特開2018-125364(P2018-125364A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ CKD株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2018125364-基板検査装置 図000003
  • 特開2018125364-基板検査装置 図000004
  • 特開2018125364-基板検査装置 図000005
  • 特開2018125364-基板検査装置 図000006
  • 特開2018125364-基板検査装置 図000007
  • 特開2018125364-基板検査装置 図000008
  • 特開2018125364-基板検査装置 図000009
  • 特開2018125364-基板検査装置 図000010
  • 特開2018125364-基板検査装置 図000011
  • 特開2018125364-基板検査装置 図000012
  • 特開2018125364-基板検査装置 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-125364(P2018-125364A)
(43)【公開日】2018年8月9日
(54)【発明の名称】基板検査装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20180713BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20180713BHJP
【FI】
   H05K13/02 U
   G01N21/956 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-14963(P2017-14963)
(22)【出願日】2017年1月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】梅村 信行
【テーマコード(参考)】
2G051
5E353
【Fターム(参考)】
2G051AA65
2G051AB02
2G051CA04
2G051DA06
5E353AA02
5E353EE63
5E353GG02
5E353GG05
5E353GG22
5E353GG29
5E353KK01
5E353MM04
5E353MM08
5E353NN15
5E353QQ12
5E353QQ14
5E353QQ30
(57)【要約】
【課題】基板の検査に係る信頼性の向上や高精度でのレール幅の適否判定などが可能となる基板検査装置を提供する。
【解決手段】基板検査装置1は、高さ基準面51e,52e,53e,54eを有するガイドレール51,52,53,54と、高さ方向の位置決めがなされた基板を撮像する検査用カメラ91,92とを備える。高さ方向の位置決めは、基板の幅方向端部が高さ基準面51e,52e,53e,54eに対し下方から押付けられることで行われる。基板検査装置1は、ガイドレール51,52,53,54に設けられた基準部51g,52g,53g,54gを有し、基準部51g,52g,53g,54gに係る撮像データに基づき、ガイドレール51,52,53,54の位置が検出される。基準部51g,52g,53g,54gは、高さ基準面51e,52e,53e,54eと同じ高さとされる。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ所定の高さ基準面を有するとともに、平行な状態で配置され、かつ、少なくとも一方が可動レールとされることでレール幅が可変とされた、少なくとも一組のガイドレールと、
前記ガイドレールよりも上方に配置され、高さ方向の位置決めがなされた状態にある基板を撮像する検査用カメラと、
前記検査用カメラによって得られた撮像データに基づき前記基板を検査する検査手段とを備え、
前記高さ方向の位置決めは、前記基板の幅方向端部が前記高さ基準面に対し下方から押付けられることで行われるように構成された基板検査装置であって、
組となる前記両ガイドレールの少なくとも一方に設けられた基準部と、
前記検査用カメラによって得られた前記基準部に係る撮像データに基づき、前記レール幅方向に沿った前記ガイドレールの位置を検出するレール位置検出手段とを有し、
前記基準部は、前記高さ基準面と同じ高さとされていることを特徴とする基板検査装置。
【請求項2】
前記基準部は、前記ガイドレールの長手方向に延びる、前記ガイドレールのエッジ部分により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項3】
前記検査用カメラは、少なくとも前記レール幅方向及び前記レール幅方向と直交する方向に沿って移動可能とされており、
所定の目印部と、
前記検査用カメラによって得られた前記目印部に係る撮像データに基づき、前記目印部に対し前記検査用カメラを前記レール幅方向及び前記レール幅方向と直交する方向における一定位置に配置させるカメラセット手段とを有し、
前記検査用カメラは、前記カメラセット手段によって前記一定位置に配置された状態で前記基準部を撮像するように構成されており、
前記目印部は、前記高さ基準面と同じ高さとされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板検査装置。
【請求項4】
前記目印部は、前記基準部であることを特徴とする請求項3に記載の基板検査装置。
【請求項5】
前記ガイドレールは少なくとも二組設けられるとともに、前記各ガイドレールは平行な状態で並べて配置されており、
前記各ガイドレールのうち前記レール幅方向における一端に位置する一端側レールは、移動不能な固定レール又は前記レール幅方向に沿って可動とされた可動レールであり、
前記各ガイドレールのうちの前記一端側レール以外のものは、前記レール幅方向に沿って可動とされた可動レールであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の基板検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板等に代表される基板を検査するための基板検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリント基板上に電子部品を実装する場合、まずプリント基板上に配設された所定の電極パターン上にクリームハンダが印刷される。次に、該クリームハンダの粘性に基づいてプリント基板上に電子部品が仮止めされる。その後、前記プリント基板がリフロー炉へ導かれ、所定のリフロー工程を経ることでハンダ付けが行われる。また、リフロー工程の前後においては、ハンダの印刷状態や電子部品の実装状態の検査が行われる。
【0003】
上記のような基板に係る検査を行うための基板検査装置としては、基板の幅方向両端部を支持しつつ当該基板を搬送可能な一対のコンベアベルトと、当該コンベアベルトを回転可能な状態で支持する一対のガイドレールと、当該ガイドレールの上方から基板を撮像する検査用カメラと、検査用カメラによって得られた撮像データに基づき基板の検査を行う検査手段とを備えたものが知られている。また、一方のガイドレールを基準として、他方のガイドレールを移動可能とすることで、基板の幅に合わせて両ガイドレールの間隔(レール幅)を調節可能とする技術が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
【0004】
ところで、前記レール幅方向に沿ったガイドレールの位置が不適正であると、レール幅も不適正なものとなり、基板を適切に支持することができないなどの不具合が生じてしまうおそれがある。
【0005】
そこで、このような不具合の発生を防止すべく、以下に挙げる第一の手法及び第二の手法が提案されている。第一の手法は、二組のガイドレール(コンベアレール)、及び、各組のガイドレールにより支持された2枚の基板の全てを一台のカメラ(大視野固定カメラ)によって撮像する装置において、前記カメラによって各ガイドレールに設けられた基準部(基準位置マーク)を撮像し、レール幅が適正に保たれているか否かを監視する手法である(例えば、特許文献2等参照)。この手法では、一台のカメラによって得られた撮像データ(画像)に基づき、基板の検査やレール幅の適否判定が行われる。
【0006】
また、第二の手法は、XY方向に移動可能なカメラによって、可動するガイドレールに設けられた基準部(基準位置)を撮像し、得られた撮像データ(画像)に基づき、レール幅を検出する手法である(例えば、特許文献3等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−263044号公報
【特許文献2】国際公開第2014/068766号
【特許文献3】特開2009−164357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した第一の手法では、一台のカメラによって各ガイドレールに設けられた基準部及び2枚の基板を撮像するために、カメラにおける被写界深度を深くする必要がある。そのため、測定分解能(画像の解像度)を低くせざるを得ず、基板の検査に係る信頼性やレール幅の適否判定に係る精度が低下してしまうおそれがある。
【0009】
一方、上述した第二の手法では、被写界深度を浅くし測定分解能を高めることが可能であるが、被写界深度を浅くすれば、ピントの合う範囲が狭くなる。そのため、基板の検査を行うためのカメラによって前記基準部を撮像するように構成した場合には、撮像対象(基板又は基準部)に応じてピントを調節する必要が生じてしまう。これに対し、ピント調節を不要とすべく、基板の検査を行うためのカメラとは別に前記基準部を撮像するためのカメラを設けることが考えられるが、この場合には、装置の複雑化や製造コストの増大を招いてしまうおそれがある。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ピント調節を特に行うことなく、基板検査用のカメラにより、基板及び基準部をそれぞれピントを合わせた状態で撮像することができ、ひいては基板の検査に係る信頼性の向上や高精度でのレール幅の適否判定などが可能となる基板検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0012】
手段1.それぞれ所定の高さ基準面を有するとともに、平行な状態で配置され、かつ、少なくとも一方が可動レールとされることでレール幅が可変とされた、少なくとも一組のガイドレールと、
前記ガイドレールよりも上方に配置され、高さ方向の位置決めがなされた状態にある基板を撮像する検査用カメラと、
前記検査用カメラによって得られた撮像データに基づき前記基板を検査する検査手段とを備え、
前記高さ方向の位置決めは、前記基板の幅方向端部が前記高さ基準面に対し下方から押付けられることで行われるように構成された基板検査装置であって、
組となる前記両ガイドレールの少なくとも一方に設けられた基準部と、
前記検査用カメラによって得られた前記基準部に係る撮像データに基づき、前記レール幅方向に沿った前記ガイドレールの位置を検出するレール位置検出手段とを有し、
前記基準部は、前記高さ基準面と同じ高さとされていることを特徴とする基板検査装置。
【0013】
上記手段1によれば、基準部は、基板が押付けられる高さ基準面と同じ高さとされている。従って、検査用カメラによる撮像時に、基準部と基板とをほぼ同じ高さとすることができる。これにより、検査用カメラにおける被写界深度を浅くして計測分解能を高めつつ、検査用カメラにおけるピント調節を特段行うことなく、基準部及び基板の双方に対しより確実にピントを合わせることができる。そのため、基板及び基準部に関するピントの合った高解像度の撮像データを得ることができる。その結果、基板の検査に係る信頼性を向上させることができる。また、基準部の位置をより正確に把握することができ、ガイドレールの位置検出やレール幅の適否判定を高精度で行うことができる。
【0014】
さらに、基板の検査を行うための検査用カメラによって基準部を撮像するため、基準部を撮像するためのカメラを別途設ける必要はない。従って、装置の簡素化及び製造コストの増大抑制を図ることができる。
【0015】
手段2.前記基準部は、前記ガイドレールの長手方向に延びる、前記ガイドレールのエッジ部分により構成されていることを特徴とする手段1に記載の基板検査装置。
【0016】
上記手段2によれば、基準部は、ガイドレールのエッジ部分により構成されており、当該エッジ部分は、ガイドレールの長手方向に延びるものとされている。従って、ガイドレールの長手方向に沿った比較的広範囲に亘ってガイドレールの位置検出やレール幅の適否判定を行うことができ、レール幅の適否判定等に係る精度をより高めることができる。また、ガイドレール同士における平行度の確認を行うことができる。
【0017】
さらに、塗料やシールなどを用いて、基準部を平面的なマークにより構成した場合には、経時劣化や外部損傷等による基準部の欠損などの懸念が生じ得るが、上記手段2によれば、このような懸念を払拭することができる。
【0018】
手段3.前記検査用カメラは、少なくとも前記レール幅方向及び前記レール幅方向と直交する方向に沿って移動可能とされており、
所定の目印部と、
前記検査用カメラによって得られた前記目印部に係る撮像データに基づき、前記目印部に対し前記検査用カメラを前記レール幅方向及び前記レール幅方向と直交する方向における一定位置に配置させるカメラセット手段とを有し、
前記検査用カメラは、前記カメラセット手段によって前記一定位置に配置された状態で前記基準部を撮像するように構成されており、
前記目印部は、前記高さ基準面と同じ高さとされていることを特徴とする手段1又は2に記載の基板検査装置。
【0019】
上記手段3によれば、目印部は、高さ基準面と同じ高さとされているため、目印部に係る高解像度の撮像データを得ることができる。そのため、得られた撮像データに基づき、検査用カメラを精度よく一定位置に配置することができる。その結果、基準部の位置を一層正確に把握することができ、より高精度でのレール幅の適否判定などを行うことができる。
【0020】
手段4.前記目印部は、前記基準部であることを特徴とする手段3に記載の基板検査装置。
【0021】
上記手段4によれば、基準部は、検査用カメラの位置を一定位置に配置させるために用いられる目印部を兼ねたものとされている。従って、目印部を別途設ける場合と比較して、製造コストの低減や装置の簡素化などをより図ることができる。
【0022】
手段5.前記ガイドレールは少なくとも二組設けられるとともに、前記各ガイドレールは平行な状態で並べて配置されており、
前記各ガイドレールのうち前記レール幅方向における一端に位置する一端側レールは、移動不能な固定レール又は前記レール幅方向に沿って可動とされた可動レールであり、
前記各ガイドレールのうちの前記一端側レール以外のものは、前記レール幅方向に沿って可動とされた可動レールであることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の基板検査装置。
【0023】
上記手段5によれば、一端側レールと、各ガイドレールのうちレール幅方向における他端に位置する他端側レールとの間の距離を十分に大きなものとしつつ、一端側レール及び他端側レール間に位置するガイドレールを他端側レールに寄せることで、このガイドレールと一端側レールとのレール幅を非常に大きなものとすることができる。従って、幅の大きな基板にも対応することができる。一方、ガイドレールを一組ずつ利用することで、複数枚の基板を並べてセットすることができ、検査効率の向上などを図ることができる。さらに、一端側レール以外のガイドレールは可動レールであるため、各組のガイドレール同士の間隔を適宜調節することができ、ひいてはセットされる基板の位置を調節することができる。従って、上記手段5によれば、基板の幅や検査効率、基板の配置位置などの各種要素が変動した場合であっても柔軟に対応することが可能となり、利便性を著しく高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】基板検査装置の主要部を右側面側から見たときの斜視図である。
図2】基板検査装置の主要部を左側面側から見たときの斜視図である。
図3】基板検査装置の主要部の正面図である。
図4】基板検査装置の主要部の拡大正面図である。
図5図1のJ−J線断面図である。
図6】基板検査装置の概略構成を示すブロック図である。
図7】ガイドレールの位置を変更した場合における基板検査装置の主要部の斜視図である。
図8】高さ基準面に対し基板を押し付けた状態における基板検査装置の主要部の斜視図である。
図9図8のK−K線断面図である。
図10】高さ基準面に対し基板を押し付けた状態における基板検査装置の主要部の拡大正面図である。
図11】別の実施形態における基準部を示すための基板検査装置の主要部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。基板検査装置1は、クリームハンダが印刷されてなるプリント基板(以下、単に「基板」と称する)100の印刷状態などを検査する際に用いられる。基板検査装置1は、図6に示すように、基板搬送装置2及び検査対応装置9を備えている。
【0026】
基板搬送装置2は、図1〜5に示すように、支持プレート3と、一対のスライドガイド部41,42と、二組のガイドレール51,52,53,54と、レール駆動部61,62と、リフト装置7とを備えている。図1は、基板検査装置1の主要部を右側面側から見た斜視図であり、図2は、基板検査装置1の主要部を左側面側から見た斜視図である。図3は、基板検査装置1の主要部の正面図であり、図4は、基板検査装置1の主要部の拡大正面図である。図5は、図1におけるJ−J線断面図である。
【0027】
支持プレート3は、基板搬送装置2における基部を構成する平板状部材である。
【0028】
スライドガイド部41,42は、支持プレート3の表面から突出した状態で支持プレート3上に設置されている。スライドガイド部41,42は、水平方向に延びており、平行な状態で配設されている。スライドガイド部41,42は、レール幅を変更すべく、ガイドレール52,53,54を移動させる際に、これらを平行状態に維持したまま移動させるために利用される。「レール幅」とは、一組のガイドレール51,52同士の間隔や、その他の一組のガイドレール53,54同士の間隔をいう。
【0029】
ガイドレール51,52,53,54は、基板100を支持しつつ搬送するためのものである。ガイドレール51,52,53,54は、それぞれガイドレール本体部51a,52a,53a,54aと、複数のプーリ51b,52b,53b,54bと、コンベアベルト51c,52c,53c,54cとを備えている。
【0030】
ガイドレール本体部51a,52a,53a,54aは、それぞれ基板100の搬送方向に沿って延び、平行状態で配設されている。ガイドレール本体部51a,52a,53a,54aにおけるそれぞれの上部には、対となるガイドレール本体部51a,52a,53a,54a側に向けて張り出した形状をなす上面基準プレート部51d,52d,53d,54dが設けられている。上面基準プレート51d,52d,53d,54dの下面は、基板100の幅方向端縁部が押付けられる面である高さ基準面51e,52e,53e,54eとされている。
【0031】
また、ガイドレール本体部51a,52a,53a,54aにおけるそれぞれの上部には、上方から視認可能な水平方向に延びる平坦面51f,52f,53f,54fが設けられている。平坦面51f,52f,53f,54fは、ガイドレール本体部51a,52a,53a,54aの長手方向中心部分に設けられており、前記高さ基準面51e,52e,53e,54eと同じ高さとされている。平坦面51f,52f,53f,54fとガイドレール本体部51a,52a,53a,54aにおける上面基準プレート51d,52d,53d,54dとは反対側に位置する側面とで形成された、ガイドレール51,52,53,54の長手方向に延びるエッジ部分によって、基準部51g,52g,53g,54gが構成されている。基準部51g,52g,53g,54gの長さは、後述する検査用カメラ91,92による撮像範囲に収まる程度のものとされている。
【0032】
さらに、ガイドレール本体部51a,52a,53a,54aには、前記レール幅方向に延びる貫通孔が形成されている。当該貫通孔に対し、後述するねじ軸61a,62aが挿通された状態とされている。また、ガイドレール52,53,54の内側壁面(対となるガイドレール51,53,54側に位置する側面)のうち前記貫通孔の周囲には、後述するナット61f,62fを取付けるための4つのねじ孔(図示略)が前記貫通孔を中心として放射状に配設されている。
【0033】
プーリ51b,52b,53b,54bは、ガイドレール本体部51a,52a,53a,54aにおける内側壁面に対し複数ずつ設けられており、それぞれ回転可能な状態で支持されている。プーリ51b,52b,53b,54bは、環状に配置されており、各プーリ51b,52b,53b,54bに対しコンベアベルト51c,52c,53c,54cが架け渡された状態となっている。
【0034】
また、各ガイドレール51,52,53,54において、複数のプーリ51b,52b,53b,54bのうちの1つは、ガイドレール本体部51a,52a,53a,54aにおける内側壁面に固定されたコンベア回転モータ51h,52h,53h,54hの回転軸に取付けられている。これにより、コンベア回転モータ51h,52h,53h,54hの回転力がプーリ51b,52b,53b,54bに伝達され、当該プーリ51b,52b,53b,54bの回転駆動力に基づいて、コンベアベルト51c,52c,53c,54cが回転するようになっている。
【0035】
本実施形態において、各コンベア回転モータ51h,52h,53h,54hは、互いの回転軸が同速で回転するように設定されており、ひいては各コンベアベルト51c,52c,53c,54cが同速で回転するように設定されている。このように各コンベアベルト51c,52c,53c,54cが同速で回転することで、基板搬送装置2へと案内された基板100は、コンベアベルト51c,52c,53c,54cに幅方向両端部が支持された状態で搬送される。
【0036】
また、ガイドレール51,52,53,54のうちレール幅方向における一端に位置するガイドレール51は、支持プレート3に対し固定された固定レールとされている。本実施形態では、ガイドレール51が、一端側レールに相当する。
【0037】
一方、当該ガイドレール51以外のガイドレール52,53,54は、レール幅方向に沿って可動する可動レールとされている。この点に関し詳述すると、ガイドレール52,53,54は、底部に凹部を有する摺動脚部52j,53j,54jをそれぞれ一対ずつ具備している。そして、スライドガイド部41,42に対し前記各摺動脚部52j,53j,54jの凹部を嵌め合わせることで、ガイドレール52,53,54は、スライドガイド部41,42を摺動可能とされている。ガイドレール52,53,54は、スライドガイド部41,42を摺動することで、レール幅方向に沿って移動する。
【0038】
また、本実施形態では、2枚の基板100を並べた状態で支持することができるように、ガイドレール52,53,54の配置位置が設定されているが、ガイドレール52,53,54を移動させることで、ガイドレール52,53,54の配置位置を適宜変更することが可能である。従って、例えば、ガイドレール52,53,54をガイドレール51とは反対側に寄せて配置してもよい(図7参照)。この場合には、幅の大きな基板100に対応することができる。
【0039】
尚、移動可能なガイドレール52,53,54は、金属ブロックからなる固定用部材81,82を介して支持プレート3へと固定可能とされている。本実施形態では、ガイドレール52,53,54のうちレール幅方向における他端に位置するガイドレール54が、固定用部材81,82を介して支持プレート3へと固定された状態となっている。
【0040】
レール駆動部61,62は、ガイドレール51,52,53,54のレール幅を変更すべく、ガイドレール52,53,54を移動させる際に用いられる。レール駆動部61,62は、ねじ軸61a,62aと、駆動源61b,62bと、回転プーリ61c,62cと、従動プーリ61d,62dと、ベルト61e,62eと、ナット61f,62fとを備えている。
【0041】
ねじ軸61a,62aは、外周に雄ねじが形成されてなる棒状部材である。ねじ軸61a,62aは、レール幅方向に沿って水平に延びるとともに、平行な状態で設けられている。ねじ軸61a,62aは、支持プレート3に立設された支持部83,84により自由回転可能な状態で支持されている。
【0042】
駆動源61b,62bは、支持プレート3に配置されており、所定の位置決め用のモータを有している。当該モータは、ねじ軸61a,62aと平行な回転軸を有しており、例えば、ステッピングモータ(パルスモータ)やインダクションモータにより構成されている。
【0043】
回転プーリ61c,62cは、駆動源61b,62bにおける前記モータの回転軸に対し取付けられている。回転プーリ61c,62cは、前記回転軸に対し相対回転不能であり、前記モータの回転動作により回転する。
【0044】
従動プーリ61d,62dは、ねじ軸61a,62aの端部に対し取付けられている。従動プーリ61d,62dは、ねじ軸61a,62aに対し相対回転不能である。
【0045】
ベルト61e,62eは、回転プーリ61c,62c及び従動プーリ61d,62dに掛装されている。これにより、駆動源61b,62bの前記モータで生じた回転力がねじ軸61a,62aへと伝達可能となっている。
【0046】
ナット61f,62fは、ねじ軸61a,62aの回転による駆動力を、可動レールとして機能可能なガイドレール52,53,54へと伝達する役割を有する。詳述すると、ナット61fは、固定レールとして機能するガイドレール51と対になるガイドレール52に対し取付けられている。一方、ナット62fは、可動レールとして機能可能なガイドレール53,54に対し取付・取外可能であり、両ガイドレール53,54の一方に対し選択的に取付可能となっている。
【0047】
ナット61f,62fは、ねじ軸61a,62aが挿通される筒状部分と、当該筒状部部の端部から外側に突出形成された矩形状のフランジ部分とを備えており、当該フランジ部分には、4つの透孔(図示せず)が形成されている。そして、当該透孔のそれぞれに対し所定の雄ねじを挿通した上で、ガイドレール本体部52a,53a,54aの内側壁面に設けられた4つのねじ孔(図示せず)に対して前記雄ねじを螺合することで、ガイドレール52,53,54に対しナット61f,62fを取付可能となっている。
【0048】
本実施形態では、レール幅方向に沿った中心側に位置する2本のガイドレール52,53に対し、ナット61f,62fが取付けられた状態となっている。ナット61fの取付けられたガイドレール52は、ねじ軸61aの回転によって、ガイドレール51に対し接近又は離間する方向に移動する。また、ナット62fの取付けられたガイドレール53は、ねじ軸62aの回転によって、ガイドレール54に対し接近又は離間する方向に移動する。これにより、ガイドレール51,52,53,54のレール幅を変更することができるようになっている。尚、ガイドレール52,53の移動量は、ねじ軸61a,62aの回転量によって決定され、ガイドレール52,53の移動方向は、ねじ軸61a,62aの回転方向によって決定される。
【0049】
リフト装置7は、チャックユニット71,72と、可動プレート73とを備えている。
【0050】
チャックユニット71,72は、上面基準プレート51d,52d,53d,54dとコンベアベルト51c,52c,53c,54cとによって基板100を挟持する際に利用される。チャックユニット71,72は、各ガイドレール51,52,53,54に対しそれぞれ設けられており、コンベアベルト51c,52c,53c,54cにおける上側の水平部分(基板100が載置される部分)の鉛直下方に配置されている。チャックユニット71,72は、各ガイドレール51,52,53,54に対し図示しない支持手段によって上下動可能な状態で支持されている。
【0051】
可動プレート73は、チャックユニット71,72を上動させるためのものである。可動プレート73は、支持プレート3よりも上方において、支持プレート3との間で所定のシリンダを介した状態で配置されている。可動プレート73は、前記シリンダの伸縮によって上下動する。本実施形態において、可動プレート73は、レール幅方向に沿った、ガイドレール51,52,53,54の配置可能範囲の全域に亘って広がる平板状とされている。
【0052】
本実施形態では、図8〜10に示すように、可動プレート73が上動することで、全てのチャックユニット71,72が上動する。その結果、コンベアベルト51c,52c,53c,54cと、これらに支持された基板100とが持ち上げられ、基板100の幅方向端部が高さ基準面51e,52e,53e,54eに対し下方から押付けられた状態となる。これにより、基板100の高さ方向の位置決めが行われた状態となる。
【0053】
次いで、検査対応装置9について説明する。検査対応装置9は、基板100を検査する機能に加えて、基板搬送装置2におけるレール幅が適正であるか否かを判定する機能、及び、次述する検査用カメラ91,92を予め設定された一定位置に配置する機能などを備えている。検査対応装置9は、図6に示すように、検査用カメラ91,92と、判定制御装置93とを備えている。
【0054】
検査用カメラ91,92は、ガイドレール51,52,53,54の上方に配置されており(図1等参照)、図示しない所定のY軸レールに沿って移動可能とされている。また、このY軸レールは、図示しないX軸レールに対しスライド可能とされている。本実施形態において、X軸方向は、レール幅方向と直交する方向(基板100の搬送方向)であり、Y軸方向は、レール幅方向である。結果的に、検査用カメラ91,92は、X軸方向及びY軸方向に沿って、すなわち、レール幅方向及びレール幅方向と直交する方向に沿って移動可能となっている。
【0055】
また、検査用カメラ91,92には、基板100の表面や基準部51g,52g,53g,54g等に対し所定の光を照射するための照明装置(図示せず)が取付けられている。当該照明装置は、検査用カメラ91,92とともに移動する。
【0056】
検査用カメラ91,92は、前記照明装置から照射される光の波長領域に感度を有するものである。検査用カメラ91,92は、基板100を検査するときにおいて、少なくとも前記照明装置により光が照射された基板100を撮像する。この基板100の検査時における撮像は、基板100を高さ基準面51e,52e,53e,54eに押付けた状態で行われる。つまり、基板100の高さ方向の位置決めがなされた状態で、検査用カメラ91,92による撮像が行われる。
【0057】
一方、検査用カメラ91,92は、レール幅の適否を判定するとき、及び、自身を一定位置に配置するときにおいて、少なくとも前記照明装置により光が照射された基準部51g,52g,53g,54gを撮像する。
【0058】
また、本実施形態において、検査用カメラ91,92における被写界深度は比較的浅くなるように構成されている。そのため、ピントの合う範囲は限られるものの、得られる画像は解像度の比較的高いもの、つまり、計測分解能が比較的高いものとなっている。
【0059】
検査用カメラ91,92により得られた撮像データは、判定制御装置93へと送信される。
【0060】
判定制御装置93は、演算手段としてのCPUや、各種プログラムを記憶するROM、演算データや入出力データなどの各種データを一時的に記憶するRAM、演算データ等を長期記憶するハードディスクなどを備えている。判定制御装置93は、基板検査装置2における各種機構の動作を制御する。
【0061】
また、判定制御装置93は、検査用カメラ91,92から送られた撮像データに基づき、基板100の検査処理やレール幅の適否判定処理、検査用カメラ91,92の適正位置への配置処理などを実行する。判定制御装置93は、カメラセット手段としてのカメラセット部94と、レール位置検出手段としてのレール位置検出部95と、検査手段としての検査部96とを備えている。
【0062】
カメラセット部94は、支持プレート3に固定されたガイドレール51,54の基準部51g,54gに基づき、検査用カメラ91,92をレール幅方向及びレール幅方向と直交する方向における一定位置に配置させる。すなわち、本実施形態における基準部51g,54gは、目印部を兼ねたものとされている。
【0063】
検査用カメラ91,92を一定位置に配置する点について詳述すると、まず、カメラセット部94は、検査用カメラ91,92から入力された撮像データにおける基準部51g,54gの位置に基づき、検査用カメラ91,92が一定位置に配置されているか否かを確認する。具体的には、カメラセット部94は、基準部51g,54gの理想位置と実際位置とのずれ量が予め設定された所定値以下であるか否かを確認する。基準部51g,54gは検査用カメラ91,92の撮像範囲に収まる長さであるため、前記ずれ量としては、レール幅方向に沿った量と、レール幅方向と直交する方向に沿った量とが求められ、両者がそれぞれ所定値以下であるか否かが確認される。尚、この理想位置に関する情報は判定制御装置93に対し予め入力されている。
【0064】
ずれ量が所定値を超えており、検査用カメラ91,92が一定位置に配置されていない場合、カメラセット部94は、撮像データにおける、基準部51g,54gの理想位置と実際の基準部51g,54gの位置との相違に基づき、前記一定位置に対し検査用カメラ91,92が配置されるように、検査用カメラ91,92を移動させるための駆動機構(図示せず)へと指示を出す。
【0065】
カメラセット部94は、検査用カメラ91,92が一定位置に配置されるまで、つまり、基準部51g,54gの理想位置と実際位置とのずれ量が所定値以下となるまで、上記の処理を繰り返し行う。その結果、検査用カメラ91,92は、それぞれ一定位置に対し精度よく配置される。この検査用カメラ91,92を一定位置に配置させるための処理は、例えば、基板検査装置1の起動時に行われる。
【0066】
レール位置検出部95は、レール幅方向に沿ったガイドレール51,52,53,54の位置を検出するとともに、レール幅が適正であるか否かを判定する。また、レール位置検出部95は、可動状態にあるガイドレール52,53の位置が不適正であることによりレール幅が不適正である場合には、ガイドレール52,53を適正位置へと移動させるための処理を行う。このレール幅の適否判定等に関する処理は、基板検査装置1へと基板100を取り込む前に行われる。
【0067】
詳述すると、レール位置検出部95は、上述の検査用カメラ91,92を一定位置に配置する処理が行われた後に、検査用カメラ91,92により、ガイドレール51,52,53,54の基準部51g,52g,53g,54gに係る撮像データを得る。そして、レール位置検出部95は、この撮像データにおける基準部51g,52g,53g,54gの位置に基づき、レール幅方向に沿ったガイドレール51,52,53,54の位置を検出する。本実施形態において、基準部51g,52g,53g,54gは比較的長いものであるため、レール位置検出部95は、基準部51g,52g,53g,54gにおいてガイドレール51,52,53,54の長手方向に沿って間隔をあけて取った複数の点の位置(座標)をガイドレール51,52,53,54の位置として検出する。
【0068】
その上で、レール位置検出部95は、予め入力されたガイドレール51,52,53,54の理想位置に関する情報(例えば、基準部51g,52g,53g,54gの理想位置に関する情報)に基づき、ガイドレール51,52,53,54のそれぞれの配置位置が適正であるか否かを判定する。具体的には、レール位置検出部95は、ガイドレール51,52,53,54の位置を構成する複数の点の位置(座標)と、これら点に対応する理想位置とのずれ量が予め設定された所定値以下であるか否かを判定する。尚、この理想位置に関する情報は判定制御装置93に対し予め入力されている。
【0069】
全てのずれ量が所定値未満である場合、レール位置検出部95は、ガイドレール51,52,53,54の配置位置が適正であり、レール幅も適正であると判定する。
【0070】
これに対し、ガイドレール51,52,53,54のうち固定された状態にあるガイドレール51,54の少なくとも一方に関する前記ずれ量が所定値を超えている場合、レール位置検出部95は、ガイドレール51,54又は検査用カメラ91,92の配置位置が不適正であると判定する。その上で、検査用カメラ91,92の配置位置又はレール幅が不適正である旨を報知する処理を行う。通常、支持プレート3に固定されたガイドレール51,54や検査用カメラ91,92はそれぞれ適正な位置に配置された状態となっているが、事後的に支持プレート3や検査用カメラ91,92が意図せず移動してしまう点を考慮してこの処理を行う。
【0071】
一方、ガイドレール51,54に関する前記ずれ量が所定値以下であり、ガイドレール51,54及び検査用カメラ91,92の配置位置が適正であるが、可動状態にあるガイドレール52,53の少なくとも一方に関する前記ずれ量が所定値を超えている場合、レール位置検出部95は、ガイドレール52,53の配置位置が不適正であると判定する。その上で、レール位置検出部95は、撮像データにおける、ガイドレール52,53の理想位置と実際位置との相違に基づき、駆動源61b,62bを制御し、位置ずれのあるガイドレール52,53を適正位置(理想位置)に向けて移動させる。
【0072】
そして、レール位置検出部95は、ガイドレール52,53が適正位置に配置されるまで、つまり、ガイドレール52,53の理想位置と実際位置との間のずれが所定値以下となるまで、上記の処理を繰り返し行う。その結果、ガイドレール52,53は、それぞれ適正位置に対し配置され、ひいてはレール幅が適正なものとなる。ガイドレール52,53の配置位置が不適正である場合、レール位置検出部95は、上記ガイドレール52,53の適正位置への移動処理に代えて又は加えて、レール幅が不適正である旨を報知する処理を実行してもよい。
【0073】
尚、本実施形態では、検査用カメラ91,92を一定位置に配置した上で、ガイドレール51,52,53,54の位置を検出することにより、レール幅の適否を判定するため、必ずしも1の撮像データにおいて、対になる基準部51g,52g,53g,54gがそれぞれ含まれている必要はない。従って、対になる基準部51g,52g,53g,54gが常に収まるような視野の広いカメラを用いることなく、レール幅が適正であるか否かを判定することができる。
【0074】
また、本実施形態では、通常、基準部51g,54gが理想位置に配置され、また、基準部51g,54gに対する一定位置に検査用カメラ91,92が配置されるため、必ずしも上記のように全ての基準部51g,52g,53g,54gに係る撮像データを得る必要はない。従って、少なくとも可動状態にあるガイドレール52,53の基準部52g,53gに係る撮像データを得ることとしてもよい。そして、この撮像データにおける基準部52g,53gの位置に基づきレール幅方向に沿ったガイドレール52,53の位置を検出し、検出結果に基づきレール幅が適正であるか否かを判定してもよい。
【0075】
検査部96は、検査用カメラ91,92から送られた撮像データに基づき、基板100の検査処理を実行する。検査処理では、基板100を高さ基準面51e,52e,53e,54eに押し付け、基板100を高さ方向に位置決めした状態で、検査用カメラ91,92により当該基板100を撮像する。そして、得られた撮像データを用いて、位相シフト法などを利用した三次元計測などを行い、各種検査項目に関する検査を行う。検査項目としては、例えば、クリームハンダの三次元的な位置に関する項目や基板100に配設された電子部品の実装状態に関する項目などを挙げることができる。
【0076】
以上詳述したように、本実施形態によれば、基準部51g,52g,53g,54gは、基板100が押付けられる高さ基準面51e,52e,53e,54eと同じ高さとされている。従って、検査用カメラ91,92による撮像時に、基準部51g,52g,53g,54gと基板100とをほぼ同じ高さとすることができる。これにより、検査用カメラ91,92における被写界深度を浅くして計測分解能を高めつつ、検査用カメラ91,92におけるピント調節を特段行うことなく、基準部51g,52g,53g,54g及び基板100の双方に対しより確実にピントを合わせることができる。そのため、基板100及び基準部51g,52g,53g,54gに関するピントの合った高解像度の撮像データを得ることができる。その結果、基板100の検査に係る信頼性を向上させることができる。また、基準部51g,52g,53g,54gの位置をより正確に把握することができ、ガイドレール51,52,53,54の位置検出やレール幅の適否判定を高精度で行うことができる。
【0077】
さらに、基板100の検査を行うための検査用カメラ91,92によって基準部51g,52g,53g,54gを撮像するため、基準部51g,52g,53g,54gを撮像するためのカメラを別途設ける必要はない。従って、装置の簡素化及び製造コストの増大抑制を図ることができる。
【0078】
加えて、基準部51g,52g,53g,54gは、ガイドレール51,52,53,54のエッジ部分により構成されており、当該エッジ部分は、ガイドレール51,52,53,54の長手方向に延びるものとされている。従って、ガイドレール51,52,53,54の長手方向に沿った比較的広範囲に亘ってガイドレール51,52,53,54の位置検出やレール幅の適否判定を行うことができ、レール幅の適否判定等に係る精度をより高めることができる。
【0079】
さらに、塗料やシールなどを用いて、基準部を平面的なマークにより構成した場合には、経時劣化や外部損傷等による基準部の欠損などの懸念が生じ得るが、基準部51g,52g,53g,54gをエッジ部分により構成することで、このような懸念を払拭することができる。
【0080】
また、目印部を兼ねる基準部51g,54gは、高さ基準面51e,52e,53e,54eと同じ高さとされているため、基準部51g,54g(目印部)に係る高解像度の撮像データを得ることができる。そのため、得られた撮像データに基づき、検査用カメラ91,92を精度よく一定位置に配置することができる。その結果、基準部51g,52g,53g,54gの位置を一層正確に把握することができ、より高精度でのレール幅の適否判定等を行うことができる。
【0081】
加えて、基準部51g,54gは目印部を兼ねるため、目印部を別途設ける場合と比較して、製造コストの低減や装置の簡素化などをより図ることができる。
【0082】
さらに、ガイドレール52,53,54は可動とされているため、幅の大きな基板に対応したり、複数枚の基板100を並べてセットすることで検査効率の向上などを図ったりことができる。また、各組のガイドレール51,52,53,54同士の間隔を適宜調節することで、セットされる基板100の位置を調節することができる。従って、基板100の幅や検査効率、基板100の配置位置などの各種要素が変動した場合であっても柔軟に対応することが可能となり、利便性を著しく高めることができる。
【0083】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0084】
(a)上記実施形態において、基準部51g,52g,53g,54gは、ガイドレール51,52,53,54の長手方向に延びるエッジ部分により構成されているが、基準部をエッジ部分以外によって構成してもよい。従って、例えば、図11に示すように、基準部51k,52k,53k,54kを平坦面51f,52f,53f,54fに設けられたマーク(例えば、図示するような丸印)により構成してもよい。また、例えば、前記高さ基準面51e,52e,53e,54eと同じ高さまで突出する突起部などによって基準部を構成してもよい。
【0085】
(b)上記実施形態において、エッジ部分により構成された基準部51g,52g,53g,54gの長さは、検査用カメラ91,92による撮像範囲に収まる程度のものとされている。これに対し、検査用カメラ91,92の撮像範囲から長手方向端部が外れるように、エッジ部分で構成された基準部の長さを設定してもよい。この場合、基準部における実際位置と理想位置とのずれ量として、レール幅方向に沿った量のみが求められる。しかし、この量に基づき、レール幅方向に沿った検査用カメラ91,92の位置合わせやガイドレール51,52,53,54の位置検出等を精度よく行うことができる。
【0086】
(c)上記実施形態では、目印部を兼ねる基準部51g,54gの位置に基づき、検査用カメラ91,92を一定位置に配置するように構成されている。これに対し、例えば、基準部とは別に設けられた目印部により、検査用カメラ91,92を一定位置に配置することとしてもよい。目印部は、高さ基準面と同じ高さとすることが好ましく、例えば、可動プレート73に立設された目印用のピンの上端面により構成してもよい。
【0087】
また、基準部51g,54gとは別に目印部を設けた場合、基準部51g,54gを省略し、可動するガイドレール52,53のみに基準部を設けてもよい。すなわち、組となるガイドレールのうちの一方のみに対し基準部を設けてもよい。
【0088】
さらに、上記実施形態では、基準部51g,54g(目印部)の撮像データに基づき、検査用カメラ91,92を一定位置に配置するように構成されているが、撮像データを用いることなく、検査用カメラ91,92を一定位置に配置してもよい。例えば、検査用カメラ91,92をX軸方向及びY軸方向に移動させる駆動機構に対し、検査用カメラ91,92の絶対位置を把握するためのアブソリュートエンコーダを設け、当該アブソリュートエンコーダからの出力に基づき、検査用カメラ91,92を一定位置に配置するように構成してもよい。
【0089】
(d)上記実施形態では、チャックユニット71,72の上動により、コンベアベルト51c,52c,53c,54cを介して基板100を持ち上げることで、高さ基準面51e,52e,53e,54eに対し基板100を押しつけるように構成されている。これに対し、例えば、基板100の裏面を下方から支えるピンを設け、当該ピンが上動し基板100を持ち上げることで、高さ基準面51e,52e,53e,54eに対し基板100を押しつけるように構成してもよい。尚、前記ピンは、例えば、可動プレート73に設けてもよい。この場合、可動プレート73に対し前記ピンを挿通可能な複数の穴を設け、前記ピンの挿通される前記穴を選択可能とすることで、可動プレート73における任意の位置に前記ピンを配置可能としてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、可動プレート73の上下動に伴い全てのチャックユニット71,72が上下動するように構成されているが、各チャックユニット71,72が個別に上下動するように構成してもよい。例えば、チャックユニット71,72をそれぞれ所定のシリンダによって上下動可能な状態で支持し、当該シリンダの伸縮によってチャックユニット71,72が個別に上下動するように構成してもよい。
【0091】
(e)上記実施形態において、基板搬送装置2は二組のガイドレール51,52,53,54を備えた、いわゆるデュアルレールとされているが、一組のガイドレールを備えたものであってもよいし、三組以上のガイドレールを備えたものであってもよい。また、検査用カメラなどの数は、ガイドレールの組数に応じて適宜変更してもよい。
【0092】
さらに、ガイドレールを固定レールとするか可動レールとするかについては、適宜変更可能である。従って、上記実施形態において、ガイドレール51は固定レールとされているが、ガイドレール51を可動レールとしてもよい。
【0093】
(f)上記実施形態では、検出したガイドレール51,52,53,54の位置に基づき、レール幅の適否判定を行うこととしているが、レール幅の適否判定に加えて、ガイドレール51,52,53,54における平行度の良否を判定するように構成してもよい。例えば、ガイドレール51,52,53,54の位置を構成する複数の点の位置(座標)と、これら点に対応する理想位置とのずれ量における変化の態様に基づき、平行度の良否を判定するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0094】
1…基板検査装置、51…ガイドレール(一端側レール)、52,53,54…ガイドレール、51e,52e,53e,54e…高さ基準面、51g,54g…基準部(目印部)、52g,53g…基準部、91,92…検査用カメラ、94…カメラセット部(カメラセット手段)、95…レール位置検出部(レール位置検出手段)、96…検査部(検査手段)、100…基板。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11