【解決手段】コンテンツ取得部70は、第1コンテンツ取得部として、配信コンテンツを取得する。有害情報解析部71は、コンテンツ取得部70に取得された配信コンテンツを解析して有害情報を抽出する。加工部73は、有害情報解析部71が有害情報を抽出したことに応じて、抽出された有害情報が認識不可能な状態となる様に、配信コンテンツを加工する。配信制御部74は、加工部73に加工された配信コンテンツを、視聴者端末3に配信する制御を実行する。課金管理部75は、有料コンテンツの視聴について課金の可否を確認する旨を視聴者端末3に問合せ、課金に応じる旨の応答が有れば、課金サーバ4に課金処理の実行を要求し、課金に応じない旨の応答が有れば、配信制御部74に配信を停止させる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【0010】
図1に示す情報処理システムは、サービス提供サーバ1と、配信者側システム2と、視聴者端末3と、課金サーバ4と、を含むシステムである。
サービス提供サーバ1と、配信者側システム2と、視聴者端末3と、課金サーバ4との夫々とは、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されている。
なお、
図1の例では、配信者側システム2は1セットしか図示されていないが、実際には多数の配信者側システム2が存在する。同様に、視聴者端末3は1台しか図示されていないが、実際には多数の視聴者端末3が存在する。また、サービス提供サーバ1や課金サーバ4も複数台で構成されてもよい。
【0011】
サービス提供サーバ1は、配信者側システム2から提供される3Dコンテンツを視聴者端末3に対して配信して視聴させるサービスを提供する。
配信者側システム2は、配信者の身体に装着され、配信者自身の目線からの体験映像を、3Dコンテンツとして撮像して、サービス提供サーバ1に配信させる。
視聴者端末3は、視聴者により操作されるスマートフォン等で構成され、3Dコンテンツの再生等各種処理を実行する。
課金サーバ4は、3Dコンテンツのうち有料コンテンツを視聴者端末3が再生する場合において、その課金処理を実行する。
【0012】
図2は、
図1の情報処理システムのうち、サービス提供サーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0013】
サービス提供サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)21と、ROM(Read Only Memory)22と、RAM(Random Access Memory)23と、バス24と、入出力インターフェース25と、出力部26と、入力部27と、記憶部28と、通信部29と、ドライブ30とを備えている。
【0014】
CPU21は、ROM22に記録されているプログラム、又は、記憶部28からRAM23にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
【0015】
RAM23には、CPU21が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0016】
CPU21、ROM22及びRAM23は、バス24を介して相互に接続されている。このバス24にはまた、入出力インターフェース25も接続されている。入出力インターフェース25には、出力部26、入力部27、記憶部28、通信部29及びドライブ30が接続されている。
【0017】
出力部26は、ディスプレイにより構成され、各種画像を表示する。
入力部27は、マウスやキーボード等で構成され、各種情報を入力する。
【0018】
記憶部28は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部29は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(
図1の例では配信者側システム2や視聴者端末3や課金サーバ4)との間で行う通信を制御する。
【0019】
ドライブ30には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア41が適宜装着される。ドライブ30によってリムーバブルメディア41から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部28にインストールされる。また、リムーバブルメディア41は、記憶部28に記憶されている各種データも、記憶部28と同様に記憶することができる。
【0020】
図3は、情報処理システムの機能的構成例を示す機能ブロック図である。
【0021】
図3に示す様に、配信者側システム2においては、左眼撮像部51と右眼撮像部52とからなるステレオカメラ50、マイクロフォン53、ミキシング部60、加工指示部65、及び通信部66が設けられている。
ミキシング部60には、左眼画像取得部61と、右眼画像取得部62と、音声データ取得部63と、コンテンツ生成部64とが設けられている。
【0022】
図3に示す様に、サービス提供サーバ1のCPU21においては、コンテンツ取得部70と、有害情報解析部71と、加工指示取得部72と、加工部73と、配信制御部74と、課金管理部75とが設けられている。
サービス提供サーバ1の記憶部28においては、配信コンテンツDB76が設けられている。
図3に示す様に、視聴者端末3においては、通信部80と、コンテンツ取得部81と、疑似体験提供部82と、表示部85と、音声出力部86と、支払制御部87とが設けられている。疑似体験提供部82には、3D画像出力制御部83と、音声出力制御部84とが設けられている。
【0023】
左眼撮像部51は、配信者が実際に観た光景を3D画像として再生させる為の左眼用画像を撮像する。
右眼撮像部52は、配信者が実際に観た光景を3D画像として再生させる為の右眼用画像を撮像する。
マイクロフォン53は、配信者が実際に聴いた音声を収録する。
【0024】
左眼画像取得部61は、左眼撮像部51により撮像された左眼用画像のデータを取得する。
右眼画像取得部62は、右眼撮像部52により撮像された右眼用画像のデータを取得する。
音声データ取得部63は、マイクロフォン53から取得された音声のデータを取得する。
【0025】
コンテンツ生成部64は、左目用画像と右目用画像の各データと、音声のデータと、をミキシングすることにより、配信用の3Dコンテンツを生成する。
加工指示部65は、配信者が必要に応じて撮像中に、その時点の撮像画像を加工して配信させる指示を行った場合、その指示と当該撮像画像と関連付けた情報を、サービス提供サーバ1に送信する。
【0026】
サービス提供サーバ1において、コンテンツ取得部70は、配信者側システム2から配信された3Dコンテンツを取得する。
有害情報解析部71は、取得された3Dコンテンツを解析して、公序良俗を侵すような有害な映像等の情報が含まれている場合、それを有害情報として抽出する。
【0027】
加工指示取得部72は、配信者側システム2からの、所定時点の撮像画像を加工して配信させる指示を取得する。
加工部73は、有害情報解析部71の解析結果、及び、加工指示取得部72により取得された指示に従って、3Dコンテンツのうち少なくとも一部を加工する。
例えば、加工部73は、有害情報に基づいて、公序良俗を侵すような有害な映像が視聴者に視えないような加工(例えばモザイク処理等)を、3Dコンテンツのうち当該有害な映像に該当する部分に対して施す。
また例えば、配信者は、プライベートな時間帯に入り、当該時間帯の映像を配信したくない場合、配信者側システム2を操作して、当該時間帯の映像が視聴者に視えないように加工して配信させる指示を行うことができる。この場合、加工部73は、当該指示に従って、当該時間帯の映像が視聴者に視えないような加工(例えばモザイク処理等)を、3Dコンテンツのうち当該時間帯の映像に該当する部分に対して施す。
【0028】
配信制御部74は、加工部73により適宜加工が施された3Dコンテンツを、視聴者端末3に配信する制御を実行する。
【0029】
課金管理部75は、視聴者端末3に配信される3Dコンテンツのうち有料コンテンツについて、視聴者端末3の視聴者から課金をするために必要な各種制御を、視聴者端末3や課金サーバ4と通信することで実行する。
例えば3Dコンテンツのうち、最初の10分だけの視聴分は無料として、それ以降の分は有料とする場合、課金管理部75は、最初の視聴から所定時間を経過すると、課金の可否を確認する旨を視聴者端末3に問合せる。例えば、課金管理部75は、「後2分で有料になります」等のメッセージを視聴者端末3に表示させる。
更に、課金管理部75は、課金に応じる旨の応答が視聴者端末3からあれば、課金サーバ4に対して、視聴者端末3についての課金の実行を要求する。
一方、課金管理部75は、課金に応じない旨の応答が有れば、配信制御部74に対して配信を停止させる要求をする。
【0030】
配信コンテンツDB76は、加工部73により適宜加工された配信用の3Dコンテンツを記憶する。
これにより、必要に応じて配信制御部74は、当該3Dコンテンツを配信コンテンツDB76から読み出して配信することにより、3Dコンテンツの録画配信(他人が過去に体験した内容を示す3Dコンテンツの配信)が、実現可能となる。
【0031】
コンテンツ取得部81は、サービス提供サーバ1から配信された3Dコンテンツを取得する。
疑似体験提供部82のうち、3D画像出力制御部83は、3Dコンテンツのうち3D映像部分を表示部85に表示させ、音声出力制御部84は、3Dコンテンツのうち音声部分を音声出力部86から出力させる。
これにより、視聴者は、配信者が体験した内容(周囲の3D映像及び音声)を疑似体験することができる。具体的には例えば、詳細については
図4を用いて参照するが、配信者自身の視界が、スマートフォン(視聴者端末3の一例)と専用のメガネだけで3D映像として再現され、配信者が体験した内容(観た光景及び聴いた音)を、視聴者に気軽に疑似体験させることが出来る。
【0032】
図4は、本発明の情報処理システムの一実施形態の使用形態を示すイメージ図である。
【0033】
表示画面100は、サービス提供サーバ1が視聴者端末3に配信可能な3Dコンテンツ(複数人の配信者が実体験した内容を示す3Dコンテンツ)の一覧画面である。
視聴者は、本画面100で関心の有る3Dコンテンツを探し、視聴者端末3で再生させることが出来る。
【0034】
表示画面101は、視聴者端末3の画面であって、3Dコンテンツが再生されている画面である。
図4の例では、視聴者端末3の表示領域を左右に2分割して、左眼撮像部51及び右眼撮像部52において夫々撮像された映像が表示され(ステレオ映像が表示され)、専用のメガネを装着した視聴者が表示画面101をみることで、配信者が実際に視た内容が3D映像により再現される。
これにより、視聴者は、配信者が観た視界と同様の視界を観ることができ、配信者の体験した内容を、あたかも自身がしたかの如く体験(仮想体験)をすることができる。
【0035】
図5は、
図3の機能的構成を有するサービス提供サーバ1が実行する処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【0036】
ステップS1において、サービス提供サーバ1のコンテンツ取得部70は、配信用の3Dコンテンツを配信者側システム2から取得する。
【0037】
ステップS2において、有害情報解析部71は、ステップS1において取得された3Dコンテンツを解析することで、有害情報を抽出する。
【0038】
ステップS3において、加工部73は、加工指示取得部72による指示やステップS2において抽出された有害情報に基づいて、ステップS1において取得された3Dコンテンツのうち加工部分(指示された部分や有害情報で特定される有害部分)を加工する。
【0039】
ステップS4において、配信制御部74は、3Dコンテンツを、視聴者端末3に配信する制御を実行する。
【0040】
ステップS5において、課金管理部75は、3Dコンテンツの視聴者端末3に対する課金の制御を実行する。
【0041】
以上本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上述の実施形態は、視聴者が視聴するに際しては専用のメガネを装着するものである。
しかしながら、特にこれに限定されず、視聴者端末は、裸眼3Dディスプレイを表示部として備えて良い。
【0042】
また例えば、上述の実施形態では、視聴者端末の表示部を左右に分割して、それぞれに画像を割り当てていたが、特にこれに限定されない。
例えば、左右で90度偏光したメガネや、レンズの夫々が補色を透過するメガネとすることにより、表示部を左右に分割することなく表示部全体に2画像を重ねて表示して良い。
【0043】
また例えば、上述の実施形態では、スマートフォン及びメガネが採用されたが、特にこれに限定されず、ヘッドマウントディスプレイ単体であって良く、立体的に画像を認識させる装着であれば足り、ホログラムや、スクリーン投影であって良い。
【0044】
また例えば、
図3の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理装置に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に
図3の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、
図3に特に限定されず、任意でよい。例えば、サービス提供サーバ1の機能ブロックを視聴者端末3等に移譲させてもよいし、逆に視聴者端末3の機能ブロックをサービス提供サーバ1等に移譲させてもよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0045】
各機能ブロックの処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0046】
このようなプログラムを含む記録媒体は、配信者及び視聴者にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で配信者及び視聴者に提供される記録媒体等で構成される。
【0047】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0048】
換言すると、本発明が適用される情報処理システムは、上述の
図1の例を含め、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理システムは、
配信者が体験した内容を配信コンテンツとして視聴者端末(例えば
図1の視聴者端末3)に送信し、
前記視聴者端末で前記配信コンテンツを再生させることで前記配信者が体験した内容を視聴者に疑似体験させ、
前記配信者が体験した内容を3D画像として再生させる為の1以上の視差の画像を撮像する撮像部(例えば
図3のステレオカメラ50)と、
前記配信者が体験した内容を音声として取得する音声取得部(例えば
図3のマイクロフォン53)と、
を含む配信者側システム(例えば
図1の配信者側システム2)と、
サービス提供サーバ(例えば
図1のサービス提供サーバ1)と、
前記視聴者端末(例えば
図1の視聴者端末3)と、
を含み、
前記配信者側システムは、
前記撮像部により撮像された前記1以上の画像と、前記音声取得部により取得された前記音声とを用いて、前記配信コンテンツを生成するコンテンツ生成部(例えば
図3のコンテンツ生成部64)を備え、
前記サービス提供サーバは、
前記配信コンテンツを取得する第1コンテンツ取得部(例えば
図3のコンテンツ取得部70)と、
取得された前記配信コンテンツを、前記視聴者端末に配信する制御を実行する配信制御部(例えば
図3の配信制御部74)と、
を備え、
前記視聴者端末は、
前記サービス提供サーバから配信された前記配信コンテンツを取得する第2コンテンツ取得部(例えば
図3のコンテンツ取得部81)と、
取得された前記配信コンテンツを再生することで前記配信者が体験した内容を前記視聴者に疑似体験をさせる疑似体験提供部(例えば
図3の疑似体験提供部82)
を備える。
これにより、視聴者端末で配信コンテンツを再生させることで、配信者が体験した内容を視聴者に疑似体験させることができる。その際に、特別な配信機構及び再生機構が不要な、3Dコンテンツを配信できる情報処理システムを提供することができる。
【0049】
また、本発明が適用される情報処理システムは、
前記配信者が必要に応じて、撮像中に当該撮像画像を加工して配信させる指示を当該撮像画像と関連付けて前記サービス提供サーバに送信する加工指示部(例えば
図3の加工指示部65)
をさらに備え、
前記サービス提供サーバは、
前記第1コンテンツ取得部に取得された前記配信コンテンツを解析して有害情報を抽出する有害情報解析部(例えば
図3の有害情報解析部71)と、
前記配信者側システムの前記加工指示部か送信された前記指示を取得する加工指示取得部(例えば
図3の加工指示取得部72)と、
前記指示と前記有害情報との少なくとも一方に基づいて、前記配信コンテンツの少なくとも一部を加工する加工部(例えば
図3の加工部73)と、
を更に備え、
前記配信制御部(例えば
図3の配信制御部74)は、前記加工部に加工された前記配信コンテンツを、前記視聴者端末に配信する制御を実行する。
【0050】
このようにして、プライバシー等のコンプライアンスに関する問題を解決する手法が確立される。即ち、リアルタイムのモザイク処理等を適用することができる。
【0051】
また、前記情報処理システムは、
前記配信コンテンツが有料コンテンツである場合に、当該有料コンテンツの視聴について課金の可否を確認する旨を前記視聴者端末に問合せ、課金に応じる旨の応答を当該視聴者端末から受信すれば課金処理の実行を制御し、課金に応じない旨の応答を受信すれば前記配信制御部に対して配信を停止させる制御を実行する課金管理部(例えば
図3の課金管理部75)
をさらに備え、
前記視聴者端末は、
有料コンテンツの視聴について課金の可否を前記視聴者に応答させ、当該応答を前記サービス提供サーバに送信する支払制御部(例えば
図3の支払制御部87)
を更に備える。
【0052】
この様にすることにより、配信者に報酬を支払うことが可能となり、配信者に魅力的なコンテンツを提供させる動機を与えることができるようになる。
その結果、多数の視聴者が、当該システムを利用するようになり、これに伴って課金がなされ、その一部が配信者の報酬となって、その結果、更にコンテンツを提供させる動機を与えることで、課金及び広告収入等によりサイト運営者、インターネットサービスプロバイダ、撮影機材メーカ、携帯端末メーカ等への利益還流などが起こり、市場が活性化されることが期待される。