【解決手段】熱変色性インキが吐出可能なペン先21と、熱変色性インキの筆跡を摩擦しその際に生じる摩擦熱で該筆跡を熱変色可能な低磨耗性の弾性材料からなる摩擦体3とを備えた熱変色性筆記具であって、摩擦体側に装着可能な保護部材4を着脱自在に備え、保護部材4を摩擦体側に装着した状態において、保護部材4の頂部が摩擦体3の頂部よりも外方に位置する。保護部材4が筒状であり、保護部材4を摩擦体側に装着した状態において、保護部材4が摩擦体3の外周面を包囲する。保護部材4の内周面と摩擦体3の外周面とが着脱自在に嵌合する。保護部材4の内周面と摩擦体3の外周面とが着脱自在に嵌合する際、保護部材4の内部と外部とを連通する通気手段を備える。
熱変色性インキが吐出可能なペン先と、前記熱変色性インキの筆跡を摩擦しその際に生じる摩擦熱で該筆跡を熱変色可能な低磨耗性の弾性材料からなる摩擦体とを備えた熱変色性筆記具であって、摩擦体側に装着可能な保護部材を着脱自在に備え、前記保護部材を前記摩擦体側に装着した状態において、前記保護部材の頂部が前記摩擦体の頂部よりも外方に位置してなることを特徴とする熱変色性筆記具。
前記保護部材が、頂壁と該頂壁に連設される筒状の側壁とからなる有底筒状体であり、前記保護部材の頂壁または側壁に、前記通気手段としての通気孔を設けた請求項4記載の熱変色性筆記具。
前記保護部材が、頂壁と該頂壁に連設される筒状の側壁とからなる有底筒状体であり、前記保護部材の側壁の内周面と前記摩擦体の外周面との間に、前記通気手段としての通気路を設けた請求項4記載の熱変色性筆記具。
軸筒の内部に熱変色性インキを収容し、前記軸筒の前端に前記熱変色性インキが吐出可能なペン先を設け、前記軸筒の後端に前記摩擦体を設けた請求項1乃至6の何れかに記載の熱変色性筆記具。
前記軸筒内に筆記体を前後方向に移動可能に収容し、前記筆記体の内部に熱変色性インキを収容し、前記筆記体の前端に前記熱変色性インキが吐出可能なペン先を設け、前記軸筒に操作部を設け、前記操作部を操作することにより前記筆記体のペン先を軸筒の前端孔から出没可能に構成した請求項7記載の熱変色性筆記具。
前記軸筒の前部外面及び後部外面に着脱自在に装着されるキャップを備え、前記キャップ内面に、前記キャップ内面と前記軸筒後部外面とが嵌合する後ろ差し嵌合部を設け、前記キャップ内面の後ろ差し嵌合部の内径を前記保護部材の外径より大きく形成した請求項7記載の熱変色性筆記具。
軸筒の内部に熱変色性インキを収容し、前記軸筒の前端に前記熱変色性インキが吐出可能なペン先を設け、前記軸筒の前部外面に着脱自在に装着されるキャップを備え、前記キャップの頂部外面に前記摩擦体を設けた請求項1乃至6の何れかに記載の熱変色性筆記具。
前記保護部材が、頂壁と該頂壁に連設される筒状の側壁とからなる有底筒状体であり、前記保護部材の頂壁または側壁に、前記通気手段としての通気孔を設けた請求項13記載の摩擦具。
前記保護部材が、頂壁と該頂壁に連設される筒状の側壁とからなる有底筒状体であり、前記保護部材の側壁の内周面と前記摩擦体の外周面との間に、前記通気手段としての通気路を設けた請求項13記載の摩擦具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1の熱変色性筆記具は、摩擦体が常に外部に露出している。そのため、摩擦体の非使用時、ユーザーの指先が摩擦体に接触したり、あるいは熱変色性筆記具を収納体(例えば、ペンケース、ペン立て、または衣服のポケット等)に収納して保管した際に該収納体の内面(例えば、ペンケースの内面、ペン立ての底面、または衣服のポケット内面等)と摩擦体とが接触することにより、摩擦体表面に手垢や埃等が付着し、摩擦体表面が汚れ、さらにその汚れた状態の摩擦体を用いて紙面を摩擦すると、紙面が汚れる不具合があった。
【0005】
本発明は前記従来の問題点を解決するものであって、非使用時、摩擦体が汚れることを回避できる熱変色性筆記具及び摩擦具を提供しようとするものである。
【0006】
尚、本発明において、「前」とはペン先側を指し、「後」とはその反対側を指す。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の第1の発明は、熱変色性インキが吐出可能なペン先21と、前記熱変色性インキの筆跡を摩擦しその際に生じる摩擦熱で該筆跡を熱変色可能な低磨耗性の弾性材料からなる摩擦体3とを備えた熱変色性筆記具であって、摩擦体側に装着可能な保護部材4を着脱自在に備え、前記保護部材4を前記摩擦体側に装着した状態において、前記保護部材4の頂部が前記摩擦体3の頂部よりも外方に位置してなることを要件とする。
【0008】
前記第1の発明の熱変色性筆記具1は、摩擦体側に装着可能な保護部材4を着脱自在に備え、前記保護部材4を前記摩擦体側に装着した状態において、前記保護部材4の頂部が前記摩擦体3の頂部よりも外方(即ち摩擦体突出方向外方)に位置してなることにより、摩擦体非使用時、ユーザーの指先との接触や、摩擦体3と収容体内面(例えば、ペンケースの内面、ペン立ての底面、または衣服のポケット内面)との接触を回避でき、摩擦体3に手垢や埃等が付着すること(即ち摩擦体が汚れること)を防止できる。
【0009】
前記第1の発明の熱変色性筆記具1において、前記保護部材4の取り付けは、例えば、摩擦体3に着脱自在に直接取り付ける構成や、摩擦体側の部材に着脱自在に取り付ける構成が挙げられる。前記第1の発明の熱変色性筆記具1において、前記保護部材4の形状は、筒状、板状、棒状、複数の突片状等、何れであってもよい。
【0010】
本願の第2の発明は、前記第1の発明の熱変色性筆記具1において、前記保護部材4が筒状であり、前記保護部材4を前記摩擦体側に装着した状態において、前記保護部材4が前記摩擦体3の外周面を包囲してなることを要件とする。
【0011】
前記第2の発明の熱変色性筆記具1は、摩擦体非使用時、ユーザーの指先や、摩擦体3と収容体内面(例えば、ペンケースの内面、ペン立ての底面、または衣服のポケット内面)との接触を確実に回避でき、摩擦体3が汚れることを確実に防止できる。
【0012】
本願の第3の発明は、前記第2の発明の熱変色性筆記具1において、前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とが着脱自在に直接嵌合してなることを要件とする。
【0013】
前記第3の発明の熱変色性筆記具1は、摩擦体非使用時、筒状の保護部材4の内周面と、低摩耗性の弾性材料からなる摩擦体3の外周面との安定した嵌合状態を維持でき、保護部材4が摩擦体3から不用意に脱落することを防止できる。前記摩擦体3の外周面には外側嵌合部が設けられ、前記保護部材4の内周面には、前記外側嵌合部と着脱自在に直接嵌合可能な内側嵌合部が設けられる。前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面との嵌合は、例えば、圧入嵌合、凹凸嵌合、ネジ嵌合等が挙げられる。
【0014】
本願の第4の発明は、前記第3の発明の熱変色性筆記具1において、前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とが着脱自在に嵌合する際、前記保護部材4の内部と外部とを連通する通気手段を備えたことを要件とする。
【0015】
前記第4の発明の熱変色性筆記具1は、前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とを着脱する際、保護部材4の内部を加圧・減圧せず、保護部材4を摩擦体3にスムーズに着脱させることができる。
【0016】
本願の第5の発明は、前記第4の発明の熱変色性筆記具1において、前記保護部材4が、頂壁と該頂壁に連設される筒状の側壁とからなる有底筒状体であり、前記保護部材4の頂壁または側壁に、前記通気手段としての通気孔42を設けたことを要件とする。
【0017】
前記第5の発明の熱変色性筆記具1は、前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とを着脱する際、前記通気孔42により、保護部材4の内部と外部とを確実に連通させることができる。
【0018】
本願の第6の発明は、前記第4の発明の熱変色性筆記具1において、前記保護部材4が、頂壁と該頂壁に連設される筒状の側壁とからなる有底筒状体であり、前記保護部材4の側壁の内周面と前記摩擦体3の外周面との間に、前記通気手段としての通気路を設けたことを要件とする。
【0019】
前記第6の発明の熱変色性筆記具1は、前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とを着脱する際、前記通気路により、保護部材4の内部と外部とを確実に連通させることができる。また、前記第6の発明の熱変色性筆記具1は、摩擦体非使用時、通気手段を備えたにもかかわらず、摩擦体3を、頂壁や側壁に通気孔を備えない有底筒状体の保護部材4で覆うことができ、保護部材4の内部に塵や埃の侵入を防ぎ、より一層、摩擦体3の汚れを回避できる。
【0020】
本願の第7の発明は、前記第1乃至第6の発明の熱変色性筆記具1において、軸筒2の内部に熱変色性インキを収容し、前記軸筒2の前端に前記熱変色性インキが吐出可能なペン先21を設け、前記軸筒2の後端に前記摩擦体3を設けたことを要件とする。
【0021】
前記第7の発明の熱変色性筆記具1は、軸筒2の後端に摩擦体3を備えるため、摩擦体3を保護部材4で保護した状態でペン先21を用いて筆記することができ、摩擦体3の使用時のみ、保護部材4を摩擦体3から取り外して使用でき、非使用時の摩擦体3の汚れをできる限り回避できる。
【0022】
本願の第8の発明は、前記第7の発明の熱変色性筆記具1において、前記軸筒2内に筆記体を前後方向に移動可能に収容し、前記筆記体の内部に熱変色性インキを収容し、前記筆記体の前端に前記熱変色性インキが吐出可能なペン先21を設け、前記軸筒2に操作部22を設け、前記操作部22を操作することにより前記筆記体のペン先21を軸筒2の前端孔から出没可能に構成したことを要件とする。
【0023】
前記第8の発明の熱変色性筆記具1は、非使用時の摩擦体3の汚れをできる限り回避できる出没式の熱変色性筆記具1が得られる。
【0024】
本願の第9の発明は、前記第7の発明の熱変色性筆記具1において、前記軸筒2の前部外面及び後部外面に着脱自在に装着されるキャップ5を備え、前記キャップ5内面に、前記キャップ5内面と前記軸筒2後部外面とが嵌合する後ろ差し嵌合部51を設け、前記キャップ5内面の後ろ差し嵌合部51の内径を前記保護部材4の外径より大きく形成したことを要件とする。
【0025】
前記第9の発明の熱変色性筆記具1は、前記キャップ5の後ろ差し嵌合部51の内径を前記保護部材4の外径より大きく形成したことにより、キャップ5を軸筒2後部に装着する際(即ちキャップ後ろ差し時)、保護部材4がキャップ5の後ろ差しを阻害せず、スムーズなキャップ装着が可能となる。
【0026】
本願の第10の発明は、前記第1乃至第6の発明の熱変色性筆記具1において、軸筒2の内部に熱変色性インキを収容し、前記軸筒2の前端に前記熱変色性インキが吐出可能なペン先21を設け、前記軸筒2の前部外面に着脱自在に装着されるキャップ5を備え、前記キャップ5の頂部外面に前記摩擦体3を設けたことを要件とする。
【0027】
前記第10の発明の熱変色性筆記具1は、キャップ5の頂部外面に摩擦体3を備えるため、キャップ5をペン先側から取り外して、摩擦体3を保護部材4で覆った状態でペン先21による筆記することができ、摩擦体3の使用時のみ、保護部材4を摩擦体3から取り外して使用でき、非使用時の摩擦体3の汚れをできる限り回避できる。
【0028】
本願の第11の発明は、前記第1乃至第10の発明の熱変色性筆記具1において、取り外された前記保護部材4を前記摩擦体以外の部位に着脱自在に設けたことを要件とする。
【0029】
前記第11の発明の熱変色性筆記具1は、摩擦体側から取り外された保護部材4の紛失を防ぐことができる。なお、前記摩擦体以外の部位は、例えば、軸筒2、キャップ5、操作部22、クリップ等が挙げられる。
【0030】
本願の第12の発明は、熱変色性インキの像または筆跡を摩擦しその際に生じる摩擦熱で該像または筆跡を熱変色可能な低磨耗性の弾性材料からなる摩擦体3を備えた摩擦具6であって、有底筒状体からなる保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とを着脱自在に直接嵌合させ、前記保護部材4を摩擦体3に嵌合させた状態において、前記保護部材4の頂部が前記摩擦体3の頂部よりも外方に位置してなることを要件とする。
【0031】
前記第12の発明の摩擦具6は、摩擦体非使用時、ユーザーの指先との接触や、摩擦体3と収容体内面(例えば、ペンケースの内面、ペン立ての底面、または衣服のポケット内面)との接触を回避でき、摩擦体3に手垢や埃等が付着すること(即ち摩擦体が汚れること)を防止できる。
【0032】
また、前記第12の発明の摩擦具6は、保護部材4が有底筒状体であり、保護部材4を摩擦体3に嵌合させた状態において、保護部材4により摩擦体3の外周面が包囲される。それにより、摩擦体非使用時、ユーザーの指先や、摩擦体3と収容体内面(例えば、ペンケースの内面、ペン立ての底面、または衣服のポケット内面)との接触を確実に回避でき、摩擦体3が汚れることを確実に防止できる。
【0033】
また、前記の第12の発明の摩擦具6は、有底筒状体からなる保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とを着脱自在に直接嵌合させてなることにより、摩擦体非使用時、保護部材4の内周面と、低摩耗性の弾性材料からなる摩擦体3の外周面との安定した嵌合状態を維持でき、保護部材4が摩擦体3から不用意に脱落することを防止できる。前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面との嵌合は、例えば、圧入嵌合、凹凸嵌合、ネジ嵌合等が挙げられる。
尚、本発明の摩擦具6は、熱変色性インキ及び該熱変色性インキが吐出可能なペン先を備えない。
【0034】
本願の第13の発明は、前記第12の発明の摩擦具6において、前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とが着脱自在に嵌合する際、前記保護部材4の内部と外部とを連通する通気手段を備えたことを要件とする。
【0035】
前記第13の発明の摩擦具6は、前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とを着脱する際、保護部材4の内部を加圧・減圧せず、保護部材4を摩擦体3にスムーズに着脱させることができる。
【0036】
本願の第14の発明は、前記第13の発明の摩擦具6において、前記保護部材4が、頂壁と該頂壁に連設される筒状の側壁とからなる有底筒状体であり、前記保護部材4の頂壁または側壁に、前記通気手段としての通気孔42を設けたことを要件とする。
【0037】
前記第14の発明の摩擦具6は、前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とを着脱する際、前記通気孔42により、保護部材4の内部と外部とを確実に連通させることができる。
【0038】
本願の第15の発明は、前記第13の発明の摩擦具6において、前記保護部材4が、頂壁と該頂壁に連設される筒状の側壁とからなる有底筒状体であり、前記保護部材4の側壁の内周面と前記摩擦体3の外周面との間に、前記通気手段としての通気路を設けたことを要件とする。
【0039】
前記第15の発明の摩擦具6は、前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とを着脱する際、前記通気路により、保護部材4の内部と外部とを確実に連通させることができる。また、前記第15の発明の摩擦具6は、摩擦体非使用時、通気手段を備えたにもかかわらず、摩擦体3を、頂壁や側壁に通気孔を備えない有底筒状体の保護部材4で覆うことができ、保護部材4の内部に塵や埃の侵入を防ぎ、より一層、摩擦体3の汚れを回避できる。
【0040】
本願の第16の発明は、前記第12乃至15の発明の摩擦具6において、取り外された前記保護部材4を前記摩擦体以外の部位に着脱自在に設けたことを要件とする。
【0041】
前記第16の発明に摩擦具6は、摩擦体側から取り外された保護部材4の紛失を防ぐことができる。
【0042】
本発明において、前記摩擦体3を構成する弾性材料は、弾性を有する合成樹脂(ゴム、エラストマー)が好ましく、例えば、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体)、フッ素系樹脂、クロロプレン樹脂、ニトリル樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等が挙げられる。前記弾性を有する合成樹脂は、高摩耗性の弾性材料(例えば、消しゴム等)からなるものではなく、摩擦時に摩耗カス(消しカス)が殆ど生じない低摩耗性の弾性材料からなる。本発明において、前記保護部材4は、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ABS樹脂等)から構成されることが好ましい。
【0043】
本発明において、前記熱変色性インキは、加熱により変色または消色するタイプが好ましい。
【発明の効果】
【0044】
本発明の熱変色性筆記具は、非使用時、摩擦体が汚れることを回避できる。
【0045】
本発明の摩擦具は、非使用時、摩擦体が汚れることを回避できる。
【発明を実施するための形態】
【0047】
<第1の実施の形態の熱変色性筆記具>
図1乃至
図3に本発明の第1の実施の形態の熱変色性筆記具1を示す。
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、出没式の熱変色性筆記具である。
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、軸筒2と、前記軸筒2内に前後方向に移動可能に収容される筆記体と、前記筆記体のペン先21を軸筒2の前端孔より出没させる操作部22と、前記軸筒2の後端に設けた摩擦体3と、前記摩擦体側に着脱自在に装着される保護部材4とからなる。前記筆記体の内部には熱変色性インキを収容され、筆記体の前端には、前記熱変色性インキが吐出可能なペン先21が設けられる。
【0048】
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、前記軸筒2の後部側壁より前後方向に移動可能な操作部22(クリップ)を径方向外方に突設させ、前記操作部22を前方にスライド操作することにより前記筆記体のペン先21を軸筒2の前端孔から出没可能とする出没機構(サイドスライド式の出没機構)を備える。
【0049】
前記出没機構は、これ以外にも、軸筒後端に設けた操作部を前方に押圧することによりペン先が出没する後端ノック式、軸筒側壁外面より突出する操作部を径方向内方に押圧することによりペン先が出没するサイドノック式、軸筒後部の操作部を回転操作することによりペン先が出没する回転式等が挙げられる。
【0050】
前記軸筒2の後端には、低摩耗性の弾性材料(例えば、SBS樹脂、SEBS樹脂、シリコーン樹脂)よりなる摩擦体3が固着され、前記摩擦体3が軸筒2後端より後方に突出される。前記軸筒2は合成樹脂または金属により形成される。
【0051】
前記保護部材4は、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ABS樹脂等)の筒状体からなる。前記保護部材4の内周面と、前記摩擦体3の外周面とが着脱自在に直接嵌合される。前記摩擦体3と保護部材4との具体的な構成は、
図9乃至
図15の何れかの構成が採用される。
【0052】
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、摩擦体側に装着可能な保護部材4を着脱自在に備え、保護部材4を摩擦体側に装着した状態において、保護部材4の頂部が前記摩擦体3の頂部よりも外方に位置してなる。それにより、摩擦体非使用時、ユーザーの指先との接触や、摩擦体3と収容体内面(例えば、ペンケースの内面、ペン立ての底面、または衣服のポケット内面)との接触を回避でき、摩擦体3に手垢や埃等が付着すること(即ち摩擦体3が汚れること)を防止できる。
【0053】
また、本実施の形態の熱変色性筆記具1は、保護部材4が筒状であり、保護部材4を摩擦体側に装着した状態において、保護部材4により摩擦体3の外周面が包囲される。それにより、摩擦体非使用時、ユーザーの指先や、摩擦体3と収容体内面(例えば、ペンケースの内面、ペン立ての底面、または衣服のポケット内面)との接触を確実に回避でき、摩擦体3が汚れることを確実に防止できる。
【0054】
また、本実施の形態の熱変色性筆記具1は、保護部材4の内周面と摩擦体3の外周面とが着脱自在に直接嵌合してなることにより、摩擦体非使用時、筒状の保護部材4の内周面と、低摩耗性の弾性材料からなる摩擦体3の外周面との安定した嵌合状態を維持でき、保護部材4が摩擦体3から不用意に脱落することを防止できる。前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面との嵌合は、例えば、圧入嵌合(
図9)、凹凸嵌合(
図10)、ネジ嵌合(
図11)等が挙げられる。
【0055】
また、本実施の形態の熱変色性筆記具1は、軸筒2の後端に摩擦体3を備えるため、摩擦体3を保護部材4で覆った状態でペン先21による筆記することができ、摩擦体3の使用時のみ、保護部材4を摩擦体3から取り外して使用でき、非使用時の摩擦体3の汚れをできる限り回避できる。
【0056】
また、本実施の形態の熱変色性筆記具1は、摩擦体3より取り外された保護部材4を摩擦体以外の部位(例えば、軸筒、操作部、クリップ)に着脱自在に設けられる。本実施の形態では、具体的には、軸筒2の側壁に摩擦体係止部23を設け、該摩擦体係止部23に、摩擦体使用時、一時的に摩擦体3が係止される。それにより、摩擦体側から取り外された保護部材4の紛失を防ぐことができる。
【0057】
<第2の実施の形態の熱変色性筆記具>
図4乃至
図6に本発明の第2の実施の形態の熱変色性筆記具1を示す。
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、キャップ式の熱変色性筆記具である。
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、熱変色性インキを内部に収容した軸筒2と、前記軸筒2の前端に設けられ、前記熱変色性インキが吐出可能なペン先21と、前記軸筒2の後端に設けられた摩擦体3と、前記軸筒2のペン先側に着脱自在に装着されるキャップ5と、前記摩擦体側に着脱自在に装着される保護部材4とからなる。
【0058】
前記軸筒2の後端には、低摩耗性の弾性材料(例えば、SBS樹脂、SEBS樹脂、シリコーン樹脂)よりなる摩擦体3が固着され、前記摩擦体3が軸筒2後端より後方に突出される。前記軸筒2は合成樹脂または金属により形成される。
【0059】
前記保護部材4は、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ABS樹脂等)の筒状体からなる。前記保護部材4の内周面と、前記摩擦体3の外周面とが着脱自在に直接嵌合される。なお、前記摩擦体3と保護部材4との具体的な構成は、
図9乃至
図15の何れかの構成が採用される。
【0060】
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、摩擦体側に装着可能な保護部材4を着脱自在に備え、保護部材4を摩擦体側に装着した状態において、保護部材4の頂部が前記摩擦体3の頂部よりも外方に位置してなる。それにより、摩擦体非使用時、ユーザーの指先との接触や、摩擦体3と収容体内面(例えば、ペンケースの内面、ペン立ての底面、または衣服のポケット内面)との接触を回避でき、摩擦体3に手垢や埃等が付着すること(即ち摩擦体3が汚れること)を防止できる。
【0061】
また、本実施の形態の熱変色性筆記具1は、保護部材4が筒状であり、保護部材4を摩擦体側に装着した状態において、保護部材4により摩擦体3の外周面が包囲される。それにより、摩擦体非使用時、ユーザーの指先や、摩擦体3と収容体内面(例えば、ペンケースの内面、ペン立ての底面、または衣服のポケット内面)との接触を確実に回避でき、摩擦体3が汚れることを確実に防止できる。
【0062】
また、本実施の形態の熱変色性筆記具1は、保護部材4の内周面と摩擦体3の外周面とが着脱自在に直接嵌合してなることにより、摩擦体非使用時、筒状の保護部材4の内周面と、低摩耗性の弾性材料からなる摩擦体3の外周面との安定した嵌合状態を維持でき、保護部材4が摩擦体3から不用意に脱落することを防止できる。前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面との嵌合は、例えば、圧入嵌合(
図9)、凹凸嵌合(
図10)、ネジ嵌合(
図11)等が挙げられる。
【0063】
また、本実施の形態の熱変色性筆記具1は、軸筒2の後端に摩擦体3を備えるため、摩擦体3を保護部材4で覆った状態でペン先21による筆記することができ、摩擦体3の使用時のみ、保護部材4を摩擦体3から取り外して使用でき、非使用時の摩擦体3の汚れをできる限り回避できる。
【0064】
また、本実施の形態の熱変色性筆記具1は、前記軸筒2の前部外面及び後部外面に着脱自在に装着されるキャップ5を備え、前記キャップ5内面に、前記キャップ5内面と前記軸筒2後部外面とが嵌合する後ろ差し嵌合部51を設け、前記キャップ5内面の後ろ差し嵌合部51の内径が前記保護部材4の外径より大きく形成される。それにより、キャップ5を軸筒2後部に装着する際(即ちキャップ後ろ差し時)、保護部材4がキャップ5の後ろ差しを阻害せず、スムーズなキャップ装着が可能となる。
【0065】
また、本実施の形態の熱変色性筆記具1は、摩擦体3より取り外された保護部材4を摩擦体以外の部位(例えば、軸筒、キャップ、クリップ)に着脱自在に設けられる。本実施の形態では、具体的には、キャップ5の頂部に摩擦体係止部53を設け、該摩擦体係止部53に、摩擦体使用時、一時的に摩擦体3が係止される。それにより、摩擦体側から取り外された保護部材4の紛失を防ぐことができる。
【0066】
<第3の実施の形態の熱変色性筆記具>
図7及び
図8に本発明の第3の実施の形態の熱変色性筆記具1を示す。
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、キャップ式の熱変色性筆記具である。
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、熱変色性インキを内部に収容した軸筒2と、前記軸筒2の前端に設けられ、前記熱変色性インキが吐出可能なペン先21と、前記軸筒2のペン先側に装着可能なキャップ5と、前記キャップ5の頂部に固着された、前記摩擦体側に着脱自在に装着される保護部材4とからなる。
【0067】
前記キャップ5の頂部には、低摩耗性の弾性材料(例えば、SBS樹脂、SEBS樹脂、シリコーン樹脂)よりなる摩擦体3がキャップ5頂部の摩擦体保持部52に固着され、前記摩擦体3が摩擦体保持部52より外方に突出される。前記摩擦体3の頂壁外面は平面状となり、摩擦体3の側壁外面はストレート状(直円筒状)またはテーパ状となり、前記摩擦体3の頂壁と摩擦体3の側壁との間は、凸曲面状外面により接続される。前記頂壁の平面状外面、及び前記頂壁と摩擦体3の側壁との間の凸曲面状外面が、紙面上の熱変色性インキの筆跡を摩擦する摩擦部31となる。前記軸筒2は合成樹脂または金属により形成される。
【0068】
前記保護部材4は、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ABS樹脂等)の筒状体からなる。
【0069】
前記保護部材4と前記摩擦体3の取付構造は、前記保護部材4の内周面と前記摩擦体保持部52の外周面とが着脱自在に嵌合される構成、または、前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とが着脱自在に直接嵌合される構成、あるいは、前記保護部材4の内周面と前記摩擦体保持部52の外周面とが着脱自在に嵌合され、且つ、前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とが着脱自在に直接嵌合される構成が挙げられる。前記保護部材4の内周面と前記摩擦体保持部52の外周面との嵌合、及び前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面との嵌合は、例えば、圧入嵌合(
図9)、凹凸嵌合(
図10)、ネジ嵌合(
図11)等が挙げられる。
【0070】
また、保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とが着脱自在に嵌合する際、前記保護部材4の内部と外部とを連通する通気手段(例えば、
図12乃至
図15の構成)を設けることもできる。
【0071】
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、摩擦体側に装着可能な保護部材4を着脱自在に備え、保護部材4を摩擦体側に装着した状態において、保護部材4の頂部が前記摩擦体3の頂部よりも外方に位置してなる。それにより、摩擦体非使用時、ユーザーの指先との接触や、摩擦体3と収容体内面(例えば、ペンケースの内面、ペン立ての底面、または衣服のポケット内面)との接触を回避でき、摩擦体3に手垢や埃等が付着すること(即ち摩擦体3が汚れること)を防止できる。
【0072】
また、本実施の形態の熱変色性筆記具1は、保護部材4が筒状であり、保護部材4を摩擦体側に装着した状態において、保護部材4により摩擦体3の外周面が包囲される。それにより、摩擦体非使用時、ユーザーの指先や、摩擦体3と収容体内面(例えば、ペンケースの内面、ペン立ての底面、または衣服のポケット内面)との接触を確実に回避でき、摩擦体3が汚れることを確実に防止できる。
【0073】
また、本実施の形態の熱変色性筆記具1は、保護部材4の内周面と摩擦体3の外周面とが着脱自在に直接嵌合してなる場合、摩擦体非使用時、筒状の保護部材4の内周面と、低摩耗性の弾性材料からなる摩擦体3の外周面との安定した嵌合状態を維持でき、保護部材4が摩擦体3から不用意に脱落することを防止できる。
【0074】
また、本実施の形態の熱変色性筆記具1は、軸筒2の内部に熱変色性インキを収容し、前記軸筒2の前端に前記熱変色性インキが吐出可能なペン先21を設け、前記軸筒2の前部外面に着脱自在に装着されるキャップ5を備え、前記キャップ5の頂部外面に前記摩擦体3を設けたことにより、キャップ5をペン先側から取り外して、摩擦体3を保護部材4で覆った状態でペン先21による筆記することができ、摩擦体3の使用時のみ、保護部材4を摩擦体3から取り外して使用でき、非使用時の摩擦体3の汚れをできる限り回避できる。
【0075】
また、本実施の形態の熱変色性筆記具1は、摩擦体3より取り外された保護部材4を摩擦体以外の部位(例えば、軸筒、キャップ、クリップ)に着脱自在に設けられる。本実施の形態では、具体的には、軸筒2の後端に摩擦体係止部23を設け、該摩擦体係止部23に、摩擦体使用時、一時的に摩擦体3が係止される。それにより、摩擦体側から取り外された保護部材4の紛失を防ぐことができる。
【0076】
<第4の実施の形態の摩擦具>
図16及び
図17に本発明の第4の実施の形態の摩擦具6を示す。
本実施の形態の摩擦具6は、本体7と、前記本体7の一端に設けた摩擦体3と、前記摩擦体3に着脱自在に嵌合される保護部材4とからなる。
【0077】
前記本体7の一端には、低摩耗性の弾性材料(例えば、SBS樹脂、SEBS樹脂、シリコーン樹脂)よりなる摩擦体3が固着され、前記摩擦体3が本体7の一端より外方に突出される。前記本体7は合成樹脂または金属により形成される。前記本体7の形状は、柱状、筒状、棒状等、把持可能であれば、何れであってもよい。
【0078】
前記保護部材4は、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ABS樹脂等)の有底筒状体からなる。前記保護部材4の内周面と、前記摩擦体3の外周面とが着脱自在に直接嵌合される。前記摩擦体3と保護部材4との具体的な構成は、
図9乃至
図15の何れかの構成が採用される。
【0079】
本実施の形態の摩擦具6は、熱変色性インキの像または筆跡を摩擦しその際に生じる摩擦熱で該像または筆跡を熱変色可能な低磨耗性の弾性材料からなる摩擦体3を備えた摩擦具6であって、有底筒状体からなる保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とを着脱自在に直接嵌合させ、前記保護部材4を摩擦体3に嵌合させた状態において、前記保護部材4の頂部が前記摩擦体3の頂部よりも外方に位置してなる。それにより、摩擦体非使用時、ユーザーの指先との接触や、摩擦体3と収容体内面(例えば、ペンケースの内面、ペン立ての底面、または衣服のポケット内面)との接触を回避でき、摩擦体3に手垢や埃等が付着すること(即ち摩擦体が汚れること)を防止できる。
【0080】
また、本実施の形態の摩擦具6は、保護部材4が有底筒状体からなり、保護部材4を摩擦体3に嵌合させた状態において、保護部材4により摩擦体3の頂部及び外周面が包囲される。それにより、摩擦体非使用時、ユーザーの指先や、摩擦体3と収容体内面(例えば、ペンケースの内面、ペン立ての底面、または衣服のポケット内面)との接触を確実に回避でき、摩擦体3が汚れることを確実に防止できる。
【0081】
また、本実施の形態の摩擦具6は、有底筒状体からなる保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とを着脱自在に直接嵌合させてなることにより、摩擦体非使用時、筒状の保護部材4の内周面と、低摩耗性の弾性材料からなる摩擦体3の外周面との安定した嵌合状態を維持でき、保護部材4が摩擦体3から不用意に脱落することを防止できる。前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面との嵌合は、例えば、圧入嵌合(
図9)、凹凸嵌合(
図10)、ネジ嵌合(
図11)等が挙げられる。
尚、本発明の摩擦具6は、熱変色性筆記具を兼ねず、本体7内に熱変色性インキを備えないとともに、本体7の端部に熱変色性インキが吐出可能なペン先を備えない。
【0082】
また、本実施の形態の摩擦具6は、摩擦体3より取り外された保護部材4を摩擦体以外の部位(例えば、本体7の他端、本体7の側壁)に着脱自在に設けられる。本実施の形態では、具体的には、本体7の他端に摩擦体係止部71を設け、該摩擦体係止部71に、摩擦体使用時、一時的に摩擦体3が係止される。それにより、摩擦体側から取り外された保護部材4の紛失を防ぐことができる。
【0083】
<摩擦体と保護部材の第1の構成>
図9に摩擦体3と保護部材4の第1の構成を示す。本構成は、第1乃至第3の実施の形態の熱変色性筆記具1及び第4の実施の形態の摩擦具6に採用される。
摩擦体3の頂壁外面には、紙面上の熱変色性インキの筆跡を摩擦する摩擦部31が形成される。前記摩擦部31の側壁外周面には、保護部材4と嵌合される外側嵌合部32が形成される。摩擦体3の頂壁外面(摩擦部31)は凸曲面となり、摩擦体3の側壁外周面はストレート状(直円筒状)またはテーパ状となっている。
【0084】
保護部材4は、頂壁と該頂壁に連設される筒状の側壁とからなる一端が開口された有底筒状体(例えば有底円筒体)である。前記保護部材4の側壁内周面には、摩擦体3の外側嵌合部32と直接嵌合可能な内側嵌合部41が形成される。
【0085】
前記摩擦体3の外側嵌合部32はストレート状の外面からなり、前記保護部材4の内側嵌合部41がストレート状の内面からなり、前記摩擦体3の外側嵌合部32と前記保護部材4の内側嵌合部41とが着脱自在に圧入嵌合される。前記摩擦体3の内方(即ち摩擦体3の突出方向と反対側)には、段部8が形成され、前記摩擦体3の外側嵌合部32と前記保護部材4の内側嵌合部41とを圧入嵌合させた際、前記段部8と前記保護部材4の開口端または前記段部8と前記保護部材4の内壁とが当接される。前記段部8は、熱変色性筆記具1の場合は、軸筒2または摩擦体3に形成され、摩擦具6の場合、本体7または摩擦体3に形成される。
【0086】
<摩擦体と保護部材の第2の構成>
図10に摩擦体3と保護部材4の第2の構成を示す。本構成は、第1乃至第3の実施の形態の熱変色性筆記具1及び第4の実施の形態の摩擦具6に採用される。
摩擦体3の頂壁外面には、紙面上の熱変色性インキの筆跡を摩擦する摩擦部31が形成される。前記摩擦部31の側壁外周面には、保護部材4と嵌合される外側嵌合部32が形成される。摩擦体3の頂壁外面(摩擦部31)は凸曲面となり、摩擦体3の側壁外周面はストレート状(直円筒状)またはテーパ状となっている。
【0087】
保護部材4は、頂壁と該頂壁に連設される筒状の側壁とからなる一端が開口された有底筒状体(例えば有底円筒体)である。前記保護部材4の側壁内周面には、摩擦体3の外側嵌合部32と直接嵌合可能な内側嵌合部41が形成される。
【0088】
前記摩擦体3の外側嵌合部32は外向突起(例えば、環状突起または複数個の突起群)からなり、前記保護部材4の内側嵌合部41は内向突起(例えば、環状突起または複数個の突起群)からなり、前記摩擦体3の外側嵌合部32と前記保護部材4の内側嵌合部41とが着脱自在に凹凸嵌合(いわゆる乗り越え嵌合)される。前記摩擦体3の内方(即ち摩擦体3の突出方向と反対側)には、段部8が形成され、前記摩擦体3の外側嵌合部32と前記保護部材4の内側嵌合部41とを凹凸嵌合させた際、前記段部8と前記保護部材4の開口端または前記段部8と前記保護部材4の内壁とが当接される。前記段部8は、熱変色性筆記具1の場合は、軸筒2または摩擦体3に形成され、摩擦具6の場合、本体7または摩擦体3に形成される。
【0089】
<摩擦体と保護部材の第3の構成>
図11に摩擦体3と保護部材4の第3の構成を示す。本構成は、第1乃至第3の実施の形態の熱変色性筆記具1及び第4の実施の形態の摩擦具6に採用される。
摩擦体3の頂壁外面には、紙面上の熱変色性インキの筆跡を摩擦する摩擦部31が形成される。前記摩擦部31の側壁外周面には、保護部材4と嵌合される外側嵌合部32が形成される。摩擦体3の頂壁外面(摩擦部31)は凸曲面となり、摩擦体3の側壁外周面はストレート状(直円筒状)またはテーパ状となっている。
【0090】
保護部材4は、頂壁と該頂壁に連設される筒状の側壁とからなる一端が開口された有底筒状体(例えば有底円筒体)である。前記保護部材4の側壁内周面には、摩擦体3の外側嵌合部32と直接嵌合可能な内側嵌合部41が形成される。
【0091】
前記摩擦体3の外側嵌合部32はオネジ部からなり、前記保護部材4の内側嵌合部41はメネジ部からなり、前記摩擦体3の外側嵌合部32と前記保護部材4の内側嵌合部41とが着脱自在にネジ嵌合(即ち螺合)される。前記摩擦体3の内方(即ち摩擦体3の突出方向と反対側)には、段部8が形成され、前記摩擦体3の外側嵌合部32と前記保護部材4の内側嵌合部41とをネジ嵌合させた際、前記段部8と前記保護部材4の開口端または前記段部8と前記保護部材4の内壁とが当接される。前記段部8は、熱変色性筆記具1の場合は、軸筒2または摩擦体3に形成され、摩擦具6の場合、本体7または摩擦体3に形成される。
【0092】
<摩擦体と保護部材の第4の構成>
図12に摩擦体3と保護部材4の第4の構成を示す。本構成は、第1乃至第3の実施の形態の熱変色性筆記具1及び第4の実施の形態の摩擦具6に採用される。
摩擦体3の頂壁外面には、紙面上の熱変色性インキの筆跡を摩擦する摩擦部31が形成される。前記摩擦部31の側壁外周面には、保護部材4と嵌合される外側嵌合部32が形成される。摩擦体3の頂壁外面(摩擦部31)は凸曲面となり、摩擦体3の側壁外周面はストレート状(直円筒状)またはテーパ状となっている。
【0093】
保護部材4は、頂壁と該頂壁に連設される筒状の側壁とからなる有底筒状体(例えば有底円筒体)である。前記保護部材4の側壁内周面には、摩擦体3の外側嵌合部32と直接嵌合可能な内側嵌合部41が形成される。
【0094】
前記摩擦体3の外側嵌合部32はストレート状の外面(直円筒状外面)からなり、前記保護部材4の内側嵌合部41がストレート状の内面(直円筒状内面)からなり、前記摩擦体3の外側嵌合部32と前記保護部材4の内側嵌合部41とが着脱自在に圧入嵌合される。なお、本構成において、嵌合構造は、圧入嵌合(
図9)以外にも、凹凸嵌合(
図10)、ネジ嵌合(
図11)を採用することもできる。前記摩擦体3の内方(即ち摩擦体3の突出方向と反対側)には、段部8が形成され、前記摩擦体3の外側嵌合部32と前記保護部材4の内側嵌合部41とを嵌合させた際、前記段部8と前記保護部材4の開口端または前記段部8と前記保護部材4の内壁とが当接される。前記段部8は、熱変色性筆記具1の場合は、軸筒2または摩擦体3に形成され、摩擦具6の場合、本体7または摩擦体3に形成される。
【0095】
前記保護部材4が、頂壁と該頂壁に連設される筒状の側壁とからなる一端が開口された有底筒状体であり、前記保護部材4の頂壁及び/又は側壁に、前記通気手段としての通気孔42が形成される。前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とを着脱する際、前記通気孔42により、保護部材4の内部と外部とを確実に連通させることができる。それにより、前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とを着脱する際、保護部材4の内部を加圧・減圧せず、保護部材4を摩擦体3にスムーズに着脱させることができる。
【0096】
<摩擦体と保護部材の第5の構成>
図13に摩擦体3と保護部材4の第5の構成を示す。本構成は、第1乃至第3の実施の形態の熱変色性筆記具1及び第4の実施の形態の摩擦具6に採用される。
摩擦体3の頂壁外面には、紙面上の熱変色性インキの筆跡を摩擦する摩擦部31が形成される。前記摩擦部31の側壁外周面には、保護部材4と嵌合される外側嵌合部32が形成される。摩擦体3の頂壁外面(摩擦部31)は凸曲面となり、摩擦体3の側壁外周面はストレート状(直円筒状)またはテーパー状となっている。
【0097】
保護部材4は、両端が開口された筒状の側壁とからなる有底筒状体(例えば有底円筒体)である。前記保護部材4の側壁内周面には、摩擦体3の外側嵌合部32と直接嵌合可能な内側嵌合部41が形成される。
【0098】
前記摩擦体3の外側嵌合部32はストレート状外面(直円筒状の外面)からなり、前記保護部材4の内側嵌合部41がストレート状内面(直円筒状の内面)からなり、前記摩擦体3の外側嵌合部32と前記保護部材4の内側嵌合部41とが着脱自在に圧入嵌合される。前記保護部材4は、どちらの開口側からでも摩擦体3に嵌合できる。なお、本構成において、嵌合構造は、圧入嵌合(
図9)以外にも、凹凸嵌合(
図10)、ネジ嵌合(
図11)を採用することもできる。前記摩擦体3の内方(即ち摩擦体3の突出方向と反対側)には、段部8が形成され、前記摩擦体3の外側嵌合部32と前記保護部材4の内側嵌合部41とを嵌合させた際、前記段部8と前記保護部材4の開口端または前記段部8と前記保護部材4の内壁とが当接される。前記段部8は、熱変色性筆記具1の場合は、軸筒2または摩擦体3に形成され、摩擦具6の場合、本体7または摩擦体3に形成される。
【0099】
前記保護部材4は、摩擦体3に嵌合させる際、頂部が開口され、通気手段としての通気孔42が形成される。前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とを着脱する際、前記通気孔42により、保護部材4の内部と外部とを確実に連通させることができる。それにより、前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とを着脱する際、保護部材4の内部を加圧・減圧せず、保護部材4を摩擦体3にスムーズに着脱させることができる。
【0100】
<摩擦体と保護部材の第6の構成>
図14に摩擦体3と保護部材4の第6の構成を示す。本構成は、第1乃至第3の実施の形態の熱変色性筆記具1及び第4の実施の形態の摩擦具6に採用される。
摩擦体3の頂壁外面には、紙面上の熱変色性インキの筆跡を摩擦する摩擦部31が形成される。前記摩擦部31の側壁外周面には、保護部材4と嵌合される外側嵌合部32が形成される。摩擦体3の頂壁外面(摩擦部31)は凸曲面となり、摩擦体3の側壁外周面はストレート状(直円筒状)またはテーパー状となっている。
【0101】
保護部材4は、頂壁と該頂壁に連設される筒状の側壁とからなる有底筒状体(例えば有底円筒体)である。前記保護部材4の側壁内周面には、摩擦体3の外側嵌合部32と直接嵌合可能な内側嵌合部41が形成される。
【0102】
前記摩擦体3の外側嵌合部32はストレート状の外面(直円筒状の外面)からなり、前記保護部材4の内側嵌合部41がストレート状の内面(直円筒状の内面)からなり、前記摩擦体3の外側嵌合部32と前記保護部材4の内側嵌合部41とが着脱自在に圧入嵌合される。なお、本構成において、嵌合構造は、圧入嵌合(
図9)以外にも、凹凸嵌合(
図10)、ネジ嵌合(
図11)を採用することもできる。前記摩擦体3の内方(即ち摩擦体3の突出方向と反対側)には、段部8が形成され、前記摩擦体3の外側嵌合部32と前記保護部材4の内側嵌合部41とを嵌合させた際、前記段部8と前記保護部材4の開口端または前記段部8と前記保護部材4の内壁とが当接される。前記段部8は、熱変色性筆記具1の場合は、軸筒2または摩擦体3に形成され、摩擦具6の場合、本体7または摩擦体3に形成される。
【0103】
前記保護部材4の内側嵌合部41に軸方向の溝または突条43が形成される。それにより、前記保護部材4の側壁の内周面と前記摩擦体3の外周面との間に、前記通気手段としての通気路が形成される。前記通気路により、前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とを着脱する際、保護部材4の内部と外部とを確実に連通させることができる。その結果、前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とを着脱する際、保護部材4の内部を加圧・減圧せず、保護部材4を摩擦体3にスムーズに着脱させることができる。
【0104】
また、本構成は、摩擦体非使用時、通気手段を備えたにもかかわらず、摩擦体3を、頂壁や側壁に通気孔を備えない有底筒状体の保護部材4で覆うことができ、保護部材4の内部に塵や埃の侵入を防ぎ、より一層、摩擦体3の汚れを回避できる。
【0105】
<摩擦体と保護部材の第7の構成>
図15に摩擦体3と保護部材4の第7の構成を示す。本構成は、第1乃至第3の実施の形態の熱変色性筆記具1及び第4の実施の形態の摩擦具6に採用される。
摩擦体3の頂壁外面には、紙面上の熱変色性インキの筆跡を摩擦する摩擦部31が形成される。前記摩擦部31の側壁外周面には、保護部材4と嵌合される外側嵌合部32が形成される。摩擦体3の頂壁外面(摩擦部31)は凸曲面となり、摩擦体3の側壁外周面はストレート状(直円筒状)またはテーパー状となっている。
【0106】
保護部材4は、頂壁と該頂壁に連設される筒状の側壁とからなる有底筒状体(例えば有底円筒体)である。前記保護部材4の側壁内周面には、摩擦体3の外側嵌合部32と直接嵌合可能な内側嵌合部41が形成される。
【0107】
前記摩擦体3の外側嵌合部32はストレート状の外面(直円筒状の外面)からなり、前記保護部材4の内側嵌合部41がストレート状の内面(直円筒状の内面)からなり、前記摩擦体3の外側嵌合部32と前記保護部材4の内側嵌合部41とが着脱自在に圧入嵌合される。なお、本構成において、嵌合構造は、圧入嵌合(
図9)以外にも、凹凸嵌合(
図10)、ネジ嵌合(
図11)を採用することもできる。前記摩擦体3の内方(即ち摩擦体3の突出方向と反対側)には、段部8が形成され、前記摩擦体3の外側嵌合部32と前記保護部材4の内側嵌合部41とを嵌合させた際、前記段部8と前記保護部材4の開口端または前記段部8と前記保護部材4の内壁とが当接される。前記段部8は、熱変色性筆記具1の場合は、軸筒2または摩擦体3に形成され、摩擦具6の場合、本体7または摩擦体3に形成される。
【0108】
前記摩擦体3の外側嵌合部32には、軸方向の溝または突条33が形成される。それにより、前記保護部材4の側壁の内周面と前記摩擦体3の外周面との間に、前記通気手段としての通気路が形成される。前記通気路により、前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とを着脱する際、保護部材4の内部と外部とを確実に連通させることができる。その結果、前記保護部材4の内周面と前記摩擦体3の外周面とを着脱する際、保護部材4の内部を加圧・減圧せず、保護部材4を摩擦体3にスムーズに着脱させることができる。
【0109】
また、本構成は、摩擦体非使用時、通気手段を備えたにもかかわらず、摩擦体3を、頂壁や側壁に通気孔を備えない有底筒状体の保護部材4で覆うことができ、保護部材4の内部に塵や埃の侵入を防ぎ、より一層、摩擦体3の汚れを回避できる。
熱変色性インキが吐出可能なペン先と、前記熱変色性インキの筆跡を摩擦しその際に生じる摩擦熱で該筆跡を熱変色可能な低磨耗性の弾性材料からなる摩擦体とを備えた熱変色性筆記具であって、軸筒の内部に前記熱変色性インキを収容し、前記軸筒の前端に前記熱変色性インキが吐出可能な前記ペン先を設け、前記軸筒の後端に前記摩擦体を設け、前記摩擦体側に装着可能な保護部材を着脱自在に備え、前記保護部材を前記摩擦体側に装着した状態において、前記保護部材の頂部が前記摩擦体の頂部よりも外方に位置してなり、前記保護部材を前記摩擦体側から取り外した状態において、取り外された前記保護部材を前記軸筒の側壁又はクリップに着脱自在に設けることを特徴とする熱変色性筆記具。