特開2018-114325(P2018-114325A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2018114325-簡易開閉型の洋式トイレ 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-114325(P2018-114325A)
(43)【公開日】2018年7月26日
(54)【発明の名称】簡易開閉型の洋式トイレ
(51)【国際特許分類】
   A47K 13/10 20060101AFI20180629BHJP
【FI】
   A47K13/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-60485(P2018-60485)
(22)【出願日】2018年3月27日
(62)【分割の表示】特願2017-223228(P2017-223228)の分割
【原出願日】2016年9月9日
(71)【出願人】
【識別番号】516273338
【氏名又は名称】内田 英明
(74)【代理人】
【識別番号】100134119
【弁理士】
【氏名又は名称】奥町 哲行
(72)【発明者】
【氏名】内田 英明
【テーマコード(参考)】
2D037
【Fターム(参考)】
2D037AA02
2D037AB02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】洋式トイレ便座カバーおよび便座を開閉するに際し、便座等に触れることなく、直接、素手で清潔に、しかも簡易に開閉できる手軽さと強度を兼ね備えた器具が取り付けられた洋式トイレを提供する。
【解決手段】便座カバーおよび便座12を開閉するための器具10が該便座等12に取り付けられた洋式トイレであって、器具10は、便座カバー又は便座12の外縁近傍に取り付けて固設するための固設部と、固設部の面に対して所定の角度で曲折して連結され、便座カバー又は便座の外縁部から外方に向けて突出される支持部と、支持部を介して固設部から一定距離で離間して設けられる指掛部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洋式トイレ便座カバーおよび便座を開閉するための器具が該便座カバー又は便座に取り付けられた洋式トイレであって、
前記器具は、
便座カバー又は便座の外縁近傍に取り付けて固設するための固設部と、
前記固設部の面に対して所定の角度で曲折して連結され、前記便座カバー又は便座の外縁部から外方に向けて突出される支持部と、
前記支持部を介して前記固設部から一定距離で離間して設けられる指掛部と、を備える、
簡易開閉型の洋式トイレ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洋式トイレ便座カバーおよび便座を開閉するに際し、便座カバーや便座に触れることなく、直接、素手で清潔に、しかも簡易に開閉を行うことのできる器具が取り付けられた簡易開閉型の洋式トイレに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、洋式トイレの便座、便座カバー(便蓋)を開閉するとき、手で直接便座に触れることなく、取っ手を便座、便蓋に付けておきそのつまみ部分を支持して開閉する種々の便座開閉用取っ手が提供されている。
【0003】
これまでに、例えば、「洋式トイレにおける上蓋の開閉、及び便座を上下する場合に指定位置がないため、どこを持てばよいのか一瞬の戸惑い感じる。また、持つ場所によっては非衛生的である。」等の問題を解決する為、洋式トイレの上蓋及び便座を開閉する為の取っ手(つまみ)が開示されている(特許文献1)。
【0004】
また、洋式トイレの便器に対して開閉可能に取付けられた便座の外縁部から外方に向けて突出されるツマミ部を備え、便座を閉じた状態において、ツマミ部の上面が便座の下面よりも下方に位置している便座用取っ手が開示されている(特許文献2)。
【0005】
しかしながら、これらの取っ手は、そのつまみ部分が便座や便座カバーから比較的近い距離に存在し、衛生面上の問題が無いとは言い切れない。また、それらの構造上、片手で持ち上げたり下げたりする際にどうしてもある程度の力が必要になる。さらに、取っ手の便座等への取り付け方によっては、外れやすかったり、破損したりする場合もあり、必ずしも強度を備えているものでもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平7−1897号公報
【特許文献2】実用新案登録第3185147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、洋式トイレ便座カバーおよび便座を開閉するに際し、便座カバーや便座に触れることなく、直接、素手で清潔に、しかも簡易に開閉を行うことのできる手軽さと強度とを兼ね備えた器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記課題を解決するべく鋭意研究した結果、洋式トイレ便座カバーおよび便座を開閉するために、便座カバー又は便座の外縁近傍に取り付けることのできる、特定の形態を備える器具が、前記目的を達成し得ることの知見を得た。
【0009】
本発明は、前記知見に基づきなされたもので、下記の発明を提供することにより、その目的を達成したものである。
【0010】
1.洋式トイレ便座カバーおよび便座を開閉するための器具であって、
便座カバー又は便座の外縁近傍に取り付けて固設するための固設部と、
前記固設部の面に対して所定の角度で曲折して連結され、前記便座カバー又は便座の外縁部から外方に向けて突出される支持部と、
前記支持部を介して前記固設部から一定距離で離間して設けられる指掛部と、
を備え、
前記指掛部は、前記支持部の外方先端で真円状乃至略円状の構造を有しており、その中央部に中心を一にする真円状乃至略円状の孔部が設けられているか、又は、窪みを備えている洋式トイレ便座カバーおよび便座開閉器具。
【0011】
2.前記支持部は、側面視で、外方向に従って反り返った構造を有する、前記1記載の洋式トイレ便座カバーおよび便座開閉器具。
【0012】
3.前記支持部は、平面視で、外方向に従って幅広から幅狭になる構造を有する、前記1記載の洋式トイレ便座カバーおよび便座開閉器具。
【0013】
4.前記指掛部は、前記支持部の外方先端で真円状乃至略円状の構造を有し、その直径が前記支持部の外方先端の幅と略同一になされている、前記1記載の洋式トイレ便座カバーおよび便座開閉器具。
【0014】
5.前記指掛部の真円状乃至略円状の直径が3〜4cmの範囲にあり、前記固設部の先端の幅が5〜6cmの範囲にあり、器具全体の長手方向長さが7〜12cmの範囲にある、前記4記載の洋式トイレ便座カバーおよび便座開閉器具。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、洋式トイレ便座カバーおよび便座を開閉するに際し、便座カバーや便座に触れることなく、直接、素手で清潔に、しかも簡易に開閉を行うことのできる手軽さと強度とを兼ね備えた器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る開閉器具を洋式トイレの便座に取り付けた例を示す概略図である。
図2図1の開閉器具を取り付けた洋式トイレの便座を開閉する場合の開閉器具の使用例を示す概略図である。
図3】本発明の一実施形態に係る開閉器具を示す斜視図である。
図4】4(a)は、本発明の一実施形態に係る開閉器具を示す平面図であり、図4(b)は、図4(a)の開閉器具を示す側面図である。である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明について、その好ましい実施形態に基づき図面を用いて詳細に説明する。
本発明の一実施形態は、図1に示すように、洋式トイレ11の便器に備え付けの便座12の所望の位置における外縁近傍に取り付けて使用される開閉器具10である。なお、本実施形態に係る開閉器具10は、図1に示すような便座12の外縁近傍に取り付けて使用されるほか、図示しないが、洋式トイレ11に備え付けの便座カバー(便蓋)に取り付けて同様に使用することができる。
【0018】
図2に示すように、本実施形態に係る開閉器具10は、洋式トイレ11の便座12に取り付けて開閉しようとする場合に、該開閉器具10の外方先端部分を指で引っ掛けて、必要に応じ片手で摘んで使用される。
【0019】
本実施形態に係る開閉器具10を取り付ける際の位置は、特に制限されず使用に適した位置、便座12の開閉補助に適した位置に取り付けられるが、洋式トイレ11の使用者の邪魔にならず、且つ便座12を開閉する際に上下に動かしやすい位置、例えば、図1及び2に示すように、便座12の横側中央からやや後部の位置が好ましく、指で軽々と簡易に便座12を持ち上げられる点で便座12の横側中央付近が特に好ましい。
【0020】
本実施形態に係る開閉器具10は、図3及び図4(a)、(b)に示すように、洋式トイレ11の便座12の外縁近傍に取り付けて(接合して)固定、設置するための固設部1と、固設部1の面に対して所定の角度θで曲折して連結され、便座12の外縁部から外方に向けて突出される支持部2と、支持部2を介して固設部1から一定距離で離間して設けられる指掛部3とを備えている。本実施形態に係る開閉器具10においては、固設部1と支持部2と指掛部3が同一素材(金属又は抗菌効果のある樹脂等)により一体化したものが用いられる。
【0021】
本実施形態に係る開閉器具10は、上記のような構造からなるため、洋式トイレ11の便座12を開閉する際に、便座12に触れることなく、直接、素手で清潔に、しかも簡易且つ手軽に開閉を行うことができ、強度も備えている。
【0022】
本実施形態に係る開閉器具10が備える固設部1は、洋式トイレ11の便座12の外縁近傍に取り付けて固定、設置される。本実施形態では、図3に示すように、開閉器具10の幅方向に細長の平坦な固設部1の上部に両面テープTが予め貼り付けられており、固設部1のこの面と便座12に固設しようとする外縁近傍の面(便座12の下面又は内側面)とを接合(貼着)することで、固定、設置される。本実施形態では、このように両面テープTを備える固設部1を便座12の外縁近傍の所望箇所に接触させるだけで、強度があり、取り外れにくい器具とすることができる。
【0023】
なお、開閉器具10の便座12への取り付け方法としては、かかる両面テープで固定する方法のほか、ボルト留めでもよく、使用者の選択により適宜な取り付け方法を採用することができる。ボルト留めの場合は、開閉器具10の固設部1及び便座12の設置箇所それぞれの1又は数カ所に穴を開け、ボルト及び必要に応じてナット等を用いて固定することができる。
【0024】
支持部2は、固設部1の面に対して所定の角度θで曲折して連結され、便座12の外縁部から外方に向けて突出されている。支持部2が固設部1と折れ曲がって連結された構造であるため、テコの原理により、便座12を上方に持ち上げる際の力が少なくて済み、開閉を容易にできる。
【0025】
かかる支持部2の面と固設部1の面とのなす角度θは、例えば90°〜180°未満の範囲で適宜設定できるが、開閉器具10による便座12の開閉をより手軽にでき、強度が十分となる観点で、125°〜165°が好ましく、140°〜150°が一層好ましい。
【0026】
図4(a)に示すように、支持部2は、平面視で、外方向に従って幅広から幅狭になる構造を有している。また、図4(b)に示すように、支持部2は、側面視で、外方向に従って反り返った構造を有している。すなわち、支持部2は、下側部分に曲率半径を有する構造の曲面となっている。支持部2がこのような構造を有することで、開閉器具10全体の強度を上げるとともに便座12を上下に移動しやすくすることができる。
【0027】
本実施形態に係る開閉器具10は、特に強度を高めて器具の破損を防止できる観点から、支持部2の連結部から固設部1にかけて(便座12側に向かう方向に従って)、平面視で、さらに幅が末広がりの構造となっている。この場合、支持部2及び固設部1の幅に相当する両外縁の曲線が、便座12側に向かう方向に従って、徐々に曲率半径が小さくなるように構成されている。
【0028】
また、開閉器具10の強度を高めるために、固設部1における便座12側の外縁は、直線ではなく、切り欠き凹弧状の曲線になっている。固設部1は、幅方向中央部の長さ(外縁と支持部2との距離)が最も短く、幅方向両端部の長さ(同距離)が最も長くなっている。また、固設部1の支持部2と対抗する両端部は、角度が90°未満の鋭角状に構成され、かかる構造により便座12への安定した設置が可能となる。
【0029】
指掛部3は、支持部2を介して固設部1から一定距離で離間して位置するように設けられ、支持部2の外方先端で真円状乃至略円状の構造を有している。本実施形態では、図4(a)に示すように、支持部2の面の外方端部に、指掛部3の半円部が埋め込まれた状態となっている。かかる指掛部3は、使用者が指をかけて便座12の開閉を補助し易いように、真円状乃至略円状の構造の中央部に、該構造の中心を一にする真円状乃至略円状の孔部4が設けられている。
【0030】
なお、本実施形態では、指掛部3は孔部4を設けてリング状としているが、使用者の使用し易さと怪我の防止のために、孔部4を設けることなくこれと同径の窪みを備えることもできる。さらには、同様の理由で、孔部4を備えた指掛部3に対して表面上に樹脂フィルム、好ましくは抗菌性の樹脂フィルム等を貼着し、孔を閉じた指掛部3とすることもできる。
【0031】
本実施形態に係る開閉機器10の大きさについては、図4(a)及び(b)に示すように、全体の長手方向長さlが7〜12cmの範囲にあり、幅方向長さは固設部1の先端の幅mが5〜6cmの範囲にあり、指掛部3の真円状乃至略円状の直径nが3〜4cmの範囲にあり、指掛部3に設けられた孔部4の直径oが1.5〜2cmの範囲にあることが好ましい。また、固設部1の支持部2までの長さ(便座12に接する部分)pは、1〜3cmの範囲に設定できる。pは、固設部1を両面テープTで固定する場合には1〜1.5cmとすることが好ましいが、固設部1をボルト等で固定する場合には2〜3cmとすることができる。これに伴い、衛生面上問題のないように支持部2をある程度の長さで介在させて器具10の全長lを設定することが好ましい。
【0032】
本実施形態では、指掛部3の直径nが支持部2の外方先端の幅と略同一になされている。このような構造を有することで、開閉器具10全体の強度を十分なものとすることができる。
【0033】
特に、開閉機器10の強度と使用者による開閉容易性の向上の観点から、開閉器具10全体の長手方向長さlと指掛部3の真円状乃至略円状の直径nとの比(l:n)は、7:4〜10:3であることが好ましい。
また、同様の観点から、固設部1の先端の幅mと指掛部3の真円状乃至略円状の直径nとの比(m:n)は、5:4〜2:1であることが好ましい。
【0034】
本実施形態に係る開閉器具10の素材としては、便座カバーや便座12に取り付けが可能であれば特に制限されず、例えば、抗菌処理加工された樹脂素材、アルミ素材、金属素材、プラスチック素材、木製素材等が挙げられる。特に、衛生面上望ましい点から抗菌処理加工された抗菌効果のある樹脂製の素材が好ましく、強度を向上できる・曲がりにくくする点から金属素材が好ましい。
【0035】
なお、本発明においては、前述した実施形態のほか、適宜に変更した実施形態とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、洋式トイレ便座カバーおよび便座を開閉するに際し、便座カバーや便座に触れることなく、直接、素手で清潔に、しかも簡易に開閉を行うことのできる手軽さと強度とを兼ね備えた器具として、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0037】
10:洋式トイレ便座カバーおよび便座開閉器具
1:固設部
2:支持部
3:指掛部
4:孔部
11:洋式トイレ(便器)
12:便座
図1
図2
図3
図4