【解決手段】業務システムで管理するファイルを分類に応じて異なる保存先に振り分けて保存や照会を行うファイル管理装置で、記憶部106は、ファイルを異なる保存先のいずれかで管理する際に、正規表現を用いてキー情報とファイルとを紐付ける第1マスタと、ファイルを異なる保存先の何れで管理するかを設定する第2マスタとを備え、制御部102は、ファイルを保存や照会する際に、第1マスタによりファイルと紐付くキー情報を検索するキー情報検索部102bと、検索結果からファイル管理するキー情報を選択するキー情報選択部102dと、選択したキー情報と紐付く保存先に保存されたファイルを抽出し、ファイル保存や照会を行うファイル処理部102eと、表示部102cとを備える。
記憶部と制御部とを備え、業務システムで管理するファイルを分類に応じて異なる保存先に振り分けて保存すると共に、該異なる保存先に保存されているファイルの照会を行うファイル管理装置であって、
前記記憶部には、
前記ファイルを前記異なる保存先のいずれかで管理する際に、正規表現を利用してキー情報と前記ファイルとを紐付ける第1マスタと、
前記ファイルを前記異なる保存先の何れで管理するかを設定する第2マスタと、
が格納され、
前記制御部は、
前記ファイルを前記異なる保存先に対して保存あるいは照会する場合に、前記第1マスタに基づいて前記ファイルと紐付く前記キー情報を検索するキー情報検索手段と、
検索した前記キー情報の検索結果の中から、前記ファイルを管理するキー情報を選択するキー情報選択手段と、
選択されたキー情報と紐付く前記異なる保存先に保存されているファイルの抽出を行い、新たに保存するファイルの指定、あるいは、照会したいファイルを指定するファイル処理手段と、
前記制御部における操作画面を表示する表示手段と、
を備えること、
を特徴とするファイル管理装置。
記憶部と制御部とを備え、業務システムで管理するファイルを分類に応じて異なる保存先に振り分けて保存すると共に、該異なる保存先に保存されているファイルの照会を行うファイル管理装置で実行されるファイル管理方法であって、
前記記憶部には、
前記ファイルを前記異なる保存先のいずれかで管理する際に、正規表現を利用してキー情報と前記ファイルとを紐付ける第1マスタと、
前記ファイルを前記異なる保存先の何れで管理するかを設定する第2マスタと、
が格納され、
前記制御部で実行される、
前記ファイルを前記異なる保存先に対して保存あるいは照会する場合に、前記第1マスタに基づいて前記ファイルと紐付く前記キー情報を検索するキー情報検索ステップと、
検索した前記キー情報の検索結果の中から、前記ファイルを管理するキー情報を選択するキー情報選択ステップと、
選択されたキー情報と紐付く前記異なる保存先に保存されているファイルの抽出を行い、新たに保存するファイルの指定、あるいは、照会したいファイルを指定するファイル処理ステップと、
前記制御部における操作画面を表示する表示ステップと、
を含むこと、
を特徴とするファイル管理方法。
記憶部と制御部とを備え、業務システムで管理するファイルを分類に応じて異なる保存先に振り分けて保存すると共に、該異なる保存先に保存されているファイルの照会を行うファイル管理装置で実行させるためのファイル管理プログラムであって、
前記記憶部には、
前記ファイルを前記異なる保存先のいずれかで管理する際に、正規表現を利用してキー情報と前記ファイルとを紐付ける第1マスタと、
前記ファイルを前記異なる保存先の何れで管理するかを設定する第2マスタと、
が格納され、
前記制御部で実行させるための、
前記ファイルを前記異なる保存先に対して保存あるいは照会する場合に、前記第1マスタに基づいて前記ファイルと紐付く前記キー情報を検索するキー情報検索ステップと、
検索した前記キー情報の検索結果の中から、前記ファイルを管理するキー情報を選択するキー情報選択ステップと、
選択されたキー情報と紐付く前記異なる保存先に保存されているファイルの抽出を行い、新たに保存するファイルの指定、あるいは、照会したいファイルを指定するファイル処理ステップと、
前記制御部における操作画面を表示する表示ステップと、
を含むこと、
を特徴とするファイル管理プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明にかかるファイル管理装置、ファイル管理方法、および、ファイル管理プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0017】
[1.概要]
従来技術では、添付ファイルの活用事例がキー情報(例えば、社員)への添付を単独のファイル添付で実施という事例に限られていた。この場合、データベース(DB)保存・物理保存のように、複数手法による管理をわざわざ導入しなくても運用可能なため、本発明の必要性が無かった。但し、上記の場合、複数部署に跨がり、様々な手法で社員の情報を有した資料が管理されていた場合、権限などで部署間の管理を超える事ができないことから、情報の取得に融通が利かず、速やかな情報の取得や照会ができないという問題点があった。
【0018】
そこで、本実施形態に係るファイル管理装置は、業務システムで管理する写真・書類イメージ等の物理ファイルについて、その分類ごとに、リレーショナルデータベース(RDB)で管理(例えば、SQLサーバのテーブルに格納)したり、オペレーティングシステム(OS)で管理(例えば、ファイルサーバに保存)したりすることをマスタ設定のみで使用者に意識させずに制御することを可能としている。なお、本発明を導入することにより、例えば物理ファイル資産はファイルサーバ上にフォルダが配置されれば、自動的に業務システムと紐付き、管理可能な状態になるため、移行時の追加作業コストや登録の手間を省いて管理することが可能となる。また、業務システム上のキー情報(例えば、社員)に紐付けして、物理ファイルを管理・制御するため、業務システム上でキー情報での検索・物理ファイル参照が可能となる。
【0019】
[2.構成]
本実施形態に係るファイル管理装置の構成の一例について、
図1から
図8を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るファイル管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2は、本実施形態に係るファイル管理装置の記憶部を構成するマスタの事前設定手順を説明するフローチャートである。
図3は、
図2で設定された各マスタのデータ構造の一例を示す図である。
図4は、システム制御マスタの設定イメージの一例を示す図である。
図5は、フォルダパス管理マスタの設定イメージの一例を示す図である。
図6は、ファイルパス管理マスタの設定イメージの一例を示す図である。
図7は、正規表現マスタの設定イメージの一例を示す図である。
図8は、資料管理制御マスタの設定イメージの一例を示す図である。
【0020】
ファイル管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、ファイル管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0021】
ファイル管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。ファイル管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0022】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、ファイル管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、ファイル管理装置100とデータベースとしてのSQLサーバ(登録商標)200、あるいは、データベース以外のファイルサーバ(クラウド環境も含めたウインドウズ(登録商標)やユニックス(登録商標)等のハードウェア全般)250とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0023】
[記憶部106]
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。ここで、記憶部106には、システム制御マスタ106a、フォルダパス管理マスタ106b、ファイルパス管理マスタ106c、正規表現マスタ106d、および資料管理制御マスタ106e等が格納されている。以下、各マスタの事前設定手順と各マスタに格納される情報の具体例について、
図2〜
図8を用いて詳細に説明する。
【0024】
[システム制御マスタ106a]
システム制御マスタ106aは、業務システムで使用するファイルをどのように管理するかの制御状態を設定するマスタである。例えば、
図2〜
図4に示すように、制御状態を“0:混在”と設定した場合は、データベース管理と物理ファイル管理とを混在させて制御し、制御状態を“1:データベース”と設定した場合は、データベース管理のみで制御し、制御状態を“2:物理ファイル”と設定した場合は、物理ファイル管理のみで制御する。オペレータは、マスタ設定部102aを使ってシステム制御マスタ106aを設定する。本実施形態の制御状態は、
図4に示すように、“0:混在”が設定されている。
【0025】
[フォルダパス管理マスタ106b]
フォルダパス管理マスタ106bは、どのフォルダが管理対象となるかを設定するマスタである。つまり、物理管理を含む管理を行う場合であって、上記システム制御マスタ106aでは、データベース管理と物理ファイル管理とを混在させて制御する“0:混在”が設定されているため、データベース(SQLサーバ(登録商標)200)上とファイルサーバ250上に、管理対象となるフォルダパスを設定する。例えば、
図3および
図5に示すように、フォルダパス管理マスタ106bには、ファイルサーバ250における「人事」関係のファイルを管理するフォルダパス例として、“¥¥Server¥HR¥”、「第一営業」関係のファイルを管理するフォルダパス例として、“¥¥Server¥First−Sales¥”、「会計」関係のファイルを管理するフォルダパス例として、“¥¥Server¥accounting”、「第二営業」関係のファイルを管理するフォルダパス例として、“¥¥Server¥Second−Sales¥”などが設定されている。
【0026】
[ファイルパス管理マスタ106c]
ファイルパス管理マスタ106cは、どのファイルが管理対象となるかを設定するマスタである。ここでは、
図3および
図6に示すように、管理対象となるファイルパスは、拡張子の付いた資料種類を表す分類と、正規表現によるキー情報とが紐付けられて設定されている。例えば、履歴書データは“.doc”という拡張子が付き、“|Busho|−|Shain|”という正規表現と紐付けられている。画像データは、“.jpg”という拡張子が付き、“|Busho|−|Shain|”という正規表現と紐付けられている。経歴データは、“.xls”という拡張子が付き、“|Busho|−|Shain|”という正規表現と紐付けられている。ポートフォリオは、“.pdf” という拡張子が付き、“|Busho|−|Shain|”という正規表現と紐付けられている。
【0027】
[正規表現マスタ106d]
正規表現マスタ106dは、正規表現(表現名)を用いて置換項目を特定するためのキー情報(検索キー)を設定するマスタである。例えば、
図3および
図7に示すように、検索キーとして従業員名やその検索結果としての従業員IDに対し、ここでは不図示の部署マスタを介して部署CDに置換し、正規表現としての“|Busho|”を抽出する。また、検索キーとしての従業員IDに対し、不図示の従業員マスタを介して従業員CDに置換し、正規表現としての“|Shain|”を抽出する。
【0028】
[資料管理制御マスタ106e]
資料管理制御マスタ106eは、どの資料種類(拡張子)がどの管理対象となるかを設定するマスタである。例えば、
図3および
図8に示すように、“.doc”という拡張子付きのファイルは、管理対象がファイルサーバ(ファイルサーバ250)に設定され、“.xls”という拡張子付きのファイルは、管理対象がデータベース(SQLサーバ(登録商標)200)に設定され、“.jpg”という拡張子付きのファイルは、管理対象がデータベース(SQLサーバ(登録商標)200)に設定され、“.pdf”という拡張子付きのファイルは、管理対象がファイルサーバ(ファイルサーバ250)とデータベース(SQLサーバ(登録商標)200)の混在として設定される。上記のファイルパス管理マスタ106cにて設定されたパスに存在するファイル全てを閲覧できるわけではなく、当該資料管理制御マスタ106eで設定された拡張子の付いたファイルのみ閲覧可能となる。
【0029】
入出力インターフェース部108は、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0030】
[制御部102]
制御部102は、ファイル管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、マスタ設定手段としてのマスタ設定部102a、キー情報検索手段としてのキー情報検索部102b、表示手段としての表示部102c、キー情報選択手段としてのキー情報選択部102d、ファイル処理手段としてのファイル処理部102e等を備えている。以下、制御部102の各処理部で行われる処理の具体例について、詳細に説明する。
【0031】
[マスタ設定部102a]
マスタ設定部102aは、上記5つのマスタ106a〜106eを事前に設定する設定部である。マスタ設定部102aは、
図2の手順に基づいて各マスタの設定処理が行われる。具体的には、マスタ設定部102aは、まずシステム制御マスタ106aの設定を行う(ステップSA−1)。そして、システムにおける管理が物理管理ファイルを含む場合は(ステップSA−2:Yes)、フォルダパス管理マスタ106bの設定を行い(ステップSA−3)、ファイルパス管理マスタ106cの設定を行い(ステップSA−4)、正規表現マスタ106dの設定を行った後(ステップSA−5)、資料管理制御マスタ106eの設定を行う(ステップSA−6)。また、マスタ設定部102aは、ステップSA−2において、システムにおける管理が物理管理ファイルを含まない場合は(ステップSA−2:No)、資料管理制御マスタ106eのみを設定する(ステップSA−6)。これは、管理対象がSQLサーバ(登録商標)200(データベース)のみの場合は、DBMS(Database management system)によりファイル管理が可能であるため、フォルダパス管理マスタ106b、ファイルパス管理マスタ106c、および、正規表現マスタ106dを設定する必要が無いからである。
【0032】
[キー情報検索部102b]
キー情報検索部102bは、システム制御マスタ106aの設定が物理管理ファイルを含む場合、保存あるいは照会したいファイルの管理対象であるキー情報(社員や従業員)を正規表現マスタ106dに基づいて検索する。例えば、あるファイルを指定して特定の従業員のデータとして保存する場合、キー情報検索部102bは、当該従業員の検索に必要な検索条件を指定することで、対象となるキー情報を検索し、その検索結果を表示部102cにより表示する。また、ある従業員に関する保存データを一元的に取得して確認(照会)したい場合、キー情報検索部102bは、管理対象ユーザの検索に必要な条件を指定することで、正規表現マスタ106dに基づいて対象となるキー情報を検索し、その検索結果は表示部102cにより表示される。
【0033】
[表示部102c]
表示部102cは、制御部102により操作するための入力画面や処理結果をディスプレイ等の出力装置114に表示させる。
【0034】
[キー情報選択部102d]
キー情報選択部102dは、キー情報検索部102bによって検索した検索結果の中からファイルの保存あるいは照会したいファイルの管理対象であるキー情報を選択する。キー情報検索部102bは、管理対象の検索に必要な検索条件を指定しても、指定条件によって複数の検索結果が表示されることがある。このように、キー情報選択部102dは、検索結果の中から管理対象を絞り込む必要があるため、特定のキー情報を選択する。例えば、キー情報検索部102bで指定した検索条件が曖昧であるか、一定範囲の検索条件で検索してから絞込みをかけたい場合は、キー情報の検索結果が複数表示されるため、その中から特定のキー情報を選択する必要がある。
【0035】
[ファイル処理部102e]
ファイル処理部102eは、キー情報選択部102dでファイルの管理対象であるキー情報(従業員など)が選択されると、当該キー情報と紐付くファイルを複数の保存先から抽出する照合処理を行ったり、当該キー情報に添付するファイルの保存先を指定して保存処理(アップロード)したりする。例えば、あるファイルを指定して管理対象であるキー情報に保存する場合、ファイル処理部102eは、キー情報選択部102dで選択されたキー情報の画面上で添付ファイルを保存するフォルダパスを指定してアップロードする。また、選択されたキー情報と紐付くファイルを複数の保存先から抽出して照会する場合、ファイル処理部102eは、キー情報選択部102dで選択されたキー情報の画面上で照会処理を指示すると、選択されたキー情報と紐付く正規表現に基づいて複数の保存先からファイルが抽出されるため、利用者は選択したキー情報(従業員など)に関するファイルを一元的に確認(照会)することができる。
【0036】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図9〜
図15を参照し、本実施形態に係るファイル管理装置の処理の一例について説明する。
図9は、業務システムで管理するファイルを分類ごとに保存する一例を示す図である。
図10は、業務システムにおけるファイルを保存する場合の手順を説明するフローチャートである。
図11−1は、保存対象となる社員データ検索画面の一例を示す図である。
図11−2は、検索結果としての社員データ一覧画面の一例を示す図である。
図11−3は、呼出社員データのファイルデータ添付画面の一例を示す図である。
図12は、業務システムにおけるファイルの取出手順を説明するフローチャートである。
図13−1は、取出対象となる社員データ検索画面の一例を示す図である。
図13−2は、検索結果としての社員データ一覧画面の一例を示す図である。
図13−3は、呼出社員データのファイルデータ照会画面の一例を示す図である。
図14は、業務システム導入前の物理ファイル資産も継続管理できるとする効果を説明する図である。
図15は、データベース外の物理ファイルについてもセキュアな管理ができるとする効果を説明する図である。
【0037】
以下、ファイル管理装置100の処理の一例について
図9を用いて説明し、さらに、
図10と
図11−1〜
図11−3、および、
図12と
図13−1〜
図13−3を用いて具体的な操作画面での処理動作を説明する。そして、
図14および
図15を用いて、本実施形態における効果を説明する。
【0038】
[ファイル管理装置の概要]
本実施形態に係るファイル管理装置100は、業務システムにおいて管理する写真や書類イメージ等の物理ファイルの保存先として、SQLサーバ200(商標登録)などのデータベースやデータベース以外のファイルサーバ250などを使用し、ユーザに保存先を意識させずにファイルの分類に応じた保存先に保存、あるいは、ファイルを取得して照会するファイル管理を行っている。例えば、企業において社員情報のファイル管理を行う場合、
図9に示すように、導入会社にA社とB社とがあって、A社の社員情報の管理対象である「山田さん」や「坂本さん」は、キー情報となる。同様に、B社の社員情報の管理対象である「田中さん」や「川田さん」は、キー情報となる。
【0039】
本実施形態に係るファイル管理装置100は、上記
図2〜
図8に示すように、制御部102のマスタ設定部102aにより、事前にシステム制御マスタ106a、フォルダパス管理マスタ106b、ファイルパス管理マスタ106c、正規表現マスタ106d、および、資料管理制御マスタ106eを設定している。このマスタ設定は、導入会社におけるファイル管理の設定基準に応じて設定することができる。このため、A社では、
図9に示すように、ファイル分類が「履歴書」や「写真」については、データベース(DB)で管理するように設定し、「その他書類」はデータベース外(例えば、ファイルサーバ250)で管理するように設定している。また、B社では、
図9に示すように、ファイル分類が「履歴書」については、データベース(DB)で管理するように設定し、「写真」や「その他書類」についてはデータベース外(例えば、ファイルサーバ250)で管理するように設定することができる。このように、企業毎にファイル管理の仕方が異なっていても、それに応じてマスタ設定を変えるだけで容易に対応可能となる。
【0040】
[特定の社員情報にファイルを添付する場合]
まず、ファイル管理装置100は、
図10および
図11−1〜
図11−3に示すように、キー情報である社員情報に対して、新たな人事データファイルを添付することで、人事情報を更新することができる。具体的には、
図11−1に示す社員データ検索画面上で、キー情報となる社員データを検索する。検索条件としては、部署CDや社員CD(従業員CD)や担当企業CDを入力するか、あるいは、部署名や社員名や担当企業名を入力すると、
図7の正規表現マスタ106dに示す部署マスタや従業員マスタによって部署CDや社員CD(従業員CD)に置換され検索条件を指定する。ここで、人事部のオペレータが検索ボタンMB1を押下すると、キー情報検索部102bは、検索条件に対応する部署IDや従業員IDなどの検索キー(キー情報)を検索すると共に、この検索したキー情報と表現名(正規表現)とを紐付ける(
図10のステップSA−11)。
【0041】
社員データ検索画面の
図11−1では、検索条件に幅を持たせていないため、検索結果は、社員データ一覧画面の
図11−2に示すように、1人の社員データのみが抽出されて表示されるが、検索条件に幅を持たせた場合は、複数の検索結果が抽出されて表示される(
図10のステップSA−12)。このため、社員データ一覧画面の
図11−2では、検索結果からファイル添付するキー情報を選択する必要はないが、検索結果が複数ある場合はキー情報選択部102dによりファイル添付するキー情報を選択し、添付ボタンMB2を押下する(
図10のステップSA−13)。
【0042】
キー情報選択部102dで選択されたキー情報は、これと紐付く正規表現マスタ106dの正規表現(例えば、“|Busho|−|Shain|”)に基づいて、SQLサーバ200(商標登録)やファイルサーバ250に対してファイル検索をかける。例えば、
図6に示すファイルパス管理マスタ106cに設定された“|Busho|−|Shain|”のキー情報を含むファイルパスを持ったファイルを抽出し、
図11−3のファイルデータ添付画面の呼出社員データとして一覧表示する。ここでは、キー情報に基づく呼出社員データの「第一営業部 横山太郎」を添付対象として、新たに添付するファイルを指定してアップロードする。アップロードする添付ファイルは、
図11−3に示すように、ファイルの保存先であるフォルダパスとファイルパスとを指定して(
図10のステップSA−14)、登録ボタンMB3を押下すると、SQLサーバ200にアップロードされる(
図10のステップSA−15)。
【0043】
[特定の社員情報のファイルを照会する場合]
まず、ファイル管理装置100は、
図12および
図13−1〜
図13−3に示すように、例えば営業企画部の担当者が営業企画に関するアサインのため、人事データを照会することができる。具体的には、
図13−1に示す社員データ検索画面上で、キー情報となる社員データを検索する。検索条件としては、部署CDや社員CD(従業員CD)や担当企業CDを入力するか、あるいは、部署名や社員名や担当企業名を入力すると、
図7の正規表現マスタ106dに示す部署マスタや従業員マスタによって部署CDや社員CD(従業員CD)に置換され検索条件を指定する。ここで、営業企画部のオペレータが検索ボタンMB4を押下すると、キー情報検索部102bは、検索条件に対応する部署IDや従業員IDなどの検索キー(キー情報)を検索すると共に、この検索したキー情報と表現名(正規表現)とを紐付ける(
図12のステップSA−21)。
【0044】
社員データ検索画面の
図13−1では、検索条件に一定の幅を持たせているため、検索結果は、社員データ一覧画面の
図13−2に示すように、複数の検索結果が抽出されて表示される(
図12のステップSA−22)。このため、社員データ一覧画面の
図13−2では、検索結果からファイル照会したいキー情報を選択する必要がある。ここでは、営業企画部のオペレータがキー情報選択部102dによりファイル照会するキー情報「第一営業部 横山太郎」を選択し、照会ボタンMB5を押下する(
図12のステップSA−23)。
【0045】
キー情報選択部102dで選択されたキー情報は、これと紐付く正規表現マスタ106dの正規表現(例えば、“|Busho|−|Shain|”)に基づいて、SQLサーバ200(商標登録)やファイルサーバ250に対してファイル検索をかける。例えば、
図6に示すファイルパス管理マスタ106cに設定された“|Busho|−|Shain|”のキー情報を含むファイルパスを持ったファイルを抽出し、
図13−3のファイルデータ照会画面の呼出社員データとして一覧表示する(
図12のステップSA−24)。ここでは、キー情報に基づく呼出社員データの「第一営業部 横山太郎」を照会対象として、これに関連する人事データをSQLサーバ200(商標登録)やファイルサーバ250から抽出して、一覧表示することができる。このため、営業企画部の担当者は、照会対象の人事データがSQLサーバ200(商標登録)やファイルサーバ250のいずれに保存されているかを意識することなく一元的に確認することが可能となる。
図13−3のファイルデータ照会画面に一覧表示されたファイル名をクリックすると、さらにそのファイルデータの詳細な内容を保存先のSQLサーバ200(商標登録)やファイルサーバ250にアクセスして画面上に表示させることも可能である(
図12のステップSA−25)。
【0046】
このように、本実施形態に係るファイル管理装置100によれば、マスタ設定を行うことにより、業務システム導入前に行っていた物理ファイルの資産を導入後もそのまま管理可能となり、ファイル管理の移行作業が不要になるという利点がある。つまり、
図14に示すように、「写真」や「その他書類」のような物理ファイルの紐付けは、正規表現マスタ106dによって定義することで実現できるため、本実施形態に係るファイル管理装置100の導入による移行作業への影響を最小限に抑えることができる。
【0047】
また、本実施形態に係るファイル管理装置100によれば、
図15に示すように、SQLサーバ等のデータベースで管理されるファイルは勿論、データベース外のファイルサーバ等で管理される物理ファイルについても、セキュアな管理が可能となり、内部統制の強化となる。例えば、
図15に示すように、ファイルサーバにおける物理ファイルの管理において、情報セキュリティの3要素である機密性(Confidential)では、アクセス権付与やファイル閲覧記録を行い、完全性(Integrity)では、データベースアクセスやデジタル署名を行い、可用性(Availability)では、SQLバックアップやOSシステムバックアップを行うことにより実現している。
【0048】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0049】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0050】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0051】
また、ファイル管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0052】
例えば、ファイル管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じてファイル管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部106などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
【0053】
また、このコンピュータプログラムは、ファイル管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0054】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0055】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0056】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0057】
また、ファイル管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、ファイル管理装置100は、当該情報処理装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0058】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。