(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-131206(P2018-131206A)
(43)【公開日】2018年8月23日
(54)【発明の名称】袋体取出ケース
(51)【国際特許分類】
B65D 25/52 20060101AFI20180727BHJP
【FI】
B65D25/52 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-23793(P2017-23793)
(22)【出願日】2017年2月13日
(71)【出願人】
【識別番号】390000387
【氏名又は名称】福助工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077780
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 泰甫
(74)【代理人】
【識別番号】100106024
【弁理士】
【氏名又は名称】稗苗 秀三
(74)【代理人】
【識別番号】100167841
【弁理士】
【氏名又は名称】小羽根 孝康
(74)【代理人】
【識別番号】100168376
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 清隆
(72)【発明者】
【氏名】高橋 英治
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA01
3E062AB13
3E062LA01
3E062LA14
3E062LA23
3E062LA25
(57)【要約】
【課題】内部にミシン目を介して連続する袋体を巻回してなるロール状体を収容し、1枚ずつ袋体を確実に1枚ずつ切断可能な袋体取出ケースを提供することを目的とする。
【解決手段】ミシン目を介して連続する袋体を巻回してなるロール状体Bを収容するケース本体1と、ケース本体1に設けられた開口部2と、開口部2に取り付けられ、ロール状体Bを取出し可能に保持する保持部材3とを備え、保持部材3は、弾性変形可能なシート状材料にロール状体Bを取り出す取出部4が形成された構成とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミシン目を介して連続する袋体を巻回してなるロール状体を収容するケース本体と、前記ケース本体に設けられた開口部と、前記開口部に取り付けられ、前記ロール状体を取出し可能に保持する保持部材とを備え、前記保持部材は、弾性変形可能なシート状材料に前記ロール状体を取り出す取出部が形成されたことを特徴とする袋体取出ケース。
【請求項2】
前記取出部は、前記保持部材に形成された切込み乃至スリットであることを特徴とする請求項1に記載の袋体取出ケース。
【請求項3】
前記保持部材は、前記ケース本体に対して着脱可能に取り付けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の袋体取出ケース。
【請求項4】
前記保持部材の移動を規制する位置決め機構が設けられ、前記位置決め機構は、前記保持部材の取出部を囲むように形成された複数の挿通孔と、前記挿通孔に挿通されて前記保持部材をケース本体に対して位置決めする複数の突起部とを備えたことを特徴とする請求項3に記載の袋体取出ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケット等の食料品店などでよく見受けられる袋体を取り出す袋体取出ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、スーパーマーケット等のレジカウンターや袋詰め作業台には、特許文献1に開示されているように、ミシン目を介して連続する袋体をロール状に巻回したロール状連続袋から袋体を1枚ずつ取り出す装置が設置されている。
【0003】
上記装置においては、線材を折曲して凸部を形成した袋切離部材が取付けられており、引き出した袋体の切断用ミシン目が袋切離部材に引っかかって1枚の袋を切り取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−182254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記構成の装置では、袋体の切断用ミシン目がうまく袋接離部材に引っかからず、袋体が連続して引き出されるといった問題が生じていた。特に、片手で袋体を引き出す場合、袋体が弛んだ状態では袋体の切断用ミシン目がうまく袋切離部材に引っかからない場合が多く、両手で袋にテンションをかけながら、袋体の切断用ミシン目に袋切離部材を引っかける必要があった。
【0006】
そこで、本発明においては、確実に袋体を1枚ずつ切断可能な袋体取出ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様としての袋体取出ケースは、ミシン目を介して連続する袋体を巻回したロール状体を収容するケース本体と、前記ケース本体に設けられた開口部と、前記開口部に取り付けられ、前記ロール状体を取出し可能に保持する保持部材とを備え、前記保持部材は、弾性変形可能なシート状材料に前記ロール状体を取り出す取出部が形成されたことを特徴とする。
【0008】
取出部は、前記保持部材に形成された切込み乃至スリットとしてもよい。また、保持部材は、前記ケース本体に対して着脱可能に取り付けるようにしてもよい。また、保持部材の移動を規制する位置決め機構が設けられ、前記位置決め機構は、前記保持部材の取出部を囲むように形成された複数の挿通孔と、前記挿通孔に挿通されて前記保持部材をケース本体に対して位置決めする複数の突起部とを備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
上記態様によれば、弾性変形可能なシート状材料に取出部を形成し、その取出部からロール状体を取り出すようにしたため、ロール状体は、取出部に挟持された状態で保持される。また、ロール状体は、取出部の軸方向に引っ張ることにより、取出部から取り出すことが可能であるとともに、取出部からミシン目が露出した時点で取出部の軸方向から傾斜した方向に引っ張ることにより、取出部とロール状体との間の摩擦抵抗が大きくなってミシン目に沿って袋体を1枚ずつ確実に切断することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図8】
図7においてケース本体が開いた状態の断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面をもとに説明する。
図1は本実施形態における袋体取出ケースを示す平面図を、
図2は袋体取出ケースの斜視図を、
図3は袋体取出ケースの部分分解斜視図を、
図4は保持部材の正面図を、
図5は抑え枠体の正面図を、
図6は
図2において固定枠体を外した状態の斜視図を、
図7は
図1のA−A断面図を、
図8は
図7においてケース本体が開いた状態の断面図を、ぞれぞれ示す。
【0012】
図1及び
図2に示すように、袋体取出ケースは、ケース本体1と、ケース本体に設けられた開口部2と、開口部2を覆うように取り付けられ、ロール状体Bを取出し可能に保持する保持部材3とを備える。ケース本体1は左右方向Xに幅広に形成され、ロール状体Bは軸方向をケース本体1の左右方向Xに合わせてケース本体1内に収容される。
【0013】
開口部2はケース本体1の左右方向Xの中央でケース本体1の正面よりやや上向きになる位置に形成される。開口部2を覆うように配置される保持部材3は、弾性変形可能なシート状材料によって構成される。
図3及び
図4に示すように、保持部材3は、矩形で中央には取出部4として直線状の切込みが形成されており、ロール状体Bは、取出部4を通過して外部に取り出される。本実施形態では、保持部材3は、シート状のシリコーンゴムによって構成される。
【0014】
図3に示すように、ケース本体1の内面において、開口部2の近傍に開口部2を囲む複数の突起部5が形成され、保持部材3の取出部4の周囲には、複数の突起部5に対応する位置に、突起部5が挿通可能な複数の挿通孔6が形成されている。突起部5及び挿通孔6は、4〜10個程度形成するのが好ましく、取出部4の周囲に左右方向X及び上下方向Yに対称となるように配置される。本実施形態では、保持部材3を開口部2に密着した状態で固定するために、抑え枠体7と、抑え枠体を固定する固定枠体8とを用いている。
【0015】
図3及び
図5に示すように、抑え枠体7は、ケース本体1の内面に密着するように側面視で湾曲形成されており、抑え枠体7の凸曲面にはケース本体1の内面に形成された複数の突起部5を嵌入可能な複数の凹部9を備える。固定枠体8は、ケース本体1の外面に密着するように側面視で湾曲形成されており、裏面側に4つの係止片10が形成される。
【0016】
ケース本体1には係止片10を挿入可能な係止片用穴11が設けられる。なお、係止片10には、係止片10を係止片用穴11に挿入した状態で、抑え枠体7の側面に形成された凸部12に係合する係合孔13が形成される。抑え枠体7及び固定枠体8ともに中央部にケース本体1の開口部2とほぼ同じ大きさの開口が形成されている。
【0017】
保持部材3を開口部2に取り付けるには、先ず、保持部材3の挿通孔6に突起部5を挿通させる。次いで、抑え枠体7の凹部9に突起部5を嵌入する。このように、本実施形態では、保持部材3の取出部4を囲むように形成された複数の挿通孔6と、挿通孔6に挿通されて保持部材をケース本体に対して位置決めする複数の突起部5によって保持部材の移動を規制する位置決め機構14が構成される。これにより、保持部材3は、ロール状体Bを取出部4から引き出す際の位置ずれやケース本体1からの脱落を防止することが可能となる。
【0018】
さらに、保持部材3は、ケース本体1と抑え枠体7との間に挟まれ、開口部2に密着した状態で固定される。その状態でケース本体1の外面側から固定枠体8の係止片10を係止片用穴11に挿入し、係合片10の係合孔13を抑え枠体の凸部12に係合させる。これにより、ケース本体1から抑え枠体7が脱落することを防止することができる。上記構成によれば、保持部材3が経時劣化したときや、使用により摩耗したときに、新しい保持部材3に容易に交換することができる。
【0019】
図7及び
図8に示すように、袋体取出ケースのケース本体1は、上ケース1aと下ケース1bとからなり、ヒンジにより開閉可能とされる。
図8に示すように、ケース本体1を開いた状態でロール状体Bを収容し、ロール状体Bの外周端部を取出部に通した状態でケース本体1を閉じる。
【0020】
ケース本体を閉じた後は、
図7に示すように、取出部の軸方向Cに向かってロール状体Bを引っ張り、取出部4からミシン目b2が露出した後、取出部の軸方向Cから傾斜した方向(例えば、
図7の矢印Dで示す下向き方向)に引っ張ることにより、取出部4とロール状体Bとの間の摩擦抵抗が大きくなってミシン目b2に沿って袋体b1を切断することが可能となる。
【0021】
取出部4は、保持部材3に形成された直線状の切込みないしスリットとすることができる。取出部4の形状(取出部の隙間及び長さ)は、
図7に示すように、ロール状体Bを取出穴の軸方向Cに引っ張ったときには、取出部4とロール状体Bとの間に作用する摩擦力に抗して引き出し可能であるとともに、取出部4の軸方向Cから傾斜した方向に引っ張ったときは、ミシン目b2を破断可能な程度に取出部4とロール状体Bとの間の摩擦抵抗が大きくなるように調整される。
【0022】
上述のごとく、取出部4はロール状体Bの通過によって弾性変形可能であるとともに、適度な摩擦力を生じるものであることが必要とされる。具体的に、保持部材3の材料としては、ゴムやエラストマー等のゴム状弾性体を好適に用いることができる。
【0023】
保持部材3としては、適度な剛性と柔軟性とを備えていることが必要とされるため、厚みが1mm〜5mmのものを用いるのが好ましく、1mm〜3mmのものを用いるのがより好ましい。そして、取出部4として直線状の切込みを形成する場合、ロール状体Bの幅をWとしたときに取出部4の幅をW/3〜W/7の範囲内とするのが好ましい。
【0024】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。たとえば、本実施形態では、取出部4の形状が直線状の例について説明したが、これに限らず、たとえば、波形等の曲線状に形成してもよい。
【0025】
また、本実施形態では、突起部5はケース本体1の内面に形成されているが、抑え枠体7、すなわち、ケース本体1に固定可能であって、ケース本体1との間に保持部材3を挟持可能な部材に突起部5を形成し、ケース本体1の内面に凹部9を形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0026】
1 ケース本体
2 開口部
3 保持部材
4 取出部
5 突起部
6 挿通孔
7 抑え枠体
8 固定枠体
9 凹部
10 係止片
11 係止片用穴
12 凸部
13 係合孔
14 位置決め機構
B ロール状体
b1 袋体
b2 ミシン目