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特開2018-129301プレート組立体におけるビードシールの補強構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-129301(P2018-129301A)
(43)【公開日】2018年8月16日
(54)【発明の名称】プレート組立体におけるビードシールの補強構造
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/0204 20160101AFI20180720BHJP
   H01M 8/0276 20160101ALI20180720BHJP
【FI】
   H01M8/0204
   H01M8/0276
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-18892(P2018-18892)
(22)【出願日】2018年2月6日
(31)【優先権主張番号】15/425,069
(32)【優先日】2017年2月6日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】511095986
【氏名又は名称】ジーエム・グローバル・テクノロジー・オペレーションズ・エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100149261
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 秀治
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】シ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】シギュアン ユ
(72)【発明者】
【氏名】リャン シ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ディー.ブレイクリー
(72)【発明者】
【氏名】坂野 雅章
(72)【発明者】
【氏名】苫名 佑
(72)【発明者】
【氏名】石田 堅太郎
【テーマコード(参考)】
5H126
【Fターム(参考)】
5H126AA08
5H126AA12
5H126AA13
5H126EE11
5H126EE23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、プレート組立体におけるビードシールの補強構造に関する。
【解決手段】プレート組立体は、平面部を有し第1ビードシール18が形成される第1プレートを含む。前記第1ビードシールは、前記平面部14から離間した第1端面46を含む。前記第1ビードシールは、前記第1端面から離れて延在するとともに前記平面部に繋がる第1及び第2対向側部を含む。前記第1ビードシールは、前記第1ビードシールの前記第1対向側部と各々交差する第1複数壁部を有する第1補強構造R1を含む。前記第1プレートは、第2ビードシール20が形成される。前記第1ビードシール及び前記第2ビードシールは、前記第1補強構造の前記第1複数壁部が前記第2ビードシールの第3対向側部と各々交差するように、前記第1補強構造を介して結合されてもよい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレート組立体であって、
平面部及び第1ビードシールが形成された第1プレートを備え、
前記第1ビードシールは、前記平面部から離間した第1端面を有し、
前記第1ビードシールは、前記第1端面から離れて延在するとともに前記平面部に繋がる第1及び第2対向側部を含み、
前記第1ビードシールは、前記第1ビードシールの前記第1対向側部と各々交差する第1複数壁部を有する第1補強構造を含む、
ことを特徴とするプレート組立体。
【請求項2】
請求項1記載のプレート組立体において、
前記第1補強構造は、弧状である、
ことを特徴とするプレート組立体。
【請求項3】
請求項1記載のプレート組立体において、
前記第1ビードシールの前記第2対向側部上に形成される第2補強構造をさらに備え、前記第2補強構造は、前記第2対向側部と各々交差する第2複数壁部を備え、
前記第2補強構造は、前記第1補強構造と反対の方向に延在し、
前記第2補強構造は、閉じた端部を備える、
ことを特徴とするプレート組立体。
【請求項4】
請求項1記載のプレート組立体において、
前記第1プレートは、第2ビードシールが形成され、
前記第2ビードシールは、前記平面部から離間した第2端面を含み、
前記第2ビードシールは、前記第2端面から離れて延在するとともに前記平面部に繋がる第3及び第4対向側部を含み、
前記第1ビードシール及び前記第2ビードシールは、前記第1補強構造の前記第1複数壁部が前記第3対向側部と交差するように、前記第1補強構造を介して結合される、
ことを特徴とするプレート組立体。
【請求項5】
請求項4記載のプレート組立体において、
前記第2ビードシールの前記第4対向側部上に形成される第3補強構造をさらに備え、前記第3補強構造は、閉じた端部を備え、前記第1補強構造の正反対側に配置される、
ことを特徴とするプレート組立体。
【請求項6】
請求項4記載のプレート組立体において、
前記第2ビードシールの前記第3及び第4対向側部上にそれぞれ形成される第4及び第5補強構造をさらに備え、
前記第4及び第5補強構造は、前記第2ビードシールから離間する反対方向に延在し、それぞれ閉じた端部を備える、
ことを特徴とするプレート組立体。
【請求項7】
請求項4記載のプレート組立体において、
前記第1ビードシールと前記第1補強構造との交差部に設けられる第1交差面と、
前記第2ビードシールと前記第1補強構造との交差部に設けられる第2交差面と、
前記第1及び第2交差面の少なくとも一方に配置される障害部と、をさらに備え、前記障害部は、前記第1ビードシールと前記第2ビードシールとの間の流体の流通を妨げる、
ことを特徴とするプレート組立体。
【請求項8】
請求項4記載のプレート組立体において、
前記第1プレートは、第3ビードシールが形成され、
前記第3ビードシールは、前記平面部から離間した第3端面を含み、
前記第3ビードシールは、前記第3端面から離れて延在するとともに前記平面部に繋がる第5及び第6対向側部を含み、
前記第3ビードシールの前記第5対向側部上に、ある一定間隔毎に設けられる複数の第6補強構造と、
前記第3ビードシールの前記第6対向側部上に、前記ある一定間隔毎に設けられる複数の第7補強構造と、をさらに備え、
前記複数の第6補強構造の各々は、前記複数の第7補強構造の各々と互いに斜めに配置される、
ことを特徴とするプレート組立体。
【請求項9】
請求項4記載のプレート組立体において、
前記第1プレートは、複数の開口部を備え、前記第1ビードシールは、前記複数の開口部の1つを囲み、
前記第2ビードシールは、前記複数の開口部の少なくとも2つを囲み、前記第2ビードシールは、前記第1プレートの外周に沿って延在する、
ことを特徴とするプレート組立体。
【請求項10】
請求項9記載のプレート組立体において、
前記第1プレートは、互いに離間した複数のシール部材を有するアクティブ領域を含み、前記第2ビードシールは前記アクティブ領域を囲み、
前記第1プレートは、第1及び第2プレート端を備える略長方形の形状であり、
前記アクティブ領域は、前記第1プレート端と前記第2プレート端との間に配置される、
ことを特徴とするプレート組立体。
【請求項11】
プレート組立体であって、
平面部及び複数の開口部を有する第1プレートを備え、
前記第1プレートは、第1ビードシールが形成され、前記第1ビードシールは、前記平面部から離間した第1端面を有し、
前記第1ビードシールは、前記第1端面から離れて延在するとともに前記平面部に繋がる第1及び第2対向側部を含み、
前記第1プレートは、前記第1ビードシール用の第1補強構造を含み、前記第1補強構造は、前記第1ビードシールの前記第1対向側部と各々交差する第1複数壁部を有し、
前記第1プレートは、第2ビードシールが形成され、前記第2ビードシールは、前記平面部から離間した第2端面を有し、
前記第2ビードシールは、前記第2端面から離れて延在するとともに前記平面部に繋がる第3及び第4対向側部を含み、
前記第1ビードシール及び前記第2ビードシールは、前記第1補強構造の前記第1複数壁部が前記第3対向側部と交差するように、前記第1補強構造を介して結合される、
ことを特徴とするプレート組立体。
【請求項12】
請求項11記載のプレート組立体において、
前記第1プレートは、複数の開口部を備え、前記第1ビードシールは、前記複数の開口部の1つを囲み、
前記第2ビードシールは、前記複数の開口部の少なくとも2つを囲み、前記第2ビードシールは、前記第1プレートの外周に沿って延在し、
前記第1プレートは、互いに離間した複数のシール部材を有するアクティブ領域を含み、前記第2ビードシールは前記アクティブ領域を囲み、
前記第1プレートは、第1及び第2プレート端を備える略長方形の形状であり、
前記アクティブ領域は、前記第1プレート端と前記第2プレート端との間に配置される、
ことを特徴とするプレート組立体。
【請求項13】
請求項12記載のプレート組立体において、
前記第2ビードシールの前記第4対向側部上に形成される第3補強構造をさらに備え、前記第3補強構造は、閉じた端部を備え、前記第1補強構造の正反対側に配置される、
ことを特徴とするプレート組立体。
【請求項14】
請求項12記載のプレート組立体において、
前記第2ビードシールの前記第3及び第4対向側部上にそれぞれ形成される第4及び第5補強構造をさらに備え、
前記第4及び第5補強構造は、前記第2ビードシールから離間する反対方向にそれぞれ延在し、各々閉じた端部を備える、
ことを特徴とするプレート組立体。
【請求項15】
請求項12記載のプレート組立体において、
前記第1ビードシールと前記第1補強構造との交差部に設けられる第1交差面と、
前記第2ビードシールと前記第1補強構造との交差部に設けられる第2交差面と、
前記第1及び第2交差面の少なくとも一方に配置される障害部と、をさらに備え、前記障害部は、前記第1ビードシールと前記第2ビードシールとの間の流体の流通を妨げる、
ことを特徴とするプレート組立体。
【請求項16】
請求項12記載のプレート組立体において、
前記第1プレートは、第3ビードシールが形成され、
前記第3ビードシールは、前記平面部から離間した第3端面を含み、
前記第3ビードシールは、前記第3端面から離れて延在するとともに前記平面部に繋がる第5及び第6対向側部を含み、
前記第3ビードシールの前記第5対向側部上に、ある一定間隔毎に設けられる複数の第6補強構造と、
前記第3ビードシールの前記第6対向側部上に、前記ある一定間隔毎に設けられる複数の第7補強構造と、をさらに備え、
前記複数の第6補強構造の各々は、前記複数の第7補強構造の各々と互いに斜めに配置される、
ことを特徴とするプレート組立体。
【請求項17】
プレート組立体であって、
平面部及び第1ビードシールが形成された第1プレートを備え、
前記第1ビードシールは、前記平面部から離間した第1端面を有し、
前記第1ビードシールは、前記第1端面から離れて延在するとともに前記平面部に繋がる第1及び第2対向側部を含み、
前記プレート組立体は、前記平面部から突出した補強構造をさらに備え、前記補強構造は、前記第1ビードシールの前記第1対向側部から離間して前記第1対向側部に対向する第1辺部を有し、前記第1辺部は、前記第1対向側部に沿って延在する、
ことを特徴とするプレート組立体。
【請求項18】
請求項17記載のプレート組立体において、
前記第1プレートは、突出した第2ビードシールが形成され、
前記第2ビードシールは、前記平面部から離間した第2端面と、前記第2端面から離れて延在するとともに前記平面部に繋がる第3及び第4対向側部とを有し、
前記補強構造は、前記第1ビードシールと前記第2ビードシールとの間に配置されるとともに、前記第2ビードシールの前記第3対向側部から離間して前記第3対向側部に対向する第2辺部を有し、前記第2辺部は、前記第3対向側部に沿って延在する、
ことを特徴とするプレート組立体。
【請求項19】
請求項18記載のプレート組立体において、
前記第1ビードシールと前記第2ビードシールは、互いに非平行に配置された部分を有し、
前記補強構造は、前記非平行な部分の間に、略三角形状に形成されている、
ことを特徴とするプレート組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレート組立体におけるビードシールの補強構造に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池(これに限定されない)を含むプレート組立体は、互いに保持され圧縮されるプレートのスタックを用いる。ビードシールは、様々なプレート間における流体の漏れを防ぎ、シールパスを設けるために使用される。シールパスが多様に湾曲しているため、圧力に大きなばらつきが生じる箇所もある。特に二重又は三重のビードシールが極めて近接している場合、ビード圧を制御することは、困難な場合がある。
【発明の概要】
【0003】
プレート組立体は、平面部を有し第1ビードシールが形成される第1プレートを含む。前記第1ビードシールは、前記平面部から離間した第1端面を含む。前記第1ビードシールは、前記第1端面から離れて延在するとともに前記平面部に繋がる第1及び第2対向側部を含む。前記第1ビードシールは、第1補強構造を含む。前記第1補強構造は、前記第1ビードシールの前記第1対向側部と各々交差する第1複数壁部を有する。前記第1補強構造は、弧状であってもよい。
【0004】
第2補強構造は、前記第1ビードシールの前記第2対向側部上に形成されてもよい。前記第2補強構造は、前記第2対向側部と各々交差する第2複数壁部を備える。前記第2補強構造は、前記第1補強構造と反対の方向に延在する。前記第2補強構造は、閉じた端部を備える。
【0005】
前記第1プレートには、第2ビードシールが形成される。前記第2ビードシールは、前記平面部から離間した第2端面を含む。前記第2ビードシールは、前記第2端面から離れて延在するとともに前記平面部に繋がる第3及び第4対向側部を含む。前記第1ビードシール及び前記第2ビードシールは、前記第1補強構造の前記第1複数壁部が前記第2ビードシールの前記第3対向側部と各々交差するように、前記第1補強構造を介して結合されてもよい。
【0006】
前記第1プレートは、複数の開口部を備えてもよい。前記第1ビードシールは、前記複数の開口部の1つを囲んでもよい。前記第1プレートは、互いに離間した複数のシール部材を有するアクティブ領域を含む。前記第2ビードシールは、前記アクティブ領域及び前記複数の開口部のうち少なくとも2つの開口部を囲んでもよい。前記第1プレートは、前記第1及び第2プレート端を備える略長方形の形状であってよい。前記アクティブ領域は、前記第1プレート端と前記第2プレート端との間に配置されてもよい。
【0007】
第3補強構造は、前記第2ビードシールの前記第4対向側部上に形成されてもよい。前記第3補強構造は、閉じた端部を備えてもよく、前記第1補強構造の正反対側に配置(対向配置)されてもよい。第4及び第5補強構造は、前記第2ビードシールの前記第3及び第4対向側部上にそれぞれ形成されてもよい。前記第4及び第5補強構造は、前記第2ビードシールから離間する反対方向に延在し、それぞれ閉じた端部を備える。第1交差面が前記第1ビードシールと前記第1補強構造との交差部に設けられる。第2交差面が前記第2ビードシールと前記第1補強構造との交差部に設けられる。前記第1及び第2交差面の少なくとも一方に障害部を配置し、前記第1ビードシールと前記第2ビードシールとの間の流体の流通を妨げてもよい。
【0008】
前記第1プレートは、第3ビードシールが形成され、前記第3ビードシールは、前記平面部から離間した第3端面を含んでもよい。前記第3ビードシールは、前記第3端面から離れて延在するとともに前記平面部に繋がる第5及び第6対向側部を含む。前記第3ビードシールの前記第5対向側部上に、ある一定間隔毎に複数の第6補強構造が設けられてもよい。前記第3ビードシールの前記第6対向側部上に、前記ある一定間隔毎に複数の第7補強構造が設けられてもよい。前記複数の第6補強構造の各々は、前記複数の第7補強構造の各々と互いに斜めに向かい合って配置されてもよい。
【0009】
本発明の開示に係る上記の特徴及び効果並びに別の特徴及び効果は、添付の図面を参照しつつ、本発明の開示内容を実施するために好適な実施形態に関する下記の詳細な説明により容易に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1ビードシールを備えた第1プレートを有するプレート組立体の模式的上面図である。
図2図2は、図1の部分2を示す模式的部分斜視図である。
図3図3は、図2の部分3を示す模式的一部断面一部斜視図である。
図4図4は、別の実施形態に係るプレート組立体の模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本願の図において、同じ参照符号は同じ構成要素を示す。図1は、プレート組立体10の上面を模式的に示す。組立体10は、装置11の一部であってもよい。装置11は、水素等の燃料及び酸素等の酸化剤を反応させて、車両を含む様々な装置に電力を供給するために発電する燃料電池であってもよい。例えば、装置11は、電解装置又は電気化学的コンプレッサシステムであってもよい。装置11は、多くの異なる形態をとることが可能であり、複数及び/又は代替の、構成要素及び設備を含んでもよい。図1を参照すると、組立体10は、平面部14を有する第1プレート12を含む(組立体10は、図3を参照して説明される後述の第2プレート82を含んでもよい)。第1プレート12は、そこに形成される複数の長尺な隆起部を含み、本明細書ではこれをビードシール16(又は複数のビードシール16)と称す。複数のビードシール16は、型打ち又はプレス加工(stamping operation)で形成されてもよい。
【0012】
図2は、図1の部分2を示す模式的拡大図である。図1及び図2を参照すると、複数のビードシール16は、第1ビードシール18、第2ビードシール20、及び第3ビードシール22を含む。図1を参照すると、第1プレート12は、複数の開口部24を備える。図示された実施形態において、6つの第1開口部24A〜第6開口部24Fが設けられるが、開口部24の個数はこれに限らない。第1プレート12は、反応物がアクティブ領域26に流通するようガイドする複数の流路28を含む。図1を参照すると、第1プレート12は、第1及び第2プレート端30、32を備える略長方形の形状であってよい。アクティブ領域26は、第1及び第2プレート端30、32の間に位置してもよい。図1を参照すると、複数の流路28は正弦曲線形状を備えてもよく、その極大地点38及び極小地点40は長手方向で整列するように位置してもよい。当業者が使用する他の配置も用いられてよい。
【0013】
図1を参照すると、第1ビードシール18は、第1開口部24Aのような1つの開口部24を囲んでもよい。第3ビードシール22は、第2開口部24Bのような他の開口部24を囲んでもよい。第2ビードシール20は、第1プレート12の外周に沿って延在してもよい。第2ビードシール20は、アクティブ領域26と、複数の開口部24のうち少なくとも2つ、例えば第2開口部24B及び第3開口部24Cとを囲んでもよい。第2ビードシール20は、アクティブ領域26と、複数の開口部24のうち4つ(例えば開口部24B、24C、24E、24F)とを囲んでもよい。第2開口部24Bは、第2ビードシール20及び第3ビードシール22の両方でカプセル化(encapsulated)される。当業者が使用する別の構成を用いてもよいことが理解されよう。
【0014】
図1を参照すると、第1プレート12は、第1ビードシール18及び/又は第2ビードシール20上に複数の補強構造44を含む。複数の補強構造44は、プレス加工で形成され、第1及び第2ビードシール18、20のシール面上での接触圧が均一となるのを助ける。図2を参照すると、第1、第2、第3、第4、及び第5補強構造R1、R2、R3、R4、及びR5が示されている。シールパス(第1及び第2ビードシール18、20によって設けられる)が多様に湾曲しているため、低い圧力を示す箇所もある。ビード圧(bead pressure)は隣接するビードに影響されるため、特に2重又は3重のビードシールが近接している箇所に、圧力の大きなばらつきが観察される。複数の補強構造44の各々は、低圧力点を無くすことに役立ち、接触圧の均一性を向上させ、ビードの剛性を増加させる。各シールパスは、変更されない。
【0015】
図3は、図2の部分3を示す模式図である。図2及び図3を参照すると、第1ビードシール18は、第1プレート12の平面部14から離間した第1端面46を含む。第1ビードシール18は、第1端面46から離れて延在するとともに平面部14に繋がる第1及び第2対向側部48、50を含む。図3を参照すると、第1補強構造R1は、第1ビードシール18の第1対向側部48とそれぞれ交差する第1複数壁部52を有する。第1複数壁部52は、図3に示される通り、補強面53とも称される閉じられた天面53と、補強側部55とを含む。図3を参照すると、第2ビードシール20は、平面部14から離間した第2端面54を含む。第2ビードシール20は、第2端面54から離れて延在するとともに平面部14に繋がる第3及び第4対向側部56、58を含む。第1補強構造R1の補強面53の平面部14からの高さは、第1端面46の平面部14からの高さよりも低く、補強面53はシール面に当接しない。第1端面46の平面部14からの高さと、第2端面54の平面部14からの高さは、同じである。同様に、第3ビードシール22の平面部14からの高さは、第1端面46及び第2端面54の平面部14からの高さと同じである。第1端面46及び第2端面54は、図示しないMEAに当接し、圧縮荷重を受ける。
【0016】
図3を参照すると、第1補強構造R1は、(第1補強構造R1の)第1複数壁部52の各々が第2ビードシール20の第3対向側部56と交差するように、第1ビードシール18と第2ビードシール20とを接続してもよい。図2を参照すると、第1補強構造R1は、弧状であってもよい。図2を参照すると、さらなる補強構造60及び第1補強構造R1は、第1ビードシール18と第2ビードシール20とを接続し、第1ビードシール18及び第2ビードシール20の少なくとも一方と略垂直な方向に延在してもよい。第1及び第2ビードシール18、20が互いに平行でない場合、第1補強構造R1の中間部分は湾曲する。
【0017】
図2及び図3を参照すると、第1交差面62は、第1ビードシール18と第1補強構造R1との交差部に設けられる。第2交差面64は、第2ビードシール20と第1補強構造R1との交差部に設けられる。図3を参照すると、第1及び第2交差面62、64の一方又は両方に障害部66を配置し、第1ビードシール18と第2ビードシール20との間の流体の流通を妨げてもよい。障害部66は、エラストマー、金属、又は他の材料で構成されてもよい。あるいは、第1及び第2交差面62、64は、第1ビードシール18と第2ビードシール20との間に流体を流通させるために開口部となっていてもよい。
【0018】
図1図3を参照すると、第2補強構造R2は、第1ビードシール18の第2対向側部50上に形成されてもよい。第2補強構造R2は、補強面73及び補強側部75を含む第2複数壁部72を備え、当該補強面73及び補強側部75はその基端部において第2対向側部50と各々交差する。第2複数壁部72は、互いに結合され、その先端部において閉じた端部を備えてもよい。平面部14からの第2補強構造R2の補強面73の高さは、平面部14からの第1端面46の高さよりも低く、補強面73は、シール面に当接しない。第2補強構造R2は、第1補強構造R1と反対の方向に延在してもよい。図2及び図3を参照すると、第3補強構造R3は、第2ビードシール20の第4対向側部58上に形成されてもよい。平面部14からの第3補強構造R3の天面の高さは、平面部14からの第2端面54の高さよりも低く、天面は、シール面に当接しない。第3補強構造R3は、閉じた端部を備えてもよく、第1補強構造R1の正反対側に配置(対向配置)されてもよい。第3補強構造R3は、上述の第2補強構造R2と同様の構造を有する。
【0019】
図2を参照すると、第2ビードシール20は、それぞれ第3及び第4対向側部56、58上に形成される第4及び第5補強構造R4、R5を含んでもよい。第4及び第5補強構造R4、R5は、互いに直接対向して配置される。第4及び第5補強構造R4、R5は、第2ビードシール20から離間する反対方向に延在し、それぞれ閉じた端部を備える。第1ビードシール18及び/又は第3ビードシール22は、第4及び第5補強構造R4、R5と同様に、互いに直接対向して配置(対向配置)される補強構造を含んでもよい。
【0020】
図2を参照すると、第3ビードシール22は、平面部14から離間した第3端面76を含む。第3ビードシール22は、第3端面76から離れて延在するとともに平面部14に繋がる第5及び第6対向側部78、80を含む。図2を参照すると、第3ビードシール22は、第5対向側部78上に、ある一定間隔毎に設けられる複数の第6補強構造R6を含んでもよい。第3ビードシール22は、第6対向側部80上に、前記ある一定間隔毎に設けられる複数の第7補強構造R7を含んでもよい。
【0021】
複数の第6及び第7補強構造R6、R7は、第3ビードシール22の中央におけるビード圧を低減する。複数の第6補強構造R6の各々は、複数の第7補強構造R7の各々と互いに斜めに向かい合って(斜向かいに)配置されてもよい。言い換えると、複数の第6及び第7補強構造R6、R7は、互いに直接対向して位置することはない。この斜め配置は、圧力分布のさらなる均一化をもたらす。第1ビードシール18及び/又は第2ビードシール20は、第6及び第7補強構造R6、R7と同様に、斜め配置の補強構造を含んでもよい。
【0022】
図3を参照すると、組立体10は、第2複数ビードシール84を有する第2プレート82を含んでもよい。第2複数ビードシール84は、複数のビードシール16の鏡像となっており、第1及び第2プレート12、82間の流体の漏れを防ぐようになっている。ユニポーラ又はバイポーラプレートとして、組立体10に含まれるプレートの枚数は何枚でもよいことが理解されよう。電力を発生させるために、第1プレート12の外表面には、酸化剤反応物(oxidant reactant)を供給する流路を設け、第2プレート82の外表面には、水素反応物を供給する流路を設けてもよく、それらの流路は反対でもよい。第1及び第2プレート12、82は、互いに圧縮され保持された100枚を超えるプレートで構成されるスタック(図示せず)の一部であってよい。
【0023】
図4を参照し、組立体10は、第1ビードシール18及び第2ビードシール20に隣接した位置(近接した位置)に、平面部14から突出した第8補強構造R8を備えてもよい。第8補強構造R8は、第1ビードシール18及び第2ビードシール20に直接繋がることなく、第1ビードシール18と第2ビードシール20との間に設けられている。第8補強構造R8は、互いに非平行に配置された第1ビードシール18と第2ビードシール20との間に配置されているため、略三角形状を有する。
【0024】
第8補強構造R8は、平面部14から離間した天面90と、第1ビードシール18の第1対向側部48に対向するとともに第1対向側部48に沿って延在する第1辺部92と、第2ビードシール20の第3対向側部56に対向するとともに第3対向側部56に沿って延在する第2辺部94とを有する。天面90には、凹部91が設けられている。凹部91により第8補強構造R8の剛性が向上されている。
【0025】
第1辺部92は、波形状の第1ビードシール18(第1対向側部48)のうち第1辺部92が対向する部分の湾曲形状に沿うように凹む弧状(湾曲形状)に形成されている。第1辺部92は、天面90と平面部14とに繋がっている。第2辺部94は、波形状の第2ビードシール20(第3対向側部56)のうち第2辺部94が対向する部分の湾曲形状に沿うように凹む弧状(湾曲形状)に形成されている。第2辺部94は、天面90と平面部14とに繋がっている。
【0026】
なお、波形状の第1ビードシール18のうち第1辺部92が対向する部分の形状が、第8補強構造R8から離れる方向に凹む形状である場合、第1辺部92は、第1ビードシール18に向かって突出する弧状(湾曲形状)であるとよい。また、波形状の第2ビードシール20のうち第2辺部94が対向する部分の形状が、第8補強構造R8から離れる方向に凹む形状である場合、第2辺部94は、第2ビードシール20に向かって突出する弧状(湾曲形状)であるとよい。
【0027】
第8補強構造R8は、第1辺部92を有する部分(突起)と、第2辺部94を有する他の部分(突起)とに分離していてもよい。
【0028】
本発明の詳細な説明及び図面は、本発明の開示を裏付け、記載するものであるが、本発明の開示の範囲は、請求項によってのみ規定される。請求項に記載された本発明の開示内容を実施するために好適な態様の幾つか及び他の態様が詳細に説明されたが、添付の請求項に規定される開示内容を実施するための様々な代替的設計及び態様が存在する。さらに、図面に示された実施形態又は発明の詳細な説明で言及された様々な実施形態の特徴は、それぞれ必ずしも独立な実施形態として理解しなくともよい。むしろ、一実施形態の一実施例に記載される特徴は、他の実施形態における1つ又は複数の他の望ましい特徴と組み合わせることが可能であり、結果的に文言又は図面で記載されない別の実施形態となりうる。従って、そのような別の実施形態は、添付された請求項の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4