特開2018-128859(P2018-128859A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2018-128859座席表示装置、座席表示プログラム及び座席表示システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-128859(P2018-128859A)
(43)【公開日】2018年8月16日
(54)【発明の名称】座席表示装置、座席表示プログラム及び座席表示システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20180720BHJP
   G06Q 10/00 20120101ALI20180720BHJP
【FI】
   G06Q50/12
   G06Q10/00
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-21482(P2017-21482)
(22)【出願日】2017年2月8日
(11)【特許番号】特許第6157044号(P6157044)
(45)【特許公報発行日】2017年7月5日
(71)【出願人】
【識別番号】516329543
【氏名又は名称】株式会社バカン
(74)【代理人】
【識別番号】110001793
【氏名又は名称】特許業務法人パテントボックス
(74)【代理人】
【識別番号】100153246
【弁理士】
【氏名又は名称】伊吹 欽也
(74)【代理人】
【識別番号】100166349
【弁理士】
【氏名又は名称】帯包 浩司
(72)【発明者】
【氏名】河野 剛進
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
5L049CC24
(57)【要約】
【課題】店舗の座席マップ作成に要する負担を低減し、座席表示に関するシステムの運用管理を容易化する。
【解決手段】本発明に係る座席表示装置は、店舗に配置されるテーブル及び椅子の店舗内レイアウトを示す座席マップを表示する座席表示装置であって、テーブル及び椅子を撮像範囲として設置された撮像装置により、テーブル及び椅子を含む画像を継続して撮像する撮像手段と、画像に基づいて、店舗におけるテーブル及び椅子の配置位置を検出する画像処理手段と、テーブル及び椅子の配置位置に基づいて、座席マップを生成する生成手段とを有する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に配置されるテーブル及び椅子の店舗内レイアウトを示す座席マップを表示する座席表示装置であって、
前記テーブル及び椅子を撮像範囲として設置された撮像装置により、前記テーブル及び椅子を含む画像を継続して撮像する撮像手段と、
前記画像に基づいて、前記店舗における前記テーブル及び椅子の配置位置を検出する画像処理手段と、
前記テーブル及び椅子の配置位置に基づいて、前記座席マップを生成する生成手段と、
を有することを特徴とする座席表示装置。
【請求項2】
前記画像処理手段は、前記テーブルの配置位置を検出した場合、該配置位置の近傍に前記椅子の配置位置を推定し、前記椅子の配置位置を検出した場合、該配置位置の近傍に前記テーブルの配置位置を推定すること、
を特徴とする請求項1に記載の座席表示装置。
【請求項3】
前記撮像手段は、一定の営業期間中、人を含む前記画像を継続して撮像し、
前記画像処理手段は、前記一定の営業期間中に撮像された前記画像に基づいて、所定頻度で一定時間以上人の存在が認識される場所を検出した場合、該場所を前記椅子の配置位置と推定すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の座席表示装置。
【請求項4】
前記撮像手段は、一定の営業期間中、人を含む前記画像を継続して撮像し、
前記画像処理手段は、前記一定の営業期間中に撮像された前記画像に基づいて、所定頻度で人の存在が認識され且つ一定時間以上人の存在が認識されない場所を検出した場合、該場所を前記テーブルや椅子の配置位置から除外すること、
を特徴とする請求項1ないし3何れか一項に記載の座席表示装置。
【請求項5】
前記撮像手段は、一定の営業期間中、人を含む前記画像を継続して撮像し、
前記画像処理手段は、前記一定の営業期間中に撮像された前記画像に基づいて、所定頻度で一定時間以上、皿形状のオブジェクトの存在及び不存在の繰り返しが認識される場所を検出した場合、該場所を前記テーブルの配置位置と推定すること、
を特徴とする請求項1ないし4何れか一項に記載の座席表示装置。
【請求項6】
店舗に配置されるテーブル及び椅子の店舗内レイアウトを示す座席マップを表示する座席表示装置に、
前記テーブル及び椅子を撮像範囲として設置された撮像装置により、前記テーブル及び椅子を含む画像を継続して撮像する撮像手段と、
前記画像に基づいて、前記店舗における前記テーブル及び椅子の配置位置を検出する画像処理手段と、
前記テーブル及び椅子の配置位置に基づいて、前記座席マップを生成する生成手段として機能させるための座席表示プログラム。
【請求項7】
店舗に配置されるテーブル及び椅子の店舗内レイアウトを示す座席マップを表示する座席表示システムであって、
撮像装置は、
前記テーブル及び椅子を撮像範囲として設置され、前記テーブル及び椅子を含む画像を継続して撮像する撮像手段を有し、
座席表示装置は、
前記画像に基づいて、前記店舗における前記テーブル及び椅子の配置位置を検出する画像処理手段と、
前記テーブル及び椅子の配置位置に基づいて、前記座席マップを生成する生成手段と、
を有することを特徴とする座席表示システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座席表示装置、座席表示プログラム及び座席表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、座席表示システムが知られている。身近な例として、例えば映画館、劇場、コンサートホールなどの商業施設の座席表示システムの場合、利用者は事前にWebサイトから座席マップ(座席表)にアクセスし、座席マップ上でビジュアル的に表示される座席を指定することにより、座席予約を行なうことが可能である。
【0003】
また、企業のオフィス等でも、オフィスレイアウトに基づいて作成された社員用の座席マップがよく利用されており、イントラネットにおいて座席マップ上でビジュアル的に社員の座席位置、内線番号、出欠状態等を表示するものもある。
【0004】
このような場合、管理者側は予め実際の座席配置に応じた座席マップを作成する必要があるところ、映画館等の座席マップは座席が固定的であるため一旦初回のみ作成すればよいが、オフィス等のように座席レイアウトが頻繁に変更される場合、その都度座席マップを作成し直さないといけないという手間がある。
【0005】
これに関する技術として、例えば特許文献1には、フリーアドレススタイルのオフィス等において、在席状況をユーザに表示するためのフロアマップの作成を容易にし、座席表示システムの運用を容易にする発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−170725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、あくまでオフィスを想定した発明であるためネットワーク中継装置を利用する必要があり、環境によっては適用が困難である。
【0008】
即ち、商業施設のうち飲食店の場合において、店主等がオーサリングツール等を用いて、実際の座席配置に応じた座席マップを作成しているものの、飲食店では営業時間中でも座席レイアウトが頻繁に変更されるため、多忙な飲食店が座席マップを作成するには手間的にも時間的にも追いついていないという実態がある。飲食店の場合、イベントや装飾変更等に伴う座席レイアウト変更は勿論のこと、例えば、2つの2人用のテーブルをくっつけて1つの4人用のテーブルに変更するといった小さな座席レイアウト変更もよく行なわれるところである。
【0009】
本発明は、上記の点に鑑み提案されたものであり、一つの側面では、店舗の座席マップ作成に要する負担を低減し、座席表示に関するシステムの運用管理を容易化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明に係る座席表示装置は、店舗に配置されるテーブル及び椅子の店舗内レイアウトを示す座席マップを表示する座席表示装置であって、前記テーブル及び椅子を撮像範囲として設置された撮像装置により、前記テーブル及び椅子を含む画像を継続して撮像する撮像手段と、前記画像に基づいて、前記店舗における前記テーブル及び椅子の配置位置を検出する画像処理手段と、前記テーブル及び椅子の配置位置に基づいて、前記座席マップを生成する生成手段とを有する。
【0011】
また、上記の課題を解決するため、本発明に係る座席表示プログラムは、店舗に配置されるテーブル及び椅子の店舗内レイアウトを示す座席マップを表示する座席表示装置に、前記テーブル及び椅子を撮像範囲として設置された撮像装置により、前記テーブル及び椅子を含む画像を継続して撮像する撮像手段と、前記画像に基づいて、前記店舗における前記テーブル及び椅子の配置位置を検出する画像処理手段と、前記テーブル及び椅子の配置位置に基づいて、前記座席マップを生成する生成手段として機能させる。
【0012】
また、上記の課題を解決するため、本発明に係る座席表示システムは、店舗に配置されるテーブル及び椅子の店舗内レイアウトを示す座席マップを表示する座席表示システムであって、撮像装置は、前記テーブル及び椅子を撮像範囲として設置され、前記テーブル及び椅子を含む画像を継続して撮像する撮像手段を有し、座席表示装置は、前記画像に基づいて、前記店舗における前記テーブル及び椅子の配置位置を検出する画像処理手段と、前記テーブル及び椅子の配置位置に基づいて、前記座席マップを生成する生成手段とを有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の実施の形態によれば、店舗の座席マップ作成に要する負担を低減し、座席表示に関するシステムの運用管理を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態に係る座席表示システムの構成例を示す図である。
図2】本実施形態に係る座席表示サーバのハードウェア構成例を示す図である。
図3】本実施形態に係る座席表示システムのソフトウェア構成例を示す図である。
図4】本実施形態に係る店舗管理DBのデータ例を示す図である。
図5】本実施形態に係る画像管理DBのデータ例を示す図である。
図6】本実施形態に係る座席マップ管理DBのデータ例を示す図である。
図7】本実施形態に係る座席表示システムの店舗設置構成例を示す図である。
図8】本実施形態に係る店舗情報の新規登録画面の一例を示す図である。
図9】本実施形態に係る座席マップ表示画面1の一例を示す図である。
図10】本実施形態に係る座席マップ表示画面2の一例を示す図である。
図11】本実施形態に係る座席表示サーバの座席マップ生成処理を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。はじめに、本実施形態でいう「座席マップ」とは、店舗内における座席レイアウト図、座席配置図である。座席表ともいう。また「座席マップ」は椅子のみならず、テーブル及び椅子を含む。
【0016】
<システム構成>
(ネットワーク構成)
図1は、本実施形態に係る座席表示システムの構成例を示す図である。図1の座席表示システム100は、座席表示サーバ10と、中継機器20と、カメラ21と、参照端末30とを含み、ネットワーク50を介して接続されている。
【0017】
座席表示サーバ10は、カメラ21により撮像された画像(静止画及び動画を含む)に基づいて、座席マップ(座席レイアウトマップ)を生成する装置である。生成された座席マップは、参照端末30のディスプレイ上に表示される。なお、座席表示サーバ10は、必ずしも店舗毎に1台づつ設置する必要はなく、ネットワーク50上に少なくとも1台が配置される。
【0018】
中継機器20は、カメラ21と座席表示サーバ10とを中継する機器である。店舗毎に設置され、カメラ21により撮像された画像を座席表示サーバ10に逐次送信(転送)する。
【0019】
カメラ21は、店舗に配置されているテーブル及び椅子を含む画像を撮像するための撮像デバイスである。本実施形態においてカメラ21は、当該店舗の座席レイアウトを構成する全てのテーブル及び椅子が撮像範囲内に収まるように設置される。
【0020】
よって、全てのテーブル及び椅子をその撮像範囲内に収めるために、店舗面積によっては複数台のカメラ21が設置される。但し、必ずしも複数台設置しなくとも、例えば、カメラ21が全方位駆動式である場合、1台のカメラ21で全てのテーブル及び椅子を撮像範囲にカバーしてもよい。
【0021】
なお、カメラ21自体が中継機器20の機能を内蔵する場合、中継機器20を経由せず、カメラ21が直接座席表示サーバ10に画像を送信することも可能である。
【0022】
参照端末30は、店舗の担当者が座席表示サーバ10にアクセスして、座席マップを参照する際に用いるコンピュータ端末である。
【0023】
ネットワーク50は、有線、無線を含む通信ネットワークである。ネットワーク50は、例えば、インターネット、公衆回線網、WiFi(登録商標)などを含む。
【0024】
(ハードウェア構成)
図2は、本実施形態に係る座席表示サーバのハードウェア構成例を示す図である。図2に示されるように、座席表示サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、HDD(Hard Disk Drive)14、及び通信装置15を有する。
【0025】
CPU11は、各種プログラムの実行や演算処理を行う。ROM12は、起動時に必要なプログラムなどが記憶されている。RAM13は、CPU11での処理を一時的に記憶したり、データを記憶したりする作業エリアである。HDD14は、各種データ及びプログラムを格納する。通信装置15は、ネットワーク50を介して他装置との通信を行う。
【0026】
(ソフトウェア構成)
図3は、本実施形態に係る座席表示システムのソフトウェア構成例を示す図である。図3に示される座席表示システム100は、主な機能部として、撮像部101、画像処理部102、生成部103、記憶部104を有する。
【0027】
撮像部101は、飲食店舗に配置されるテーブル及び椅子を撮像範囲として設置されたカメラ21(撮像装置)により、テーブル及び椅子を含む画像を継続して撮像する。
【0028】
画像処理部102は、撮像部101により撮像された画像に基づいて、飲食店舗におけるテーブル及び椅子の配置位置を検出する。
【0029】
生成部103は、画像処理部102により検出されたテーブル及び椅子の配置位置に基づいて、座席マップを生成する。
【0030】
記憶部104は、各種DB(Data Base)を記憶する機能を有している。
【0031】
なお、画像処理部102、生成部103、及び記憶部104は、座席表示サーバ10を構成するコンピュータのCPU、ROM、RAM等のハードウェア資源上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されるものである。これらの機能部は、「手段」、「モジュール」、「ユニット」、又は「回路」に読替えてもよい。また、撮像部101は、カメラ21により実現され、座席表示システム100上に有すればよい。
【0032】
(DB)
図4は、本実施形態に係る店舗管理DBのデータ例を示す図である。
【0033】
店舗管理DBは、例えば、「店舗ID」、「店舗名」、「席数」、「テーブル数」、「ON/OFF」、「生成間隔」などのデータ項目を有する。
【0034】
「店舗ID」は、店舗毎に付番される固有の識別子を示す。
【0035】
「店舗名」は、店舗の名称を示す。
【0036】
「席数」は、店舗の総座席数を示す。
【0037】
「テーブル数」は、店舗の総テーブル数を示す。
【0038】
「ON/OFF」は、座席表示システム100の座席マップ生成を有効にする(ON)又は無効にする(OFF)を設定するための設定値を示す。
【0039】
「生成間隔」は、座席マップ生成を有効にする(ON)となっている場合において、座席マップを生成する時間間隔を設定するための設定値を示す。例えば15となっている場合、座席表示サーバ10は15分に1回のタイミングで座席マップを生成(更新)する。勿論管理者により随時の生成命令があった場合は、「生成間隔」のタイミング到来如何によらず座席マップが生成(更新)される。
【0040】
図5は、本実施形態に係る画像管理DBのデータ例を示す図である。
【0041】
画像管理DBは、各店舗から受信した各々の画像を識別・管理するため、例えば、「店舗ID」、「カメラ識別子」、「撮影日」、「撮影時刻」などのデータ項目を有する。
【0042】
「店舗ID」は、各店舗から受信した画像を識別するために用いられる。
【0043】
「カメラ識別子」は、画像を撮影したカメラ21の識別子を示す。店舗によっては複数台のカメラ21が設置されているため、いずれのカメラ21によって撮像された画像であるかを識別する。
【0044】
「撮影日」、「撮影時刻」は、画像の撮影日、撮影時刻を示す。画像(静止画)は継続的に撮像されるが、その撮影頻度は座席表示サーバ10側又はカメラ21側において適宜設定することが可能である。但し座席マップは「生成間隔」毎に生成されるため、画像の撮影頻度は少なくとも「生成間隔」より短くする。なお、カメラ21が動画を撮影する場合、座席マップ生成を有効にする(ON)となっている間、画像(動画)を撮影し続けることも可能である。
【0045】
図6は、本実施形態に係る座席マップ管理DBのデータ例を示す図である。
【0046】
座席マップ管理DBは、各店舗の生成された最新の座席マップを管理するため、例えば、「店舗ID」、「座席マップ」、「生成日」、「生成時刻」などのデータ項目を有する。
【0047】
「店舗ID」は、各店舗の座席マップを識別するために用いられる。
【0048】
「座席マップ」は、新たに生成された座席マップデータ(例えば、「xxx.jpg」)を示す。
【0049】
「生成日」、「生成時刻」は、座席マップの生成日、生成時刻を示す。座席マップは「生成間隔」毎に新たな座席マップデータ(例えば、「xxx.jpg」)が生成されるため、「生成日」、「生成時刻」が最新の「座席マップ」が、参照されるべき最新の座席マップである。
【0050】
<設置例>
図7は、本実施形態に係る座席表示システムの店舗設置構成例を示す図である。図7に示されるように店舗Aにおいて、中継機器20、カメラ21、及び参照端末30(非図示))が設置される。
【0051】
まず、店舗の天井や壁等において、カメラ21a及びカメラ21bが、当該店舗Aの全ての座席(テーブルt及び椅子c)が撮像範囲内に収まるように設置される。図中、撮像範囲aはカメラ21aの撮像範囲を示し、撮像範囲bはカメラ21bの撮像範囲を示しており、店舗Aに配置されている全ての座席が撮像範囲a及び撮像範囲bにカバーされている。
【0052】
なお、カメラ21を設置するに際して、テーブルt及び椅子cは移動可能なもののみに限られず、カウンターテーブルなど固定されたテーブルや椅子も撮像範囲内に収める。
【0053】
中継機器20は、カメラ21a及びカメラ21bと、USBケーブルや有線又は無線を含むネットワークにより接続される。なお、中継機器20は、店舗Aの任意の場所に設置されればよい。
【0054】
<画面>
図8は、本実施形態に係る店舗情報の新規登録画面の一例を示す図である。はじめに、店舗の担当者は参照端末30等を用いて、座席表示サーバ10の新規登録画面800にアクセスする。
【0055】
URL801は、座席表示サーバ10の所在地情報(例えば、ドメインやIPアドレス等)を入力する欄である。
【0056】
店舗ID802は、店舗毎に付番される固有の識別子を示す。予め座席表示サーバ10から付与された店舗IDを入力するか、又は登録時店舗に対して自動発行される。
【0057】
店舗名803は、店舗の名称を入力する欄である。
【0058】
席数804は、店舗の座席の総数を入力する欄である。席数の入力は任意となっているが、入力がある場合には座席マップ作成の精度向上に用いられる。但し特に席数が頻繁に変更されるような店舗の場合は入力しなくともよい。
【0059】
テーブル数805は、店舗のテーブルの総数を入力する欄である。テーブル数の入力は任意となっているが、入力がある場合には座席マップ作成の精度向上に用いられる。但し特にテーブルが頻繁に変更されるような店舗の場合は入力しなくともよい。
【0060】
座席マップ生成806は、座席マップ生成の有効(ON)又は無効(OFF)を設定するための設定欄を示す。店舗の担当者が手動で座席マップ生成したい場合には無効に設定する。
【0061】
生成間隔807は、座席マップ生成606が有効(ON)となっている場合において、座席マップを生成する時間間隔を設定するための設定欄を示す。なお、生成間隔が短いほどリアルタイムに近いペースで座席マップが生成される一方、座席マップが生成に用いられるカメラ21からの蓄積画像が少なくなり座席マップの精度低下を招く可能性がある(トレードオフの関係)。よって、座席表示システム100として事前に一定以上の精度が確保されているデフォルトの推奨値とするのが望ましい。
【0062】
登録810は、入力情報を登録するための登録ボタンである。
【0063】
以上、新規登録画面800において入力された入力情報は、店舗管理DBに格納される(図4参照)。
【0064】
図9は、本実施形態に係る座席マップ表示画面1の一例を示す図である。店舗の担当者は参照端末30等を用いて、座席表示サーバ10の座席マップ表示画面にアクセスする。
【0065】
上述したように座席表示サーバ10は、設定された生成間隔毎に実際の座席レイアウトに基づく座席マップを生成する。即ち座席表示サーバ10は、参照端末30等からの参照要求を受信すると、座席マップ管理DB(図6)から最新の「座席マップ」902を取得し、これを座席マップ表示画面900上に表示する。
【0066】
図10は、本実施形態に係る座席マップ表示画面2の一例を示す図である。
【0067】
図10に示される座席レイアウトは、図9に示される座席レイアウトと比較すると、一部座席変更が行なわれていることが分かる。本変更例においては8人の団体客が来店するため、4人用テーブル同士がくっつけられて8人用テーブルとなるよう座席レイアウトが行なわれたものである。
【0068】
座席表示サーバ10は、設定された生成間隔毎に実際の変更後の座席レイアウトに基づく座席マップを生成する。座席表示サーバ10は、参照端末30等からの参照要求を受信すると、座席マップ管理DB(図6)から最新変更後の「座席マップ」1002を取得し、これを座席マップ表示画面1000上に表示する。
【0069】
<座席マップの生成処理>
上述したようにカメラ21は、店舗に配置されているテーブル及び椅子を含む画像を座席表示サーバ10に逐次送信しており、座席表示サーバ10は、カメラ21から受信した画像(蓄積画像)に基づいて、座席マップを生成する。
【0070】
ここで、座席マップを生成するに際し、Deep Learningによる一般物体検出アルゴリズム(一般物体認識アルゴリズムともいう)を用いることで、カメラ21から受信した画像からテーブル及び椅子の位置を認識することが可能である。
【0071】
従来より、このような物体検出アルゴリズムは様々な手法が提案されているが、リアルタイムに近いペースで座席マップが生成されることを加味し、本実施形態においては、中でも処理速度が優れているとされる例えばYOLO(You Only Look Once)、SSD(Single Shot MultiBox Detector)などのアルゴリズムを適用する。
- Redmon, Joseph, et al. "You only look once: Unified, real-time object detection." arXiv preprint arXiv:1506.02640 (2015)
- Liu, Wei, et al. "SSD: Single Shot MultiBox Detector." arXiv preprint arXiv:1512.02325 (2015)
なお、本実施形態においては「飲食店」の座席マップを生成することから、飲食店でよく用いられている汎用タイプのテーブル及び椅子の特徴量を予め保持しておき、その特徴量と、その店舗のテーブル及び椅子の特徴量とを比較し特徴量の一致度合いに基づいて、その店舗のテーブル及び椅子をその外観(形状、大きさ、色等)から特定することも一手法として可能である。
【0072】
また、物体検出過程において、例えば下記のような店舗座席の特有事情を加味することで、座席マップの生成精度をより向上することが可能である。
・店舗のテーブルと椅子は必ず対(セット)で配置されるという前提の下、テーブルの配置位置が特定されればその近傍に椅子が存在し配置される、同様に椅子の配置位置が特定されればその近傍にテーブルが存在し配置されると推定する。
・画像に基づいて解析された座席数及びテーブル数が、店舗の担当者により入力された「座席数」及び「テーブル数」(図6)と一致するかどうか比較することで、信頼度を高める。
【0073】
また、一定の営業期間(例えば半日〜1日程度)を取って、その間カメラ21の撮像を稼動させることで相当量の画像を蓄積し、蓄積された画像に基づいて座席マップを生成することができる。実際に営業中の画像に基づいて座席マップを生成すると、画像処理解析上、人(お客)が実際に着席している画像や、テーブル上に運ばれた料理等の画像も解析材料とすることができるため、座席マップの生成精度を向上することが可能である。
・ヒートマップを用いるなどして、所定頻度で一定時間以上固定的に人の存在が認識される場所(即ち人が着席している場所)を認識し、そのような場所を椅子が配置されている場所であると推定する。椅子が物影に隠れてたりカメラ21の死角になっていることで画像中に椅子が完全に写っていない場合、特に効果的である。
・逆に、所定頻度で人の存在が認識されるものの、流動的で一定時間以上固定的に人が滞在しない場所(即ち通路)を特定認識し、そのような場所をテーブルや椅子が配置されている候補場所から除外する。
・実際の料理・配膳等に相当するオブジェクト(例えば、皿形状)が所定頻度で一定時間以上置かれていたり下げられたりが繰り返されている場所は、テーブルが配置されていると推定する。
【0074】
なお、座席表示サーバ10は、一旦特定したその店舗のテーブル及び椅子の特徴量を、学習データとして蓄積する。これにより、以後座席レイアウトの変更が発生した場合、過去画像と特徴量の差分比較を行なうことで、移動配置の発生の有無や新たな場所に移動配置されたテーブル及び椅子を迅速且つ精度よく検出し、座席マップの生成(更新)に役立てる。
【0075】
<情報処理>
図11は、本実施形態に係る座席表示サーバの座席マップ生成処理を示すフローチャート図である。
【0076】
S1:座席表示サーバ10は、中継機器20からカメラ21により撮像された画像を受信したか否かを判定する。なお、画像には属性情報として、「店舗ID」、「カメラ識別子」、「撮影日」、「撮影時刻」等を含む(図5)。
【0077】
S2:座席表示サーバ10は、画像を受信した場合、受信した画像を属性情報とともに画像管理DBに記憶する。
【0078】
S3:座席表示サーバ10は、座席マップを生成するタイミングが到来したか否かを判定する。座席表示サーバ10は、店舗管理DBの「生成間隔」に従ったタイミングに基づいて判定する(図4)。なお、管理者により随時の生成命令があった場合は、「生成間隔」のタイミング到来如何によらず座席マップを生成するタイミングが到来したと判定する。
【0079】
S4:座席表示サーバ10は、画像管理DBに記憶された画像(蓄積画像)に基づいて、座席マップを生成する。上述したように座席表示サーバ10は、撮像部101により撮像されて記憶されている画像を入力し、一般物体検出アルゴリズムを用いることで、飲食店舗におけるテーブル及び椅子の配置位置を検出し、飲食店舗のフロアマップ上、テーブル及び椅子を検出した配置位置にテーブル及び椅子のイメージを配置し、座席マップを生成する。
【0080】
S5:座席表示サーバ10は、生成した座席マップを属性情報とともに座席マップ管理DBに記憶する。座席マップには属性情報として、「店舗ID」、「座席マップ」(座席マップデータ)、「生成日」、「生成時刻」等を含む(図6)。
【0081】
<総括>
本実施形態に係る座席表示システム100は、店舗に設置されたカメラ21により継続して撮像される画像に基づいて、テーブル及び椅子の配置位置を検出し、座席マップを自動生成する。
【0082】
これにより、例えば、座席表示システム、座席予約システム、又は空席管理システム等のシステムにおいて、リアルタイムに座席マップが自動生成することが可能となるため、初回の座席マップ生成は勿論、座席レイアウトが頻繁に変更される場合についても、手間なく座席マップをアップデートすることが可能である。
【0083】
また、飲食店の場合、一定期間営業中の画像を蓄積しつつ座席レイアウトの変更を繰り返すにつれて、座席マップの座席配置状況とその際の売上との比較が可能になる。そして、売上が最大となった座席配置を採用することで売上の最大化を図る、といったように経営向上にも活用することもできる。
【0084】
以上、本実施形態に係る座席表示システム100によれば、店舗の座席マップ作成に要する負担を低減し、座席表示に関するシステムの運用管理を容易化することが可能である。
【0085】
なお、本発明の好適な実施の形態により、特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【符号の説明】
【0086】
10 座席表示サーバ
20 中継機器
21 カメラ
30 参照端末
50 ネットワーク
100 座席表示システム
101 撮像部
102 画像処理部
103 生成部
104 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2017年5月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に配置されるテーブル及び椅子の店舗内レイアウトを示す座席マップを表示する座席表示装置であって、
前記テーブル及び椅子を撮像範囲として設置され、前記テーブル及び椅子を含む画像を継続して撮像する撮像装置から、前記画像を受信する受信手段と、
前記画像に基づいて、前記店舗における前記テーブル及び椅子の配置位置を検出する画像処理手段と、
前記テーブル及び椅子の配置位置に基づいて、前記座席マップを生成する生成手段と、
を有し、
前記撮像装置は、一定の営業期間中、人を含む前記画像を継続して撮像し、
前記画像処理手段は、前記一定の営業期間中に撮像された前記画像に基づいて、所定頻度で一定時間以上、皿形状のオブジェクトの存在及び不存在の繰り返しが認識される場所を検出した場合、該場所を前記テーブルの配置位置と推定すること、
を特徴とする座席表示装置。
【請求項2】
前記画像処理手段は、前記テーブルの配置位置を検出した場合、該配置位置の近傍に前記椅子の配置位置を推定し、前記椅子の配置位置を検出した場合、該配置位置の近傍に前記テーブルの配置位置を推定すること、
を特徴とする請求項1に記載の座席表示装置。
【請求項3】
記画像処理手段は、前記一定の営業期間中に撮像された前記画像に基づいて、所定頻度で一定時間以上人の存在が認識される場所を検出した場合、該場所を前記椅子の配置位置と推定すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の座席表示装置。
【請求項4】
記画像処理手段は、前記一定の営業期間中に撮像された前記画像に基づいて、所定頻度で人の存在が認識され且つ一定時間以上人の存在が認識されない場所を検出した場合、該場所を前記テーブルや椅子の配置位置から除外すること、
を特徴とする請求項1ないし3何れか一項に記載の座席表示装置。
【請求項5】
店舗に配置されるテーブル及び椅子の店舗内レイアウトを示す座席マップを表示する座席表示装置に、
前記テーブル及び椅子を撮像範囲として設置され、前記テーブル及び椅子を含む画像を継続して撮像する撮像装置から、前記画像を受信する受信手段と、
前記画像に基づいて、前記店舗における前記テーブル及び椅子の配置位置を検出する画像処理手段と、
前記テーブル及び椅子の配置位置に基づいて、前記座席マップを生成する生成手段として機能させ
前記撮像装置は、一定の営業期間中、人を含む前記画像を継続して撮像し、
前記画像処理手段は、前記一定の営業期間中に撮像された前記画像に基づいて、所定頻度で一定時間以上、皿形状のオブジェクトの存在及び不存在の繰り返しが認識される場所を検出した場合、該場所を前記テーブルの配置位置と推定する、座席表示プログラム。
【請求項6】
撮像装置及び座席表示装置を含み、店舗に配置されるテーブル及び椅子の店舗内レイアウトを示す座席マップを表示する座席表示システムであって、
前記座席表示装置は、
前記テーブル及び椅子を撮像範囲として設置され、前記テーブル及び椅子を含む画像を継続して撮像する前記撮像装置から、前記画像を受信する受信手段と、
前記画像に基づいて、前記店舗における前記テーブル及び椅子の配置位置を検出する画像処理手段と、
前記テーブル及び椅子の配置位置に基づいて、前記座席マップを生成する生成手段と、
を有し、
前記撮像装置は、一定の営業期間中、人を含む前記画像を継続して撮像し、
前記画像処理手段は、前記一定の営業期間中に撮像された前記画像に基づいて、所定頻度で一定時間以上、皿形状のオブジェクトの存在及び不存在の繰り返しが認識される場所を検出した場合、該場所を前記テーブルの配置位置と推定すること、
を特徴とする座席表示システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明に係る座席表示装置は、店舗に配置されるテーブル及び椅子の店舗内レイアウトを示す座席マップを表示する座席表示装置であって、前記テーブル及び椅子を撮像範囲として設置され、前記テーブル及び椅子を含む画像を継続して撮像する撮像装置から、前記画像を受信する受信手段と、前記画像に基づいて、前記店舗における前記テーブル及び椅子の配置位置を検出する画像処理手段と、前記テーブル及び椅子の配置位置に基づいて、前記座席マップを生成する生成手段と、を有し、前記撮像装置は、一定の営業期間中、人を含む前記画像を継続して撮像し、前記画像処理手段は、前記一定の営業期間中に撮像された前記画像に基づいて、所定頻度で一定時間以上、皿形状のオブジェクトの存在及び不存在の繰り返しが認識される場所を検出した場合、該場所を前記テーブルの配置位置と推定する
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また、上記の課題を解決するため、本発明に係る座席表示プログラムは、店舗に配置されるテーブル及び椅子の店舗内レイアウトを示す座席マップを表示する座席表示装置に、前記テーブル及び椅子を撮像範囲として設置され、前記テーブル及び椅子を含む画像を継続して撮像する撮像装置から、前記画像を受信する受信手段と、前記画像に基づいて、前記店舗における前記テーブル及び椅子の配置位置を検出する画像処理手段と、前記テーブル及び椅子の配置位置に基づいて、前記座席マップを生成する生成手段として機能させ、前記撮像装置は、一定の営業期間中、人を含む前記画像を継続して撮像し、前記画像処理手段は、前記一定の営業期間中に撮像された前記画像に基づいて、所定頻度で一定時間以上、皿形状のオブジェクトの存在及び不存在の繰り返しが認識される場所を検出した場合、該場所を前記テーブルの配置位置と推定する
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、上記の課題を解決するため、本発明に係る座席表示システムは、撮像装置及び座席表示装置を含み、店舗に配置されるテーブル及び椅子の店舗内レイアウトを示す座席マップを表示する座席表示システムであって、前記座席表示装置は、前記テーブル及び椅子を撮像範囲として設置され、前記テーブル及び椅子を含む画像を継続して撮像する前記撮像装置から、前記画像を受信する受信手段と、前記画像に基づいて、前記店舗における前記テーブル及び椅子の配置位置を検出する画像処理手段と、前記テーブル及び椅子の配置位置に基づいて、前記座席マップを生成する生成手段と、を有し、前記撮像装置は、一定の営業期間中、人を含む前記画像を継続して撮像し、前記画像処理手段は、前記一定の営業期間中に撮像された前記画像に基づいて、所定頻度で一定時間以上、皿形状のオブジェクトの存在及び不存在の繰り返しが認識される場所を検出した場合、該場所を前記テーブルの配置位置と推定する