(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-120180(P2018-120180A)
(43)【公開日】2018年8月2日
(54)【発明の名称】輝度補正装置、表示装置、情報処理装置、及び輝度補正プログラム
(51)【国際特許分類】
G09G 3/3208 20160101AFI20180706BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20180706BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20180706BHJP
H05B 33/14 20060101ALI20180706BHJP
【FI】
G09G3/3208
G09G3/20 670J
G09G3/20 611B
G09G3/20 641P
G09G3/20 642A
H05B33/14 A
H05B33/14 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-13441(P2017-13441)
(22)【出願日】2017年1月27日
(11)【特許番号】特許第6293320号(P6293320)
(45)【特許公報発行日】2018年3月14日
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】藤井 一男
(72)【発明者】
【氏名】土橋 守幸
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C380
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107AA05
3K107BB01
3K107BB08
3K107CC34
3K107HH04
5C080AA05
5C080AA06
5C080AA07
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD05
5C080DD29
5C080FF11
5C080GG01
5C080JJ02
5C080JJ07
5C080KK02
5C080KK07
5C080KK20
5C080KK23
5C380AA01
5C380AA03
5C380AB06
5C380AB34
5C380AC08
5C380AC12
5C380AC13
5C380BA15
5C380BA36
5C380BA38
5C380BA39
5C380BB04
5C380BD04
5C380DA02
5C380DA06
5C380EA02
5C380FA02
5C380FA21
5C380FA28
(57)【要約】
【課題】画素間で輝度劣化量が相違する場合でも、1フレームの輝度のバラツキを低減させることを目的とする。
【解決手段】輝度補正装置20は、一フレームを構成する各画素の輝度劣化に関するパラメータを部分毎に複数回に分けて取得するパラメータ取得部21と、パラメータ取得部21によって取得された複数の画素の輝度劣化に関するパラメータを用いて、輝度劣化基準値を算出する基準値算出部22と、基準値算出部22によって算出された輝度劣化基準値とパラメータ取得部21によって取得された各画素の輝度劣化に関するパラメータとを用いて、一フレームの輝度を均一化するための輝度補正値を画素毎に算出する輝度補正値算出部23とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一フレームを構成する各画素の輝度劣化に関するパラメータを部分毎に複数回に分けて取得するパラメータ取得手段と、
前記パラメータ取得手段によって取得された複数の画素の前記輝度劣化に関するパラメータを用いて、輝度劣化基準値を算出する基準値算出手段と、
前記基準値算出手段によって算出された前記輝度劣化基準値と前記パラメータ取得手段によって取得された各画素の前記輝度劣化に関するパラメータとを用いて、前記一フレームの輝度を均一化するための輝度補正値を画素毎に算出する輝度補正値算出手段と
を具備する輝度補正装置。
【請求項2】
前記パラメータ取得手段は、予め設定されたパラメータ取得時間内で取得可能な画素数またはライン数の前記輝度劣化に関するパラメータを毎回取得する請求項1に記載の輝度補正装置。
【請求項3】
前記パラメータ取得時間は、ユーザにより設定及び変更可能とされている請求項2に記載の輝度補正装置。
【請求項4】
前記パラメータ取得手段は、休止状態及びスリープ状態の少なくともいずれかの状態にある場合に、前記輝度劣化に関するパラメータを取得する請求項1に記載の輝度補正装置。
【請求項5】
前記パラメータ取得手段によって取得された各画素の輝度に関するパラメータを格納するパラメータ記憶手段を備え、
前記基準値算出手段は、前記パラメータ記憶手段に前記一フレームを構成する全ての画素に対する前記輝度劣化に関するパラメータが蓄積された後に、全ての画素に対する前記輝度劣化に関するパラメータを用いて前記輝度劣化基準値を算出する請求項1から請求項4のいずれかに記載の輝度補正装置。
【請求項6】
前記パラメータ取得手段によって部分的に取得された前記輝度劣化に関するパラメータを用いて算出された前記輝度劣化基準値を暫定基準値として格納する暫定基準値記憶手段と、
前記パラメータ取得手段によって取得された前記一フレームの全ての画素の前記輝度劣化に関するパラメータを用いて算出された前記輝度劣化基準値を確定基準値として格納する確定基準値記憶手段と、
前記輝度補正値算出手段によって算出された画素毎の前記輝度補正値を格納する輝度補正値記憶手段と
を備え、
前記基準値算出手段は、前記パラメータ取得手段によって前記輝度劣化に関するパラメータが取得された場合に、取得された前記輝度劣化に関するパラメータと前記暫定基準値記憶手段に格納されている前記暫定基準値とを用いて輝度劣化基準値を算出し、算出した前記輝度劣化基準値を前記暫定基準値として前記暫定基準値記憶手段を更新し、
前記輝度補正値算出手段は、前記パラメータ取得手段によって前記輝度劣化に関するパラメータが取得された場合に、取得された前記輝度劣化に関するパラメータと前記確定基準値記憶手段に格納されている前記確定基準値とを用いて前記輝度補正値を算出し、前記補正値記憶手段に格納されている前記輝度補正値を更新する請求項1から請求項4のいずれかに記載の輝度補正装置。
【請求項7】
前記輝度補正値算出手段によって算出された前記輝度補正値に基づいて前記輝度劣化が所定値以上の画素を特定する画素特定手段を備え、
前記画素特定手段によって特定された画素の前記輝度補正値の更新頻度を他の画素の前記輝度補正値の更新頻度よりも高くする請求項1から請求項6のいずれかに記載の輝度補正装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の輝度補正装置を備える表示装置。
【請求項9】
請求項7に記載の表示装置を備え、
前記輝度補正値算出手段によって算出された前記輝度補正値を用いて各画素に供給する駆動電流を補正する情報処理装置。
【請求項10】
一フレームを構成する各画素の輝度劣化に関するパラメータを複数回に分けて部分毎に取得する工程と、
取得した各画素の前記輝度劣化に関するパラメータを用いて、輝度劣化基準値を算出する工程と、
前記輝度劣化基準値と各画素の前記輝度劣化に関するパラメータとを用いて、前記一フレームの輝度を均一化するための輝度補正値を画素毎に算出する工程と、
を具備する輝度補正方法。
【請求項11】
一フレームを構成する各画素の輝度劣化に関するパラメータを複数回に分けて部分毎に取得する処理と、
取得した各画素の前記輝度劣化に関するパラメータを用いて、輝度劣化基準値を算出する処理と、
前記輝度劣化基準値と各画素の前記輝度劣化に関するパラメータとを用いて、前記一フレームの輝度を均一化するための輝度補正値を画素毎に算出する処理と
をコンピュータに実行させるための輝度補正プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輝度補正装置、表示装置、情報処理装置、及び輝度補正プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
フラット・パネル・ディスプレイ(FPD)の発光方式は、液晶ディスプレイ(LED)に代表される非自発光型と、プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)や有機ELディスプレイ(OELD:Organic electroluminescence display)などの自発光型に大別することができる。自発光型のFPDでは、画素を構成する発光素子は発光時間が経過するとともに劣化して、同じエネルギー(画素値)を供給しても使用開始時より輝度が低下するいわゆる輝度劣化をきたす。
【0003】
ある画素を構成する発光素子の輝度劣化が周囲の画素を構成する発光素子よりも劣化すると、それらの画素に同一の色を表示する画素値を設定した時に人間の目で劣化した発光素子の存在が認識できる状態となる、いわゆる焼き付き現象が発生する。例えば、灰色のデスクトップ画面に、カラー表示のアイコンを静止画像として長時間表示する場合には、その後、当該アイコンが表示された領域にデスクトップ画面と同じ灰色を表示するとアイコンを表示していた画素が表示する灰色と当初からデスクトップ画面を表示していた画素との間には焼き付きで明るさの相違が生じる。
【0004】
焼き付きは、発光素子間の劣化の進行の差により発生する。灰色は赤、緑、青の各発光素子を同じ画素値で駆動するため、1画素における3つの発光素子が同等に劣化する。したがって、デスクトップ画面のような背景画像の全体を発光素子の輝度が均一になる灰色で表示すれば焼き付きの問題はほとんど発生しない。しかし、実際には各画素が表示する画像に応じてランダムな画素値で駆動されるため、輝度劣化に差が発生する。特に、アイコンのように固定した場所に固定した色が表示される画素などは他の画素に比べて輝度劣化の進行が速く、他の画素に比べて同じ画素値に対する輝度が低くなる。
【0005】
このような局所的な輝度の相違を抑制する発明として、例えば、特許文献1には、固定パターンを表示する発光素子の発光パターンを工夫することにより、固定パターンを表示する発光素子の輝度劣化量と背景画像を表示する発光素子の輝度劣化量とを等しくする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−17746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1に開示されている方法では、固定パターンを表示する発光素子の発行パターンを工夫することにより、画素間の輝度劣化量を略均一とし、焼き付きを抑制するが、表示する画面に対する制約が発生するという不都合が生じる。
また、有機EL素子は、一旦劣化すると回復しないため、動画で構成したスクリーンセーバを表示しても輝度劣化の差として生じる焼き付きは改善できなかった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、画素間で輝度劣化量が相違する場合でも、1フレームの輝度のバラツキを低減することのできる輝度補正装置、表示装置、情報処理装置、及び輝度補正プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1態様は、一フレームを構成する各画素の輝度劣化に関するパラメータを部分毎に複数回に分けて取得するパラメータ取得手段と、前記パラメータ取得手段によって取得された複数の前記画素の輝度劣化に関するパラメータを用いて、輝度劣化基準値を算出する基準値算出手段と、前記基準値算出手段によって算出された前記輝度劣化基準値と前記パラメータ取得手段によって取得された各画素の前記輝度劣化に関するパラメータとを用いて、前記一フレームの輝度を均一化するための輝度補正値を画素毎に算出する輝度補正値算出手段とを具備する輝度補正装置である。
【0010】
上記輝度補正装置によれば、パラメータ取得手段によって取得された複数の輝度劣化に関するパラメータを用いて、基準値算出手段によって輝度劣化基準値が算出され、この輝度劣化基準値とパラメータ取得手段によって取得された複数の輝度劣化に関するパラメータとが比較されることにより、各画素に対する輝度補正値がそれぞれ算出される。これにより、各画素の輝度を輝度劣化基準値に近づけるような輝度補正値を算出することができ、1フレームの輝度のバラツキを低減することが可能となる。
上記輝度補正装置において、一つの画素が複数の色に対応する複数のサブ画素で構成されている場合には、上記「画素」は、「少なくとも一つの色に関するサブ画素」を意味する場合も含む。例えば、一つの画素がRGBのそれぞれに対応する3つのサブ画素で構成されている場合、上記「画素」とは少なくとも、同一色(例えば、R)の「サブ画素」を意味することとしてもよい。
【0011】
本発明の第2態様は、上記輝度補正装置を備える表示装置である。
【0012】
本発明の第3態様は、上記表示装置を備える情報処理装置である。
【0013】
本発明の第4態様は、一フレームを構成する各画素の輝度劣化に関するパラメータを複数回に分けて部分毎に取得する工程と、取得した各画素の輝度劣化に関するパラメータを用いて、輝度劣化基準値を算出する工程と、前記輝度劣化基準値と各画素の輝度劣化に関するパラメータとを用いて、前記一フレームの輝度を均一化するための輝度補正値を画素毎に算出する工程とを具備する輝度補正方法である。
【0014】
本発明の第5態様は、一フレームを構成する各画素の輝度劣化に関するパラメータを複数回に分けて部分毎に取得する処理と、取得した各画素の輝度劣化に関するパラメータを用いて、輝度劣化基準値を算出する処理と、前記輝度劣化基準値と各画素の輝度劣化に関するパラメータとを用いて、前記一フレームの輝度を均一化するための輝度補正値を画素毎に算出する処理とをコンピュータに実行させるための輝度補正プログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、画素間で輝度劣化量が相違する場合でも、1フレームの輝度のバラツキを低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る情報処理装置の概略構成を示した図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示した図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る輝度補正部の機能ブロック図である。
【
図4】本発明の第2実施形態に係る輝度補正部の機能ブロック図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係る輝度補正部によって実現される輝度補正処理の手順について示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔第1実施形態〕
以下に、本発明の第1実施形態に係る輝度補正装置、表示装置、情報処理装置、及び輝度補正プログラムについて、図面を参照して説明する。本実施形態では、本発明の輝度補正装置を情報処理装置に適用した場合について説明するが、この例に限られず、本発明の輝度補正装置は有機EL素子等のように焼き付きや経年劣化等によって画面全体の輝度にばらつきが生じるような表示装置及びそのような表示装置を備える電子機器に対して広く適用可能である。電子機器の一例として、以下に例示する各種情報処理装置の他、カーナビゲーションシステム、ATM(Automatic Teller Machine)等が挙げられる。以下、情報処理装置の一例としてノートPCを例示して説明するが、これに限られず、タブレット端末、ハイブリッド型PC等でもよい。
【0018】
図1は、本実施形態に係るノートPCの概略構成を示した図、
図2は本実施形態に係るノートPC1のハードウェアの概略構成を示した図である。
【0019】
図1及び
図2に示すように、ノートPC1は、例えば、表示装置10、入力装置11、CPU(Central Processing Unit)12、ROM(Read Only Memory)13、メモリ14、フラッシュメモリ16、及び通信デバイス17等を備えている。また、これら各部はバス18を介して直接または間接的に接続されている。
【0020】
表示装置10は、例えば、表示部31と、表示部31に表示させる画像データ等を制御する表示制御部32とを備える。
表示部31は、例えば、自発光型の発光素子である有機EL素子をマトリクス状に配置した複数の画素で構成されている。なお、本実施形態では、自発光型の発光素子として有機EL素子を例示して説明するが、これに代えて、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)または無機LED(Inorganic LED)などの自発光型の発光素子を用いてもよい。
1つの画素は、RGBに対応する有機EL素子で構成した3つのサブ画素で構成されている。なおこの例に限定されず、例えば、1つの画素は、Wに対応する3つの有機EL素子とRGBに対応するカラーフィルターで構成された3つのサブ画素とで構成されていてもよいし、3つのSOLED(Transparent Stacked OLED)で構成されていてもよい。
【0021】
各画素は、発光層として機能する有機EL素子、画素の選択および有機EL素子に対する供給電流を制御するスイッチング素子(TFT)、及びRGBデータ信号を記憶するキャパシタなどで構成されている。有機EL素子は、信号線駆動回路から供給された駆動電流で発光する。駆動電流の大きさは、例えば、後述するCPU12から供給されるRGBデータ信号に応じて、表示制御部32が制御する。
【0022】
入力装置11は、ユーザが入力操作を行うためのユーザインターフェスであり、一例として、キーボード、タッチパッド、マウス、トラックポイント等が挙げられる。また、入力装置11は、ソフトウェアキーボードであってもよい。
【0023】
CPU12は、例えば、フラッシュメモリ16に格納されたOS(Operating System)によりノートPC1全体の制御を行うと共に、フラッシュメモリ16に格納された各種のプログラムに基づいて、後述する輝度補正処理や、入力装置11を介したユーザの操作に応じた処理等を実行する。
ROM13は、BIOS(Basic Input/Output System)や各種データ等を格納している。
メモリ14は、CPU12の実行プログラムの読み込み及び実行プログラムによる処理データの書き込みを行う作業領域として利用される書き込み可能なメモリであり、一例として、キャッシュメモリやRAM(Random Access Memory)等が挙げられる。
【0024】
フラッシュメモリ16は、ノートPC1全体の制御を行うためのOS、周辺機器類をハードウェア操作するための各種ドライバ、特定業務に向けられたアプリケーション、及び各種データやファイル等を格納する機能を有する。なお、ノートPC1は、フラッシュメモリに替わる記憶手段としてHDD(Hard Disk Drive)等、他の記憶手段を備えてもよい。
通信デバイス17は、他のデバイスとの間との通信を行う。
【0025】
次に、ノートPC1が備える各種機能のうち、輝度補正機能について
図3を参照して説明する。輝度補正機能は、表示部31を構成する有機EL素子の輝度劣化による輝度のばらつきを補正し、表示部31の画面全体の輝度を均一化する機能である。
図3は、本実施形態に係る輝度補正部(輝度補正装置)の概略を示した機能ブロック図である。
図3に示される各部によって実現される処理は、例えば、CPU12がフラッシュメモリ16に記憶されている輝度補正プログラムをメモリ14に読み出して実行することにより実現される。
【0026】
図3に示すように輝度補正部20は、パラメータ取得部21、基準値算出部22、輝度補正値算出部23、パラメータ記憶部24、基準値記憶部25、及び輝度補正値記憶部26を主な構成として備えている。
パラメータ取得部21は、表示部31の一フレームを構成する各画素の輝度劣化に関するパラメータ(以下「輝度劣化パラメータ」という。)を複数回に分けて部分毎に取得する。すなわち、パラメータ取得部21は、一フレームを構成する全ての画素について輝度劣化パラメータを一度に取得するのではなく、複数回に分けて異なるタイミングで部分毎に取得する。
ここで、上述したように、一つの画素は、複数のサブ画素で構成されている。パラメータ取得部21は、一画素を構成する各サブ画素の輝度劣化パラメータをそれぞれ取得してもよいし、また、代表色が設定されている場合には、代表色に関するサブ画素を各画素の代表画素として輝度劣化パラメータを取得してもよい。
以下、説明の便宜上、「画素」は一つの画素を構成する複数のサブ画素のうち、任意の一つの色(例えば、R)のサブ画素を例示して説明する。なお、1つの画素を構成する複数のサブ画素の各々について輝度劣化補正を行う場合には、後述する各部が、色毎の各サブ画素について同様の処理を行えばよい。
【0027】
輝度劣化パラメータとして、例えば、各有機EL素子を駆動するスイッチング素子(例えば、TFT)がオンするときの電圧閾値の値が例示される。
ここで、輝度劣化パラメータは、表示画面に画像が表示されている状態で取得することができない。したがって、各画素について輝度劣化パラメータを取得している期間において、ユーザはノートPC1を使用できないことになる。そのため、例えば、一フレームを構成する全ての画素の輝度劣化パラメータを一度に取得しようとすると、ノートPC1を使用できない時間が長期化し、ユーザにもどかしさや不快感を与えかねない。そこで、本実施形態では、複数回に分けて一フレーム分の輝度劣化パラメータを取得することとし、1回のパラメータ取得に要する時間を短縮している。これにより、ユーザが感知できないような短い時間で輝度劣化パラメータの取得を終了させることが可能となる。
【0028】
また、パラメータ取得部21は、例えば、ノートPC1がスリープ状態及び休止状態の少なくともいずれかの状態にあるときに、輝度劣化パラメータを取得することとしてもよい。この場合、例えば、スリープ状態または休止状態から動作状態に移行したときに、輝度劣化パラメータを取得した最後の画素の位置情報を記憶しておき、次回、スリープ状態または休止状態に移行した場合には、記憶していた画素の次の画素から輝度劣化パラメータの取得を開始すればよい。
【0029】
また、パラメータ取得部21は、毎日決められた時刻に、予め設定されたパラメータ取得時間において、輝度劣化パラメータを取得することとしてもよい。この場合、パラメータ取得時間内で取得可能な画素数の輝度劣化パラメータを取得する。取得可能な画素数は、一画素の輝度劣化パラメータを取得するのに要する時間とパラメータ取得時間とから容易に算出可能である。また、画素数に代えて、ライン数としてもよい。この場合、一ラインの輝度劣化パラメータを取得するのに要する時間とパラメータ取得時間とからライン数を算出する。
パラメータ取得時間は、例えば、入力装置11からユーザが設定できるような構成としてもよい。これにより、各ユーザが自らの尺度でパラメータ取得に許容できる時間を設定することができる。この結果、ユーザに不快感を与えることなく、効率的にパラメータを取得することが可能となる。また、輝度劣化パラメータを取得するタイミングについても上記に限定されず、例えば、一日に複数回行ってもよいし、数日間に1回行うこととしてもよい。
ただし、1フレーム分の輝度劣化パラメータを取得するのに要する期間は、有機EL素子の輝度劣化が顕著に表れる期間よりも短く設定する必要がある。例えば、3か月以内に1フレーム分の輝度劣化パラメータを取得できるようにする必要がある。
パラメータ記憶部24は、パラメータ取得部21によって取得された各画素の輝度劣化パラメータを各画素と関連付けて格納する。
【0030】
基準値算出部22は、例えば、パラメータ記憶部24に一フレーム分の輝度劣化パラメータが蓄積された場合に、パラメータ記憶部24に蓄積された全ての輝度劣化パラメータを用いて、輝度劣化基準値(以下、「基準値」という。)を算出する。
この基準値は、一フレームの輝度を均一化するための輝度補正値を算出するために用いられる基準値である。基準値は、例えば、一フレーム分の輝度劣化パラメータの平均値でもよいし、一フレームの輝度劣化パラメータのうち、最も高いまたは最も低い輝度劣化パラメータでもよい。また、統計的手法を用いて最適値を演算し、演算した最適値を基準値として用いてもよい。
基準値記憶部25は、基準値算出部22によって算出された基準値を格納する。
【0031】
輝度補正値算出部23は、基準値記憶部25に格納された基準値と、パラメータ記憶部24に格納されている各画素の輝度劣化パラメータとを比較し、各画素に対する輝度補正値を演算する。例えば、輝度補正値算出部23は、基準値よりも輝度劣化が進んでいる画素については、劣化によって輝度が低下していることが推定されるので、輝度を明るくする方向に制御するための輝度補正値を設定する。また、輝度補正値算出部23は、基準値よりも輝度劣化が遅れている画素については、劣化が進んでいる画素に比べて輝度が高いことが推定されるので、輝度を低下させる方向に制御するための輝度補正値を設定する。
輝度補正値は、例えば、画素値に応じて各画素に供給される駆動電流を補正するための電流補正値である。
輝度補正値記憶部26は、輝度補正値算出部23によって演算された輝度補正値を各画素と関連付けた輝度補正テーブルを格納する。
【0032】
表示装置10の表示部31に表示を行う場合、表示制御部32は、輝度補正値記憶部26に格納された輝度補正テーブルを参照し、CPU12から供給される各画素の画素値に応じて決定される駆動電流を補正する。具体的には、表示制御部32は、輝度補正値がプラスの値に設定されている画素については、画素値に対応して決定される駆動電流を輝度補正値の大きさに応じて増加させる補正を行い、輝度補正値がマイナスに設定されている画素については、画素値に対応して決定される駆動電流を輝度補正値の大きさに応じて低下させる補正を行う。これにより、各画素の輝度を基準値に近づけることが可能となり、輝度のバラツキを抑制して輝度の均一化を図ることが可能となる。
【0033】
次に、上述した本実施形態に係る輝度補正部20によって実現される輝度補正処理について説明する。
まず、パラメータ取得部21によって表示部31の一フレームを構成する各画素の輝度劣化パラメータが複数回に分けて部分ごとに取得され、取得された輝度劣化パラメータが各画素と関連づけられてパラメータ記憶部24に格納される。
【0034】
このようにして、パラメータ取得部21による輝度補正パラメータの取得が複数回にわたって行われることにより、パラメータ記憶部24に一フレーム分の輝度劣化パラメータが蓄積されると、基準値算出部22により、蓄積された一フレーム分の輝度劣化パラメータを用いて基準値が算出され、基準値記憶部25に格納される。
【0035】
基準値記憶部25が更新されると、輝度補正値算出部23は、更新後の基準値とパラメータ記憶部24に格納されている各画素の輝度劣化パラメータとを比較することにより、各画素に対する輝度補正値を算出する。基準値算出部22によって算出された輝度補正値は各画素と関連付けられ、輝度補正値記憶部26に格納される。これにより、輝度補正値記憶部26には、新たな輝度補正テーブルが作成されることとなる。
【0036】
表示装置10の表示制御部32は、CPU12から供給されるRCB画像データに基づいて画素毎に駆動電流を決定し、決定した駆動電流を輝度補正値記憶部26に格納されている輝度補正値を用いて補正し、補正後の駆動電流で各画素を駆動する。
【0037】
以上説明したように、本実施形態に係る輝度補正装置、表示装置、情報処理装置、及び輝度補正プログラムによれば、1フレーム分の輝度劣化パラメータが一度に取得されるのではなく、複数回に分けて部分毎に取得されるので、1回の輝度劣化パラメータの取得に要する時間を短縮することが可能となる。これにより、ユーザが許容できる時間内で、または、ユーザが感知しない時間内で毎回の輝度劣化パラメータの取得を終了することができる。この結果、ユーザがノートPC1を使用したいのに使用できないといった不都合を解消することができる。
更に、本実施形態によれば、パラメータ取得部21によって取得された1フレーム分の輝度劣化パラメータを用いて、基準値算出部22によって基準値が算出され、この基準値とパラメータ記憶部24に格納されている一フレーム分の各画素に対する輝度劣化パラメータとが比較されることにより、各画素に対する輝度補正値がそれぞれ算出される。これにより、各画素の輝度を基準値に近づけるように各画素の輝度が制御されるので、表示部31の表示画面全体の輝度のバラツキを低減させることが可能となる。
【0038】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る輝度補正装置、表示装置、情報処理装置、及び輝度補正プログラムについて、図面を参照して説明する。
上述した実施形態では、一フレーム分の輝度劣化パラメータが取得された後に基準値及び輝度補正値を算出することとしていたが、本実施形態では、パラメータ取得部21によって輝度劣化パラメータが取得される毎に、基準補正値及び輝度補正値を演算する点で異なる。
以下、上述した第1実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
【0039】
図4は、本実施形態に係る輝度補正部20’の概略機能を示した機能ブロック図である。
図4に示すように、本実施形態に係る輝度補正部20’は、パラメータ取得部21、基準値算出部22’、輝度補正値算出部23’、パラメータ記憶部24’、暫定基準値記憶部25a、確定基準値記憶部25b、及び輝度補正値記憶部26’を備えている。
【0040】
このような輝度補正部20’において、基準値算出部22’は、パラメータ取得部21によって輝度劣化パラメータが取得され、パラメータ記憶部24’に輝度劣化パラメータが格納されると基準値を算出し、算出した基準値を暫定基準値として暫定基準値記憶部25aに格納する。このように、暫定基準値は、一フレームを構成する全ての画素についての輝度劣化パラメータが取得されるまで、随時更新される値である。
【0041】
そして、パラメータ取得部21によって一フレームの全ての画素について輝度劣化パラメータが取得されることにより、基準値算出部22によって、一フレーム分の輝度劣化パラメータを用いた暫定基準値が算出された場合には、その暫定基準値は確定基準値として確定基準値記憶部25bに格納されるとともに、暫定基準値記憶部25aに格納されていた暫定基準値はリセット(消去)される。
【0042】
一方、輝度補正値算出部23’は、パラメータ取得部21によって輝度劣化パラメータが取得されると、取得された輝度劣化パラメータと確定基準値記憶部25bに格納されている確定基準値とを比較して、各画素の輝度補正値を算出する。ここで、確定基準値は、前回の輝度補正処理において、一フレーム全ての画素についての輝度劣化パラメータを用いて算出された基準値である。
輝度補正値記憶部26’には、各画素と輝度補正値とが関連付けられた輝度補正テーブルが格納されており、輝度補正値算出部23’によって新たな輝度補正値が算出されると、その画素に対応する輝度補正値が更新される。
【0043】
次に、本実施形態に係る輝度補正部20’によって実現される輝度補正処理について
図5を参照して説明する。以下の説明では、説明の便宜上、1フレームが1080ラインで構成され、1回のパラメータ取得で30ライン分の輝度劣化パラメータが取得される場合を例示して説明する。
【0044】
まず、輝度補正処理が開始されると、パラメータ取得部21により、1回目のパラメータ取得処理が行われる(ステップSA1)。これにより、1〜30ラインの輝度劣化パラメータが取得され、パラメータ記憶部24’には、1〜30ラインの輝度劣化パラメータが格納される(ステップSA2)。
次に、基準値算出部22’により、パラメータ記憶部24’に格納された1〜30ラインの輝度劣化パラメータを用いた基準値の算出処理が行われ(ステップSA3)、算出された基準値が暫定基準値として暫定基準値記憶部25aに格納される(ステップSA4)。
【0045】
一方、輝度補正値算出部23’により、輝度補正値算出処理が行われる(ステップSA5)。これにより、パラメータ記憶部24’に格納された1〜30ラインの輝度劣化パラメータと、確定基準値記憶部25bに格納されている確定基準値とが比較され、1〜30ラインについて各画素に対応する輝度補正値が算出される。ここで、現在参照される確定基準値は、前回の輝度補正処理において取得された一フレーム分の輝度劣化パラメータを用いて算出された基準値である。
輝度補正値算出部23’によって新たな輝度補正値が算出されると、算出された輝度補正値が輝度補正値記憶部26の輝度補正テーブルに書き込まれ、輝度補正テーブルが更新される(ステップSA6)。これにより、輝度補正値記憶部26には、1〜30ラインの各画素については今回の輝度補正処理で算出された輝度補正値が記載され、31〜1080ラインの各画素については、前回の輝度補正処理で取得された輝度補正値が記載された輝度補正テーブルが格納された状態となる。
【0046】
次に、一フレーム全ての画素について輝度劣化パラメータが取得されたか否かが判定される(ステップSA7)。この結果、現時点では「NO」であるため、ステップSA1に戻り、2回目のパラメータ取得処理がパラメータ取得部21によって行われる。これにより、31〜60ラインの輝度劣化パラメータがパラメータ取得部21によって取得され、パラメータ記憶部24’には31〜60ラインの輝度劣化パラメータが上書きされる(ステップSA2)。
基準値算出部22は、暫定基準値記憶部25aに格納されている暫定基準値と、パラメータ記憶部24に格納されている31〜60ラインの輝度劣化パラメータを用いて基準値を算出し(ステップSA3)、これを暫定基準値として暫定基準値記憶部25aに格納する。これにより、暫定基準値記憶部25aに格納されていた暫定基準値は更新される(ステップSA4)。
【0047】
また、輝度補正値算出部23は、パラメータ記憶部24’に格納された31〜60ラインの輝度劣化パラメータと、確定基準値記憶部25bに格納されている確定基準値とを比較することにより、31〜60ラインについて各画素に対応する輝度補正値を算出し(ステップSA5)、輝度補正値記憶部26に格納されている輝度補正テーブルを更新する(ステップSA6)。
これにより、輝度補正値記憶部26には、1〜60ラインの各画素については今回の取得走査で算出された輝度補正値が記載され、61〜1080ラインの各画素については、前回の取得走査で取得された輝度補正値が記載された輝度補正テーブルが格納されることとなる。
【0048】
そして、同様の処理が繰り返し行われ、ステップSA1において、1051〜1080ラインの輝度劣化パラメータが取得されると、取得された輝度劣化パラメータがパラメータ記憶部24’に上書きされる(ステップSA2)。続いて、暫定基準値記憶部25aに格納されている暫定基準値と、パラメータ記憶部24に格納されている1051〜1080ラインの輝度劣化パラメータを用いて基準値が算出され(ステップSA3)、この基準値が暫定基準値として暫定基準値記憶部25aに格納される(ステップSA4)。
【0049】
また、パラメータ記憶部24’に格納された1051〜1080ラインの輝度劣化パラメータと、確定基準値記憶部25bに格納されている確定基準値とを比較することにより、1051〜1080ラインについて各画素に対応する輝度補正値が算出され(ステップSA5)、輝度補正値記憶部26に格納されている輝度補正テーブルが更新する(ステップSA6)。
これにより、輝度補正値記憶部26には、全てのラインの各画素について今回の輝度補正処理で取得された輝度補正値が記載された輝度補正テーブルが格納されることとなる。
【0050】
続いて、ステップSA7において「YES」と判定され、ステップSA8において、暫定基準値記憶部25aに格納されている暫定基準値を読み出し、確定基準値として確定基準値記憶部25bに格納し、その後、暫定基準値記憶部25aをリセットすることで、暫定基準値をゼロにし(ステップSA9)、輝度補正処理を終了する。
これにより、次回の輝度補正処理では、今回新たに更新された確定基準値を用いて輝度補正値の算出が行われる。
【0051】
以上説明したように、本実施形態に係る輝度補正装置、表示装置、情報処理装置、及び輝度補正プログラムによれば、パラメータ取得部21によって輝度劣化パラメータが取得されると、取得された輝度劣化パラメータを用いて暫定基準値及び輝度補正値を随時算出するので、例えば、パラメータ記憶部24’に格納する輝度劣化パラメータのデータ数を少なくすることができる。これにより、パラメータ記憶部24’の容量を小さくすることが可能となり、小型化及び低コスト化を図ることが可能となる。
なお、本実施形態では、パラメータ取得部21による1回分のパラメータ取得処理で取得された輝度劣化パラメータをパラメータ記憶部24’に格納することとし、1回分のパラメータ取得処理で取得された輝度劣化パラメータを用いて暫定基準値や輝度補正値を算出することとしたが、この例に限らず、例えば、パラメータ取得部21によって1画素の輝度劣化パラメータが取得される毎に、暫定基準値の算出と輝度補正値の算出とを随時行うこととしてもよい。このように、1画素毎に暫定基準値の算出や輝度補正値の算出を行うことで、パラメータ記憶部24’のデータ容量を大幅に低減させることが可能となる。
【0052】
以上、本発明の輝度補正装置、表示装置、情報処理装置、及び輝度補正プログラムに係る各実施形態について図面を参照して説明してきたが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0053】
例えば、上述した各実施形態に係る輝度補正部20、20’は、輝度補正値算出部23によって算出された輝度補正値に基づいて輝度劣化が所定値以上の画素を特定する画素特定部を更に備え、画素特定部によって特定された画素の輝度補正値の更新頻度を他の画素の輝度補正値の更新頻度よりも高くすることとしてもよい。
例えば、アイコンが表示されるなど、同じ位置に同じ画像が長時間にわたって表示されているような領域については、他の領域の画素に比べて発光素子の輝度劣化の進行が速い。したがって、このような輝度劣化の進行が比較的速い画素については、輝度補正値の算出周期を他の画素よりも短く設定することで、精度よく輝度調整を行うことが可能となり、画面全体の輝度のバラツキを更に抑えることが可能となる。
【0054】
また、上述した各実施形態では、ノートPC1が備えるハードウェア資源を用いて輝度補正機能を実現する場合を例示して説明したが、輝度補正装置は独立した回路構成としてノートPC1内に搭載されてもよい。この場合、輝度補正装置は、独自のCPU、メモリ等を備え、上述した各輝度補正処理を実現するものとする。また、この場合、輝度補正装置内のCPUは適宜、ノートPC1のCPU12と通信を行い、上述した輝度補正処理を実現させる。
【符号の説明】
【0055】
1 :ノートPC
10 :表示装置
11 :入力装置
12 :CPU
13 :ROM
14 :メモリ
16 :フラッシュメモリ
17 :通信デバイス
18 :バス
20、20’ :輝度補正部
21 :パラメータ取得部
22、22’ :基準値算出部
23、23’ :輝度補正値算出部
24、24’:パラメータ記憶部
25 :基準値記憶部
25a :暫定基準値記憶部
25b :確定基準値記憶部
26、26’ :輝度補正値記憶部
31 :表示部
32 :表示制御部
【手続補正書】
【提出日】2017年12月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一フレームを構成する各画素の輝度劣化に関するパラメータを部分毎に複数回に分けて取得するパラメータ取得手段と、
前記パラメータ取得手段によって取得された複数の画素の前記輝度劣化に関するパラメータを用いて、輝度劣化基準値を算出する基準値算出手段と、
前記基準値算出手段によって算出された前記輝度劣化基準値と前記パラメータ取得手段によって取得された各画素の前記輝度劣化に関するパラメータとを用いて、前記一フレームの輝度を均一化するための輝度補正値を画素毎に算出する輝度補正値算出手段と、
前記輝度補正値算出手段によって算出された前記輝度補正値に基づいて前記輝度劣化が所定値以上の画素を特定する画素特定手段と
を備え、
前記画素特定手段によって特定された画素の前記輝度補正値の更新頻度を他の画素の前記輝度補正値の更新頻度よりも高くする輝度補正装置。
【請求項2】
前記パラメータ取得手段は、予め設定されたパラメータ取得時間内で取得可能な画素数またはライン数の前記輝度劣化に関するパラメータを毎回取得する請求項1に記載の輝度補正装置。
【請求項3】
前記パラメータ取得時間は、ユーザにより設定及び変更可能とされている請求項2に記載の輝度補正装置。
【請求項4】
前記パラメータ取得手段は、休止状態及びスリープ状態の少なくともいずれかの状態にある場合に、前記輝度劣化に関するパラメータを取得する請求項1に記載の輝度補正装置。
【請求項5】
前記パラメータ取得手段によって取得された各画素の輝度に関するパラメータを格納するパラメータ記憶手段を備え、
前記基準値算出手段は、前記パラメータ記憶手段に前記一フレームを構成する全ての画素に対する前記輝度劣化に関するパラメータが蓄積された後に、全ての画素に対する前記輝度劣化に関するパラメータを用いて前記輝度劣化基準値を算出する請求項1から請求項4のいずれかに記載の輝度補正装置。
【請求項6】
前記パラメータ取得手段によって部分的に取得された前記輝度劣化に関するパラメータを用いて算出された前記輝度劣化基準値を暫定基準値として格納する暫定基準値記憶手段と、
前記パラメータ取得手段によって取得された前記一フレームの全ての画素の前記輝度劣化に関するパラメータを用いて算出された前記輝度劣化基準値を確定基準値として格納する確定基準値記憶手段と、
前記輝度補正値算出手段によって算出された画素毎の前記輝度補正値を格納する輝度補正値記憶手段と
を備え、
前記基準値算出手段は、前記パラメータ取得手段によって前記輝度劣化に関するパラメータが取得された場合に、取得された前記輝度劣化に関するパラメータと前記暫定基準値記憶手段に格納されている前記暫定基準値とを用いて輝度劣化基準値を算出し、算出した前記輝度劣化基準値を前記暫定基準値として前記暫定基準値記憶手段を更新し、
前記輝度補正値算出手段は、前記パラメータ取得手段によって前記輝度劣化に関するパラメータが取得された場合に、取得された前記輝度劣化に関するパラメータと前記確定基準値記憶手段に格納されている前記確定基準値とを用いて前記輝度補正値を算出し、前記輝度補正値記憶手段に格納されている前記輝度補正値を更新する請求項1から請求項4のいずれかに記載の輝度補正装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の輝度補正装置を備える表示装置。
【請求項8】
請求項7に記載の表示装置を備え、
前記輝度補正値算出手段によって算出された前記輝度補正値を用いて各画素に供給する駆動電流を補正する情報処理装置。
【請求項9】
一フレームを構成する各画素の輝度劣化に関するパラメータを複数回に分けて部分毎に取得する工程と、
取得した各画素の前記輝度劣化に関するパラメータを用いて、輝度劣化基準値を算出する工程と、
前記輝度劣化基準値と各画素の前記輝度劣化に関するパラメータとを用いて、前記一フレームの輝度を均一化するための輝度補正値を画素毎に算出する工程と、
前記輝度補正値に基づいて前記輝度劣化が所定値以上の画素を特定し、特定した画素の前記輝度補正値の更新頻度を他の画素の前記輝度補正値の更新頻度よりも高くする工程と
を具備する輝度補正方法。
【請求項10】
一フレームを構成する各画素の輝度劣化に関するパラメータを複数回に分けて部分毎に取得する処理と、
取得した各画素の前記輝度劣化に関するパラメータを用いて、輝度劣化基準値を算出する処理と、
前記輝度劣化基準値と各画素の前記輝度劣化に関するパラメータとを用いて、前記一フレームの輝度を均一化するための輝度補正値を画素毎に算出する処理と、
前記輝度補正値に基づいて前記輝度劣化が所定値以上の画素を特定し、特定した画素の前記輝度補正値の更新頻度を他の画素の前記輝度補正値の更新頻度よりも高くする処理と
をコンピュータに実行させるための輝度補正プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の第1態様は、一フレームを構成する各画素の輝度劣化に関するパラメータを部分毎に複数回に分けて取得するパラメータ取得手段と、前記パラメータ取得手段によって取得された複数の画素の前記輝度劣化に関するパラメータを用いて、輝度劣化基準値を算出する基準値算出手段と、前記基準値算出手段によって算出された前記輝度劣化基準値と前記パラメータ取得手段によって取得された各画素の前記輝度劣化に関するパラメータとを用いて、前記一フレームの輝度を均一化するための輝度補正値を画素毎に算出する輝度補正値算出手段と
、前記輝度補正値算出手段によって算出された前記輝度補正値に基づいて前記輝度劣化が所定値以上の画素を特定する画素特定手段とを備え、前記画素特定手段によって特定された画素の前記輝度補正値の更新頻度を他の画素の前記輝度補正値の更新頻度よりも高くする輝度補正装置である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明の第4態様は、一フレームを構成する各画素の輝度劣化に関するパラメータを複数回に分けて部分毎に取得する工程と、取得した各画素の前記輝度劣化に関するパラメータを用いて、輝度劣化基準値を算出する工程と、前記輝度劣化基準値と各画素の前記輝度劣化に関するパラメータとを用いて、前記一フレームの輝度を均一化するための輝度補正値を画素毎に算出する工程と、
前記輝度補正値に基づいて前記輝度劣化が所定値以上の画素を特定し、特定した画素の前記輝度補正値の更新頻度を他の画素の前記輝度補正値の更新頻度よりも高くする工程とを具備する輝度補正方法である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
本発明の第5態様は、一フレームを構成する各画素の輝度劣化に関するパラメータを複数回に分けて部分毎に取得する処理と、取得した各画素の前記輝度劣化に関するパラメータを用いて、輝度劣化基準値を算出する処理と、前記輝度劣化基準値と各画素の前記輝度劣化に関するパラメータとを用いて、前記一フレームの輝度を均一化するための輝度補正値を画素毎に算出する処理と
、前記輝度補正値に基づいて前記輝度劣化が所定値以上の画素を特定し、特定した画素の前記輝度補正値の更新頻度を他の画素の前記輝度補正値の更新頻度よりも高くする処理とをコンピュータに実行させるための輝度補正プログラムである。