【実施例】
【0013】
次に、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例のハードウェア構成の概略図である。
本発明は、人材紹介会社が運営するサーバー(人材紹介サーバー)1と、人材紹介会社のシステムを利用して採用活動を行う企業が利用する企業端末(コンピュータ)2と、求職者が利用する求職者端末(コンピュータ)3とからなり、人材紹介サーバー1と企業端末2と求職者端末3とはインターネットなどの通信手段を介して情報の送受信ができるよう接続されている。
【0014】
人材紹介サーバー1と企業端末2と求職者端末3の記憶装置には、本発明を実現するためのコンピュータプログラム(アプリケーションソフト)や所定のデータが記憶されており、人材紹介サーバー1と企業端末2と求職者端末3に内蔵されている処理装置はこのコンピュータプログラムの処理命令に従って所定の処理を行う。
【0015】
次に、各端末の表示画面に表示される内容について説明する。
図2は、求職者端末3に表示される内容であり、求職者の履歴情報を登録するための画面である。
図2に表された各データ項目を求職者が入力した後、「履歴情報を送信」をクリック又はタップすることにより、
図2に表された情報が人材紹介サーバー1に送信され、それを受信した人材紹介サーバー1はそれらデータを記憶装置に記憶する。
【0016】
図3・
図4は、求職者端末3に表示される内容であり、求職者の履歴情報に価格を設定するための画面である。
図3は、求職者の氏名と求職者の履歴情報の適正価格および適正価格帯(履歴情報の相場)を表している。
図4は、履歴情報の価格を入力する画面を表している。求職者は、適正価格および適正価格帯を参考に自らの履歴情報価格を決定し、それを入力した後「履歴情報価格を送信」をクリック又はタップする。これにより、
図4に表された情報が人材紹介サーバー1に送信され、それを受信した人材紹介サーバー1はそれらデータを記憶装置に記憶する。なお、履歴情報価格は求職者が任意に決めるものであり適正価格帯の範囲内でなくてもよい。
【0017】
図5は、企業端末2に表示される内容であり、求職者の履歴情報を企業の採用担当者が閲覧するための画面である。企業の採用担当者は、求職者の履歴情報と履歴情報価格とを閲覧し、この求職者の氏名や連絡先を知りたいと思った場合は「履歴情報を購入」をクリック又はタップする。これにより、後述する
図10に表された購入意思データが人材紹介サーバー1に送信され、それを受信した人材紹介サーバー1はそれらデータを記憶装置に記憶する。なお、履歴情報を購入した企業には、この求職者の氏名や連絡先を知らされ、この求職者には履歴情報価格が支払われる。
【0018】
次に、人材紹介サーバー1の記憶装置に記憶された情報について説明する。
図6・
図7は要素データであり、
図3・
図4に表示されている履歴情報の適正価格および適正価格帯を算出するための要素となるデータである。これは、要素種別とその種別の重要度と要素のポイントとを関連づけたものである。
図6・
図7では、適正価格帯を算出する要素として「職種」「仕事年数」「学歴」「求職者の現勤務地」を表しているが、この他にも要素となる情報は多数ある。この点については後述する。
【0019】
また、この要素には、第1要素と第2要素とがあり、第1要素には「職種」および「仕事年数」が含まれ、第2要素には「学歴」および「求職者の現勤務地」が含まれるものとする。第1要素の重要度は「A」であり、第2要素の重要度は「B」であり、第1要素のポイントは第2要素のポイントより高く設定されている。すなわち、適正価格および適正価格帯への影響力という面において、第1要素の方が第2要素より高くなっている。なお、どの要素を第1要素とし、どの要素を第2要素とするかは任意に決めることができ、本実施例の例示に限るものではない。
【0020】
図8・
図9は、価格付履歴情報データベースであり、これは上記の
図2により入力・送信された履歴情報と、その履歴情報の価格を含む価格情報(履歴情報の適正価格、適正価格の上限と下限とからなる適正価格帯・求職者が決めた履歴情報の価格を含む)とを関連づけることにより生成され、人材紹介サーバー1の記憶装置に記憶されたものである。
図8は価格情報の内容が未だ決まっていない状態を示し、
図9は価格情報の内容が決まった後の状態を示している。
なお、
図8・
図9では1レコードだけを表しているが、本来は複数のレコードにより価格付履歴情報データベースを構成している。
【0021】
図10は、購入意思データである。企業の採用担当者が、
図5において「履歴情報を購入」をクリックまたはタップすると、企業端末2においてこのデータが生成され、人材紹介サーバー1に送信される。これを受信した人材紹介サーバー1はこれを記憶装置に記憶する。
【0022】
次に、本実施例の処理手順について説明する。
図11は本実施例の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、履歴情報登録(STEP1)、適正価格算出(STEP2)、履歴情報価格決定(STEP3)、履歴情報購入(STEP4)、報酬付与(STEP5)とからなる。
【0023】
STEP1は、履歴情報登録の処理であり、求職者が履歴情報を人材紹介会社に提供するための処理である。
求職者は、
図2のような履歴情報登録ページにアクセスする。
そして、
図2に表示されているデータ項目に所定の履歴情報を入力し、「履歴情報を送信」をクリックまたはタップする。これにより入力した履歴情報が人材紹介サーバー1に送信され、それを受信(取得)した人材紹介サーバー1は記憶装置にそれを
図8・
図9のように記憶する。
【0024】
STEP2は、適正価格算出の処理である。
人材紹介サーバー1には、
図6・
図7のような適正価格および適正価格帯を決めるための要素となるデータ(要素データ)が記憶されている。人材紹介サーバー1は、
図8の履歴情報の中から「職種=カーナビ開発エンジニア」を抽出し、
図6の「職種=カーナビ開発エンジニア」に関連づけられている「ポイント=120」を特定する。
次に、人材紹介サーバー1は、
図8の履歴情報の中から「仕事年数=7年」を抽出し、
図6の「仕事年数=6年から8年」に関連づけられている「ポイント=90」を特定する。
次に、人材紹介サーバー1は、
図8の履歴情報の中から「学歴=大学卒業」を抽出し、
図7の「学歴=大学卒業」に関連づけられている「ポイント=40」を特定する。
次に、人材紹介サーバー1は、
図8の履歴情報の中から「現勤務地=大規模都市」を抽出し、
図7の「現勤務地=大規模都市」に関連づけられている「ポイント=50」を特定する。
【0025】
次に、人材紹介サーバー1は、特定したポイントを合計して「合計ポイント=300ポイントを算出し、
図8の「ポイント=合計=情報無し」を、
図9のように「ポイント合計=300ポイント」に更新する
次に、人材紹介サーバー1は、「合計ポイント=300ポイント」を10倍にして「適正価格=3000円」を算出し、
図8の「適正価格=情報無し」を、
図9のように「適正価格=3000円」に更新する
次に、人材紹介サーバー1は、「適正価格=3000円」に500円を足して「価格帯上限=3500円」を算出し、
図8の「価格帯上限=情報無し」を、
図9のように「価格帯上限=3500円」に更新する
次に、人材紹介サーバー1は、「適正価格=3000円」から500円を引いて「価格帯下限=2500円」を算出し、
図8の「価格帯下限=情報無し」を、
図9のように「価格帯下限=2500円」に更新する
以上のようにして、人材紹介サーバー1は、履歴情報の一部(または全部)を要素として適正価格および適正価格帯を算出する。ただし、適正価格および適正価格帯の算出方法は無数にあり、この算出方法に限るものではない。なお、要素データとして、履歴情報に含まれない他のデータを採用してもよい。
【0026】
STEP3は、履歴情報価格決定の処理である。
人材紹介サーバー1は、
図9の履歴情報と価格情報とを、求職者端末3に送信し、それを受信した求職者端末3は
図3のような内容を表示する。
図3の内容(履歴情報の適正価格および適正価格帯等)を閲覧した求職者は、自らの履歴情報の価格(ここでは3200円とする)を決定し、それを
図4のように入力して「履歴情報価格を送信」をクリックまたはタップする。これにより入力した履歴情報価格が人材紹介サーバー1に送信され、それを受信(取得)した人材紹介サーバー1は履歴情報価格を
図9のように記憶装置に記憶する。
【0027】
STEP4は、履歴情報購入の処理である。
人材紹介サーバー1は、
図9の履歴情報と価格情報とを、企業端末2に送信し、それを受信した企業端末2は
図5のような内容を表示する。なお、この時点では、求職者の氏名や連絡先等のデータは非表示となっているものとする。
図5の内容を閲覧した企業の採用担当者は、この履歴情報を購入するか否か(履歴情報を提供した求職者の氏名や連絡先等を知りたいか否か)を判断し、購入すると判断した場合は「購入者」の欄に自らの社名を入力して「履歴情報を購入」をクリックまたはタップする。これにより企業端末2は
図10の購入意思データを生成し、それを人材紹介サーバー1に送信する。それを受信(取得)した人材紹介サーバー1は履歴情報が購入されたと判断し、STEP5に進む。
【0028】
STEP5は、報酬付与である。
人材紹介サーバー1は、求職者の銀行口座への振り込みデータを作成し、報酬(履歴情報の価格=3200円)を付与するための処理を行う。なお、求職者の銀行口座の情報等は人材紹介サーバー1の記憶装置に予め記憶されているものとする。また、報酬の付与方法は、銀行口座への振り込みに限らず、あらゆる方法で付与することができる。
【0029】
また、企業端末2にはこの求職者の氏名や連絡先等が人材紹介サーバー1から通知され、
図5において隠されていた求職者の氏名や連絡先が企業端末2に表示される。
さらに、人材紹介サーバー1は、履歴情報を購入した企業から履歴情報価格を徴収する処理を行う。人材紹介サーバー1は、企業の銀行口座から履歴情報価格(3200円)を引き落とすための引き落としデータを作成する。なお、企業の銀行口座の情報等は人材紹介サーバー1の記憶装置に予め記憶されているものとする。また、徴収処理は企業の銀行口座からの引き落としに限らず、クレジットカードからの徴収など、あらゆる方法で行うことができる。
【0030】
なお、ここで適正価格および適正価格帯を算出する要素について詳しく説明する。適正価格および適正価格帯を算出する要素は、本実施例で示したものには限らない。要素となる情報・その重要度・要素や重要度の組み合わせ方法は、無数に且つ任意に決めることができるものである。例えば、以下のような要素や重要度等を利用して適正価格および適正価格帯を算出してもよい。なお、以下の要素は何れも第1要素にすることでき、さらには以下の要素は何れも第2要素とすることもできる。
(1)「職種」「仕事年数」は重要度A(最も重要)。適正価格および適正価格帯への影響度は10%。
「仕事年数」とは、同一勤務先に勤め続けた年数、または同じ業種に携わった年数、または同一勤務先に勤め続けかつ同一業種に携わった年数など様々な概念が含まれる(ただし、これに限るものではない)。
(2)「過去に履歴情報を購入した企業からの評価(例えば100点満点で何点かなど)」は重要度B(Aの次に重要)。適正価格および適正価格帯への影響度は7%。
(3)「学歴」「所在業界」「仕事所在地(求職者の現勤務地)」「卒業大学」「求職者が希望する会社の認知度」は重要度C(Bの次に重要)。適正価格および適正価格帯への影響度は5%。
「業界」の中で、ポイントが高い業界は、インターネットビジネス業界・金融業界・省エネルギーなど。ポイントが低い業界は、農業・水産・文学など。
「仕事所在地」の内訳は、大規模都市・中規模都市・小規模都市など。
「卒業大学」の内訳は、「知名度が高い大学」「その他の大学」など。
「求職者が希望する会社の認知度」の内訳は、世界フォーチュン500強企業に含まれる超大企業・世界フォーチュン500強企業に含まれない一般企業など。
(4)「求職者の誕生日から導き出させる星座」は重要度D(Cの次に重要)。適正価格および適正価格帯への影響度は3%。
(5)「履歴情報のアクセス数」「履歴情報の購買数(その求職者の履歴情報が何回購買されたかを表す数)」は重要度E(Dの次に重要)。適正価格および適正価格帯への影響度は2%。
【0031】
上記実施例では、特定の例に基づいて本発明の内容を説明したが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、本発明の趣旨に沿うものであれば、上記実施例と異なるハードウェア、異なるデータ、異なる処理手順であってもよい。