【解決手段】半導体発光素子1と、半導体発光素子1を覆う封止樹脂7と、厚さ方向zにおいて、厚さ方向z前方を向く基材主面31および厚さ方向z後方を向く基材裏面32と、長さ方向xにおいて、互いに反対側を向く一対の第1基材側面33,34と、幅方向yにおいて、互いに反対側を向く一対の第2基材側面35,36とを有する基材3を具備し、半導体発光素子1および封止樹脂7を支持する支持部材2と、を備えた半導体発光装置A1において、支持部材2は、厚さ方向zにおいて基材主面31より隆起し、かつ、平面である隆起平面21を有しており、隆起平面21は、封止樹脂7から露出し、かつ、厚さ方向z視において、幅方向yの一方の端縁から他方の端縁まで、幅方向yに繋がる部分を有する。
前記主面電極は、前記半導体発光素子がダイボンディングされるダイボンディング部と、前記ワイヤを介して前記半導体発光素子と導通するワイヤボンディング部と、を有する、
請求項13に記載の半導体発光装置。
前記主面電極は、前記第1方向視において、前記側面電極につながる一対の端縁部と、一方が前記端縁部の一方と前記ダイボンディング部とを繋ぎ、他方が前記端縁部の他方と前記ワイヤボンディング部とを繋ぐ一対の連結部とを有する、
請求項15または請求項16に記載の半導体発光装置。
前記主面電極は、前記連結部に繋がり、かつ、前記第1方向視において、前記基材主面の前記第3方向の一方の端縁から他方の端縁に向け延びる一対の延出部を、さらに有する、
請求項17に記載の半導体発光装置。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して、以下に説明する。
【0031】
図1〜
図7は、本発明の第1実施形態に係る半導体発光装置A1を示す図である。本実施形態に係る半導体発光装置A1は、半導体発光素子1、支持部材2(基材3、配線パターン4、レジスト層5)、ワイヤ6、および、封止樹脂7を備えている。
【0032】
図1は、半導体発光装置A1の正面図である。
図2は、
図1に示した半導体発光装置A1の右側面図である。
図3は、半導体発光装置A1の左側面図である。
図4は、
図1に示した半導体発光装置A1の平面図である。
図5は、
図1に示した半導体発光装置A1の底面図である。
図6は、
図4に示す平面図において封止樹脂7を省略したものである。
図7は、
図4のVII−VII線に沿う断面図である。
【0033】
図1〜
図7において、半導体発光装置A1の長さ方向をx、幅方向をy、厚さ方向をzとする。これら長さ方向x、幅方向y、および、厚さ方向zは互いに直交する。また、各方向において、矢印が向く方向を前方とし、その反対方向を後方としている。よって、
図2は、半導体発光装置A1の厚さ方向x前方側から見た側面図であり、
図3は、半導体発光装置A1の厚さ方向z後方側から見た側面図である。厚さ方向zが本発明の「第1方向」に相当し、長さ方向xが本発明の「第2方向」、幅方向yが本発明の「第3方向」に相当する。
【0034】
半導体発光素子1は、半導体発光装置A1の光源となる電子部品である。本実施形態においては、半導体発光素子1は、いわゆるLEDチップである。なお、LEDチップに限定されず、受光素子あるいはダイオードなどであってもよい。半導体発光素子1は、n型半導体層と活性層とp型半導体層とを有する。n型半導体層は活性層に積層されている。活性層はp型半導体層に積層されている。よって、活性層はn型半導体層とp型半導体層との間に位置する。n型半導体層、活性層、および、p型半導体層は、例えば、GaNよりなる。半導体発光素子1は、厚さ方向z前方を向く面に主面電極パッドを有し、厚さ方向z後方を向く面に裏面電極パッドを有する。なお、これらの図示は省略する。半導体発光素子1は、支持部材2に搭載されている。半導体発光素子1の発光色は特に限定されない。
【0035】
支持部材2は、半導体発光素子1および封止樹脂7を支持するものである。本実施形態においては、支持部材2は、基材3、配線パターン4、および、レジスト層5を具備する。また、本実施形態においては、支持部材2は、隆起平面21を有する。
【0036】
隆起平面21は、支持部材2の厚さ方向z前方を向く面のうち、厚さ方向z前方に隆起した部分である。具体的には、隆起平面21は、後述する基材3の基材主面31から厚さ方向z前方に最も隆起した部分である。隆起平面21は、平面をなし、本実施形態においては、厚さ方向zに直交する面(x−y平面)に対して平行である。また、隆起平面21は、封止樹脂7から露出している。隆起平面21は、
図4に示すように、厚さ方向z視において、支持部材2の幅方向yの一方の端縁から他方の端縁まで、幅方向yに繋がっている。隆起平面21は、封止樹脂7の金型成形工程(後述)で用いられる金型91に当接する面である。なお、理解の便宜上、一部の図(
図4および
図6など)において、隆起平面21に相当する部分にハッチングを付している。
【0037】
基材3は、支持部材2のベースとなる部分であり、絶縁性の材料よりなる。このような絶縁性の材料としては、例えば、絶縁性の樹脂もしくはセラミックなどが挙げられる。絶縁性の樹脂としては、例えば、ガラスエポキシ樹脂などが挙げられる。セラミックとしては、例えば、Al
2O
3、SiC,またはAlNなどが挙げられる。なお、基材3は、アルミニウムなどの金属よりなる基板に、絶縁膜が形成されたものであってもよい。基材3は、厚さ方向z視において、長さ方向xに長く伸びた矩形状を呈する。基材3は、基材主面31、基材裏面32、一対の第1基材側面33,34、および、一対の第2基材側面35,36を有する。
【0038】
基材主面31および基材裏面32は、
図1および
図7に示すように、厚さ方向zにおいて、離間しており、互いに反対側を向く。基材主面31は、厚さ方向z前方を向く面である。基材裏面32は、厚さ方向z後方を向く面である。基材主面31および基材裏面32はともに、平坦である。
【0039】
一対の第1基材側面33,34は、
図1、
図4、
図5および
図6に示すように、長さ方向xに離間しており、互いに反対側を向く。第1基材側面33は、長さ方向x前方を向く面であり、第1基材側面34は、長さ方向x後方を向く面である。第1基材側面33,34はともに、厚さ方向z前方の端部が基材主面31に繋がり、厚さ方向z後方の端部が基材裏面32に繋がっている。また、第1基材側面33,34はともに、平坦である。第1基材側面33,34はそれぞれ、スルーホール部331,341を有する。
【0040】
スルーホール部331,341はそれぞれ、第1基材側面33,34から基材3の内側に向け凹んだ部分である。スルーホール部331,341はともに、基材主面31から基材裏面32に向けて貫通している。本実施形態においては、スルーホール部331,341は、厚さ方向z視において、半円形状をなす。
【0041】
一対の第2基材側面35,36は、
図2〜
図6に示すように、幅方向yに離間しており、互いに反対側を向く。第2基材側面35は、幅方向y前方を向く面であり、第2基材側面36は、幅方向y後方を向く面である。第2基材側面35,36はともに、厚さ方向z前方の端部が基材主面31に繋がり、厚さ方向z後方の端部が基材裏面32に繋がっている。また、第2基材側面35,36はともに、平坦である。
【0042】
配線パターン4は、半導体発光素子1に電力を供給するための電流経路を構成するものである。配線パターン4は、半導体発光素子1に導通している。配線パターン4は、例えば、Cu、Ni、Ti、Auなどの単種類または複数種類の金属からなる。配線パターン4は基材3に形成されている。本実施形態においては、配線パターン4は、Cu箔上にAuめっきされて形成されている。なお、配線パターン4の材質は特に限定されない。配線パターン4は、主面電極41、裏面電極42,43、および、側面電極44,45を有する。
【0043】
主面電極41は、基材3の基材主面31の一部を覆う。主面電極41は、ダイボンディング部411、ワイヤボンディング部412、第1端縁部413、第2端縁部414、第1連結部415、第2連結部416、第1延出部417、および、第2延出部418を有している。
【0044】
ダイボンディング部411は、半導体発光素子1を支持する部分である。ダイボンディング部411は、導電性を有する接合材(図示略)により、ダイボンディング部411と裏面電極パッドとが向かい合うように、半導体発光素子1が接合されている。このような接合材としては、例えば、はんだやAgペーストなどが挙げられる。本実施形態においては、ダイボンディング部411は、厚さ方向z視において、円形状をなす。なお、ダイボンディング部411は円形状に限らず、矩形状や多角形状などであってもよい。
【0045】
ワイヤボンディング部412は、ワイヤ6をボンディングする部分である。本実施形態においては、ワイヤボンディング部412は、厚さ方向z視において、矩形状をなす。なお、ワイヤボンディング部412の形状は、これに限定されない。
【0046】
第1端縁部413は、基材主面31のうち、スルーホール部331と繋がる部分近傍を覆っている。第2端縁部414は、基材主面31のうち、スルーホール部341と繋がる部分近傍を覆っている。本実施形態においては、第1端縁部413および第2端縁部414はともに、厚さ方向z視において、半円環状をなす。
【0047】
第1連結部415は、ダイボンディング部411と第1端縁部413とを繋ぐ。第2連結部416は、ワイヤボンディング部412と第2端縁部414とを繋ぐ。本実施形態においては、第1連結部415および第2連結部416はともに、長さ方向xに直線状に延びる帯状である。また、本実施形態においては、第1連結部415および第2連結部416は、幅方向yの中央付近に位置している。なお、第1連結部415および第2連結部416の形状は、これに限定されない。
【0048】
第1延出部417は、第1連結部415から幅方向yに延び出た部分である。第2延出部418は、第2連結部416から幅方向yに延び出た部分である。第1延出部417および第2延出部418は、基材主面31の幅方向y前方の端縁から幅方向y後方の端縁まで繋がっている。第1延出部417は、基材主面31の長さ方向x前方側に配置されている。第2延出部418は、基材主面31の長さ方向x方向後方側に配置されている。本実施形態においては、第1延出部417は、第1端縁部413および第1連結部415に繋がっている。また、第2延出部418は、第2端縁部414および第2連結部416に繋がっている。第1延出部417および第2延出部418はともに、厚さ方向z前方を向く面が平坦である。
【0049】
裏面電極42,43は、基材裏面32の一部を覆っている。裏面電極42,43は、半導体発光装置A1を実装基板などに実装する際の接合箇所として用いられる。裏面電極42,43は、互いに、長さ方向xに離間し、絶縁されている。裏面電極42は長さ方向x前方側に配置されており、裏面電極43は長さ方向x後方側に配置されている。
【0050】
側面電極44,45はそれぞれ、基材3のスルーホール部331,341の表面を覆っている。側面電極44,45は、基材主面31から基材裏面32に達している。側面電極44は、厚さ方向z前方の端縁が第1端縁部413に繋がり、厚さ方向z後方の端縁が裏面電極42に繋がっている。したがって、半導体発光素子1の裏面電極パッドは、ダイボンディング部411、第1連結部415、第1端縁部413、および、側面電極44を介して、裏面電極42と電気的に接続されている。側面電極45は、厚さ方向z前方の端縁が第2端縁部414に繋がり、厚さ方向z後方の端縁が裏面電極43に繋がっている。
【0051】
レジスト層5は、絶縁性を有する材質からなる。レジスト層5は、基材主面側レジスト51を含んでいる。
【0052】
基材主面側レジスト51は、基材3の基材主面31側に形成されている。基材主面側レジスト51は、フィルム状のレジストを圧着して貼り付け、硬化させることで、基材主面31に形成される。フィルム状のレジストを圧着するときの圧力により、基材主面側レジスト51は、厚さ方向z前方の面が平面となる。基材主面側レジスト51は、パターン被覆部511および基材被覆部513を有する。
【0053】
パターン被覆部511は、基材主面側レジスト51のうち、配線パターン4上に形成された部分である。パターン被覆部511は、厚さ方向z前方の面が平坦である。本実施形態においては、パターン被覆部511は、
図6に示すように、第1延出部417および第2延出部418の一部を覆っており、厚さ方向z視において、第2基材側面35から第2基材側面36まで幅方向yに繋がっている。また、パターン被覆部511は、
図7に示すように、封止樹脂7より長さ方向xの外側に位置し、封止樹脂7から露出している。さらに、パターン被覆部511は、
図6および
図7に示すように、封止樹脂7の長さ方向xの端縁に接している。そして、パターン被覆部511は、支持部材2のうち最も厚さ方向z前方に位置し、基材主面31より厚さ方向z前方に隆起している。したがって、本実施形態においては、パターン被覆部511の厚さ方向z前方を向く面が、支持部材2(基材3、配線パターン4、および、レジスト層5)のうち最も厚さ方向z前方に位置し、隆起平面21に相当する。
【0054】
基材被覆部513は、基材主面側レジスト51のうち、基材3上に形成された部分である。基材被覆部513は、厚さ方向z前方を向く面が平坦である。基材被覆部513は、極性判断目印部514を有している。
【0055】
極性判断目印部514は、半導体発光装置A1の極性を判断させるための目印として機能する。具体的には、極性判断目印部514は、半導体発光装置A1において長さ方向xのいずれの端縁側が正極端子であるかいずれの端縁側が負極端子であるかを示している。利用者は、半導体発光装置A1を実装基板などに実装する際に、極性判断目印部514に基づき、裏面電極42,43のいずれを正極側に接続し、いずれを負極側に接続するかを判断している。本実施形態においては、極性判断目印部514は、基材3の長さ方向xの中央位置より、長さ方向x前方側に形成され、かつ、幅方向yの両端縁側に形成されている。なお、本実施形態においては、基材被覆部513と極性判断目印部514とは一致している。
【0056】
ワイヤ6は、半導体発光素子1と配線パターン4とを導通させるためのものである。ワイヤ6は、例えば、Au、Al、Cuなどの導電性の金属からなり、ワイヤボンディングによりボンディングされている。ワイヤ6は、一端が半導体発光素子1の主面電極パッドにボンディングされ、他端がワイヤボンディング部412にボンディングされている。したがって、半導体発光素子1の主面電極パッドは、ワイヤ6、ワイヤボンディング部412、第2連結部416、第2端縁部414、および、側面電極45を介して、裏面電極43と電気的に接続されている。
【0057】
封止樹脂7は、半導体発光素子1、配線パターン4の一部、レジスト層5の一部、および、ワイヤ6を覆っている。封止樹脂7は、光を透過させる樹脂材料からなる。このような樹脂材料として、透明あるいは半透明の、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、もしくは、ポリビニル系樹脂などが挙げられる。また、半導体発光素子1からの光によって励起されることにより異なる波長の光を発する蛍光材料を含むものであってもよい。
【0058】
封止樹脂7は、金型成形工程においてモールド成形により形成される。封止樹脂7は、長さ方向xにおいて、支持部材2よりも小である。本実施形態においては、封止樹脂7は、四角錐台状であり、厚さ方向z前方を向く面が厚さ方向z後方を向く面より小である。なお、四角錐台状に限らず、厚さ方向z前方に突き出る半球体状であってもよく、厚さ方向z前方の面を凹面にしてもよい。また、本実施形態においては、封止樹脂7は、突出部71を有している。
【0059】
突出部71は、封止樹脂7の厚さ方向z後方側の端縁部分から長さ方向xに突き出た部分である。突出部71は、厚さ方向z前方を向く面が平坦である。突出部71は、
図1および
図7に示すように、長さ方向xの端縁がパターン被覆部511(隆起平面21)に接している。また、突出部71の厚さ方向z前方を向く面は、厚さ方向zにおいて、隆起平面21と同じ位置である。
【0060】
次に、本実施形態に係る半導体発光装置A1の製造方法について、
図8〜
図14を参照し、説明する。本実施形態においては、複数の半導体発光装置A1を製造する場合を例に説明する。本発明に係る半導体発光装置A1の製造方法は、基材準備工程、パターン形成工程、レジスト形成工程、ダイボンディング工程、ワイヤボンディング工程、および、金型成形工程を有する。なお、基材準備工程、パターン形成工程、および、レジスト形成工程を合わせた工程が、本発明の「支持部材形成工程」に相当する。
【0061】
基材準備工程では、複数の貫通孔301がマトリクス状に形成された、矩形状の集合基材300a(
図8参照)を用意する。当該集合基材300aは、
図1〜
図7に示す基材3を複数個形成可能なサイズとされる。
図8においては、6個の基材3を形成可能なサイズとし、集合基材300aには、半円形状の貫通孔301が6つ、および、円形状の貫通孔301が3つ形成されている。複数の貫通孔301は、例えば、パンチング処理により形成される。集合基材300aは、上記基材3の材質と同じ、ガラスエポキシ樹脂からなる。
【0062】
パターン形成工程では、上記集合基材300aに配線パターン4を形成する。配線パターン4は、Cu箔にAuめっきを施すことにより、形成される。当該パターン形成工程により、集合基材300aに配線パターン4が形成された集合基材300b(
図9参照)が形成される。
【0063】
レジスト形成工程では、上記配線パターン4を形成した集合基材300bにレジスト層5を形成する。本実施形態においては、集合基材300bの厚さ方向z前方の面にフィルム状のレジストを圧着し貼り付ける。そして、露光などにより、硬化させることで、基材主面側レジスト51が形成される。レジスト形成工程において、基材主面側レジスト51は、フィルム状のレジストを圧着させたときの圧力により、厚さ方向z前方側の面は平坦になる。また、形成された基材主面側レジスト51には、配線パターン4上に形成されたパターン被覆部511、および、集合基材300b上(配線パターン4が形成されていない部分)に形成された基材被覆部513が形成される。
【0064】
形成されたパターン被覆部511は、支持部材2(基材3、配線パターン4、および、レジスト層5)のうち、最も厚さ方向z前方に位置しており、厚さ方向z前方を向く面が隆起平面21をなしている。レジスト形成工程においては、後述する金型成形工程の際に、後述する金型91で押さえる領域(
図10の点線で囲われた領域)内で、隆起平面21が、集合基材300cの幅方向y前方の端縁から幅方向y後方の端縁まで繋がるように、レジスト層5を形成する位置を考慮しておく。当該レジスト形成工程により、集合基材300bにレジスト層5が形成された集合基材300c(
図10参照)が形成される。
【0065】
ダイボンディング工程では、半導体発光素子1を、集合基材300cの片面(厚さ方向z前方の面)に、周知のダイボンディングの手法によって、搭載する。当該ダイボンディング工程が、本発明の「素子接合工程」に相当する。そして、ワイヤボンディング工程では、ワイヤ6を、周知のワイヤボンディングの手法により、半導体発光素子1の主面電極パッドとワイヤボンディング部412とにワイヤボンディングする。これにより、半導体発光素子1と配線パターン4との導通が確保される。これらダイボンディング工程およびワイヤボンディング工程により、集合基材300cに半導体発光素子1およびワイヤ6がボンディングされた集合基材300d(
図11参照)が形成される。
【0066】
金型成形工程では、上記集合基材300dに封止樹脂7をモールド形成する。
図12および
図13は、金型成形工程を説明するための図である。
図12は、金型成形工程における、
図11のXII−XII線に沿う断面図を示しており、
図13は、
図12の点線で示した部分の部分拡大図である。金型成形工程においては、
図12に示すように、一対の金型91,92で集合基材300dを厚さ方向z方向から挟み込む。
【0067】
金型91は、厚さ方向z前方側から集合基材300dを押さえる。金型91は、凹部911、当接面912、角部913、および、傾斜部914を有する。凹部911は、金型91において、厚さ方向z後方側から厚さ方向z前方側に凹んだ部分である。凹部911の寸法および形状は、封止樹脂7の外形と略同一である。当接面912は、厚さ方向z後方を向き、かつ、金型91のうち、最も厚さ方向z後方側に位置する面である。当接面912は、平坦である。角部913は、凹部911(傾斜部914)と当接面912との境界をなす部分である。傾斜部914は、凹部911のうち、厚さ方向z後方側に位置し、厚さ方向z後方側に向かうほど、厚さ方向zに直交するx−y平面による断面が大になるように傾斜している。
【0068】
このように構成された金型91は、当接面912により、集合基材300dの厚さ方向z前方側の面を押さえている。本実施形態においては、金型91は、パターン被覆部511(隆起平面21)に当接する。このとき、隆起平面21において、仮に多少の凹凸があったとしても、金型91(当接面912)で押さえられることで、前記凹凸が吸収され、平坦になる。なお、
図11において、当接面912で押さえる領域(金型押圧領域)を細い点線で囲っている。
【0069】
金型92は、厚さ方向z後方側から集合基材300dを押さえる。金型92は、厚さ方向z前方側の面が一様に平坦であり、集合基材300dの厚さz後方側の面を押さえている。本実施形態においては、金型92は、裏面電極42,43に当接する。
【0070】
金型成形工程において、金型91の凹部911内に半導体発光素子1を収容するように、一対の金型91,92で集合基材300dを挟み込む。これにより、凹部911と集合基材300dのうち凹部911に対向する部分とにより、空隙(キャビティ)93が形成される。また、
図13に示すように、金型91の厚さ方向z後方の面(当接面)912には、隆起平面21のみが当接し、かつ、
図11に示すように、隆起平面21が集合基材300dの幅方向yの一方の端縁から他方の端縁まで連続的に当接している。そして、金型91で集合基材300dを挟み込んだ状態で、金型91に形成された樹脂注入路94から透光性の樹脂材料をキャビティ93内に充填する。そして、これを硬化させることで、封止樹脂7が形成される。なお、樹脂注入路94の位置は限定されない。
【0071】
図13に示すように、角部913と隆起平面21とは、長さ方向xにおいて離間しており、また、厚さ方向zにおいて、パターン被覆部511の厚さ分、当接面912と配線パターン4(第1連結部415および第1延出部417)とが離間している。この部分に、封止樹脂7が流れ込み、突出部71が形成される。当該金型成形工程により、集合基材300dに封止樹脂7が形成された集合基材300e(
図14参照)が形成される。
【0072】
金型成形工程によって、封止樹脂7を形成した後は、
図14に示す複数の切断線CLに沿って、集合基材300eを切断する。この切断により、
図1〜
図7に示す半導体発光装置A1が複数個製造される。なお、上記半導体発光装置A1の製造方法において、複数の半導体発光装置A1を製造する場合を例に説明したが、1つずつ製造してもよい。
【0073】
次に、本実施形態に係る半導体発光装置A1およびその製造方法における作用について説明する。
【0074】
本実施形態によれば、隆起平面21が厚さ方向z視において、封止樹脂7より長さ方向x方向外側に位置し、かつ、厚さ方向z視において、第2基材側面35から第2基材側面36まで幅方向yに繋がっている。これにより、封止樹脂7をモールド成形するときに、隆起平面21が金型91(当接面912)に当接するため、レジスト層5(パターン被覆部511)と金型91とが密接し、隙間が存在しない。したがって、金型成形工程において、キャビティ93内に樹脂材料を注入したときに、パターン被覆部511が障壁となり、上記隙間を介した樹脂漏れを抑制することができる。そして、樹脂漏れが抑制されることで、外部回路との導通経路の確保が可能となり、また、樹脂バリを抑制することができる。
【0075】
本実施形態によれば、金型成形工程において、金型91で集合基材300dを押圧するとき、隆起平面21はすべて金型91の当接面912に当接し、金型91の角部913には当接していない。すなわち、金型91は、支持部材2を面で押さえることができる。これにより、金型91が隆起平面21(パターン被覆部511)に加える押圧力を分散させることができ、角部913に前記押圧力が集中しない。したがって、レジスト層5のレジスト割れを抑制でき、水蒸気や塵、埃などの異物の侵入を抑制することができる。また、水蒸気の侵入を抑制することで、水蒸気爆発などの発生を抑制できるため、封止樹脂7の剥離を抑制することができる。
【0076】
本実施形態によれば、金型成形工程において、隆起平面21(パターン被覆部511)と金型91(当接面912)とを、厚さ方向z視において、第2基材側面35から第2基材側面36まで幅方向yに繋がって当接させることで、樹脂漏れを抑制している。従来の半導体発光装置の金型成形工程において、一対の金型で挟み込むときの型締力を高くすることで、上記隙間からの樹脂漏れを抑制していたため、当該型締力により、レジスト割れが発生しやすかった。したがって、半導体発光装置A1は、一対の金型91,92の型締力を、従来のように高くすることなく、樹脂漏れを抑制することが可能となる。すなわち、半導体発光装置A1は、樹脂漏れを抑制するとともに、レジスト割れなども抑制することが可能である。さらに、高い型締力でプレス可能な金型成形機が不要となり、製造コストの抑制にも寄与することができる。
【0077】
本実施形態によれば、レジスト形成工程において、基材主面側レジスト51としてフィルム状のレジストを用いた。フィルム状のレジストは、圧着により貼り付けるため、液体状のレジストを塗布する場合に比べて、平面を形成しやすい。このため、パターン被覆部511の厚さ方向z前方を向く面を平坦にしやすい、すなわち、隆起平面21の形成が容易であるため、金型成形工程において、高い型締力を必要とせず、金型91(当接面912)との密着性を高めることができる。さらに、フィルム状のレジストは液体状のレジストと比べ、パターニング精度がよい。このため、フィルム状のレジストを用いた場合、液体状のレジストに比べて、パターン被覆部511(隆起平面21)を精度よく配置することができる。なお、液体状のレジストであっても、フィルム状のレジストと同等のパターニングが可能であれば、液体のソルダーレジストにより基材主面側レジスト51を形成してもよい。
【0078】
本実施形態によれば、パターン被覆部511の厚さ方向z前方の面が隆起平面21に相当し、金型成形工程において、パターン被覆部511(レジスト層5)が、金型91(当接面912)に当接している。よって、配線パターン4は金型91に当接していない。したがって、金型91,92の型締力が配線パターン4に直接加わらず、レジスト層5が緩衝部となり、配線パターン4の断線を抑制することができる。
【0079】
以下、本発明に係る半導体発光装置の他の実施の形態について説明する。なお、上記半導体発光装置A1と同一あるいは類似の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0080】
図15および
図16は、本発明の第2実施形態に係る半導体発光装置A2を示している。
図15は、半導体発光装置A2の平面図である。なお、
図15において封止樹脂7を透過させており、また、金型成形工程における、金型91の角部913の位置を太い破線で示している。さらに、
図15において、隆起平面21に相当する部分にハッチングを付している。
図16は、
図15のXVI−XVI線に沿う断面図である。なお、
図16においては、封止樹脂7を図示している。
【0081】
第2実施形態の半導体発光装置A2は、
図15および
図16に示すように、レジスト層5(基材主面側レジスト51)において、パターン被覆部511に繋がる基材被覆部513を有している点で上記半導体発光装置A1と異なる。
【0082】
半導体発光装置A2において、基材主面側レジスト51は、パターン被覆部511と基材被覆部513とを有しており、そして、基材被覆部513において、極性判断目印部514と被覆連続部515とを有している。
【0083】
半導体発光装置A2において、パターン被覆部511は、第1延出部417および第2延出部418のすべてを覆っている。
【0084】
被覆連続部515は、基材被覆部513のうちパターン被覆部511に繋がる部分である。本実施形態においては、被覆連続部515は複数形成されており、それぞれパターン被覆部511の長さ方向xの各端縁に繋がっている。被覆連続部515は、厚さ方向z前方を向く面が、パターン被覆部511の厚さ方向z前方を向く面(すなわち、隆起平面21)より厚さ方向z後方側に位置する。なお、本実施形態においては、
図16に示すように、被覆連続部515の一部は、厚さ方向zにおいて、封止樹脂7の突出部71に当接する部分を有する。
【0085】
本実施形態によれば、半導体発光装置A2は、隆起平面21(パターン被覆部511)を有しており、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0086】
さらに、本実施形態によれば、基材主面側レジスト51において、第1延出部417および第2延出部418のすべてを覆うようにパターン被覆部511が形成されており、さらに、パターン被覆部511に繋がる被覆連続部515を有している。レジスト層5は、配線パターン4より、基材3との接合性が高く、また、封止樹脂7との接合性も高い。よって、被覆連続部515により、レジスト層5が基材3(配線パターン4)からはがれることを抑制することができる。また、封止樹脂7が支持部材2からはがれることを抑制することができる。
【0087】
上記第2実施形態において、第1延出部417および第2延出部418の長さ方向xの両側に被覆連続部515が形成されている場合を例に説明したが、いずれか一方側のみであってもよい。
【0088】
図17および
図18は、本発明の第3実施形態に係る半導体発光装置A3を示している。
図17は、半導体発光装置A3の平面図である。なお、
図17において封止樹脂7を透過させており、また、金型成形工程における、金型91の角部913の位置を太い破線で示している。さらに、
図17において、隆起平面21に相当する部分にハッチングを付している。
図18は、
図17にXVIII−XVIIIに沿う断面図である。なお、
図18においては、封止樹脂7を図示している。
【0089】
第3実施形態の半導体発光装置A3は、配線パターン4において、
図18に示すように、主面電極41と裏面電極42,43とを側面電極44,45で導通接続させるのではなく、ビアを介して導通接続している点で上記半導体発光装置A1と異なる。また、半導体発光装置A3は、レジスト層5において、
図17および
図18に示すように、パターン被覆部511を有していない。
【0090】
半導体発光装置A3において、基材3は、第1貫通孔371および第2貫通孔372を有している。第1貫通孔371および第2貫通孔372は、基材主面31から基材裏面32まで繋がっている。第1貫通孔371は、厚さ方向z視において、第1連結部415に重なる。第2貫通孔372は、厚さ方向z視において、第2連結部416に重なる。
【0091】
半導体発光装置A3において、配線パターン4は、貫通電極461,462を有している。貫通電極461,462は導電性の材質からなる。
【0092】
貫通電極461は、第1貫通孔371の内部に充填されている。貫通電極461は、厚さ方向z前方側の端縁が第1連結部415に接し、厚さ方向z後方側の端縁が裏面電極42に接している。よって、貫通電極461は、第1連結部415と裏面電極42とを導通させている。第1貫通孔371と貫通電極461とで、ビアを形成している。
【0093】
貫通電極462は、第2貫通孔372の内部に充填されている。貫通電極462は、厚さ方向z前方側の端縁が第2連結部416に接し、厚さ方向z後方側の端縁が裏面電極43に接している。よって、貫通電極462は、第2連結部416と裏面電極43とを導通させている。第2貫通孔372と貫通電極462とで、ビアを形成している。
【0094】
なお、第1貫通孔371、第2貫通孔372、および、貫通電極461,462の位置はこれに限定されない。例えば、第1貫通孔371および貫通電極461を、厚さ方向z視において、ダイボンディング部411に重なる位置に配置してもよい。この場合、裏面電極42が厚さ方向z視においてダイボンディング部411と重なる位置まで長さ方向xに延ばしておく必要がある。同様に、第2貫通孔372および貫通電極462を、厚さ方向z視において、ワイヤボンディング部412に重なる位置に配置してもよい。
【0095】
なお、半導体発光装置A3は、貫通電極461,462を用いて主面電極41と裏面電極42,43とを導通させているため、本実施形態においては、
図17および
図18に示すように、スルーホール部331,341および側面電極44,45を有していない。
【0096】
半導体発光装置A3において、基材主面側レジスト51の基材被覆部513は、基材主面31の長さ方向xの両端縁側に配置されている。基材被覆部513は、
図17に示すように、厚さ方向z視において、矩形状である。また、厚さ方向z視において、第2基材側面35から第2基材側面36まで幅方向yに繋がっている。さらに、基材被覆部513は、
図18に示すように、封止樹脂7より長さ方向xの外側に位置し、封止樹脂7から露出している。そして、基材被覆部513は、
図17および
図18に示すように、封止樹脂7の長さ方向xの端縁に接している。基材被覆部513は、
図18に示すように、支持部材2のうち最も厚さ方向z前方に位置し、基材主面31より厚さ方向z前方に隆起している。したがって、本実施形態においては、基材被覆部513の厚さ方向z前方を向く面が、隆起平面21に相当する。
【0097】
本実施形態によれば、半導体発光装置A3は、隆起平面21(基材被覆部513)を有しており、上記第1実施形態と同様に、隆起平面21と金型91の当接面912とが密接するため、基材被覆部513が障壁となり、樹脂漏れを抑制することができる。また、隆起平面21は、金型91の角部913に当接しないため、角部913の押圧力が集中せず、レジスト割れを抑制することができる。
【0098】
上記第3実施形態においては、基材被覆部513の厚さ方向z前方を向く面が隆起平面21をなす場合を例に説明したが、基材被覆部513の代わりに、配線パターン4(主面電極41)を配置するようにしてもよい。この場合、主面電極41の一部において、厚さ方向z前方を向く面が隆起平面21に相当する。すなわち、主面電極41の一部が隆起平面21に相当する。
【0099】
図19は、本発明の第4実施形態に係る半導体発光装置A4を示している。
図19は、半導体発光装置A4の平面図である。なお、
図19において、封止樹脂7の図示を省略し、また、金型成形工程における、金型91の角部913の位置を太い破線で示している。さらに、
図19において、隆起平面21に相当する部分にハッチングを付している。
【0100】
第4実施形態の半導体発光装置A4は、
図19に示すように、第1連結部415および第2連結部416が長さ方向xに直線状に延びるのではなく、屈曲している。
【0101】
半導体発光装置A4において、第1連結部415は、
図19に示すように、第1延出部417から長さ方向x後方に延び、そして、幅方向y前方に屈曲して、ダイボンディング部411に繋がっている。第2連結部416は、
図19に示すように、第2延出部418から長さ方向x前方に延び、そして、幅方向y後方に屈曲して、ワイヤボンディング部412に繋がっている。なお、第1連結部415および第2連結部416の形状は、上記したものに限定されない。
【0102】
半導体発光装置A4において、第1連結部415および第2連結部416は、上記半導体発光装置A1と比べて、屈曲した分、長くなり、基材主面31を占有する面積が大きくなっている。上記第2実施形態で述べたように、封止樹脂7は、配線パターン4よりレジスト層5との接合性が高いため、
図19に示すように、レジスト層5(基材主面側レジスト51)を形成する領域を大きくして、封止樹脂7と支持部材2との接合性を高くしている。具体的には、基材主面側レジスト51が、第1連結部415の一部および第2連結部416の一部を覆うように、形成されている。
【0103】
本実施形態によれば、半導体発光装置A4は、隆起平面21(パターン被覆部511)を有しており、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0104】
さらに、本実施形態によれば、第1連結部415および第2連結部416を屈曲させたことで、各種接合材の染み出しを抑制し、配線パターン4の短絡を抑制することができる。例えば、封止樹脂7の材質として熱硬化性樹脂を用いた場合、封止樹脂7を硬化させるために、熱を加えることがある。この加熱により、各種接合材(例えばAgペーストやはんだ)などが再溶融する可能性があり、再溶融した接合材が染み出し、意図していない場所で、配線パターン4同士を短絡させる可能性がある。そのため、第1連結部415および第2連結部416を屈曲させたことで、接合材が染み出したとしても、配線パターン4が障壁となり、意図せぬ短絡を抑制することができる。
【0105】
なお、上記第4実施形態においては、金型成形工程において、レジスト層5(パターン被覆部511)の一部が角部913に当接する部分が生じてしまう(
図19の太い点線参照)。そのため、角部913が当接するパターン被覆部511の部分に、スリットや凹みを設けておき、角部913が隆起平面21に当接しないようにしておくとよい。
【0106】
図20は、本発明の第5実施形態に係る半導体発光装置A5を示している。
図20は、半導体発光装置A5の平面図である。なお、
図20において、封止樹脂7の図示を省略し、また、金型成形工程における、金型91の角部913の位置を太い破線で示している。さらに、
図20において、隆起平面21に相当する部分にハッチングを付している。
【0107】
第5実施形態の半導体発光装置A5は、
図20に示すように、半導体発光装置A4と比較して、円環部53をさらに有している。
【0108】
円環部53は、レジスト層5(基材主面側レジスト51)のうち、ダイボンディング部411を囲うリング状の部分である。本実施形態においては、円環部53は、白色のレジストで形成されている。なお、円環部53をさらに設けたことで、レジスト層5(基材主面側レジスト51)の一部(第1連結部415を覆う部分)の形状を変更している。
【0109】
本実施形態においては、上記第4実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0110】
さらに、本実施形態によれば、円環部53を設けたことで、円環部53が障壁となり、各種接合材の染み出しが抑制される。よって、意図しない配線パターン4の短絡を抑制することができる。例えば、半導体発光素子1をダイボンディングさせたときのはんだやAgペーストが再溶融した場合であっても、円環部53が障壁となり、周りに染み出すことを抑制する。また、反対に、円環部53の外側から内側への各種接合材の染み出しも抑制することができる。さらに、円環部53は、白色のレジストで形成されているため、半導体発光素子1から照射された光を反射させ、半導体発光装置A5の明るさを向上させることができる。
【0111】
なお、上記第5実施形態においては、上記第4実施形態に係る半導体発光装置A4に円環部53をさらに設けた場合を例に説明したが、これに限定されず、上記第1実施形態ないし上記第3実施形態に係る半導体発光装置A1〜A3に円環部53をさらに設けてもよい。この場合であっても、上記した効果を奏することができる。
【0112】
図21および
図22は、本発明の第6実施形態に係る半導体発光装置A6を示している。
図21は、半導体発光装置A6の平面図である。なお、
図21において封止樹脂7を透過させており、また、金型成形工程における、金型91の角部913の位置を太い破線で示している。さらに、
図21において、隆起平面21に相当する部分にハッチングを付している。
図22は、
図21のXXII−XXII線に沿う断面図である。なお、
図22においては、封止樹脂7を図示している。
【0113】
第6実施形態の半導体発光装置A6は、
図21および
図22に示すように、レジスト層5のうち、配線パターン4上に形成されたパターン被覆部511を有していない。なお、本実施形態においては、第1連結部415および第2連結部416を、上記第4実施形態および第5実施形態とは異なる形状で屈曲させている。
【0114】
半導体発光装置A6においては、基材3は、第1基材側面33,34にスルーホール部331,341を有しておらず、配線パターン4の側面電極44,45はそれぞれ、第1基材側面33,34のすべてを覆っている。なお、半導体発光装置A6において、上記第1実施形態と同様に、スルーホール部331,341を設け、側面電極44,45がこれらを覆うように形成されていてもよい。
【0115】
また、半導体発光装置A6においては、配線パターン4の第1端縁部413および第2端縁部414は、厚さ方向z視において、矩形状であり、第2基材側面35から第2基材側面36まで、幅方向yに繋がっている。本実施形態においては、第1端縁部413および第2端縁部414は、厚さ方向z視において、封止樹脂7の外側に位置する部分を有しており、一部が封止樹脂7から露出している。また、第1端縁部413および第2端縁部414は、
図22に示すように、その厚さ方向z前前方を向く面が、支持部材2のうち最も厚さ方向z前方に位置している。よって、半導体発光装置A6においては、第1端縁部413および第2端縁部414の厚さ方向z前方を向く面が、隆起平面21に相当する。すなわち、配線パターン4の一部が隆起平面21をなしている。
【0116】
本実施形態によれば、半導体発光装置A6は、隆起平面21(配線パターン4の第1端縁部413および第2端縁部414)を有している。これにより、樹脂漏れを抑制することができる。また、本実施形態によれば、隆起平面21は、レジスト層5ではなく配線パターン4の一部であるため、レジスト層5のレジスト割れの抑制ではなく、配線パターン4の割れを抑制することができる。
【0117】
上記第1実施形態ないし上記第6実施形態においては、半導体発光装置A1〜A6の極性を判断するための目印として、基材被覆部513の極性判断目印部514を用いた場合を例に説明したが、これに限定されず、極性を判断可能であれば、如何様にも変更可能である。
図23は、このような極性判断用の目印を変形させた場合の一例を示している。
【0118】
図23(a)は、基材3の基材裏面32にレジスト(以下、「基材裏面側レジスト52」と表現する。)を設け、この基材裏面側レジスト52を極性判断用の目印とした場合を示している。なお、
図23(a)は、第1変形例に係る半導体発光装置の底面図である。
図23(a)に示すように、基材裏面側レジスト52は、基材裏面32の長さ方向x中央付近に形成され、基材裏面32の幅方向yの一方の端縁から他方の端縁まで繋がっている。また、基材裏面側レジスト52は、厚さ方向z後方の面が平坦である。本実施形態においては、基材裏面側レジスト52は、厚さ方向z視において、長さ方向x前方の端縁が長さ方向x前方に突き出た凸字形の形状をなす。利用者は、この凸字形の基材裏面側レジスト52に基づき、半導体発光装置の極性を判断することができる。さらに、基材裏面側レジスト52は、裏面電極42,43の間に形成されているため、半導体発光装置を実装基板などに実装するときに、基材裏面側レジスト52が障壁となり、はんだなどの染み出しを抑制し、裏面電極42,43の短絡を抑制することが可能である。なお、基材裏面側レジスト52の形状は上記したものに限定されない。
【0119】
図23(b)は、基材3の一部を欠損させ、当該欠損させた部分(以下、「欠損部39」と表現する。)を極性判断用の目印とした場合を示している。なお、
図23(b)は、第2変形例に係る半導体発光装置の平面図である。
図23(b)に示すように、欠損部39は、厚さ方向z視において、長さ方向x前方側かつ幅方向y両端側に、基材主面31から厚さ方向z後方に凹んでいる。利用者は、この基材3に設けられた欠損部39に基づき、半導体発光装置の極性を判断することができる。
【0120】
上記第1実施形態ないし上記第6実施形態においては、金型91において、傾斜部914を設けた場合を例に説明したが、傾斜部914を設けなくてもよい。
図24は、傾斜部914を設けていない金型91を示している。なお、
図24は、上記
図13に対応する図である。
【0121】
従来の金型成形工程においては、角部913が支持部材2に当接するため、傾斜部914を設け、角部913の角度をより大きくすることで、角部913に集中する圧力を緩和させていた。一方、本発明の金型成形工程においては、角部913が支持部材2(配線パターン4やレジスト層5)に当接させず、当接面912で押さえるようにしているため、角部913による集中した圧力が加わらない。よって、角部913の角度を小さくすることが可能であり、傾斜部914を必要としない。したがって、
図24に示すように、金型91に傾斜部914を設けなくてもよい。
【0122】
傾斜部914を設けた場合、封止樹脂7の長さ方向x寸法が大きくなるが、本変形例においては、封止樹脂7の長さ方向x寸法を抑えることができる。よって、支持部材2(基材3)の長さ方向x寸法を小さくし、半導体発光装置の小型化が可能となる。あるいは、封止樹脂7を、より支持部材2の長さ方向x端縁部まで形成することができるため、支持部材2(基材3上への配線パターン4やレジスト層5)の設計の自由度が向上する。
【0123】
本発明に係る半導体発光装置および当該半導体発光装置の製造方法は、上記した実施形態および各種変形例に限定されるものではない。本発明の半導体発光装置の各部の具体的な構成および当該半導体発光装置の製造方法の各工程の具体的な手順や方法は、種々に設計変更自在である。