特開2018-124543(P2018-124543A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2018-124543カスタマイズされた外観を有する生物医学デバイスのための方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-124543(P2018-124543A)
(43)【公開日】2018年8月9日
(54)【発明の名称】カスタマイズされた外観を有する生物医学デバイスのための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/04 20060101AFI20180713BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20180713BHJP
【FI】
   G02C7/04
   B41J2/01 109
   B41J2/01 501
   B41J2/01 129
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2017-243652(P2017-243652)
(22)【出願日】2017年12月20日
(31)【優先権主張番号】15/386,467
(32)【優先日】2016年12月21日
(33)【優先権主張国】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】510294139
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック・エイ・フリッチュ
(72)【発明者】
【氏名】ランドール・ビー・ピュー
【テーマコード(参考)】
2C056
2H006
【Fターム(参考)】
2C056FB01
2C056FB09
2C056FC01
2C056HA44
2H006BB01
2H006BB03
2H006BB07
2H006BC06
2H006BC07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】美的要素を有するコンタクトレンズをオンデマンドで形成するための設計、装置、及び方法を提供する。
【解決手段】下面がユーザーの角膜表面に快適に適合するように成形されているヒドロゲルベースと、コンタクトレンズ100の本体内の位置に色を付ける要素であって、色を付ける要素の位置とその位置での色の性質が、色のパターン画像を表示するソフトウェアプログラムと、ユーザーとの対話によって決定される色を付ける要素と、を含むコンタクトレンズデバイス。美的外観を画定する方法はパターンの印刷を含む。他には、電磁放射への露光でパターン形成を提供し得るフォトクロミック又はサーモクロミック要素が挙げられる。また、コンタクトレンズ内の通電部品が美的特徴を提供し得る。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトレンズデバイスであって、
ヒドロゲルベースであって、その下面がユーザーの角膜表面に快適に適合するように成形されている、ヒドロゲルベースと、
前記コンタクトレンズの本体内の位置に色を付ける要素であって、前記色を付ける要素の前記位置とその位置での前記色の性質が、色のパターン画像を表示するソフトウェアプログラムと前記ユーザーとの対話によって決定される、色を付ける要素と、を含む、コンタクトレンズデバイス。
【請求項2】
前記色を付ける要素の前記位置の決定が、前記色を付ける要素を配置する前に行われる、請求項1に記載のコンタクトレンズデバイス。
【請求項3】
前記色を付ける要素がインクを含む、請求項2に記載のコンタクトレンズデバイス。
【請求項4】
前記インクが、インクジェットプリンタによって前記コンタクトレンズ内に配置される、請求項3に記載のコンタクトレンズデバイス。
【請求項5】
前記インクが、針によって前記コンタクトレンズ内に配置される、請求項3に記載のコンタクトレンズデバイス。
【請求項6】
前記色を付ける要素がフォトクロミック染料を含む、請求項2に記載のコンタクトレンズデバイス。
【請求項7】
フォトクロミック染料を含む前記色を付ける要素が、紫外線への露光によって色を変える、請求項6に記載のコンタクトレンズデバイス。
【請求項8】
ポリマー材料の第2の層を更に含み、前記ポリマー材料の第2の層が、前記色を付ける要素の上に位置し、前記ヒドロゲルベースと共に前記色を付ける要素を封入する、請求項1に記載のコンタクトレンズデバイス。
【請求項9】
インサートデバイスを更に含み、前記インサートデバイスが前記ヒドロゲルベース内に封入され、前記インサートデバイスが埋め込まれたポリマー微細片を含み、フォトクロミック染料が前記ポリマー微細片内に配置される、請求項1に記載のコンタクトレンズデバイス。
【請求項10】
インサートデバイスを更に含み、前記インサートデバイスが前記ヒドロゲルベース内に封入され、前記インサートデバイスが埋め込まれたポリマー微細片を含み、フォトクロミック染料が前記ポリマー微細片内に配置される、請求項1に記載のコンタクトレンズデバイス。
【請求項11】
インサートデバイスを更に含み、前記インサートデバイスが前記ヒドロゲルベース内に封入され、前記インサートデバイスが埋め込まれたポリマー微細片を含み、サーモクロミック染料が前記ポリマー微細片内に配置される、請求項1に記載のコンタクトレンズデバイス。
【請求項12】
コンタクトレンズパターン撮像デバイスであって、
一対のコンタクトレンズベースを含むパッケージを保持するように構成されている収容部であって、前記コンタクトレンズベースが埋め込まれたフォトクロミック染料を含み、前記収容部が前記一対のコンタクトレンズベースを整列位置に保持する、収容部と、
光源であって、前記コンタクトレンズパターン撮像デバイス内で、整列位置にある前記一対のコンタクトレンズベースを照らす位置に配置される、光源と、
光強度変調器であって、前記光源からの光の一部をパターンで遮断する、光強度変調器と、
制御装置であって、前記光強度変調器に制御情報を送信し、前記光強度変調器内の素子をオン及びオフにして前記パターンを形成する、制御装置と、
通信デバイスであって、データ通信を受信して前記光強度変調器に送信する、通信デバイスと、を含む、コンタクトレンズパターン撮像デバイス。
【請求項13】
前記光源が紫外線を供給する、請求項12に記載のコンタクトレンズパターン撮像デバイス。
【請求項14】
前記光源が、紫外領域で複数の別個の照射帯域を供給し、前記複数の別個の照射帯域が、前記コンタクトレンズの前記パターン内に複数の異なる色をパターン形成するために使用される、請求項13に記載のコンタクトレンズパターン撮像デバイス。
【請求項15】
前記光強度変調器が液晶材料の層を含み、前記液晶材料の層が電極間に位置し、前記電極に印加される電気信号が、前記電極と接する領域で前記撮像デバイスを通過する光の強度を変調する、請求項12に記載のコンタクトレンズパターン撮像デバイス。
【請求項16】
前記光強度変調器がDMDデバイスを含む、請求項12に記載のコンタクトレンズパターン撮像デバイス。
【請求項17】
コンタクトレンズパターニングデバイスであって、
一対のコンタクトレンズベースを含むパッケージを保持するように構成されている収容部であって、前記コンタクトレンズベースがインク小滴に付着性の表面を含む、収容部と、
第1の印刷ヘッド印刷素子であって、前記コンタクトレンズパターニングデバイス内で、整列位置にある前記一対のコンタクトレンズベースに直接印刷する位置に配置され、インクを印刷する、第1の印刷ヘッド印刷素子と、
第2の印刷ヘッド印刷素子であって、前記コンタクトレンズパターニングデバイス内で、整列位置にある前記一対のコンタクトレンズベースに直接印刷する位置に配置され、反応性モノマー混合物を印刷する、第2の印刷ヘッド印刷素子と、
制御装置であって、前記印刷ヘッドに制御情報を送信し、前記印刷ヘッド内の素子をオン及びオフにしてインク小滴のパターンを形成する、制御装置と、
通信デバイスであって、前記制御装置へのデータ通信を受信する、通信デバイスと、を含む、コンタクトレンズパターニングデバイス。
【請求項18】
コンタクトレンズ内にパターンを形成する方法であって、
コンタクトレンズベースを形成することであって、成形を含む、ことと、
前記コンタクトレンズベースを保存のためにパッケージ内に配置することと、
設計システムと対話してパターン設計を選択することと、
前記コンタクトレンズベースに着色剤を付与することと、
前記コンタクトレンズベースにモノマー混合物を付着させることであって、前記モノマー混合物が前記着色剤の露出面を包囲する、ことと、
前記モノマー混合物を重合により固定することと、を含む、方法。
【請求項19】
前記コンタクトレンズベースに前記着色剤を付与することが、前記コンタクトレンズベース上にインクを印刷することにより実行される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記コンタクトレンズベースに前記着色剤を付与することが、針を使用して前記コンタクトレンズベースを穿通させることにより実行され、前記針がインクで被覆される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記コンタクトレンズベースに前記着色剤を付与することが、フォトクロミック染料に照射することにより実行され、前記フォトクロミック染料が前記コンタクトレンズベースの本体内に位置する、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記コンタクトレンズベースに前記着色剤を付与することが、サーモクロミック染料に照射することにより実行され、前記サーモクロミック染料が前記コンタクトレンズベースの本体内に位置する、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
コンタクトレンズ内でパターンを表示する方法であって、
コンタクトレンズを形成することであって、前記コンタクトレンズが、
インサートデバイスを含み、前記インサートデバイスが、
通電素子と、
第1及び第2の電極により取り囲まれた配向液晶材料を含む電気活性層であって、前記第1及び第2の電極にわたる電位の印加が、前記液晶材料の分子配向を変化させ、電磁放射線のコンタクトレンズ透過を減らし、前記電気活性層が前記コンタクトレンズの非光学ゾーンに位置する、電気活性層と、
制御装置であって、前記第1の電極及び前記第2の電極にわたって印加される電位を制御する、制御装置と、
通信デバイスであって、前記制御装置による電位の印加の有無を決定するパターン関連データを受信する、通信デバイスと、を含む、ことと、
外部デバイスから前記コンタクトレンズ内の前記通信デバイスへ通信を伝送することと、
前記コンタクトレンズをユーザーの眼に配置することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトレンズの美的内容を製作及び提供するための方法及び装置と、個人にその機能性を提供するための装置及び方法とに共に関する。
【背景技術】
【0002】
コンタクトレンズ又はコンタクトは、単に、眼上に設置されるレンズである。コンタクトレンズは、医療用デバイスと見なされ、視力の矯正のため、及び/又は美容若しくは他の治療上の理由で装用されてもよい。コンタクトレンズは、1950年代以降、視力を改善するために商用的に利用されてきた。初期のコンタクトレンズは、硬い材料で作製又は製作されており、比較的高価で脆かった。それに加えて、これら初期のコンタクトレンズを製作していた材料は、コンタクトレンズを通して結膜及び角膜まで十分に酸素を透過させることができず、そのことによって潜在的に多数の臨床上の副作用を引き起こす可能性があった。これらのコンタクトレンズは依然として利用されているが、最初の快適性が低いため、全ての患者に適しているわけではない。その後のこの分野における発展によって、ヒドロゲル系のソフトコンタクトレンズがもたらされ、今日では非常に一般的で広く利用されている。今日、入手可能なシリコーンヒドロゲルのコンタクトレンズは、非常に高い酸素透過性を有するシリコーンの利点を、ヒドロゲルの実証済みの快適性及び臨床性能と組み合わせたものである。本質的に、これらのシリコーンヒドロゲルに基づくコンタクトレンズは、より高い酸素透過値を有し、一般に、初期の硬い材料で作成されたコンタクトレンズより装用が快適である。一方、硬質のガス透過性ハードコンタクトレンズは、シロキサン含有ポリマーから製造されるが、ソフトコンタクトレンズよりも硬く、したがって、それらの形状を保持し、より耐久性がある。
【0003】
現在利用可能なコンタクトレンズは、依然として、視力矯正の費用効果の高い手段である。近視若しくは近眼、遠視若しくは遠眼、乱視、すなわち角膜の非球面性、及び老眼、すなわち、遠近調節する水晶体の能力の喪失を含む、視覚障害を矯正するために、薄いプラスチックレンズが眼の角膜にかぶせて装着される。コンタクトレンズは、多様な形態で入手可能であり、様々な機能性をもたらすべく多様な材料から製造されている。終日装用ソフトコンタクトレンズは、通常、酸素透過性を得るために水と組み合わされた軟質のポリマー材料から製造される。終日装用ソフトコンタクトレンズは、1日使い捨て型であっても、連続装用の使い捨て型であってもよい。1日使い捨て型のコンタクトレンズは通常、1日にわたって装用され、その後、捨てられるが、連続装用の使い捨て型コンタクトレンズは通常、最大で30日の期間にわたって装用される。着色ソフトコンタクトレンズは、種々の機能性を得るために種々の材料を使用する。例えば、識別用着色コンタクトレンズは、落としたコンタクトレンズを発見する際に装用者を支援するために、明るい色合いを用いるものであり、強調着色コンタクトレンズは、装用者の生来の眼色を強調することを意図した透明又は半透明の色合いを有するものであるが、着色カラーコンタクトレンズは、装用者の眼色を変化させることを意図した、不透明な色合いを備え、光フィルタリング着色コンタクトレンズは、特定の色を強調する一方で他の色を弱めるように機能する。二重焦点及び多焦点のコンタクトレンズは、老眼を有する患者専用に設計され、ソフトとハードの両方で入手可能である。トーリックコンタクトレンズは、乱視を有する患者専用に設計され、同様にソフト及びハードの両方の種類で入手可能である。上記の様々な態様を組み合わせたコンビネーションレンズ、例えばハイブリッドコンタクトレンズもまた入手可能である。
【0004】
美容用コンタクトレンズは、装用者の虹彩を完全に又はより好ましくは部分的に覆う1つ又は2つ以上の要素からなるパターンを含んでもよい。これらのレンズはまた角膜縁リングも含み得る。角膜縁リングは、本質的には、色の環状帯であり、レンズが眼上の中心にあるときに、レンズ装用者の強膜と角膜の接合部である角膜縁領域を部分的に又は完全に覆っている。角膜縁リングの組み込みは、虹彩をより大きく、より暗く、及び/又はより明確に見せることができる。角膜縁リング及び虹彩パターンの組み合わせは、眼上のレンズの外観をより自然にする。言い換えると、虹彩パターンは、角膜縁リングが装用者の眼と自然に溶け込むのを可能にし、虹彩パターン及び角膜縁リングの組み合わせは、溶け込み、奥行、コントラスト、及び明確性を作り出す。
【0005】
他の美容用コンタクトレンズは、虹彩の代わりに又は虹彩に加えて強膜に焦点を当てるものである。例えば、コンタクトレンズは、不透明、半不透明、及び/又は半透明であり得る、明るい色の周辺部、すなわち虹彩領域の外側を含むことができる。その明るい部分は、角膜縁からコンタクトレンズの縁まで延びて、より明るい又はより白い強膜の印象を作り出すことができる。これらのコンタクトレンズは、上述のように、それを装用しない場合よりも虹彩を大きく、暗く、及び/又はより明確に見せることができる、角膜縁リングを含んでもよい。
【0006】
コンタクトレンズの製造技術における発展と共に、カスタマイズされたレンズがより低価格で容易に入手可能になり得る。このカスタマイズは、レンズの形状(例えば、個人の処方に対してレンズを作製すること)に関係し得るが、更なるカスタマイズオプションも可能であり得る。これらの可能なカスタマイズオプションの例としては、純粋な機能的又は幾何学的オプションよりむしろ美的オプションが挙げられ得る。顕著な美的カスタマイズの要望としては、コンタクトレンズの着色が挙げられ得る。これにより、装用者は種々の美的特質を得ることができ、これには、装用者の見掛けの眼色を変えること、又は特別かつ複雑であり得る美的パターンで眼を覆うことが挙げられる。
【0007】
カスタマイズされたレンズの価格低下及び製造性向上のために、販売手法も同様に進化している。顕著な例としては、パターン形成レンズは世界各地の十代の少女に特に人気がある。これらの少女の多くはいずれの視力矯正も提供しないレンズを使用しており、レンズの機能は純粋に美的なものである。小売店及び売店は、何千もの異なる美的系レンズを販売できるモール及び大型店に存在し、豊富な選択を可能にする。これらのレンズは必ずしも最高品質ではないことがあるが、その魅力はその比較的独自性があることであり得る。比較的簡単なことから、個人が友人全員と異なるレンズ一式を持つことができる。ユーザーの友人が同じレンズ対を探すことさえ困難なことがあるほど、非常に多くのオプションがあることがあり、この独自性、すなわち専用パターンが「自分のもの」であり得るという事実が有用である。それにもかかわらず、独自の設計を入手し、場合によってはレンズの設計にも参加するように、ユーザーができることを更に増やす必要があり得る。
【0008】
前述したように、現在入手可能なレンズには幾分低品質のものが存在し得る。この点に関して、美的カスタマイズを提供すると同時に、高水準の品質も提供できることが望ましい。このようなレンズは、美的側面を提供すると同時に、ユーザーが快適かつ安全であるような品質面も守ることができる。
【0009】
最近の技術のアクセス性は、ほぼどこででもボタンを押すことで、テレビ番組への即時オンラインアクセスから、自宅にいながらカスタマイズされた3Dオブジェクトをプリントできる付加製造まで進化しており、消費者がオンデマンドで望みの製品又はサービスに即時アクセスする能力を与えている。同様の方法を提供して、美的特徴と共に高品質及び安全性を有するカスタマイズされた高品質レンズを提供することが、望ましいことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、美的特徴を有するカスタマイズされたコンタクトレンズを製作するためのデバイスの設計及び方法について本明細書で説明する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一般的な一態様は、ユーザーがコンタクトレンズ又はコンタクトレンズ一式に美的要素を追加可能なデバイスを含む。このレンズに美的要素を追加するプロセスは、インク、又は他の染料、すなわち色素性、燐光性、発光性、若しくは別の方法では種々の光波長下でコンタクトレンズに可視的変化を生じ得る染料を印刷するか、又は別の方法では分配することを含み得る。
【0012】
一般的な一態様は、ヒドロゲルベースの下面がユーザーの角膜表面に快適に適合するように成形されたヒドロゲルベースと、コンタクトレンズの本体内の位置に色を付ける要素とを含む、コンタクトレンズデバイスを含み、色を付ける要素の位置とその位置での色の性質は、色のパターン画像を表示するソフトウェアプログラムとユーザーとの対話によって決定される。
【0013】
実現形態は、以下の特徴のうちの1つ又は2つ以上を含み得る。色を付ける要素の位置の決定が、色を付ける要素を配置する前に行われる、コンタクトレンズデバイス。色を付ける要素は、インクを使用して色を付け得る。いくつかの例では、インクは、インクジェットプリンタでコンタクトレンズに印刷される。他の例では、インクは、針によってコンタクトレンズ内に配置される。一実施形態では、色を付ける要素はフォトクロミック染料を含む。フォトクロミック染料を有する実施形態では、染料は紫外線への露光によって色を変え得る。コンタクトレンズデバイスは、ポリマー材料の第2の層を更に含み、ポリマー材料の第2の層は、色を付ける要素の上に位置し、ヒドロゲルベースと共に色を付ける要素を封入する。
【0014】
いくつかの実施形態では、コンタクトレンズデバイスはインサートデバイスを含み、インサートデバイスはヒドロゲルベース内に封入され、インサートデバイスは埋め込まれたポリマー微細片を含み、フォトクロミック染料がポリマー微細片内に配置される。微細片は、サイズが数十ナノメートル〜約100マイクロメートルの範囲であり得る。微細片を含むコンタクトレンズにパターンを付与するために、コンタクトレンズパターン撮像デバイスを使用してよく、このデバイスは、フォトクロミック染料を含むポリマー微細片の選択領域に制御可能に照射することができる。いくつかの例では、コンタクトレンズパターン撮像デバイスは、紫外スペクトルで照射する光源を含む。コンタクトレンズパターン撮像デバイスはまた、光源が紫外領域で複数の別個の照射帯域を供給する機能性を有してよく、複数の別個の照射帯域は、コンタクトレンズのパターン内に複数の異なる色をパターン形成するために使用される。コンタクトレンズパターン撮像デバイスは、異なる種類の撮像デバイスを含んでよく、これには、光強度変調器が液晶材料の層を含むものが挙げられる。これらの例では、液晶材料の層は電極間に位置し、電極への電気信号の印加により、電極と接する領域で撮像デバイスを通過する光の強度を変調する。いくつかの例では、コンタクトレンズパターン撮像デバイスは、DMDデバイスを使用し、コンタクトレンズの選択位置で光強度を制御し得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、カスタムパターン形成コンタクトレンズの形成方法は、コンタクトレンズベース上にインクを印刷することによる、コンタクトレンズベースに着色剤を付与することを含み得る。変更例では、コンタクトレンズベースに着色剤を付与することは、針を使用してコンタクトレンズベースを穿通させることにより実行され、針はインクで被覆される。
【0016】
いくつかの実施形態では、コンタクトレンズベースに着色剤を付与する方法は、フォトクロミック染料に照射することにより実行され、フォトクロミック染料はコンタクトレンズベースの本体内に位置する。同様の実施形態では、コンタクトレンズベースに着色剤を付与することは、サーモクロミック染料に照射することにより実行され、サーモクロミック染料はコンタクトレンズベースの本体内に位置する。記載した技術の実施形態は、機械設備、方法若しくは工程、又はコンピュータアクセス可能媒体でのコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0017】
一般的な一態様は、コンタクトレンズパターン撮像デバイスを含み、コンタクトレンズパターン撮像デバイスは以下のものを含む:一対のコンタクトレンズベースを含むパッケージを保持するように構成された収容部であって、コンタクトレンズベースは埋め込まれたフォトクロミック染料を含み、収容部は一対のコンタクトレンズベースを整列位置に保持する、収容部;光源であって、コンタクトレンズパターン撮像デバイス内で、整列位置にある一対のコンタクトレンズベースを照らす位置に配置される、光源;光強度変調器であって、光源からの光の一部をパターンで遮断する、光強度変調器;制御装置であって、光強度変調器に制御情報を送信し、光強度変調器内の素子をオン及びオフにしてパターンを形成する、制御装置;及び通信デバイスであって、データ通信を受信して光強度変調器に送信する、通信デバイス。本態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ又は2つ以上のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれは方法の動作を実行するように構成される。
【0018】
実現形態は、以下の特徴のうちの1つ又は2つ以上を含み得る。コンタクトレンズパターン撮像デバイスは、紫外線を供給する光源を含み得る。コンタクトレンズパターン撮像デバイスは、紫外領域で複数の別個の照射帯域を供給する光源を含んでよく、複数の別個の照射帯域は、コンタクトレンズのパターン内に複数の異なる色をパターン形成するために使用される。コンタクトレンズパターン撮像デバイスは、液晶材料の層を含む光強度変調器を含んでよく、液晶材料の層は電極間に位置し、電極に印加される電気信号は、電極と接する領域で撮像デバイスを通過する光の強度を変調する。コンタクトレンズパターン撮像デバイスは、DMDデバイスを含む光強度変調器を含み得る。
【0019】
一般的な一態様は、コンタクトレンズパターニングデバイスを含み、このデバイスは以下のものを含む:一対のコンタクトレンズベースを含むパッケージを保持するように構成された収容部であって、コンタクトレンズベースは、表面をインク小滴に対して付着性にする表面処理を含む、収容部;第1の印刷ヘッド印刷素子であって、コンタクトレンズパターニングデバイス内で、整列位置にある一対のコンタクトレンズベースに直接印刷する位置に配置され、インクを印刷する、第1の印刷ヘッド印刷素子;第2の印刷ヘッド印刷素子であって、コンタクトレンズパターニングデバイス内で、整列位置にある一対のコンタクトレンズベースに直接印刷する位置に配置され、反応性モノマー混合物を印刷する、第2の印刷ヘッド印刷素子;制御装置であって、印刷ヘッドに制御情報を送信し、印刷ヘッド内の素子をオン及びオフにしてインク小滴のパターンを形成する、制御装置;及び通信デバイスであって、制御装置へのデータ通信を受信する、通信デバイス。本態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ又は2つ以上のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれは方法の動作を実行するように構成される。
【0020】
一般的な一態様は、コンタクトレンズ内にパターンを形成する方法を含み、方法は以下を含む:コンタクトレンズベースを形成することであって、成形を含む、こと;コンタクトレンズベースを保存のためにパッケージ内に配置すること;設計システムと対話してパターン設計を選択すること;コンタクトレンズベースに着色剤を付与すること;コンタクトレンズベースにモノマー混合物を付着させることであって、モノマー混合物が着色剤の露出面を包囲する、こと;及びモノマー混合物を重合により固定すること。本態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ又は2つ以上のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれは方法の動作を実行するように構成される。
【0021】
一般的な一態様は、コンタクトレンズ内でパターンを表示する方法を含み、方法は以下の工程を含む:インサートデバイスを含むコンタクトレンズを形成することであって、インサートデバイスが、通電素子と;第1及び第2の電極により取り囲まれた配向液晶材料を含む電気活性層であって、第1及び第2の電極にわたる電位の印加が、液晶材料の分子配向を変化させ、電磁放射線のコンタクトレンズ透過を減らし、電気活性層がコンタクトレンズの非光学ゾーンに位置する、電気活性層と;制御装置であって、第1の電極及び第2の電極にわたって印加される電位を制御する、制御装置と;通信デバイスであって、制御装置による電位の印加の有無を決定するパターン関連データを受信する、通信デバイスと、を含む、こと;外部デバイスからコンタクトレンズ内の通信デバイスへ通信を伝送すること;及びコンタクトレンズをユーザーの眼に配置すること。本態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ又は2つ以上のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれは方法の動作を実行するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の上述及び他の特徴と利点は、添付図面に例証されるような、本発明の好ましい実施形態の以下のより詳しい記載から明白となるであろう。
図1A】美的特徴を有する例示的なレンズを示す。
図1B】美的特徴を有する例示的なレンズを示す。
図1C】美的特徴を有する例示的なレンズを示す。
図1D】美的特徴を有する例示的なレンズを示す。
図1E】美的特徴を有する例示的なレンズを示す。
図1F】美的特徴を有する例示的なレンズを示す。
図1G】美的特徴を有する例示的なレンズを示す。
図2A】美的特徴を有する例示的なレンズの断面拡大図を示す。
図2B】美的特徴を有する例示的なレンズの例示的な製造方法のフローチャートを示す。
図2C】例示的なレンズに美的特徴を印刷する例示的な装置の拡大図を示す。
図2D】美的特徴を有する例示的なレンズの上面にコーティング層を印刷する例示的な装置の拡大図を示す。
図2E】多層を含む美的特徴を有する例示的なレンズの断面拡大図を示す。
図3A】デジタル印刷された美的レンズを提供する例示的な商業的配置を示す。
図3B】デジタル式美的レンズ印刷装置を使用する例示的な自宅の配置を示す。
図4】例示的な自己完結型デジタル式美的レンズ印刷装置を示す。
図5A】フォトクロミック又はサーモクロミック染料を含むレンズベースの例示的な断面図を示す。
図5B】フォトクロミック又はサーモクロミック染料を含むレンズベースを収容するための例示的なパッケージを示す。
図5C】フォトクロミック又はサーモクロミック染料を含むレンズに美的特徴を形成するための例示的な装置を示す。
図5D】一部の染料領域が色を有するように処理された、フォトクロミック又はサーモクロミック染料を含むレンズベースの例示的な断面図を示す。
図6A】針のアレイを使用してコンタクトレンズに美的パターンを移すための装置を示す。
図6B】針処理により埋め込まれた色を有するレンズベースの例示的な断面図を示す。
図7A】電気活性パターニングデバイスを含むインサートデバイスの例示的な図を示す。
図7B図7Aのインサートを含む例示的なレンズを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
カスタマイズされたコンタクトレンズを製作する及び/又は美的要素を追加するためのデバイスの様々な実施形態の設計及び方法が開示されている。実施例の説明は、単なる例示的な実施形態に過ぎず、当業者には、様々な修正及び変更が明白であり得る。したがって、例示的な実施形態は、本出願の範囲を制限するものではない。
【0024】
用語集
本説明及び以下の特許請求の範囲において、以下の定義が適用される様々な用語が使用され得る。
【0025】
「化学線」は、本明細書で使用される場合、化学反応を開始することができる放射線を指す。
【0026】
「弓状の」は、本明細書で使用される場合、弓のような曲線又は屈曲を指す。
【0027】
「DMD」は、本明細書で使用される場合、CMOS SRAMの全体に機能的に実装された移動可能なマイクロミラーのアレイからなる双安定型空間光変調器であるデジタルマイクロミラーデバイスを指す。それぞれのミラーは、反射光を誘導するために、ミラーの下のメモリセルにデータを読み込むことによって独立して制御され、ビデオデータのピクセルをディスプレイ上のピクセルに空間的にマッピングする。データは、ミラーの状態が+X度(オン)又は−X度(オフ)のいずれかである2進数方式で、ミラーの傾斜角を静電気的に制御する。現在のデバイスは、Xを、10度又は12度(公称)のいずれかにすることができる。オンのミラーによって反射される光は、次いで投影レンズを通過してスクリーン上に当たる。光は、反射されて暗視野を形成し、画像の黒レベルフロアを画定する。画像は、観測者によって統合されるのに十分な速い速度でのオンレベルとオフレベルとの間のグレースケール変調によって形成される。DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)は、DLP投影システムと呼ばれることがある。
【0028】
「DMDスクリプト」は、本明細書で使用される場合、空間光変調器のための制御プロトコル、及びまた、例えば、光源又はフィルタホイール(これらのいずれかは時系列のコマンドシーケンスを含んでもよい)等の、任意のシステム部品の制御信号を指すものとする。頭文字DMDの使用は、この用語の使用を空間光変調器のいずれか1つの特定種類又は寸法に限定することを意図しない。
【0029】
「固定化放射線」は、本明細書で使用される場合、レンズ前駆体又はレンズを構成する本質的に全ての反応性混合物の重合及び架橋のうちの1つ又は2つ以上に十分な化学線を指す。
【0030】
「流動性レンズ反応性媒体」は、本明細書で使用される場合、天然の形態、反応した形態、又は部分的に反応した形態のいずれかで流動性であり、更なる処理を受けて眼用レンズの一部へと形成される、反応性混合物を意味する。
【0031】
「ゲル化点」は、本明細書で使用される場合、ゲル又は不溶性画分が最初に観測される点を指すものとする。ゲル化点は、液体重合混合物が固体となる、変換の程度である。ゲル点は、ソックスレー実験を用いて決定することができる。すなわち、ポリマー反応を異なる時点で停止させて、結果として得られるポリマーを分析して、残存する不溶性ポリマーの重量分率を決定する。データは、ゲルが存在しない点まで外挿することができる。ゲルが存在しないこの点が、ゲル化点である。ゲル化点はまた、反応中の反応混合物の粘度を分析することによって決定され得る。粘度は、反応混合物がプレート間にある状態で、平行プレートレオメーターを使用して測定することができる。少なくとも1つのプレートは、重合に使用される波長の放射線に対して透明でなければならない。粘度が無限大に到達する点が、ゲル化点である。ゲル化点は、所与のポリマー系及び指定の反応条件について同じ変換度で生じる。
【0032】
「レンズ」は、本明細書で用いる場合、眼内又は眼上にある任意の眼科デバイスを指す。これらのデバイスは、光学補正を提供することができるか又は美容用であってもよい。例えば、レンズという用語は、コンタクトレンズ、眼内レンズ、オーバーレイレンズ、眼球インサート、光学インサート、あるいはそれによって視力が矯正若しくは改善されるか又はそれによって眼の生理学的特性が視力を妨げることなく美容的に強調される(例えば、虹彩の色)ような他の同様のデバイスのことを指し得る。実施形態によっては、本発明の好ましいレンズは、シリコーンヒドロゲルを含むがこれに限定されないシリコーンエラストマー又はヒドロゲル、及びフルオロヒドロゲルから作製される、ソフトコンタクトレンズである。
【0033】
「レンズ前駆体」は、本明細書で使用される場合、レンズ前駆体形態及びレンズ前駆体形態と接触する流動性レンズ反応性混合物からなる複合物体を意味する。例えば、いくつかの実施形態では、流動性レンズ反応性媒体は、反応性混合物の体積内でレンズ前駆体形態を作り出す過程で形成される。レンズ前駆体形態及び接着した流動性レンズ反応性媒体を、レンズ前駆体形態を生成するために使用される一定の体積の反応性混合物から分離することによって、レンズ前駆体を作り出すことができる。更に、レンズ前駆体を異なる実体に変換することが、著しい量の流動性レンズ反応性混合物を取り除くこと、又は著しい量の流動性レンズ反応性媒体を非流動性の組み込み材料に変換することのいずれかによって可能である。
【0034】
「レンズ前駆体形態」は、本明細書で使用される場合、眼用レンズへの更なる処理を受けて組み込まれるものと一致する、少なくとも1つの光学品質表面を有する、非流動性物体を意味する。
【0035】
「レンズ形成混合物」、「反応性混合物」、又は「RMM」(反応性モノマー混合物)は、本明細書で使用される場合、硬化及び架橋することができるか、又は架橋して眼科レンズを形成することができる、モノマー、又はプレポリマー材料を指す。様々な実施形態において、紫外線遮断剤、染料、光開始剤又は触媒、及びコンタクト若しくは眼内レンズ等の眼科用レンズに望み得るその他の添加剤のような、1つ以上の添加剤を有する、レンズ形成混合物を含むことができる。
【0036】
「成形型」は、本明細書で使用される場合、未硬化配合物からレンズを形成するために使用され得る、剛性又は半剛性の物体を指す。いくつかの好ましい鋳型は、前方湾曲鋳型部分及び後方湾曲鋳型部分を形成する2つの鋳型部分を含む。
【0037】
「光学ゾーン」は、本明細書で使用する場合、眼用レンズの装用者がそこを通して見ることになる、眼用レンズの区域を指す。
【0038】
「成形型から取り外された」は、レンズが成形型から完全に分離されたか、又は軽い振動によって取り外すか若しくは綿棒を用いて押し外すことができるようにほんの軽く付着しているだけのいずれかであることを意味する。
【0039】
「Xゲル」は、本明細書で使用される場合、ゲル分画がゼロを超えるようになる、架橋可能な反応性混合物の化学変換の程度である。
【0040】
コンタクトレンズの例示的な美的改良
ここで図1Aを参照すると、例示的な非美容用コンタクトレンズ100の平面図が示されている。コンタクトレンズ100は、光学ゾーン102、光学ゾーン102を包囲する周縁ゾーン104、装着時に個人の眼に接触するよう設計された後方湾曲面、及び後方湾曲面と反対側の前方湾曲面を含む。光学ゾーン102は、それを通して視力矯正が得られるコンタクトレンズ100の部分である。言い換えると、光学ゾーン102は、視力矯正を提供し、単焦点の近視又は遠視の矯正、乱視の視力矯正、二焦点の視力矯正、多焦点の視力矯正、カスタム矯正等の特定のニーズ、又は視力矯正を提供し得る任意の他のデザインのために設計される。周辺ゾーン104は、光学ゾーン102を包囲し、眼上のコンタクトレンズ100に機械的安定性を提供する。言い換えると、周辺ゾーン104は、セントレーション及び配向を含む眼上でのコンタクトレンズ100の位置付け及び安定化に影響を及ぼす機械的特性を提供する。配向は、光学ゾーン102が乱視矯正及び/又は高次収差補正等の非回転対称特性を含むとき、基本となる。幾つかのコンタクトレンズ設計では、光学ゾーン102と周辺ゾーン104との間の任意の中間ゾーンが利用されてもよい。任意の中間ゾーンは、光学ゾーン102及び周辺ゾーン104が滑らかに溶け込むことを確実にする。
【0041】
図1Aに示すレンズ100は円形であるが、楕円形状又は切頭円形の形状などの、コンタクトレンズに好都合な任意の形状をなしてもよい。円形又は非変形であることに加えて、コンタクトレンズ100は、平面又は非平面であってもよい。
【0042】
美容用コンタクトレンズは、それが装用された眼の外観を向上する又は変えるように設計される。要件ではないが、美容用コンタクトレンズは屈折異常の補正にも利用され得る。加えて、美容用コンタクトレンズは、例えば損傷のある眼の外観を修復するためなど、直接的な医療用途もまた有し得る。無虹彩症、虹彩の欠失、瞳孔異常、虹彩の損傷、及び/又は老人環若しくは角膜老人環、角膜縁領域の色を薄くするか又は変色させる障害に罹患する個人は、完全な虹彩の外観を付与する着色されたコンタクトレンズを用いることができる。美容用コンタクトレンズは、半透明/透明色の強調、色合い、不透明色の色合い、人工虹彩パターン、縁リング、強膜を明るくする色合い、及び/又は上記の任意の組み合わせを含むことができる。
【0043】
より具体的には、美容用コンタクトレンズを用いて、強膜を明るくする及び/又は装用者の虹彩の明確性を強調するために役立つ角膜縁リングを含むパターンを有することができ、結果としてレンズ装用者を見る人に虹彩をより大きく見せる。加えて、美容用コンタクトレンズは、装用者の虹彩を完全に、又は好ましくは部分的に覆う追加のパターン要素を有してもよい。美容用レンズは、黒い眼の個人の虹彩を強調するために用いられ得るが、明るい眼のレンズ装用者の虹彩も同様に強調するために使用することもできる。
【0044】
図1Bを参照すると、本開示の発明実体により前述したコンタクトレンズ110の美的改良の例が示されている。この例は、本明細書で詳述するように、コンタクトレンズを形成するためにヒドロゲルスカートに封入されるインサートに印刷された例示的な虹彩パターンを示す。内部の電子及び通電部品は、ユーザーがコンタクトレンズを装用するとき、虹彩パターンで美的に覆われる。
【0045】
他の例では、コンタクトレンズ内の印刷パターンは、装用時に外観を提供するだけの単一機能を有してよく、内部部品を有していないコンタクトレンズ本体に印刷されてもよい。図1Cを参照すると、美的改良を有するコンタクトレンズ120が示されており、美的改良は、大きな瞳孔の印象を与え得る固体印刷パターンであってよい。
【0046】
前述したように、美的パターニングに関してコンタクトレンズに適用され得る膨大な数のパターンが存在し得る。図1D図1E、及び図1Fを参照すると、ブラシストローク130、ラインパターン140、及びラインパターンと幾何学的図形との組み合わせ150を有する、虹彩パターンの変更例が示されている。これらのパターンは、図1B及び図1Cに示すようないくつかのより標準的な美的改良より人工的なレンズ外観を伴い得る。
【0047】
予め設計された美的パターニングを有するレンズの製造に関する更なる実施可能性は、2015年4月15日に出願された米国特許出願第14/687321号で述べるように見出される場合があり、この文献は本明細書において参照により取り入れられている。
【0048】
パターンは、虹彩パターンのような標準的な特徴に関係なく、単なるパターンを有するように形成されてよい。図1Gを参照すると、図形パターン160の例が示されている。多くの例では、単色又は多色の任意パターンは、他人がそれらの眼を見るときにユーザーに独自の外観を与えるように作製され得る。前述したように、このような美的レンズの例は、コンタクトレンズの光学的改良特性に対して、存在する場合に形成されてよく、レンズは単に美的効果を与えるように使用され得る。
【0049】
美的内容を有する快適なコンタクトレンズの製造
図2Aを参照すると、美的内容を有するレンズの例示的な断面図が示されている。レンズのベース層215は、レンズ本体に形成され得る。形成は、コンタクトレンズの製造において標準的な多くの方法で実施でき、これには重合性材料を成形型表面間で成形し、成形体をコンタクトレンズに適した形状に形成することが挙げられる。
【0050】
ベース層215の形成に使用可能な多くの種類の材料が存在し得る。いくつかの例では、好ましいベース材料及び(コンタクトレンズ内にインサートデバイスを有する他の例では)封入材料は、シリコーン含有成分を含み得る。「シリコーン含有成分」とは、モノマー、マクロマー又はプレポリマー中に少なくとも1つの[−Si−O−]単位を含有するものである。好ましくは、総Si及び結合Oは、シリコーン含有成分中に、そのシリコーン含有成分の総分子量の約20重量%よりも多い、より好ましくは30重量%よりも多い量で存在する。有用なシリコーン含有成分は、好ましくは、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニル、N−ビニルラクタム、N−ビニルアミド、及びスチリル官能基等の重合性官能基が含まれる。
【0051】
いくつかの実施例では、インサート封入層とも呼ばれる、インサートを取り囲む眼用レンズスカートが、標準ヒドロゲル眼用レンズ配合物から構成され得る。数々のインサート材料に対して許容可能な適合を提供することができる特徴を有した例示的な材料としては、Narafilconファミリー(Narafilcon A及びNarafilcon Bを含む)、及びEtafilconファミリー(Etafilcon Aを含む)が挙げられ得る。本明細書の技術と一致する材料の性質に関して、より技術的に包括的な説明が以下に続く。当業者は、記述された材料以外の他の材料もまた、封止及び封入されるインサートの許容可能なエンクロージャ又は部分的なエンクロージャを形成することができ、本請求項の範囲と一致しかつ本請求項の範囲内に含まれると見なされるべきであり、同じ論理によって、インサートを含まないコンタクトレンズの例でも許容可能なベース層を形成することができることを理解するであろう。
【0052】
好適なシリコーン含有成分は、式Iの化合物を含み、
【0053】
【化1】
(式中、
R1は、独立して、一価の反応基、一価のアルキル基、又は一価のアリール基、更に、ヒドロキシ、アミノ、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、アルコキシ、アミド、カルバメート、カーボネート、ハロゲン、又はこれらの組み合わせから成る官能基を含み得る前述のもののいずれか;及び、更に、アルキル、ヒドロキシ、アミノ、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、アルコキシ、アミド、カルバメート、ハロゲン又はそれらの組み合わせから選択される官能基を含み得る1〜100個のSi−O繰り返し単位を含む一価のシロキサン鎖、から選択され;
式中、b=0〜500であり、bが0以外のとき、bは表示値と同等のモードを有する分布であると理解され、
少なくとも1つのR1は、一価の反応基を含み、いくつかの実施例では、1〜3個のR1が、一価の反応基を含む。
【0054】
本明細書で使用するとき、「一価の反応性基」は、フリーラジカル及び/又はカチオン重合を受ける場合がある基である。フリーラジカル反応性基の非限定的な例としては、(メタ)アクリレート、スチリル、ビニル、ビニルエーテル、C1〜6アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、C1〜6アルキル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルラクタム、N−ビニルアミド、C2〜12アルケニル、C2〜12アルケニルフェニル、C2〜12アルケニルナフチル、C2〜6アルケニルフェニル、C1〜6アルキル、O−ビニルカルバメート及びO−ビニルカーボネートが挙げられる。カチオン反応性基の非限定的な例としては、ビニルエーテル又はエポキシド基、及びこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、フリーラジカル反応基は、(メタ)アクリレート、アクリルオキシ、(メタ)アクリルアミド、及びこれらの混合物を含む。
【0055】
好適な一価アルキル基及びアリール基としては、置換及び非置換のメチル、エチル、プロピル、ブチル、2−ヒドロキシプロピル、プロポキシプロピル、ポリエチレンオキシプロピル、これらの組み合わせなどの非置換の一価C1〜C16アルキル基、C6〜C14アリール基が挙げられる。
【0056】
1つの実施例では、bはゼロであり、1つのR1は一価の反応基であり、少なくとも3つのR1は、1〜16個の炭素原子を有する一価のアルキル基から選択され、他の実施例においては、1〜6個の炭素原子を有する一価のアルキル基から選択される。この実施形態のシリコーン成分の非限定例としては、2−メチル−、2−ヒドロキシ−3−[3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキザニル]プロポキシ]プロピルエステル(「SiGMA」)、
2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルオキシプロピル−トリ(トリメチルシロキシ)シラン、
3−メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(「TRIS」)、
3−メタクリルオキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、及び
3−メタクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサンが挙げられる。
【0057】
別の実施例では、bは、2〜20、3〜15であり、又はいくつかの実施例では3〜10であり、少なくとも1個の末端R1が一価の反応性基を含み、残りのR1は、1〜16個の炭素原子を有する一価のアルキル基から選択され、又は別の実施形態では1〜6個の炭素原子を有する一価のアルキル基から選択される。更に別の一実施形態では、bが3〜15であり、1つの末端R1が一価の反応性基を含み、もう一方の末端R1が1〜6の炭素原子を有する一価のアルキル基を含み、残余のR1が1〜3個の炭素原子を有する一価のアルキル基を含む。本実施形態のシリコーン成分の非限定例としては、(モノ−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピル)−プロピルエーテル末端のポリジメチルシロキサン(400〜1000MW))(「OH−mPDMS」)、モノメタクリルオキシプロピル末端のモノ−n−ブチル末端のポリジメチルシロキサン(800〜1000MW)、(「mPDMS」)が挙げられる。
【0058】
別の実施例では、bは5〜400又は10〜300であり、両方の末端R1は一価の反応基を含み、残りのR1は独立して、炭素原子間にエーテル結合を有し、更にハロゲンを含み得る、1〜18個の炭素原子を有する一価のアルキル基から選択される。
【0059】
シリコーンヒドロゲルレンズが望ましい1つの実施例では、本発明のレンズは、ポリマーがそれから作製される反応性モノマー成分の総重量に基づいて、少なくとも約20、好ましくは約20〜70重量%のシリコーン含有成分を含む反応性混合物から作製される。
【0060】
他の実施形態では、1〜4個のR1は、下式のビニルカーボネート又はビニルカルバメートを含む。
【0061】
【化2】
式中、Yは、O−、S−、又はNH−を示し、
Rは、水素又はメチルを示し、dは、1、2、3又は4であり、qは、0又は1である。
【0062】
シリコーン含有ビニルカーボネート又はビニルカルバメートモノマーとしては、特に、1,3−ビス[4−(ビニルオキシカルボニルオキシ)ブタ−1−イル]テトラメチル−ジシロキサン;3−(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル−[トリス(トリメチルシロキシ)シラン];3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート;3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート;トリメチルシリルエチルビニルカーボネート;トリメチルシリルメチルビニルカーボネート、及び以下が挙げられる。
【0063】
【化3】
約200未満の弾性率を有する生物医学デバイスが所望される場合、1個のR1のみが一価反応性基を含むものとし、残りのR1基のうちの2個以下は、一価シロキサン基を含む。
【0064】
別の種類のシリコーン含有成分としては、次式のポリウレタンマクロマーが挙げられる。
式IV〜VI
G)aE1、
E(A)aE1又は
E(G)aE1、
(式中、
Dは6〜30個の炭素原子を有するアルキルジラジカル、アルキルシクロアルキルジラジカル、シクロアルキルジラジカル、アリールジラジカル、又はアルキルアリールジラジカルを示し、
Gは、1〜40個の炭素原子を有するアルキルジラジカル、シクロアルキルジラジカル、アルキルシクロアルキルジラジカル、アリールジラジカル又はアルキルアリールジラジカルを示し、これは、主鎖中にエーテル、チオ又はアミン結合を含有し得、
はウレタン又はウレイド結合を示し、
aは少なくとも1であり、
Aは次式の二価の重合ラジカルを示す。
【0065】
【化4】
【0066】
R11は、独立して、炭素原子間にエーテル結合が含まれていてもよい、1〜10個の炭素原子を有するアルキル又はフッ素置換アルキル基を示し、yは、少なくとも1であり、pは、400〜10,000の部分重量を提供し、E及びE1は各々独立して、下式によって表される重合性不飽和有機基を示す。
【0067】
【化5】
式中、R12は、水素又はメチルであり、R13は水素、炭素原子1〜6個を有するアルキルラジカル、又は−CO−Y−R15ラジカルであり、Yは−O−、Y−S−又は−NH−であり、R14は炭素原子1〜12個を有する二価のラジカルであり、Xは−CO−又は−OCO−を示し、Zは−O−又は−NH−を示し、Arは炭素原子6〜30個を有する芳香族ラジカルを示し、wは0〜6であり、xは0又は1であり、yは0又は1であり、zは0又は1である。
【0068】
1つの好ましいシリコーン含有成分は、次式で表されるポリウレタンマクロマーである。
【0069】
【化6】
式中、R16は、イソホロンジイソシアネートのジラジカルなどイソシアネート基除去後のジイソシアネートのジラジカルである。別の好適なシリコーン含有マクロマーは、フルオロエーテル、ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサン、イソホロンジイソシアネート、及びイソシアネートエチルメタクリレートの反応によって形成される、式X(式中、x+yは10〜30の範囲の数である)の化合物である。
【0070】
【化7】
【0071】
本発明で使用するのに好適な他のシリコーン含有成分には、ポリシロキサン、ポリアルキレンエーテル、ジイソシアネート、ポリフッ化炭化水素、ポリフッ化エーテル及びポリサッカライド基を含有するマクロマー;末端ジフルオロ置換炭素原子に結合した水素原子を有する、極性フッ素化グラフト又は側基を有するポリシロキサン;エーテル及びシロキサニル結合を含む親水性シロキサニルメタクリレート;並びに、ポリエーテル及びポリシロキサニル基を含む架橋性モノマーが挙げられる。いくつかの実施例において、ポリマー主鎖は、双極性イオンが組み込まれている。これらの双極性イオンは、材料が溶媒中に存在するときに、ポリマー鎖に沿って両極の電荷を呈し得る。双極性イオンの存在は、重合した材料の湿潤性を改善し得る。いくつかの実施例では、上記のポリシロキサンのいずれかが、本発明の封入層として使用されてもよい。
【0072】
再度図2Aを参照すると、着色材料を使用して美的要素210を形成し得る。以下の項では、コンタクトレンズのベース要素の表面内又は表面上に着色材料を配置するための多くの方法について説明する。これらの方法を使用して、コンタクトレンズ内に色を埋め込むか、又は表面上に色を付着することができる。色は、黒色インク又は他の種々の色を含んでよく、他の種々の色は、眼環境において安全であるインク、染料、及び他の着色剤から形成され得る。美的要素210は、ベース層215内又はベース層215上に形成された後、上塗り層220により封入されてよい。他の例では、着色剤がベース層内に埋め込まれた場合、上塗り層は着色剤が埋め込まれた深さに対応し得る。
【0073】
上塗り層を塗布し得る例では、ポリ(N−ビニルピロリドン)(PVP)及び非環状ポリアミドなどのポリマー湿潤剤を含むシリコーンヒドロゲル配合物を使用してよい。いくつかの例では、これらポリマーは、かなり大きいことがあり、特殊な相溶化成分を使用する必要があり得るので、特別注文する必要がある。相溶化成分の例としては、2−プロペン酸,2−メチル−,2−ヒドロキシ−3−[3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシ−ロキサニル]プロポキシ]プロピルエステル(SiGMA)が挙げられ得る。モノマー形態及びポリマー湿潤剤を含む上塗りを塗布してもよく、その後、更に重合してもよい。
【0074】
インク印刷を使用して美的レンズを形成する方法
図2Bを参照すると、美的レンズを形成する方法が示されている。工程231では、コンタクトレンズベースを形成する。ベースの形成方法は、例えば、注型成形、レンズ加工、及び自由形状堆積を含む、当該技術分野において周知の方法から得られる。いくつかの例では、レンズの後方湾曲面は工程231で完全に画定され得るが、前方湾曲面はその後のコーティングで被覆されてもよい。工程232では、美的要素が適用されるまで、レンズベースの保存のためにコンタクトレンズベースをパッケージング内に配置し得る。いくつかの例では、レンズは、パッケージング溶液内に保存され得る。いくつかの例では、レンズは、制御温度又は低温下で保存され得る。その後、いくつかの例では遠隔地において、ユーザーは設計システムと対話し、パターン形成したいレンズにパターンを選択することができる233。工程234では、着色剤をレンズベースに付与し得る。手順の項で述べるように、着色剤を付与する多くの方法が存在してよく、例えば、インク印刷、光誘起反応、又は針刻印が挙げられ得る。いくつかの例では、工程235において、着色ベースを封入コーティングで被覆し得る。いくつかの例では、封入コーティングは、レンズの前方湾曲面のみに噴霧又は別の方法で被覆され得る。他の例では、例えば溶液に浸漬することにより、前方湾曲面及び後方湾曲面の両方を被覆してよい。いくつかの例では、封入コーティングは、工程236で重合され得るモノマー混合物であってよい。ユーザーの快適性のために、重合及び封入された着色レンズは、工程237で示すように、レンズを水和させるためにパッケージング溶液内に配置され得る。
【0075】
コンタクトレンズへの着色剤の印刷
図2Cを参照すると、コンタクトレンズに染料を印刷する図が見られる。図に示すように、いくつかの例では、インクジェット式印刷ヘッド240を使用して、コンタクトレンズに着色剤を印刷し得る。インクジェット式印刷ヘッド240は、コンタクトレンズ244に当たるであろう小滴243のパターンを確立するように制御された方法で、コンタクトレンズの表面全体にわたって移動することができる241。インクジェット印刷ヘッドに有用であり得る多くの種類の生体適合性インクが存在し得る。インクジェット印刷ヘッドは、検出装置を組み込み得る印刷制御装置によって制御されてよく、印刷ヘッドの位置及びその移動速度を設定し、電気信号の正確なタイミングを計算し、印刷ヘッド素子242にインクの小滴243を放出させる。いくつかの例では、制御装置は、レンズの湾曲などの種々の要因に関して、及び1つ又は2つ以上の印刷素子がインクを分配していない印刷放出に関して、印刷パターンを調節し得るアルゴリズム計算を実行する能力を有し得る。いくつかの例では、印刷ヘッドは、カスタマイズ用レンズが内部に配置された固定プリンタに配置され得る。他の例では、印刷機構は、カスタマイズされるレンズベースのパッキング内に配置され得る。
【0076】
図2Dを参照すると、着色剤が表面下に埋まるように印刷面をレンズ材料のカバー層で封入するために、第2の印刷パスを実行してよい。ユーザーに快適性及び水和表面を与える上記のPVP又は他の材料を含む、印刷面の封入と両立し得る多くの材料が存在してよい。図2Dを参照すると、印刷ヘッド250がレンズ表面全体にわたって移動し得る251。印刷ヘッド250が移動するとき251、電圧信号が印刷ヘッドに送信されてよく、それによって印刷ヘッド素子252にインクの小滴253を放出させ、レンズ表面にパターン254が形成され得る。いくつかの例では、インクを印刷した同じ印刷ヘッドが、異なる放出素子を使用してレンズ表面全体にわたって封入層材料を放出してよい。他の例では、第2の印刷ヘッドが封入材料を放出し得る。一般に、封入層はレンズの表面全体に放出され得る。したがって、噴霧工程により、封入材料を分配してよい。いくつかの例では、分配された材料は、重合前に一定時間、表面上を流動され得る。重合は化学的に誘発されてよく、又は光源を起動して重合を開始してもよい。いくつかの例では、重合層を有するレンズは、次にパッケージング溶液などの水性液体に浸漬され、上層が水和され得る。
【0077】
図2Eを参照すると、例示的な多層パターンの図が提供されている。いくつかの例では、レンズ本体の多数の層にパターンを印刷することが望ましいことがある。多層でのパターンは、美的パターンに「奥行」感を与え得る。いくつかの例では、多層パターンは、図2Aに関して述べたような印刷工程を繰り返すことで形成され得る。この場合も、基質はベース層に印刷された色を有してよい。色は、黒色インク又は他の種々の色を含んでよく、他の種々の色は、眼環境において安全であるインク、染料、及び他の着色剤から形成され得る。美的要素210は、ベース層215内又はベース層215上に形成された後、上塗り層220により封入されてよい。その後、着色剤の別の層を適用し、第2の美的要素280を形成してよい。第2の美的要素280は、別の層の上塗り層270により封入されてよい。一般に、本明細書の任意の印刷技術は、多層式にパターンを形成し、レンズに得られるパターンに見掛けの奥行を与えるように構成され得る。
【0078】
カスタマイズされた美的レンズの販売モデル
カスタマイズされた美的レンズを作製及び販売する多くの方法が存在し得る。第1の例では、本明細書に記載の美的特徴の印刷を実行可能な印刷システムを備えた営業販売店を設立してよい。図3Aを参照すると、営利主体300は、カスタマイズされた美的レンズを提供し得る。サービス取次人310は、消費者320と対話することができる。サービス取次人310は、消費者320が望むパターンを決定するように消費者320を補佐し得る。その後、営業販売店に配置された印刷システム330により、カスタマイズされたレンズが作製され得る。
【0079】
別のモデルでは、カスタマイズされたレンズは、ユーザーの自宅で作製され得る。図3Bを参照すると、印刷システムは、ユーザーの自宅に配置され得る。例えば、プリンタ360は、ユーザーの寝室340に配置されてよい。ユーザーは、パーソナルコンピュータ、タブレット、又はスマートデバイス350で設計システムと対話することができる。ユーザーは、予め適合させ、かつユーザーの光学的ニーズにカスタマイズされた、ブランクレンズを提供され得る。カスタムインクカートリッジ及び封入層カートリッジも、ユーザーによって入手され得る。パーソナルコンピュータ、タブレット、又はスマートデバイス350との通信により、望みのパターン情報がプリンタに送信され得る。ユーザーは、プリンタを使用して基本工程を実行し、カスタマイズ及び印刷された美的レンズを得ることができる。
【0080】
パッケージ化された美的レンズ印刷システム
別のモデルでは、ユーザーが自分のカスタマイズされたレンズを印刷するのに必要な全ての要素がパッケージに含まれ得る。パッケージは、ユーザーに合ったブランクレンズ一式を有し得る。図4を参照すると、パッケージ410は、一対のブランクレンズ420を含み得る。パッケージ410は、予め供給されるタイプのインク及び封入材料を使用する印刷ヘッド430を含み得る。印刷ヘッド430は、移動素子440によってパッケージ内で移動され得る。印刷ヘッドの移動は、単純主ネジに接続された小型モーター(例えば、精密ステッピングモーター)などの素子によって作動され得る。他の例では、電気活性エラストマーを使用して、移動を生じさせて制御してよい。更に別の例では、圧電アクチュエータを使用して、移動を生じさせてよい。電池装置によって給電され得る任意の移動装置を使用して、移動を制御してもよい。移動素子440の制御は、移動アクチュエータ素子450によって行われ得る。移動アクチュエータ素子450は、エラストマー及び圧電式アクチュエータの場合は、高電圧信号などの電気信号を提供し、又はモーター式移動では、デジタルステッピング信号若しくはアナログ制御信号を提供し得る。図示した例では、印刷素子がパターン印刷されるレンズにまたがるほど大きいため、1次元のみの移動が示されている。いくつかの他の例では、2次元の移動が可能であってよく、より小型の印刷ヘッドがレンズに沿って移動する合間にレンズ全体にわたってラスタ化され得る。他の例では、印刷素子は、レンズ素子上に載せて固定配向で印刷できるほど十分小型かつ十分高密度の印刷素子を有してよい。配電を制御し、かつ印刷ヘッド並びに移動素子(1つ存在する場合)に対する信号も制御し得る、制御装置及び通信素子を伴う通電素子460が見られ得る。制御装置は、パッケージの外部に相互接続を有し、印刷されるように要求されたパターンに相当するデータを受信し得る。パターンデータのパッケージ内への通信は、有線接続470又は無線通信480を用いて行われてよい。有線接続は、非限定例として、USBなどのシリアルポート接続、又はSPI若しくはI2Cなどの他のシリアル通信スキームを介して行われ得る。無線通信は、Bluetooth、Zigbee、WiFi、及び他のこのようなプロトコルなどの多くの無線規格を介して連動され得る。パターンデータは、いくつかの例では、パッケージに取り付けられたタッチスクリーンでユーザーに提示され得る。タッチスクリーン信号、又は記載した種々の通信手段を介した通信により、ユーザーは印刷を開始でき、処理完了時に通知され得る。
【0081】
いくつかの例では、ベースコンタクトレンズ素子は、乾燥状態で保存され、乾燥した出発レンズとして処理され得る。このような場合、最終製品は、ユーザーが装用する前に水和される必要があり得る。
【0082】
いくつかの他の例では、レンズブランクは水溶液中に保存されてよく、印刷実行時にレンズ本体から液体を排出させる必要があり得る。いくつかの例では、印刷を開始する前に乾燥期間を要することがある。いくつかの例では、液体の排出は、パッケージングを置く方向によって行ってよく、レンズを立てて置くと、レンズブランクがパッケージング溶液に浸漬され得るのに対し、レンズを平らに置くと、液体はパッケージ長の底部に沿って広がり、レンズブランクを覆わない。いくつかの他の例では、弁によって液体をレンズブランクから除去してよい。いくつかの他の例では、ポンプ又は空気流によって液体をレンズブランクから押し出すか、又は必要に応じてレンズブランクに押し戻してよい。
【0083】
美的レンズの光パターニング
光を用いてレンズにパターンを描くことにより、コンタクトレンズにパターンを形成する多くの方法が存在し得る。図5Aを参照すると、コンタクトレンズ内の感光性インサート層の図が示されている。基部コンタクトレンズ層503は、標準的なコンタクトレンズヒドロゲル成形配合物を用いて成形され得る。光活性素子を含むインサート層501は、基部コンタクトレンズ層503と上部コンタクトレンズ層502との間に挟まれ得る。いくつかの例では、光活性素子を含むインサート層501は、成形操作前に形成され、その後、前方コンタクトレンズ眼形状及び後方コンタクトレンズ眼形状を有する成形型に配置され得る。光重合性材料を成形型片に注入してよく、その後、図示するようにインサートをヒドロゲル材料によってレンズ内に封入してよい。光重合性材料は、インサート片に埋め込まれてもよく、インサート片層は、インサートをコンタクトレンズの所望の湾曲及び形状に成形できる熱成形性材料を含んでよい。
【0084】
一例では、光活性素子を含むインサート層501は、それぞれの光活性素子がかなりの量のフォトクロミックインクを含み得る、層に埋め込まれるか又は付着された小形成部を有し得る。フォトクロミックインクには多くの種類があり、その一部は紫外線への露光により不可逆的に変色する。フォトクロミックインクは、ポリマーマトリックス内に封入され、及び/又は図示するように球形状であり得る小分離片に細分され得る。他の形状であってもよい。非限定例としてOliKrom社から入手可能なOliKrom’s hvOne染料などの不可逆的フォトクロミック染料をインサートに組み込むことができる。
【0085】
フォトクロミック染料を有するインサートを含む成形ブランクは、任意のUV光への露光前は透明であり得る。したがって、このようなレンズは、所望のパターンに相当するパターンで紫外線に露光することによりパターン形成され得る。露光工程は以下で詳述する。得られたパターンは、単色パターンとみなされ得る。いくつかの例では、多色パターンは、多数のインサート層を含み、それぞれのインサート層が異なる色のフォトクロミック染料を含み得ることで形成され得る。多数のインサート層が存在するとき、インサート層に別個の波長でレーザー照射することにより、多層のうちの1層をパターン形成することができる。フォトクロミック染料を取り囲む封入層は、封入されたフォトクロミック染料に透過し得るUV光の狭帯域を画定できる吸収染料を含んでよい。したがって、多くの異なる撮像照射工程を用いて、UV光のそれぞれ異なる波長で多色パターンを撮像してもよい。
【0086】
いくつかの例では、フォトクロミック染料をサーモクロミック染料と置き換えてもよい。このような場合、異なるサーモクロミック染料を吸収性材料と混合してよく、吸収性材料は、UV帯域又はスペクトル内などの比較的狭帯域の電磁放射線を吸収し得る。サーモクロミック染料で充填された別個の要素による光の吸収は、局所温度を著しく上昇させることがあり、それによって染料が無色から有色に変化する。いくつかの例では、光は、レンズ本体にわたって走査できるレーザー光線によって形成され、パターン要素に必要なときに起動され得る。他の例では、光源(コリメートされてもよい)は、レンズへの光の投影でマスキング要素を照射し、光を指定領域に透過させ得る。この場合も、光がレンズに照射する位置は、光エネルギーを吸収し、パターンを生じるフォトクロミック染料を加熱し得る。
【0087】
図5Bを参照すると、ユーザー用レンズベース515を含むパッケージ510が示されている。いくつかの例では、レンズベースは、レンズベースに対する処方又は倍率のない透明レンズであり得る。他の例では、レンズベースは、ユーザー用のレンズベースに対する独自の処方を有し得る。レンズを良好な精度でパターン形成するために、レンズのパッケージング溶液は、照射前にレンズベースから排出される必要があり得る。リザーバ520は、パッケージ510内に配置され、レンズの領域からパッケージング溶液を排出させ得る。一例では、作動機構530が、パッケージング溶液をレンズベースから保存場所に排出させ得る弁525を作動し得る。制御装置及び通信機能を有する通電素子535は、配電を制御し、弁アクチュエータに対する信号も制御し得る。制御装置は、パッケージの外部に相互接続を有し、印刷されるように要求されたパターンに相当するデータを受信し得る。パッケージ内への通信は、有線接続540又は無線通信545を用いて行われてよい。有線接続は、非限定例として、USBなどのシリアルポート接続、又はSPI若しくはI2Cなどの他のシリアル通信スキームを介して行われ得る。無線通信は、Bluetooth、Zigbee、WiFi、及び他のこのようなプロトコルなどの多くの無線規格を介して連動され得る。いくつかの例では、パターン書き込みステータスが、パッケージに取り付けられたタッチスクリーンでユーザーに提示され得る。タッチスクリーン信号、又は記載した種々の通信手段を介した通信により、ユーザーは印刷を開始でき、水溶液を排出させ得る。
【0088】
図5Cを参照すると、例示的な照射装置590が示されている。パターンを書き込むために、パッケージ510又は類似品を照射装置590に挿入することができる。照射装置は、UV照射源565を有し得る。UV照射源565からの発光は、いくつかの例ではコリメート560され得る。コリメートされたUV光560は、その後、光をレンズまで通過する画素と通過しない画素とに撮像し得る、撮像素子555を通過し得る。撮像素子は、いくつかの例ではDMD型ミラー撮像デバイスを含み得る。他の例では、撮像素子は、液晶領域を取り囲む電極への電気制御信号に基づいて光を遮断又は通過させ得る液晶デバイスから形成され得る。電極は、コンタクトレンズ内のフォトクロミック又はサーモクロミック要素のパターン形成を可能にする、画素パターン内に形成され得る。撮像素子555から出るUV光は、レンズベース上で画像サイズを調節できる焦点調節システム550を用いた種々の方法で焦点調節され得る。
【0089】
図5Dを参照すると、撮像されたフォトクロミック又はサーモクロミック要素の例が示されている。レンズ封入層502及び503は、記載したような微細化フォトクロミック又はサーモクロミック要素が内在するインサートを取り囲み得る。撮像されたフォトクロミック又はサーモクロミック要素580として示すように、要素の組み合わせが撮像され、レンズにパターンを形成し得る。
【0090】
美的レンズの針パターニング
図6Aを参照すると、針パターニングデバイスが示されている。針は、パターン形成するように意図されたレンズベースの表面の穿刺に加えて、インクの運搬の両方に使用され得る。いくつかの例では、針ヘッドのアレイは、電気信号の印加で伸長可能な素子に取り付けられ得る。いくつかの例では、電位の印加により針が伸長してよく、その結果、針のアレイがインクのリザーバに接触するように運ばれるとき、電気信号で伸長したそれらの針のみがインクに接触するであろう。その後、針のアレイはレンズブランクに押し付けられ得る。インクを有する針が、インクをレンズベースに転移させるであろう。何度も工程を繰り返すことにより、刺青が針を穿通させてヒトの皮膚に形成されるのと同様に、パターンがレンズベースに付与され得る。
【0091】
他の例では、アレイがインクに接触するように運ばれるとき、針のアレイは全て同じ長さであってよい。その後、電気信号を使用して、針の支持体の長さを伸長してよい。表面から伸びたそれらの針はレンズベースを穿通できるが、他の針はレンズベースの表面を穿通できない。針の支持体は、電圧の印加で伸長し得る圧電材料などの材料、又は電位の存在で膨張し得る電気活性エラストマー材料から形成され得る。
【0092】
更に別の例では、針の表面は、針のインクに対する親和性を低下させ得る材料で被覆されてよい。針及びインクリザーバ内の電極は、針に電位を印加することで特定の針のぬれ方を変化させ得る。針が電位の印加で親水性になる場合、針のアレイは、選択した針を着色剤で被覆させ得る。アレイがレンズベースに押し付けられると、インクを有するそれらの針は、針に印加された電位のパターンによって決まるパターンで着色され得る。針のアレイは、完全なパターンを形成するためにレンズベースの表面全体にわたって進み得る。
【0093】
針が表面を穿通し、針が接触した表面にインクを残す場合、穿通孔を覆うために封入層を提供することが望ましいことがある。いくつかの例では、前項で述べたように、PVP含有モノマー混合物をレンズベース上に噴霧又は印刷してよい。モノマー混合物の熱重合又は光化学重合を使用して、コーティングを固定し、レンズ本体内に付着したインクを効果的に隔離してよい。他の例では、針を穿通させる上層を部分的にゲル化するように形成してよい。針が穿通した後、表面層、すなわち部分ゲル化層は、拡散によって孔を充填する傾向があり得る。部分ゲル化層は、光化学源への更なる露光により固定され得る。図6Aを参照すると、レンズベース層635がレンズの上層630を支持し得る。いくつかの例で述べたように、アレイがレンズベース635上を移動しながら610、針620がレンズベース635の位置で抜き刺しされるようにレンズを穿通する場合、レンズベース635に上層630を取り付けてよい。上層は記載したように部分的にゲル化されてよく、又は余剰の重合性材料がレンズに添加されてよい。これらの処理のいずれも、その後、重合性材料を固定するためにUV光に露光され得る。図6Bに示すように、着色剤640の付着物がレンズベースに埋め込まれ、パターンに着色を与え得る。
【0094】
電気活性美的パターン形成レンズ
いくつかの例では、レンズ自体の内部の電気活性機能によってコンタクトレンズに美的パターンを形成することが可能であり得る。電池などの埋め込み型エネルギー源を有するコンタクトレンズは、電気エネルギーの制御によって機能を実行する能力を有し得る。一例では、液晶ダイオードのアレイを使用して、光透過率を制御し、それによってパターンを形成してよい。いくつかの例では、入射光が後方に反射され得るように、反射表面を液晶デバイスの背後に配置してよい。同様に、要素の積層体は、垂直の角度に配向され得る偏光フィルタを含んでよい。液晶層にわたる電極で電気信号を起動すると、電気信号が液晶分子の配向をシフトさせ、光が液晶層を通過しないようになり得る。電極をパターンに配置し、電極の起動の有無を選択的に決定することにより、レンズの非光学ゾーンに複雑なパターンを形成することができる。いくつかの他の例では、低レベルの光源が液晶デバイスの背後から光を照らし得る。液晶デバイスに通電すると、放出光は吸収され得る。液晶デバイスに通電しないと、光は液晶層を通過してコンタクトレンズから出て、コンタクトレンズ装用者の眼上で明暗のパターン領域の印象を与え得る。コンタクトレンズは、電池などのエネルギー源に加えて、液晶領域に間隔をあける電極にわたって電位の印加を制御し得る電子回路も有し得る。回路の一部は、コンタクトレンズのメモリにパターンを書き込み得る、外部送信機からの無線通信を受信するように設計され得る。メモリ素子を使用して、液晶材料の画素にわたって電位の印加を制御してよい。
【0095】
図7Aを参照すると、レンズに電気活性パターンを形成するために使用され得るコンタクトレンズインサートの例が、コンタクトレンズインサート700として示されている。コンタクトレンズインサート700では、パターン形成を調節し得る電気活性パターニング素子770のアレイが存在し得る。制御電圧信号を提供し、かつ外部制御信号の環境感知を制御する等の他の機能も同様に提供する回路705は、生体適合性電池素子等の通電素子によって給電され得る。通電素子は、相互接続714の領域の下に示し得るように、部品を結合するために種々の相互接続特徴部を有し得る。通電素子は、それ自体の基板711を有し得る回路素子に接続され得るが、その基板711上には相互接続特徴部725が配置され得る。回路705(集積回路の形態であってもよい)を、基板711及びその相互接続特徴部725に電気的及び物理的に接続してもよい。電気活性パターニング素子770は、これらの他の構成要素の上に位置してよく、(図では下層構造が見えるように暗色のパターンが所々で中断されているが)コンタクトレンズの非光学ゾーンに完全な環を含み得る。非光学ゾーンは、ユーザーがレンズ装用時にレンズを通して見ることができる部分である円形の光学ゾーン720の外側の領域であり得る。
【0096】
図7Bを参照すると、コンタクトレンズ750の断面のレリーフ図は、コンタクトレンズのインサート700と、論じられているその構成要素とを含み得る。コンタクトレンズインサート700は、コンタクトレンズヒドロゲル755のスカート内に封入され得るが、そのコンタクトレンズヒドロゲル755は、インサートを封入し得るだけでなく、コンタクトレンズ750とユーザーの目との快適な境界面を提供し得る。
【0097】
電気活性式に操作し得るパターニングデバイスの多くの他の種類が存在し得る。非限定例では、これらには、暗色水性インク層を明色油層と交換してパターンを形成する電気マイクロ流体画素素子が挙げられ得る。別の例では、超小型パターン形成電極を有する超薄型アレイ内に発光ダイオードなどの小型発光素子を形成し、電気信号を提供して、意図したパターンに発光を制御することができる。
【0098】
〔実施の態様〕
(1) コンタクトレンズデバイスであって、
ヒドロゲルベースであって、その下面がユーザーの角膜表面に快適に適合するように成形されている、ヒドロゲルベースと、
前記コンタクトレンズの本体内の位置に色を付ける要素であって、前記色を付ける要素の前記位置とその位置での前記色の性質が、色のパターン画像を表示するソフトウェアプログラムと前記ユーザーとの対話によって決定される、色を付ける要素と、を含む、コンタクトレンズデバイス。
(2) 前記色を付ける要素の前記位置の決定が、前記色を付ける要素を配置する前に行われる、実施態様1に記載のコンタクトレンズデバイス。
(3) 前記色を付ける要素がインクを含む、実施態様2に記載のコンタクトレンズデバイス。
(4) 前記インクが、インクジェットプリンタによって前記コンタクトレンズ内に配置される、実施態様3に記載のコンタクトレンズデバイス。
(5) 前記インクが、針によって前記コンタクトレンズ内に配置される、実施態様3に記載のコンタクトレンズデバイス。
【0099】
(6) 前記色を付ける要素がフォトクロミック染料を含む、実施態様2に記載のコンタクトレンズデバイス。
(7) フォトクロミック染料を含む前記色を付ける要素が、紫外線への露光によって色を変える、実施態様6に記載のコンタクトレンズデバイス。
(8) ポリマー材料の第2の層を更に含み、前記ポリマー材料の第2の層が、前記色を付ける要素の上に位置し、前記ヒドロゲルベースと共に前記色を付ける要素を封入する、実施態様1に記載のコンタクトレンズデバイス。
(9) インサートデバイスを更に含み、前記インサートデバイスが前記ヒドロゲルベース内に封入され、前記インサートデバイスが埋め込まれたポリマー微細片を含み、フォトクロミック染料が前記ポリマー微細片内に配置される、実施態様1に記載のコンタクトレンズデバイス。
(10) インサートデバイスを更に含み、前記インサートデバイスが前記ヒドロゲルベース内に封入され、前記インサートデバイスが埋め込まれたポリマー微細片を含み、フォトクロミック染料が前記ポリマー微細片内に配置される、実施態様1に記載のコンタクトレンズデバイス。
【0100】
(11) インサートデバイスを更に含み、前記インサートデバイスが前記ヒドロゲルベース内に封入され、前記インサートデバイスが埋め込まれたポリマー微細片を含み、サーモクロミック染料が前記ポリマー微細片内に配置される、実施態様1に記載のコンタクトレンズデバイス。
(12) コンタクトレンズパターン撮像デバイスであって、
一対のコンタクトレンズベースを含むパッケージを保持するように構成されている収容部であって、前記コンタクトレンズベースが埋め込まれたフォトクロミック染料を含み、前記収容部が前記一対のコンタクトレンズベースを整列位置に保持する、収容部と、
光源であって、前記コンタクトレンズパターン撮像デバイス内で、整列位置にある前記一対のコンタクトレンズベースを照らす位置に配置される、光源と、
光強度変調器であって、前記光源からの光の一部をパターンで遮断する、光強度変調器と、
制御装置であって、前記光強度変調器に制御情報を送信し、前記光強度変調器内の素子をオン及びオフにして前記パターンを形成する、制御装置と、
通信デバイスであって、データ通信を受信して前記光強度変調器に送信する、通信デバイスと、を含む、コンタクトレンズパターン撮像デバイス。
(13) 前記光源が紫外線を供給する、実施態様12に記載のコンタクトレンズパターン撮像デバイス。
(14) 前記光源が、紫外領域で複数の別個の照射帯域を供給し、前記複数の別個の照射帯域が、前記コンタクトレンズの前記パターン内に複数の異なる色をパターン形成するために使用される、実施態様13に記載のコンタクトレンズパターン撮像デバイス。
(15) 前記光強度変調器が液晶材料の層を含み、前記液晶材料の層が電極間に位置し、前記電極に印加される電気信号が、前記電極と接する領域で前記撮像デバイスを通過する光の強度を変調する、実施態様12に記載のコンタクトレンズパターン撮像デバイス。
【0101】
(16) 前記光強度変調器がDMDデバイスを含む、実施態様12に記載のコンタクトレンズパターン撮像デバイス。
(17) コンタクトレンズパターニングデバイスであって、
一対のコンタクトレンズベースを含むパッケージを保持するように構成されている収容部であって、前記コンタクトレンズベースがインク小滴に付着性の表面を含む、収容部と、
第1の印刷ヘッド印刷素子であって、前記コンタクトレンズパターニングデバイス内で、整列位置にある前記一対のコンタクトレンズベースに直接印刷する位置に配置され、インクを印刷する、第1の印刷ヘッド印刷素子と、
第2の印刷ヘッド印刷素子であって、前記コンタクトレンズパターニングデバイス内で、整列位置にある前記一対のコンタクトレンズベースに直接印刷する位置に配置され、反応性モノマー混合物を印刷する、第2の印刷ヘッド印刷素子と、
制御装置であって、前記印刷ヘッドに制御情報を送信し、前記印刷ヘッド内の素子をオン及びオフにしてインク小滴のパターンを形成する、制御装置と、
通信デバイスであって、前記制御装置へのデータ通信を受信する、通信デバイスと、を含む、コンタクトレンズパターニングデバイス。
(18) コンタクトレンズ内にパターンを形成する方法であって、
コンタクトレンズベースを形成することであって、成形を含む、ことと、
前記コンタクトレンズベースを保存のためにパッケージ内に配置することと、
設計システムと対話してパターン設計を選択することと、
前記コンタクトレンズベースに着色剤を付与することと、
前記コンタクトレンズベースにモノマー混合物を付着させることであって、前記モノマー混合物が前記着色剤の露出面を包囲する、ことと、
前記モノマー混合物を重合により固定することと、を含む、方法。
(19) 前記コンタクトレンズベースに前記着色剤を付与することが、前記コンタクトレンズベース上にインクを印刷することにより実行される、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記コンタクトレンズベースに前記着色剤を付与することが、針を使用して前記コンタクトレンズベースを穿通させることにより実行され、前記針がインクで被覆される、実施態様18に記載の方法。
【0102】
(21) 前記コンタクトレンズベースに前記着色剤を付与することが、フォトクロミック染料に照射することにより実行され、前記フォトクロミック染料が前記コンタクトレンズベースの本体内に位置する、実施態様18に記載の方法。
(22) 前記コンタクトレンズベースに前記着色剤を付与することが、サーモクロミック染料に照射することにより実行され、前記サーモクロミック染料が前記コンタクトレンズベースの本体内に位置する、実施態様18に記載の方法。
(23) コンタクトレンズ内でパターンを表示する方法であって、
コンタクトレンズを形成することであって、前記コンタクトレンズが、
インサートデバイスを含み、前記インサートデバイスが、
通電素子と、
第1及び第2の電極により取り囲まれた配向液晶材料を含む電気活性層であって、前記第1及び第2の電極にわたる電位の印加が、前記液晶材料の分子配向を変化させ、電磁放射線のコンタクトレンズ透過を減らし、前記電気活性層が前記コンタクトレンズの非光学ゾーンに位置する、電気活性層と、
制御装置であって、前記第1の電極及び前記第2の電極にわたって印加される電位を制御する、制御装置と、
通信デバイスであって、前記制御装置による電位の印加の有無を決定するパターン関連データを受信する、通信デバイスと、を含む、ことと、
外部デバイスから前記コンタクトレンズ内の前記通信デバイスへ通信を伝送することと、
前記コンタクトレンズをユーザーの眼に配置することと、を含む、方法。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7A
図7B
【外国語明細書】
2018124543000001.pdf