特開2018-136263(P2018-136263A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-136263(P2018-136263A)
(43)【公開日】2018年8月30日
(54)【発明の名称】温度測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01K 7/02 20060101AFI20180803BHJP
【FI】
   G01K7/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-32365(P2017-32365)
(22)【出願日】2017年2月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松村 栄郎
(72)【発明者】
【氏名】西田 秀高
(72)【発明者】
【氏名】片岡 敏明
(72)【発明者】
【氏名】森下 啓司
(57)【要約】
【課題】ボイラーチューブの温度を正確に測定することが可能な温度測定装置を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係る温度測定装置100は、ボイラーチューブ1の外周面1a上に配置された熱電対10と、熱電対10のボイラーチューブ1側とは反対側に配置され、ボイラーチューブ1および熱電対10の外周面に沿うように変形して熱電対10をボイラーチューブ1の外周面1aに密着させ、熱電対10と重ならない位置でボイラーチューブ1にスポット溶接された固定板20と、固定板20の熱電対10側とは反対側に配置され、ボイラーチューブ1と対向する面に溝35を有し、溝35内に熱電対10および固定板20を収容した状態で、固定板20と重ならない位置でボイラーチューブ1にスポット溶接された保護板30と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイラーチューブの外周面上に配置された熱電対と、
前記熱電対の前記ボイラーチューブ側とは反対側に配置され、前記ボイラーチューブおよび前記熱電対の外周面に沿うように変形して前記熱電対を前記ボイラーチューブの外周面に密着させ、前記熱電対と重ならない位置で前記ボイラーチューブにスポット溶接された固定板と、
前記固定板の前記熱電対側とは反対側に配置され、前記ボイラーチューブと対向する面に溝を有し、前記溝内に前記熱電対および前記固定板を収容した状態で、前記固定板と重ならない位置で前記ボイラーチューブにスポット溶接された保護板と、
を有する温度測定装置。
【請求項2】
前記保護板と前記固定板との間には、第一の隙間が設けられており、
前記第一の隙間は、少なくとも前記保護板と前記熱電対とが対向する対向領域の全域にわたって設けられている
請求項1に記載の温度測定装置。
【請求項3】
前記第一の隙間には、前記保護板よりも熱伝導率が低い低熱伝導部材が設けられている
請求項2に記載の温度測定装置。
【請求項4】
前記熱電対と前記ボイラーチューブとの接触部の近傍には、前記固定板と前記熱電対と前記ボイラーチューブとに囲まれた第二の隙間が設けられ、
前記第二の隙間には、前記固定板と同程度の熱伝導率の熱伝導部材が設けられている
請求項3に記載の温度測定装置。
【請求項5】
前記保護板の前記熱電対と対向する部分の厚みは、前記固定板の前記熱電対と対向する部分の厚みよりも大きい
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の温度測定装置。
【請求項6】
前記保護板の前記ボイラーチューブ側とは反対側の面および前記ボイラーチューブの外周面に沿って巻きつけられ、前記保護板と重ならない位置で前記ボイラーチューブにスポット溶接された帯板を有する
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の温度測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電所に設置されている過熱器および再熱器などのボイラーチューブが、クリープ損傷により噴破する事例が発生している。運転中のボイラーチューブの温度を測定できれば、ボイラーチューブの余寿命を推定できると考えられるが、ボイラーチューブは高温の炉内に設置されているため、熱電対によって正確な温度測定を行うことは難しい(例えば、特許文献1〜5を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−174889号公報
【特許文献2】特開平01−145537号公報
【特許文献3】実開昭60−104737号公報
【特許文献4】実開昭59−025441号公報
【特許文献5】実開昭59−017831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特許文献1では、ボイラーチューブに溝を形成し、この溝に熱電対を埋め込む構造が提案されている。しかし、ボイラーチューブの肉厚および余肉は薄いため、熱電対を埋め込むことは困難である。特許文献2および5では、ボイラーチューブの外周面に金属の薄板で熱電対を固定することが提案されている。しかし、この構造では、熱電対が燃焼ガスの輻射熱の影響を受けるため、ボイラーチューブの温度を正確に測定することができない。
【0005】
特許文献3および4では、熱電対の先端を金属ケースの内部に収容し、金属ケースをねじによってボイラーチューブの外周面上に固定する構造が提案されている。ねじは、金属ケースの上部に設置された治具に取り付けられている。金属ケースは、ねじによってボイラーチューブ側とは反対側から加圧される。これにより、金属ケースがボイラーチューブの外周面上に固定されている。
【0006】
しかし、この構造では、炉内の熱によってねじが緩み、金属ケースとボイラーチューブとの間に隙間が生じる可能性がある。金属ケースとボイラーチューブとの間の密着力が低下すると、ボイラーチューブの温度を正確に測定することができない。また、この構造では、治具のサイズおよび重量が大きくなるため、治具が誤って落下した際に炉が損傷する可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、ボイラーチューブの温度を正確に測定することが可能な温度測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る温度測定装置は、ボイラーチューブの外周面上に配置された熱電対と、前記熱電対の前記ボイラーチューブ側とは反対側に配置され、前記ボイラーチューブおよび前記熱電対の外周面に沿うように変形して前記熱電対を前記ボイラーチューブの外周面に密着させ、前記熱電対と重ならない位置で前記ボイラーチューブにスポット溶接された固定板と、前記固定板の前記熱電対側とは反対側に配置され、前記ボイラーチューブと対向する面に溝を有し、前記溝内に前記熱電対および前記固定板を収容した状態で、前記固定板と重ならない位置で前記ボイラーチューブにスポット溶接された保護板と、を有する。
【0009】
この構成によれば、熱電対の外側が固定板および保護板によって二重に覆われる。そのため、熱電対が燃焼ガスの輻射熱の影響を受けにくい。また、固定板が保護板によって輻射熱から保護されるため、固定板が輻射熱によって変形しにくい。仮に変形しても、狭い溝内での変形となるため、変形量は小さい。そのため、高温の炉内でも熱電対とボイラーチューブとの密着力は良好に維持される。よって、ボイラーチューブの温度が正確に測定される。
【0010】
例えば、前記保護板と前記固定板との間には、第一の隙間が設けられており、前記第一の隙間は、少なくとも前記保護板と前記熱電対とが対向する対向領域の全域にわたって設けられている。
【0011】
この構成によれば、保護板と固定板とが対向領域において直接接触しない。そのため、保護板の熱が固定板を介して熱電対に伝わりにくい。よって、高温の炉内でもボイラーチューブの温度測定に誤差が生じにくい。
【0012】
例えば、前記第一の隙間には、前記保護板よりも熱伝導率が低い低熱伝導部材が設けられている。
【0013】
この構成によれば、第一の隙間に燃焼ガスが侵入することが抑制される。そのため、熱電対が燃焼ガスの輻射熱の影響を受けにくい。よって、ボイラーチューブの温度が正確に測定される。
【0014】
例えば、前記熱電対と前記ボイラーチューブとの接触部の近傍には、前記固定板と前記熱電対と前記ボイラーチューブとに囲まれた第二の隙間が設けられ、前記第二の隙間には、前記固定板と同程度の熱伝導率の熱伝導部材が設けられている。
【0015】
この構成によれば、第二の隙間に燃焼ガスが侵入することが抑制される。そのため、熱電対が燃焼ガスの輻射熱の影響を受けにくい。よって、ボイラーチューブの温度が正確に測定される。
【0016】
例えば、前記保護板の前記熱電対と対向する部分の厚みは、前記固定板の前記熱電対と対向する部分の厚みよりも大きい。
【0017】
この構成によれば、熱電対の外側が厚い保護板によって覆われるため、熱電対が燃焼ガスの輻射熱の影響を受けにくい。よって、ボイラーチューブの温度が正確に測定される。
【0018】
例えば、本発明の一態様に係る温度測定装置は、前記保護板の前記ボイラーチューブ側とは反対側の面および前記ボイラーチューブの外周面に沿って巻きつけられ、前記保護板と重ならない位置で前記ボイラーチューブにスポット溶接された帯板を有する。
【0019】
この構成によれば、保護板がボイラーチューブから脱落しにくい。よって、ボイラーチューブの温度を安定的に測定することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ボイラーチューブの温度を正確に測定することが可能な温度測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、第一の実施形態に係る温度測定装置の断面図である。
図2図2は、熱電対の概略図である。
図3図3は、温度測定装置の断面を拡大して示す図である。
図4図4は、温度測定装置をボイラーチューブの径方向から見た上面図である。
図5図5は、比較例1の温度測定装置を示す図である。
図6図6は、比較例2の温度測定装置を示す図である。
図7図7は、第二の実施形態に係る温度測定装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第一の実施形態]
図1は、第一の実施形態に係る温度測定装置100の断面図である。
【0023】
温度測定装置100は、熱電対10と、固定板20と、保護板30と、を有する。温度測定装置100は、火力発電所に設置されている過熱器および再熱器などのボイラーチューブ1に取り付けられている。温度測定装置100は、運転中のボイラーチューブ1の温度を測定する。
【0024】
熱電対10は、ボイラーチューブ1の外周面1a上に配置されている。ボイラーチューブ1は、水蒸気を循環させる直径50mm〜60mm程度、厚さ5mm程度の細いパイプである。ボイラーチューブ1は、燃焼ガス2が供給される高温の炉内に設置されている。ボイラーチューブ1としては、例えば、耐熱性および耐食性に優れたステンレス鋼管および炭素鋼管などが用いられる。
【0025】
図2は、熱電対10の概略図である。
【0026】
熱電対10は、例えば、第一の素線11と、第二の素線12と、シース13と、絶縁体14と、を有する。第一の素線11と第二の素線12は、互いに異なる材料で形成されている。第一の素線11および第二の素線12の一端部は、ボイラーチューブ1の外周面1aと接触している。第一の素線11および第二の素線12の他端部は、炉外に引き出されて計器に接続されている。
【0027】
ボイラーチューブ1と接触する第一の素線11および第二の素線12の一端部が測温接点10a(図4参照)である。熱電対10は、第一の素線11と第二の素線12との間に生じる熱起電力差に基づいてボイラーチューブ1の温度を検出する。絶縁体14は、シース13の内部に充填され、第一の素線11と第二の素線12との間を電気的に絶縁する。絶縁体14としては、例えば、酸化マグネシウム、アルミナおよびシリカなどの粉末が用いられる。
【0028】
図3は、温度測定装置100の断面を拡大して示す図である。図4は、温度測定装置100をボイラーチューブ1の径方向から見た上面図である。図3は、図4のA−A′線に沿う断面図である。
【0029】
固定板20は、例えば、塑性変形が容易な金属の薄板である。固定板20としては、例えば、ステンレスの薄板が用いられる。固定板20のサイズは、例えば、長さ10mm程度、幅5mm〜8mm程度、厚さ0.3mm〜0.5mm程度である。
【0030】
固定板20は、熱電対10のボイラーチューブ1側とは反対側に配置されている。固定板20は、ボイラーチューブ1および熱電対10の外周面に沿うように変形して熱電対10をボイラーチューブ1の外周面1aに密着させる。固定板20は、熱電対10と重ならない位置でボイラーチューブ1にスポット溶接されている。スポット溶接部29は、測温接点10aが設けられた熱電対10の先端部の外縁に沿ってU字状に設けられている。これにより、熱電対10の先端部がボイラーチューブ1の外周面1a上に固定されている。
【0031】
保護板30は、例えば、固定板20よりも厚い金属の板である。保護板30としては、例えば、ステンレスの板が用いられる。保護板30のサイズは、例えば、長さ15mm〜20mm程度、幅15mm〜20mm程度、厚さ2mm〜3mm程度である。
【0032】
保護板30は、固定板20の熱電対10側とは反対側に配置されている。保護板30は、ボイラーチューブ1と対向する面に溝35を有する。保護板30は、溝35内に熱電対10および固定板20を収容した状態で、固定板20と重ならない位置でボイラーチューブ1にスポット溶接されている。スポット溶接部39は、固定板20の外縁に沿ってU字状に設けられている。これにより、保護板30が固定板20の上方に固定されている。
【0033】
溝35の形状は、例えば、熱電対10を覆う固定板20の表面形状に沿った形状となっている。保護板30は、深い溝35が形成される第一の加工領域31と、浅い溝35が形成される第二の加工領域32と、溝35が形成されない非加工領域33と、を有する。第一の加工領域31は、固定板20が熱電対10の外周面に沿ってボイラーチューブ1の上方に盛り上がるように変形した部分と対向する。第二の加工領域32は、固定板20が変形せずにボイラーチューブ1の外周面1aに沿って配置された部分と対向する。
【0034】
熱電対10および固定板20が溝35に確実に収容されるように、例えば、溝35の深さは、熱電対10および固定板20によって構成される構造体の高さよりも大きく形成されている。例えば、第一の加工領域31に設けられた溝35の最深部の深さD1は、熱電対10の厚み(シース13の直径)および固定板20の厚みT2の合計厚みT1よりも大きい。第二の加工領域32における溝35の深さD2は、固定板20の厚みT2よりも大きい。これにより、保護板30と固定板20との間には、高さ1mm程度の第一の隙間SP1が設けられている。
【0035】
第一の隙間SP1は、少なくとも熱電対10と対向する対向領域の全域にわたって設けられている。保護板30と固定板20とが対向領域において直接接触しない。そのため、保護板30の熱が固定板20を介して熱電対10に伝わりにくい。本実施形態では、第一の加工領域31と第二の加工領域32の全域にわたって第一の隙間SP1が設けられている。そのため、保護板30側から伝わる熱の影響がより小さくなる。よって、高温の炉内でもボイラーチューブ1の温度測定に誤差が生じにくい。
【0036】
第一の隙間SP1には、例えば、保護板30よりも熱伝導率が低い低熱伝導部材41が設けられている。低熱伝導部材41としては、例えば、シリカなどの粉末が用いられる。低熱伝導部材41は、第一の隙間SP1を埋めるように第一の隙間SP1全体に充填されている。これにより、第一の隙間SP1に燃焼ガス2が侵入することが抑制される。そのため、熱電対10が燃焼ガス2の輻射熱の影響を受けにくい。よって、ボイラーチューブ1の温度が正確に測定される。
【0037】
保護板30の熱電対10と対向する部分の厚みT3は、固定板20の熱電対10と対向する部分の厚みT2よりも大きい。これにより、熱電対10の外側が厚い保護板30によって覆われるため、熱電対10が燃焼ガス2の輻射熱の影響を受けにくい。よって、ボイラーチューブ1の温度が正確に測定される。
【0038】
固定板20は、ボイラーチューブ1の外周面1aから熱電対10の上面に向けて緩やかに変形する。そのため、熱電対10とボイラーチューブ1との接触部の近傍には、固定板20と熱電対10とボイラーチューブ1とに囲まれた第二の隙間SP2が設けられている。
【0039】
第二の隙間SP2には、例えば、固定板20と同程度の熱伝導率の熱伝導部材42が設けられている。固定板20の熱伝導率と熱伝導部材42の熱伝導率との差は、例えば、20%以上50%以下である。熱伝導部材42としては、例えば、モリブデンなどの粉末が用いられる。熱伝導部材42は、第二の隙間SP2を埋めるように第二の隙間SP2全体に充填されている。これにより、第二の隙間SP2に燃焼ガス2が侵入することが抑制される。そのため、熱電対10が燃焼ガス2の輻射熱の影響を受けにくい。よって、ボイラーチューブ1の温度が正確に測定される。
【0040】
以下、図5および図6に示した比較例と比較しながら本実施形態の効果を説明する。図5は、比較例1の温度測定装置101を示す図である。図6は、比較例2の温度測定装置102を示す図である。図5および図6において、本実施形態と共通の構成要素については、同じ符号を付す。
【0041】
比較例1の温度測定装置101は、固定板20の外側に保護板30を具備しない。熱電対10は薄い固定板20のみで保護される。そのため、熱電対10が燃焼ガス2の輻射熱の影響を受けやすい。また、固定板20が炉内に露出しているため、輻射熱によって固定板20が変形しやすい。固定板20が変形すると、熱電対10とボイラーチューブ1との密着力が低下し、測定温度が不安定になる。また、比較例1の温度測定装置101は、第二の隙間SP2が空隙となっている。そのため、燃焼ガス2が第二の隙間SP2に侵入し、熱電対10が加熱される可能性がある。
【0042】
これに対して、本実施形態の温度測定装置100では、熱電対10の外側が固定板20および保護板30によって二重に覆われる。そのため、熱電対10が燃焼ガス2の輻射熱の影響を受けにくい。また、固定板20が保護板30によって輻射熱から保護されるため、固定板20が輻射熱によって変形しにくい。仮に変形しても、狭い溝35内での変形となるため、変形量は小さい。そのため、高温の炉内でも熱電対10とボイラーチューブ1との密着力は良好に維持される。
【0043】
また、本実施形態では、第一の隙間SP1および第二の隙間SP2に低熱伝導部材41および熱伝導部材42が設けられている。そのため、第一の隙間SP1および第二の隙間SP2に燃焼ガス2が侵入することが抑制される。そのため、熱電対10が燃焼ガス2の輻射熱の影響を受けにくい。
【0044】
このように、本実施形態では、比較例1と比較した有意な効果が得られる。よって、高温の炉内でも、ボイラーチューブ1の温度が正確に測定される。
【0045】
比較例2の温度測定装置102では、金属板50の中心部に穴が開けられ、その中に熱電対10の先端部が挿入されている。ボイラーチューブ1からの熱伝導を確保するために、金属板50は、ボイラーチューブ1にろう付けされている。
【0046】
この構成では、熱電対10が厚い金属板50で覆われるため、熱電対10に燃焼ガス2の輻射熱が伝わりにくい。しかし、金属板50をボイラーチューブ1にろう付けする際にろう材をガスバーナーで炙るため、ボイラーチューブ1に与えられる熱が大きくなる。これにより、ボイラーチューブ1が変質し、ボイラーチューブ1の強度が低下する可能性がある。
【0047】
これに対して、本実施形態では、固定板20および保護板30がスポット溶接によってボイラーチューブ1に固定される。そのため、ボイラーチューブ1に与えられる熱が小さい。よって、ボイラーチューブ1の変質が抑制され、ボイラーチューブ1の強度が長期間維持される。
【0048】
また、本実施形態では、熱電対10の外側に固定板20と保護板30がこの順に配置され、固定板20と保護板30との間に第一の隙間SP1が形成されている。そのため、第一の隙間SP1が断熱部として機能し、燃焼ガス2の輻射熱が熱電対10に伝わりにくい。よって、輻射熱が熱伝導率の高い金属板50によって直接熱電対10に伝えられる比較例2に比べて、ボイラーチューブ1の温度が正確に測定される。
【0049】
[第二の実施形態]
図7は、第二の実施形態に係る温度測定装置200の断面図である。本実施形態において第一の実施形態と共通する構成要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0050】
本実施形態において第一の実施形態と異なる点は、保護板30の上から帯板60が巻きつけられている点である。帯板60は、例えば、厚みが0.1mm〜0.2mmのステンレスの薄板である。帯板60は、保護板30のボイラーチューブ1側とは反対側の面およびボイラーチューブ1の外周面1aに沿って巻きつけられている。帯板60は、保護板30と重ならない位置でボイラーチューブ1にスポット溶接されている。
【0051】
帯板60は、例えば、ボイラーチューブ1の外周に二周以上巻きつけられる。一巻きごとに帯板60がボイラーチューブ1にスポット溶接される。周方向のスポット溶接部69の配置間隔は、例えば、保護板30から遠い位置よりも保護板30に近い位置で密になっている。
【0052】
この構成では、保護板30がボイラーチューブ1から脱落しにくい。よって、ボイラーチューブ1の温度を安定的に測定することができる。
【0053】
以上、本発明の実施形態を説明したが、前述した内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0054】
1 ボイラーチューブ
10 熱電対
20 固定板
30 保護板
35 溝
41 低熱伝導部材
42 熱伝導部材
60 帯板
100,200 温度測定装置
SP1 第一の隙間
SP2 第二の隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7