特開2018-131768(P2018-131768A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東横エルメスの特許一覧 ▶ 鹿島建設株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2018131768-周面摩擦計 図000003
  • 特開2018131768-周面摩擦計 図000004
  • 特開2018131768-周面摩擦計 図000005
  • 特開2018131768-周面摩擦計 図000006
  • 特開2018131768-周面摩擦計 図000007
  • 特開2018131768-周面摩擦計 図000008
  • 特開2018131768-周面摩擦計 図000009
  • 特開2018131768-周面摩擦計 図000010
  • 特開2018131768-周面摩擦計 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-131768(P2018-131768A)
(43)【公開日】2018年8月23日
(54)【発明の名称】周面摩擦計
(51)【国際特許分類】
   E02D 23/08 20060101AFI20180727BHJP
【FI】
   E02D23/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-24822(P2017-24822)
(22)【出願日】2017年2月14日
(71)【出願人】
【識別番号】391005950
【氏名又は名称】株式会社東横エルメス
(71)【出願人】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】宮川 勝洋
(72)【発明者】
【氏名】峯尾 卓光
(72)【発明者】
【氏名】樋川 健次
(72)【発明者】
【氏名】高野 晶平
(72)【発明者】
【氏名】炭谷 直樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 敏之
(72)【発明者】
【氏名】坂梨 利男
(72)【発明者】
【氏名】杜若 善彦
(72)【発明者】
【氏名】田口 浩
(72)【発明者】
【氏名】笠井 一成
(57)【要約】      (修正有)
【課題】大深度においても摩擦力を正しく計測することができる、周面摩擦計を提供する。
【解決手段】構造物の周面に固定する上面開放の箱状の外枠1と、外枠1の上面に嵌合する内枠2と、外枠1の内部に配置し、内枠2に作用する摩擦力を検知する検知部と、からなり、内枠2に作用する外枠1下方への荷重を支持する荷重支持部4を外枠1内部に有する、周面摩擦計。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の周面に固定する上面開放の箱状の外枠と、
前記外枠の上面に嵌合する内枠と、
前記外枠の内部に配置し、前記内枠に作用する摩擦力を検知する検知部と、からなり、
前記内枠に作用する前記外枠下方への荷重を支持する荷重支持部を前記外枠内部に有する、周面摩擦計。
【請求項2】
請求項1に記載の周面摩擦計において、
前記荷重支持部は柱状または板状の鋼材からなり、前記内枠の底面と前記外枠の内底面との間に配置することを特徴とする、周面摩擦計。
【請求項3】
請求項2に記載の周面摩擦計において、前記荷重支持部は、一端を前記内枠の底面または前記外枠の内底面のいずれかに固定し、他端に緩衝材を貼付することを特徴とする、周面摩擦計。
【請求項4】
請求項1に記載の周面摩擦計において、
前記荷重支持部は球体であることを特徴とする、周面摩擦計。
【請求項5】
請求項1に記載の周面摩擦計において、
前記荷重支持部は弾性体であることを特徴とする、周面摩擦計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーソン周面と周面地盤の間の摩擦力を計測するための周面摩擦計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、地中に構造物を構築する際に、地上で構築したケーソンを地中に沈下させる工法が行われている。
このとき、ケーソンを精度良く沈設させるためには、ケーソン周面と周面地盤の間の摩擦力を計測する必要がある。
【0003】
摩擦力を計測するための周面摩擦計は、ケーソンに埋設して固定する外枠と、外枠に嵌合する内枠とからなり、内部に配置する板ばねを、連結材を介してロードセルと内枠に取り付けて構成する(図9)。
板ばねは両端を外枠に固定されており、内枠は板ばねにより支持される。
板ばねは内枠の変位に合わせて弾性変形するように、両端以外は外枠との間に隙間を設けて配置する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年は、大深度なケーソン工法が行われるようになってきており、大深度になると周面摩擦計にも大きな土圧が作用する。
内枠に作用する土圧が大きくなると、内枠を支える板ばねと外枠との間に隙間があるために板ばねが塑性変形してしまい、摩擦力を正しく計測できなくなってしまう。
【0005】
本発明は、大深度においても摩擦力を正しく計測することができる、周面摩擦計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本願の第1発明は、構造物の周面に固定する上面開放の箱状の外枠と、前記外枠の上面に嵌合する内枠と、前記外枠の内部に配置し、前記内枠に作用する摩擦力を検知する検知部と、からなり、前記内枠に作用する前記外枠下面方向への荷重を支持する荷重支持部を前記外枠内部に有する、周面摩擦計を提供する。
本願の第2発明は、第1発明の周面摩擦計において、前記荷重支持部は柱状または板状の鋼材からなり、前記内枠の底面と前記外枠の内底面との間に配置することを特徴とする、周面摩擦計を提供する。
本願の第3発明は、第2発明の周面摩擦計において、前記荷重支持部は、一端を前記内枠の底面または前記外枠の内底面のいずれかに固定し、他端に緩衝材を貼付することを特徴とする、周面摩擦計を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、上記した課題を解決するための手段により、次のような効果を得ることができる。
(1)荷重支持部により内枠に作用する外枠下面方への荷重を支持することにより、土圧による検知部の塑性変形が抑制される。
(2)検知部の塑性変形が抑制されるため、大きな土圧が作用する大深度なケーソン工法においても使用することができる。
(3)荷重支持部と内枠または外枠の接触面に緩衝材を貼付することにより、荷重支持部が内枠の水平方向への変位を阻害することがない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の周面摩擦計の説明図(1)
図2】本発明の周面摩擦計の説明図(2)
図3】本発明の周面摩擦計の説明図(3)
図4】本発明の周面摩擦計の説明図(4)
図5】実施例2にかかる周面摩擦計の説明図
図6】実施例3にかかる周面摩擦計の説明図(1)
図7】実施例3にかかる周面摩擦計の説明図(2)
図8】実施例4にかかる周面摩擦計の説明図
図9】従来の周面摩擦計の説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【実施例1】
【0010】
<1>周面摩擦計
本発明の周面摩擦計は、ケーソンなどの構造物Cの表面に固定し、構造物Cとその周面地盤との摩擦力を計測するものである。
本発明の土中土圧計は、構造物Cに固定する外枠1と、外枠1に嵌合する内枠2と、からなる(図1)。
外枠1は上面開放の箱状であり、構造物Cに埋設する。
内枠2は外枠1の開放された上面と略同寸法の平板であり、外枠1と嵌合して構造物2の表面と同一平面となる。
【0011】
<2>感度部
感度部3は、両端を外枠1に固定した2枚の板ばね31と、板ばね31と内枠2を連結する連結部32と、ロードセル33と、からなる。
内枠2に摩擦力が作用すると、摩擦力により内枠2が外枠1に対して変位し、その変位をロードセル33により検知することにより、摩擦力を計測する。
板ばね31は内枠2の変位に合わせて弾性変形するように、外枠1の内底面から浮かせた状態で両端部を外枠1に固定する。
【0012】
<3>荷重支持部
荷重支持部4は、内枠2に土圧が作用することにより生じる外枠1下面方向への荷重を支持する部材である。
本実施例における荷重支持部4は円柱状の鋼材であり、感度部3と干渉しない位置に均等に4つ分散して配置する。
荷重支持部4は外枠1の内底面と内枠2の底面の間隔とほぼ同じ高さであり、底面を外枠1の内底面に固定する。
荷重支持部4の上面と内枠2とは接触していてもよいし、板ばね31の弾性変形の範囲内であれば隙間があってもよい。
内枠2に土圧が作用して内枠2は外枠1内に移動して荷重支持部4の上面に接触すると、荷重支持部4で支持され、それ以上内枠2が押し込まれることがない。
これにより、板ばね31の塑性変形が抑止され、大きな土圧が作用する場合にも周面摩擦を計測することができる。
【0013】
<3.1>荷重支持部の形状
荷重支持部4は平板状の板体でもよいし(図2)、上下にフランジを設けた板体でもよい(図3)。
【0014】
<4>緩衝材
荷重支持部4の上面には緩衝材41を貼付してもよい。緩衝材41は、クロロプレン等のゴムやテフロン(登録商標)シート、テフロンテープが好適である。
荷重支持部4と内枠2の間に緩衝材41を配置することにより、内枠2が荷重支持部4に押し付けられて水平方向への変位が阻害されることがない。
また、荷重支持部4を内枠2の変位方向に連続する形状とし、上面にフラットローラー42を設けてもよい(図4)。
【0015】
上述の実施例では荷重支持部4を外枠1の内底面に固定したが、内枠2の底面に固定してもよい。このとき、緩衝材41は荷重支持部4と外枠1の間に配置する。
【実施例2】
【0016】
本実施例においては、荷重支持部4を球体とする(図5)。
荷重支持部4は、外枠1の内底面にリング状の台座43を固定し、台座43内で球状の荷重支持部4を保持する。
荷重支持部4は台座43内においては、自由に動くことができる。
【実施例3】
【0017】
本実施例においては、荷重支持部4を弾性体とし、コイルスプリング(図6)や、板ばね(図7)とする。板ばねの場合には外枠1の内底面に固定部44を形成して固定し、内枠2の底面側は摺動部45を形成して、板ばねの変形に合わせて摺動する。
【実施例4】
【0018】
本実施例においては、荷重支持部4を棒状とし、外枠1の内側面に固定して内枠2を支持する(図8)。
【符号の説明】
【0019】
1 外枠
2 内枠
3 感度部
31 板ばね
32 連結部
33 ロードセル
4 荷重支持部
41 緩衝材
42 フラットローラー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9