特開2018-128551(P2018-128551A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-128551(P2018-128551A)
(43)【公開日】2018年8月16日
(54)【発明の名称】表示制御装置及び表示制御方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20180720BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20180720BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20180720BHJP
【FI】
   G09G5/00 550D
   G09G5/00 550X
   G09G5/00 555D
   G09G5/00 550P
   G09G5/00 550R
   G09G5/36 520L
   G09G5/00 530M
   G09G5/00 555A
   H04N5/66 102Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-20920(P2017-20920)
(22)【出願日】2017年2月8日
(71)【出願人】
【識別番号】591128453
【氏名又は名称】株式会社メガチップス
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100109715
【弁理士】
【氏名又は名称】塩谷 英明
(72)【発明者】
【氏名】米沢 則史
【テーマコード(参考)】
5C058
5C182
【Fターム(参考)】
5C058AA06
5C058BA26
5C058BA35
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB02
5C182AB11
5C182AC43
5C182BC01
5C182CB52
5C182CC21
5C182DA05
5C182DA06
5C182DA33
5C182DA35
5C182DA44
5C182DA62
5C182DA67
(57)【要約】
【課題】 回路規模、消費電力及びコストを抑えつつ、起動の際に初期画像を速やかにディスプレイに表示することができる表示制御装置を提供する。
【解決手段】 パネルセルフリフレッシュのためのフレームメモリを有する表示制御装置であって、メモリ格納データ選択部が選択した、初期画像データ記憶部から読み出した初期画像データ又は所定の送信装置から供給された入力画像データの何れかをフレームメモリに書き込むフレームメモリ制御部と、入力画像データ又はPSR出力制御部がフレームメモリから読み出して出力したデータの何れかを選択して表示部に出力する出力データ選択部と、を含み、送信装置の起動処理中に、メモリ格納データ選択部が初期画像データを選択し、出力データ選択部がPSR出力制御部から出力されたデータを選択することにより、出力データ選択部は、初期画像データを表示部に出力する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルセルフリフレッシュのためのフレームメモリを有する表示制御装置であって、
初期画像データを記憶する初期画像データ記憶部と、
前記初期画像データ記憶部から読み出した前記初期画像データ又は所定の送信装置から供給された入力画像データの何れかを選択するメモリ格納データ選択部と、
前記メモリ格納データ選択部が選択した前記初期画像データ又は前記入力画像データを前記フレームメモリに書き込むフレームメモリ制御部と、
前記フレームメモリから読み出した前記初期画像データ又は前記入力画像データを出力するPSR出力制御部と、
前記入力画像データ又は前記PSR出力制御部から出力されたデータの何れかを選択して表示部に出力する出力データ選択部と、
を含み、
前記送信装置の起動処理中に、前記メモリ格納データ選択部が、前記初期画像データを選択し、前記PSR出力制御部が前記フレームメモリから読み出した前記初期画像データを出力し、前記出力データ選択部が前記PSR出力制御部から出力されたデータを選択することにより、前記出力データ選択部は、前記初期画像データを前記表示部に出力する、
表示制御装置。
【請求項2】
前記送信装置は、前記起動処理中において、初期画像表示制御信号を前記メモリ格納データ選択部、前記PSR出力制御部及び前記出力データ選択部に出力し、
前記初期画像表示制御信号を受信する場合に、前記メモリ格納データ選択部は、前記初期画像データを選択し、前記PSR出力制御部は、前記フレームメモリから読み出した前記初期画像データを出力し、前記出力データ選択部は、前記PSR出力制御部から出力されたデータを選択する、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記初期画像データは、背景設定データ及びロゴデータを含み、
前記初期画像データ記憶部から読み出した前記背景設定データに基づき、ロゴ背景データを生成する背景データ生成部と、
前記初期画像データ記憶部から読み出した前記ロゴデータに基づいてロゴ画像データを生成し、前記ロゴ背景データに、前記ロゴ画像データを合成することで、前記初期画像データを生成して、前記メモリ格納データ選択部に出力するデータ復元部と、
をさらに含む、請求項1又は2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記ロゴデータは、圧縮された状態で前記初期画像データ記憶部に記憶されており、
前記データ復元部は、前記ロゴデータを伸長することにより前記ロゴ画像データを生成する、請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の表示制御装置と、
該表示制御装置に前記入力画像データを送信する送信装置と、
を含む、画像表示システム。
【請求項6】
パネルセルフリフレッシュのためのフレームメモリを有する表示制御装置において、初期画像データを表示部に表示する表示制御方法であって、
メモリ格納データ選択部にて、初期画像データ記憶部から読み出した前記初期画像データ又は所定の送信装置から供給された入力画像データの何れかを選択することと、
前記メモリ格納データ選択部にて選択した前記初期画像データ又は前記入力画像データを前記フレームメモリに書き込むことと、
PSR出力制御部から、前記フレームメモリから読み出した前記初期画像データ又は前記入力画像データを出力することと、
出力データ選択部により、前記入力画像データ又は前記PSR出力制御部から出力されたデータの何れかを選択して前記表示部に出力することと、
を含み、
前記送信装置の起動処理中に、前記メモリ格納データ選択部にて、前記初期画像データを選択し、前記PSR出力制御部にて、前記フレームメモリから読み出した前記初期画像データを出力し、前記出力データ選択部にて、前記PSR出力制御部から出力されたデータを選択することにより、前記出力データ選択部から、前記初期画像データが前記表示部に出力される、
表示制御方法。
【請求項7】
前記送信装置が、起動処理中において、初期画像表示制御信号を、前記メモリ格納データ選択部、前記PSR出力制御部及び前記出力データ選択部に出力することと、
前記初期画像表示制御信号を受信する場合に、前記メモリ格納データ選択部にて、前記初期画像データを選択し、前記PSR出力制御部にて、前記フレームメモリから読み出した前記初期画像データを出力し、前記出力データ選択部にて、前記PSR出力制御部から出力されたデータを選択することと、
をさらに含む、請求項6に記載の表示制御方法。
【請求項8】
前記初期画像データは、背景設定データ及びロゴデータを含み、
背景データ生成部にて、前記初期画像データ記憶部から読み出した前記背景設定データに基づき、ロゴ背景データを生成することと、
データ復元部にて、前記初期画像データ記憶部から読み出した前記ロゴデータに基づいてロゴ画像データを生成し、前記ロゴ背景データに、前記ロゴ画像データを合成することで、前記初期画像データを生成して、前記メモリ格納データ選択部に出力することと、
をさらに含む、請求項6又は7に記載の表示制御方法。
【請求項9】
前記ロゴデータは、圧縮された状態で前記初期画像データ記憶部に記憶されており、
前記データ復元部にて、前記ロゴデータを伸長することにより前記ロゴデータを生成する、請求項8に記載の表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置及び表示制御方法に関し、特に、起動直後の初期画像の表示を制御する表示制御装置及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータデバイスやモバイル端末のような情報機器においては、一般に、電源投入等による起動直後に、当該情報機器の製品名やこれを製造する企業の名称を示すロゴ等の初期画像が、液晶パネル等のディスプレイに表示される。このような初期画像の表示は、広告的な役割を持つとともに、起動処理の進捗状況の通知を兼ねている。
【0003】
例えば、下記引用文献1は、画像表示LSIの初期設定回路が、電源投入時又は起動時に、画像メモリから初期化データを読み出し、この初期化データにより画像表示LSI内の各部の制御のため制御用レジスタの初期設定を行い、画像処理シーケンサ104が、初期設定回路による初期設定完了後、画像メモリ内のマクロコマンドに従い、LCD表示器に初期画面を表示させる技術を開示する。
【0004】
また、下記特許文献2は、コンピュータ本体側に設けた画像表示用のグラフィックコントローラとは別途に、ディスプレイ装置側にグラフィックコントローラを設けるとともに、画面保護用データを格納したメモリを設け、コンピュータ本体側の動作状態に依存することなく、ディスプレイ装置側のみでスクリーンセーバーを起動できるようにする技術を開示する。
【0005】
ところで、近年、ビデオインターフェース規格であるディスプレイポート(DisplayPort)に準拠した液晶ディスプレイ等のディスプレイが普及しつつある。特に、エンベディッドディスプレイポート(embedded DisplayPort;以下「eDP」という。)は、情報機器の内部配線を考慮して策定された規格であり、eDP v1.3以降は、パネルセルフリフレッシュ(Panel Self-Refresh;以下「PSR」という。)技術を含む。PSR技術は、ディスプレイ内部のメモリを利用して画面表示を行うので、電力消費を最小化し、情報機器のバッテリ駆動時間を格段に増やすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−48647号公報
【特許文献2】特開平11−231850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
情報機器による起動直後の初期画像のユーザへの提供は、起動処理が正常に進行していることを示すことでユーザに安心感を与え、また、その待ち時間に対するストレスを緩和させることから、初期画像の表示は、起動直後のできるだけ速いタイミングでなされることが望ましい。
【0008】
上述したような従来の技術は、PSR技術を用いたものでなく、起動の際にディスプレイに初期画像を表示させるためには、圧縮した初期画像データを伸長するために、PSR用のフレームメモリとは別個のメモリを設ける必要があった。このような別個のメモリを設けることは、回路規模及び消費電力の増大を招き、ひいては、製造コストが増大するという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、回路規模、消費電力及びコストを抑えつつ、起動の際に初期画像を速やかにディスプレイに表示することができる表示制御装置及び表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明は、以下に示す発明特定事項乃至は技術的特徴を含んで構成される。
【0011】
すなわち、ある観点に従う発明は、パネルセルフリフレッシュのためのフレームメモリを有する表示制御装置である。かかる表示制御装置は、初期画像データを記憶する初期画像データ記憶部と、前記初期画像データ記憶部から読み出した前記初期画像データ又は所定の送信装置から供給された入力画像データの何れかを選択するメモリ格納データ選択部と、前記メモリ格納データ選択部が選択した前記初期画像データ又は前記入力画像データを前記フレームメモリに書き込むフレームメモリ制御部と、前記フレームメモリから読み出した前記初期画像データ又は前記入力画像データを出力するPSR出力制御部と、前記入力画像データ又は前記PSR出力制御部から出力されたデータの何れかを選択して表示部に出力する出力データ選択部と、を含み、前記送信装置の起動処理中に、前記メモリ格納データ選択部が、前記初期画像データを選択し、前記PSR出力制御部が前記フレームメモリから読み出した前記初期画像データを出力し、前記出力データ選択部が前記PSR出力制御部から出力されたデータを選択することにより、前記出力データ選択部は、前記初期画像データを前記表示部に出力する。
【0012】
ここで、前記送信装置は、前記起動処理中において、初期画像表示制御信号を前記メモリ格納データ選択部、前記PSR出力制御部及び前記出力データ選択部に出力し、前記初期画像表示制御信号を受信する場合に、前記メモリ格納データ選択部は、前記初期画像データを選択し、前記PSR出力制御部は、前記フレームメモリから読み出した前記初期画像データを出力し、前記出力データ選択部は、前記PSR出力制御部から出力されたデータを選択し得る。
【0013】
また、前記初期画像データは、背景設定データ及びロゴデータを含み、前記初期画像データ記憶部から読み出した前記背景設定データに基づき、ロゴ背景データを生成する背景データ生成部と、前記初期画像データ記憶部から読み出した前記ロゴデータに基づいてロゴ画像データを生成し、前記ロゴ背景データに、前記ロゴ画像データを合成することで、前記初期画像データを生成して、前記メモリ格納データ選択部に出力するデータ復元部と、をさらに含み得る。
【0014】
また、前記ロゴデータは、圧縮された状態で前記初期画像データ記憶部に記憶されており、前記データ復元部は、前記ロゴデータを伸長することにより前記ロゴ画像データを生成し得る。
【0015】
また、ある観点に従う発明は、上記何れかの表示制御装置と、該表示制御装置に前記入力画像データを送信する送信装置と、を含む、画像表示システムである。
【0016】
また、ある観点に従う発明は、パネルセルフリフレッシュのためのフレームメモリを有する表示制御装置において、初期画像データを表示部に表示する表示制御方法である。かかる表示制御方法は、メモリ格納データ選択部にて、初期画像データ記憶部から読み出した前記初期画像データ又は所定の送信装置から供給された入力画像データの何れかを選択することと、前記メモリ格納データ選択部にて選択した前記初期画像データ又は前記入力画像データを前記フレームメモリに書き込むことと、PSR出力制御部にて、前記フレームメモリから読み出した前記初期画像データ又は前記入力画像データを出力することと、出力データ選択部にて、前記入力画像データ又は前記PSR出力制御部から出力されたデータの何れかを選択し前記表示部に出力することと、を含み、前記送信装置の起動処理中に、前記メモリ格納データ選択部にて、前記初期画像データを選択し、前記PSR出力制御部にて、前記フレームメモリから読み出した前記初期画像データを出力し、前記出力データ選択部にて、前記PSR出力制御部から出力されたデータを選択することにより、前記出力データ選択部から、前記初期画像データが前記表示部に出力される。
【0017】
また、前記送信装置が、起動処理中において、初期画像表示制御信号を、前記メモリ格納データ選択部、前記PSR出力制御部及び前記出力データ選択部に出力することと、前記初期画像表示制御信号を受信する場合に、前記メモリ格納データ選択部にて、前記初期画像データを選択し、前記PSR出力制御部にて、前記フレームメモリから読み出した前記初期画像データを出力し、前記出力データ選択部にて、前記PSR出力制御部から出力されたデータを選択することと、をさらに含み得る。
【0018】
また、前記初期画像データは、背景設定データ及びロゴデータを含み、背景データ生成部にて、前記初期画像データ記憶部から読み出した前記背景設定データに基づき、ロゴ背景データを生成することと、データ復元部にて、前記初期画像データ記憶部から読み出した前記ロゴデータに基づいてロゴ画像データを生成し、前記ロゴ背景データに、前記ロゴ画像データを合成することで、前記初期画像データを生成して、前記メモリ格納データ選択部に出力することと、をさらに含み得る。
【0019】
また、前記ロゴデータは、圧縮された状態で前記初期画像データ記憶部に記憶されており、前記データ復元部にて、前記ロゴデータを伸長することにより前記ロゴデータを生成し得る。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、回路規模、消費電力及びコストを抑えつつ、起動の際に初期画像を速やかにディスプレイに表示することができる表示制御装置及び表示制御方法を提供できる。
【0021】
本発明の他の技術的特徴、目的、及び作用効果乃至は利点は、添付した図面を参照して説明される以下の実施形態により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る画像表示システムを説明するためのブロックダイアグラムである。
図2】本発明の一実施形態に係るディスプレイポート部を説明するためのブロックダイアグラムである。
図3】本発明の一実施形態に係る画像表示システムの各部の動作を示すタイミングチャートである。
図4】本発明の一実施形態に係る表示制御方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(例えば各実施形態を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像表示システムの概略構成図の一例を示すブロックダイアグラムである。同図に示すように、本実施形態に係る画像表示システム1は、例えば、送信装置10と表示制御装置20とを含んで構成される。
【0025】
送信装置10は、eDPのソース機器であり、例えばパーソナルコンピュータ等であるが、これに限定されない。送信装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、GPU(Graphics Processing Unit)12とを備える。また、図示していないが、送信装置10は、CPU11及びGPU12の利用に供されるメモリを備える。
【0026】
CPU11は、送信装置10全体の制御を行うコンポーネントである。CPU11は、例えば、OSの制御の下、各種のプログラムを実行する。本実施形態では、CPU11は、画像表示システム1の起動の際、表示制御装置20に対して初期画像表示制御信号ICSを出力する。
【0027】
GPU12は、CPU11の制御の下、画像処理を行うコンポーネントである。本実施形態では、GPU12は、CPU11から供給される各種コマンドに応じて、eDPに準拠した第1入力画像データ信号IIS1を生成し、表示制御装置20に出力する。
【0028】
表示制御装置20は、eDPのシンク機器であり、例えばディスプレイ等であるが、これに限定されない。表示制御装置20は、例えば、ディスプレイポート部21と、処理部22と、初期情報記憶部23と、メモリ制御部24と、フレームメモリ25と、表示部26とを含んで構成される。
【0029】
ディスプレイポート部21は、送信装置10から供給される各信号を受信するインターフェース回路であり、動画像信号又は静止画像信号を選択して出力する。本実施形態では、ディスプレイポート部21は、送信装置10から供給される第1入力画像データ信号IIS1に基づいて、表示部26に表示すべき画像データを選択してディスプレイポート出力画像データ信号DOISとして処理部22に出力する。また、ディスプレイポート部21は、フレームメモリ25に、第1入力画像データ信号IIS1に従う静止画像データ等を書き込むとともに読み出す。なお、ディスプレイポート部21の構成の詳細については後述する。
【0030】
処理部22は、ディスプレイポート部21から供給される信号に基づき所定の画像処理を行った信号を生成し出力する。本実施形態では、ディスプレイポート部21から出力されるディスプレイポート出力画像データ信号DOISに対し、所定の画像処理を行った出力画像データ信号OISを生成して表示部26に出力する。また、処理部22は、表示部26を駆動するためのドライバ制御信号DCSを生成して、表示部26に出力する。
【0031】
初期情報記憶部23は、例えばフラッシュメモリであるが、これに限定されない。本実施形態では、初期情報記憶部23は、ディスプレイポート部21及び処理部22の初期設定や、初期画像データの生成等に必要なデータを記憶する。なお、初期情報記憶部23は、初期画像データ記憶部を構成する。
【0032】
メモリ制御部24は、初期情報記憶部23からのデータの読み出しを制御する。本実施形態では、メモリ制御部24は、ディスプレイポート部21及び処理部22の要求に応じ、初期情報記憶部23に記憶されているデータを読み出して、ディスプレイポート部21及び処理部22に出力する。
である。
【0033】
フレームメモリ25は、eDP v1.3以降に含まれるPSR技術を実現するために設けられる静止画像データ等を記憶するためのメモリである。本実施形態では、フレームメモリ25は、ディスプレイポート部21から出力される静止画像データ等を記憶するとともに、記憶している静止画像データ等をディスプレイポート部21に出力する。
【0034】
表示部26は、例えば、液晶表示パネルや有機エレクトロルミネッセンス表示パネルであるが、これらに限定されない。本実施形態では、表示部26は、処理部22から供給される出力画像データ信号OISに従う画像を表示する。なお、表示部26は、本例において表示制御装置20内に設けられているが、これに限られるものでない。表示部26は、表示制御装置20とは別体に設けられても良い。
【0035】
図2は、本発明の一実施形態に係るディスプレイポート部の概略構成図の一例を示すブロックダイアグラムである。同図に示すように、本実施形態に係るディスプレイポート部21は、例えば、データ受信部211と、背景データ生成部212と、データ復元部213と、メモリ格納データ選択部214と、フレームメモリ制御部215と、OR回路216と、PSR出力制御部217と、出力データ選択部218とを含んで構成される。
【0036】
データ受信部211は、GPU12から供給される第1入力画像データ信号IIS1に基づいて第1PSR制御信号PCS1を生成する。具体的には、データ受信部211は、第1入力画像データ信号IIS1が静止画像データであるか否かを判断し、静止画像データである場合に第1の状態(例えば“H”)となる第1PSR制御信号PCS1を生成し、OR回路216に出力する。また、データ受信部211は、第1入力画像データ信号IIS1の画像データ信号のみを第2入力画像データ信号IIS2として、メモリ格納データ選択部214及び出力データ選択部218に出力する。
【0037】
背景データ生成部212は、メモリ制御部24の制御の下で初期情報記憶部23から読み出される背景設定データに基づき、ロゴ背景データを生成する。例えば、背景データ生成部212は、背景設定データの値に応じた色のロゴ背景データを生成し、データ復元部213に出力する。
【0038】
データ復元部213は、メモリ制御部24の制御の下で初期情報記憶部23から読み出されるロゴデータに基づき、ロゴ画像データを生成し、背景データ生成部212から供給されたロゴ背景データにロゴ画像データを合成して初期画像データ信号ITISを生成する。例えば、データ復元部213は、圧縮された状態で初期情報記憶部23に記憶されているロゴデータを伸長し、ロゴの表示位置、圧縮されているロゴデータの伸長の進捗にあわせて、背景データ生成部212からロゴ背景データの供給を受け、該ロゴ背景データにロゴ画像データを合成して初期画像データ信号ITISを生成する。データ復元部213は、生成した初期画像データ信号ITISを、メモリ格納データ選択部214に出力する。
【0039】
メモリ格納データ選択部214は、データ受信部211から供給された第2入力画像データ信号IIS2とデータ復元部213から供給された初期画像データ信号ITISとのうち、何れか一方をCPU11から供給される初期画像表示制御信号ICSに基づき選択し、フレームメモリ制御部215に出力する。具体的には、メモリ格納データ選択部214は、初期画像表示制御信号ICSが、CPU11の起動中を示す第1の状態(例えば“H”)である場合に、データ復元部213から供給される初期画像データ信号ITISを選択し、フレームメモリ制御部215に出力する。一方、メモリ格納データ選択部214は、CPU11の起動が完了したことを示す第2の状態(例えば“L”)である場合に、データ受信部211から供給された第2入力画像データ信号IIS2を選択し、フレームメモリ制御部215に出力する。
【0040】
フレームメモリ制御部215は、メモリ格納データ選択部214から供給された第2入力画像データ信号IIS2又は初期画像データ信号ITISに基づくデータを、フレームメモリ25に書き込む。また、フレームメモリ制御部215は、PSR出力制御部217からの要求に応じて、フレームメモリ25に記憶されているデータを読み出して、該データに基づく第2入力画像データ信号IIS2又は初期画像データ信号ITISをPSR出力制御部217に出力する。
【0041】
OR回路216は、データ受信部211から供給される第1PSR制御信号PCS1及びCPU11から供給される初期画像表示制御信号ICSに基づき、第2PSR制御信号PCS2を生成して、PSR出力制御部217及び出力データ選択部218に出力する。具体的には、OR回路216は、第1PSR制御信号PCS1及び初期画像表示制御信号ICSの少なくとも一方が第1の状態(例えば“H”)である場合、第1の状態(例えば“H”)である第2PSR制御信号PCS2を生成して、PSR出力制御部217及び出力データ選択部218に出力する。一方、OR回路216は、第1PSR制御信号PCS1及び初期画像表示制御信号ICSの両方が第2の状態(例えば“L”)である場合、第2の状態(例えば“L”)である第2PSR制御信号PCS2を生成して、PSR出力制御部217及び出力データ選択部218に出力する。
【0042】
PSR出力制御部217は、OR回路216から供給される第2PSR制御信号PCS2が第1の状態(例えば“H”)である場合、フレームメモリ制御部215にフレームメモリ25からのデータの読み出しを要求する。そして、PSR出力制御部217は、フレームメモリ制御部215の制御の下で、フレームメモリ25から読み出されるデータに基づく第2入力画像データ信号IIS2又は初期画像データ信号ITISを、出力データ選択部218に出力する。
【0043】
出力データ選択部218は、OR回路216から供給される第2PSR制御信号PCS2に応じて、データ受信部211から供給される第2入力画像データ信号IIS2、或いは、PSR出力制御部217から供給される第2入力画像データ信号IIS2又は初期画像データ信号ITISを選択し、ディスプレイポート出力画像データ信号DOISとして処理部22に出力する。具体的には、出力データ選択部218は、第2PSR制御信号PCS2が第1の状態(例えば“H”)である場合、PSR出力制御部217から供給される第2入力画像データ信号IIS2又は初期画像データ信号ITISを選択し、ディスプレイポート出力画像データ信号DOISとして処理部22に出力する。一方、出力データ選択部218は、第2PSR制御信号PCS2が第2の状態(例えば“L”)である場合、データ受信部211から供給される第2入力画像データ信号IIS2を選択し、ディスプレイポート出力画像データ信号DOISとして処理部22に出力する。
【0044】
図3は、本発明の一実施形態に係る画像表示システムの各部の動作を示すタイミングチャートである。
【0045】
同図を参照して、画像表示システム1に電源が投入されると(時刻t301)、CPU11は、その起動中にわたり第1の状態(例えば“H”)となる初期画像表示制御信号ICSを生成してメモリ格納データ選択部214及びOR回路216に出力する。データ受信部211、背景データ生成部212、データ復元部213及び処理部22は、メモリ制御部24の制御の下で、初期情報記憶部23から読み出される初期設定に必要なデータに基づき、初期設定を行う。表示部26は、その時点では、何も表示しない(図中において、「黒表示」と記載されている。)。
【0046】
データ受信部211、背景データ生成部212、データ復元部213及び処理部22の初期設定完了後(時刻t302)、背景データ生成部212は、メモリ制御部24の制御の下で、初期情報記憶部23から読み出される背景設定データに基づき、ロゴ背景データを生成し、データ復元部213におけるロゴデータの伸長等の進捗にあわせて、データ復元部213に出力する。また、データ復元部213は、メモリ制御部24の制御の下で、初期情報記憶部23から読み出される、圧縮された状態のロゴデータを伸長してロゴ画像データを生成し、更に、該ロゴ画像データを、背景データ生成部212から供給されたロゴ背景データと合成して初期画像データ信号ITISを生成し、メモリ格納データ選択部214に出力する。
【0047】
メモリ格納データ選択部214は、初期画像表示制御信号ICSが第1の状態(例えば“H”)であることに基づき、データ復元部213から供給された初期画像データ信号ITISを選択し、フレームメモリ制御部215に出力する。そして、フレームメモリ制御部215は、メモリ格納データ選択部214から供給された初期画像データ信号ITISに基づくデータを、フレームメモリ25に書き込む。また、PSR出力制御部217は、初期画像表示制御信号ICSが第1の状態(例えば“H”)であることに基づき、第2PSR制御信号PCS2が第1の状態(例えば“H”)となっていることにより、フレームメモリ制御部215に、フレームメモリ25からのデータの読み出しを要求する。
【0048】
フレームメモリ25への初期画像データ信号ITISに基づくデータの書き込み完了後(時刻t303)、フレームメモリ制御部215は、PSR出力制御部217からの上記要求に応じてフレームメモリ25からデータを読み出し、該データに基づく初期画像データ信号ITISをPSR出力制御部217に出力する。
【0049】
PSR出力制御部217は、フレームメモリ制御部215から供給された初期画像データ信号ITISを、出力データ選択部218に出力する。そして、出力データ選択部218は、第2PSR制御信号PCS2が第1の状態(例えば“H”)であることにより、PSR出力制御部217から供給された初期画像データ信号ITISを選択して、ディスプレイポート出力画像データ信号DOISとして出力する。これにより、表示部26は、黒画像に替わり初期画像を表示する。このように、画像表示システム1では、PSR技術を実現するために設けられるフレームメモリ25を利用して、CPU11の起動中に、表示部26に初期画像を表示することができる。
【0050】
その後、CPU11の起動完了に伴い初期画像表示制御信号ICSが“L”に切り替わることで(時刻t304)、表示部26には、第2入力画像データ信号IIS2に従った画像が表示されるようになる。
【0051】
図4は、本発明の一実施形態に係る表示制御方法を示すフローチャートである。かかる表示制御方法は、画像表示システム1の電源投入後に実行される。
【0052】
同図に示すように、CPU11は、画像表示システム1の電源投入後、当該CPU11が起動中であることを示す第1の状態(例えば“H”)の初期画像表示制御信号ICSをメモリ格納データ選択部214及びOR回路216に出力する(S401)。続いて、データ受信部211、背景データ生成部212、データ復元部213及び処理部22は、自己の初期設定を行う(S402)。具体的には、データ受信部211、背景データ生成部212、データ復元部213及び処理部22は、メモリ制御部24の制御の下で、初期情報記憶部23から読み出される初期設定に必要なデータに基づき、初期設定を行う。
【0053】
次に、データ復元部213は、背景データ生成部212とともに、初期画像データ信号ITISを生成し、メモリ格納データ選択部214に出力する(S403)。具体的には、背景データ生成部212は、メモリ制御部24の制御の下で、初期情報記憶部23から読み出される背景設定データに基づきロゴ背景データを生成し、データ復元部213に出力する。データ復元部213は、メモリ制御部24の制御の下で、初期情報記憶部23から読み出される圧縮された状態のロゴデータを伸長して生成したロゴ画像データを、背景データ生成部212から供給されたロゴ背景データに合成し、初期画像データ信号ITISを生成する。データ復元部213は、生成した初期画像データ信号ITISを、メモリ格納データ選択部214に出力する。
【0054】
次に、メモリ格納データ選択部214は、初期画像表示制御信号ICSが第1の状態(例えば“H”)であることに基づき、データ復元部213から供給された初期画像データ信号ITISを選択してフレームメモリ制御部215に出力する。これにより、フレームメモリ制御部215は、初期画像データ信号ITISに基づくデータをフレームメモリ25に書き込む(S404)。
【0055】
次に、フレームメモリ制御部215は、初期画像データ信号ITISに基づくデータのフレームメモリ25への書き込みが完了したか否かを判断する(S405)。S405でNoの場合、S403に戻り処理を続ける。一方、S405でYesの場合、フレームメモリ制御部215は、第2PSR制御信号PCS2が第1の状態(例えば“H”)であることに基づき、PSR出力制御部217が要求しているフレームメモリ25からのデータの読み出しを行ない、該データに基づく初期画像データ信号ITISをPSR出力制御部217に出力する(S406)。
【0056】
次に、PSR出力制御部217は、フレームメモリ制御部215より供給された初期画像データ信号ITISを出力データ選択部218に出力する。出力データ選択部218は、第2PSR制御信号PCS2が第1の状態(例えば“H”)であることに基づき、PSR出力制御部217より供給された初期画像データ信号ITISを選択して、ディスプレイポート出力画像データ信号DOISとして処理部22に出力する。これにより、表示部26は初期画像を表示する(S407)。
【0057】
次に、メモリ格納データ選択部214は、CPU11から出力される初期画像表示制御信号ICSが、CPU11の起動完了を示す第2の状態(例えば“L”)に切り替わっているか否かを判断する(S408)。S408においてNoの場合、S406に戻り処理を続ける。一方、S408においてYesの場合、本表示制御方法を終了する。
【0058】
なお、本表示制御方法終了後においては、メモリ格納データ選択部214は、初期画像表示制御信号ICSが第2の状態(例えば“L”)であることに基づき、データ受信部211から供給される第2入力画像データ信号IIS2を選択し、フレームメモリ制御部215に出力する。そして、フレームメモリ制御部215は、メモリ格納データ選択部214から供給された第2入力画像データ信号IIS2に基づくデータを、フレームメモリ25に書き込む。
【0059】
その後、第2PSR制御信号PCS2が第1の状態(例えば“H”)である場合において、PSR出力制御部217は、フレームメモリ制御部215にフレームメモリ25からのデータの読み出しを要求し、フレームメモリ制御部215の下で、フレームメモリ25から読み出されたデータに基づく画像データ信号を、出力データ選択部218に出力する。出力データ選択部218は、PSR出力制御部217から供給された画像データ信号を選択し、ディスプレイポート出力画像データ信号DOISとして処理部22に出力する。これにより、表示部26は、入力画像データ信号がフレームメモリ25に保存された画像を表示する。すなわち、この場合において、画像表示システム1は、PSR技術を使用して、表示部26で静止画像の表示を行う。
【0060】
一方、第2PSR制御信号PCS2が第2の状態(例えば“L”)である場合において、PSR出力制御部217は、フレームメモリ制御部215にフレームメモリ25からのデータの読み出しを要求しない。また、出力データ選択部218は、データ受信部211から供給された第2入力画像データ信号IIS2を選択し、ディスプレイポート出力画像データ信号DOISとして処理部22に出力する。これにより、表示部26は、第2入力画像データ信号IIS2に従った画像、すなわち動画を表示する。
【0061】
上記各実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
【0062】
また、本明細書では、さまざまな実施形態が開示されているが、一の実施形態における特定のフィーチャ(技術的事項)を適宜改良しながら、他の実施形態に追加し、又は該他の実施形態における特定のフィーチャと置換することができ、そのような形態も本発明の要旨に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、画像表示システムの分野に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0064】
1…画像表示システム
10…送信装置
11…CPU
12…GPU
20…表示制御装置
21…ディスプレイポート部
211…データ受信部
212…背景データ生成部
213…データ復元部
214…メモリ格納データ選択部
215…フレームメモリ制御部
216…OR回路
217…PSR出力制御部
218…出力データ選択部
22…処理部
23…初期情報記憶部
24…メモリ制御部
25…フレームメモリ
26…表示部
図1
図2
図3
図4