(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-128934(P2018-128934A)
(43)【公開日】2018年8月16日
(54)【発明の名称】ホスト装置、その接続可能デバイスの報知方法、及びコンピュータが実行可能なプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 13/14 20060101AFI20180720BHJP
G06F 13/10 20060101ALI20180720BHJP
G06F 3/048 20130101ALI20180720BHJP
【FI】
G06F13/14 330B
G06F13/10 320Z
G06F3/048
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-22555(P2017-22555)
(22)【出願日】2017年2月9日
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松浦 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】山崎 誠仁
(72)【発明者】
【氏名】森田 大作
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA28
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC14
5E555CB74
5E555DB41
5E555DB56
5E555DD06
5E555EA09
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】デイジーチェーン接続可能なデバイスの台数や種類をユーザが容易に把握できることが可能なホスト装置を提供すること。
【解決手段】I/Oインターフェースを使用して、複数のデバイスをデイジーチェーン接続可能なホスト装置であって、前記I/Oインターフェースへのデバイスの接続を検出する検出手段と、前記検出手段で前記I/Oインターフェースへのデバイスの接続を検出した場合にリソースを割り当てる割当手段と、前記リソースの残量に基づいて、前記I/Oインターフェースに更に接続可能なデバイスの種類及び台数を算出する算出手段と、前記算出手段で算出された、前記I/Oインターフェースに更に接続可能なデバイスの種類及び台数をユーザに報知するための報知手段と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
I/Oインターフェースを使用して、複数のデバイスをデイジーチェーン接続可能なホスト装置であって、
前記I/Oインターフェースへのデバイスの接続を検出する検出手段と、
前記検出手段で前記I/Oインターフェースへのデバイスの接続を検出した場合にリソースを割り当てる割当手段と、
前記リソースの残量に基づいて、前記I/Oインターフェースに更に接続可能なデバイスの種類及び台数を算出する算出手段と、
前記算出手段で算出された、前記I/Oインターフェースに更に接続可能なデバイスの種類及び台数をユーザに報知するための報知手段と、
を備えたことを特徴とするホスト装置。
【請求項2】
前記リソースの残量は、メモリの使用可能量、前記I/Oインターフェースの使用可能帯域、及び前記I/Oインターフェースへのデバイスの接続制限数を含むことを特徴とする請求項1に記載のホスト装置。
【請求項3】
前記デバイスは、ストレージ、ドック、及びディスプレイの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホスト装置。
【請求項4】
前記I/Oインターフェースは、PCIe(PCIExpress:登録商標)及びDP(DisplayPort:登録商標)を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のホスト装置。
【請求項5】
前記I/Oインターフェースは、Thunderbolt(登録商標)インターフェースであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のホスト装置。
【請求項6】
前記報知手段は、表示画面に前記I/Oインターフェースに更に接続可能なデバイスの種類及び台数を表示することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載のホスト装置。
【請求項7】
I/Oインターフェースを使用して、複数のデバイスをデイジーチェーン接続可能なホスト装置の接続可能デバイスの報知方法であって、
前記I/Oインターフェースへのデバイスの接続を検出する検出工程と、
前記検出工程で前記I/Oインターフェースへのデバイスの接続を検出した場合にリソースを割り当てる割当工程と、
前記リソースの残量に基づいて、前記I/Oインターフェースに更に接続可能なデバイスの種類及び台数を算出する算出工程と、
前記算出工程で算出された、前記I/Oインターフェースに更に接続可能なデバイスの種類及び台数をユーザに報知するための報知工程と、
を含むことを特徴とする接続可能デバイスの報知方法。
【請求項8】
I/Oインターフェースを使用して、複数のデバイスをデイジーチェーン接続可能なホスト装置に搭載されるプログラムであって、
前記I/Oインターフェースへのデバイスの接続を検出する検出工程と、
前記検出工程で前記I/Oインターフェースへのデバイスの接続を検出した場合にリソースを割り当てる割当工程と、
前記リソースの残量に基づいて、前記I/Oインターフェースに更に接続可能なデバイスの種類及び台数を算出する算出工程と、
前記算出工程で算出された、前記I/Oインターフェースに更に接続可能なデバイスの種類及び台数をユーザに報知するための報知工程と、
をコンピュータに実行させるためのコンピュータが実行可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスト装置、その接続可能デバイスの報知方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、PC(Personal Computer)などの情報処理装置では、各種のI/Oインターフェース規格が採用されている。例えば、情報処理装置からディスプレイにディスプレイ・データを伝送するための規格にはDP(DisplayPort)などがある。また、情報処理装置内で信号を伝送するための規格にはPCIe(Peripheral Component Interconnect Express)などがある。
【0003】
他方、ホスト機器にさまざまな周辺機器を接続するためのI/Oインターフェース規格として、Thunderbolt(登録商標:以後、「TB」と記載することがある)がある。Thunderbolt(登録商標)は、DPの信号とPCIeの信号を1本のTBTケーブルで伝送することができる。DPは、ミニディスプレイポート(MDP)、高精細度マルチメディア・インターフェース(HDMI(登録商標))、ファイアワイヤ、デジタル・ビジュアル・インターフェース(DVI)、デュアル・リンクDVI、ビデオ・グラフィクス・アレイ(VGA)又は低電圧差動信号(LVDS)とも互換性がある。
【0004】
Thunderbolt(登録商標)では、エンベデッド・クロック方式を用いてパケット化されたデータを、平衡接続された伝送経路を用い、シリアル転送方式且つ全二重線通信方式にて、ポイント・ツー・ポイントで伝送する。また、Thunderbolt(登録商標)では、異なるプロトコルで規定された複数のデータを、Thunderbolt(登録商標)のプロトコルに変換し、変換後のデータ(Thunderbolt(登録商標)のプロトコルで規定されたデータ)にて、機器間での伝送を行う。
【0005】
このように、Thunderbolt(登録商標)では、PCIeによる伝送対象となるシリアル・データと、DPによる伝送対象となるディスプレイ・データとを、混在させて伝送できるようになっている。
【0006】
また、Thunderbolt(登録商標)は、既知の高速シリアルバス規格の1つであるIEEE1394と同様に、デイジーチェーン接続に対応するとともに、プラグ&プレイ及びホットプラグにも対応している。
【0007】
Thunderbolt(登録商標)は、現在、Thunderbolt(登録商標)1,Thunderbolt(登録商標)2、Thunderbolt(登録商標)3が利用可能となっている。Thunderbolt(登録商標)3は、使用可能な帯域が一般に40Gpsとなっており、デイジーチェーン接続でTBT(Thunderbolt(登録商標) Technology)デバイスを6台まで接続可能となっており、また、TBT4Kモニタを2台まで、TBT5Kモニタを1台まで接続可能となっている。また、Thunderbolt(登録商標)3のコネクタは、USB type−Cと互換性がある。
【0008】
ところで、従来のコンピューティング装置では、Thunderbolt(登録商標)インターフェースに接続されているTBTデバイスを表示するだけであるため、ユーザは接続可能なデバイスの数や種類を容易に把握するのが困難であった。
図10は、Thunderbolt(登録商標)インターフェースに接続されているTBTデバイスを確認するための画面の表示例である。
【0009】
そのため、Thunderbolt(登録商標)インターフェースに接続可能なTBTデバイスの数や種類をユーザが容易に把握できるシステムが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特表2015−505395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、デイジーチェーン接続可能なデバイスの台数や種類をユーザが容易に把握できることが可能なホスト装置、その接続可能デバイスの報知方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、I/Oインターフェースを使用して、複数のデバイスをデイジーチェーン接続可能なホスト装置であって、前記I/Oインターフェースへのデバイスの接続を検出する検出手段と、前記検出手段で前記I/Oインターフェースへのデバイスの接続を検出した場合にリソースを割り当てる割当手段と、前記リソースの残量に基づいて、前記I/Oインターフェースに更に接続可能なデバイスの種類及び台数を算出する算出手段と、前記算出手段で算出された、前記I/Oインターフェースに更に接続可能なデバイスの種類及び台数をユーザに報知するための報知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記リソースの残量は、メモリの使用可能量、前記I/Oインターフェースの使用可能帯域、及び前記I/Oインターフェースへのデバイスの接続制限数の少なくとも1つを含むことが望ましい。
【0014】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記デバイスは、ストレージ、ドック、及びディスプレイの少なくとも1つを含むことが望ましい。
【0015】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記I/Oインターフェースは、PCIe(PCIExpress)及びDP(DisplayPort)を含むことが望ましい。
【0016】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記I/Oインターフェースは、Thunderbolt(登録商標)インターフェースであることが望ましい。
【0017】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記報知手段は、表示画面に前記I/Oインターフェースに更に接続可能なデバイスの種類及び台数を表示することが望ましい。
【0018】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、I/Oインターフェースを使用して、複数のデバイスをデイジーチェーン接続可能なホスト装置の接続可能デバイスの報知方法であって、前記I/Oインターフェースへのデバイスの接続を検出する検出工程と、前記検出工程で前記I/Oインターフェースへのデバイスの接続を検出した場合にリソースを割り当てる割当工程と、前記リソースの残量に基づいて、前記I/Oインターフェースに更に接続可能なデバイスの種類及び台数を算出する算出工程と、前記算出工程で算出された、前記I/Oインターフェースに更に接続可能なデバイスの種類及び台数をユーザに報知するための報知工程と、を含むことを特徴とする。
【0019】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、I/Oインターフェースを使用して、複数のデバイスをデイジーチェーン接続可能なホスト装置に搭載されるプログラムであって、前記I/Oインターフェースへのデバイスの接続を検出する検出工程と、前記検出工程で前記I/Oインターフェースへのデバイスの接続を検出した場合にリソースを割り当てる割当工程と、前記リソースの残量に基づいて、前記I/Oインターフェースに更に接続可能なデバイスの種類及び台数を算出する算出工程と、前記算出工程で算出された、前記I/Oインターフェースに更に接続可能なデバイスの種類及び台数をユーザに報知するための報知工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、デイジーチェーン接続可能なデバイスの数や種類をユーザが容易に把握することが可能なホスト装置を提供することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本実施の形態に係るホスト装置を適用したコンピューティング装置の概略構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、メインコントローラにより実行される接続可能デバイス報知処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図4-A】
図4−Aは、コンピューティング装置に、TBT4KモニタとTBTデバイス(ストレージ)をデイジーチェーン接続した場合の例を示す図である。
【
図4-B】
図4−Bは、
図4−Aのようにデイジーチェーン接続した場合のリソースの割り当て(使用状況)と接続可能なデバイスを説明するための説明図である。
【
図5】
図5は、コンピューティング装置のメインコントローラによって表示される接続可能デバイスの表示例(その1)を説明するための図である。
【
図6】
図6は、コンピューティング装置のメインコントローラによって表示される接続可能デバイスの表示例(その2)を説明するための図である。
【
図7】
図7は、コンピューティング装置のメインコントローラによって表示される接続可能デバイスの表示例(その3)を説明するための図である。
【
図8】
図8は、コンピューティング装置のメインコントローラによって表示される接続可能デバイスの表示例(その4)を説明するための図である。
【
図9】
図9は、コンピューティング装置のメインコントローラによって表示される接続可能デバイスの表示例(その5)を説明するための図である。
【
図10】
図10は、Thunderboltインターフェースに接続されているTBTデバイスを確認するための従来の画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本実施の形態にかかるホスト装置、その接続可能デバイスの報知方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムを適用した実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの又は実質的に同一のものが含まれる。本発明の構成要素は、本明細書の図面に一般に示してあるが、様々な構成で広く多様に配置し設計してもよいことは容易に理解できる。したがって、本発明の装置、方法、及びプログラムの実施の形態についての以下のより詳細な説明は、特許請求の範囲に示す本発明の範囲を限定するものではなく、単に本発明の選択した実施の形態の一例を示すものであって、本明細書の特許請求の範囲に示す本発明と矛盾無く装置、システム及び方法についての選択した実施の形態を単に示すものである。当業者は、特定の細目の1つ以上が無くても、又は他の方法、部品、モジュール、材料でも本発明を実現できることが理解できる。
【0023】
図1は、本実施の形態に係るホスト装置を適用したコンピューティング装置の概略構成例を示す図である。コンピューティング装置1は、I/Oインターフェースを使用して、複数のデバイスをデイジーチェーン接続可能に構成されている。本実施の形態では、I/Oインターフェースの一例として、Thunderbolt(登録商標)3インターフェースを使用した場合について説明する。
【0024】
図1において、コンピューティング装置1は、例えば、ラップトップPC、デスクトップPC、タブレットPC、及びスマート・デバイス等である。
図1に示すように、コンピューティング装置1は、メインコントローラ100、メモリ101、ストレージ102、入力ユニット103、表示ユニット104、GPU105、Thunderbolt(登録商標)コントローラ106を備えている。
【0025】
メモリ101は、キャッシュメモリ、RAM等で構成されており、BIOS(Basic Input/Output System:基本入出力システム)やデータ等を格納する領域と、メインコントローラ100の実行プログラムの読み込み領域として、実行プログラムの処理データを書き込む作業領域として利用される書き込み可能領域とを備えている。
【0026】
ストレージ102は、例えば、HDDやSDDで構成されており、コンピューティング装置1全体の制御を行うためのOS、ユーティリティ・プログラム、周辺機器類をハードウェア操作するためのデバイス・ドライバ、特定業務に向けられたアプリケーション・プログラム等を記憶する機能を有する。
【0027】
入力ユニット103は、ユーザがメインコントローラ100に情報を入力するためのUIであり、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド等で構成することができる。表示ユニット104は、メインコントローラ100から入力される情報を表示するためのものであり、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等で構成することができる。
【0028】
GPU105は、メインコントローラ100及びThunderbolt(登録商標)コントローラ106に接続されており、画像表示に関連する機能を実現するためのサブシステムであり、ビデオコントローラを含んでいる。このビデオコントローラは、メインコントローラ100からの描画命令を処理し、処理したディスプレイ・データをビデオメモリに書き込むと共に、ビデオメモリからこのディスプレイ・データを読み出して、Thunderbolt(登録商標)コントローラ106に出力する。
【0029】
Thunderbolt(登録商標)コントローラ106は、PCIeのシリアル・データ及びDPのディスプレイ・データをそれぞれ送信及び受信するためのポート1(106A),ポート2(106B)を備えている。上述したように、Thunderbolt(登録商標)コントローラ(I/Oインターフェース)は、DPの信号(2つのDPの信号)とPCIeの信号を1本のTBTケーブルで伝送することができる。Thunderbolt(登録商標)コントローラ106は、メインコントローラ100から入力されるシリアル・データ及びGPU105から入力されるディスプレイ・データをThunderbolt(登録商標)のプロトコルに変換し、変換後のデータにてTBTデバイスと伝送を行う。
【0030】
メインコントローラ100は、例えば、マイクロプロセッサを備え、マイクロプロセッサは、ストレージ102に格納されたOSによりコンピューティング装置1全体の制御を行うとともに、ストレージ102に格納された各種のプログラムに基づいて処理を実行する機能を司る。メインコントローラ100は、Thunderbolt(登録商標)コントローラ106を介して、DPの信号(2つのDPの信号)とPCIeの信号を送受信することが可能である。また、メインコントローラ100は、Thunderbolt(登録商標)コントローラ106に接続可能なデバイスの種類及び台数をユーザに報知するための接続可能デバイス報知処理を実行する。
【0031】
図2及び
図3を参照して、メインコントローラ100により実行される接続可能デバイス報知処理を説明する。
図2は、メインコントローラ100により実行される接続可能デバイス報知処理の概略の一例を説明するためのフローチャート、
図3はリソースを説明するための図である。
【0032】
図2において、メインコントローラ100は、ブート時にメモリ101のTBT用(ポート1,2)の領域(例えば、1GB)を予約する(ステップS1)。メインコントローラ100は、Thunderbolt(登録商標)コントローラ106を介して、Thunderbolt(登録商標)コントローラ106へのTBTデバイスの接続を検出する(ステップS2)。Thunderbolt(登録商標)3では、TBTデバイスをホットプラグが可能である。
【0033】
メインコントローラ100は、TBTデバイスの接続を検出すると、接続されたTBTデバイスにリソース(例えば、メモリ101の予約領域のうちの使用領域とThunderbolt(登録商標)インターフェースの使用帯域)を割り当てる(ステップS3)。
【0034】
図3(A)は、TBTデバイスが接続されていない場合のThunderbolt(登録商標)インターフェース(図中では、「I/O」と表記する)の使用可能帯域及びメモリ101の使用可能領域(予約領域)を概念的に示している。
【0035】
図3(B)は、TBTデバイス(例えば、ストレージ、ドック)、TBT4Kモニタ、TBT5Kモニタ、4Kモニタ(TBTに対応していない通常の4Kモニタ)の1台当たりに必要なリソース量の概算を示している。4Kモニタは、TBTに対応していないため、直接Thunderbolt(登録商標)コントローラに接続することはできないが、TBTデバイス(ドック)を介して接続することができる。
【0036】
Thunderbolt3のThunderbolt(登録商標)インターフェースの使用可能帯域は、通常40Gps(システムのスペックにより変わる場合もある)。メインコントローラ100は、例えば、以下のようにリソース量を見積る。TBTデバイス(ドック、ストレージ)は、Thunderbolt(登録商標)インターフェースの使用可能帯域の略1/10を使用し、メモリ101の使用可能領域(予約領域)の略1/6を使用する。
【0037】
TBT4Kモニタは、Thunderbolt(登録商標)インターフェースの使用可能帯域の略1/2を使用し、メモリ101の使用可能領域の略1/6を使用する。TBT5Kモニタは、Thunderbolt(登録商標)インターフェースの使用可能帯域の略2/3を使用し、メモリ101の使用可能領域の略1/6を使用する。
【0038】
4Kモニタは、Thunderbolt(登録商標)インターフェースの使用可能帯域の略1/2を使用し、メモリ101については使用しない(4Kモニタが接続されるTBTデバイスについてメモリ101の使用可能領域を確保する)。
【0039】
メインコントローラ100は、リソースの残量に基づいて、Thunderbolt(登録商標)コントローラ(インターフェース)106に更に接続可能なデバイスの種類及び台数を算出する(ステップS4)。リソースの残量は、上述したメモリ101の使用可能量、Thunderbolt(登録商標)インターフェースの使用可能帯域、及びThunderbolt(登録商標)インターフェースへのTBTデバイスの接続制限数を含むことにしてもよい。ここで、接続制限数に関して、上述したように、Thunderbolt(登録商標)3では、デイジーチェーン接続でTBTデバイスを6台まで、そのうち、TBTモニタについては2台まで接続できる(ディスプレイ・データについては、規格上2chまで使用可能である)。
【0040】
メインコントローラ100は、Thunderbolt(登録商標)コントローラ106に更に接続可能なTBTデバイスの種類及び台数を表示ユニット104に表示して(
図4−B,
図5〜
図9参照)、ユーザに報知する(ステップS5)。
【0041】
図4−Aは、
図1のコンピューティング装置1にTBT4Kモニタ200とTBTデバイス(ストレージ)300をデイジーチェーン接続した場合の例を示す図である。
図4−Bは、
図4−Aのようにデイジーチェーン接続した場合のリソースの割り当て(使用状況)と接続可能なデバイスを説明するための説明図である。
【0042】
図4−Aにおいて、TBT4Kモニタ200は、2つのポート201A、202Bを有するThunderbolt(登録商標)コントローラ201と、4Kディスプレイ202を備えている。TBTデバイス300は、2つのポート301A,301Bを有するThunderbolt(登録商標)コントローラ301と、HDD302を備えている。
【0043】
コンピューティング装置1のThunderbolt(登録商標)コントローラ106と、TBT4Kモニタ200のThunderbolt(登録商標)コントローラ201をThunderbolt(登録商標)ケーブル400で接続し、TBT4Kモニタ200のThunderbolt(登録商標)コントローラ201とTBTデバイス300のThunderbolt(登録商標)コントローラ301をThunderbolt(登録商標)ケーブル400で接続している。すなわち、コンピューティング装置1、TBT4Kモニタ200、TBTデバイス300の順に2本のThunderbolt(登録商標)ケーブル400でデイジーチェーン接続されている。
【0044】
コンピューティング装置1では、メインコントローラ100は、Thunderbolt(登録商標)コントローラ106を介して、TBT4Kモニタ200及びTBTデバイス(HDD)300の接続を検出すると、リソースを割り当てる(確保する)。リソースの割り当ては、例えば、
図4−B(A)に示すように、Thunderbolt(登録商標)インターフェースの約半分の帯域をTBT4Kモニタ200に割り当て、残りをTBデバイス300に割り当てている。TBデバイス300の使用帯域は小さくて済むため、TBデバイス300に割り当てた部分は再割り当てが可能である。また、メモリ101の予約領域の略1/6ずつTBT4Kモニタ200とTBデバイス300に割り当てる。
【0045】
メインコントローラ100は、リソースの残量に基づいて、接続可能なTBTデバイス(通常のモニタを含む)の種類及び台数を算出し、例えば、
図4−B(B)に示すように、接続可能なTBTデバイスの種類及び台数を表示ユニット104に表示する。
図4−B(B)において、接続可能台数は、TBTデバイスを4台、TBT4Kモニタを1台、通常の4Kモニタを1台接続可能となっており、TBT5Kモニタは接続することができない。より具体的には、TBTデバイス(TBTモニタを含む)が2台接続されているため、TBTデバイスは4台接続することができる。また、TBT4Kモニタが1台接続されているため、TBT4Kモニタを1台又は通常の4Kモニタを1台接続することができる。TBT5Kモニタは、Thunderbolt(登録商標)インターフェースの帯域の約2/3を使用し、TBT4Kモニタが約1/2を使用しているため、必要な帯域を確保することができないため接続することができない。
【0046】
図5〜
図9は、コンピューティング装置1のメインコントローラ100が表示する接続可能デバイスの表示例を説明するための図である。
図5〜
図9に示す例では、コンピューティング装置1をラップトップPCとした場合を示している。
【0047】
図5は、コンピューティング装置1にTBTデバイスを接続していない場合の表示例を説明するための図である。
図5において、コンピューティング装置1のメインコントローラ100は、入力ユニット103を介したユーザから指示又は新たなTBTデバイスの接続を検出した場合等に、TBTデバイスとディスプレイの接続状況と接続可能なTBTデバイスの種類と台数を表示ユニット104に表示する。
図5に示す例では、TBTデバイスが1台も接続されていないので、接続可能なデバイスとして、6台のTBTデバイス、2台のTBT4Kモニタ、1台のTBT5Kモニタ、2台の4Kモニタが表示されている。
【0048】
図6は、コンピューティング装置1のThunderbolt(登録商標)コントローラ106のポート1にTBTデバイス(ドック)2、TBTデバイス(ストレージ)3の順番で接続した場合の表示例を示している。
図6において、ポート1に接続されているTBTデバイスとして、TBTドック2とTBTストレージ3が表示されている。接続可能なデバイスとして、4台のTBTデバイス、2台のTBT4Kモニタ、1台のTBT5Kモニタ、2台の4Kモニタが表示されている。
【0049】
図7は、
図6において、さらに、TBT4Kモニタ4を接続し、コンピューティング装置1のThunderbolt(登録商標)コントローラ106のポート1に、TBTドック2、TBTストレージ3,TBT4Kモニタ4の順番で接続した場合の表示例を示している。
図7において、ポート1に接続されているTBTデバイスとして、TBTドック2、TBTストレージ3、及びTBT4Kモニタ4が表示されている。また、ポート1に接続されているモニタとして、TBT4Kモニタが表示されている。接続可能なデバイスとして、3台のTBTデバイス、1台のTBT4Kモニタ、0台のTBT5モニタ、1台の4Kモニタが表示されている。
【0050】
図8は、
図6において、さらに、4台のTBTストレージ5〜8を接続し、コンピューティング装置1のThunderbolt(登録商標)コントローラ106のポート1に、TBTドック2と、5台のTBTストレージ3,5〜8の順番で接続した場合の表示例を示している。
図8において、ポート1に接続されているTBTデバイスとして、TBTドック、5台のTBTストレージが表示されている。TBTデバイスは6台までしか接続できないため、接続可能なデバイスとして、0台のTBTデバイス、0台のTBT4Kモニタ、0台のTBT5Kモニタ、0台のTBT4Kモニタが表示されている。
【0051】
図9は、
図6において、TBTドック2に4Kモニタ10を接続した場合の表示例を示している。
図9において、ポート1に接続されているTBTデバイスとして、TBTドック2、TBTストレージ3が表示されている。また、ポート1に接続されているモニタとして、4Kモニタが表示されている。接続可能なデバイスとして、4台のTBTデバイス、1台のTBT4Kモニタ、0台のTBT5Kモニタ、1台の4Kモニタが表示されている。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態によれば、Thunderbolt(登録商標)インターフェースを使用して、複数のTBTデバイスをデイジーチェーン接続可能なコンピューティング装置1において、メインコントローラ100は、Thunderbolt(登録商標)インターフェースへのTBTデバイスの接続を検出し、TBTデバイスの接続を検出した場合にリソースを割り当て、リソースの残量に基づいて、Thunderbolt(登録商標)インターフェースに更に接続可能なTBTデバイスの種類及び台数を算出し、算出した接続可能なTBTデバイスの種類及び台数を表示ユニット104の表示画面に表示することとしたので、ユーザは、デイジーチェーン接続可能なTBTデバイスの台数や種類を容易に把握できることが可能となる。
【0053】
本実施の形態では、I/Oインターフェースとして、Thunderbolt(登録商標)インターフェースを一例として説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、複数のデバイスをデイジーチェーン接続可能な他のI/Oインターフェースにも適用可能であり、例えば、SCSI、IEEE1394等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 コンピューティング装置
100 メインコントローラ
101 メモリ
102 ストレージ
103 入力ユニット
104 表示ユニット
105 GPU
106 Thunderbolt(登録商標)コントローラ
106A ポート1
106B ポート2
200 TBT4Kモニタ
201 Thunderbolt(登録商標)コントローラ
201A、201B ポート
202 4Kディスプレイ
300 TBTデバイス(ストレージ)
301 Thunderbolt(登録商標)コントローラ
301A、301B ポート
302 HDD