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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-131245(P2018-131245A)
(43)【公開日】2018年8月23日
(54)【発明の名称】カートン印字装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 61/02 20060101AFI20180727BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20180727BHJP
【FI】
   B65B61/02
   B41J2/01 305
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-27169(P2017-27169)
(22)【出願日】2017年2月16日
(71)【出願人】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092598
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 伸一
(72)【発明者】
【氏名】小坂 晃一
(72)【発明者】
【氏名】早川 智敬
【テーマコード(参考)】
2C056
3E056
【Fターム(参考)】
2C056EB12
2C056EB13
2C056EB36
2C056EB45
2C056EB46
2C056EC12
2C056EC13
2C056EC34
2C056EC37
2C056HA28
2C056HA29
2C056HA58
3E056AA07
3E056DA01
3E056EA08
3E056FA01
3E056GA01
3E056GA07
(57)【要約】
【課題】寸法形状が異なる多種多様なカートンであっても、カートンの印字箇所を印字装置の印字処理する箇所に搬送できるカートン印字装置を提供すること
【構成】 折り畳まれたカートンを搬送するカートン搬送装置12と、カートン搬送装置にカートンを供給するカートン供給装置11と、カートン搬送装置で搬送され、一時停止した状態のカートンに印字処理を行う印字装置13を備える。カートン搬送装置は、ダブルループ式で前後に配置される後方ガイド部材31と、前方ガイド部材32の間隔を変更可能となる。後方・前方ガイド部材の上方には、それぞれ相手に向けて突出する第一・第二浮き防止ガイド部31b・32bを有する。前後のガイド部材の間隔を広げてカートンを供給後、間隔を狭めてカートンを挟み込み、両浮き防止ガイド部がカートンの前後端が浮くのを抑止する。高速搬送しても挟んだ状態のまま移動し、印字位置で一時停止する。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳まれたカートンを搬送するカートン搬送装置と、
前記カートン搬送装置に前記カートンを供給するカートン供給装置と、
前記カートン搬送装置で搬送され、一時停止した状態の前記カートンに印字処理を行う印字装置と、を備え、
前記カートン搬送装置は、供給された前記カートンの後方に位置する後方ガイド部材と、前記カートンの前方に位置する前方ガイド部材を有し、
前記後方ガイド部材と前記前方ガイド部材は、それぞれ独立して回転する第一環状体と第二環状体に取り付けられ、それら第一環状体と第二環状体の回転に伴い前記カートンの搬送方向に沿って移動するように構成され、
前記後方ガイド部材は、その上方側に前方に突出する第一浮き防止ガイド部を有し、
前記前方ガイド部材は、その上方側に後方に突出する第二浮き防止ガイド部を有し、
前記カートン供給装置における前記カートンの供給は、前記後方ガイド部材と前記前方ガイド部材との間の間隔を広くした状態で行い、
前記後方ガイド部材と前記前方ガイド部材との間隔を狭くして前記カートンの前後端を挟み込むとともに、前記カートンの前後端の上方に前記第一浮き防止ガイド部と前記第二浮き防止ガイド部が位置する状態で搬送するようにし、
前記カートンの搬送方向に対して直交する方向の前記カートンの位置を規制する位置決め手段を備えたことを特徴とするカートン印字装置。
【請求項2】
前記位置決め手段は、前記搬送方向に対して直交する方向に前記カートンを付勢するプッシャー部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載のカートン印字装置。
【請求項3】
前記プッシャー部材が行う前記カートンを付勢する処理は、前記後方ガイド部材と前記前方ガイド部材が前記カートンを挟み込んだ状態で行われるように構成することを特徴とする請求項2に記載のカートン印字装置。
【請求項4】
前記第一環状体と前記第二環状体は、エンドレスベルトであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のカートン印字装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートン印字装置に関するもので、特に、折り畳まれた状態のカートンに印字処理を行う装置に関する。
【背景技術】
【0002】
折りたたまれたカートンに対して印字処理を行う装置としては、例えば、特許文献1に開示された捺印装置がある。この装置は、折り畳まれたカートンを上下に配置された複数のローラーで挟み込んで搬送し、捺印ローラーが配置されている捺印部を通過させることによって、カートンの表面にバーコード等の製品情報を捺印するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3422718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば医療用医薬品においては、取り違えによる医療事故の防止や、製造・流通から患者への使用までの流れを記録してトレーサビリティを確保することを目的として、個々の製品の他に、当該製品を収納する包装箱にもバーコードの表示が求められている。
【0005】
使用する包装箱は多種多様であり、折り畳まれたカートンの寸法形状も多岐にわたり、バーコードの印字位置も様々となる。そのため、特許文献1に開示された捺印装置では、多種多様のカートンにおけるバーコードの印字位置を適切に捺印部に搬送供給することができない場合が生じる。
【0006】
また、次世代バーコード規格として実用化が始まっているGS1データバーでは、例えば商品の消費期限、製造ロット、製造年月日等の属性情報を埋め込むため、商品の属性情報が決定した時点で速やかにGS1データバーを印刷する必要があるため、多品種少ロット対して迅速に対応する必要があり、特許文献1の捺印装置では対応できなくなる。
【0007】
多種多様のカートンでは、例えば厚さや重量が異なるものもあり、係るカートンを例えばフィンガーで押送したり、ベルトコンベアで搬送したりすると、特に高速搬送した場合にカートンの搬送姿勢が崩れたり、位置ずれしたりして、捺印装置におけるカートンの位置決め作業が繁雑となる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明のカートン印字装置は、(1)折り畳まれたカートンを搬送するカートン搬送装置と、前記カートン搬送装置に前記カートンを供給するカートン供給装置と、前記カートン搬送装置で搬送され、一時停止した状態の前記カートンに印字処理を行う印字装置と、を備え、前記カートン搬送装置は、供給された前記カートンの後方に位置する後方ガイド部材と、前記カートンの前方に位置する前方ガイド部材を有し、前記後方ガイド部材と前記前方ガイド部材は、それぞれ独立して回転する第一環状体と第二環状体に取り付けられ、それら第一環状体と第二環状体の回転に伴いカートンの搬送方向に沿って移動するように構成され、前記後方ガイド部材は、その上方側に前方に突出する第一浮き防止ガイド部を有し、前記前方ガイド部材は、その上方側に後方に突出する第二浮き防止ガイド部を有し、前記カートン供給装置における前記カートンの供給は、前記後方ガイド部材と前記前方ガイド部材との間の間隔を広くした状態で行い、前記後方ガイド部材と前記前方ガイド部材との間隔を狭くして前記カートンの前後端を挟み込むとともに、前記カートンの前後端の上方に前記第一浮き防止ガイド部と前記第二浮き防止ガイド部が位置する状態で搬送するようにし、前記カートンの搬送方向に対して直交する方向の前記カートンの位置を規制する位置決め手段を備えるようにした。
【0009】
本発明では、後方ガイド部材と前方ガイド部材との間の間隔を広くした状態で、カートンの供給を行う。すなわち、前方ガイド部材と後方ガイド部材は、それぞれ相手方に向けて突出する第一浮き防止ガイド部と第二浮き防止ガイド部を備えているため、少なくともその第一浮き防止ガイド部と第二浮き防止ガイド部の間隔がカートンの長さ以上になるように前方ガイド部材と後方ガイド部材との間隔を広くした状態にすることで、例えばカートン供給装置にてカートンを上方側から供給する際に、スムーズに行える。
【0010】
そして、カートンを供給したならば、後方ガイド部材と前方ガイド部材を相対的に前後進移動させ両者の間隔を狭め、カートンを前後から挟み込む。この挟み込みにより、カートンの前後端は、第二浮き防止ガイド部,第一浮き防止ガイド部の下に入り込むようになり、当該前後端が大きく上方に浮き上がるのが抑止される。
【0011】
次いで、前記前方ガイド部材と後方ガイド部材を同速度で移動することで、両者間でカートンを前後から挟み込んだ状態を維持しながらカートンを搬送する。このとき、上述したようにカートンの前後端は、それぞれ第二浮き防止ガイド部と第一浮き防止ガイド部にて浮き上がりが抑止されているので、例えば厚さや重量が異なるいずれのカートンであっても、高速搬送しても前端或いは後端が離脱することなく、挟み込んだ状態のままカートンを移動することができる。
【0012】
カートンを挟み込んだ後方ガイド部材と前方ガイド部材が所望の位置に至ると、一時停止する。この所望の位置は、カートン搬送装置におけるカートンの搬送方向に沿った前後位置は、挟み込まれたカートンの印字箇所が、印字装置における印字処理する位置(カートン搬送装置の搬送方向)に一致する位置である。これにより、前後方向の位置決めがなされる。そして、上述したように、カートンの供給後に前方ガイド部材と後方ガイド部材で挟み込んだならば、カートンの搬送姿勢が崩れないので、印字装置における印字処理位置では、所望位置で一時停止するだけで前後方向の再度の位置合わせ処理などが不要となる。
【0013】
さらに、第一環状体と第二環状体は独立して回転するため、両者を適宜に回転させることで後方ガイド部材と前方ガイド部材の間隔を任意に変更調整することができる。よって、寸法形状が異なる多種多様なカートンであっても、その前後を前方ガイド部材と後方ガイド部材で挟み込むことができ、当該各種のカートンのいずれでも、印字装置との関係で前後方向の所望位置にセットすることができる。
【0014】
さらに、搬送方向に対して直交する方向の位置調整は、位置決め手段を用いて行うことで行う。これにより、搬送方向に沿った前後方向と、それに対して直交する横方向の位置決めが行え、各種のカートンの印字箇所に対して適切に印字を行うことができる。
【0015】
(2)前記位置決め手段は、前記搬送方向に対して直交する方向に前記カートンを付勢するプッシャー部材を備えるとよい。このようにすると、プッシャー部材でカートンを押すことで、搬送方向に対して直交する方向にカートンを移動させ、カートンの印字箇所が、印字装置における印字位置に位置させ、位置決めが簡単確実に行える。
【0016】
(3)前記プッシャー部材が行う前記カートンを付勢する処理は、前記後方ガイド部材と前記前方ガイド部材が前記カートンを挟み込んだ状態で行われるように構成するとよい。このようにすると、プッシャー部材で付勢されてカートンが移動する際に、当該カートンが傾いたりすることなくまっすぐに移動できるので良い。
【0017】
(4)前記第一環状体と前記第二環状体は、エンドレスベルトとするとよい。このようにすると、第一環状体と第二環状体は、カートンの搬送面となり、その搬送面自体が移動するので、構成が簡単でスムーズにカートンを搬送できるので良い。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、寸法形状が異なる多種多様なカートンであっても、カートンの印字箇所を印字装置の印字位置に合わせて、印字処理をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係るカートン印字装置の好適な一実施形態を示す斜視図である。
図2】その正面図である。
図3】その平面図である。
図4図2におけるA−A線矢視断面図である。
図5図2におけるB−B線矢視断面図である。
図6図2におけるC−C線矢視断面図である。
図7】動作を説明する概略斜視図である。
図8】後方ガイド部材,前方ガイド部材並びにカートン供給処理を説明する図である。
図9】印字装置部分を示す斜視図である
図10】(a)は印字装置部分を示す正面図であり、(b)はその側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0021】
各図は、本発明に係るカートン印字装置の好適な一実施形態を示している。本実施形態のカートン印字装置10は、ホッパー式カートン供給装置11と、カートン搬送装置12と、印字装置13と、印字検査装置14と、不良品排出装置15と、良品搬送装置16を備えている。
【0022】
ホッパー式カートン供給装置11は、シート状に折り畳まれたカートン1を起立させた駒立て状態で貯留するホッパー部21と、そのホッパー部21に貯留された複数のカートン1の先頭から一枚ずつ取り出してカートン搬送装置12に供給するカートン取り出し装置22を備える。ホッパー部21は、カートン搬送装置12の手前側の上方に配置され、カートン搬送装置12側に向けて底面が下方傾斜状になっている。
【0023】
カートン取り出し装置22は、ロボットアーム23と、ロボットアーム23の先端に取り付けられた吸着ヘッド24を備える。ロボットアーム23は、カートン搬送装置12の手前側に起立した状態の第一姿勢と、カートン搬送装置12の上方で、カートン搬送装置12の搬送面と平行な状態で横たわる第二姿勢との間を交互に遷移すべく、90度の角度範囲で正逆回転する(図7等参照)。吸着ヘッド24は、カートン搬送装置12の搬送方向に沿って延びるベース板24aと、そのベース板24aの一面に搬送方向に沿って移動可能に取り付けた複数の連結板24cと、その連結板24cに取り付けた吸引ノズル24bを備える。各連結板24cと吸引ノズル24bは一体になって搬送方向に移動可能となり、カートン1の寸法形状にあわせて配置間隔を調整できるようにしている。また、連結板24cは、ベース板24aに対して交差する方向に延びるように取り付けられており、吸引ノズル24bは当該延びる方向に沿って連結板24cに対して移動可能に取り付けられる。ロボットアーム23が第一姿勢にあるとき、ベース板24aの一面はホッパー部21側に対向し、吸引ノズル24bは、ホッパー部21の先頭に位置するカートン1の表面に接触するとともに、吸着保持する。その吸着した状態を維持しながらロボットアーム23が回転して第二姿勢に至ると、吸着保持されたカートン1はカートン搬送装置12の搬送面上に位置する。よって、この状態で吸着ヘッド24の吸引を解除すると、カートン1は、吸引ノズル24bから離反し、カートン搬送装置12上に移し替えられる。なお、図示の便宜上、図7を除く各図においてカートン取り出し装置22は第一姿勢の状態のみを示しており、図7では吸着ヘッド24は第一姿勢に基づくホッパー部21に対向する状態と、第二姿勢に基づくカートン1をカートン搬送装置12に供給する状態を示している。
【0024】
カートン搬送装置12は、ダブルループ式のコンベアであり、搬送面を構成する3本のエンドレスベルトを備える。その3本のエンドレスベルトは、タイミングベルトであり、第一エンドレスベルト25と、その第一エンドレスベルト25の左右両側にそれぞれ配置された第二エンドレスベルト26であり、第一エンドレスベルト25と第二エンドレスベルト26は、それぞれ独立して回転駆動する。第一エンドレスベルト25は、前後に配置された第一駆動プーリ27,第一従動プーリ28間に掛け渡され、第一駆動モータの出力を受けて回転する第一駆動プーリ27に伴い回転駆動する。左右一対の第二エンドレスベルト26は、前後に配置された第二駆動プーリ29,第二従動プーリ30間に掛け渡され、第二駆動モータの出力を受けて回転する第二駆動プーリ29に伴い回転駆動する。左右一対の第二エンドレスベルト26は、一体になって移動する。さらに本実施形態では、第一エンドレスベルト25と第二エンドレスベルト26はともにタイミングベルトであり、各プーリも段付きプーリであるため、第一駆動プーリ27が正逆回転すると、それに追従して第一エンドレスベルト25も正逆回転する。第二駆動プーリ29が正逆回転すると、それに追従して第二エンドレスベルト26も正逆回転する。なお、本実施形態では、後述するように、第一エンドレスベルト25は逆回転することなく正方向に間欠駆動し、第二エンドレスベルト26は、正逆回転するとともに間欠駆動する。
【0025】
第一エンドレスベルト25には、カートン1の搬送方向後方側に位置する後方ガイド部材31が複数取り付けられる。具体的には、細長な後方ガイド部材31を、搬送方向に対して交差するように第一エンドレスベルト25,第二エンドレスベルト26上に配置するとともに、その後方ガイド部材31の長手方向中央部位にて、ボルトナット等の固定具を用いて固定される。よって、第一エンドレスベルト25の正回転に伴い後方ガイド部材31は前進移動する。
【0026】
後方ガイド部材31は、縦断面が略L字型であり、細長な矩形状の第一桟部31aと、その第一桟部31aの上方に位置し、前方に突出する第一浮き防止ガイド部31bを備える(図8参照)。第一桟部31aと第一浮き防止ガイド部31bは、別部材で構成しても良いし、同一部材で構成しても良い。
【0027】
第二エンドレスベルト26には、カートン1の搬送方向前方側に位置する前方ガイド部材32が複数取り付けられる。具体的には、細長な前方ガイド部材32を、搬送方向に対して交差するように第一エンドレスベルト25,第二エンドレスベルト26上に配置するとともに、前方ガイド部材32の長手方向左右両端部位にて、ボルトナット等の固定具を用いて固定される。よって、第二エンドレスベルト26の正逆回転に伴い前方ガイド部材32は前後進移動する。
【0028】
前方ガイド部材32は、縦断面が略L字型であり、細長な矩形状の第二桟部32aと、その第二桟部32aの上方に位置し、後方に突出する第二浮き防止ガイド部32bを備える(図8参照)。第二桟部32aと第二浮き防止ガイド部32bは、別部材で構成しても良いし、同一部材で構成しても良い。
【0029】
これにより、例えば第一駆動プーリ27と第二駆動プーリ29が同期して同速度で正方向に回転すると、後方ガイド部材31と前方ガイド部材32は、相対位置関係を保持した状態、すなわち、両者間の距離を保ちながら前進移動する。また、第一駆動プーリ27と第二駆動プーリ29の相対回転速度を変えると、後方ガイド部材31と前方ガイド部材32の距離が変化しながら後方ガイド部材31と前方ガイド部材32は移動する。さらにまた、第一駆動プーリ27と第二駆動プーリ29は、独立して回転するため、一方を一時停止し、他方のみを回転させる等、各種の動作を行える。
【0030】
第一駆動プーリ27と第二駆動プーリ29を適宜に動作させることで、後方ガイド部材31と前方ガイド部材32の間隔を任意の距離に設定可能となる。よって、折り畳んだ状態のカートン1の寸法形状が多岐にわたっても、上記の距離を調整することで後方ガイド部材31と前方ガイド部材32にてカートン1を前後から挟み込み位置決め等することが可能となる。つまり、カートン搬送装置12におけるカートン1の搬送方向に沿った前後位置は、後方ガイド部材31と前方ガイド部材32の一時停止する位置を適宜に設定することで、任意の位置に位置決めすることができる。
【0031】
そして本実施形態では、カートン取り出し装置22は、後方ガイド部材31と前方ガイド部材32との間に折り畳んだカートン1を供給し、カートン搬送装置12は、対となる後方ガイド部材31と前方ガイド部材32との間に位置した状態でカートン1を搬送する。より具体的には、後方ガイド部材31は、カートン搬送装置12へのカートン供給位置で一時停止し、その状態で前方ガイド部材32は前進移動し、対を構成する後方ガイド部材31の第一浮き防止ガイド部31bと、前方ガイド部材32の第二浮き防止ガイド部32bの間隔を、カートン1の前後長よりも広くしている(図8参照)。その状態でカートン取り出し装置22が、カートン1をカートン搬送装置12の搬送面を構成する第一エンドレスベルト25と第二エンドレスベルト26の上に供給する。
【0032】
そして、カートン搬送装置12上にカートン1が供給されたならば、前方ガイド部材32が後退移動して、後方ガイド部材31の第一桟部31aと前方ガイド部材32の第二桟部32aとの間の距離をカートン1の前後長と等しくする。これにより、カートン1の搬送方向の前側が前方ガイド部材32の第二桟部32aによって後方に付勢され、カートン1の後ろ側は第一浮き防止ガイド部31bの下に入り込むように移動し、カートン1の前後端は後方ガイド部材31の第一桟部31aと前方ガイド部材32の第二桟部32aとの間で挟み込まれ、カートン搬送装置12上における位置決めがなされる。また、このときカートン1の前後両端の上方には、第一浮き防止ガイド部31bと第二浮き防止ガイド部32bが位置している。よって、カートン1の上方への移動・浮き上がりが抑制される。
【0033】
この状態で、第一エンドレスベルト25,第二エンドレスベルト26とともに後方ガイド部材31,前方ガイド部材32が同速度で前進移動し、カートン1を印字装置13の印字ヘッド40の直下に搬送し、そこで一時停止する。この前進移動の際、カートン1は、第一エンドレスベルト25と第二エンドレスベルト26で下から支えられた状態で、前後が後方ガイド部材31と前方ガイド部材32とで保持された状態となるので、位置ずれ等起こすことなく安定した姿勢で搬送される。しかも、第一浮き防止ガイド部31bと第二浮き防止ガイド部32bによりカートン1の前後端の上方への持ち上がりが抑止されたため、カートン1の厚みや重量が多種あって搬送中は浮いたり、曲がったりしようとしても、カートン1の前後端を抑え込みながら搬送することができ、高速搬送が可能となる。そして一時停止した状態では、カートン1の印字箇所2が、印字装置13における印字ヘッド40と、カートン搬送装置12の搬送方向で一致するように制御する。
【0034】
一方、カートン搬送装置12の搬送方向に対して直交する方向のカートン1の印字箇所2の位置合わせは、カートン搬送装置12の奥側に配置される位置決めプッシャー装置35により行う。位置決めプッシャー装置35は、複数のプッシャー部材36と、そのプッシャー部材36をカートン搬送装置12の搬送方向に対して直交する方向に沿って往復移動させる駆動装置37を備える。複数のプッシャー部材36は、一端がプレート38に取り付けられていて、一体となって往復移動する。プレート38は、駆動装置37により往復動作するロッド37aの先端に取り付けられる。駆動装置37は、例えばシリンダなどにより構成する。そしてプッシャー部材36は、駆動装置37の駆動を受け、後退して待機する第一位置と、その第一位置からカートン搬送装置12の奥側の第二エンドレスベルト26に接近する第二位置との間を往復動作する。プッシャー部材36が第一位置にあるとき、プッシャー部材36の他端は、カートン搬送装置12上のカートン1に非接触の状態となる。そして、プッシャー部材36が第一位置から第二位置に向けて移動する途中でプッシャー部材36の他端はカートン1に接触し、当該カートン1をカートン搬送装置12の搬送方向に対して直交する方向に付勢し、当該方向に移動させる。そして、プッシャー部材36が第二位置に至ると、カートン1の印字箇所2が、印字装置13における印字ヘッド40の直下に位置し、カートン搬送装置12の搬送方向に対して直交する方向の位置決めが完了する。
【0035】
上述したプッシャー部材36によりカートン1を押し出す際に、本実施形態では、カートン1の搬送時に後方ガイド部材31と前方ガイド部材32がカートン1を前後から挟み込んだ状態を保持しているので、カートン1は、後方ガイド部材31と前方ガイド部材32に案内され、傾く等することなく、プッシャー部材36により付勢され、カートン搬送装置12における搬送方向に対して直交する方向に移動する。
【0036】
このように、後方ガイド部材31と前方ガイド部材32が所望の位置で一時停止した状態で、プッシャー部材36を第二位置に移動させることで、カートン1の印字箇所2を、印字装置13の印字ヘッド40に位置させることができる。そして、当該一時停止する位置や、第二位置の停止位置を調整することで、簡単かつ迅速に、寸法形状や印字箇所2が異なるカートン1に対する印字装置13への設定が行える。
【0037】
印字装置13は、インクジェットやレーザー式のプリンターであり、カートン1に収納する製品の使用期限、ロット番号、GS1データバーなどの情報を印字する。この印字装置13は移動機構42によりカートンの搬送方向に対して直交する方向に移動可能となっている。移動機構42のハンドル42aを正逆回転することで、印字装置13が往復移動する。カートンの搬送方向に沿った印字装置13の印字ヘッド40の位置は固定されており、カートンの搬送方向に対して直交する方向の印字ヘッド40の位置はハンドル操作により所望の位置に調整する構成となっている。このハンドル操作の調整により、プッシャー部材36が第二位置に至ったときのカートン1の印字箇所2が、印字ヘッド40に対向する。印字ヘッド40は、昇降する抑え板部材40aを備え、印字処理するに先立ち、抑え板部材40aが下降し、カートン1を上から軽く抑え、浮き上がりを防止する。
【0038】
印字検査装置14は、カートン1の印字箇所2に正しい情報が印字されているか否かを検査する。すなわち、印字検査装置14は、カメラ41を備え、当該カメラ41で印字箇所2を含む領域を撮影し、撮影した画像データに対して所定の画像認識処理を行い、印字内内容を検知する。例えば、印字されていなかったり、一部の文字が欠けていたり、間違った情報が印字されている場合、印字検査装置14は、不良品検出信号を出力する。
【0039】
不良品排出装置15は、印字検査装置14で不良品検出と判断されたカートン1を排出するものであり、カートン搬送装置12の手前側に配置されたエアジェット噴出装置(図示省略)と、そのエアジェット噴出装置から噴出されるエアで排出されたカートン1をカートン搬送装置12の手前側に導くシュートコンベア39を備える。シュートコンベア39に案内されて排出されてきた不良品のカートン1は、カートン搬送装置12の下方に設置された回収ボックス45内に収納される。
【0040】
良品搬送装置16は、ベルトコンベア装置である。良品搬送装置16は、カートン搬送装置12の下流側に配置され、その搬送方向はカートン搬送装置12の搬送方向に対して、直交方向に交差するようにしている。良品搬送装置16は、間欠的に搬送し、カートン搬送装置12から搬出されるカートン1を、一部が重なるように受けてサシミ状にして搬送する(図7参照)。
【0041】
上述した実施形態では、カートン1の搬送時に後方ガイド部材31と前方ガイド部材32をそれぞれカートン1の前後辺に接触させているため、一時停止により搬送方向に沿った前後方向の位置決めが行われるが、必ずしも搬送時ひいてはカートン供給時に後方ガイド部材31と前方ガイド部材32でカートン1を挟み込む必要は無く、搬送途中では後方ガイド部材31と前方ガイド部材32との間隔がカートン1の前後長よりも広い状態となっていても良い。係る場合、印字装置13の近くで一時停止した後方ガイド部材31の位置が、当該後方ガイド部材31にカートン1の後辺側を接触した場合にカートン1の印字箇所2が、印字装置13における印字ヘッド40と、カートン搬送装置12の搬送方向で一致するように制御する。そして、所定のタイミングで前方ガイド部材32が後退移動して後方ガイド部材31と前方ガイド部材32との間隔をカートン1の前後長の長さと等しくし、前後方向の位置決めを行うとよい。
【0042】
上述した実施形態では、カートン1の前後方向の位置決めは、後方ガイド部材31を基準とし、前方ガイド部材32が相対的に後退移動して後方ガイド部材31と前方ガイド部材32でカートン1を挟み込むようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、前方ガイド部材32を一時停止している状態で後方ガイド部材31を後退・前進移動させて前方ガイド部材32を基準としてもよい。
【0043】
上述した実施形態では、プッシャー部材36を往復移動させる駆動装置37をシリンダで構成し、その往復移動する距離が一定であり、印字装置13の印字ヘッド40の位置を搬送方向に対して直交する方向に移動させ調整するようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、例えば駆動装置37は、ロッド37aの移動距離を可変調整可能なものを用い、カートンの搬送方向及びそれと直交する方向の二次平面上での印字装置13の印字ヘッド40を固定したものでも良い。
【0044】
上述した実施形態では、第一環状体と第二環状体をともにエンドレスベルトを用いて構成し、環状体自体が移動する搬送面となり、カートンを搬送する機能を備えるようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、例えばエンドレスチェーンなどでもよい。その場合、固定プレートなどのカートンの搬送面を構成する部材を設け、後方に位置する後方ガイド部材がカートンを前方に搬送する。但し、実施例体のようにエンドレスベルトとした方が、構成が簡単になるとともにスムーズにカートンを搬送できるので良い。
【0045】
以上、本発明の様々な側面を実施形態並びに変形例を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や製法に限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。
【符号の説明】
【0046】
1 カートン
2 印字箇所
10 カートン印字装置
11 ホッパー式カートン供給装置
12 カートン搬送装置
13 印字装置
25 第一エンドレスベルト(第一環状体)
26 第二エンドレスベルト(第二環状体)
31 後方ガイド部材
31b 第一浮き防止ガイド部
32 前方ガイド部材
32b 第二浮き防止ガイド部
35 位置決めプッシャー装置
36 プッシャー部材
40 印字ヘッド
図1
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