【解決手段】変圧器は、鉄心と、鉄心に巻回された一次側巻線と、鉄心に巻回された、板状の二次側巻線3aと、二次側巻線3aの端部3a−1において、二次側巻線3aとの間で電力線通信の信号をバイパスするためのコンデンサ6を形成する導電性の板状部材5とを備える。板状部材5が一次側巻線の一端に接続されている場合には、そのコンデンサ6により、一次側の電力線と二次側の電力線との間で電力線通信の信号がバイパスされることになり、変圧器における電力線通信の信号の減衰の程度を少なくすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記非特許文献1にも記載されているとおり、家庭内等で用いられている単相三線の電力線では、L1相に接続された機器と、L2相に接続された機器との間での電力線通信の信号の減衰が大きく、電力線通信を行うことが困難であるという問題が知られている。そのような問題は、電力線通信信号が変圧器の巻線を通過する際に大幅に減衰することに起因している。そのように、通常、電力線通信信号は、変圧器を通過する際に大幅に減衰するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、電力線通信信号を通過させることができる変圧器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明による変圧器は、電力線通信の信号をバイパスするためのコンデンサを有する変圧器であって、鉄心と、鉄心に巻回された一次側巻線と、鉄心に巻回された、板状の二次側巻線と、二次側巻線の端部において、二次側巻線との間でコンデンサを形成する導電性の板状部材と、を備えたものである。
このような構成により、コンデンサを介して電力線通信信号をバイパスすることができるようになる。したがって、例えば、単相三線の電力線において、L1相とL2相との間で電力線通信を行うことができるようになる。また、二次側巻線の端部を用いてコンデンサを形成することにより、コンデンサのために必要なスペースを少なくすることができる。その結果、変圧器を大型化することなく、電力線通信信号のバイパス用コンデンサを配置することができる。
【0007】
また、本発明による変圧器では、コンデンサによって、一次側巻線の一端と、二次側巻線の一端との間で電力線通信の信号がバイパスされてもよい。
このような構成により、変圧器の一次側と二次側との間で電力線通信信号をバイパスすることができるようになる。
【0008】
また、本発明による変圧器では、コンデンサによって、二次側巻線の一端と他端との間で電力線通信の信号がバイパスされてもよい。
このような構成により、変圧器の二次側の一端と他端との間で電力線通信信号をバイパスすることができるようになる。その結果、例えば、単相三線の電力線において、L1相とL2相との間で電力線通信を行うことができるようになる。
【0009】
また、本発明による変圧器では、一次側巻線は、二次側巻線の外側に同心配置されており、板状部材は、一次側巻線と二次側巻線との間に存在してもよい。
このような構成により、従来の変圧器に存在するスペースを有効利用して、電力線通信信号のバイパス用のコンデンサを設置することができるようになる。
【発明の効果】
【0010】
本発明による変圧器によれば、電力線通信信号をコンデンサによってバイパスすることができ、また、そのコンデンサを省スペースに配置することができるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明による変圧器について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素は同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。本実施の形態による変圧器は、二次側の巻線が板状であり、その巻線の一端と板状部材との間で電力線通信信号をバイパスするためのコンデンサが形成されるものである。
【0013】
図1は、本実施の形態による変圧器1の外観図であり、
図2は、変圧器1の巻線を示す図であり、
図3Aは、一方の二次側巻線の斜視図であり、
図3Bは、その二次側巻線の正面図であり、
図3Cは、その二次側巻線の平面図である。
【0014】
変圧器1は、一次側巻線2a,2bと、二次側巻線3a,3bと、鉄心4と、板状部材5とを備える。変圧器1は、例えば、配電用の変圧器であってもよい。配電用の変圧器は、例えば、6kV程度の高圧を、100Vや200Vなどの低圧に変圧する柱上変圧器等であってもよい。なお、変圧器1は、例えば、樹脂モールドで固められたモールド変圧器であってもよく、絶縁油を冷却媒体として使用する油入変圧器であってもよく、その他の変圧器であってもよい。
【0015】
一次側巻線2a,2b、二次側巻線3a,3bは、それぞれ鉄心4に巻回されている。
図1,
図2で示されるように、巻線Aにおいて、一次側巻線2aは、二次側巻線3aの外側に同心配置されており、また、巻線Bにおいても、一次側巻線2bは、二次側巻線3bの外側に同心配置されている。二次側巻線3a,3bは、例えば、
図3A等で示されるように、板状の導電材料によって構成されている。その導電材料の幅(短手方向の長さ)は問わないが、電力線通信信号をバイパスするのに十分な容量のコンデンサを形成できる程度の幅を有していることが好適である。
【0016】
板状部材5は、一方の二次側巻線3aの端部3a−1において、二次側巻線3aとの間でコンデンサ6を形成する。そのコンデンサ6は、電力線通信の信号をバイパスするために用いられる。また、板状部材5と、端部3a−1との間でコンデンサ6が形成されるとは、板状部材5と、端部3a−1とをそれぞれ電極とするコンデンサ6が形成されることである。
図3A〜
図3Cで示されるコンデンサ6は、二次側巻線3aの最外郭の巻線と、板状部材5との間に形成されている。板状部材5は、端部3a−1との距離が一定となるように固定されていることが好適である。また、板状部材5は、通常、平面状の部材であるが、そうでなくてもよい。例えば、板状部材5は、湾曲形状等であってもよい。また、板状部材5は、端部3a−1と同様の形状を有しており、また、端部3a−1に平行に固定されることが好適である。例えば、
図3A〜
図3Cで示されるように、端部3a−1が平板状である場合には、板状部材5は、その平板状の端部3a−1に平行に設けられる平板であってもよい。また、端部3a−1が湾曲形状である場合には、板状部材5は、その湾曲形状の端部3a−1に平行に設けられる湾曲形状の部材であってもよい。板状部材5は、導電性を有するものとする。板状部材5の導電材料は、二次側巻線3aの導電材料と同じであってもよい。板状部材5と、端部3a−1との間には、例えば、両者の間隔を一定に保つためのスペーサ等が存在してもよい。また、板状部材5は、例えば、二次側巻線3aが巻回される枠体(図示せず)や、一次側巻線2aが巻回される枠体(図示せず)、巻線のケース等に固定されることによって、二次側巻線3aの端部3a−1との距離が一定に保たれてもよい。
図3A〜
図3Cで示される板状部材5は、二次側巻線3aの外周側に設けられている。なお、端部にコンデンサが形成されない二次側巻線3bは、板状部材5が端部に存在しない以外は、二次側巻線3aと同様の板状の巻線であってもよい。
【0017】
なお、コンデンサ6によって信号がバイパスされる電力線通信の方式は問わないが、例えば、1MHz以上の周波数を利用する電力線通信であってもよく、2MHzから30MHzの帯域を利用する電力線通信(いわゆる、高速PLC)であってもよく、その他の周波数を利用する電力線通信であってもよい。
【0018】
コンデンサ6は、電力線通信の信号を通過させることはできるが、50Hzや60Hzなどの商用電源周波数の電力を通過させないものであることが好適である。コンデンサ6のインピーダンスは、周波数に反比例するため、商用電源周波数程度の低周波数では高インピーダンスとなり、電力線通信の周波数程度の高周波数では低インピーダンスとなる。また、変圧器1が配電用である場合には、高電圧がかかることもあるため、コンデンサ6は、高耐圧であることが好適である。なお、板状部材5と、二次側巻線3aの端部3a−1との間に誘電体が挿入されてもよい。コンデンサ6の容量を大きくするためである。その誘電体は、例えば、セラミックや紙、樹脂、絶縁油等であってもよい。例えば、変圧器1が、モールド変圧器や油入変圧器である場合には、モールド樹脂や絶縁油が、板状部材5と端部3a−1との間に挿入されてもよい。そのため、板状部材5と端部3a−1との間にモールド樹脂や絶縁油が流入可能なように変圧器1が構成されてもよい。具体的には、一次側巻線2aや二次側巻線3aが巻回される枠体等において、コンデンサ6の近傍の位置にモールド樹脂や絶縁油が進入可能な孔や隙間等を設けるようにしてもよい。そのようにすることで、コンデンサ6の電極間に誘電体を挿入する作業が不要となる。また、一次側巻線2aや二次側巻線3aが巻回される枠体等の一部が板状部材5と端部3a−1との間に挿入されてもよい。その枠体等は、例えば、樹脂製であってもよい。
一次側巻線の影響を減らすために、板状部材5と一次側巻線2aとの間に静電シールド(例えば接地された金属板状部材を挟む)を設けてもよい。
【0019】
図2で示されるように、二次側巻線3aの外周側には一次側巻線2aが存在するため、板状部材5は、一次側巻線2aと二次側巻線3aとの間に存在することになる。通常、同心配置されている一次側巻線2aと二次側巻線3aとの間には、多少の間隙が存在している。したがって、上記の場合には、その間隙に板状部材5が存在することになり、既存のスペースを有効利用して板状部材5を配置することができるようになる。なお、板状部材5が一次側巻線2aと二次側巻線3aとの間に存在する場合に、板状部材5は、一次側巻線2aよりも二次側巻線3aに近い位置に配置されることが好適である。すなわち、板状部材5は、一次側巻線2aの内周面よりも、二次側巻線3aの外周面に近い位置に配置されることが好適である。板状部材5と二次側巻線3aの端部3a−1との間でコンデンサ6が形成されるようにするためである。
【0020】
板状部材5は、導電材料の線路によって、電力線通信信号をバイパスしたい先に接続される。例えば、板状部材5は、線路によって二次側巻線3a,3bの他端に接続されてもよい。その場合には、コンデンサ6によって、二次側巻線3a,3bの一端と他端との間で電力線通信の信号がバイパスされることになる。なお、二次側巻線3a,3bの一端と他端とは、二次側の電力線に接続されている端であり、例えば、L1相に対応する一端と、L2相に対応する一端とであってもよい。
図4Aは、そのような接続構成の変圧器1を示す回路図である。
図4Aにおいて、一次側巻線2a,2bは直列に接続されており、また、二次側巻線3a,3bも直列に接続されている。また、一次側巻線2aの一端2a−1は、線路P1に接続されており、他端2a−2は、一次側巻線2bの一端2b−1に接続されている。一次側巻線2bの一端2b−2は、線路P2に接続されている。また、二次側巻線3aの一端3a−1は、線路L1に接続されており、他端3a−2は、二次側巻線3bの一端3b−1に接続されている。二次側巻線3bの一端3b−2は、線路L2に接続されている。一次側巻線2a,2b及び二次側巻線3a,3bと、線路P1,P2,L1,L2との接続関係は、
図4B,
図4Cの回路図においても同様であるとする。なお、各線路P1,P2,L1,L2は、それぞれ独立して、巻線の端子に接続された導電材料の線路であってもよく、または、巻線を構成する巻線導体が延びたものであってもよい。変圧器1が単相三線式である場合に、端子3a−2,3b−1は、例えば、中性線に接続されてもよい。また、その中性線は、例えば、接地線として用いられてもよい。
図4Aのように接続された場合には、線路L1側に接続された機器と、線路L2側に接続された機器との間で、コンデンサ6を介して電力線通信の信号を送受信することができるようになる。したがって、単相三線の電力線において、異なる相間で電力線通信を行うことができるようになる。
【0021】
また、例えば、板状部材5は、導電材料の線路によって一次側巻線2a,2bの一端に接続されてもよい。その場合には、コンデンサ6によって、一次側巻線2a,2bの一端と、二次側巻線3a,3bの一端との間で電力線通信の信号がバイパスされることになる。なお、一次側巻線2a,2bの一端とは、一次側の電力線に接続されている一端である。通常、一次側巻線2a,2bには、2個の端部があるが、板状部材5は、どちら側に接続されてもよい。
図4B,
図4Cは、そのような接続構成の変圧器1を示す回路図である。コンデンサ6に接続された線路が線路P1に接続された回路図が
図4Bで示されており、コンデンサ6に接続された線路が線路P2に接続された回路図が
図4Cで示されている。変圧器1が
図4Bで示されるものであり、また、線路P1に接続された他の変圧器においても、線路P1と線路L1との間に変圧器をバイパスするコンデンサが存在する場合には、変圧器1の線路L1に接続された機器と、他の変圧器の線路L1に接続された機器との間で、電力線通信を行うことができるようになる。変圧器1が
図4Cで示されるものである場合も同様である。
【0022】
なお、
図4A〜
図4Cの回路図では、線路L1と、他の線路とがコンデンサ6で接続される場合について説明したが、線路L2と、他の線路とがコンデンサ6で接続されるようにしてもよいことは言うまでもない。その場合には、例えば、二次側巻線3bの端部3b−2と、板状部材5とによって、コンデンサ6が形成されてもよい。また、変圧器1は、バイパス用の複数のコンデンサ6を有してもよい。例えば、変圧器1は、線路P1と線路L1とを接続するコンデンサ6と、線路P2と線路L2とを接続するコンデンサ6とを有してもよい。その場合には、二次側巻線3aの端部3a−1と板状部材5との間でコンデンサ6が形成され、二次側巻線3bの端部3b−2と他の板状部材5との間で他のコンデンサ6が形成されることになる。また、例えば、変圧器1は、線路P1と線路L1とを接続するコンデンサ6と、線路P2と線路L2とを接続するコンデンサ6と、線路L1と線路L2とを接続するコンデンサ6とを有してもよい。その場合には、二次側巻線3aの端部3a−1または二次側巻線3bの端部3b−2において、2個のコンデンサ6が形成される必要がある。したがって、例えば、
図3Dで示されるように、二次側巻線3aの端部3a−1において、板状部材5aとの間でコンデンサ6aが形成され、板状部材5bとの間でコンデンサ6bが形成されるようにしてもよい。
【0023】
また、本実施の形態では、
図3A〜
図3Dで示されるように、巻回軸方向に単層である二次側巻線3a、すなわち、各ターンが巻回軸方向にトラバースしていない二次側巻線3aについて説明したが、そうでなくてもよい。
図5A,
図5Bで示されるように、巻回軸方向に多層となっている二次側巻線3a、すなわち、巻回軸方向にトラバースしているターンを有する二次側巻線3aを用いるようにしてもよい。なお、巻回軸方向は、例えば、
図3Bや
図5Aにおける紙面に垂直な方向である。
図5Aは、二次側巻線3aの正面図であり、
図5Bは、二次側巻線3aの平面図である。
図5A,
図5Bで示される二次側巻線3aは、平角線を巻回したものであってもよい。
図5A,
図5Bで示される二次側巻線3aにおいても、端部3a−1と板状部材5との間にコンデンサ6が形成されている。なお、
図5Bから明らかなように、板状部材5の近傍には、二次側巻線3aの端部3a−1のみでなく、端部3a−1から離れた二次側巻線3aの箇所も存在することになる。したがって、板状部材5を大きくした場合には、板状部材5と、端部3a−1以外の二次側巻線3aの箇所との間でもコンデンサが形成されることになり、電力線通信のノイズが大きくなる可能性がある。そのため、板状部材5の近傍に、端部3a−1以外の二次側巻線3aの箇所が存在しないように板状部材5が配置されることが好適である。例えば、
図5Cで示されるように、二次側巻線3aにおいて、端部3a−1を、二次側巻線3aの巻回している箇所から離間した位置に設け、その端部3a−1と板状部材5との間にコンデンサ6を形成するようにしてもよい。
【0024】
また、本実施の形態では、
図3A等で示されるように、二次側巻線3aの外周側の端部3a−1の位置にコンデンサが形成される場合について説明したが、そうでなくてもよい。二次側巻線3aの内周側の端部3a−2の位置にコンデンサが形成されるようにしてもよい。その場合には、端部3a−2と板状部材5とによってコンデンサが形成されることになる。
【0025】
また、本実施の形態では、二次側巻線3a,3bがすべて板状の巻線である場合について説明したが、そうでなくてもよい。変圧器1は、板状の二次側巻線に加えて、板状でない二次側巻線をさらに備えていてもよい。例えば、二次側巻線3bは、板状のものでなくてもよい。その場合には、変圧器1は、板状の二次側巻線3aと、板状でない二次側巻線3bとを備えたものとなる。なお、その場合であっても、板状の二次側巻線と板状部材との間に、電力線通信信号のバイパス用のコンデンサが形成されるものとする。
【0026】
以上のように、本実施の形態による変圧器1によれば、コンデンサ6を備えたことにより、変圧器1に接続された電力線を介して伝送される電力線通信信号が、巻線をバイパスするようにできる。その結果、電力線通信信号が変圧器1を通過できるようになる。例えば、単相三線式の変圧器1のL1相とL2相とをコンデンサ6で接続した場合には、その変圧器の二次側において、異なる相間での電力線通信が可能となる。また、変圧器1の一次側と二次側とをコンデンサ6によって接続した場合には、一次側の電力線を介した電力線通信が可能となる。また、そのコンデンサ6を、二次側巻線3aの端部3a−1と、板状部材5との間に形成することにより、変圧器1を全体として、小型化することができる。コンデンサの2個の電極のうち、一方の電極として二次側巻線3aの端部3a−1を用いることができるからである。通常、変圧器は、できるだけ小型になるように設計されているため、バイパス用のコンデンサを配置するスペースを確保することは困難であるが、上記のようにコンデンサ6を構成することにより、限られたスペースでもコンデンサ6を追加することができるようになる。また、そのコンデンサ6を形成する板状部材5を、内側の二次側巻線3aと、外側の一次側巻線2bとの間に配置することにより、変圧器1のスペースを有効利用することができ、できるだけ現状の変圧器のサイズを維持した上で、バイパス用のコンデンサ6を追加することができるようになる。通常、一次側巻線2aと二次側巻線3aとの間には、多少のスペースが存在するからである。
【0027】
なお、板状部材5の形状や大きさは、上記説明のものに限定されないことは言うまでもない。例えば、二次側巻線3aの端部3a−1には、
図3Eや
図3Fで示されるように、二次側巻線3aの長さ方向に沿って、より面積の広い板状部材5が設けられてもよい。このようにすることで、コンデンサ6の容量をより大きくすることができる。
【0028】
また、上記実施の形態では、単相三線の変圧器1について主に説明したが、その他の配電方式の変圧器においても、二次側巻線の端部と、板状部材との間に形成されたコンデンサを用いて、電力線通信信号が、変圧器をバイパスできるようにしてもよい。
【0029】
また、上記実施の形態による変圧器1の構成は一例であり、他の構成の変圧器においても、上記変圧器1と同様に、板状の二次側巻線の端部と、板状部材との間で、電力線通信信号のバイパス用のコンデンサを形成できることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態では、内鉄形の変圧器1について説明したが、
図6で示される外鉄形の変圧器1aにおいても、同様にして、二次側巻線3cの端部において、板状の二次側巻線3cとの間にコンデンサを形成する板状部材を設けるようにしてもよい。
図6の外鉄形の変圧器1aは、鉄心4a,4bと、鉄心4a,4bに巻回された一次側巻線2cと、鉄心4a,4bに巻回された二次側巻線3cと、図示しない板状部材とを備えたものである。二次側巻線3cは、上記の二次側巻線3aと同様のものであってもよい。また、二次側巻線3aの巻数が、
図3A等で示されるものに限定されないことは言うまでもない。
【0030】
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。