【解決手段】変調した受信信号を受信する非同期検波方式の受信装置であって、局発信号を発振する発振器と、受信信号と局発信号を受け、I信号を生成する第1乗算器と、受信信号と、移相器によって位相がπ/2シフトした局発信号を受け、Q信号を生成する第2乗算器と、I信号、およびQ信号に基づいて、受信信号と局発信号の周波数の差分を抽出し、該周波数の差分に応じて局発信号の周波数を制御するための制御信号を生成する周波数検波器と、を備え、発振器は、制御信号にしたがって前記局発信号の周波数を調整する。
前記発振器、前記第1乗算器、前記第2乗算器、および前記周波数検波器は、ループ回路を構成し、前記発振器は、前記局発信号の周波数を繰り返し調整する、請求項1または2に記載の受信装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[原理]
まず、本発明の実施形態を説明する前に、
図1を参照して本発明の原理について説明する。
【0018】
受信装置10は、第1乗算器11と、第2乗算器12と、移相器13と、周波数アシスト機能部14と、を備えている。
【0019】
受信装置10は、2つの成分(I−Phase、Q−Phase)を持つ受信信号を分配して第1乗算器11、および第2乗算器12に供給する。第1乗算器11、および第2乗算器12は、受信信号を受け、受信信号に局発信号を乗算するとともに、乗算した結果をI(In-Phase:同相)信号、Q(Quadrature-Phase:直交位相)信号として外部に出力することができる。
【0020】
具体的には、第1乗算器11は、送信装置が変調して送信した受信信号(デジタル変調信号)と、後述する発振器142が発振する局発信号を受け、乗算してI信号を生成するとともに、生成したI信号を周波数アシスト機能部14、および復調器(図示しない)等に出力する。第2乗算器12は、受信信号と、移相器13により位相をπ/2シフトさせた局発信号を受け、乗算してQ信号を生成するとともに、生成したQ信号を周波数アシスト機能部14、および復調器に出力する。
【0021】
移相器13は、受けた信号の位相をシフトさせるとともに、位相をシフトさせた信号を外部に出力することができる。受信装置10において、移相器13は、局発信号を受け、局発信号の位相をπ/2シフトさせて第2乗算器12に出力する。
【0022】
周波数アシスト機能部14は、周波数検波器141と、発振器142とを備え、受信装置10に対して周波数アシスト機能を適用する機能を有している。
【0023】
ここで、本発明における周波数アシスト機能について説明する。
【0024】
周波数アシスト機能とは、受信信号の周波数を検波するとともに、検波した周波数に基づいて受信信号の搬送波周波数と局発周波数とが一致するように局発信号の周波数を制御することによって、S/Nの改善量の劣化を抑制することのできる機能である。
【0025】
具体的には、周波数アシスト機能は、受信信号の搬送波周波数と、局発信号の周波数の差分(以下、誤差とも呼ぶ)を算出し、算出した誤差に基づいて局発信号の周波数を受信信号の周波数と一致するように調整する。すなわち、非同期検波回路において、周波数アシスト機能は、受信信号の搬送波周波数と、局発信号の周波数を同期させる機能である。
【0026】
受信装置10は、局発信号の周波数を受信信号の周波数と同期させることによって非同期検波後のS/Nを改善するための復調器での積分において、S/Nの改善量の劣化を抑制する。したがって、受信装置10は、S/Nを改善するための積分において、通常の非同期検波方式の受信装置と比べて、S/Nの改善量の劣化を抑制することができる。
【0027】
以下では、受信装置10に対して周波数アシスト機能を適用する周波数アシスト機能部14について具体的に説明する。
【0028】
周波数検波器141は、I信号、およびQ信号を受け、I信号、およびQ信号に基づいて受信信号と局発信号の周波数の誤差を算出する。
【0029】
図2は、周波数検波器141の構成の一例を示すブロック図である。
【0030】
周波数検波器141は、第1遅延回路1411と、第2遅延回路1412と、第1検波器内乗算器1413と、第2検波器内乗算器1414と、検波器内加算器1415と、制御部1416と、を備えている。
【0031】
第1遅延回路1411は、I信号を受け、I信号にタイムラグを発生させるとともに、タイムラグを発生させたI信号を第1検波器内乗算器1413に出力する。
【0032】
第2遅延回路1412は、Q信号を受け、Q信号にタイムラグを発生させるとともに、タイムラグを発生させたQ信号を第2検波器内乗算器1414に出力する。
【0033】
第1検波器内乗算器1413は、Q信号と、タイムラグが発生したI信号を乗算するとともに、乗算した結果を検波器内加算器1415に出力する。
【0034】
第2検波器内乗算器1414は、I信号と、タイムラグが発生したQ信号を乗算するとともに、乗算した結果を検波器内加算器1415に出力する。
【0035】
検波器内加算器1415は、第1検波器内乗算器1413と、第2検波器内乗算器1414から出力された結果を加算することによって受信信号と局発信号の周波数の誤差である誤差信号を生成する。また、検波器内加算器1415は、生成した誤差信号を制御部1416に出力する。
【0036】
制御部1416は、誤差信号に基づいて局発信号の周波数を調整するための制御信号を生成するとともに、生成した制御信号を発振器142に出力する。
【0037】
なお、上述した周波数検波器141の構成は例示であり、本発明を何ら限定するものではない。
【0038】
発振器142は、初期の段階では、任意の周波数の局発信号を第1乗算器11、および第2乗算器12に出力する。そして、発振器142は、制御部1416から制御信号を受けると、制御信号にしたがって局発信号の周波数を調整するとともに、周波数を調整した局発信号を第1乗算器11、および第2乗算器12に出力する。
【0039】
周波数アシスト機能部14は、上述した構成を有しているので、発振器142が発振する局発信号の周波数を受信信号の搬送波周波数と同期させることができる。
【0040】
すなわち、受信装置10は、通常の非同期検波の受信装置と比べて、S/Nの改善量の劣化を抑制することができる。また、受信装置10において、第1乗算器11、第2乗算器12、および周波数アシスト機能部14はループコイルを構成しているので、I信号、およびQ信号を繰り返し生成することによって受信信号の搬送波周波数と局発信号との周波数の誤差をより小さくすることができる。つまり、受信装置10は、受信信号の搬送波周波数と局発信号の周波数の誤差を実質的に0に調整することができる。
【0041】
ここで、
図3を参照して、受信信号の搬送波周波数と局発信号の周波数の誤差と、S/Nの改善量の関係について説明する。
【0042】
図3は、非同期検波方式の受信装置の、受信信号の搬送波周波数と局発信号の周波数の誤差と、S/Nの改善量の関係を示すグラフであり、横軸が受信信号と局発信号との周波数の誤差を示し、縦軸がS/Nの改善量(dB)を示している。図示の通り、非同期検波方式の受信装置は、受信信号の搬送波周波数と局発信号の周波数の誤差が大きいほどS/Nの改善量が劣化する。
【0043】
上述の通り、受信装置10は、局発信号の周波数を受信信号の搬送波周波数と同期しているので局発信号と受信信号の周波数の誤差は実質的に0である。すなわち、受信装置10は、S/Nの改善量が劣化することなく、受信信号を復調することができる。
【0044】
[受信装置10の動作]
図4は、受信装置10の動作の流れを示すフローチャートである。以下、
図4を参照しつつ、受信装置10の動作の流れについて説明する。
【0045】
まず、第1乗算器11は受信信号、および局発信号を受け、第2乗算器12は受信信号、および位相がπ/2シフトした局発信号を受ける(ステップS101)。
【0046】
次に、第1乗算器11は、受信信号と局発信号とを乗算するとともに、I信号を周波数アシスト機能部14、および復調器等に出力する。第2乗算器12は、受信信号と位相がπ/2シフトした局発信号とを乗算するとともに、Q信号を周波数アシスト機能部14、および復調器等に出力する(ステップS102)。
【0047】
続いて、周波数アシスト機能部14はI信号、およびQ信号を受け、周波数検波器141がI信号、およびQ信号に基づいて受信信号の搬送波周波数と局発信号の周波数の誤差を算出する(ステップS103)。
【0048】
更に、周波数検波器141は、算出した誤差に基づいて受信信号の搬送波周波数に一致するように局発信号の周波数を調整させる指令である周波数の制御信号を発振器142に出力する(ステップS104)。
【0049】
そして、発振器142は、制御信号にしたがって局発信号を調整する(ステップS105)。
【0050】
なお、受信装置10は、第1乗算器11、第2乗算器12、および周波数アシスト機能部14がループ回路を構成しているので、ステップS101〜ステップS105の処理を繰り返す。受信装置10は、ステップS101〜ステップS105の処理を繰り返すことによって、受信信号の搬送波周波数と局発信号の周波数の誤差を実質的に0に調整することができる。
【0051】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、上述の原理と同様の内容については繰り返しの煩雑を避けるために、適宜説明を省略する。
【0052】
[第1実施形態]
図5は、本発明の第1実施形態に係る受信装置10Aの構造を示すブロック図である。
【0053】
受信装置10Aは、第1乗算器11Aと、第2乗算器12Aと、移相器13Aと、周波数アシスト機能部14Aと、復調器15Aと、を備えている。
【0054】
周波数アシスト機能部14Aは、周波数検波器141Aと、発振器142Aと、LPF(Low Pass Filter:ローパスフィルタ)143Aとを備え、受信装置10に対して周波数アシスト機能を適用する機能を有している。なお、周波数検波器141Aは、周波数検波器141で実現することができる。
【0055】
LPF143Aは、周波数検波器141Aから制御信号を受け、制御信号に生じたノイズを除去し、ノイズを除去した制御信号を発振器142Aに出力する。発振器142Aは、ノイズが除去された制御信号にしたがって、局発信号の周波数を安定して調整することができる。
【0056】
復調器15Aは、I信号、およびQ信号に基づいて、受信信号を復調する。本発明において、復調器15Aは、一般的な方法で変調した受信信号を復調することができる。
【0057】
[受信装置10Aの動作]
次に、
図6を参照して、受信装置10Aの動作について説明する。
図6は、受信装置10Aの動作の流れを示すフローチャートである。
【0058】
まず、第1乗算器11Aは受信信号、および局発信号を受け、第2乗算器12Aは受信信号、および位相がπ/2シフトした局発信号を受ける(ステップS201)。
【0059】
次に、第1乗算器11A、および第2乗算器12Aは、受信信号と局発信号とを乗算する。第1乗算器11AはI信号を、第2乗算器12AはQ信号を、それぞれ周波数アシスト機能部14A、および復調器15Aに出力する(ステップS202)。
【0060】
続いて、周波数アシスト機能部14AはI信号、およびQ信号を受けると、周波数検波器141AがI信号、およびQ信号に基づいて、受信信号の搬送波周波数と局発信号の周波数の誤差を算出する(ステップS203)。
【0061】
更に、周波数検波器141Aは、算出した差分に基づいて、受信信号の搬送波周波数に一致するように局発信号の周波数を調整する周波数の制御信号を生成し、生成した制御信号を、LPF143Aを介して発振器142Aに出力する(ステップS204)。
【0062】
次に、発振器142Aは、制御信号にしたがって局発信号の周波数を調整するとともに、周波数を調整した局発信号を第1乗算器11A、および第2乗算器12Aに出力する(ステップS205)。
【0063】
なお、受信装置10Aは、第1乗算器11A、第2乗算器12A、および周波数アシスト機能部14Aがループ回路を構成しているので、ステップS201〜ステップS205の処理を繰り返す。
【0064】
そして、復調器15Aは、I信号、およびQ信号に基づいて、変調した受信信号を復調する(ステップS206)。
【0065】
上述の通り、受信装置10Aは、局発信号の周波数を受信信号の搬送波周波数と同期しているので局発信号と受信信号の周波数の誤差は実質的に0である。すなわち、受信装置10Aは、S/Nの改善量が劣化することなく、受信信号を復調することができる。
【0066】
[第2実施形態]
次に、
図7を参照して、本発明の第2実施形態に係る受信装置10Bについて説明する。
図7は、受信装置10Bの構成を示すブロック図である。具体的には、受信装置10Bは、周波数アシスト機能を有する同期検波方式の受信装置である。
【0067】
受信装置10Bは、第1乗算器11Bと、第2乗算器12Bと、移相器13Bと、周波数アシスト機能部14Bと、復調器15Bと、を備えている。
【0068】
周波数アシスト機能部14Bは、周波数検波器141Bと、発振器142Bと、LPF143Bと、位相検波器144Bと、切替器145Bと、を備えている。つまり、周波数アシスト機能部14Bは、受信信号の搬送波周波数だけでなく、受信信号の位相も検波することができる。すなわち、同期検波回路において、周波数アシスト機能とは、局発信号の周波数、および位相を、受信信号の搬送波周波数、および位相と同期させる機能である。
【0069】
周波数アシスト機能部14Bにおいては、第1乗算器11B、および第2乗算器12Bから、それぞれ、I信号、およびQ信号を受けると、周波数検波器141Bが局発信号の周波数を制御するための制御信号を生成し、位相検波器144Bが局発信号の位相を制御するための制御信号を生成する。
【0070】
周波数検波器141Bは、I信号、およびQ信号に基づいて、受信信号の搬送波周波数と局発信号の周波数の差分を算出することができる。そして、周波数検波器141Bは、局発信号の周波数を制御するための周波数制御信号を切替器145Bに出力する。なお、周波数検波器141Bは、周波数検波器141で実現することができる。
【0071】
位相検波器144Bは、I信号、およびQ信号に基づいて、受信信号の搬送波の位相と局発信号の位相の差分を算出することができる。そして、位相検波器144Bは、局発信号の位相を制御するための位相制御信号を切替器145Bに出力する。
【0072】
切替器145Bは、周波数制御信号と、位相制御信号とを切り替えてLPF143Bに出力することが可能であり、周波数制御信号と、位相制御信号とを切り替えてLPF143Bを介して発振器142Bに出力する。
【0073】
すなわち、受信装置10Bは、局発信号の周波数、および位相を受信信号の周波数、および位相と同期することができる。
【0074】
具体的には、初期の段階では、切替器145Bは、周波数制御信号、および位相制御信号の内、周波数制御信号を通過させる。そして、発振器142Bは、周波数検波器141Bの出力に基づいて、局発信号の周波数を粗調整する。その後、切替器145Bは、通過させる制御信号を周波数制御信号から位相制御信号に切り替える。そして、発振器142Bは、位相検波器144Bの出力に基づいて、局発信号の位相を精密に受信信号の位相に同期させる。
【0075】
[受信装置10Bの動作]
次に、
図8を参照して、受信装置10Bの動作について説明する。
図8は、受信装置10Bの動作の流れを示すフローチャートである。
【0076】
まず、第1乗算器11Bは受信信号、および局発信号を受け、第2乗算器12Bは受信信号、および位相がπ/2シフトした局発信号を受ける(ステップS301)。
【0077】
次に、第1乗算器11B、および第2乗算器12Bは、受信信号と局発信号とを乗算する。第1乗算器11BはI信号を、第2乗算器12BはQ信号を、それぞれ周波数アシスト機能部14B、および復調器15Bに出力する(ステップS302)。
【0078】
続いて、周波数アシスト機能部14Bにおいては、I信号、およびQ信号を受けると、周波数検波器141Bが、I信号、およびQ信号に基づいて受信信号の搬送波周波数と局発信号の周波数の差分を算出する(ステップS303)。
【0079】
更に、位相検波器144Bが、I信号、およびQ信号に基づいて受信信号の搬送波の位相と局発信号の位相の差分を算出する(ステップS304)。
【0080】
次に、周波数検波器141Bは、受信信号の周波数に一致するように局発信号の周波数を調整するための周波数制御信号を、算出した差分に基づいて生成し、生成した周波数制御信号を切替器145Bに出力する。一方、位相検波器144Bは、受信信号の位相に一致するように局発信号の位相を調整するための位相制御信号を、算出した差分に基づいて生成し、生成した位相制御信号を切替器145Bに出力する(ステップS305)。
【0081】
続いて、切替器145Bは、初期の段階では、周波数制御信号、および位相制御信号の内、周波数制御信号を、LPF143Bを介して発振器142Bに出力する(ステップS306)。
【0082】
次に、発振器142Bは、周波数制御信号にしたがって、局発信号の周波数を受信信号の周波数に粗調整する(ステップS307)。
【0083】
次いで、切替器145Bは、位相制御信号を、LPF143Bを介して発振器142Bに出力する(ステップS308)。
【0084】
そして、発振器142Bは、位相制御信号にしたがって、局発信号の位相を精密に受信信号の位相に同期させる(ステップS309)。
【0085】
なお、受信装置10Bは、第1乗算器11B、第2乗算器12B、および周波数アシスト機能部14Bがループ回路を構成しているので、ステップS301〜ステップS309の処理を複数回繰り返す。
【0086】
そして、復調器15Bは、I信号、およびQ信号に基づいて、受信信号を復調する(ステップS310)。
【0087】
上述の通り、受信装置10Bは、局発信号の周波数、および位相を受信信号の周波数、および位相と同期しているので局発信号と受信信号の周波数、および位相の誤差は実質的に0である。すなわち、受信装置10Bは、S/Nの改善量が劣化することなく、受信信号を復調することができる。
【0088】
なお、上述した受信装置10、受信装置10A、および受信装置10Bを構成する各部は、ハードウエアによって実現してもよいし、ソフトウエアによって実現してもよい。また、各部は、ハードウエアとソフトウエアの組み合わせによって実現してもよい。
【0089】
例えば、CPU(Central Processing Unit)が、読み取り可能な記憶媒体が保持するプログラムを読み出すことによって、コンピュータを受信装置10、受信装置10A、および受信装置10Bの各部として動作させてもよい。記憶媒体を例示すると、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、および半導体メモリ等である。また、プログラムは、CPUが読み取り可能な記憶媒体が保持しているだけでなく、ネットワークに接続された記憶装置が保持していてもよい。
【0090】
上記の各実施形態の一部、または全部は、以下の付記のようにも記載されうる。なお、以下の付記は本発明をなんら限定するものではない。
【0091】
[付記1]
変調した受信信号を受信する非同期検波方式の受信装置であって、
局発信号を発振する発振器と、
前記受信信号と前記局発信号を受け、I信号を生成する第1乗算器と、
前記受信信号と、移相器によって位相がπ/2シフトした前記局発信号を受け、Q信号を生成する第2乗算器と、
前記I信号、および前記Q信号に基づいて、前記受信信号と前記局発信号の周波数の差分を抽出し、該周波数の差分に応じて前記局発信号の周波数を制御するための制御信号を生成する周波数検波器と、を備え、
前記発振器は、前記制御信号にしたがって前記局発信号の周波数を調整する、受信装置。
【0092】
[付記2]
前記周波数検波器は、
前記I信号にタイムラグを発生させる第1遅延回路と、
前記Q信号にタイムラグを発生させる第2遅延回路と、
前記Q信号とタイムラグが発生した前記I信号を乗算する第1検波器内乗算器と、
前記I信号とタイムラグが発生した前記Q信号を乗算する第2検波器内乗算器と、
前記第1検波器内乗算器の乗算の結果と、前記第2検波器内乗算器の乗算の結果を加算し、前記受信信号と前記局発信号の周波数の差分を抽出する検波器内加算器と、
前記周波数の差分に基づいて、前記局発信号の周波数を制御するための制御信号を生成する制御部と、を備える、付記1に記載の受信装置。
【0093】
[付記3]
前記発振器、前記第1乗算器、前記第2乗算器、および前記周波数検波器は、ループ回路を構成し、前記発振器は、前記局発信号の周波数を繰り返して調整する、付記1または2に記載の受信装置。
【0094】
[付記4]
変調した受信信号を受信する同期検波方式の受信装置であって、
局発信号を発振する発振器と、
前記受信信号と前記局発信号を受け、I信号を生成する第1乗算器と、
前記受信信号と、移相器によって位相がπ/2シフトした前記局発信号を受け、Q信号を生成する第2乗算器と、
前記I信号、および前記Q信号に基づいて前記受信信号と前記局発信号の周波数の差分を抽出し、該周波数の差分に応じて前記局発信号の周波数を制御するための周波数制御信号を生成する周波数検波器と、
前記I信号、および前記Q信号に基づいて前記受信信号と前記局発信号の位相の差分を抽出し、該位相の差分に応じて前記局発信号の位相を制御するための位相制御信号を生成する位相検波器と、を備え、
前記発振器は、前記周波数制御信号にしたがって前記局発信号の周波数を調整し、前記局発信号の周波数の調整後に、前記位相制御信号にしたがって前記局発信号の位相を調整する、受信装置。
【0095】
[付記5]
前記周波数制御信号と、前記位相信号とを切り替えて前記発振器に出力する切替器をさらに備える、付記4に記載の受信装置。
【0096】
[付記6]
前記周波数検波器は、
前記I信号にタイムラグを発生させる第1遅延回路と、
前記Q信号にタイムラグを発生させる第2遅延回路と、
前記Q信号とタイムラグが発生した前記I信号を乗算する第1検波器内乗算器と、
前記I信号とタイムラグが発生した前記Q信号を乗算する第2検波器内乗算器と、
前記第1検波器内乗算器の乗算の結果と、前記第2検波器内乗算器の乗算を加算し、前記受信信号と前記局発信号の周波数の差分を抽出する検波器内加算器と、
前記周波数の差分に基づいて、前記局発信号の周波数を制御するための制御信号を生成する制御部と、を備える、付記4または5に記載の受信装置。
【0097】
[付記7]
前記発振器、前記第1乗算器、前記第2乗算器、および前記周波数検波器は、ループ回路を構成し、前記発振器は、前記局発信号の周波数を繰り返して調整する、付記4〜6のいずれか1つに記載の受信装置。
【0098】
[付記8]
変調した受信信号を受信する非同期検波方式の受信方法であって、
局発信号を発振し、
前記受信信号と前記局発信号によってI信号を生成し、
前記受信信号と、位相がπ/2シフトした前記局発信号によってQ信号を生成し、
前記I信号、および前記Q信号に基づいて前記受信信号と前記局発信号の周波数の差分を抽出し、該周波数の差分に応じて前記局発信号の周波数を制御するための制御信号を生成し、
前記制御信号にしたがって前記局発信号の周波数を調整する、受信方法。
【0099】
[付記9]
前記制御信号は、
前記I信号にタイムラグを発生させ、
前記Q信号にタイムラグを発生させ、
前記Q信号とタイムラグが発生した前記I信号を乗算した結果を出力し、
前記I信号とタイムラグが発生した前記Q信号を乗算した結果を出力し、
前記I信号を乗算した結果と、前記Q信号を乗算した結果とを受け、前記受信信号と前記局発信号の周波数の差分を抽出し、
前記周波数の差分に基づいて生成される、付記8に記載の受信方法。
【0100】
[付記10]
変調した受信信号を受信する同期検波方式の受信方法であって、
局発信号を発振し、
前記受信信号と前記局発信号によってI信号を生成し、
前記受信信号と、位相がπ/2シフトした前記局発信号によってQ信号を生成し、
前記I信号、および前記Q信号に基づいて前記受信信号と前記局発信号の周波数の差分を抽出し、該周波数の差分に応じて前記局発信号の周波数を制御するための周波数制御信号を生成し、
前記I信号、および前記Q信号に基づいて前記受信信号と前記局発信号の位相の差分を抽出し、該位相の差分に応じて前記局発信号の位相を制御するための位相制御信号を生成し、
前記周波数制御信号にしたがって前記局発信号の周波数を調整し、前記局発信号の周波数の調整後に、前記位相制御信号にしたがって前記局発信号の位相を調整する、受信方法。
【0101】
[付記11]
前記周波数制御信号と、前記位相信号とを切り替えて前記発振器に出力する、付記10に記載の受信方法。
【0102】
[付記12]
前記制御信号は、
前記I信号にタイムラグを発生させ、
前記Q信号にタイムラグを発生させ、
前記Q信号とタイムラグが発生した前記I信号を乗算した結果を出力し、
前記I信号とタイムラグが発生した前記Q信号を乗算した結果を出力し、
前記I信号を乗算した結果と、前記Q信号を乗算した結果とを受け、前記受信信号と前記局発信号の周波数の差分を抽出し、
前記周波数の差分に基づいて生成される、付記10または11に記載の受信方法。
【0103】
[付記13]
変調した受信信号を受信する非同期検波回路方式の受信装置の処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
局発信号を発振するステップと、
前記受信信号と前記局発信号によってI信号を生成するステップと、
前記受信信号と、位相がπ/2シフトした前記局発信号によってQ信号を生成するステップと、
前記I信号、および前記Q信号に基づいて前記受信信号と前記局発信号の周波数の差分を抽出し、該周波数の差分に応じて前記局発信号の周波数を制御するための制御信号を生成するステップと、
前記制御信号にしたがって前記局発信号の周波数を調整するステップとを、前記コンピュータに実行させる、プログラム。
【0104】
[付記14]
前記制御信号を生成するステップは、
前記I信号にタイムラグを発生させるステップと、
前記Q信号にタイムラグを発生させるステップと、
前記Q信号とタイムラグが発生した前記I信号を乗算した結果を出力するステップと、
前記I信号とタイムラグが発生した前記Q信号を乗算した結果を出力するステップと、
前記I信号を乗算した結果と、前記Q信号を乗算した結果とを受け、前記受信信号と前記局発信号の周波数の差分を抽出するステップと、
前記周波数の差分に基づいて前記制御信号を生成するステップとを含む、付記13に記載のプログラム。
【0105】
[付記15]
変調した受信信号を受信する同期検波方式の受信装置の処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
局発信号を発振するステップと、
前記受信信号と前記局発信号によってI信号を生成するステップと、
前記受信信号と、位相がπ/2シフトした前記局発信号によってQ信号を生成するステップと、
前記I信号、および前記Q信号に基づいて前記受信信号と前記局発信号の周波数の差分を抽出し、該周波数の差分に応じて前記局発信号の周波数を制御するための周波数制御信号を生成するステップと、
前記I信号、および前記Q信号に基づいて前記受信信号と前記局発信号の位相の差分を抽出し、該位相の差分に応じて前記局発信号の位相を制御するための位相制御信号を生成するステップと、
前記周波数制御信号にしたがって前記局発信号の周波数を調整し、前記局発信号の周波数の調整後に、前記位相制御信号にしたがって前記局発信号の位相を調整するステップとを、前記コンピュータに実行させる、プログラム。
【0106】
[付記16]
前記コンピュータに、前記周波数制御信号と、前記位相信号とを切り替えて前記発振器に出力するステップとを実行させる、付記15に記載のプログラム。
【0107】
[付記17]
前記制御信号を生成するステップは、
前記I信号にタイムラグを発生させるステップと、
前記Q信号にタイムラグを発生させるステップと、
前記Q信号とタイムラグが発生した前記I信号を乗算した結果を出力するステップと、
前記I信号とタイムラグが発生した前記Q信号を乗算した結果を出力するステップと、
前記I信号を乗算した結果と、前記Q信号を乗算した結果とを受け、前記受信信号と前記局発信号の周波数の差分を抽出するステップと、
前記周波数の差分に基づいて前記制御信号を生成するステップとを含む、付記15または16に記載のプログラム。