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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-124350(P2018-124350A)
(43)【公開日】2018年8月9日
(54)【発明の名称】画像投影装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/18 20060101AFI20180713BHJP
   G02B 26/10 20060101ALI20180713BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20180713BHJP
【FI】
   G02B27/18 Z
   G02B26/10 C
   H04N5/74 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-14897(P2017-14897)
(22)【出願日】2017年1月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148460
【弁理士】
【氏名又は名称】小俣 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100168125
【弁理士】
【氏名又は名称】三藤 誠司
(72)【発明者】
【氏名】森 泰樹
【テーマコード(参考)】
2H045
5C058
【Fターム(参考)】
2H045AB13
2H045AB38
2H045BA13
2H045BA24
2H045CB67
5C058BA21
5C058BA22
5C058BA23
5C058BA24
5C058EA02
5C058EA13
(57)【要約】
【課題】プロジェクタが投影する画像のアスペクト比と異なるアスペクト比の画像をスクリーンに表示する際に、表示される画像の画質を向上させることができる画像投影装置を提供する。
【解決手段】画像投影装置10は、画像を形成する光を照射する光源部300と、光源部200から照射された光を走査する走査部106と、走査部106によって走査された光を所定の領域20に導く反射部200と、を備え、反射部200は、第1、第2、及び第3反射部200a〜200cを有し、第1反射部200aは、光の入射方向と交差する第1方向に第2反射部200bと隣接して配置され、第3反射部200cは、第1反射部200aに対して、第1方向と直交する第2方向に配置され、第1乃至第3反射部200a〜200cは、それぞれ入射した光を、所定の領域20上にて、一列に位置する第1領域20a、第2領域20b及び第3領域20cに導く。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を形成する光を照射する光源部と、
前記光源部から照射された光を走査する走査部と、
前記走査部によって走査された光を所定の領域に導く反射部と、を備え、
前記反射部は、第1、第2、及び第3反射部を有し、
前記第1反射部は、光の入射方向と交差する第1方向に前記第2反射部と隣接して配置され、
前記第3反射部は、前記第1反射部に対して、前記第1方向と直交する第2方向に配置され、
前記第1乃至第3反射部は、それぞれ入射した光を、前記所定の領域上にて、一列に位置する第1領域、第2領域及び第3領域に導く、
画像投影装置。
【請求項2】
前記第1領域及び前記第2領域は離れており、前記第3領域は、前記第1領域及び前記第2領域の間に位置している、
請求項1に記載の画像投影装置。
【請求項3】
前記第1乃至第3反射部は、前記入射する光に対して、予め定められた角度で配置され、前記所定の領域に画像を形成する、
請求項1又は2に記載の画像投影装置。
【請求項4】
前記反射部は、更に、第4反射部を備え、前記第4反射部は、入射した光を、前記第1領域、前記第2領域及び前記第3領域と一列に並ぶ第4領域に導く、
請求項1乃至3の何れかに記載の画像投影装置。
【請求項5】
前記各反射部は、前記光源部と前記所定の領域との間の光の経路上に配置され、入射した光を前記所定の領域に反射する、
請求項1乃至4の何れかに記載の画像投影装置。
【請求項6】
前記各反射部は、前記光源部と前記所定の領域との間の光の経路上に配置され、入射した光を透過して、前記所定の領域に導く、
請求項1乃至4の何れかに記載の画像投影装置。
【請求項7】
前記第1乃至第3反射部の内の少なくとも一つは、前記光源部と前記所定の領域との間の光の経路上に配置され、入射した光を前記所定の領域に反射し、
前記第1乃至第3反射部の内の他の少なくとも一つは、前記光源部と前記スクリーンとの間の光の経路上に配置され、入射した光を透過して、前記所定の領域に出射する、
請求項1乃至4の何れかに記載の画像投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を走査することにより、画像を投影する画像投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプロジェクタは、所定のアスペクト比で画像をスクリーン等に投影するように設計されている。所定のアスペクト比としては、4:3又は16:9が用いられることが多い。ところが、近年、デジタルサイネージなどにおいて、従来のアスペクト比と異なり、横長のアスペクト比(例えば16:3など))で画像を投影することが求められる場合がある。
【0003】
特許文献1には、プロジェクタが投影した画像の領域とは異なる形状の大きな画像の表示を簡単な構造で実現するための技術が開示されている。特許文献1では、垂直方向と水平方向とのいずれかに並ぶ複数の部分画像を個々独立に反射し、複数の部分画像の並び方向とは異なる方向に隣接する一の画像をスクリーンに表示する画像投影システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−181534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、スクリーンの両端に表示される画像の歪みが大きくなる場合がある。
【0006】
そこで、本発明は、プロジェクタが投影する画像のアスペクト比と異なるアスペクト比の画像を所定の領域に形成する際に、形成される画像の画質を向上させることができる画像投影装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る画像投影装置は、画像を形成する光を照射する光源部と、前記光源部から照射された光を走査する走査部と、前記走査部によって走査された光を所定の領域に導く反射部と、を備え、前記反射部は、第1、第2、及び第3反射部を有し、前記第1反射部は、光の入射方向と交差する第1方向に前記第2反射部と隣接して配置され、前記第3反射部は、前記第1反射部に対して、前記第1方向と直交する第2方向に配置され、前記第1乃至第3反射部は、それぞれ入射した光を、前記所定の領域上にて、一列に位置する第1領域、第2領域及び第3領域に導く。
【0008】
この構成によれば、第1方向に互いに隣接する第1反射部及び第2反射部と、第1反射部に対して第1方向と直交する第2方向に配置された第3反射部とに入射した光を、一列に位置する第1領域、第2領域及び第3領域に導くことができる。このように、第1乃至第3反射部の各々に適した領域に光を導くことで、所定の領域に形成される画像の歪みを減少させることができ、画質を向上させることができる。
【0009】
また例えば、前記第1領域及び前記第2領域は離れており、前記第3領域は、前記第1領域及び前記第2領域の間に位置してもよい。
【0010】
この構成によれば、第1領域及び第2領域の間に第3領域を配置することができ、さらに画像の歪みを減少させることができる。
【0011】
また例えば、前記第1乃至第3反射部は、前記入射する光に対して、予め定められた角度で配置され、前記所定の領域に画像を形成してもよい。
【0012】
また例えば、前記反射部は、更に、第4反射部を備え、前記第4反射部は、入射した光を、前記第1領域、前記第2領域及び前記第3領域と一列に並ぶ第4領域に導いてもよい。
【0013】
また例えば、前記各反射部は、前記光源部と前記所定の領域との間の光の経路上に配置され、入射した光を前記所定の領域に反射してもよい。
【0014】
この構成によれば、光源部と所定の領域との間の光の経路上に配置された各反射部によって、入射した光を所定の領域に反射することができる。
【0015】
また例えば、前記各反射部は、前記光源部と前記所定の領域との間の光の経路上に配置され、入射した光を透過して、前記所定の領域に導いてもよい。
【0016】
この構成によれば、光源部と所定の領域との間の光の経路上に配置された各反射部によって、入射した光を所定の領域に透過することができる。したがって、光源部、導光部及び所定の領域を略直線的に配置することが可能となり、画像投影装置の小型化を図ることができる。
【0017】
また例えば、前記第1乃至第3反射部の内の少なくとも一つは、前記光源部と前記所定の領域との間の光の経路上に配置され、入射した光を前記所定の領域に反射し、前記第1乃至第3反射部の内の他の少なくとも一つは、前記光源部と前記スクリーンとの間の光の経路上に配置され、入射した光を透過して、前記所定の領域に出射してもよい。
【0018】
この構成によれば、光源部と所定の領域との間の光の経路上に配置された各反射部によって、入射した光を所定の領域に適切な角度で透過又は反射させることができる。
【0019】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一態様に係る画像投影装置は、プロジェクタが投影する画像のアスペクト比と異なるアスペクト比の画像を所定の領域に形成する際に、形成される画像の歪みを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、実施の形態1に係る画像投影装置の斜視図である。
図2図2は、実施の形態1に係るプロジェクタの構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態1に係る画像投影装置の平面図である。
図4図4は、実施の形態1に係る画像投影装置の断面図である。
図5図5は、実施の形態1においてプロジェクタが投影する画像の一例を示す図である。
図6図6は、実施の形態1においてスクリーンに表示される画像の一例を示す図である。
図7図7は、実施の形態1に係る画像投影装置による効果を説明するための比較例における走査線を示す図である。
図8図8は、実施の形態1に係る画像投影装置による効果を説明するための実施例における走査線を示す図である。
図9図9は、実施の形態2に係る画像投影装置の平面図である。
図10図10は、実施の形態2に係る画像投影装置の断面図である。
図11図11は、実施の形態2に係るプロジェクタが投影する画像の一例を示す図である。
図12図12は、実施の形態2に係る画像投影装置がスクリーンに表示する画像の一例を示す図である。
図13図13は、実施の形態2に係る画像投影装置による効果を説明するための実施例における走査線を示す図である。
図14図14は、実施の形態3に係る画像投影装置の平面図である。
図15図15は、実施の形態3に係る画像投影装置の断面図である。
図16図16は、実施の形態3に係るプロジェクタが投影する画像の一例を示す図である。
図17図17は、実施の形態3に係る画像投影装置がスクリーンに表示する画像の一例を示す図である。
図18図18は、実施の形態3に係る画像投影装置による効果を説明するための実施例における走査線を示す図である。
図19図19は、実施の形態4に係る画像投影装置の平面図である。
図20図20は、実施の形態4に係る画像投影装置の断面図である。
図21図21は、実施の形態4に係るプロジェクタが投影する画像の一例を示す図である。
図22図22は、実施の形態4に係る画像投影装置がスクリーンに表示する画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0023】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、請求の範囲を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0024】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。また、以下の実施の形態において、略Z方向などの表現を用いている場合がある。例えば、略Z方向は、完全にZ方向と一致する方向であることを意味するだけでなく、実質的に一致する方向、すなわち、数%程度のZ方向からのずれた方向を含むことも意味する。
【0025】
また、以下の図において、スクリーンの水平方向及び垂直方向は、それぞれX方向及びY方向と定義され、スクリーンの法線方向はZ方向と定義されている。なお、X方向は第1方向の一例であり、Y方向は第2方向の一例である。
【0026】
(実施の形態1)
[画像投影装置の構成]
図1は、実施の形態1に係る画像投影装置10の斜視図である。本実施の形態に係る画像投影装置10は、光を走査することによりスクリーン20に画像を形成する。図1に示すように、画像投影装置10は、プロジェクタ100と、導光部200とを備える。
【0027】
ここでは、画像とは、機械的な処理により、感光材料、紙、スクリーン等の上に映し出された像を意味する。また、光とは、人間の目に明るさを感じさせるものであり、目を刺激して視覚を起こさせる物理的な原因である。
【0028】
プロジェクタ100は、レーザ走査型のプロジェクタである。具体的には、プロジェクタ100は、レーザ光を走査し、走査したレーザ光を導光部200に照射する。本実施の形態では、プロジェクタ100は、スクリーン20から離れる方向に光を照射している。
【0029】
ここでは、照射とは、光や放射線などを当てることを意味する。また、走査とは、画像に対応する各点の明るさの光を順に照射することにより画像を組み立てる操作を意味する。
【0030】
導光部200は、反射部の一例であり、プロジェクタ100から照射された光をスクリーン20に導く。図1に示すように、導光部200は、4つの光学部材(第1光学部材200a、第2光学部材200b、第3光学部材200c及び第4光学部材200d)を備える。
【0031】
ここでは、4つの光学部材は、ミラーである。第1光学部材200a、第2光学部材200b、第3光学部材200c及び第4光学部材200dの各々は、プロジェクタ100から照射された光をスクリーン20に向けて反射する。
【0032】
スクリーン20は、所定の領域の一例であり、プロジェクタ100から照射された光によって画像を表示する面である。図1に示すように、スクリーン20は、X方向に一列に並ぶ4つの表示領域(第1表示領域20a、第2表示領域20b、第3表示領域20c及び第4表示領域20d)を有する。
【0033】
[プロジェクタの構成]
次に、プロジェクタ100の構成の一例について説明する。図2は、実施の形態1に係るプロジェクタ100の構成を示すブロック図である。
【0034】
プロジェクタ100は、光源部111と、走査部106と、光検出部107と、ミラー駆動部108と、光源駆動部109と、制御部110と、を備える。以下に、プロジェクタ100に含まれるこれらの各構成要素について説明する。
【0035】
光源部111は、スクリーン上に画像を形成する光を照射する。光源部111は、第1光源101と、第2光源102と、第3光源103と、ビームスプリッタ104、105と、を備える。
【0036】
第1光源101は、所定の波長を有するレーザ光を出射する。具体的には、第1光源101は、例えば青色のレーザ光を出射するレーザダイオードである。第1光源101から出射されたレーザ光は、ビームスプリッタ104を通って走査部106に到達する。
【0037】
第2光源102及び第3光源103は、それぞれ、第1光源101が出射するレーザ光とは波長が異なるレーザ光を出射する。具体的には、第2光源102及び第3光源103は、それぞれ、例えば緑色のレーザ光及び赤色のレーザ光を出射するレーザダイオードである。第2光源102及び第3光源103から出射された緑色のレーザ光及び赤色のレーザ光は、ビームスプリッタ105、104を通って走査部106に到達する。
【0038】
走査部106は、例えば、2軸走査型のMEMSミラーユニットである。走査部106は、互いに直交する2つの走査方向に光を走査する。具体的には、走査部106は、共振駆動によりミラーを高速で第1軸(例えば垂直軸)を中心に揺動させることにより、レーザ光を第1走査方向(例えば水平方向)に高速で走査する。また、走査部106は、直流駆動によりミラーを低速で第2軸(例えば水平軸)を中心に揺動させることにより、レーザ光を第2走査方向(例えば垂直方向)に低速で走査する。
【0039】
光検出部107は、走査部106によって光検出部107の方向にレーザ光が走査されたときに、第1光源101、第2光源102及び第3光源103から出射されたレーザ光の光強度(optical power)を検出するセンサである。光検出部107は、例えばフォトダイオードである。
【0040】
ミラー駆動部108は、走査部106に駆動信号を供給することにより、走査部106のミラーを揺動させる。ミラー駆動部108は、制御部110に制御される。
【0041】
光源駆動部109は、第1光源101、第2光源102及び第3光源103の各々に駆動電流を供給することにより、第1光源101、第2光源102及び第3光源103の各々を駆動する。光源駆動部109は、制御部110に制御される。
【0042】
制御部110は、例えば、プロセッサ及びメモリ、又は、専用電子回路によって実現される。制御部110は、光検出部107の出力信号に基づいて、ミラー駆動部108を介して走査部106を制御する。具体的には、制御部110は、走査部106のミラーの揺動を制御して、第1光源101、第2光源102及び第3光源103から出射されたレーザ光を走査する。
【0043】
さらに、制御部110は、入力画像信号に基づいて、光源駆動部109を介して第1光源101、第2光源102及び第3光源103の光出力を制御する。制御部110は、第1光源101、第2光源102及び第3光源103の各々に供給される駆動電流値を制御することにより、第1光源101、第2光源102及び第3光源103の各々から出射されるレーザ光の光強度を制御する。
【0044】
[光学部材の配置]
次に、このような画像投影装置10の導光部200に含まれる光学部材の配置について説明する。図3は、実施の形態1に係る画像投影装置10の上面図である。図4は、実施の形態1に係る画像投影装置10の断面図である。具体的には、図4は、図3におけるIV−IV線断面図である。
【0045】
第1光学部材200aは、第1反射部の一例であり、光を反射する第1投影領域200apを有するミラーである。第1光学部材200aは、プロジェクタ100とスクリーン20との間の光の経路上に配置されている。第1光学部材200aは、第1投影領域200apに入射した光を第1表示領域20aに反射する。つまり、第1投影領域200apに投影された画像は、第1表示領域20aに映し出される。
【0046】
第2光学部材200bは、第2反射部の一例であり、光を反射する第2投影領域200bpを有するミラーである。第2光学部材200bは、プロジェクタ100とスクリーン20との間の光の経路上に配置されている。また、第2光学部材200bは、第2投影領域200bpへの光の入射方向(ここでは略Z方向)と交差するX方向に第1光学部材200aと隣接して配置されている。
【0047】
第2光学部材200bは、第2投影領域200bpに入射した光を第2表示領域20bに反射する。つまり、第2光学部材200bは、第2投影領域200bpに入射した光を、第1表示領域20aと離れた第2表示領域20bに反射する。つまり、第2投影領域200bpに投影された画像は、第2表示領域20bに映し出される。
【0048】
そのため、第2投影領域200bpを有するミラー面は、第1投影領域200apを有するミラー面と異なる方向に向いている。具体的には、第2投影領域200bpを有するミラー面と、第1投影領域200apを有する面とは、Y方向からみて、スクリーン20の側に頂点を有する山形状に連結されており、X方向に互いに離れる方向へ光を反射する。
【0049】
第3光学部材200cは、第3反射部の一例であり、光を反射する第3投影領域200cpを有するミラーである。第3光学部材200cは、プロジェクタ100とスクリーン20との間の光の経路上に配置されている。また、第3光学部材200cは、第3投影領域200cpへの光の入射方向(ここでは略Z方向)及びX方向と直交するY方向に第2光学部材200bと隣接して配置されている。第3光学部材200cは、第3投影領域200cpに入射した光を、第1表示領域20a及び第2表示領域20bの間に位置する第3表示領域20cに反射する。つまり、第3投影領域200cpに投影された画像は、第3表示領域20cに映し出される。
【0050】
第4光学部材200dは、第4反射部の一例であり、光を反射する第4投影領域200dpを有するミラーである。第4光学部材200dは、プロジェクタ100とスクリーン20との間の光の経路上に配置されている。また、第4光学部材200dは、X方向に第2光学部材200bと隣接して配置され、かつ、Y方向に第1光学部材200aと隣接して配置されている。第4光学部材200dは、第4投影領域200dpに入射した光を、第1表示領域20a及び第2表示領域20bの間に位置し、かつ、第3投影領域200cpと隣接する第4表示領域20dに反射する。つまり、第4投影領域200dpに投影された画像は、第4表示領域20dに映し出される。
【0051】
以上のように、第1投影領域200ap、第2投影領域200bp、第3投影領域200cp及び第4投影領域200dpは、行列状に配置されており、互いに異なる方向に光を反射する。具体的には、第1投影領域200apは、X方向に第2投影領域200bpと隣接しており、かつ、Y方向に第4投影領域200dpと隣接している。また、第3投影領域200cpは、X方向に第4投影領域200dpと隣接しており、かつ、Y方向に第2投影領域200bpと隣接している。
【0052】
なお、各投影領域のサイズは、プロジェクタ100及び各光学部材のミラー面の間の距離とプロジェクタ100の走査角度とによって定まる。例えば、プロジェクタ及び各ミラー面との間の距離をLと表し、水平走査角度をα及び垂直走査角度をβと表した場合、水平方向のミラー面の大きさは2Ltanαであり、垂直方向のミラー面の大きさは2Ltanβである。
【0053】
[投影画像及び表示画像の関係]
ここで、プロジェクタ100によって導光部200の投影領域に形成される画像(以下、投影画像という)と、スクリーン20上に形成される画像(以下、表示画像という)との関係について説明する。図5は、実施の形態1における投影画像30Aの一例を示す図である。図6は、実施の形態1における表示画像30Bの一例を示す図である。
【0054】
プロジェクタ100から照射された光によって、導光部200の第1投影領域200ap、第2投影領域200bp、第3投影領域200cp及び第4投影領域200dpには、それぞれ、第1部分画像30a、第2部分画像30b、第3部分画像30c及び第4部分画像30dが形成される。第1部分画像30a、第2部分画像30b、第3部分画像30c及び第4部分画像30dは、X方向及びY方向に行列状に配置され、投影画像30Aを形成する。投影画像30Aは、おおむね従来のアスペクト比(例えば、4:3又は16:9)を有する。
【0055】
導光部200から反射された光によって、スクリーン20の第1表示領域20a、第2表示領域20b、第3表示領域20c及び第4表示領域20dには、それぞれ、第1部分画像30a、第2部分画像30b、第3部分画像30c及び第4部分画像30dが形成される。第1部分画像30a、第2部分画像30b、第3部分画像30c及び第4部分画像30dは、X方向に一列に並んで配置され、表示画像30Bを形成する。表示画像30Bは、投影画像30Aのアスペクト比と異なるアスペクト比を有し、ここでは、より横長なアスペクト比(例えば、16:3又は64:9)を有する。
【0056】
ここで、第1部分画像30a及び第2部分画像30bは、投影画像30A内では互いにX方向に隣接しているが、表示画像30B内では互いにX方向に離間されている。そして、表示画像30Bにおいて、第3部分画像30c及び第4部分画像30dは、第1部分画像30aと第2部分画像30bとの間に位置する。具体的には、表示画像30Bにおいて、第2部分画像30b、第3部分画像30c、第4部分画像30d及び第1部分画像30aは、この順にX方向に並んでいる。
【0057】
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る画像投影装置10によれば、互いに隣接する第1投影領域200ap及び第2投影領域200bpに入射した光を互いに離間する第1表示領域20a及び第2表示領域20bに導き、第3投影領域200cp及び第4投影領域200dpに入射した光を第1表示領域20a及び第2表示領域20bの間に位置する第3表示領域20c及び第4表示領域20dに導くことができる。このように、4つの投影領域の各々に適した表示領域に光を導くことで、表示される画像の歪みを減少させることができ、画質を向上させることができる。
【0058】
この効果について、図7及び図8を用いて説明する。図7は、実施の形態1に係る画像投影装置10による効果を説明するための比較例における走査線を示す図である。図8は、実施の形態1に係る画像投影装置10による効果を説明するための実施例における走査線を示す図である。
【0059】
図7及び図8において、縦軸は、スクリーン上の垂直方向の位置を示し、横軸は、スクリーン上の水平方向の位置を示す。そして、図7及び図8に描かれた線は、スクリーン上に走査される光線の軌跡(以下、走査線と呼ぶ)を示す。この走査線は、シミュレーションによって求められた。また、図7及び図8に描かれた矩形は、スクリーン上の表示領域を示す。
【0060】
図7の比較例では、特許文献1に記載されているように、垂直方向に並ぶ2つの投影領域に入射した光を、水平方向に並ぶ2つの表示領域に反射している。
【0061】
一方、図8の実施例では、上述したように、行列状に配置された4つの投影領域に入射した光を、水平方向に並ぶ4つの表示領域(第1表示領域20a、第2表示領域20b、第3表示領域20c及び第4表示領域20d)に反射している。プロジェクタ100から各光学部材までの距離は、約50mmである。また、第1投影領域200ap及び第2投影領域200bpが形成されたミラー面は、X方向に14.2度傾いている。第3投影領域200cp及び第4投影領域200dpが形成されたミラー面は、それぞれ、X方向に2.7度及びY方向に17度傾いている。
【0062】
図7では、水平方向に対する走査線の傾きが大きく、スクリーンに表示される画像の歪みも大きくなることが分かる。また、図7では、矩形で示される表示領域の左下には光が走査されない領域も存在する。一方、図8では、水平方向に対する走査線の傾きが小さく、表示領域に均一に光が走査され、スクリーンに表示される画像の歪みが小さくなることが分かる。つまり、図8では、図7に比べてスクリーンに表示される画像の画質が向上している。
【0063】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、3つの投影領域を用いて、3つの表示領域に画像を表示する点が実施の形態1と主として異なる。以下に、本実施の形態について、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
【0064】
[光学部材の配置]
まず、画像投影装置11に含まれる光学部材の配置について説明する。図9は、実施の形態2に係る画像投影装置11の上面図である。図10は、実施の形態2に係る画像投影装置11の断面図である。具体的には、図10は、図9におけるX−X線断面図である。
【0065】
本実施の形態では、プロジェクタ100は、スクリーン20に近付く方向に光を照射している。図9及び図10に示すように、導光部201は、第1光学部材201a、第2光学部材201b、第3光学部材201c及び第4光学部材201dを備える。
【0066】
第1光学部材201aは、光を反射する第1投影領域201apを有するミラーである。第1光学部材201aは、プロジェクタ100とスクリーン20との間の光の経路上に配置されている。第1光学部材201aは、第1投影領域201apに入射した光を第1表示領域21aに反射する。
【0067】
第2光学部材201bは、光を反射する第2投影領域201bpを有するミラーである。第2光学部材201bは、プロジェクタ100とスクリーン20との間の光の経路上に配置されている。また、第2光学部材201bは、第2投影領域201bpへの光の入射方向(ここでは略Z方向)と交差するX方向に第1光学部材201aと隣接して配置されている。第2光学部材201bは、第2投影領域201bpに入射した光を第1表示領域21aとは離れた第2表示領域21bに反射する。
【0068】
第3光学部材201cは、光を反射する第3投影領域201cpを有するミラーである。第3光学部材201cは、プロジェクタ100とスクリーン20との間の光の経路上に配置されている。また、第3光学部材201cは、第3投影領域201cpへの光の入射方向(ここでは略Z方向)及びX方向と交差するY方向に第1光学部材201a及び第2光学部材201bと隣接して配置されている。第3光学部材201cは、第3投影領域201cpに入射した光を、第1表示領域21a及び第2表示領域21bの間に位置する第3表示領域21cに反射する。
【0069】
以上のように、第2投影領域201bpは、X方向に第1投影領域201apと隣接しており、第3投影領域201cpは、Y方向に第1投影領域201ap及び第2投影領域201bpと隣接している。
【0070】
第4光学部材201dは、光を反射するミラーである。第4光学部材201dは、プロジェクタ100と第1光学部材201a、第2光学部材201b及び第3光学部材201cとの間の光の経路上に配置されている。第4光学部材201dは、プロジェクタ100から照射された光を、第4光学部材201dへの光の入射位置に応じて第1投影領域201ap、第2投影領域201bp又は第3投影領域201cpに反射する。
【0071】
[投影画像及び表示画像の関係]
ここで、プロジェクタ100によって導光部201の投影領域に形成される投影画像と、スクリーン20上に形成される表示画像との関係について説明する。図11は、実施の形態1における投影画像31Aの一例を示す図である。図12は、実施の形態1における表示画像31Bの一例を示す図である。
【0072】
プロジェクタ100から照射された光によって、導光部201の第1投影領域201ap、第2投影領域201bp及び第3投影領域201cpには、それぞれ、第1部分画像31a、第2部分画像31b及び第3部分画像31cが形成される。第1部分画像31a、第2部分画像31b及び第3部分画像31cは、X方向及びY方向に隣接しており、投影画像31Aを形成する。投影画像31Aは、おおむね従来のアスペクト比(例えば、4:3又は16:9)を有する。
【0073】
導光部201から反射された光によって、スクリーン20の第1表示領域21a、第2表示領域21b及び第3表示領域21cには、それぞれ、第1部分画像31a、第2部分画像31b及び第3部分画像31cが形成される。第1部分画像31a、第2部分画像31b及び第3部分画像31cは、一列に並んで配置され、表示画像31Bを形成する。表示画像31Bは、投影画像31Aのアスペクト比と異なるアスペクト比を有し、ここでは、より横長なアスペクト比を有する。
【0074】
第1部分画像31a及び第2部分画像31bは、投影画像31A内では互いにX方向に隣接していたが、表示画像31B内では互いにX方向に離間されている。そして、表示画像31Bにおいて、第3部分画像31cは、第1部分画像31aと第2部分画像31bとの間に位置する。具体的には、表示画像31Bにおいて、第2部分画像31b、第3部分画像31c及び第1部分画像31aは、この順にX方向に並んでいる。
【0075】
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る画像投影装置11によれば、互いに隣接する第1投影領域201ap及び第2投影領域201bpに入射した光を、互いに離れた第1表示領域21a及び第2表示領域21bに導くことができ、その第1表示領域21a及び第2表示領域21bの間に第3表示領域21cを配置することができる。このように、3つの投影領域の各々に適した表示領域に光を導くことで、表示される画像の歪みを減少させることができ、画質を向上させることができる。
【0076】
この効果について、図13を用いて説明する。図13は、実施の形態2に係る画像投影装置11による効果を説明するための実施例における走査線を示す図である。
【0077】
図13において、縦軸は、スクリーン上の垂直方向の位置を示し、横軸は、スクリーン上の水平方向の位置を示す。そして、図13に描かれた線は走査線を示す。この走査線は、シミュレーションによって求められた。また、図13に描かれた矩形は、スクリーン上の表示領域を示す。
【0078】
図13の実施例では、上述したように、3つの投影領域に入射した光を、水平方向に並ぶ3つの表示領域(第1表示領域21a、第2表示領域21b及び第3表示領域21c)に反射又は透過している。プロジェクタ100から各光学部材までの距離は、約50mmである。また、第1投影領域201ap及び第2投影領域201bpが形成されたミラー面は、X方向に12.4度及びY方向に18.3度傾いている。
【0079】
図13では、水平方向に対する走査線の傾きが小さく、表示領域に均一に光が走査され、スクリーンの両端に表示される画像の歪みが小さくなることが分かる。つまり、図13では、図7に比べてスクリーンの両端に表示される画像の画質が向上している。
【0080】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3では、第3光学部材が光を透過してスクリーンに光を導く点が実施の形態1、2と主として異なる。以下に、本実施の形態について、実施の形態1、2と異なる点を中心に説明する。
【0081】
[光学部材の配置]
まず、画像投影装置12に含まれる光学部材の配置について説明する。図14は、実施の形態3に係る画像投影装置12の上面図である。図15は、実施の形態3に係る画像投影装置12の断面図である。具体的には、図15は、図14におけるXIV−XIV線断面図である。
【0082】
本実施の形態では、プロジェクタ100は、スクリーン20に近付く方向に光を照射している。図14及び図15に示すように、導光部202は、第1光学部材202a、第2光学部材202b、第3光学部材202c及び第4光学部材202dを備える。
【0083】
第1光学部材202aは、光を反射する第1投影領域202apを有するミラーである。第1光学部材202aは、プロジェクタ100とスクリーン20との間の光の経路上に配置され、第1投影領域202apに入射した光を第1表示領域21aに反射する。
【0084】
第2光学部材202bは、光を反射する第2投影領域202bpを有するミラーである。第2光学部材202bは、プロジェクタ100とスクリーン20との間の光の経路上に配置されている。また、第2光学部材202bは、第2投影領域202bpへの光の入射方向(ここでは略Z方向)と交差するX方向に第1光学部材202aと隣接して配置されている。第2光学部材202bは、第2投影領域202bpに入射した光を第2表示領域21bに反射する。つまり、第2光学部材202bは、第2投影領域202bpに入射した光を、第1表示領域21aとは離れた第2表示領域21bに反射する。
【0085】
第3光学部材202cは、光を透過する第3投影領域202cpを有するレンズである。第3光学部材202cは、プロジェクタ100とスクリーン20との間の光の経路上に配置されている。第3光学部材202cは、第3投影領域202cpに入射した光を透過して、第1表示領域21a及び第2表示領域21bの間に位置する第3表示領域21cに出射する。
【0086】
第4光学部材202dは、光を反射するミラーである。第4光学部材202dは、プロジェクタ100と第1光学部材202a及び第2光学部材202bとの間の光の経路上に配置されている。第4光学部材202dは、第3光学部材202cとY方向に隣接して配置され、プロジェクタ100から照射された光を、第4光学部材202dへの光の入射位置に応じて第1投影領域202ap又は第2投影領域202bpに反射する。
【0087】
[投影画像及び表示画像の関係]
ここで、プロジェクタ100によって導光部202の投影領域に形成される投影画像と、スクリーン20上に形成される表示画像との関係について説明する。図16は、実施の形態3における投影画像32Aの一例を示す図である。図17は、実施の形態3における表示画像32Bの一例を示す図である。
【0088】
プロジェクタ100から照射された光によって、導光部202の第1投影領域202ap、第2投影領域202bp及び第3投影領域202cpには、それぞれ、第1部分画像32a、第2部分画像32b及び第3部分画像32cが形成される。第1部分画像32a、第2部分画像32b及び第3部分画像32cは、投影画像32Aを形成する。投影画像32Aは、おおむね従来のアスペクト比(例えば、4:3又は16:9)を有する。
【0089】
導光部201から反射された光によって、スクリーン20の第1表示領域21a、第2表示領域21b及び第3表示領域21cには、それぞれ、第1部分画像32a、第2部分画像32b及び第3部分画像32cが形成される。第1部分画像32a、第2部分画像32b及び第3部分画像32cは、一列に並んで配置され、表示画像32Bを形成する。表示画像32Bは、投影画像32Aのアスペクト比と異なるアスペクト比を有し、ここでは、より横長なアスペクト比を有する。
【0090】
また、第1部分画像32a及び第2部分画像32bは、投影画像32A内では互いに隣接していたが、表示画像32B内では互いに離間されている。そして、表示画像32Bにおいて、第3部分画像32cは、第1部分画像32aと第2部分画像32bとの間に位置する。具体的には、表示画像32Bにおいて、第2部分画像32b、第3部分画像32c及び第1部分画像32aは、この順に並んでいる。
【0091】
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る画像投影装置12によれば、光源部とスクリーンとの間の光の経路上に配置された3つの光学部材によって、3つの投影領域に入射した光を3つの表示領域に適切な角度で透過又は反射することができる。
【0092】
この効果について、図18を用いて説明する。図18は、実施の形態3に係る画像投影装置12による効果を説明するための実施例における走査線を示す図である。
【0093】
図18において、縦軸は、スクリーン上の垂直方向の位置を示し、横軸は、スクリーン上の水平方向の位置を示す。そして、図18に描かれた線は走査線を示す。この走査線は、シミュレーションによって求められた。また、図18に描かれた矩形は、スクリーン上の表示領域を示す。
【0094】
図18の実施例では、上述したように、3つの投影領域に入射した光を、水平方向に並ぶ3つの表示領域(第1表示領域22a、第2表示領域22b及び第3表示領域22c)に反射又は透過している。プロジェクタ100から各光学部材までの距離は、約50mmである。また、第1投影領域202ap及び第2投影領域202bpが形成されたミラー面は、X方向に12.4度及びY方向に18.3度傾いている。
【0095】
図18では、水平方向に対する走査線の傾きが小さく、表示領域に均一に光が走査され、スクリーンに表示される画像の歪みが小さくなることが分かる。つまり、図18では、図7に比べてスクリーンに表示される画像の画質が向上している。
【0096】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について説明する。実施の形態4では、各光学部材が光を透過してスクリーンに光を導く点が実施の形態1〜3と主として異なる。以下に、本実施の形態について、実施の形態1〜3と異なる点を中心に説明する。
【0097】
[光学部材の配置]
まず、画像投影装置13に含まれる光学部材の配置について説明する。図19は、実施の形態4に係る画像投影装置13の上面図である。図20は、実施の形態4に係る画像投影装置13の断面図である。具体的には、図20は、図19におけるXIX−XIX線断面図である。
【0098】
本実施の形態では、プロジェクタ100は、スクリーン20に近付く方向に光を照射している。導光部203は、第1光学部材203a、第2光学部材203b、第3光学部材203cを備える。
【0099】
第1光学部材203aは、光を透過する第1投影領域203apを有するレンズである。具体的には、第1光学部材203aは、例えば、屈折により光を偏向させるウェッジプリズムである。第1光学部材203aは、プロジェクタ100とスクリーン20との間の光の経路上に配置され、第1投影領域203apに入射した光を透過して第1表示領域21aに向けて出射する。
【0100】
第2光学部材203bは、光を透過する第2投影領域203bpを有するレンズである。具体的には、第2光学部材203bは、例えば、屈折により光の進行方向を変化させるプリズムである。第2光学部材203bは、プロジェクタ100とスクリーン20との間の光の経路上に配置されている。また、第2光学部材203bは、第2投影領域203bpへの光の入射方向(ここでは略Z方向)と交差するX方向に第1光学部材203aと隣接して配置されている。第2光学部材203bは、第2投影領域203bpに入射した光を透過して第2表示領域21bへ向けて出射する。つまり、第2光学部材203bは、第2投影領域203bpに入射した光を、第1表示領域21aとは離れた第2表示領域21bに出射する。
【0101】
第3光学部材203cは、光を透過する第3投影領域203cpを有するレンズである。具体的には、第3光学部材203cは、例えば、屈折により光の進行方向を変化させるプリズムである。第3光学部材203cは、プロジェクタ100とスクリーン20との間の光の経路上に配置されている。また、第3光学部材203cは、第3投影領域203cpへの光の入射方向(ここでは略Z方向)及びX方向と交差するY方向に第1光学部材203a及び第2光学部材203bと隣接して配置されている。第3光学部材203cは、第3投影領域203cpに入射した光を透過して、第1表示領域21a及び第2表示領域21bの間に位置する第3表示領域21cに出射する。
【0102】
[投影画像及び表示画像の関係]
ここで、プロジェクタ100によって導光部203の投影領域に形成される投影画像と、スクリーン20上に形成される表示画像との関係について説明する。図21は、実施の形態3における投影画像33Aの一例を示す図である。図22は、実施の形態3における表示画像33Bの一例を示す図である。
【0103】
プロジェクタ100から照射された光によって、導光部203の第1投影領域203ap、第2投影領域203bp及び第3投影領域203cpには、それぞれ、第1部分画像33a、第2部分画像33b及び第3部分画像33cが形成される。第1部分画像33a、第2部分画像33b及び第3部分画像33cは、投影画像33Aを形成する。投影画像33Aは、おおむね従来のアスペクト比(例えば、4:3又は16:9)を有する。
【0104】
導光部201を透過した光によって、スクリーン20の第1表示領域21a、第2表示領域21b及び第3表示領域21cには、それぞれ、第1部分画像33a、第2部分画像33b及び第3部分画像33cが形成される。第1部分画像33a、第2部分画像33b及び第3部分画像33cは、一列に並んで配置され、表示画像33Bを形成する。表示画像33Bは、投影画像33Aのアスペクト比と異なるアスペクト比を有し、ここでは、より横長なアスペクト比を有する。
【0105】
また、第1部分画像33a及び第2部分画像33bは、投影画像33A内では互いにX方向に隣接していたが、表示画像33B内では互いにX方向に離間されている。そして、表示画像33Bにおいて、第3部分画像33cは、第1部分画像33aと第2部分画像33bとの間に位置する。具体的には、表示画像33Bにおいて、第2部分画像33b、第3部分画像33c及び第1部分画像33aは、この順にX方向に並んでいる。
【0106】
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る画像投影装置13によれば、光源部111とスクリーン20との間の光の経路上に配置された3つの光学部材によって、3つの投影領域に入射した光を3つの表示領域に適切な角度で透過させることができる。したがって、光源部111、導光部200及びスクリーン20を直線的に配置することが可能となり、画像投影装置13の小型化を図ることができる。
【0107】
(他の実施の形態)
以上、本発明の1つまたは複数の態様に係る画像投影装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の1つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0108】
例えば、上記実施の形態2では、第4光学部材が用いられていたが、実施の形態1と同様に、プロジェクタ100から直接的に第1光学部材、第2光学部材及び第3光学部材に光が照射されてもよい。
【0109】
なお、上記各実施の形態において、複数の表示領域は、水平方向に並べられていたが、これに限定されない。例えば、複数の表示領域は、垂直方向に並べられてもよい。
【0110】
なお、上記各実施の形態において、複数の光学部材が用いられていたが、これらの複数の光学部材は、一体に形成されてもよい。例えば、実施の形態4において、3つの光学部材は、光学特性が異なる複数の領域を有する単一の光学部材として形成されてもよい。
【0111】
なお、上記各実施の形態において、プロジェクタと導光部とは、別々に設けられていたが、導光部は、プロジェクタの筐体内に内蔵されてもよい。
【0112】
なお、上記各実施の形態では、画像が形成される所定の領域がスクリーンである場合について説明したが、所定の領域はスクリーンに限定されない。例えば、所定の領域は、感光材料あるいは紙であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0113】
プロジェクタが投影する画像のアスペクト比と異なるアスペクト比の画像をスクリーンに表示する画像投影装置として利用できる。
【符号の説明】
【0114】
10、11、12、13 画像投影装置
20 スクリーン(所定の領域)
20a、21a 第1表示領域(第1領域)
20b、21b 第2表示領域(第2領域)
20c、21c 第3表示領域(第3領域)
20d 第4表示領域(第4領域)
30A、31A、32A、33A 投影画像
30B、31B、32B、33B 表示画像
30a、31a、32a、33a 第1部分画像
30b、31b、32b、33b 第2部分画像
30c、31c、32c、33c 第3部分画像
30d 第4部分画像
100 プロジェクタ
101 第1光源
102 第2光源
103 第3光源
104、105 ビームスプリッタ
106 走査部
107 光検出部
108 ミラー駆動部
109 光源駆動部
110 制御部
111 光源部
200、201、202、203 導光部(反射部)
200a、201a、202a、203a 第1光学部材(第1反射部)
200ap、201ap、202ap、203ap 第1投影領域
200b、201b、202b、203b 第2光学部材(第2反射部)
200bp、201bp、202bp、203bp 第2投影領域
200c、201c、202c、203c 第3光学部材(第3反射部)
200cp、201cp、202cp、203cp 第3投影領域
200d、201d、202d 第4光学部材(第4反射部)
200dp 第4投影領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22