特開2018-132062(P2018-132062A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-132062(P2018-132062A)
(43)【公開日】2018年8月23日
(54)【発明の名称】流体分注装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 43/02 20060101AFI20180727BHJP
   F04B 43/04 20060101ALI20180727BHJP
   B41J 2/175 20060101ALN20180727BHJP
【FI】
   F04B43/02 D
   F04B43/04 A
   B41J2/175 121
   B41J2/175 501
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2018-23506(P2018-23506)
(22)【出願日】2018年2月13日
(31)【優先権主張番号】15/435,983
(32)【優先日】2017年2月17日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148460
【弁理士】
【氏名又は名称】小俣 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100168125
【弁理士】
【氏名又は名称】三藤 誠司
(72)【発明者】
【氏名】コンプリン・スティーブン アール.
【テーマコード(参考)】
2C056
3H077
【Fターム(参考)】
2C056EC07
2C056EC19
2C056EC20
2C056EC32
2C056KC14
2C056KC27
3H077AA01
3H077CC02
3H077CC09
3H077DD05
3H077EE34
3H077EE35
3H077FF02
3H077FF13
3H077FF32
(57)【要約】
【目的】製品表示等の外部の印や部品を装置に配置する際の選択肢を増やすことのできる改良された通気配列を有する流体分注装置を提供する。
【解決手段】流体分注装置は、リザーバ室および一次通気チャンバを有するよう構成されたケーシングと、リザーバ室と関連するよう構成された調整部材と、ケーシングの一端に配置され、且つケーシングに接続されるよう構成されたエンドキャップと、エンドキャップとケーシングの間の空隙を介して一次通気チャンバから大気に延伸するよう構成された通気路とを有する。
【選択図】図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リザーバ室および一次通気チャンバを有するよう構成されたケーシングと、
前記リザーバ室と関連するよう構成された調整部材と、
前記ケーシングの一端に配置され、且つ前記ケーシングに接続されるよう構成されたエンドキャップと、
前記エンドキャップと前記ケーシングの間の空隙を介して前記一次通気チャンバから前記大気に延伸するよう構成された通気路と、
を含むことを特徴とする流体分注装置。
【請求項2】
前記ケーシングが、本体および前記本体に取り付けられた蓋を含むよう構成され、前記本体が、前記リザーバ室を定義するよう構成された請求項1に記載の流体分注装置。
【請求項3】
前記一次通気チャンバが、前記調整部材および前記調整部材を覆うために配置された前記蓋に隣接して設置されるよう構成された請求項1または2に記載の流体分注装置。
【請求項4】
前記エンドキャップが、前記エンドキャップと前記本体および前記蓋のうちの少なくとも1つの間の二次通気チャンバを定義し、前記二次通気チャンバが、前記一次通気チャンバと前記大気の間の前記通気路内に挟まれた請求項2または3に記載の流体分注装置。
【請求項5】
前記通気路が、前記本体と前記蓋の間の前記空隙内に設置された通気路部を含むよう構成された請求項2〜4のいずれか1項に記載の流体分注装置。
【請求項6】
前記エンドキャップが、前記エンドキャップと前記本体および前記蓋のうちの少なくとも1つの間の二次通気チャンバを定義するよう構成され、前記通気路が、
前記蓋内に設置され、前記一次通気チャンバを前記二次通気チャンバに結合するよう構成された第1通気路部と、
前記エンドキャップと前記本体および前記蓋のうちの少なくとも1つの間の空隙内に設置され、前記第2通気チャンバを前記大気に結合するよう構成された第2通気路部と、
を含む請求項2〜4のいずれか1項に記載の流体分注装置。
【請求項7】
前記通気路が、
前記一次通気チャンバと直接に流体連通するよう構成された第1通気路部と、
前記本体および前記蓋のうちの少なくとも1つと前記エンドキャップの間の前記空隙を介して前記大気に延伸するよう構成され、前記第1通気路部と流体連通するよう構成された第2通気路部と、
を含むよう構成された請求項2または3に記載の流体分注装置。
【請求項8】
前記リザーバ室と流体連通して前記本体に取り付けられるよう構成された吐出チップをさらに含み、
前記エンドキャップが、前記吐出チップの反対側にある前記本体の一端に配置されるよう構成され、
前記通気路が、前記本体および前記蓋のうちの少なくとも1つと前記エンドキャップの間の空隙を介して前記大気に延伸する第2通気路部を含むよう構成された請求項2または3に記載の流体分注装置。
【請求項9】
前記通気路が、前記蓋と前記本体の間の前記空隙を介して延伸する第1通気路部を含むよう構成され、前記通気路が、前記調整部材および前記流体分注装置の外側の前記大気の両方と流体連通するよう構成された請求項2または3に記載の流体分注装置。
【請求項10】
前記通気路が、さらに、前記第2通気路部を介して前記第1通気路部から前記大気に延伸するよう構成され、前記通気路が、
前記本体と前記蓋の間の空隙内に設置され、前記一次通気チャンバを前記二次通気チャンバに結合する第1通気路部と、
前記エンドキャップと前記本体および前記蓋のうちの少なくとも1つの間の前記空隙内に設置され、前記第2通気チャンバを前記大気に結合するよう構成された第2通気路部と、
をさらに含むよう構成された請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体分注装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体分注装置に関するものであり、特に、背圧(backpressure)をコントロールするための背圧調整部材(backpressure regulation member)を有する微小流体分注装置等の流体分注装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一種の微小流体分注装置(例えば、インクジェットプリントヘッド等)は、背圧をコントロールするためのフォームやフェルト等の毛細管部材を含むよう設計される。この種のプリントヘッドは、フィルタと吐出装置の間に遊離液体のみが存在する。
【0003】
別の種類のプリントヘッドは、本分野において、遊離液体型プリントヘッドと称され、バネ式の可動壁を有し、プリントヘッドのノズルにおける背圧を維持する。一種のバネ式可動壁は、撓み変形可能なブラダ(bladder)を使用して、一体成形のバネおよび壁を作成する。ヒューレット・パッカード社(Hewlett-Packard Company)による初期のプリントヘッド設計は、蓋とインクを含む本体の間に配置された指貫形(thimble shaped)のブラダの形状をした円形の変形可能なゴム部分を使用する。指貫形のブラダは、プリントヘッドチップにインクを運ぶ時にブラダ材料を変形することによって、指貫形のブラダによって定義されるインク囲い(ink enclosure)内の背圧を維持する。指貫形のブラダが撓むと、その上に、すなわち、中心縦軸の周囲および内部に向かってしぼむ。
【0004】
プリントヘッド内の背圧を維持するために、通気孔を介して流体側の反対にある圧力調整部材の後ろ側を大気に通気させる。
【0005】
製品表示等の外部の印や部品を装置に配置する際の選択肢を増やすことのできる改良された通気配列(venting arrangement)を有する流体分注装置が本分野において必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、製品表示等の外部の印や部品を装置に配置する際の選択肢を増やすことのできる改良された通気配列を有する流体分注装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、1つの実施形態において、本発明は、リザーバ室および一次通気チャンバを有するよう構成されたケーシングと、リザーバ室と関連するよう構成された調整部材と、ケーシングの一端に配置され、且つケーシングに接続されるよう構成されたエンドキャップと、エンドキャップとケーシングの間の空隙を介して一次通気チャンバから大気に延伸するよう構成された通気路とを含むことを特徴とする流体分注装置を提供する。
【0008】
別の実施形態において、上記の流体分注装置に基づき、ケーシングは、本体および本体に取り付けられた蓋を含むよう構成され、本体は、リザーバ室を定義するよう構成される。
【0009】
別の実施形態において、上記の流体分注装置のうちの1つに基づき、一次通気チャンバは、調整部材および調整部材を覆うために配置された蓋に隣接して設置されるよう構成される。
【0010】
別の実施形態において、上記の流体分注装置のうちの1つに基づき、エンドキャップは、エンドキャップと本体および蓋のうちの少なくとも1つの間の二次通気チャンバを定義し、二次通気チャンバは、一次通気チャンバと大気の間の通気路内に挟まれる。
【0011】
別の実施形態において、上記の流体分注装置のうちの1つに基づき、通気路は、本体と蓋の間の空隙内に設置された通気路部を含むよう構成される。
【0012】
別の実施形態において、上記の流体分注装置のうちの1つに基づき、エンドキャップは、エンドキャップと本体および蓋のうちの少なくとも1つの間の二次通気チャンバを定義するよう構成される。通気路は、蓋内に設置され、一次通気チャンバを二次通気チャンバに結合するよう構成された第1通気路部と、エンドキャップと本体および蓋のうちの少なくとも1つの間の空隙内に設置され、第2通気チャンバを大気に結合するよう構成された第2通気路部とを含む。
【0013】
別の実施形態において、上記の流体分注装置のうちの1つに基づき、通気路は、一次通気チャンバと直接に流体連通するよう構成された第1通気路部と、本体および蓋のうちの少なくとも1つとエンドキャップの間の空隙を介して大気に延伸するよう構成された第2通気路部とを含むよう構成され、第2通気路部は、第1通気路部と流体連通するよう構成される。
【0014】
別の実施形態において、上記の流体分注装置のうちの1つに基づき、流体分注装置は、さらに、リザーバ室と流体連通して本体に取り付けられるよう構成された吐出チップを含む。エンドキャップは、吐出チップの反対側にある本体の一端に配置されるよう構成され、通気路は、本体および蓋のうちの少なくとも1つとエンドキャップの間の空隙を介して大気に延伸する第2通気路部を含むよう構成される。
【0015】
別の実施形態において、上記の流体分注装置のうちの1つに基づき、通気路は、蓋と本体の間の空隙を介して延伸する第1通気路部を含むよう構成され、通気路は、調整部材および流体分注装置の外側の大気の両方と流体連通するよう構成される。
【0016】
別の実施形態において、上記の流体分注装置のうちの1つに基づき、通気路は、さらに、第2通気路部を介して第1通気路部から大気に延伸するよう構成され、通気路は、本体と蓋の間の空隙内に設置され、一次通気チャンバを二次通気チャンバに結合する第1通気路部と;エンドキャップと本体および蓋のうちの少なくとも1つの間の空隙内に設置され、第2通気チャンバを大気に結合するよう構成された第2通気路部とをさらに含むよう構成される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
添付図面は、本発明の原理がさらに理解されるために含まれており、本明細書に組み込まれかつその一部を構成するものである。図面は、本発明の実施形態を例示しており、説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たしている。
図1】外部磁場発生装置を含む環境において、本発明に係る微小流体分注装置の1つの実施形態の斜視図である。
図2図1の微小流体分注装置の別の斜視図である。
図3図1および図2の微小流体分注装置の平面正射図である。
図4図1および図2の微小流体分注装置の側面正射図である。
図5図1および図2の微小流体分注装置の端面正射図である。
図6】吐出チップに向かう方向に本体のチャンバを見るために配向された図1および図2の微小流体分注装置の拡大斜視図である。
図7】吐出チップから離れる方向に見るために配向された図1および図2の微小流体分注装置の別の拡大斜視図である。
図8図5の線8−8に沿った図1の微小流体分注装置の断面図である。
図9図5の線9−9に沿った図1の微小流体分注装置の断面図である。
図10】本体/ダイアフラムアセンブリを露出するためにエンドキャップおよび蓋を取り除いた図1の微小流体分注装置の斜視図である。
図11】第1および第2平面、および流体吐出方向に関して、本体に含まれるガイド部および撹拌子を露出するためにダイアフラムを取り除いた図10の図説の斜視図である。
図12】本体のベース壁に向かってチャンバの本体への方向に見た時の図11の本体/ガイド部/撹拌子の配置の正射図である。
図13】外壁および本体の開口に向かう方向に見た時のガイド部および撹拌子を含む図11の本体の正射端面図である。
図14図13の線14−14に沿った図12および図13の本体/ガイド部/撹拌子の配置の断面図である。
図15図13の線15−15に沿った図12および図13の本体/ガイド部/撹拌子の配置の拡大断面図である。
図16】本体のチャンバ内に存在する撹拌子を露出するためにガイド部を取り除いた図12の記述の拡大図である。
図17】本体の上に配置されるダイアフラムの上面図を示すためにエンドキャップおよび蓋を取り除いた図10の斜視図に対応する図1の流体分注装置の上面図である。
図18図17のダイアフラムの底面斜視部である。
図19図17および図18のダイアフラムの底面図である。
図20図6図9の蓋の底面斜視図である。
図21図6図9および図20の蓋の底面図である。
図22図3の線22−22に沿った図1の微小流体分注装置の断面図である。
図23図22の断面図の一部を拡大したものである。
図24】本発明の別の実施形態に係る微小流体分注装置の斜視図である。
図25図24の微小流体分注装置の正射図である。
図26図24の微小流体分注装置の斜視図に対応するエンドキャップを取り除いた斜視図である。
図27図24の微小流体分注装置の斜視図に対応する蓋から分離されたエンドキャップおよびカバー部材を示した斜視図である。
図28図24の微小流体分注装置の斜視図に対応する本体から分離されたエンドキャップ、カバー部材、蓋、および毛細管部材を示した拡大斜視図である。
図29図25の線29−29に沿った図24の微小流体分注装置の断面図である。
図30図29の断面図の一部の拡大図である。
【0018】
図面のいくつかの図にわたり、対応する参照符号は、対応する構成要素を示す。ここに記載されている例証は、本発明の実施形態を示すものであり、このような例証は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、図面を参照すると、より具体的には、図1図16は、流体分注装置を示したものであり、本例においては、本発明の1つの実施形態に係る微小流体分注装置110を示したものである。
【0020】
図1図5を参照すると、微小流体分注装置110は、通常、筐体112と、テープ自動ボンディング(tape automated bonding, TAB)回路114とを含む。微小流体分注装置110は、流体含有粒子材料等の流体の供給を含むよう構成され、TAB回路114は、筐体112からの流体の吐出を容易にするよう構成される。流体は、例えば、化粧品、潤滑剤、ペンキ、インク等であってもよい。
【0021】
また、図6および図7を参照すると、TAB回路114は、吐出チップ118が機械的および電気的に接続されたフレックス(flex)回路116を含む。フレックス回路116は、インクジェットプリンタ等の電気ドライバ装置(図示せず)に電気接続を提供し、吐出チップ118を操作して筐体112内に収容された流体を吐出するよう構成される。本実施形態において、吐出チップ118は、通常、本分野において周知のノズルプレート層およびシリコン層として形成される平面範囲を有する板状構造として構成される。吐出チップ118のノズルプレート層は、流体吐出方向120−1が吐出チップ118の平面範囲に対して実質的に直交するよう配向された複数の吐出ノズル120を有する。吐出チップ118のシリコン層において、各吐出ノズル120と関連するものは、電気ヒーター(熱)または圧電(電気機械)装置等の吐出機構である。このような吐出チップ118およびドライバの操作は、インクジェット印刷等の微小流体吐出分野において周知である。
【0022】
ここで使用したように、実質的に直交する、および実質的に垂直なという用語は、それぞれ2つの素子間の角度関係が90度±10度であることを意味するものと定義される。実質的に平行なという用語は、2つの素子間の角度関係が0度±10度であることを意味するものと定義される。
【0023】
図6および図7に最も良く示すように、筐体112は、本体122と、蓋124と、エンドキャップ(end cap)126と、注入栓128(例えば、ボール)とを含む。筐体112内には、ダイアフラム130、撹拌子132、およびガイド部134が収容される。筐体112の構成部品、撹拌子132、およびガイド部134のそれぞれは、成形工程を使用して、プラスチックで作られる。ダイアフラム130は、適切な成形工程を使用して、ゴムまたは熱可塑性エラストマー(thermoplastic elastomer, TPE)等のエラストマー材料で作られる。また、本実施形態において、注入栓128は、ステンレス鋼ボールベアリング(ball bearing)の形状であってもよい。
【0024】
また、図8および図9を参照すると、一般的に、流体(図示せず)は、本体122内の充填孔(fill hole)122−1(図6を参照)を介して密封領域、すなわち、本体122とダイアフラム130の間にある流体リザーバ136に運ばれる。流体リザーバ136内の背圧を設定した後、注入栓128を充填孔122−1に挿入する(例えば、押圧する)ことによって背圧を維持し、空気が流体リザーバ136に浸み込む、あるいは流体リザーバ136から漏れ出るのを防ぐ。その後、エンドキャップ126を吐出チップ118の反対側にある本体122/蓋124の結合の端部に配置する。撹拌子132は、流体を収容する本体122とダイアフラム130の間の密封された流体リザーバ136内に存在する。撹拌子132を回転させて流体リザーバ136内に内部流体流動を生成することによって、流体リザーバ136の密封領域内に流体混合および微粒子の再配分を提供することができる。
【0025】
また、図10図16を参照すると、筐体112の本体122は、ベース壁138、およびベース壁138と隣接する外周壁140を有する。外周壁140は、ベース壁138からベース壁138に対して実質的に直交する方向に延伸するよう配向される。蓋124は、外周壁140を係合するよう構成される。そのため、外周壁140は、ベース壁138と蓋124の間に挟まれ、蓋124は、溶接、接着、またはスナップフィット(snap fit)やネジユニオン(threaded union)等の他の締結機構により、外周壁140の開放自由端に取り付けられる。蓋124は、本体122内にダイアフラム130、撹拌子132、およびガイド部134を設置した後、本体122に取り付けられる。
【0026】
本体122の外周壁140は、外周壁140の隣接部分である外壁140−1を含む。外壁140−1は、平面142(図11および図12を参照)を定義するチップ取り付け面140−2を有し、且つ外壁140−1の厚さを通過するチップ取り付け面140−2に隣接する流体開口140−3を有する。吐出チップ118は、例えば、粘着シールストリップ144(図6および図7を参照)によりチップ取り付け面140−2に取り付けられ、外壁140−1の流体開口140−3(図13を参照)と流体連通している。そのため、吐出チップ118の平面範囲は、平面142に沿って配向され、複数の吐出ノズル120は、流体吐出方向120−1が平面142に対して実質的に直交するよう配向される。ベース壁138は、外壁140−1の平面142に対して実質的に直交する平面146(図11を参照)に沿って配向される。図6図15、および図16に最も良く示すように、ベース壁138は、撹拌子132の所望の位置の周辺に、円形凹部領域138−1を含んでもよい。
【0027】
図11図16を参照すると、筐体112の本体122は、また、外周壁140により定義される境界内に設置されたチャンバ148を含む。チャンバ148は、流体リザーバ136の一部を形成し、内部空間を定義するよう構成され、具体的には、ベース壁138を含み、丸い角を有するよう構成された内周壁150を有するため、チャンバ148内の流体流動を促進する。チャンバ148の内周壁150は、近位端150−1および遠心端150−2により区切られた範囲を有する。近位端150−1は、ベース壁138と隣接し、且つベース壁138と推移径(transition radius)を形成することができる。このような刃半径(edge radius)は、鋭い角の数を減らすことによって、混合効力に役に立つ。遠心端150−2は、チャンバ148の側面開口148−1において周縁端面150−3を定義するよう構成される。周縁端面150−3は、図に示すように、単一の周縁リブ、あるいは複数の周縁リブまたはうねり(undulation)を含み、ダイアフラム130と係合するための有効な密封面を提供してもよい。チャンバ148の内周壁150の範囲は、ベース壁138に対して実質的に直交し、且つ外周壁140(図6を参照)の対応する範囲に対して実質的に平行である。
【0028】
図15および図16に最も良く示すように、チャンバ148は、流体吸入口152および流体排出口154を有し、それぞれ内周壁150の一部の中に形成される。「入口(inlet)」および「出口(outlet)」という用語は、本実施形態の複数のポート間の区別に使用する場合に便利な用語であり、撹拌子132の特定の回転方向と相互に関係がある。しかしながら、理解すべきこととして、特定のポートが吸入口として機能するか、排出口として機能するかを決定するのは、撹拌子132の回転方向であり、撹拌子132の回転方向を反転し、それゆえにチャンバ148内の各ポートの役割が逆になることは、本発明の範囲内である。
【0029】
流体吸入口152は、内周壁150の一部に沿って流体排出口154から少し離れる。図15および図16に最も良く示すように、合わせて考慮すると、筐体112の本体122は、チャンバ148の内周壁150の一部と吐出チップ118を運ぶ外周壁140の外壁140−1の間に挟まれた流路156を含む。
【0030】
流路156は、吐出チップ118の流域内の微粒子の沈殿を最小化するよう構成される。流路156は、例えば、経験的データを用いて、所望の流動率を提供し、同時に、流路156を流れる流体混合に対して許容範囲の流量速度(fluid velocity)を維持する大きさに形成される。
【0031】
本実施形態において、図15を参照すると、流路156は、チャネル入口156−1およびチャネル出口156−2を有するU字型に延長した通路として構成される。流路156の大きさ、例えば、高さと幅、および形状は、流体流動と流量速度の所望の組み合わせを提供して、チャネル内撹拌を容易にするために選択される。
【0032】
流路156は、チャンバ148の流体排出口154と流体連通しているチャンバ148の流体吸入口152を接続し、且つチャンバ148の流体吸入口152および流体排出口154の両方と流体連通している外周壁140の外壁140−1の流体開口140−3も接続するよう構成される。具体的には、流路156のチャネル入口156−1は、チャンバ148の流体吸入口152に隣接して設置され、流路156のチャネル出口156−2は、チャンバ148の流体排出口154に隣接して設置される。本実施形態において、チャンバ148の流体吸入口152および流体排出口154の構造は、対称である。
【0033】
流路156は、チャネル入口156−1とチャネル出口156−2の間に配置された凸状弓形壁156−3を有し、流路156は、チャネル中心点158に関して対称である。同様に、流路156の凸状弓形壁156−3は、チャンバ148の内部空間から内周壁150の反対側にあるチャンバ148の流体吸入口152と流体排出口154の間に配置され、凸状弓形壁156−3は、外壁140−1の流体開口140−3および吐出チップ118に面するよう配置される。
【0034】
凸状弓形壁156−3は、吐出チップ118に対して実質的に平行な流路156を流れる流体流動を生成するよう構成される。本実施形態において、凸状弓形壁156−3の縦方向範囲(longitudinal extent)は、流体開口140−3に面し、且つ吐出チップ118に対して実質的に平行な半径を有し、チャネル入口156−1およびチャネル出口156−2にそれぞれ隣接して設置された推移径156−4、156−5を有する。凸状弓形壁156−3の半径および推移径156−4、156−5は、流体流動効率に役に立つ。凸状弓形壁156−3と吐出チップ118の間の距離は、チャネル中心点158において最も狭く、吐出チップ118の縦方向範囲の中心点と一致し、同様に、外壁140−1の流体開口140−3の縦方向範囲の中心点と一致する。
【0035】
チャンバ148の流体吸入口152および流体排出口154のそれぞれは、流体吸入口152および流体排出口154のそれぞれが流路156に向かう各方向に集まるよう構成された傾斜ランプ構造を有する。具体的に説明すると、チャンバ148の流体吸入口152は、流体吸入口152が流路156のチャネル入口156−1に向かう方向に集まる、すなわち細くなる傾斜入口ランプ152−1を有し、チャンバ148の流体排出口154は、流路156のチャネル出口156−2から離れる方向に広がる、すなわち広くなる傾斜出口ランプ154−1を有する。
【0036】
図6図10を再度参照すると、ダイアフラム130は、蓋124とチャンバ148の内周壁150の周縁端面150−3の間に配置される。蓋124を本体122に取り付けてダイアフラム130の周辺を圧縮することにより、ダイアフラム130と本体122の間に連続シール(continuous seal)を形成する。さらに具体的に説明すると、ダイアフラム130は、流体リザーバ136を形成する際に、チャンバ148の内周壁150の周縁端面150−3とシール係合するよう構成される。そのため、チャンバ148とダイアフラム130を組み合わせて、可変容量を有する流体リザーバ136を定義する。
【0037】
特に、図1図6、および図7を参照すると、ダイアフラム130の外表面は、蓋124の中に設置された通気孔124−1を介して大気に通気されるため、制御された負圧を流体リザーバ136内で維持することができる。ダイアフラム130は、ゴムで作られ、微小流体分注装置110から流体を使い果たした時にベース壁138に向かってしぼむよう構成されたドーム部130−1を含み、チャンバ148内で所望の負圧(すなわち、背圧)を維持するため、流体リザーバ136の可変容量の有効体積を変化させる。ここで、用語「しぼむ(collapse)」とは、つぶれる(buckle)、垂れ下がる(sag)、または撓む(deflect)ことにより中へ落ちることを意味する。
【0038】
図8および図9を参照すると、さらなる説明の目的で、以下、流体リザーバ136の可変容量(ここでは、バルク領域とも称す)は、近位連続1/3容積部136−1、および中心連続1/3容積部136−2および遠位連続1/3容積部136−3から形成された連続2/3容積部136−4を有するとみなされ、中心連続1/3容積部136−2は、近位連続1/3容積部136−1を遠位連続1/3容積部136−3から分離する。近位連続1/3容積部136−1は、中心連続1/3容積部136−2および遠位連続1/3容積部136−3から形成された連続2/3容積部136−4よりも吐出チップ118の近くに設置される。
【0039】
図6図9、および図16を参照すると、撹拌子132は、流体リザーバ136の可変容積およびチャンバ148の中に存在し、チャンバ148の内周壁150によって定義される境界内に設置される。撹拌子132は、回転軸160、および回転軸160から離れる方向に放射状に延伸する複数のパドル132−1、132−2、132−3、132−4を有する。撹拌子132は、外部磁場発生装置164(図1を参照)との相互作用により撹拌子132を駆動して回転軸160の周りを回転させるよう構成された磁石162(図8を参照)、例えば、永久磁石を有する。撹拌子132の回転原理は、外部磁場発生装置164により生成された十分強い外部磁場に磁石162を並べてから、制御された方式で外部磁場発生装置164により生成された外部磁場を回転させて、撹拌子132を回転するという原理である。外部磁場発生装置164により生成された外部磁場は、ステッパモータ(stepper motor)の操作と同様に電気的に回転させてもよく、あるいは回転シャフトを介して回転させてもよい。そのため、撹拌子132は、回転軸160を回る撹拌子132の回転によって、流体リザーバ136に流体混合を提供する効力がある。
【0040】
バルク領域における流体混合は、撹拌子132の回転によって生じる流量速度に依存し、微粒子の沈殿した境界層において剪断応力(shear stress)を生成する。剪断応力が臨界剪断応力(経験的に決定される)よりも大きく、粒子移動を開始した時、沈殿した粒子が移動中の流体内に分配されるため、再混合が起こる。剪断応力は、粘度、粒子サイズ、および密度等の流体パラメータと、容器の形状、撹拌子132の幾何学的配置、移動中の表面と静止した表面の間の流体厚、および回転速度等の機械的設計要因の両方に依拠する。
【0041】
また、流体領域内で、例えば、吐出チップ118と関連する近位連続1/3容積部136−1および流路156内で、撹拌子132を回転させて流体流動を生成することによって、混合されたバルク流体が吐出チップ118に提供されてノズル吐出を行うことを確実にするとともに、吐出チップ118に隣接する流体を流体リザーバ136のバルク領域に移動させて、流路156を流れるチャネル流体が流体リザーバ136のバルク流体と混合することを確実にすることにより、より均一な混合をもたらす。この流動は、主に、天然分布であるが、流量速度が臨界値以上の剪断応力を生成するのに十分である場合は、多少の混合が生じる。
【0042】
撹拌子132は、主に、部分的トロイダル(toroidal)流れパターンのように中心リターンパス(return pass)を持ついくつかの軸流によって、撹拌子132の回転軸160と関連する中心領域を回る流体の旋回流を引き起こす。
【0043】
図16を参照すると、撹拌子132の複数のパドル132−1、132−2、132−3、132−4の各パドルは、各自由端頂点132−5を有する。回転抗力を減らすため、各パドルは、上下対称対の面取り面(chamfered surface)を含み、撹拌子132の回転方向160−1に対して先頭傾斜面132−6および後端傾斜面132−7を形成してもよい。撹拌子132の複数のパドル132−1、132−2、132−3、132−4のそれぞれが錠剤または円筒形状を有することも考慮される。本実施形態において、撹拌子132は、2対の正反対向きのパドルを有し、正反対向きのパドルのうちの第1パドルは、第1自由端頂点132−5を有し、正反対向きのパドルのうちの第2パドルは、第2自由端頂点132−5を有する。
【0044】
本実施形態において、2対の正反対向きのパドルを形成する4つのパドルは、回転軸160の周りを90度単位で均等に間隔をあける。しかしながら、撹拌子132のパドルの実際の数は、2つ、またはそれ以上であり、好ましくは、3つまたは4つであり、さらに好ましくは、4つであり、各隣接する対のパドルは、回転軸160の周りに同じ角度間隔を有する。例えば、3つのパドルを有する撹拌子132の形状は、120度のパドル間隔を有し、4つのパドルを有するものは、90度のパドル間隔を有する。
【0045】
本実施形態において、流体リザーバ136の可変容積は、上述した近位連続1/3容積部136−1と連続2/3容積部136−4に分割され、近位連続1/3容積部136−1は、連続2/3容積部136−4よりも吐出チップ118の近くに設置されるため、撹拌子132の回転軸160は、吐出チップ118に近い近位連続1/3容積部136−1の中に設置されてもよい。言い換えれば、ガイド部134は、流体開口140−3に最も近いチャンバ148の内部空間の容積の1/3を構成するチャンバ148の内部空間の一部に撹拌子132の回転軸160を配置するよう構成される。
【0046】
図11を再度参照すると、撹拌子132の回転軸160は、流体吐出方向120−1に対して、±45度、垂直の角度範囲内に配向される。言い換えれば、撹拌子132の回転軸160は、吐出チップ118の平面範囲(例えば、平面142)に対して、±45度、平行の角度範囲内に配向される。組み合わせると、撹拌子132の回転軸160は、流体吐出方向120−1に対して、±45度、垂直の角度範囲と、吐出チップ118の平面範囲に対して、±45度、平行の角度範囲の両方に配向される。
【0047】
より好ましくは、回転軸160は、流体吐出方向120−1に対して実質的に垂直な配向性を有するため、撹拌子132の回転軸160は、吐出チップ118の平面142、すなわち、平面範囲に対して実質的に平行であり、且つベース壁138の平面146に対して実質的に垂直な配向性を有する。また、本実施形態において、撹拌子132の回転軸160は、回転軸160の周りの全ての配向においてベース壁138の平面146に対して実質的に垂直であり、且つ流体吐出方向120−1に対して実質的に垂直な配向性を有する。
【0048】
図6図9図11および図12を参照すると、撹拌子132の配向は、上述したように、ガイド部134により達成され、ガイド部134は、流体リザーバ136(図8および図9を参照)の可変容積内のチャンバ148内に設置され、より具体的には、チャンバ148の内周壁150によって定義される境界内に設置される。ガイド部134は、所定の配向でチャンバ148の内部空間の所定の部分に撹拌子132を閉じ込め、同時に、流路156のチャネル入口156−1に向かって撹拌子132から回転流体流動を分裂させて向け直すよう構成される。返流側において、ガイド部134は、流体リザーバ136のバルク領域にある流路156のチャネル出口156−2から受け取った旋回流を再結合するのに役立つ。
【0049】
例えば、ガイド部134は、吐出チップ118の平面範囲に対して、±45度、平行の角度範囲内で撹拌子132の回転軸160を配置するよう構成される。より好ましくは、ガイド部134は、吐出チップ118の平面範囲に対して実質的に平行な撹拌子132の回転軸160を配置するよう構成される。本実施形態において、ガイド部134は、撹拌子132の回転軸160の配向が吐出チップ118の平面範囲に対して実質的に平行に、且つ回転軸160を回る全ての配向においてベース壁138の平面146に対して実質的に垂直になるように配置および維持するよう構成される。
【0050】
ガイド部134は、環状部材166と、複数の位置決め特徴168−1、168−2と、オフセット部材170、172と、籠構造174とを含む。複数の位置決め特徴168−1、168−2は、オフセット部材170、172から環状部材166の反対側に配置され、且つダイアフラム130によって係合されるよう配置されるため、オフセット部材170、172をベース壁138と接触した状態に保つ。オフセット部材170、172は、流体リザーバ136内にガイド部134の軸位置(撹拌子132の回転軸160に対する)を維持する。オフセット部材172は、本体122を係合する保持特徴部172−1を含み、流体リザーバ136内のガイド部134の横方向へのずれを防ぐ。
【0051】
図6および図7を再度参照すると、ガイド部134の環状部材166は、第1環状面166−1と、第2環状面166−2と、環状閉じ込め面166−4を定義する開口166−3とを含む。環状部材166の開口166−3は、中心軸176を有する。環状閉じ込め面166−4は、中心軸176に対して撹拌子132の半径方向運動を制限するよう構成される。第2環状面166−2は、第1環状面166−1の反対側にあり、第1環状面166−1は、環状閉じ込め面166−4によって第2環状面166−2から分離される。また、図9を参照すると、環状部材166の第1環状面166−1は、流体吸入口152および流体排出口154の上とこれらの間において、連続した天井としても機能する。複数のオフセット部材170、172は、環状部材166に結合され、さらに具体的に説明すると、複数のオフセット部材170、172は、環状部材166の第1環状面166−1に結合される。複数のオフセット部材170、172は、中心軸176に対して第1軸方向に向かって環状部材166から延伸するよう配置される。複数のオフセット部材170、172のそれぞれは、チャンバ148のベース壁138を係合するよう構成された自由端を有し、ベース壁138から環状部材166のアキシャルオフセット(axial offset)を確立する。オフセット部材172は、また、流路156の流量バイパスを防ぐ目的で配置および構成される。
【0052】
複数のオフセット部材170、172は、環状部材166に結合され、さらに具体的に説明すると、複数のオフセット部材170、172は、環状部材166の第2環状面166−2に結合される。複数のオフセット部材170、172は、中心軸176に対して第1軸方向とは反対の第2軸方向に向かって環状部材166から延伸するよう配置される。
【0053】
そのため、組み立てた時、複数の位置決め特徴168−1、168−2のそれぞれは、ダイアフラム130の周辺部を係合する自由端を有し、複数のオフセット部材170、172のそれぞれは、ベース壁138を係合する自由端を有する。
【0054】
ガイド部134の籠構造174は、複数のオフセット部材170、172の反対側にある環状部材166に結合され、さらに具体的に説明すると、籠構造174は、環状部材166の第2環状面166−2に結合された複数のオフセット脚部178を有する。籠構造174は、第1軸方向とは反対の第2軸方向に向かって環状部材166から複数のオフセット脚部178(3つを図示する)により軸方向に変位した軸拘束部180を有する。図12に示すように、軸拘束部180は、環状部材166内の開口166−3の少なくとも一部の上に配置され、第2軸方向における中心軸176に対する撹拌子132の軸方向運動を制限する。籠構造174は、流体リザーバ136から流体を使い果たしてダイアフラムが変位した(つぶれた)時にダイアフラム130が撹拌子132に接触しないようにするためにも使用される。
【0055】
このように、本実施形態において、撹拌子132は、環状部材166の開口166−3および環状閉じ込め面166−4によって定義される領域内、および籠構造174の軸拘束部180とチャンバ148のベース壁138の間に閉じ込められる。撹拌子132が流体リザーバ136内で移動可能な範囲は、径方向の環状閉じ込め面166−4と撹拌子132の間に提供される半径方向公差(radial tolerance)、およびベース壁138と軸拘束部180の組み合わせにより提供される撹拌子132と軸方向リミット(axial limit)の間の軸方向交差(axial tolerance)により決定される。例えば、ガイド部134により提供される半径方向および軸方向の交差が厳しいほど、ベース壁138に対する垂線からの撹拌子132の回転軸160の変動が少なく、且つ流体リザーバ136内の撹拌子132の左右の動きが少ない。
【0056】
本実施形態において、ガイド部134は、筐体112に着脱可能に取り付けられた一体インサート部材(unitary insert member)として構成される。ガイド部134は、第1保持特徴部172−1を含み、筐体112の本体122は、第2保持特徴部182を含む。第1保持特徴部172−1は、第2保持特徴部182と係合され、筐体112と固定の関係でガイド部134を筐体112の本体122に取り付ける。第1保持特徴部172−1/第2保持特徴部182はそれぞれ、例えば、タブ/スロット配置、あるいは、スロット/タブ配置の形式であってもよい。
【0057】
図7および図15を参照すると、ガイド部134は、さらに、流動制御部184を含んでもよく、本実施形態では、オフセット部材172としても使用される。図15を参照すると、流動制御部184は、分流特徴部184−1と、再結合流特徴部184−2と、凹型円弧状表面184−3とを含む。凹型円弧状表面184−3は、分流特徴部184−1および再結合流特徴部184−2のそれぞれと同一の範囲を持ち、且つこれらの間に延伸する。分流特徴部184−1および再結合流特徴部184−2のそれぞれは、角のある、すなわち、傾斜した壁によって定義される。分流特徴部184−1は、流体吸入口152に隣接して配置され、再結合流特徴部184−2は、流体排出口154に隣接して配置される。
【0058】
チャンバ148の流体吸入口152に隣接して配置された分流特徴部184−1の傾斜壁は、チャンバ148の流体吸入口152の傾斜入口ランプ152−1と協働して、流路156のチャネル入口156−1に向かって流体を案内する。分流特徴部184−1は、流体の直接バイパスをチャネル出口156−2から出る流出口に入れる代わりに、旋回流をチャネル入口156−1に向かって導くよう構成される。また、図9および図14を参照すると、反対側に配置された傾斜入口ランプ152−1は、環状部材166の第1環状面166−1により提供される流体の天井である。分流特徴部184−1は、環状部材166の連続した天井およびチャンバ148の流体吸入口152の傾斜入口ランプ152−1によって提供される傾斜ランプ壁と結合して、流体流動を流路156のチャネル入口156−1に導くのに役立つ。
【0059】
同様に、図9図14、および図15を参照すると、チャンバ148の流体排出口154に隣接して配置された再結合流特徴部184−2の傾斜壁は、流体排出口154の傾斜出口ランプ154−2と協働して、流路156チャネル出口156−2から流体を遠ざけるよう案内する。反対側に配置された傾斜出口ランプ154−1は、環状部材166の第1環状面166−1により提供される流体の天井である。
【0060】
本実施形態において、流動制御部184は、ガイド部134のオフセット部材172として形成された一体構造である。あるいは、流動制御部184の全てまたは一部を筐体112の本体122のチャンバ148の内周壁150に合体させてもよい。
【0061】
本実施形態において、図15に最も良く示すように、撹拌子132が回転軸160の周りを回転した時、撹拌子132は、複数のパドル132−1、132−2、132−3、132−4が流動制御部184の凹型円弧状表面184−3に周期的に面するように向けられる。撹拌子132は、回転軸160から各パドルの自由端頂点132−5に向かう撹拌子半径を有する。撹拌子半径対自由端頂点132−5と流動制御部184の間の空間距離の比率は、5:2〜5:0.025であってもよい。さらに具体的に説明すると、ガイド部134は、チャンバ148の内部空間の所定の部分に撹拌子132を閉じ込めるよう構成される。本例において、各自由端頂点132−5が凹型円弧状表面184−3に面している時、複数のパドル132−1、132−2、132−3、132−4の各自由端頂点132−5と流動制御部184の凹型円弧状表面184−3の間の距離は、2.0ミリメートル〜0.1ミリメートルの範囲内であり、より好ましくは、1.0ミリメートル〜0.1ミリメートルの範囲内である。また、撹拌子132を吐出チップ118のできるだけ近くに配置して、流路156を流れる流動を最大限度にするのが好ましいこともわかっている。
【0062】
また、ガイド部134は、流体リザーバ136の一部に撹拌子132の回転軸160を配置するよう構成されるため、撹拌子132の複数のパドル132−1、132−2、132−3、132−4のそれぞれの自由端頂点132−5は、吐出チップ118に比較的近い近位連続1/3容積部136−1に回転して進入し、退出する。言い換えると、ガイド部134は、内部空間の一部に撹拌子132の回転軸160を配置するよう構成されるため、複数のパドル132−1、132−2、132−3、132−4のそれぞれの自由端頂点132−5は、流体吸入口152および流体排出口154を含むチャンバ148の内部空間の近位連続1/3容積部136−1に回転して進入し、退出する。
【0063】
さらに具体的に説明すると、本実施形態において、撹拌子132は、4つのパドルを有し、ガイド部134は、内部空間の一部に撹拌子132の回転軸160を配置するよう構成されるため、2対の正反対向きのパドル132−1、132−3および132−2、132−4のそれぞれの第1および第2自由端頂点132−5は、流体吸入口152および流体排出口154を含むチャンバ148の内部空間の近位連続1/3容積部136−1内に、および吐出チップ118から最も遠い内部空間の遠位連続1/3容積部136−3を有する連続2/3容積部136−4内に、交互にそれぞれ配置される。
【0064】
図6図10を再度参照すると、ダイアフラム130は、蓋124とチャンバ148の内周壁150の周縁端面150−3の間に配置される。図16および図17も参照すると、ダイアフラム130は、流体リザーバ136を形成する際に、チャンバ148の内周壁150の周縁端面150−3とシール係合するよう構成される(図8および図9を参照)。
【0065】
図10および図17を参照すると、ダイアフラム130は、ドーム部130−1および外周リム130−2を含む。ドーム部130−1は、ドーム撓み部130−3、ドーム側壁130−4、ドーム移行部130−5、ドーム頂部130−6、および4つのウェブ部を含み、4つのウェブ部は、それぞれ中央角部ウェブ130−7、中央角部ウェブ130−8、中央角部ウェブ130−9、および中央角部ウェブ130−10として識別される。ドーム撓み部130−3および4つのウェブ部130−7、130−8、130−9、130−10は、ドーム部130−1を外周リム130−2に接合する。図10に示した向きにおいて、ドーム頂部130−6は、ドーム頂部130−6の最も右側の部分においてダイアフラム130の成形中に生成される製造特徴であり、ダイアフラム130の操作に影響を与えない僅な円形凹部130−11を含む。
【0066】
以下、さらなる詳細について説明するが、本実施形態において、ダイアフラム130の外側から見ると、ダイアフラム130は、流体リザーバ136から流体を使い果たしてダイアフラム130がつぶれている間は、ドーム部130−1の変位がダイアフラム130のドーム頂部130−6と同形で凹状になるよう構成され、ドーム部130−1のつぶれる、すなわち、変位する方向は、流体吐出方向120−1に対して実質的に垂直であり(図11を参照)、ベース壁138の平面146に対して実質的に垂直であり、且つチップ取り付け面140−2の平面142に対して実質的に平行である撓み軸188に沿っている。本実施形態において、撓み軸188の位置は、実質的に、ドーム部130−1の中心領域に対応する。言い換えると、流体リザーバ136から流体を使い果たしてダイアフラム130がつぶれている間は、ダイアフラム130のドーム部130−1のドーム頂部130−6の移動方向がベース壁138に向かって撓み軸188に沿っており、流体吐出方向120−1に対して実質的に垂直であり、ベース壁138の平面146に対して実質的に垂直であり、且つチップ取り付け面140−2の平面142に対して実質的に平行である。
【0067】
また、図6図10、および図17に示すように、流体分注装置110は、流体リザーバ136を形成する際に、ダイアフラム130がチャンバ148の最も広い表面積に広がるように配向される構成となっている。そのため、流体リザーバ136で所望の背圧を維持するのに必要なダイアフラム130のドーム頂部130−6の移動量は、ダイアフラムが本体122の側壁の位置に取り付けられた場合に必要な量よりも少ないのが好ましい。
【0068】
図18および図19は、ダイアフラム130の底部、すなわち、内部の図を示したものであり、内周位置決めリム131−2、ドーム撓み部130−3の内部、および内周位置決めリム131−2とドーム撓み部130−3の間に挟まれた中間内部凹み領域131−4が示されている。内周位置決めリム131−2は、本体122に相対してダイアフラム130を設置するのに役立つ。中間内部凹み領域131−4の基部は、連続した周縁密封面131−6を定義する。図18図19を参照すると、連続した周縁密封面131−6は、チャンバ148(図16を参照)を取り囲む平面範囲を有し、平面範囲は、ベース壁138の平面146に対して実質的に平行であり、且つ平面142(図11を参照)に対して実質的に垂直である。そのため、図17も参照すると、流体リザーバ136から流体を使い果たしてダイアフラム130がつぶれている間、ダイアフラム130のドーム頂部130−6の移動方向は、連続した周縁密封面131−6の平面範囲に対して実質的に垂直である。ドーム撓み部130−3は、ドーム側壁130−4と連続した周縁密封面131−6の間の波状推移(undulated transition)を定義する。以下、さらなる詳細について説明する。
【0069】
本実施形態において、図18を参照すると、例えば、内周位置決めリム131−2、中間内部凹み領域131−4、連続した周縁密封面131−6、およびドーム撓み部130−3は、互いに相対して同心円状に配置される。本実施形態において、図19を参照すると、連続した周縁密封面131−6の外周OP1の外周形状は、内周位置決めリム131−2の外周形状と一致する。図17および図19を参照すると、外周リム130−2の内周IP1の内周形状は、連続した周縁密封面131−6の内周形状に対応するが(図19)、それぞれの湾曲した角部は、例えば、異なる半径を有することによって、異なる曲線形状を有するため、内周IP1は、ドーム撓み部130−3の外周OP2の外周形状と一致しない。そのため、図17を参照すると、連続した周縁密封面131−6の内周の内周形状とドーム撓み部130−3の外周の外周形状の間の各湾曲した角部において、ダイアフラム130の中央角部ウェブ130−7、130−8、130−9、および130−10のうちのそれぞれが定義される。
【0070】
図16も参照すると、本体122は、下部流路122−2、内部凹面122−3、および外部リム122−4を含む段差配置(stepped arrangement)を含む。外部リム122−4は、図示した向きにおいて、下方に延伸し、内部凹面122−3の外縁で垂直に終わる上部内側壁122−5を有する。流路122−2は、図示した向きにおいて、上方に延伸し、内部凹面122−3の内縁で垂直に終わる下部内側壁122−6を有する。そのため、上部内側壁122−5および下部内側壁122−6のそれぞれは、内部凹面122−3に対して実質的に垂直であり、上部内側壁122−5は、内部凹面122−3の幅により下部内側壁122−6から横方向にオフセットされ、上部内側壁122−5および下部内側壁122−6は、内部凹面122−3により垂直にオフセットされる。
【0071】
流路122−2は、さらに、内周壁150の外周面も形成し、且つ下部内側壁122−6から内部へ横方向に間隔を保つ内周側壁122−7を含むため、内周側壁122−7は、流路122−2の最も内側の側壁であり、下部内側壁122−6は、流路122−2の最も外側の側壁である。詳しく説明すると、下部内側壁122−6および内周側壁122−7を有する流路122−2は、本体122の周縁端面150−3の周囲で本体122の凹路を定義し、内周側壁122−7は、本体122の周縁端面150−3の外縁で垂直に終わる。
【0072】
図16を参照すると、本体122の流路122−2は、ダイアフラム130の内周位置決めリム131−2を受け取って案内するサイズおよび形状にされ、内周位置決めリム131−2が内周側壁122−7に接触し、本体の流路122−2の下部内側壁122−6がダイアフラム130の外周リム130−2の周縁によって断続的に係合されることにより、ダイアフラム130を本体122と適切な位置に案内する。また、ダイアフラム130の連続した周縁密封面131−6を本体122の周縁端面150−3を係合するサイズおよび形状にすることにより、ダイアフラム130と本体122の閉鎖したシール係合を容易にする。そのため、ダイアフラム130が内周位置決めリム131−2および流路122−2によって本体122に対して適切に配置された時、ダイアフラム130の連続した周縁密封面131−6は、周縁端面150−3の全体の周囲で本体122の周縁端面150−3を係合するよう配置される。本実施形態において、周縁端面150−3は、単一の周縁リブ、あるいは図に示すように、複数の周縁リブまたはうねりを含み、ダイアフラム130の連続した周縁密封面131−6と係合するための有効な密封面を提供してもよい。
【0073】
図20および図21は、ダイアフラム130のドーム部130−1の完全な(つぶれていない)高さを収容するよう構成された凹部領域124−3を定義する凹状の内部天井124−2を有する蓋124の内部、または下側を示したものである。蓋124は、さらに、内部位置決めリップ190、ダイアフラム押圧面192、および外部位置決めリップ194を含み、図20および図21に最も良く示すように、これらのそれぞれは、凹部領域124−3を横方向に取り囲む。ダイアフラム押圧面192は、内部位置決めリップ190と外部位置決めリップ194の間で凹むよう形成される。
【0074】
外部位置決めリップ194は、蓋124を本体122に相対して配置するために使用される。詳しく説明すると、組み立て中に、本体122の内部凹面122−3と接触する外部リム122−4の上部内側壁122−5により、外部位置決めリップ194を受け取って案内する(図16も参照)。また、超音波溶接プロセス(ultrasonic welding process)中に、内部凹面122−3において外部位置決めリップ194のアペックスリム(apex rim)(犠牲材料)を本体122に溶融および接合して、蓋124を本体122に取り付ける。本実施形態において、超音波溶接は、現在、蓋124を本体122に取り付けるための好ましい方法であるが、いくつかの応用において、例えば、レーザー溶接(laser welding)、機械的連結(mechanical attachment)、接着剤付着(adhesive attachment)等の別の取り付け方法が望ましいことも考えられる。
【0075】
図17図18図20、および図21を参照すると、蓋124の内部位置決めリップ190は、ダイアフラム130を蓋124に相対して配置するために使用され、ダイアフラム130の内周位置決めリム131−2は、ダイアフラム130を本体122に相対して配置するために使用される。詳しく説明すると、図17に示すように、蓋124の内部位置決めリップ190を外周リム130−2の内周IP1をその上に受け取るサイズおよび形状にすることにより、ダイアフラム130の外周リム130−2を蓋124のダイアフラム押圧面192の反対側に配置する。
【0076】
また、図20および図21を再度参照すると、本実施形態は、外部位置決めリップ194から内部に延伸する複数のダイアフラム位置決め特徴194−1を含んでもよい。複数のダイアフラム位置決め特徴194−1は、ダイアフラム130の外周リム130−2の外周を係合して、ダイアフラム130を蓋124に相対して配置するのに役立つ位置にある。さらに詳しく説明すると、本実施形態において、ダイアフラム130の外周リム130−2は、蓋124の内部位置決めリップ190と蓋124の複数のダイアフラム位置決め特徴194−1の間の領域において受け取られ、ダイアフラム130の内周位置決めリム131−2は、本体122の流路122−2内に配置されるため、それにより、ドーム部130−1の組み立て中、または負圧ドーム撓み中に、ドーム撓み部130−3等のドーム屈曲特徴および連続した周縁密封面131−6が過度に歪むのを防ぐ、あるいは連続した周縁密封面131−6が漏れるのを防ぐのに役立つ。また、組み立て中に流体分注装置110の流体リザーバ136に真空が生成された時、蓋124の内部位置決めリップ190およびダイアフラム130の内周位置決めリム131−2は、共同でダイアフラム130がつぶれている間にシール歪み(seal distortion)の量を制限する。
【0077】
図20および図21を再度参照すると、蓋124のダイアフラム押圧面192は、均一の高さを有する平面であるため、ドーム部130−1の周囲の連続した周縁密封面131−6でダイアフラム130の実質的に均一な外周圧縮を提供する(図9図11図17、および図19も参照)。詳しく説明すると、蓋124のダイアフラム押圧面192は、蓋124を本体122に取り付けた時に、ダイアフラム130の連続した周縁密封面131−6を本体122の周縁端面150−3の全体の周囲で本体122の周縁端面150−3と強制的にシール係合させるサイズおよび形状にされる。
【0078】
図8および図9も参照すると、可変容積を有するドーム(一次)通気チャンバ196は、ダイアフラム130のドーム部130−1と蓋124の間の領域内に定義される。流体リザーバ136から流体を使い果たすと、それに従ってダイアフラム130のドーム部130−1がつぶれるため、ドーム(一次)通気チャンバ196の容積を増やして、流体リザーバ136の容積を減らすことにより、流体リザーバ136において所望の背圧を維持する。
【0079】
図20および図21を再度参照すると、蓋124の内部天井124−2の上にリブ198およびリブ200が設置され、リブ198は、リブ200から間隔を開ける。通気孔124−1は、リブ198、200間にある蓋124の中に設置される。リブ198、200は、通気孔124−1の周囲のドーム(一次)通気チャンバ196の領域において蓋124の内部天井124−2とダイアフラム130のドーム部130−1の間に間隔を提供する(図8および図17も参照)。そのため、リブ198、200は、ダイアフラム130のドーム部130−1と蓋124の内部天井124−2の間の粘着接触(sticking contact)を回避するのに役立つ。粘着は、インクをチャンバ148から使い果たした時にドーム部130−1がつぶれるのを妨げるため、吐出チップ118の望ましくないデプライム(de-priming)が生じる可能性がある。
【0080】
図3図22、および図23も参照すると、微小流体分注装置110は、ダイアフラム130のドーム部130−1と蓋124の間の領域(すなわち、ドーム(一次)通気チャンバ196)を微小流体分注装置110の外側の大気に通気させる通気路202を含む。通気路202は、蓋124の中央部分に形成された通気孔124−1(図3を参照)によって提供されるthatに代替または補充通気を提供する。通気路202は、背圧調整部材(本実施形態ではダイアフラム130)と微小流体分注装置110の外側の大気の間の流体(例えば、空気)連通を容易にする。言い換えると、通気路202は、ダイアフラム130に隣接するドーム(一次)通気チャンバ196(図8および図9も参照)と微小流体分注装置110の外側の大気の間の流体連通を容易にする。
【0081】
本実施形態において、通気路202は、第1通気路部204(図20図21、および図23を参照)、二次通気チャンバ206(図22および図23を参照)、および第2通気路部208(図23を参照)を含む。
【0082】
第1通気路部204は、蓋124と本体122の間に定義される。第1通気路部204は、ドーム(一次)通気チャンバ196から延伸し、且つドーム(一次)通気チャンバ196と直接流体連通する(図8図9図20、および図21も参照)。第1通気路部204は、本体122と蓋124の間の空隙210を通って(図8図9、および図23を参照)、二次通気チャンバ206に延伸し、且つ二次通気チャンバ206と直接流体連通する。二次通気チャンバ206は、エンドキャップ126と本体122および蓋124の対応する端部の間に位置する空所(例えば、ドーム状の空所)である。二次通気チャンバ206は、ドーム(一次)通気チャンバ196と大気の間にある通気路202内に挿入される。
【0083】
図20および図21を参照すると、第1通気路部204は、ドーム通気路204−1、ドーム通気路204−2、側面通気開口204−3、および側面通気開口204−4を含むため、ドーム(一次)通気チャンバ196と二次通気チャンバ206の間に複数の通気経路を提供する。
【0084】
本実施形態において、ドーム通気路204−1およびドーム通気路204−2のそれぞれは、内部位置決めリップ190内の開口および蓋124のダイアフラム押圧面192として形成される。さらに詳しく説明すると、本実施形態において、ドーム通気路204−1およびドーム通気路204−2は、内部位置決めリップ190および蓋124のダイアフラム押圧面192の反対側に設置され、且つこれらを通って横方向に延伸する。
【0085】
ドーム通気路204−1、204−2のそれぞれは、本体122と蓋124の間の空所領域を介して、側面通気開口204−3、204−4のうちの1つ、または両方と流体連通する。側面通気開口204−3および側面通気開口204−4のそれぞれは、外部位置決めリップ194内の横開口として形成され、二次通気チャンバ206と直接流体連通する。側面通気開口204−3は、外部位置決めリップ194の周辺範囲に沿って側面通気開口204−4から離間する。本実施形態において、離間している間、側面通気開口204−3、204−4は、エンドキャップ126によって覆われるように設置される。エンドキャップ126を含まない実施形態において、側面通気開口204−3および側面通気開口204−4のそれぞれは、微小流体分注装置110の外部の大気と直接流体連通すると考えられる。
【0086】
図23を参照すると、第2通気路部208は、二次通気チャンバ206から延伸し、且つ二次通気チャンバ206と直接流体連通する。第2通気路部208は、エンドキャップ126と本体122および蓋124のそれぞれの間の通流体性空隙(fluid penetrable gap)212を通って、大気に延伸する。第2通気路部208は、空隙212の周囲に複数の通気経路を提供し、例えば、図23に示したキャップ通気路208−1およびキャップ通気路208−2を含むことにより、ドーム(一次)通気チャンバ196から大気への通気路202を完成させる。
【0087】
図23を参照すると、エンドキャップ126は、スナップフィット(snap-fit)接続を生じさせるラッチ機構214により、空隙212において本体122と蓋124の組み合わせに着脱可能に接続される。ラッチ機構214は、ラッチ部材214−1およびラッチ部材214−2を含む複数のラッチ部材と、キャッチ部材216−1およびキャッチ部材216−2を含む複数のキャッチ部材とを含む。ラッチ部材214−1およびラッチ部材214−2は、エンドキャップ216の周辺から内側に向かって延伸する。キャッチ部材216−1およびキャッチ部材216−2は、それぞれ蓋124および本体122の周辺から外側に向かって延伸する。ラッチ機構214の構造は、エンドキャップ126に対する力を印加することによりエンドキャップ126の取り付けを容易にするが、解除をより困難にし、空隙212において外側に向かってエンドキャップ126の端部の覗き(prying)を必要にすることによって、キャッチ部材216−1からラッチ部材214−1を切り離せるように、および/またはキャッチ部材216−2からラッチ部材214−2を切り離せるようにするものである。
【0088】
本実施形態において、通気孔124−1(図3図22を参照)および通気路202(図23を参照)は、ドーム(一次)通気チャンバ196、すなわちドーム部130−1の外部(図22を参照)と微小流体分注装置110の外側の大気の間の流体連通および余剰通気(venting redundancy)を容易にする。また、図21図23を参照すると、通気孔124−1、ドーム通気路204−1、およびドーム通気路204−2は、ダイアフラム130のドーム部130−1と蓋124の内部天井124−2の間のドーム(一次)通気チャンバ196の領域に余剰通気を提供することにより、通気孔124−1および通気路202(図23も参照)のうちの1つが遮断されても、微小流体分注装置110から流体を使い果たした時にドーム部130−1がつぶれやすいようにする。
【0089】
例えば、通気孔124−1が製品表示等により遮断されても、あるいは美的な理由で除去されても、通気路202によりドーム部130−1と蓋124の間の領域の通気が維持され、より具体的には、1つまたはそれ以上の側面通気開口204−3、204−4と流体連通し、次に、二次通気チャンバ206および第2通気路部208を介して空隙212において大気と流体連通する1つまたはそれ以上のドーム通気路204−1およびドーム通気路204−2を有する第1通気路部204により通気が維持される。さらに、第2通気路部208は、空隙212の周辺の大気と直接流体連通しているため、空隙212における周辺全体、すなわち、微小流体分注装置110の四面全てを密封しなければ、通気路202を空隙212において大気との連通から完全に遮断することができない。
【0090】
図24図30は、本発明に係る通気路302(破線の矢印で表示)を含む微小流体分注装置300の別の実施形態を示したものである。
【0091】
図24図28を参照すると、微小流体分注装置300は、筐体304およびテープ自動ボンディング(TAB)回路306を含む。微小流体分注装置300は、流体の供給を含むよう構成され、TAB回路306は、筐体304からの流体の吐出を容易にするよう構成される。流体は、例えば、化粧品、潤滑油、ペンキ、インク等であってもよい。
【0092】
図28に最も良く示すように、TAB回路306は、吐出チップ310に機械的および電気的に接続されたフレックス回路308を含む。フレックス回路308は、吐出チップ310を操作して筐体304内に含まれる流体を吐出するよう構成されたインクジェットプリンタ等の電気駆動装置(図示せず)に電気接続を提供する。本実施形態において、吐出チップ310は、本分野において周知のように、通常、ノズルプレート層およびシリコン層として形成された平面範囲を有する板状構造として構成される。吐出チップ310のノズルプレート層は、複数の吐出ノズル312(図28を参照)を有する。
【0093】
図24図30を参照すると、筐体304は、本体ケーシング314、蓋316、およびエンドキャップ318を含み、それぞれ成形工程を使用して、プラスチックで作られる。図26図28を参照すると、本体ケーシング314は、開口周縁端314−1およびチャンバ320(図28)、すなわち、リザーバ室(reservoir chamber)を有し、開口周縁端314−1は、チャンバ320へのアクセスを提供する。
【0094】
図28図30を参照すると、 毛細管部材322の形状の背圧調整部材は、開口周縁端314−1を介して受け取られ、且つ本体ケーシング314のチャンバ320内に配置されるため、毛細管部材322とチャンバ320は、組み合わせて流体リザーバを形成する。毛細管部材322は、例えば、フォームやフェルト等の多孔質材料の塊として形成される。
【0095】
図26図28を再度参照すると、蓋316は、チャンバ320の上に配置され、例えば、超音波溶接または接着を介して本体ケーシング314の開口周縁端314−1に取り付けられる。図27に示すように、蓋316は、流体をチャンバ320に注入して毛細管部材322の孔に受け取る1つまたはそれ以上のアクセス開口316−1を含む。流体がチャンバ320に供給されると、例えば、ボールベアリング等のプラグ、またはカバー部材326により各アクセス開口316−1を密封することにより、蓋316を介して予想外の領域で空気がチャンバ320から漏れる、あるいは流体がチャンバ320から漏れるのを防ぐ。図29および図30を参照すると、一次通気チャンバ324は、毛細管部材322と蓋316の間の領域において定義され、毛細管部材322に隣接する。図24図29、および図30を参照すると、通気路302は、一次通気チャンバ324から大気に延伸する。
【0096】
図27を再度参照すると、蓋316は、上表面316−2を有し、例えば、切断により、または成形工程の間に、蛇行状の通気路316−3を確立する。蛇行状の通気路316−3は、近位端316−4および遠位端路316−5を有する。近位端316−4において、通気孔316−6は、蓋316の厚さを通過して、一次通気チャンバ324との流体連通、次に、チャンバ320(図29および図30も参照)内に配置された毛細管部材322との流体連通を容易にする。
【0097】
図26も参照すると、カバー部材326(例えば、接着テープ)は、上表面316−2に取り付けられ、蛇行状の通気路316−3の大部分(例えば、95〜99.9%)を覆って、少なくとも1つの通気開口328−1を有する通気路302の蛇行状の通気路部328(図24および図25も参照)を定義し、本実施形態では、蛇行状の通気路316−3(図27および図30を参照)の遠位端路316−5の反対側の端部に設置された2つの通気開口328−1、328−2を含む。
【0098】
図27図30を参照すると、エンドキャップ318は、吐出チップ118の反対側にある本体ケーシング314/蓋316の組み合わせの端部に配置される。図29および図30を参照すると、エンドキャップ318は、スナップフィット接続を生じさせるラッチ機構332により、蓋316および本体ケーシング314とのエンドキャップ318の通流体性空隙330において、蓋316に着脱可能に接続される。ラッチ機構332は、ラッチ部材332−1およびラッチ部材332−2を含む複数のラッチ部材(図28も参照)と、キャッチ部材334−1およびキャッチ部材334−2を含む複数のキャッチ部材とを含む。図29を参照すると、ラッチ部材332−1およびラッチ部材332−2は、エンドキャップ318の周辺から内側に向かって延伸する。キャッチ部材334−1およびキャッチ部材334−2は、蓋316の周辺から外側に向かって延伸する。ラッチ機構332の構造は、エンドキャップ318に対する力を印加することによりエンドキャップ318の取り付けを容易にするが、解除をより困難にし、空隙330において外側に向かってエンドキャップ318の端部のpryingを必要にすることによって、キャッチ部材334−1からラッチ部材332−1を切り離せるように、および/またはキャッチ部材334−2からラッチ部材332−2を切り離せるようにするものである。
【0099】
図29および図30を参照すると、二次通気チャンバ336は、エンドキャップ318と蓋316の間に設置された空所により定義される。図24および図25と併せて、図29および図30を参照すると、通気路302は、蛇行状の通気路部328および二次通気チャンバ336と流体連通する第2通気路部338を含む。具体的に説明すると、通気路302の第2通気路部338は、微小流体分注装置300の外側の大気から延伸し、エンドキャップ318と蓋316/本体ケーシング314の間の空隙330を通って、蛇行状の通気路部328と二次通気チャンバ336を流体連通して接合する。第2通気路部338は、空隙330の周辺で複数の通気経路を提供し、空隙330において、例えば、図30に示したキャップ通気路338−1およびキャップ通気路338−2を含み、一次通気チャンバ324から微小流体分注装置300の外側の大気への通気路302を完成させる。
【0100】
本実施形態に基づき、通気路302の第2通気路部338は、有利に、空隙330の周辺の大気と直接流体連通している。そのため、空隙330の周辺の全体、すなわち、微小流体分注装置300の四面全てを密封しない限り、製品表示等の外部の印や部品を微小流体分注装置300の空隙330の領域のどこにでも配置することができる。
【0101】
本発明を少なくとも1つの実施形態に関して説明してきたが、本発明は、本開示の精神および範囲内でさらに修正することができる。したがって、本出願は、その一般的な原理を使用して、本発明のいかなる変形、使用、または適合も包含することを意図する。さらに、本出願は、本発明が関連し、添付の特許請求の範囲の限定内にある当技術分野における既知のまたは慣例的な手法の範囲内に含まれる、本開示からのこのような逸脱を包含することを意図する。
図1
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