特開2018-113881(P2018-113881A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-113881(P2018-113881A)
(43)【公開日】2018年7月26日
(54)【発明の名称】ペット用ケージ
(51)【国際特許分類】
   A01K 1/02 20060101AFI20180629BHJP
【FI】
   A01K1/02 C
   A01K1/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-5693(P2017-5693)
(22)【出願日】2017年1月17日
(71)【出願人】
【識別番号】000107066
【氏名又は名称】株式会社リッチェル
(74)【代理人】
【識別番号】100127845
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 壽彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 輝十樹
(72)【発明者】
【氏名】水野 雅多郎
【テーマコード(参考)】
2B101
【Fターム(参考)】
2B101AA13
2B101AA20
2B101FB01
2B101FB02
2B101FB03
2B101FB04
(57)【要約】
【課題】日常的な開閉に便利であり、かつケージ内の掃除も簡単にできる扉の構造を備えたペット用ケージを提供する。
【解決手段】本発明に係るペット用ケージ1は、金属製の線材からなる正面パネル3、左右の側面パネル5及び背面パネル7によって周面が矩形状に形成され、これらの上端に金属製の線材からなる上面パネル9が設置され、下端には底枠11が形成されてなるペット用ケージ1であって、正面パネル3は、略半分が横方向にスライドして開くスライド扉45を有し、かつ上辺側が回動可能に取り付けられて、下端側を上方に跳ね上げて開放でき、開放した状態で上面パネル9の下方に収納可能になっていることを特徴とするものである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
線材からなる正面パネル、左右の側面パネル及び背面パネルによって周面が矩形状に形成され、これらの上端に線材からなる上面パネルが設置されてなるペット用ケージであって、
前記正面パネルは、扉を有し、かつ上辺側が回動可能に取り付けられて、下端側を上方に跳ね上げて開放でき、開放した状態で前記上面パネルの下方または上方に収納可能になっていることを特徴とするペット用ケージ。
【請求項2】
前記正面パネルの扉は横方向にスライドして開くスライド扉であることを特徴とする請求項1記載のペット用ケージ。
【請求項3】
前記左右の側面パネルの上辺の近傍にスライドガイドが設けられ、かつ前記正面パネルはその上端部にスライド片を有し、該正面パネルの収納時には該スライド片が前記スライドガイドに沿って前記背面パネル側に移動することを特徴とする請求項1又は2に記載のペット用ケージ。
【請求項4】
前記左右の側面パネルは、その前側の縦辺に前記正面パネルの背面側に重なるように延出する延出面部を有し、
前記正面パネルは閉止状態で前記延出面部に当接して、該延出面部に留め具によって留められていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のペット用ケージ。
【請求項5】
平面視でコ字状に形成された底枠を有し、該底枠はその後辺側が床に接触した状態で前側を浮かして斜めにしたときに接地する車輪を背面側に有し、かつ、
鋼製で矩形状に形成され、その下辺が前記底枠のコ字の開口を横切ると共に前記正面パネルの外周縁に配設された矩形補強枠部材を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のペット用ケージ。
【請求項6】
前記上面パネルの前辺部が、前記矩形補強枠部材に係止部材によって係脱可能に連結されていることを特徴とする請求項5記載のペット用ケージ。
【請求項7】
前記底枠に載置されたトレーを有し、前記矩形補強枠部材が前記トレーの飛び出しを防止していることを特徴とする請求項5又は6に記載のペット用ケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬や猫等のペットの飼育に用いられるペット用ケージに関する。
【背景技術】
【0002】
小型犬、猫等のペットを室内で飼育するためのペットサークルやケージは、頻繁に内部(特に底面)を清掃したり、トイレシーツ等の消耗品類を交換したり、餌を補充したりする必要があることから、正面又は天面を大きく開放できるのが好ましい。
このような要請に応えるものとして、例えば特許文献1に開示された「ペット用サークル」がある。
【0003】
この「ペット用サークル」は、正面パネルがいわゆる観音開きで間口略全体にわたって開放可能となされ、さらに、天面パネルは、少なくともその略前半部が開放可能となされ、正面パネル及び天面パネルを開放すると、正面から天面の少なくとも略前半部にかけて、横架材等によって分断されない一体連続的な開口が形成されることを特徴とするものである(特許文献1の請求項1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5305467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたペット用サークルは、確かにサークル内の全体を掃除する際には好適である。
しかしながら、ペット用サークルやペット用ケージにおいて、正面パネルの扉は大掛かりな掃除以外に日常的には、餌や水用の食器の出し入れ、ペットの出入り等のために開閉することが多い。
しかし、特許文献1のように前面パネルが観音開きの構造であると、扉を開放できるようにするため前面パネルの前方に空間を設ける必要があるし、開放した扉が邪魔になる。このため、日常における開閉には不便であるという問題がある。
【0006】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、日常的な開閉に便利であり、かつケージ内の掃除も簡単にできる正面パネルを備えたペット用ケージを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係るペット用ケージは、線材からなる正面パネル、左右の側面パネル及び背面パネルによって周面が矩形状に形成され、これらの上端に線材からなる上面パネルが設置されてなるペット用ケージであって、
前記正面パネルは、扉を有し、かつ上辺側が回動可能に取り付けられて、下端側を上方に跳ね上げて開放でき、開放した状態で前記上面パネルの下方または上方に収納可能になっていることを特徴とするものである。
【0008】
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記正面パネルの扉は横方向にスライドして開くスライド扉であることを特徴とするものである。
【0009】
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記左右の側面パネルの上辺の近傍にスライドガイドが設けられ、かつ前記正面パネルはその上端部にスライド片を有し、該正面パネルの収納時には該スライド片が前記スライドガイドに沿って前記背面パネル側に移動することを特徴とするものである。
【0010】
(4)また、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、前記左右の側面パネルは、その前側の縦辺に前記正面パネルの背面側に重なるように延出する延出面部を有し、
前記正面パネルは閉止状態で前記延出面部に当接して、該延出面部に留め具によって留められていることを特徴とするものである。
【0011】
(5)また、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のものにおいて、平面視でコ字状に形成された底枠を有し、該底枠はその後辺側が床に接触した状態で前側を浮かして斜めにしたときに接地する車輪を背面側に有し、かつ、鋼製で矩形状に形成され、その下辺が前記底枠のコ字の開口を横切ると共に前記正面パネルの外周縁に配設された矩形補強枠部材を有することを特徴とするものである。
【0012】
(6)また、上記(5)に記載のものにおいて、前記上面パネルの前辺部が、前記矩形補強枠部材に係止部材によって係脱可能に連結されていることを特徴とするものである。
【0013】
(7)また、上記(5)又は(6)に記載のものにおいて、前記底枠に載置されたトレーを有し、前記矩形補強枠部材が前記トレーの飛び出しを防止していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るペット用ケージは、正面パネルは、扉を有し、かつ上辺側が回動可能に取り付けられて、下端側を上方に跳ね上げて開放でき、開放した状態で上面パネルの下方又は上方に収納可能になっているので、日常的な正面パネルの扉開閉は扉で行い、大がかりな掃除やベッド等の大きな物の出し入れの際には正面パネルの跳ね上げによる開放を行うことができる。したがって、本発明のペット用ケージの正面パネルは、日常的な開閉に便利であり、かつケージ内の掃除も簡単にできるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施の形態に係るペット用ケージの斜視図であり、一部拡大図を含むものである。なお、一部拡大図Aにおいては、説明の都合上一部の部品を省略している。
図2図1に示したペット用ケージの分解斜視図である。
図3図1に示したペット用ケージに用いられる矩形補強枠部材の斜視図である。
図4図1に示したペット用ケージに用いられる底枠の斜視図である。
図5図1に示したペット用ケージに用いられる側面パネルの斜視図である。
図6図1に示したペット用ケージに用いられる上面パネルの斜視図である。
図7図1に示したペット用ケージに用いられる正面パネルの斜視図である。
図8図1に示したペット用ケージのスライド扉を開扉した状態の斜視図である。
図9図1に示したペット用ケージの正面パネルの取付構造の説明図である。
図10図1に示したペット用ケージの正面パネルの跳ね上げ動作の説明図である(その1)。
図11図1に示したペット用ケージの正面パネルの跳ね上げ動作の説明図である(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本実施の形態に係るペット用ケージ1は、図1図2に示すように、金属製の線材からなる正面パネル3、左右の側面パネル5及び背面パネル7によって周面が矩形状に形成され、これらの上端に金属製の線材からなる上面パネル9が設置され、下端には底枠11が配設されたものである。
左右の側面パネル5の上端部には前面側から背面側に延びる連結辺部材13が連結され、上面パネル9は連結辺部材13の上面に載置されている。
また、本実施の形態のペット用ケージ1の一つの特徴として、正面の開口を縁取るように鋼製の矩形補強枠部材15(図3参照)が設けられている。
さらに、底枠11には、浅底の有底枠形状で上端縁にフランジ部17aが形成されたトレー17が載置されている。
なお、線材は金属製のものに限定されず、各種の材料を用いることができる。
以下、各構成を詳細に説明する。
【0017】
<底枠>
底枠11は、図4に示すように、前辺側が開口した平面視でコ字形状の樹脂製の部材で形成されている。底枠11の両側辺の背面側端部には、車輪19が設けられている。この車輪19は、ペット用ケージ1を床面に載置した状態で前側を持ち上げて斜めにすると接地して移動をスムーズにするものである。
底枠11の内周面には、段部21が設けられ、この段部21にはトレー17のフランジ部17aが載置される。
【0018】
底枠11における各辺部の上面には、左右の側面パネル5及び背面パネル7の下辺に係止して左右の側面パネル5及び背面パネル7を立設するための係止長穴23が形成されている。
【0019】
<矩形補強枠部材>
矩形補強枠部材15は、図3に示すように、鋼製の角パイプを矩形状に連結して形成されたものであり、ペット用ケージ1の前面側の剛性の向上に資するものである。
ペット用ケージ1の組立状態では、図2に示すように、矩形補強枠部材15の下辺部が底枠11の開口部を横切るように立設されている。矩形補強枠部材15は底枠11の開口部を横切るように配置されることで、開口部が開いたり閉じたりするような変形を防止している。
また、矩形補強枠部材15は、図1に示すように、トレー17が前方に飛び出ようとした際にトレーの前壁に当接してトレー17の飛び出しを防止する機能も有している。
【0020】
<側面パネル>
側面パネル5は左右に配置されるが、左右のものは同じ形状なので同じ符号を付して説明する。
なお、左右の側面パネル5を同形状とすることで、組立時において左右の取り違えの問題が発生することがなく、コスト低減の効果もある。
【0021】
側面パネル5は、図5に示すように、矩形状をしており、その前側の縦辺に正面パネル3の背面側に重なるように延出する延出面部25を有している。延出面部25は、閉止状態で留め具27(図1参照)によって正面パネル3と連結されることで、正面パネル3の跳ね上がり方向のガタつきを防止する。
また、延出面部25の高さ方向の中程には前方に突出するフック部29が形成されており、フック部29が正面パネル3の線材と係止することで正面パネル3の荷重を受けるようになっている(図1の拡大図C参照)。
【0022】
側面パネル5の下辺には、底枠11の係止長穴23に挿入する係止凸部31が形成されている。また、側面パネル5の上辺には、連結辺部材13の下面に形成された係止長穴(図示なし)に挿入する係止凸部33が形成されている。
【0023】
<背面パネル>
背面パネル7は、図1に示すように、矩形状をしており、その下辺には底枠11の係止長穴23に挿入される係止凸部35が形成されている。背面パネル7は、ペット用ケージ1の組立状態で、左右の側面パネル5に留め具37(図1参照)によって連結される。
【0024】
<上面パネル>
上面パネル9は、図6に示すように、矩形状をしており、その前辺側には、前後方向(図中の矢印の方向)に移動可能に取り付けられて、矩形補強枠部材15に係止する係止部材39が設けられている。係止部材39には、鉤片39aが設けられており、係止部材39を後方に移動すると鉤片39aが矩形補強枠部材15に係止するようになっている(図1の部分拡大図B参照)。 上面パネル9は、係止部材39を前側に移動させて鉤片39aの矩形補強枠部材15に対する係止を外すことで、後辺を回動軸として回動させて開放することができる。
また、上面パネル9の前辺には、矩形補強枠部材15の上辺に係止して上面パネル9のガタつきを防止する係止部41が屈曲形成されている。
【0025】
<正面パネル>
正面パネル3は、図7に示すように、矩形状をしており、図中左側がスライド扉45になっている。スライド扉45の開放状態では、図8に示すように、正面パネル3のほぼ半分の面積が開放できるようになっている。スライド扉45には閉扉状態を保持するためのロック部材47が設けられている。ロック部材47は平坦な薄型に形成されており、正面パネル3を収納する際に上面パネル9との干渉を防止できるようになっている。
ロック部材47は操作部47aを押し上げ又は押し下げることで、係止片47bが上下に移動して、正面パネル3のロック片50に係脱可能になっている。
【0026】
また、正面パネル3には、スライド扉45を開扉したときに開扉位置を決めるためのロック受け部49が設けられている。このロック受け部49は、フック形状をしており、首輪等が引っかかるのを防止している。
【0027】
正面パネル3は、図9に示すように、連結辺部材13の内面側に形成されたスライドガイド53にスライド可能に配設されたスライド片55に、その上辺の両端が回動可能に支持されている(図1の部分拡大図A参照)。
正面パネル3を閉止した状態すなわち図1図8に示す状態では、正面パネル3は、スライド片55に吊下げ支持されると共に、前述した側面パネル5の延出面部25のフック部29によって支持されている(図1の部分拡大図C参照)。
【0028】
また、正面パネル3の上辺の両端部には背面側に向かって屈曲形成された屈曲片部51が形成されており、正面パネル3を閉止した状態で矩形補強枠部材15に当接して正面パネル3の必要以上の上動を規制している。
また、正面パネル3の左右の辺部の下端には前方に向かって屈曲形成された屈曲部52が形成されている(図7参照)。屈曲部52は、後述するように、正面パネル3を跳ね上げて上面パネル9の下方に収納する際に、連結辺部材13の前面に当接して正面パネル3がそれ以上奥にスライドするのを防止する機能を有している(図10(c)参照)。
【0029】
上記のように構成された本実施の形態のペット用ケージ1においては、図1に示すように、底枠11の段部21にトレー17のフランジ部17aを載置して使用する。このとき、トレー17が前方に飛び出ようとすると矩形補強枠部材15の内面がトレー17の前壁に当接して、トレー17の飛び出しを防止している。
【0030】
図1に示すように、正面パネル3を閉止した状態では、正面パネル3の背面側が延出面部25に当接して留め具27によって延出面部25に留められている。このように延出面部25は正面パネル3の閉止時の位置決め機能を有している。また、延出面部25があることで、正面パネル3と側面パネル5の境界部分が補強され、ペットが中から押圧しても隙間が生じにくく、ペットの足が挟まるといった事故発生を防止している。
【0031】
日常の使用においてペットの出入りや餌や水用の食器の出し入れはスライド扉45の開閉で行うことができる。このとき、スライド扉45であることから、前面側にスペースが要らず、省スペース化が実現されている。
【0032】
また、ケージ内に大きなベッドを入れていたような場合においてペットの出し入れや、ケージ内を全体的に掃除するような場合には、図10(a)に示す状態から留め具27を外して、図10(b)及び図11に示すように、正面パネル3の上辺を回動軸として回動させることによって跳ね上げて水平状態にし、さらに図10(c)に示すように、後方に押し込むことでスライド片55をスライドさせて上面パネル9の下方に収納する。このとき、前述したように、正面パネル3に設けた屈曲部52が、連結辺部材13の前面に当接して正面パネル3がそれ以上奥にスライドするのを防止する。
【0033】
この正面パネル3の収納状態では、図10(c)に示すように、前面側の全体が開放されるので、ペット用ケージ1の内部全体を容易に掃除することができる。正面パネル3が跳ね上げた状態では、図10(c)に示すように、前面の下方には矩形補強枠部材15以外なにも存在せず開放感があり、トレー17の引き出しも容易にできる。その一方で、矩形補強枠部材15があることで、前面側の補強がなされており、剛性が確保されているので、矩形補強枠部材15の上辺を持ち上げてペット用ケージ1を斜めにして車輪19を接地させて床面上の移動が容易にできる。
このように、ペット用ケージ1の移動が容易にできるようにしている理由は以下の通りである。
【0034】
ペット用ケージは、その内部だけの掃除では足りず、ペット用ケージを置いている床面の掃除も必要となる。この場合には、ペット用ケージを常時置いている場所から移動しなければならない。
しかしながら、特許文献1に開示されたものは、「正面から天面の少なくとも略前半部にかけて、横架材等によって分断されない一体連続的な開口が形成される」ことを特徴としているため、ペット用ケージの前面側の剛性がなく、例えば前面パネルを持って持ち上げようとすると、全体が撓んでしまう。このため、ペット用ケージの移動が簡単にできず、ペット用ケージが載置された床面の掃除が簡単ではないという問題もある。
これに対して、本実施の形態のペット用ケージ1は、正面パネル3が跳ね上げ式であるにもかかわらず矩形補強枠部材15があることで、前面側の剛性が高く、上記のようにペット用ケージ1を簡単に移動することができる。
【0035】
以上のように、本実施の形態のペット用ケージ1は正面パネル3にスライド扉45が設けられると共に正面パネル3全体を跳ね上げて開放することができるので、日常の扉開閉はスライド扉45で行い、大がかりなケージ全体の掃除や大きなベッドの出し入れには正面パネル3の跳ね上げを行うようにすればよく、使い勝手に優れる。しかも、正面に剛性の高い矩形補強枠部材15を配設しているので、ペット用ケージ1全体の剛性が高く、全体を金属製の線材で形成していても撓みが少なく、前述したようにペット用ケージ1の前面側を持って床面上の移動も容易にできる。
【0036】
なお、上記の実施の形態では、正面パネル3に設ける扉としてスライド扉45を例示したが、本発明における正面パネル3に設ける扉はスライド扉に限られず、回動式のものであってもよい。この場合でも、正面パネル3自体が観音開きする場合に比べると、正面パネル3の中に設けた扉の場合には扉が小さいので開放に必要とされる空間は小さくてよい。
また、上記の実施の形態では、正面パネル3を上面パネル9の下方に収納する例を示したが、本発明において正面パネル3は上面パネル9の上方に収納するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 ペット用ケージ
3 正面パネル
5 側面パネル
7 背面パネル
9 上面パネル
11 底枠
13 連結辺部材
15 矩形補強枠部材
17トレー
17a フランジ部
<底枠>
19 車輪
21 段部
23 係止長穴
<側面パネル>
25 延出面部
27 留め具
29 フック部
31 係止凸部
33 係止凸部
<背面パネル>
35 係止凸部
37 留め具
<上面パネル>
39 係止部材
39a 鉤片
41 係止部
<正面パネル>
45 スライド扉
47 ロック部材
47a 操作部
47b 係止片
49 ロック受け部
50 ロック片
51 屈曲片部
52 屈曲部
<連結辺部材>
53 スライドガイド
55 スライド片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11