として、付帯的パラメータを算出し;既知の較正パターンのいくつかのビューから(すなわち、セル表面形態の設計のために)固有および付帯的セル光学パラメータを推定し;厚フィルムの相対的な位置および配向を推定し、EM捕捉を最適化する整流変換を算出するために使用されることができる。
【0061】
捕捉セルはさらに、底面および少なくとも一部の上面、例えば、上面の側面に沿って、内部鏡面もしくは銀めっきまたは他の反射性コーティングを備えてもよい。種々の例示的実施形態では、底面全体、ならびに側面のおよそ3分の2の表面は、反射性コーティングまたは鏡面を備えてもよい。内部鏡面は、光子(イオンまたは電子)反射チャンバをもたらし、捕捉セルに進入する電磁放射は、鏡面から反射し、捕捉セルの内側周囲に跳ね返り、全内部反射、またはほぼ全内部反射、もしくは多数の反射を生成し、本システムに進入した光子を含有する。これは、捕捉光子が捕捉セルの内側に分布した光起電性材料に影響を及ぼすであろう可能性を高める効果を有する。
【0062】
本実施例の鏡面は、封入体の底面および側面の底部部分に限定されるため、これは、外光の浸透、回折、屈折、または反射に影響を及ぼさず、その唯一の効果は、いったんセル中に浸透した光子の「捕捉」である。光子が捕捉されないままであるとき、これは、最終的に熱に変換され、光起電性材料を加熱する。これは、光子から集積された電子の流動を増加させる(時として、粒子範囲を増加させることによるDelta−K効果と呼ばれる)。
【0063】
捕捉セルは、(例えば、ソーダ石灰、ホウケイ酸、またはリン酸塩ガラスの組み合わせの具体的調合を使用して)光学的に活性かつ非反射性の外側を有し、高レベルの光子浸透を可能にしながら、浸透または/地球/太陽光の曲率の角度から生じ得る、回折、屈折、または反射を最小限にし得る。本設計は、大気散乱からのソーラー放射の減衰を可能にし、所与の場所で利用可能なソーラー放射の吸収を増加させる。現在の光起電性システムは、典型的には、薄フィルム光起電性セルを使用し、これは、非常に低い効率を有し、利用可能な光子全体の少量のみを利用し、層剥離に悩まされる。本明細書に説明される技術の種々の実施形態は、光起電性材料のために厚フィルム状技術を利用し、いくつかの実施形態では、これらの厚フィルムは、0.03nmと同程度の薄さまたは5.0ミクロンと同程度の厚さであり得る。
【0064】
さらに、議論されるように、薄フィルムまたは厚フィルムの意味は、本明細書に説明されるように、どのバージョンが実装され得るかを当業者が理解するようなものであり、必要に応じて1つまたはそれを上回る通路内に複数の層または複数のバンドギャップ材料の適用を可能にする。例えば、透明カプトン/モリブデン(またはUPILEX等のDuPont(Wilmington,DE,USA)から利用可能な必要とされる他のポリイミド)がある。半透明かつ多レベルのマルチバンドギャップ材料、好ましくは、厚フィルム状材料(またはフィルム205、206等の複数の厚フィルムバンドギャップ格子(MTFBG))が、光起電性材料として提供されてもよい。種々の実施形態では、材料は、それぞれ、異なるバンドギャップを有する異なる半導体材料から作成された複数のp−n接合を伴う、集積化多接合光起電性セルであり得る。他の実施形態では、マルチバンドギャップ材料は、それぞれ、指定されたバンドギャップを伴う光起電性材料を有する、複数の個々の厚フィルムから作製されることができる。理想的には、スタックは、各p−n接合が異なるバンドギャップエネルギーを有し、本デバイスに衝突する電磁スペクトルの異なる波長に応答して、電流を生産するように作製される。これは、より多くの利用可能な電磁スペクトルを使用することによって、本デバイスの変換効率を増加させる。
【0065】
複数のバンドギャップを伴う複数の材料を提供することは、ユニットが、複数の異なる波長のスペクトルに応答することを可能にする。いくつかの実施形態では、光起電性スタックは、それぞれ、異なるバンドギャップエネルギーを有する、2〜4層のバンドギャップ材料を含む。他の実施形態では、単一層のスタックまたは4層を上回るものを含む、他の数の層のバンドギャップ材料も、提供されることができる。限界リターンは、例えば、利用可能な電磁エネルギーのスペクトル、スタック内の種々の材料の透明性および吸収効率、捕捉光子を含有するために達成され得る内部反射の量等を含む、いくつかの要因に応じて、層の数が増加するにつれて縮小し得る。動作時、光起電性スタックの外側バンドギャップ材料は、そのバンドギャップエネルギーと関連付けられ得る波長において光子を捕捉し、それらを電流に変換する。
【0066】
第1の層によって捕捉されなかったそれらの光子は、それらが捕捉され、吸収され、後続層の表面から反射されるまで後続層を通過する、またはスタックを通過し、ガラス封入体の反射面から反射される。反射された光子の一部は、光起電性スタックに再び到達し、これらのそうでなければ失われた光子が、捕捉され、電流に変換される機会を提供する。多レベルのマルチバンドギャップ厚フィルムは、屈曲可能であり得、(例えば、紫外線および赤外光を含む)白色光に存在する異なる波長の光に対して、および異なる時間に生じる異なる波長の光に対して最適化された、異なるバンドギャップを有する異なる材料を組み込んでもよい。例えば、日の出および日没の間、光のスペクトルは、真昼のものとは異なるため、それらの異なるタイプの光の可能な限り多くのエネルギーを捕捉するために、異なる材料が、異なるバンドギャップに提供されてもよい。一例示的実施形態では、異なる材料は、例えば、GaAs、Ge、Si、およびGalnP2を含み得る。他の実施形態では、GaS、GIP、GIA、InGa、CdTe、CIGS、CdTe/CdS、CulnSe2、GIN、ZMT、および/またはCdS等の材料が、使用されてもよい。いくつかの実施形態では、材料のバンドギャップは、重複するバンドが存在し、スペクトルの最も高密度な領域からのエネルギー変換を達成するように選択される。いくつかの実施形態では、材料の化学組成物は、接合部のバンドギャップを調整するために変動されることができる。
【0067】
表1は、2つまたはそれを上回る層を使用して、それらの関連付けられたバンドギャップおよび推定された変換効率と併用され得る、異なる材料の別の実施例を例証する。当業者は、例示的数字が、重複に起因して、本実施例では低下していることを理解する。
【0069】
種々の例示的実施形態では、フィルムの両側に光子を集積し得る、2、3、4、または5層の一意の厚フィルム300が、提供されてもよく、そのそれぞれは、ある実施形態では、(例えば、
図2Bのフィルム205、206等に示される)約0.03〜5.0ミクロンの厚さに変動し得る。フィルムの長さおよび幅は、封入体の利用可能な寸法および体積に応じて、好適な寸法であり得る。長さおよび幅はまた、フィルムが封入体内に層化される様式に基づいて選定されることもできる。例えば、いくつかの実施形態では、フィルムは、封入体内の平面または平坦(もしくは略平坦)構成において層化されることができる。他の実施形態では、フィルムは、湾曲される、またはカールされる、もしくは被着され、同軸または略同軸方式で封入体内に層化されることができる。例えば、可撓性層は、封入体中に挿入されると、それらが封入体の内側輪郭に従うように、十分な弾性を伴って使用されることができる。故に、フィルムは、封入体の形状をとるように構成されることができる。設計問題が、フィルムの幅を制限すると従来通り見なされる場合、リボン状の長さのフィルムが、封入体の内側で相互に(例えば、螺旋方式で)巻回されることができる。複数層半透明光起電性スタックは、イオン収集のために正電荷と電気的に接続されてもよい。複数層半透明光起電性スタックは、
図1、2、および3に関して上記に説明されるように、内部鏡面によって少なくとも部分的に囲繞されてもよい。この一意のフィルム技術は、双方向光起電性経路(すなわち、上から下および下から上へのエネルギー変換)を可能にする。
【0070】
上記に留意されるように、種々の実施形態では、バンドギャップ材料の複数の層は、厚フィルム技術を使用して、統合デバイスまたは個々のシートのいずれかとして加工されることができる。実施例では、ポリアミド、Mylar、KAPTON、もしくは任意の他のポリイミドフィルム等の薄フィルム基板(DuPont(Wilmington,DE,USA)から利用可能)、または他のフィルムが、基板として使用されることができ、そのような材料は、異なる程度の透明性において利用可能である。基板シートは、堆積デバイス(例えば、化学蒸着またはCVDを使用して)または他の同様のデバイスを通して延設されることができ、本デバイスの層は、基板上に堆積される。化学蒸着に加えて、例えば、押出陽画印刷、VPD、スパッタリング、および同等物等の他の技法も、種々の層を敷設するために使用されることができる。
【0071】
例えば、そのようなプロセスでは、電極層および半導体層は、基板上に堆積され、厚フィルム光起電性材料をもたらすことができる。加工デバイスは、例えば、アルゴン等の不活性ガスを使用して、陽圧を用いて維持され、酸素がチャンバに比較的に少ない、または完全にないように保つことができる。これは、材料への酸化の有害効果を回避することができる。バンドギャップ材料が個々のシート上に加工される場合、単一接合デバイスが、所与の基板上に加工されることができる。
【0072】
一方、ヘテロ接合デバイスが所望される場合、複数のバンドギャップ材料が、単一基板上に堆積されることができる。所望される場合、インジウムスズ酸化物、グラフェン、または他の同様の材料が、透明電極を生成するために使用されることができる。開示される技術の種々の側面は、個別に、または種々の組み合わせで使用され、捕捉セル(光子は、より完全に留保され、より大きい程度のエネルギー吸収および変換をもたらし得る);多層光起電性システム;一意の厚フィルム処理技術;光スペクトルへのより高いアクセス性(したがって、光子のより大きい暴露およびより多い吸収)のためのマルチギャップ材料の利用;(ドット、格子)GPSならびに種々のセンサ、ストレージ使用、およびオゾン生成である、ナノテクノロジと併用するための多次元コアを備える、完全エネルギー変換システムを含み得る。加えて、角度およびあるタイプのガラス調合物から間接光を捕捉する能力は、本システムの合計全体エネルギーワット数を増加させる。複数のレベルの収集フィルム300を伴う捕捉セルの使用は、多層マルチバンドギャップ双方向光起電性フィルムコアを生成するために、上記の技術の全てを組み込んでもよい。捕捉セルは、光子吸収を提供し得る光暴露の量を増加させることによって、およびバンドギャップ材料を通過する光子の数を増加させることによって、厚フィルムと協働することができる。
【0073】
厚フィルムは、薄フィルム技術における問題を回避し、これは、より安定しており、依然として、光子が、複数のバンドギャップ材料を伴う複数の吸収層を通過するための透明性を可能にする。本光起電性システムは、日光または電磁放射もしくは波の別の源が存在する場合、電子の流動(電流)を生成するために使用されることができる。本光起電性システムは、住宅、商業ビル、産業用途、自動車、または任意の他の輸送形態の上もしくはその中で使用されることができる。本システムは、非常に効率的であるため、ポータブルであり得、エネルギーが必要とされる任意の場所で使用されることができる。材料のバンドギャップは、その電子のうちの1つをより低いエネルギー状態、すなわち、バンドからより高いエネルギー状態、すなわち、バンドに移動させるために、十分にその材料の原子を励起するために要求されるエネルギーである。
【0074】
バンドギャップのものよりも大きいエネルギーレベルを伴う光子のみが、電子を励起し、価電子帯から伝導帯に移動させることができ、それらは、流動し、電気を生成することができる。より低いバンドギャップを伴う材料に関して、より広い範囲の光周波数は、それらの材料内の電子を励起し、価電子帯から伝導帯に移動させるために十分に高いエネルギーを有するであろう(これは、価電子帯の材料を判定することに役立つ)。さらに、InGapまたはCIGS等の種々の「調整可能」材料が、存在する。したがって、材料のバンドギャップが小さいほど、その材料に激突する光は、より容易に電気に変換され得る。しかし、バンドギャップが小さすぎると、伝導帯の負に帯電した電子は、後に残った正に帯電した原子と非常に容易に再結合し(すなわち、「正孔」)、したがって、電子の流動(すなわち、電流)を維持することは、困難になる。
【0075】
異なる周波数の光は、異なるレベルのエネルギーを伝搬するため、異なるバンドギャップを伴う材料が、スペクトル内の異なる周波数の光を捕捉し、スペクトルから取得可能なエネルギーの合計量を最適化するために提供されてもよい。より高い周波数の光がより多くのエネルギーを伝搬することを踏まえて、ある波長において効率的であるだけではなく、また、最も多くの合計電子を集積するバンドギャップが、選択される。バンドギャップのいくつかの実施例は、以下である。シリコンのバンドギャップは、1.11〜1.12eVである。セレンのバンドギャップは、1.5〜1.6eVである。GaAs(ガリウム砒素)のバンドギャップは、1.3〜1.4eVである。CuO(酸化第二銅)のバンドギャップは、2.0eVである。GaTeのバンドギャップは、1.4eVである。AlAs(アルミニウム砒素)のバンドギャップは、2.3eVである。光もまた、具体的な一意の波長を有する。
【0076】
例えば、赤色は、622〜780nmである。橙黄色は、622〜597nmである。赤外線Aは、700〜1400nmである。赤外線Bは、1400〜3000nmである。赤外線Cは、3000〜10000nmである。故に、シリコンは、理論的には、その1.11〜1.12eVのバンドギャップと同等の波長を有する光子の100%を変換する一方、また、より短い波長およびより高いエネルギーを有する、より低い割合の光子も変換し得る。しかしながら、1.12eVを上回る波長を有する光の光子は、これらのより長い波長の光子が、シリコンの1.11〜1.12eVのバンドギャップを克服するために必要とされる最小レベルのエネルギーを下回るものを有するため、シリコンにおいていずれの電気も生成しないであろう。
【0077】
実践では、シリコンを使用する従来のソーラーセルは、約12%〜14%に及ぶ実際の変換効率を有している。つまり、従来のシリコンソーラーセルに当たる光子におけるエネルギーの約12%〜約14%のみが、電気に変換される(1964年、すなわち、54年前に生産されたHoffmanと同一範囲)。調整可能PV材料、すなわち、InGS(N)(P)、CIGS、GaAs、AlGeNの使用は、これを変化させる。Seにおいて公式を繰り上げることによって、バンドギャップを操作し、「正孔」に対して調節することができる。したがって、Siの使用が、少なくとも約1,112〜800ev(後者は、より正孔をもたらす)の範囲を提供する場合、850〜600および650〜315を網羅するために、他の別個の層を調整し、(IRc−UVbの)最高勾配のエネルギーを網羅することができる。
【0078】
真の効率は、網羅されるエネルギーの範囲、変換される該範囲の効率、および焦点を当てられるエネルギーの持続時間を考慮する。この役割を果たすものは、角度、内部鏡面(捕捉)、低減された反射/屈折である。プロトタイプは、インジウム、ガリウム、および窒素の組み合わせ(Inl−xGaxN)を使用して試験され、これは、紫外線、赤外線、およびx線スペクトルの一部の限定された部分を含む、日光のスペクトル全体を実質的にともに変換した。これらの材料は、テルル化カドミウム(CdTe)およびセレン化銅インジウムガリウム(CIGS)、CdTe/CdS、CulnSe2(セレン化銅インジウム(CIS))、窒化ガリウムインジウム(GIN)、亜鉛マンガンテルライド(ZMT)、硫化カドミウム(CdS)を用いてドーピングされた。
【0079】
図10は、本発明の方法を図示する。ステップのフローチャートは、電磁スペクトルからのエネルギーの採取を最適化するためのプロセスを示す。
【0080】
図11は、本EM−CSによる、セルの材料を通した複数の通過のための内部EMRの再循環を例証し、同様に、直接、間接、反射、プリズム、および拡散されるエネルギーを源とする格納される光子、ならびにそれらに由来するエネルギーを例証する。
【0081】
さらに、本発明の説明される特徴、構造、または特性は、1つもしくはそれを上回る実施形態において、任意の好適な様式で組み合わせられてもよい。以下の説明では、多数の具体的詳細が、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために提供される。しかしながら、当業者は、本発明が、具体的詳細のうちの1つもしくはそれを上回るものを伴わずに、または他の方法、構成要素、材料等とともに実践され得ることを認識するであろう。他の事例では、周知の構造、材料、または動作は、本発明の側面を不明瞭にすることを回避するために、詳細に示されない、または説明されない。
【0082】
本明細書に含まれる、任意の概略図および/またはフローチャート図は、言葉によるステップの説明とともに、概して、言語または図的論理フローチャート図として記載される。したがって、描写される順序および標識化されるステップは、提示される方法の一実施形態を示す。例証されるシステム、プロセス、または方法の1つもしくはそれを上回るステップ、またはその一部に、機能、論理、または効果において同等である、他のステップおよび方法が、想起され得る。
【0083】
加えて、採用される任意の形式および/または記号は、関連付けられるシステム、プロセス、ならびに方法の論理ステップを説明するために提供され、本方法の範囲を限定するものではないと理解される。種々の矢印のタイプおよび線のタイプが、フローチャート図に採用され得るが、それらは、対応する方法の範囲を限定するものではないと理解される。実際には、いくつかの矢印または他の接続物は、本方法の論理フローのみを示すために使用され得る。例えば、矢印は、描写される方法の列挙されたステップ間の不特定の持続時間の待機または監視周期を示し得る。加えて、ステップが提示される順序は、明示的に記載されない限り、これが別のステップの前後に実施される必要があることを示さない。
【0084】
以下の米国特許証および公開、ならびに外国特許が、あたかも本明細書に完全に記載されているかのように、参照することによって明示的に組み込まれ、そのそれぞれは、精査され、本教示と区別されている。それらは、技術水準を定義するためだけに本明細書に提供されており、情報開示書として同時に提出されている。(米国特許証第8,093,492号、第6,335,480号、および第6,898,949号)
これらの問題に対処するための従来的または歴史的試行はまた、技術水準と科学的知識を乗り越える改良出願の不足とを定義する際に、ある程度の価値を有する。
【0085】
方法、デバイス、組成物、および同等物は、現在最も実践的かつ好ましい実施形態であると見なされるという観点から説明されたが、本開示は、開示された実装に限定される必要がないことを理解されたい。請求項の精神および範囲内に含まれる種々の修正ならびに類似する配列を網羅することが意図され、その範囲は、全てのそのような修正および類似する構成を包含するように、最も広く解釈されるべきである。本開示は、以下の請求項のあらゆる実装を含む。用語「本開示」は、本開示の一特定の実施形態の構成要素、特性、またはステップの説明の文脈では、本開示の全ての実施形態が、その特定の構成要素、特性、またはステップを備えることを含意もしくは意味するわけではないことを理解されたい。
【0086】
また、種々の変更が、本開示の本質から逸脱することなく成され得ることも理解されたい。そのような変更もまた、説明に黙示的に含まれる。それらは、依然として、本開示の範囲内に入る。本開示は、独立的およびシステム全体の両方で、ならびに、方法および装置様式の両方で、本開示の多数の側面を網羅する特許を得ることが意図されることを理解されたい。
【0087】
さらに、本開示および請求項の種々の要素のそれぞれもまた、種々の様式で達成されてもよい。本開示は、各そのような変形例を包含すること、任意の装置実装の実装の変形例であること、方法もしくはプロセス実装であること、またはこれらの任意の要素の単なる変形例でさえあることを理解されたい。
【0088】
特に、本開示が本開示の要素に関連する際には、機能または結果のみ同一である場合であっても、各要素に対する単語は、同等の装置用語または方法用語によって表され得ることを理解されたい。
【0089】
そのような同等の用語、より広義の用語、またはさらに一般的な用語は、各要素もしくは作用の説明に包含されると見なされるべきである。そのような用語は、本開示が権利化される黙示的に広い範囲を明示することが所望される場合、置換されることができる。
【0090】
全ての作用は、その作用を講じるための手段、またはその作用を引き起こす要素として表され得ることを理解されたい。
【0091】
同様に、開示された各物理要素は、その物理要素が促進する作用の開示を包含することを理解されたい。
【0092】
特許のために本願に言及される任意の特許、刊行物、他の参考文献が、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0093】
実体のない代替が成される限り、本出願人が、実際に任意の特定の実装を文字通りに包含するように、任意の請求項を書き起こさなかった限り、および別様に適用可能な限り、出願人は、いかようにも、出願人が単に起こり得る事態の全てを予期することができたかもしれない範囲を放棄することを意図した、または実際に放棄したとは理解されるべきではない。すなわち、当業者は、そのような代替実装を文字通り包含したであろう請求項を書き起こしたと合理的に予測されるべきではない。
【0094】
さらに、移行句「備える」の使用は、従来通りの請求項の解釈に従って、本明細書では「オープンエンド」の請求項を維持するために使用される。したがって、文脈がそうではないと要求しない限り、用語「comprise(備える)」または「comprises」もしくは「comprising」等の変形例は、記載される要素もしくはステップ、または要素もしくはステップの群を含むことを含意するが、任意の他の要素もしくはステップ、または要素もしくはステップの群を除外することを意図しないことを理解されたい。そのような用語は、出願人に法律的に受け入れられる最も広い範囲を提供できるように、それらの最も拡大された形態で解釈されるべきである。