【課題】挿入されたカードが簡単に引き抜かれるのを防止しつつ、カードの引抜きを防止する引抜き防止部材が故障等によって自動で動かなくなった場合には、カードを破損させることなくカードを引き抜くことが可能となるカードリーダを提供する。
【解決手段】このカードリーダは、カード通過路を閉鎖する閉位置8Aでカード2の引抜きを防止する引抜き防止部材8を備えている。引抜き防止部材8が閉位置8Aに配置されているときにカード通過路の一部を閉鎖するカード当接部8dには、カード2の手前端2aが当接可能な第1当接面8gと、第1当接面8gに繋がる第2当接面8hとが形成されている。第1当接面8gおよび第2当接面8hは、Z2方向側に向かうにしたがってX2方向側へ向かうように傾斜する傾斜面になっているが、Z方向に対する第1当接面8gの傾斜角度は、Z方向に対する第2当接面8hの傾斜角度よりも小さくなっている。
前記引抜き防止部材が前記閉位置に配置されているときの、前記第1当接面と前記第2当接面との境界部分と、前記カードの第2方向側の面との前記カードの厚さ方向の距離は、前記カードの厚さと略等しくなっていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のカードリーダ。
前記引抜き防止部材が前記閉位置に配置されているときの前記カードの厚さ方向における前記第1当接面の幅は、前記カードの厚さの2倍よりも広くなっていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のカードリーダ。
前記引抜き防止部材が前記閉位置に配置されている状態で前記カードの幅方向から見たときに、前記カードの厚さ方向に対する前記第2当接面の傾斜角度は、前記カードの厚さ方向に対する前記第1当接面の傾斜角度の10倍以上で11倍以下となっていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のカードリーダ。
前記カードリーダに前記カードが挿入され、かつ、前記引抜き防止部材が前記閉位置に配置されている状態で、前記カードリーダから前記カードを引き抜くときの前記カードの引抜力は、1.5kg以上で3.5kg以下となっていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のカードリーダ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、特許文献1に記載のカードリーダでは、レバー部材によって、カードリーダに挿入されたカードの引抜きを確実に防止することが可能になっている。一方で、特許文献1に記載のカードリーダでは、カードリーダにカードが挿入された後、ソレノイドの故障等の何らかの原因によって、閉位置にあるレバー部材を開位置へ自動で回動させることができなくなった場合に、カードリーダからカードを引き抜くことは困難である。また、カードリーダからカードを強引に引き抜こうとすると、カードが破損するおそれがある。
【0007】
すなわち、特許文献1に記載のカードリーダでは、カードリーダにカードが挿入された後、閉位置にあるレバー部材を開位置へ自動で回動させることができなくなった場合に、ユーザが、カードを破損させることなく、カードリーダからカードを引き抜くことは非常に困難である。なお、特許文献1に記載のカードリーダでは、カードリーダにカードが挿入された後、閉位置にあるレバー部材を開位置へ自動で回動させることができなくなった場合に、カードリーダからカードを強引に引き抜こうとすると、カードリーダが損傷するおそれもある。
【0008】
そこで、本発明の課題は、挿入されたカードが簡単に引き抜かれるのを防止しつつ、カードの引抜きを防止する引抜き防止部材が故障等によって自動で動かなくなった場合には、カードを破損させることなくカードを引き抜くことが可能となるカードリーダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明のカードリーダは、カードに記録されたデータの読取りおよびカードへのデータの記録の少なくともいずれか一方を行うカードリーダにおいて、カードが通過するカード通過路と、カード通過路を閉鎖する閉位置とカード通過路を開放する開位置との間で移動可能に構成されカードリーダに挿入されたカードの引抜きを閉位置で防止する引抜き防止部材と、閉位置と開位置との間で引抜き防止部材を移動させる移動機構とを備え、カード通過路を通過するカードの通過方向とカード通過路を通過するカードの厚さ方向とに直交する方向をカードの幅方向とし、カードリーダへのカードの挿入方向側を奥側とし、カードリーダからのカードの引抜き方向側を手前側とし、カードの厚さ方向の一方側を第1方向側とし、カードの厚さ方向の他方側を第2方向側とすると、引抜き防止部材は、引抜き防止部材が閉位置に配置されているときに、カード通過路の一部を閉鎖するカード当接部を備え、カード当接部は、引抜き防止部材が開位置から閉位置へ移動するときに第2方向側に向かって移動し、カード当接部には、引抜き防止部材が閉位置に配置されているときにカードリーダに挿入されたカードの手前端が当接可能な第1当接面と、第1当接面に繋がるとともに第1当接面よりも第2方向側に配置される第2当接面とが形成され、第1当接面および第2当接面は、引抜き防止部材が閉位置に配置されている状態でカードの幅方向から見たときに、第2方向側に向かうにしたがって手前側へ向かうように傾斜する傾斜面になっており、引抜き防止部材が閉位置に配置されている状態でカードの幅方向から見たときに、カードの厚さ方向に対する第1当接面の傾斜角度は、カードの厚さ方向に対する第2当接面の傾斜角度よりも小さくなっていることを特徴とする。
【0010】
本発明のカードリーダでは、カード通過路の一部を閉鎖するカード当接部に、引抜き防止部材が閉位置に配置されているときにカードリーダに挿入されたカードの手前端が当接可能な第1当接面と、第1当接面に繋がるとともに第1当接面よりも第2方向側に配置される第2当接面とが形成されている。第1当接面および第2当接面は、引抜き防止部材が閉位置に配置されている状態でカードの幅方向から見たときに、第2方向側に向かうにしたがって手前側へ向かうように傾斜する傾斜面になっているが、引抜き防止部材が閉位置に配置されている状態でカードの幅方向から見たときに、カードの厚さ方向に対する第1当接面の傾斜角度は、カードの厚さ方向に対する第2当接面の傾斜角度よりも小さくなっている。そのため、本発明では、引抜き防止部材が閉位置に配置されているときにカードの厚さ方向に対する傾斜角度が小さくなっている第1当接面を用いて、カードリーダに挿入されたカードが簡単に引き抜かれるのを防止することが可能になる。
【0011】
また、本発明では、カード当接部は、引抜き防止部材が開位置から閉位置へ移動するときに第2方向側に向かって移動し、第1当接面は、引抜き防止部材が閉位置に配置されているときに、第2方向側に向かうにしたがって手前側へ向かうように傾斜する傾斜面になっている。そのため、本発明では、引抜き防止部材が閉位置に配置されている状態で、カードリーダから引き抜かれるカードの手前端が第1当接面に当接すると、カード当接部が第1方向側へ向かう方向の力が引抜き防止部材に作用する。したがって、本発明では、引抜き防止部材が閉位置に配置されている状態で、カードリーダに挿入されたカードをある程度の力で引き抜こうとすれば、カード当接部を第1方向側に向かって移動させ始めることが可能になる。
【0012】
また、カード当接部が第1方向側に向かって移動し始めると、第1当接面に当接していたカードの手前端を第2当接面に当接させることが可能になる。カードの厚さ方向に対する第2当接面の傾斜角度は、カードの厚さ方向に対する第1当接面の傾斜角度より大きくなっているため、カードの手前端が第2当接面に当接した後は、比較的小さな力でカードを引き抜こうとしても、第1方向側に向かってカード当接部を移動させることが可能になる。このように本発明では、引抜き防止部材が閉位置に配置されている状態で、カードリーダに挿入されたカードをある程度の力で引き抜こうとすれば、カード当接部を第1方向側に向かって移動させることが可能になるため、引抜き防止部材が移動機構の故障等によって自動で動かなくなった場合には、カードを破損させることなくカードリーダからカードを引き抜くことが可能になる。
【0013】
本発明において、カードリーダは、移動機構が取り付けられる本体フレームを備え、移動機構は、カード通過路よりも第1方向側に配置されるとともに、移動機構の奥端側部分が本体フレームに固定されていることが好ましい。
【0014】
このように構成すると、移動機構の手前端側部分が本体フレームに固定されていないため、カードリーダから引き抜かれるカードの手前端が第1当接面に当接したときに、移動機構の手前端側部分を第1方向側へ移動させやすくなり、移動機構および引抜き防止部材を第1方向側へ移動させやすくなる。すなわち、カードリーダから引き抜かれるカードの手前端が第1当接面に当接したときに、カード当接部を第1方向側へ移動させやすくなる。したがって、引抜き防止部材が移動機構の故障等によって自動で動かなくなった場合にカードリーダからカードを引き抜くときのカードの破損を効果的に防止することが可能になる。また、カードリーダの損傷を効果的に防止することが可能になる。
【0015】
本発明において、たとえば、引抜き防止部材は、閉位置と開位置との間で回動可能に構成され、移動機構は、引抜き防止部材の回動中心となる回動中心軸と、回動中心軸を支持する軸支持部材とを備え、回動中心軸の軸方向は、カードの幅方向と一致しており、回動中心軸は、カード当接部よりも奥側に、かつ、カード通過路よりも第1方向側に配置されるとともに、軸支持部材の手前端側部分に支持され、軸支持部材の奥端側部分が本体フレームに固定されている。
【0016】
この場合には、軸支持部材の手前端側部分が本体フレームに固定されていないため、カードリーダから引き抜かれるカードの手前端が第1当接面に当接したときに、軸支持部材の手前端側部分を第1方向側へ移動させやすくなり、回動中心軸および引抜き防止部材を第1方向側へ移動させやすくなる。すなわち、カードリーダから引き抜かれるカードの手前端が第1当接面に当接したときに、カード当接部を第1方向側へ移動させやすくなる。したがって、引抜き防止部材が移動機構の故障等によって自動で動かなくなった場合にカードリーダからカードを引き抜くときのカードの破損を効果的に防止することが可能になる。また、カードリーダの損傷を効果的に防止することが可能になる。
【0017】
本発明において、回動中心軸の一端側は、軸支持部材に支持され、本体フレームには、回動中心軸の他端側を支持するとともに回動中心軸の他端側の第1方向側への移動を規制する軸支持部が形成されていることが好ましい。このように構成すると、カードリーダから引き抜かれるカードの手前端が第1当接面に当接したときに、軸支持部材の手前端側部分を第1方向側へ移動させやすくなっていても、カードを引き抜こうとする力が弱い場合には、回動中心軸および引抜き防止部材が第1方向側へ移動するのを防止することが可能になる。したがって、カードを引き抜こうとする力が弱い場合には、第1方向側に向かってカード当接部が移動するのを防止することが可能になり、その結果、カードリーダに挿入されたカードが簡単に引き抜かれるのを防止することが可能になる。
【0018】
本発明において、引抜き防止部材が閉位置に配置されているときの、第1当接面と第2当接面との境界部分と、カードの第2方向側の面とのカードの厚さ方向の距離は、カードの厚さと略等しくなっていることが好ましい。このように構成すると、カード当接部が第1方向側に向かって移動し始めたときに、第1当接面に当接していたカードの手前端を第2当接面に当接させやすくなる。
【0019】
本発明において、引抜き防止部材が閉位置に配置されているときのカードの厚さ方向における第1当接面の幅は、たとえば、カードの厚さの2倍よりも広くなっている。
【0020】
本発明において、引抜き防止部材が閉位置に配置されている状態でカードの幅方向から見たときに、カードの厚さ方向に対する第2当接面の傾斜角度は、たとえば、カードの厚さ方向に対する第1当接面の傾斜角度の10倍以上で11倍以下となっている。
【0021】
本発明において、カードリーダにカードが挿入され、かつ、引抜き防止部材が閉位置に配置されている状態で、カードリーダからカードを引き抜くときのカードの引抜力は、たとえば、1.5kg以上で3.5kg以下となっている。この場合には、カードリーダにカードが挿入され、かつ、引抜き防止部材が閉位置に配置されている状態で、カードリーダに挿入されたカードを親指と人差指とで摘まんで簡単に引き抜くことはできないが、引抜き防止部材が移動機構の故障等によって自動で動かなくなれば、親指と人差指とでカードを摘まんでカードを引き抜くことが可能になる。
【0022】
本発明において、カード当接部の奥端面は、第1当接面と第2当接面とによって構成され、カード当接部の第2方向端面と第2当接面との境界部分、および、第1当接面と第2当接面との境界部分には、R加工が施されていることが好ましい。このように構成すると、引抜き防止部材が自動で動かなくなった場合にカードを引き抜くときの、カードの傷の発生を抑制することが可能になる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明では、カードリーダに挿入されたカードが簡単に引き抜かれるのを防止しつつ、カードの引抜きを防止する引抜き防止部材が故障等によって自動で動かなくなった場合には、カードを破損させることなくカードリーダからカードを引き抜くことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0026】
(カードリーダの全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるカードリーダ1の構造を説明するための平面図である。
図2は、
図1に示すカードリーダ1の一部分の斜視図である。
図3は、
図1に示すカードリーダ1の構造を説明するための縦断面図である。
図4は、
図1に示すIC接点ブロック6の動作を説明するための側面図である。
【0027】
本形態のカードリーダ1は、ユーザが手動でカード2を操作して、カード2に記録されたデータの読取りおよびカード2へのデータの記録の少なくともいずれか一方を行うための装置である。具体的には、カードリーダ1は、カードリーダ1へのカード2の挿入とカードリーダ1からのカード2の引抜きとを手動で行ってデータの読取りや記録を行ういわゆるディップ式のカードリーダである。このカードリーダ1は、所定の上位装置(図示省略)に搭載されて使用される。
【0028】
図3に示すように、カードリーダ1には、カード2が通過するカード通過路3が形成されている。カードリーダ1は、内部にカード通過路3が形成される本体フレーム4と、複数のIC接点バネ5を有するIC接点ブロック6と、磁気ヘッド7とを備えている。また、カードリーダ1は、カードリーダ1に挿入されたカード2の引抜きを防止する引抜き防止部材としてのレバー部材8と、レバー部材8を移動させる移動機構9とを備えている。
【0029】
本形態では、
図1等に示すX方向にカード2が通過する。具体的には、X1方向にカード2が挿入され、X2方向にカード2が引き抜かれる。すなわち、X方向は、カード通過路3を通過するカード2の通過方向であり、X1方向側は、カードリーダ1へのカード2の挿入方向側であり、X2方向側は、カードリーダ1からのカード2の引抜き方向側である。また、X方向に直交する
図1等のZ方向は、カード通過路3を通過するカード2の厚さ方向であり、X方向とZ方向とに直交する
図1等のY方向は、カード通過路3を通過するカード2の幅方向である。
【0030】
以下の説明では、X方向を「前後方向」、Y方向を「左右方向」、Z方向を「上下方向」とする。また、X1方向側を「奥(後ろ)」側、X2方向側を「手前(前)」側、Z1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。本形態では、上側(Z1方向側)は、カード2の厚さ方向の一方側である第1方向側であり、下側(Z2方向側)は、カード2の厚さ方向の他方側である第2方向側である。
【0031】
カード2は、厚さが0.7〜0.8mm程度の略長方形状の塩化ビニール製のカードである。このカード2は、国際規格やJIS規格に準拠したカードである。カード2の裏面には、磁気データが記録される磁気ストライプが形成されている。また、カード2には、ICチップが内蔵されており、カード2のおもて面には、ICチップの外部接続端子が形成されている。カード2は、カード2のおもて面が上側を向くとともにカード2の長手方向が前後方向と略一致した状態でカードリーダ1に挿入される。
【0032】
図1に示すように、カードリーダ1の手前端側の一部分は、ユーザによるカード2の挿入およびカード2の引抜きが可能となるように切り欠かれた切欠部13となっている。具体的には、上下方向から見たときの形状が略U形状となる切欠部13が、本体フレーム4の手前端から奥側に向かって切り欠かれるように形成されている。また、左右方向では、本体フレーム4の中間位置に切欠部13が形成されており、左右方向における切欠部13の両側には、突出部14、15が形成されている。切欠部13の左右方向の幅は、ユーザの指が入る広さとなっている。
【0033】
図3に示すように、カード通過路3は、左右方向から見たときの形状が直線状となるように形成されている。カード通過路3の手前端は、カード2が挿入される挿入口16となっている。すなわち、突出部14、15の手前端に挿入口16が形成されている。磁気ヘッド7は、突出部14の手前端部分に配置されている。また、磁気ヘッド7は、磁気ヘッド7のギャップが下側からカード通過路3に臨むように配置されている。
【0034】
IC接点ブロック6は、カードリーダ1の奥端側部分に配置されている。また、IC接点ブロック6は、IC接点バネ5が上側からカード通過路3に臨むように配置されており、IC接点ブロック6は、カード通過路3の上側に配置されている。
図4に示すように、IC接点ブロック6の奥端には、カード2の先端(奥端)が係合するカード係合部6aが形成されている。
【0035】
また、IC接点ブロック6は、平行リンク機構18を介して本体フレーム4の上面側部分に連結されており、前後方向にスライドしながら上下動する。具体的には、IC接点ブロック6は、
図4(B)に示すように、奥側に移動すると下降し、
図4(A)に示すように、手前側に移動すると上昇する。また、IC接点ブロック6は、引張りコイルバネ19によって手前側に付勢されている。なお、本体フレーム4に形成されるガイド溝にIC接点ブロック6の一部が係合するとともに、このガイド溝に案内されて、IC接点ブロック6が前後方向にスライドしながら上下動しても良い。
【0036】
本形態では、カードリーダ1の奥側へ挿入されたカード2の先端がIC接点ブロック6のカード係合部6aに係合すると、IC接点ブロック6が奥側にスライドしながら下降して、カード2の外部接続端子に複数のIC接点バネ5が接触する(
図4(B)参照)。また、奥側に挿入されたカード2が手前側に引き抜かれると、カード2のおもて面からIC接点バネ5が離れるように、引張りコイルバネ19の付勢力によって、IC接点ブロック6が手前側にスライドしながら上昇する(
図4(A)参照)。
【0037】
なお、本形態では、IC接点ブロック6が奥側にスライドしながら下降してカード2の外部接続端子に複数のIC接点バネ5が接触し、カード2が奥側へ移動できなくなったときのカード2の位置(
図4(B)に示す位置)が、カード2の外部接続端子とカードリーダ1とが通信を行うときの設計上のカード2の位置である。
【0038】
(レバー部材および移動機構の構成)
図5は、
図3に示すレバー部材8および軸支持部材25の一部等を示す図である。
図6は、
図5のE部の拡大図である。
【0039】
レバー部材8は、カード通過路3を閉鎖する閉位置8A(
図3に示す位置および
図5の実線で示す位置)とカード通過路3を開放する開位置8B(
図2に示す位置および
図5の二点鎖線で示す位置)との間で移動可能となっている。具体的には、レバー部材8は、閉位置8Aと開位置8Bとの間で回動可能となっている。レバー部材8は、カードリーダ1に挿入されたカード2の引抜きを閉位置8Aで防止する。移動機構9は、閉位置8Aと開位置8Bとの間でレバー部材8を回動させる。この移動機構9は、本体フレーム4に取り付けられている。また、移動機構9は、カード通過路3よりも上側に配置されている。
【0040】
移動機構9は、ソレノイド21と、ソレノイド21のプランジャ21aに固定される固定ピン22と、レバー部材8の回動中心となる回動中心軸24と、回動中心軸24を支持する軸支持部材25とを備えている。ソレノイド21は、プランジャ21aが手前側へ突出するように本体フレーム4に固定されている。固定ピン22は、固定ピン22の軸方向と左右方向とが一致するように配置されている。また、固定ピン22は、固定ピン22の左右の両端側部分がプランジャ21aから突出するようにプランジャ21aに固定されている。回動中心軸24は、回動中心軸24の軸方向と左右方向とが一致するように配置されている。すなわち、回動中心軸24の軸方向は、カード2の幅方向と一致している。
【0041】
軸支持部材25は、鋼板等の金属製の板状部材が所定形状に折り曲げられることで形成されている。この軸支持部材25は、カード通過路3よりも上側に配置されている。軸支持部材25は、左右方向においてソレノイド21のプランジャ21aを挟むように配置される2個の側面部25a、25bを備えている。側面部25a、25bは、左右方向に直交する平板状に形成されている。側面部25aは、左右方向におけるカードリーダ1の一端側に配置され、側面部25bは、左右方向におけるカードリーダ1の中心側に配置されている。
【0042】
前後方向における側面部25aの長さは、前後方向における側面部25bの長さよりも長くなっている。側面部25aの奥端は、ソレノイド21の本体部の奥端よりも奥側に配置されている。一方、側面部25bの奥端は、ソレノイド21の本体部の手前端よりも手前側に配置されている。側面部25aの下端と側面部25bの下端とは、底面部25c(
図1参照)によって繋がれている。側面部25a、25bには、固定ピン22の左右の両端側部分のそれぞれが挿通されるガイド溝25dが形成されている。ガイド溝25dは、前後方向を長手方向とする長孔状に形成されている。
【0043】
側面部25aの奥端側には、本体フレーム4に固定される被固定部25eが繋がっている。被固定部25eは、上下方向に直交する平板状に形成されており、側面部25aの奥端側部分の上端に繋がっている。この被固定部25eは、ソレノイド21の奥側に配置されている。被固定部25eは、ネジ26によって本体フレーム4に固定されている。すなわち、軸支持部材25の奥端側部分がネジ26によって本体フレーム4に固定されており、移動機構9の奥端側部分が本体フレーム4に固定されている。
【0044】
本形態では、軸支持部材25の奥端側部分の1箇所が本体フレーム4に固定されており、軸支持部材25の手前端側部分は、本体フレーム4に固定されていない。すなわち、移動機構9の奥端側部分の1箇所が本体フレーム4に固定されており、移動機構9の手前端側部分は、本体フレーム4に固定されていない。
【0045】
回動中心軸24は、カード通過路3よりも上側に配置されている。また、回動中心軸24は、ソレノイド21のプランジャ21aよりも手前側に配置されている。回動中心軸24の一端側は、軸支持部材25の手前端側部分に支持されている。具体的には、回動中心軸24の一端側は、側面部25aの手前端側部分に支持されている。側面部25aの手前端側部分には、回動中心軸24の一端側が挿通される貫通穴が形成されている。この貫通穴は、ガイド溝25dよりも前側に形成されている。
【0046】
回動中心軸24の他端側は、本体フレーム4に形成される軸支持部4aに支持されている。すなわち、本体フレーム4には、回動中心軸24の他端側を支持する軸支持部4aが形成されている。軸支持部4aには、奥端が開口する略U形状の凹部が形成されており、回動中心軸24の他端側は、この凹部に嵌っている。
【0047】
本形態では、回動中心軸24の他端側の上端が凹部の上側面に接触し、回動中心軸24の他端側の下端と凹部の下側面との間には隙間が形成されている。すなわち、軸支持部4aによって、回動中心軸24の他端側の上側への移動が規制されている。また、回動中心軸24の他端側の手前端は凹部の前側面に接触し、軸支持部4aの凹部の奥端に形成される開口部の上下方向の幅は、回動中心軸24の他端側の外径よりも大きくなっている。すなわち、軸支持部4aによって、回動中心軸24の他端側の前側への移動が規制されている。
【0048】
レバー部材8は、鋼板等の金属製の板状部材が所定形状に折り曲げられることで形成されている。このレバー部材8は、回動中心軸24に回動可能に保持されており、左右方向を回動の軸方向として、かつ、回動中心軸24を中心にして回動可能となっている。また、レバー部材8は、回動中心軸24に支持される回動中心部8aと、回動中心部8aから手前側に向かって延びる延出部8bと、延出部8bの手前端から下側へ延びるカード当接部8dと、回動中心部8aから奥側に向かって延びるカム溝形成部8eとを備えている。
【0049】
回動中心部8aは、前後両端側と下側とが開口する略角溝状に形成されている。回動中心部8aには、回動中心軸24が挿通されている。回動中心部8aは、カード当接部8dよりも奥側に配置されているため、回動中心軸24は、カード当接部8dよりも奥側に配置されている。回動中心部8aは、カード通過路3よりも上側に配置されている。
【0050】
カム溝形成部8eは、略長方形の平板状に形成されている。このカム溝形成部8eは、カム溝形成部8eの厚さ方向と左右方向とが一致するように配置されている。カム溝形成部8eの手前端は、回動中心部8aの左右方向の一端に繋がっている。また、カム溝形成部8eは、軸支持部材25の側面部25bと隣り合うように、左右方向におけるカードリーダ1の中心側に配置されている。カム溝形成部8eには、固定ピン22の左右方向の一端側部分が挿通されるカム溝8fが形成されている。カム溝形成部8eは、カード通過路3よりも上側に配置されている。
【0051】
延出部8bは、前後方向に細長い略長方形の平板に形成されている。この延出部8bは、延出部8bの厚さ方向と左右方向とが一致するように配置されている。延出部8bの奥端は、回動中心部8aの左右方向の他端に繋がっている。延出部8bは、カード通過路3よりも上側に配置されている。
【0052】
図3に示すように、カード当接部8dは、レバー部材8が閉位置8Aに配置されているときに、カード通過路3の一部を閉鎖している。具体的には、カード当接部8dは、レバー部材8が閉位置8Aに配置されているときに、突出部14の手前側部分に形成されるカード通過路3の一部を閉鎖している。上述のように、延出部8bは、カード通過路3よりも上側に配置されており、カード当接部8dは、レバー部材8が開位置8Bから閉位置8Aへ移動するときに上側から下側に向かって移動する。
【0053】
カード当接部8dには、レバー部材8が閉位置8Aに配置されているときに、カードリーダ1に挿入されたカード2の手前端2a(
図5、
図6参照)が当接可能な第1当接面8gと、第1当接面8gに繋がるとともに第1当接面8gよりも下側に配置される第2当接面8hとが形成されている。すなわち、カード当接部8dの奥端面には、第1当接面8gと第2当接面8hとが形成されている。本形態では、第1当接面8gと第2当接面8hとによってカード当接部8dの奥端面が構成されている。
【0054】
第1当接面8gおよび第2当接面8hは、レバー部材8が閉位置8Aに配置されている状態で左右方向から見たときに、
図6に示すように、下側に向かうにしたがって手前側へ向かうように傾斜する傾斜面となっている。また、レバー部材8が閉位置8Aに配置されている状態で左右方向から見たときに、上下方向に対する第1当接面8gの傾斜角度θ1は、上下方向に対する第2当接面8hの傾斜角度θ2よりも小さくなっている。具体的には、レバー部材8が閉位置8Aに配置されている状態で左右方向から見たときに、傾斜角度θ2は、傾斜角度θ1の10倍以上で11倍以下となっている。本形態の傾斜角度θ1は、約4°となっており、傾斜角度θ2は、約40°となっている。
【0055】
また、本形態では、レバー部材8が閉位置8Aに配置されているときの、第1当接面8gと第2当接面8hとの境界部分とカード2の下面との上下方向の距離L(
図6参照)は、カード2の厚さtと略等しくなっている。たとえば、厚さtは、0.76(mm)となっており、距離Lは、0.75(mm)となっている。また、レバー部材8が閉位置8Aに配置されているときの上下方向における第1当接面8gの幅H1(
図6参照)は、カード2の厚さの2倍よりも広くなっている。また、レバー部材8が閉位置8Aに配置されているときの上下方向における第2当接面8hの幅H2(
図6参照)は、たとえば、1.2(mm)となっている。
【0056】
図6に示すように、第1当接面8gと第2当接面8hとの境界部分には、R加工が施されている。また、カード当接部8dの下端面8kと第2当接面8hとの境界部分にも、R加工が施されている。すなわち、第1当接面8gと第2当接面8hとの境界部分、および、下端面8kと第2当接面8hとの境界部分は、滑らかな凸曲面状に形成されている。
【0057】
上述のように、ソレノイド21のプランジャ21aに固定される固定ピン22の左右の両端側部分は、軸支持部材25のガイド溝25dに挿通されており、プランジャ21aはガイド溝25dに沿って前後方向へ移動する。また、固定ピン22の左右方向の一端側部分は、レバー部材8のカム溝8fに挿通されており、プランジャ21aが前後方向へ移動すると、回動中心軸24を中心にして、閉位置8Aと開位置8Bとの間でレバー部材8が回動する。本形態では、カード2の外部接続端子に複数のIC接点バネ5が接触して奥側へ移動できなくなった状態のカード2の手前端2aと、閉位置8Aと開位置8Bとの間で移動する第1当接面8gとの間には隙間が形成されている。
【0058】
カードリーダ1にカード2が挿入されていない待機時には、レバー部材8は、開位置8Bにある。また、カードリーダ1は、カード通過路3の奥側までカード2が挿入されたことを検知するための検知機構を備えており、この検知機構での検知結果に基づいてカード通過路3の奥側までカード2が挿入されたことが検知されると、レバー部材8は、開位置8Bから閉位置8Aへ移動する。
【0059】
レバー部材8が閉位置8Aにあるときには、上述のように、レバー部材8は、カードリーダ1に挿入されたカード2の引抜きを防止する。具体的には、レバー部材8は、カード2の外部接続端子とIC接点バネ5とが接触してデータの読取りや記録(通信)を行っているときのカード2の引抜きを防止する。また、カードリーダ1とカード2との間の通信が終了して、カードリーダ1でのカード2の処理が終了すると、レバー部材8は、閉位置8Aから開位置8Bへ移動する。
【0060】
本形態では、カードリーダ1にカード2が挿入され、かつ、レバー部材8が閉位置8Aに配置されている状態で、カードリーダ1からカード2を引き抜くときのカード2の引抜力は、1.5kg以上で3.5kg以下となっている。具体的には、カードリーダ1にカード2が挿入され、かつ、レバー部材8が閉位置8Aに配置されている状態で、カードリーダ1からカード2を引き抜くときのカード2の引抜力は、2kg以上で3kg以下となっている。なお、第1当接面8gと第2当接面8hとの境界の位置を変更することで、カードリーダ1にカード2が挿入され、かつ、レバー部材8が閉位置8Aに配置されている状態で、カードリーダ1からカード2を引き抜くときのカード2の引抜力を任意に設定することが可能である。
【0061】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、カード通過路3の一部を閉鎖するカード当接部8dに、レバー部材8が閉位置8Aに配置されているときにカードリーダ1に挿入されたカード2の手前端2aが当接可能な第1当接面8gと、第1当接面8gに繋がるとともに第1当接面8gよりも下側に配置される第2当接面8hとが形成されている。第1当接面8gおよび第2当接面8hは、レバー部材8が閉位置8Aに配置されている状態で左右方向から見たときに、下側に向かうにしたがって手前側へ向かうように傾斜する傾斜面となっているが、レバー部材8が閉位置8Aに配置されている状態で左右方向から見たときに、上下方向に対する第1当接面8gの傾斜角度θ1は、上下方向に対する第2当接面8hの傾斜角度θ2よりも小さくなっている。そのため、本形態では、レバー部材8が閉位置8Aに配置されているときに上下方向に対する傾斜角度θ1が小さくなっている第1当接面8gを用いて、カードリーダ1に挿入されたカード2が簡単に引き抜かれるのを防止することが可能になる。
【0062】
また、本形態では、カード当接部8dは、レバー部材8が開位置8Bから閉位置8Aへ移動するときに上側から下側に向かって移動し、第1当接面8gは、レバー部材8が閉位置8Aに配置されているときに、下側に向かうにしたがって手前側へ向かうように傾斜する傾斜面になっている。そのため、本形態では、レバー部材8が閉位置8Aに配置されている状態で、カードリーダ1から引き抜かれるカード2の手前端2aが第1当接面8gに当接すると、カード当接部8dが上側へ向かう方向の力がレバー部材8に作用する。したがって、本形態では、レバー部材8が閉位置8Aに配置されている状態で、カードリーダ1に挿入されたカード2をある程度の力で引き抜こうとすれば、カード当接部8dを上側に向かって移動させ始めることが可能になる。
【0063】
また、カード当接部8dが上側に向かって移動し始めると、第1当接面8gに当接していたカード2の手前端2aを第2当接面8hに当接させることが可能になる。上下方向に対する第2当接面8hの傾斜角度θ2は、上下方向に対する第1当接面8gの傾斜角度θ1より大きくなっているため、カード2の手前端2aが第2当接面8hに当接した後は、比較的小さな力でカード2を引き抜こうとしても、上側に向かってカード当接部8dを移動させることが可能になる。このように本形態では、レバー部材8が閉位置8Aに配置されている状態で、カードリーダ1に挿入されたカード2をある程度の力で引き抜こうとすれば、カード当接部8dを上側に向かって移動させることが可能になるため、レバー部材8が移動機構9の故障等によって自動で動かなくなった場合には、カード2を破損させることなくカードリーダ1からカード2を引き抜くことが可能になる。
【0064】
本形態では、回動中心軸24は、カード当接部8dよりも奥側に、かつ、カード通過路3よりも上側に配置されるとともに、軸支持部材25の手前端側部分に支持されている。また、本形態では、軸支持部材25の奥端側部分の1箇所が本体フレーム4に固定されており、軸支持部材25の手前端側部分は、本体フレーム4に固定されていない。そのため、本形態では、レバー部材8が閉位置8Aに配置されている状態で、カードリーダ1から引き抜かれるカード2の手前端2aが第1当接面8gに当接したときに、軸支持部材25の手前端側部分を上側へ移動させやすくなり、回動中心軸24およびレバー部材8を上側へ移動させやすくなる。
【0065】
すなわち、本形態では、レバー部材8が閉位置8Aに配置されている状態で、カードリーダ1から引き抜かれるカード2の手前端2aが第1当接面8gに当接したときに、カード当接部8dを上側へ移動させやすくなる。したがって、本形態では、レバー部材8が自動で動かなくなった場合にカードリーダ1からカード2を引き抜くときのカード2の破損を効果的に防止することが可能になる。また、カードリーダ1の損傷を効果的に防止することが可能になる。
【0066】
また、本形態では、回動中心軸24の他端側が本体フレーム4の軸支持部4aに支持されているため、カードリーダ1から引き抜かれるカード2の手前端2aが第1当接面8gに当接したときに、軸支持部材25の手前端側部分を上側へ移動させやすくなっていても、カード2を引き抜こうとする力が弱い場合には、回動中心軸24およびレバー部材8が上側へ移動するのを防止することが可能になる。したがって、本形態では、カード2を引き抜こうとする力が弱い場合には、カード当接部8dが上側に向かって移動するのを防止することが可能になり、その結果、カードリーダ1に挿入されたカード2が簡単に引き抜かれるのを防止することが可能になる。
【0067】
また、本形態では、カードリーダ1にカード2が挿入され、かつ、レバー部材8が閉位置8Aに配置されている状態で、カードリーダ1からカード2を引き抜くときのカード2の引抜力が1.5kg以上で3.5kg以下となっているため、カードリーダ1にカード2が挿入され、かつ、レバー部材8が閉位置8Aに配置されている状態において、カードリーダ1に挿入されたカード2を親指と人差指とで摘まんで簡単に引き抜くことはできないが、レバー部材8が移動機構9の故障等によって自動で動かなくなれば、親指と人差指とでカード2を摘まんでカード2を引き抜くことが可能になる。
【0068】
なお、本形態では、レバー部材8が閉位置8Aに配置されるとともに、カード2の外部接続端子とIC接点バネ5とが接触してデータの通信を行っているときに、ユーザがカードリーダ1からカード2を引き抜こうとしても、カードリーダ1に挿入されたカード2を親指と人差指とで摘まんで簡単に引き抜くことはできないため、カードリーダ1からカード2を引き抜こうとしているユーザは、一般に、データの通信が行われていることに気付く。
【0069】
本形態では、レバー部材8が閉位置8Aに配置されているときの、第1当接面8gと第2当接面8hとの境界部分とカード2の下面との上下方向の距離Lは、カード2の厚さtと略等しくなっている。そのため、本形態では、カード当接部8dが上側に向かって移動し始めたときに、第1当接面8gに当接していたカード2の手前端2aを第2当接面8hに当接させやすくなる。
【0070】
本形態では、第1当接面8gと第2当接面8hとの境界部分、および、カード当接部8dの下端面8kと第2当接面8hとの境界部分に、R加工が施されている。そのため、本形態では、レバー部材8が自動で動かなくなった場合にカード2を引き抜くときの、カード2の傷の発生を抑制することが可能になる。
【0071】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0072】
上述した形態では、第1当接面8gと第2当接面8hとの2個の当接面によってカード当接部8dの奥端面が構成されているが、カード当接部8dの奥端面は、3個以上の当接面によって構成されていても良い。また、上述した形態において、軸支持部材25の手前端側部分が本体フレーム4に固定されていても良い。さらに、上述した形態では、回動中心軸24の他端側は、本体フレーム4の軸支持部4aに支持されているが、回動中心軸24の他端側は、軸支持部材25に支持されていても良い。また、上述した形態において、カードリーダ1は、磁気ヘッド7を備えていなくても良い。
【0073】
上述した形態において、軸支持部4aによって、回動中心軸24の他端側の上下両側への移動が規制されていても良い。この場合には、レバー部材8が閉位置8Aに配置されている状態で、カードリーダ1から引き抜かれるカード2の手前端2aが第1当接面8gに当接したときに、軸支持部材25の側面部25aの手前端側部分が上側へ移動しにくくなるため、カード2を引き抜こうとする力が弱い場合に、回動中心軸24およびレバー部材8が上側へ移動するのを効果的に防止することが可能になる。一方、上述した形態のように、回動中心軸24の他端側の下端と凹部の下側面との間には隙間が形成されている場合には、レバー部材8が閉位置8Aに配置されている状態で、カードリーダ1から引き抜かれるカード2の手前端2aが第1当接面8gに当接したときに、軸支持部材25の側面部25aの手前端側部分を上側へより移動させやすくなる。
【0074】
また、上述した形態において、軸支持部4aの凹部の奥端に形成される開口部の上下方向の幅が、回動中心軸24の他端側の外径より小さくなっていても良い。すなわち、軸支持部4aによって、回動中心軸24の他端側の前後両側への移動が規制されていても良い。
【0075】
上述した形態では、カード2は、厚さが0.7〜0.8mm程度の塩化ビニール製のカードであるが、カード2は、厚さが0.18〜0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードであっても良いし、所定の厚さの紙カード等であっても良い。また、上述した形態では、カードリーダ1は、手動式のカードリーダであるが、カードリーダ1は、カード2を自動で搬送するカード搬送機構を有するカード搬送式のカードリーダであっても良い。