【課題】階調補正およびオーバドライブ処理を行う液晶表示装置において、回路規模の増加を抑えつつ、階調補正後の画像データの圧縮効率を改善することができる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶表示装置では、階調補正を入力画像データに施し、低階調補正を階調補正データに施す。補正有無情報が補正無しを表す場合に階調補正データを出力し、補正有りを表す場合に低階調補正データを出力して圧縮し、圧縮データおよび補正有無情報をフレームバッファに格納する。フレームバッファから読み出された圧縮データを伸張し、逆低階調補正を伸張データに施す。フレームバッファから読み出された補正有無情報が補正無しを表す場合に伸張データを出力し、補正有りを表す場合に逆低階調補正データを出力する。第2の処理データに基づいて、オーバドライブ処理を階調補正データに施し、オーバドライブデータに対応する画像を表示する。
階調補正を入力画像データに施して階調補正データを出力し、かつ、前記入力画像データの階調を下げる方向への階調補正の有無を表す補正有無情報を出力する階調補正部と、
低階調領域の階調を持ち上げる低階調補正を前記階調補正データに施して低階調補正データを出力する低階調補正部と、
第1の処理データとして、前記補正有無情報が補正無しを表す場合に前記階調補正データを出力し、前記補正有無情報が補正有りを表す場合に前記低階調補正データを出力する第1の処理判定部と、
前記第1の処理データを圧縮して圧縮データを出力する圧縮部と、
前記圧縮データおよび前記補正有無情報を格納するフレームバッファと、
前記フレームバッファから読み出された圧縮データを伸張して伸張データを出力する伸張部と、
前記低階調補正が施されて階調が持ち上げられた前記低階調領域の階調を下げる逆低階調補正を前記伸張データに施して逆低階調補正データを出力する逆低階調補正部と、
第2の処理データとして、前記フレームバッファから読み出された補正有無情報が補正無しを表す場合に前記伸張データを出力し、前記フレームバッファから読み出された補正有無情報が補正有りを表す場合に前記逆低階調補正データを出力する第2の処理判定部と、
現在のフレームの1フレーム前の画像データとなる前記第2の処理データに基づいて、オーバドライブ処理を前記現在のフレームの画像データとなる前記階調補正データに施してオーバドライブデータを出力するオーバドライブ部と、
前記オーバドライブデータに対応する画像を表示する液晶表示パネル部とを備える液晶表示装置。
前記階調補正部は、隣接画素の画素値を、高階調の画素の画素値および低階調の画素の画素値に変換する階調補正を前記入力画像データに施し、前記高階調に変換された画素が前記補正無しを表し、前記低階調に変換された画素が前記補正有りを表す前記補正有無情報を出力する請求項1に記載の液晶表示装置。
前記隣接画素の画素値を、前記高階調の画素の画素値および前記低階調の画素の画素値に変換する階調補正は、中間階調の画素または領域の画素値を、前記高階調の画素の画素値と前記低階調の画素の画素値とを組み合わせて表現するように変換する視野角改善処理である請求項2または3に記載の液晶表示装置。
前記視野角改善処理は、前記高階調の画素の画素値と前記低階調の画素の画素値とを、空間的および時間的の少なくとも一方に多重化することにより実施される請求項4に記載の液晶表示装置。
【背景技術】
【0002】
階調補正として、例えば、液晶表示パネル部の視野角が狭いという問題を改善するために、視野角特性の悪い中間階調の画素(ピクセル)または領域の画素値を、視野角特性の良い高階調の画素の画素値と低階調の画素の画素値とを組み合わせて表現するように変換する視野角改善処理がある(特許文献1参照)。画素値は、RGB(赤緑青)のそれぞれを例えば8ビットで表現した値[0:255]とする。この場合、黒は、R:0, G:0, B:0となり、白は、R:255, G:255, B:255となり、最大の赤は、R:255, G:0, B:0となる。
【0003】
一方、液晶表示パネル部の応答速度を改善するために、現在のフレームの1フレーム前の画像データの画素の画素値を参照して、現在のフレームの画像データの対応する画素の出力値を決定するオーバドライブ処理がある。
【0004】
オーバドライブ処理では、1フレーム前の画像データの保存用のフレームバッファのメモリ容量を削減する目的で1フレーム前の画像データの圧縮処理が行われる。圧縮処理の手法としては、隣接画素の画素値の相関が高いことを利用して周辺画素(符号化対象画素に隣接した画素)の画素値から注目画素(符号化対象画素)の画素値の予測を行い、その予測値と実際値との差分を符号化するJPEG(Joint Photographic Experts Group)−LS(lossless)およびJPEG DPCM(differential PCM)等が知られている。
【0005】
上記の圧縮手法では、隣接画素の画素値の相関が高い場合には高い圧縮率を得ることができるが、隣接画素の画素値の相関が低い場合には高い圧縮率を得ることができない。視野角改善処理が施された画像は、高階調の画素の画素値と低階調の画素の画素値とが隣接して配置されることから隣接画素間の画素値の相関が低くなり、圧縮効率が下がるために、圧縮率を一定にすると画質が劣化する。
【0006】
また、1フレーム前の画像の画質の劣化によりオーバドライブ処理で誤差が発生し、液晶表示装置の表示品質が低下する。
【0007】
これに対し、例えば、視野角改善処理が施される前の画像データをフレームバッファに保存することにより圧縮効率の問題は解決可能であるが、現在のフレームの画像データだけでなく、1フレーム前の画像データに対しても階調補正を行う必要があるため、回路規模が増加する。
【0008】
また、画像処理によって相関が低くなった隣接画素を予測値として使用するのではなく、画像処理を行った別領域の画素を圧縮処理の際の予測値として使用する方法(特許文献2参照)があるが、本来の隣接画素ゆえの相関の高さは無視されることになる。
【0009】
なお、視野角改善処理に限らず、隣接画素の画素値を、高階調の画素の画素値および低階調の画素の画素値に変換する階調補正を行った場合には、隣接画素間の画素値の相関が低くなるため、視野角改善処理と同様に画質の劣化が起こると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、階調補正およびオーバドライブ処理を行う液晶表示装置において、回路規模の増加を抑えつつ、階調補正後の画像データの圧縮効率を改善することができる液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明は、階調補正を入力画像データに施して階調補正データを出力し、かつ、前記入力画像データの階調を下げる方向への階調補正の有無を表す補正有無情報を出力する階調補正部と、
低階調領域の階調を持ち上げる低階調補正を前記階調補正データに施して低階調補正データを出力する低階調補正部と、
第1の処理データとして、前記補正有無情報が補正無しを表す場合に前記階調補正データを出力し、前記補正有無情報が補正有りを表す場合に前記低階調補正データを出力する第1の処理判定部と、
前記第1の処理データを圧縮して圧縮データを出力する圧縮部と、
前記圧縮データおよび前記補正有無情報を格納するフレームバッファと、
前記フレームバッファから読み出された圧縮データを伸張して伸張データを出力する伸張部と、
前記低階調補正が施されて階調が持ち上げられた前記低階調領域の階調を下げる逆低階調補正を前記伸張データに施して逆低階調補正データを出力する逆低階調補正部と、
第2の処理データとして、前記フレームバッファから読み出された補正有無情報が補正無しを表す場合に前記伸張データを出力し、前記フレームバッファから読み出された補正有無情報が補正有りを表す場合に前記逆低階調補正データを出力する第2の処理判定部と、
現在のフレームの1フレーム前の画像データとなる前記第2の処理データに基づいて、オーバドライブ処理を前記現在のフレームの画像データとなる前記階調補正データに施してオーバドライブデータを出力するオーバドライブ部と、
前記オーバドライブデータに対応する画像を表示する液晶表示パネル部とを備える液晶表示装置を提供する。
【0013】
ここで、前記階調補正部は、隣接画素の画素値を、高階調の画素の画素値および低階調の画素の画素値に変換する階調補正を前記入力画像データに施し、前記高階調に変換された画素が前記補正無しを表し、前記低階調に変換された画素が前記補正有りを表す前記補正有無情報を出力することが好ましい。
【0014】
また、前記階調補正部は、前記隣接画素の画素値を、前記高階調の画素の画素値および前記低階調の画素の画素値に変換する第1および第2のLUTを備え、
前記第1および第2のLUTは、前記高階調の画素の輝度と前記低階調の画素の輝度との平均が、前記隣接画素の輝度と等しくなるように設定されることが好ましい。
【0015】
また、前記隣接画素の画素値を、前記高階調の画素の画素値および前記低階調の画素の画素値に変換する階調補正は、中間階調の画素または領域の画素値を、前記高階調の画素の画素値と前記低階調の画素の画素値とを組み合わせて表現するように変換する視野角改善処理であることが好ましい。
【0016】
また、前記視野角改善処理は、前記高階調の画素の画素値と前記低階調の画素の画素値とを、空間的および時間的の少なくとも一方に多重化することにより実施されることが好ましい。
【0017】
また、前記階調補正部は、前記階調補正を前記入力画像データに1画素単位で施して前記階調補正データおよび前記補正有無情報を前記1画素単位で出力し、
前記低階調補正部は、前記低階調補正を前記階調補正データに前記1画素単位で施して前記低階調補正データを前記1画素単位で出力し、
前記第1の処理判定部は、前記補正有無情報が補正無しを表す場合に前記階調補正データを前記1画素単位で出力し、前記補正有無情報が補正有りを表す場合に前記低階調補正データを前記1画素単位で出力し、
前記フレームバッファは、前記補正有無情報を前記1画素単位で格納し、
前記逆低階調補正部は、前記逆低階調補正を前記伸張データに前記1画素単位で施して前記逆低階調補正データを前記1画素単位で出力し、
前記第2の処理判定部は、前記フレームバッファから読み出された補正有無情報が補正無しを表す場合に前記伸張データを前記1画素単位で出力し、前記フレームバッファから読み出された補正有無情報が補正有りを表す場合に前記逆低階調補正データを前記1画素単位で出力することが好ましい。
【0018】
また、前記階調補正部は、前記階調補正を前記入力画像データに複数の画素単位で施して前記階調補正データおよび前記補正有無情報を前記複数の画素単位で出力し、
前記低階調補正部は、前記低階調補正を前記階調補正データに前記複数の画素単位で施して前記低階調補正データを前記複数の画素単位で出力し、
前記第1の処理判定部は、前記補正有無情報が補正無しを表す場合に前記階調補正データを前記複数の画素単位で出力し、前記補正有無情報が補正有りを表す場合に前記低階調補正データを前記複数の画素単位で出力し、
前記フレームバッファは、前記補正有無情報を前記複数の画素単位で格納し、
前記逆低階調補正部は、前記逆低階調補正を前記伸張データに前記複数の画素単位で施して前記逆低階調補正データを前記複数の画素単位で出力し、
前記第2の処理判定部は、前記フレームバッファから読み出された補正有無情報が補正無しを表す場合に前記伸張データを前記複数の画素単位で出力し、前記フレームバッファから読み出された補正有無情報が補正有りを表す場合に前記逆低階調補正データを前記複数の画素単位で出力することが好ましい。
【0019】
また、前記階調補正部は、RGB毎に異なる前記補正有無情報を出力することが好ましい。
【0020】
あるいは、前記階調補正部は、RGB共通で1つの前記補正有無情報を出力することが好ましい。
【0021】
また、マトリックスに含まれる複数の画素のRBG毎の補正有無情報であるマトリックス補正有無情報を格納するレジスタを備え、
前記階調補正部は、前記階調補正を前記入力画像データにマトリックス単位で施して前記階調補正データおよび前記補正有無情報を前記マトリックス単位で出力し、
前記低階調補正部は、前記低階調補正を前記階調補正データに前記マトリックス単位で施して前記低階調補正データを前記マトリックス単位で出力し、
前記第1の処理判定部は、前記補正有無情報が補正無しを表す場合に前記階調補正データを前記マトリックス単位で出力し、前記補正有無情報が補正有りを表す場合に前記レジスタから前記複数の画素のRGB毎のマトリックス補正有無情報を取得し、前記マトリックスに含まれる画素毎に、かつ、前記RGB毎に、前記レジスタから取得したマトリックス補正有無情報が補正無しを表す場合に前記階調補正データを出力し、前記レジスタから取得したマトリックス補正有無情報が補正有りを表す場合に前記低階調補正データを出力し、
前記フレームバッファは、前記補正有無情報を前記マトリックス単位で格納し、
前記逆低階調補正部は、前記逆低階調補正を前記伸張データに前記マトリックス単位で施して前記逆低階調補正データを前記マトリックス単位で出力し、
前記第2の処理判定部は、前記フレームバッファから読み出された補正有無情報が補正無しを表す場合に前記伸張データを前記マトリックス単位で出力し、前記フレームバッファから読み出された補正有無情報が補正有りを表す場合に前記レジスタから前記複数の画素のRGB毎のマトリックス補正有無情報を取得し、前記マトリックスに含まれる画素毎に、かつ、前記RGB毎に、前記レジスタから取得したマトリックス補正有無情報が補正無しを表す場合に前記伸張データを出力し、前記レジスタから取得したマトリックス補正有無情報が補正有りを表す場合に前記逆低階調補正データを出力することが好ましい。
【0022】
また、前記マトリックス補正有無情報の内容が異なる2以上の前記レジスタを備え、
前記補正有無情報は、前記補正有りを表す場合に前記2以上のレジスタの中から1つのレジスタを指定する情報を含み、
前記第1の処理判定部は、前記補正有無情報が補正無しを表す場合に前記階調補正データを前記マトリックス単位で出力し、前記補正有無情報が補正有りを表す場合に前記補正有無情報により指定される1つのレジスタから前記複数の画素のRGB毎のマトリックス補正有無情報を取得し、前記マトリックスに含まれる画素毎に、かつ、前記RGB毎に、前記1つのレジスタから取得したマトリックス補正有無情報が補正無しを表す場合に前記階調補正データを出力し、前記1つのレジスタから取得したマトリックス補正有無情報が補正有りを表す場合に前記低階調補正データを出力し、
前記第2の処理判定部は、前記フレームバッファから読み出された補正有無情報が補正無しを表す場合に前記伸張データを前記マトリックス単位で出力し、前記フレームバッファから読み出された補正有無情報が補正有りを表す場合に前記1つのレジスタから前記複数の画素のRGB毎のマトリックス補正有無情報を取得し、前記マトリックスに含まれる画素毎に、かつ、前記RGB毎に、前記1つのレジスタから取得したマトリックス補正有無情報が補正無しを表す場合に前記伸張データを出力し、前記1つのレジスタから取得したマトリックス補正有無情報が補正有りを表す場合に前記逆低階調補正データを出力することが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、圧縮前に、第1の処理判定部により、補正有無情報に基づいて、低階調補正部を利用して、階調を上げる方向への階調補正の簡易的な変換が行われる。また、伸張後に、第2の処理判定部により、補正有無情報に基づいて、逆低階調補正部を利用して、階調を下げる方向への階調補正の簡易的な逆変換が行われる。
【0024】
このように、オーバドライブ処理のために設けられている低階調補正部および逆低階調補正部を利用して、階調を上げる方向への階調補正の簡易的な変換および階調を下げる方向への階調補正の簡易的な逆変換を行うことにより回路規模の増加を抑えることができるため、コストを削減することができる。
【0025】
また、階調を上げる方向への階調補正の簡易的な変換を行うことにより、階調を下げる方向への階調補正が行われた場合であっても、隣接画素間の画素値の相関を高くすることができるため、圧縮効率を向上させることができ、1フレーム前の画像の画質を向上させることができる。また、1フレーム前の画像の画質が向上されることにより、オーバドライブ処理の精度を向上させることができるため、液晶表示装置の表示品質を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の液晶表示装置を詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の液晶表示装置の構成を表す一実施形態のブロック図である。
図1に示す液晶表示装置10は、画像処理として、階調補正およびオーバドライブ処理を入力画像データ(入力画像)に施して、画像処理後の入力画像データに対応する画像を表示する。液晶表示装置10は、階調補正部12と、圧縮処理部14と、フレームバッファ16と、伸張処理部18と、オーバドライブ部20と、液晶表示パネル部22とを備えている。
【0029】
階調補正部12には、入力画像データが外部から入力される。階調補正部12は、階調補正を入力画像データに施して、階調補正後の入力画像データである階調補正データおよび補正有無情報を出力する。
【0030】
入力画像データは、例えば、RGB(赤緑青)色空間の画像データの他、同期信号等を含む。なお、画像データとして、例えば、YUV(Y:輝度およびUV:色差)色空間のように、RGB色空間以外の色空間の画像データを使用してもよい。また、同期信号は、例えば、クロック信号、有効な画像データなのか否かを表すデータイネーブル信号、水平同期信号および垂直同期信号等を含む。
【0031】
補正有無情報は、入力画像データの階調を下げる方向に階調補正を行ったか否か、つまり、入力画像データの階調を下げる方向への階調補正の有無を表すデータである。
【0032】
続いて、圧縮処理部14は、低階調補正部24と、第1の処理判定部26と、圧縮部28とを備えている。
【0033】
低階調補正部24には、階調補正データが階調補正部12から入力される。低階調補正部24は、オーバドライブ処理のために設けられているものであり、低階調領域の階調を持ち上げる(低階調領域の階調により多くのビットを割り当てる)低階調補正を階調補正データに施して、低階調補正後の階調補正データである低階調補正データを出力する。
【0034】
オーバドライブ処理では、現在のフレームの画像データと現在のフレームの1フレーム前の画像データとを比較してオーバドライブ量が決定される。例えば、1フレーム前の画像データが低階調であった場合にオーバドライブ量の変化が大きくなることから、1フレーム前の画像データの圧縮誤差は出力画像に大きな影響を与えることになる。また、人間の視覚特性から、低階調の画像の劣化は見た目に目立つ、という問題もある。
【0035】
これらの解決策として、オーバドライブ処理を行う液晶表示装置では、1フレーム前の画像データが低階調である場合に、1フレーム前の画像データの圧縮誤差を低減するために、圧縮前に、低階調領域の階調を持ち上げる低階調補正が施され、伸張後に、低階調補正が施されて階調が持ち上げられた低階調領域の階調を下げる(元に戻す)逆低階調補正が施される。
【0036】
続いて、第1の処理判定部26には、階調補正データおよび補正有無情報が階調補正部12から入力され、低階調補正データが低階調補正部24から入力される。第1の処理判定部26は、第1の処理データとして、補正有無情報が補正無しを表す場合に階調補正データを出力し、補正有無情報が補正有りを表す場合に低階調補正データを出力する。
【0037】
続いて、圧縮部28には、第1の処理データが第1の処理判定部26から入力される。圧縮部28は、第1の処理データを圧縮して、圧縮後の第1の処理データである圧縮データを出力する。
【0038】
圧縮部28における圧縮手法は特に限定されないが、前述のように、周辺画素の画素値から注目画素の画素値の予測を行い、その予測値と実際値との差分を符号化するJPEG−LSおよびJPEG DPCM等を利用することができる。
【0039】
続いて、フレームバッファ16には、補正有無情報が階調補正部12から入力され、圧縮データが圧縮部28から入力される。フレームバッファ16は、圧縮データおよび補正有無情報を格納(保存)する。
【0040】
補正有無情報は、
図1に示すように、圧縮処理部14の第1の処理判定部26だけでなく、次に説明する伸張処理部18の第2の処理判定部34においても使用されるため、圧縮データと共にフレームバッファ16に格納される。
【0041】
続いて、伸張処理部18は、伸張部30と、逆低階調補正部32と、第2の処理判定部34とを備えている。
【0042】
伸張部30には、フレームバッファ16から読み出された圧縮データが入力される。伸張部30は、フレームバッファ16から読み出された圧縮データを伸張して、伸張後の圧縮データである伸張データを出力する。
【0043】
伸張部30における伸張手法は、圧縮部28における圧縮手法に一致する伸張手法が使用される。例えば、圧縮手法がJPEG−LSである場合には、伸張手法としてJPEG−LSが使用される。
【0044】
続いて、逆低階調補正部32には、伸張データが伸張部30から入力される。逆低階調補正部32は、オーバドライブ処理のために設けられているものであり、低階調補正が施されて階調が持ち上げられた低階調領域の階調を下げる逆低階調補正を伸張データに施して、逆低階調補正後の伸張データである逆低階調補正データを出力する。
【0045】
逆低階調補正部32における逆低階調補正は、低階調補正部24における低階調補正に対応するものが使用される。
【0046】
続いて、第2の処理判定部34には、伸張データが伸張部30から入力され、逆低階調補正データが逆低階調補正部32から入力され、フレームバッファ16から読み出された補正有無情報が入力される。第2の処理判定部34は、第2の処理データとして、フレームバッファ16から読み出された補正有無情報が補正無しを表す場合に伸張データを出力し、フレームバッファ16から読み出された補正有無情報が補正有りを表す場合に逆低階調補正データを出力する。
【0047】
続いて、オーバドライブ部20には、階調補正データが階調補正部12から入力され、第2の処理データが第2の処理判定部34から入力される。オーバドライブ部20は、1フレーム前の画像データとなる第2の処理データに基づいて、オーバドライブ処理を現在のフレームの画像データとなる階調補正データに施して、オーバドライブ処理後の階調補正データであるオーバドライブデータを出力する。
【0048】
最後に、液晶表示パネル部22には、オーバドライブデータがオーバドライブ部20から入力される。液晶表示パネル部22は、オーバドライブデータに対応する画像を表示する。
【0049】
次に、階調補正部12についてさらに説明する。
【0050】
本実施形態の場合、階調補正部12は、階調補正の一例として、視野角改善処理を入力画像データに施す。視野角改善処理の場合、補正有無情報は、高階調に変換された画素が補正無しを表し、低階調に変換された画素が補正有りを表すデータとなる。
【0051】
階調補正部12は、視野角改善処理を行うために、例えば、中間階調の画素または領域の画素値を、高階調の画素の画素値および低階調の画素の画素値に変換する第1および第2のLUT(look-up table:ルックアップテーブル)を備える。第1および第2のLUTは、高階調の画素の輝度と低階調の画素の輝度との平均が、中間階調の画素または領域の輝度と等しくなるように設定される。
【0052】
図2は、視野角改善処理用の第1および第2のLUTの変換特性を表す一例のグラフである。
図2のグラフの横軸はLUTへの入力値を表し、縦軸はLUTからの出力値を表す。また、実線は、第1のLUTの変換特性を表し、破線は、第2のLUTの変換特性を表す。なお、LUTへの入力値およびLUTからの出力値は、入力画像データおよび現在のフレームの画像データを0から1までの値で表したものである。
【0053】
xをLUTへの入力値、yをLUTからの出力値として、例えば、
図2のグラフに示すように、高階調の画素の画素値への変換用の第1のLUTの変換特性をy=x^
0.6とし、低階調の画素の画素値への変換用の第2のLUTの変換特性をy=x^
1.4とすることにより、第1および第2のLUTとして、高階調の画素の輝度と低階調の画素の輝度との平均が、中間階調の画素または領域の輝度とほぼ等しくなるLUTを得ることができる。
【0054】
一般的に、視野角改善処理は、高階調の画素の画素値と低階調の画素の画素値とを空間的および時間的の少なくとも一方に多重化して表示することにより実施され、高階調の画素の輝度と低階調の画素の輝度との平均に対応する輝度が人間の目に知覚される。
【0055】
空間的多重化の場合、画素の位置に応じて、高階調の画素の画素値と低階調の画素の画素値のどちらを出力するかを決定する。例えば、マトリックスで表示される領域において、高階調の画素の画素値と低階調の画素の画素値とを千鳥状に表示する方法がある。
【0056】
図3は、高階調の画素の画素値と低階調の画素の画素値とを空間的に多重化した一例の概念図である。
図3の左側は、2×2のマトリックスで表示された中間階調の領域の画素値に対応する画像を表す。この中間階調の領域を空間的に多重化する場合、例えば、
図3の右側に示すように、2×2のマトリックスの右上および左下の画素を高階調の画素の画素値で表示し、左上および右下の画素を低階調の画素の画素値で表示する。
【0057】
また、時間的多重化の場合、例えば、高階調の画素の画素値と低階調の画素の画素値とを、1フレーム毎に交互に入れ替えて出力する方法がある。
【0058】
なお、空間的多重化の場合、2×2のマトリックスに限らず、任意の形状の中間階調の領域において、高階調の画素の画素値と低階調の画素の画素値とを任意のパターンで配置して表示することができる。また、時間的多重化の場合、高階調の画素の画素値と低階調の画素の画素値とを、1フレーム毎に入れ替えて出力することに限らず、複数フレーム毎に入れ替えて出力してもよい。
【0059】
また、視野角改善処理を、例えば、エッジ部分および特定の色の領域等のように、特定の画像(パターン)に対して行った場合、高階調の画素の画素値と低階調の画素の画素値との組み合わせにより明暗のパターンが見える、チラツキまたは粒状感を感じる等の副作用が発生することがある。そのため、入力画像データに応じて、エッジ部分の検出および特定の色の領域の判定等を行って階調補正を行うか否かを制御してもよい。
【0060】
階調補正部12は、入力画像データに基づいて、エッジ部分を検出するエッジ検出部と、入力画像データに基づいて、特定の色の領域を判定する色相判定部とを備えてもよい。エッジ検出部により、階調補正をエッジ部分に施さないように制御したり、色相判定部により、階調補正を特定の色の領域に施さないように制御したり、あるいは、階調補正をエッジ部分および特定の色の領域に施さないように制御したりすることができる。
【0061】
なお、本発明は、視野角改善処理に限らず、階調を下げる方向への階調補正を入力画像データに施す場合に適用可能である。例えば、隣接画素の画素値を、高階調の画素の画素値から低階調の画素の画素値に変換する階調補正を入力画像データに施してもよい。
【0062】
次に、低階調補正部24および逆低階調補正部32についてさらに説明する。
【0063】
例えば、低階調補正部24における低階調補正および逆低階調補正部32における逆低階調補正は
図4に示す通りである。
ここで、入力画素値は、階調補正を行う画素の画素値で、実線で示す低階調補正は、出力される低階調補正用の画素値、破線で示す逆低階調補正は、出力される逆低階調補正用の画素値である。なお、低階調補正および逆低階調補正の関係式は、
図4に限らず、対応する任意の関係式を使用することができる。
【0064】
図4は、低階調補正および逆低階調補正の各画素の画素値を表す一例のグラフである。
図4のグラフの横軸は入力画素値を表し、縦軸は出力画素値を表す。低階調補正の場合、横軸は階調補正データの画素の画素値を表し、縦軸は低階調補正データの画素の画素値を表す。また、逆低階調補正の場合、横軸は低階調補正データの画素の画素値を表し、縦軸は逆低階調補正データの画素の画素値を表す。
【0065】
低階調補正部24は、
図4に実線で示すように、低階調領域の階調を持ち上げるように、階調補正データの画素の画素値に低階調補正を施して低階調補正データの画素の画素値に変換する。また、逆低階調補正部32は、
図4に破線で示すように、低階調補正が施されて階調が持ち上げられた低階調領域の階調を下げるように、伸張データの画素の画素値に逆低階調補正を施して逆低階調補正データの画素の画素値に変換する。
【0066】
次に、液晶表示装置10の動作を説明する。
【0067】
まず、階調補正部12により、階調補正として、視野角改善処理が入力画像データに施され、階調補正部12から階調補正データおよび補正有無情報が出力される。
【0068】
続いて、低階調補正部24により、低階調補正が階調補正データに施され、低階調補正部24から低階調補正データが出力される。
【0069】
続いて、第1の処理判定部26から、第1の処理データとして、補正有無情報が補正無しを表す場合に階調補正データが出力され、補正有無情報が補正有りを表す場合に低階調補正データが出力される。
【0070】
階調補正として、視野角改善処理を行う場合、高階調に変換された画素の補正有無情報は補正無しを表し、低階調に変換された画素の補正有無情報は補正有りを表す。そのため、第1の処理判定部26は、高階調に変換された画素については、低階調補正が施されていない階調補正データを選択して出力し、低階調に変換された画素については、低階調補正が施された低階調補正データを選択して出力する。
【0071】
続いて、圧縮部28により、第1の処理データが圧縮され、圧縮部28から圧縮データが出力される。
【0072】
例えば、入力画像データの画素の画素値が80の場合、入力画像データの画素の画素値の80は、階調補正部12により、高階調の画素の画素値が127(=(80/256)^0.6*256)、低階調の画素の画素値が50(=(80/256)^1.4*256)の階調補正データに変換される。また、階調補正データの低階調の画素の画素値の50は、低階調補正部24により、低階調の画素の画素値が112の低階調補正データに変換される(
図4の低階調補正参照)。
【0073】
階調補正データの場合、高階調の画素の画素値の127と低階調の画素の画素値の50との差分は77であり、低階調補正データの場合、高階調の画素の画素値の127と低階調の画素の画素値の112との差分は15である。従って、低階調補正を低階調の画素の画素値に施すことにより、高階調の画素の画素値と低階調の画素の画素値との相関が高くなり、圧縮部28による圧縮効率を向上させることができる。
【0074】
続いて、圧縮データおよび補正有無情報がフレームバッファ16に格納される。
【0075】
続いて、フレームバッファ16から圧縮データが読み出され、伸張部30により、フレームバッファ16から読み出された圧縮データが伸張され、伸張部30から伸張データが出力される。
【0076】
続いて、逆低階調補正部32により、逆低階調補正が伸張データに施され、逆低階調補正部32から逆低階調補正データが出力される。
【0077】
続いて、フレームバッファ16から補正有無情報が読み出され、第2の処理判定部34から、第2の処理データとして、フレームバッファ16から読み出された補正有無情報が補正無しを表す場合に伸張データが出力され、フレームバッファ16から読み出された補正有無情報が補正有りを表す場合に逆低階調補正データが出力される。
【0078】
続いて、オーバドライブ部20により、1フレーム前の画像データとなる第2の処理データに基づいて、オーバドライブ処理が現在のフレームの画像データとなる階調補正データに施され、オーバドライブ部20からオーバドライブデータが出力される。
【0079】
そして、オーバドライブデータに対応する画像が液晶表示パネル部22に表示される。
【0080】
上記のように、液晶表示装置10では、画像データの圧縮前に、第1の処理判定部26により、補正有無情報に基づいて、低階調補正部24を利用して、階調を上げる方向への階調補正の簡易的な変換が行われる。また、画像データの伸張後に、第2の処理判定部34により、補正有無情報に基づいて、逆低階調補正部32を利用して、階調を下げる方向への階調補正の簡易的な逆変換が行われる。
【0081】
このように、オーバドライブ処理のために設けられている低階調補正部24および逆低階調補正部32を利用して、階調を上げる方向への階調補正の簡易的な変換および階調を下げる方向への階調補正の簡易的な逆変換を行うことにより回路規模の増加を抑えることができるため、コストを削減することができる。
【0082】
また、階調を上げる方向への階調補正の簡易的な変換を行うことにより、階調を下げる方向への階調補正が行われた場合であっても、隣接画素間の画素値の相関を高くすることができるため、圧縮効率を向上させることができ、1フレーム前の画像の画質を向上させることができる。また、1フレーム前の画像の画質が向上されることにより、オーバドライブ処理の精度を向上させることができるため、液晶表示装置10の表示品質を向上させることができる。
【0083】
最後に、補正有無情報の圧縮方法について説明する。
【0084】
最小の1画素単位で階調補正を制御する場合、補正有無情報は、入力画像データの1画素毎に、かつ、RGB毎に、補正無し(例えば、0)なのか補正有り(例えば、1)なのかを表すデータとなり、データ量は1画素当たり3ビット(RGB各1ビット)となる。
【0085】
1画素単位のRGB毎に階調補正を制御する場合、階調補正部12により、階調補正が入力画像データに1画素単位のRGB毎に施されて階調補正データおよび補正有無情報が1画素単位のRGB毎に出力される。
【0086】
続いて、低階調補正部24により、低階調補正が階調補正データに1画素単位のRGB毎に施されて低階調補正データが1画素単位のRGB毎に出力される。
【0087】
続いて、第1の処理判定部26から、補正有無情報が補正無しを表す場合に階調補正データが1画素単位のRGB毎に出力され、補正有無情報が補正有りを表す場合に低階調補正データが1画素単位のRGB毎に出力される。
【0088】
続いて、圧縮部28により、第1の処理データが圧縮されて圧縮データが出力される。
【0089】
続いて、圧縮データがフレームバッファ16に格納されると共に、補正有無情報が1画素単位のRGB毎にフレームバッファ16に格納される。
【0090】
続いて、フレームバッファ16から圧縮データが読み出され、伸張部30により、フレームバッファ16から読み出された圧縮データが伸張されて伸張データが出力される。
【0091】
続いて、逆低階調補正部32により、逆低階調補正が伸張データに1画素単位のRGB毎に施されて逆低階調補正データが1画素単位のRGB毎に出力される。
【0092】
続いて、フレームバッファ16から補正有無情報が読み出され、第2の処理判定部34から、フレームバッファ16から読み出された補正有無情報が補正無しを表す場合に伸張データが1画素単位のRGB毎に出力され、フレームバッファ16から読み出された補正有無情報が補正有りを表す場合に逆低階調補正データが1画素単位のRGB毎に出力される。
【0093】
また、複数の画素単位で階調補正を制御することができる。例えば、4画素単位で階調補正を制御する場合、補正有無情報は、4画素単位で、補正無しなのか補正有りなのかを表すデータとなる。つまり、4画素毎に1つの補正有無情報が出力される。1クロックで1画素を処理する場合、補正有無情報は4クロック毎に出力されるため、圧縮処理部14では、例えば、クロック信号に基づいて、補正有無情報に対応する有効画素(4画素単位)を制御しながら第1の処理判定部26等を制御する必要がある。伸張処理部18においても同様である。
【0094】
4画素単位で階調補正を制御する場合、階調補正部12により、階調補正が入力画像データに4画素単位で施されて階調補正データおよび補正有無情報が4画素単位で出力される。
【0095】
続いて、低階調補正部24により、低階調補正が階調補正データに4画素単位で施されて低階調補正データが4画素単位で出力される。
【0096】
続いて、第1の処理判定部26から、補正有無情報が補正無しを表す場合に階調補正データが4画素単位で出力され、補正有無情報が補正有りを表す場合に低階調補正データが4画素単位で出力される。
【0097】
続いて、圧縮部28により、第1の処理データが圧縮されて圧縮データが出力される。
【0098】
続いて、圧縮データフレームバッファ16に格納されると共に、補正有無情報が4画素単位でフレームバッファ16に格納される。
【0099】
続いて、フレームバッファ16から圧縮データが読み出され、伸張部30により、フレームバッファ16から読み出された圧縮データが伸張されて伸張データが出力される。
【0100】
続いて、逆低階調補正部32により、逆低階調補正が伸張データに4画素単位で施されて逆低階調補正データが4画素単位で出力される。
【0101】
続いて、フレームバッファ16から補正有無情報が読み出され、第2の処理判定部34から、フレームバッファ16から読み出された補正有無情報が補正無しを表す場合に伸張データが4画素単位で出力され、フレームバッファ16から読み出された補正有無情報が補正有りを表す場合に逆低階調補正データが4画素単位で出力される。
【0102】
4画素単位で階調補正を制御する場合、1画素単位で階調補正を制御する場合に比べて、補正有無情報のデータ量を1/4に減らすことができる。なお、4画素単位に限らず、任意の画素単位で階調補正を制御することができる。
【0103】
また、1画素単位または複数の画素単位で階調補正を制御する場合、RGB毎に異なる階調補正を施してもよいし、RBG共通で同じ階調補正を施してもよい。RGB毎に階調補正を施す場合、階調補正部12は、RGB毎に異なる補正有無情報を出力する。一方、RGB共通で階調補正を施す場合、階調補正部12は、RGB共通で1つの補正有無情報を出力する。RGB共通で階調補正を施す場合、RGB毎に階調補正を施す場合に比べて、補正有無情報のデータ量を1/3に減らすことができる。
【0104】
また、マトリックス単位で階調補正を制御することもできる。この場合、マトリックスに含まれる複数の画素のRBG毎の補正有無情報であるマトリックス補正有無情報を格納するレジスタを設ける。例えば、4×4のマトリックス単位で階調補正を制御する場合、補正有無情報は、4×4のマトリックス単位で、補正無しなのか補正有りなのかを表すデータとなる。つまり、16画素毎に1つの補正有無情報が出力される。圧縮処理部14では、例えば、前述の同期信号に基づいて、補正有無情報に対応する有効画素(16画素単位)を制御しながら第1の処理判定部26等を制御する。伸張処理部18においても同様である。
【0105】
マトリックス単位で階調補正を制御する場合、階調補正部12により、階調補正が入力画像データにマトリックス単位で施されて階調補正データおよび補正有無情報がマトリックス単位で出力される。
【0106】
続いて、低階調補正部24により、低階調補正が階調補正データにマトリックス単位で施されて低階調補正データがマトリックス単位で出力される。
【0107】
続いて、第1の処理判定部26から、補正有無情報が補正無しを表す場合に階調補正データがマトリックス単位で出力される。
一方、補正有無情報が補正有りを表す場合にレジスタからマトリックスに含まれる複数の画素のRGB毎のマトリックス補正有無情報が取得される。また、マトリックスに含まれる画素毎に、かつ、RGB毎に、第1の処理判定部26から、レジスタから取得したマトリックス補正有無情報が補正無しを表す場合に階調補正データが出力され、レジスタから取得したマトリックス補正有無情報が補正有りを表す場合に低階調補正データが出力される。
【0108】
図5は、4×4のマトリックスに含まれる16画素のRGB毎のマトリックス補正有無情報を表す一例の概念図である。例えば、
図5に示す4×4のマトリックスに含まれる左上の画素のRGB毎のマトリックス補正有無情報は、R:ON, G:OFF, B:ONであり、ONは補正有り、OFFは補正無しを表す。左上の画素の場合、第1の処理判定部26から、Rの低階調補正データ、Gの階調補正データおよびBの低階調補正データが出力される。4×4のマトリックスに含まれるその他の画素についても同様である。
【0109】
続いて、圧縮部28により、第1の処理データが圧縮されて圧縮データが出力される。
【0110】
続いて、圧縮データフレームバッファ16に格納されると共に、補正有無情報がマトリックス単位でフレームバッファ16に格納される。
【0111】
続いて、フレームバッファ16から圧縮データが読み出され、伸張部30により、フレームバッファ16から読み出された圧縮データが伸張されて伸張データが出力される。
【0112】
続いて、逆低階調補正部32により、逆低階調補正が伸張データにマトリックス単位で施されて逆低階調補正データがマトリックス単位で出力される。
【0113】
続いて、フレームバッファ16から補正有無情報が読み出され、第2の処理判定部34から、フレームバッファ16から読み出された補正有無情報が補正無しを表す場合に伸張データがマトリックス単位で出力される。
一方、フレームバッファ16から読み出された補正有無情報が補正有りを表す場合にレジスタからマトリックスに含まれる複数の画素のRGB毎のマトリックス補正有無情報が取得される。また、マトリックスに含まれる画素毎に、かつ、RGB毎に、第2の処理判定部34から、レジスタから取得したマトリックス補正有無情報が補正無しを表す場合に伸張データが出力され、レジスタから取得したマトリックス補正有無情報が補正有りを表す場合に逆低階調補正データが出力される。
【0114】
4×4のマトリックス単位で階調補正を制御する場合、マトリックス補正有無情報を格納するレジスタは必要になるが、1画素単位で階調補正を制御する場合に比べて、補正有無情報のデータ量を1/48(RGB毎の補正有無情報は1/16、RGBの補正有無情報の共通化により1/3)に減らすことができる。なお、4×4のマトリックス単位に限らず、任意のサイズのマトリックス単位で階調補正を制御することができる。
【0115】
また、マトリックス単位で階調補正を制御する場合、マトリックス補正有無情報の内容が異なる2以上のレジスタを備えていてもよい。この場合、補正有無情報は、補正有りを表す場合に2以上のレジスタの中から1つのレジスタを指定する情報を含む。
【0116】
第1、第2および第3のレジスタを備える場合、補正有無情報は、00, 01,10および11のいずれかで表される2ビットのデータとなり、例えば、補正有無情報が00の場合は補正無し、補正有無情報が01, 10および11の場合は補正有りを表す。また、補正有無情報が補正有りを表す場合、補正有無情報の01, 10および11は、それぞれ第1、第2および第3のレジスタを指定する情報となる。
【0117】
2以上のレジスタを備える場合、第1の処理判定部26から、補正有無情報が補正無しを表す場合に階調補正データがマトリックス単位で出力される。
一方、補正有無情報が補正有りを表す場合に補正有無情報により指定される1つのレジスタからマトリックスに含まれる複数の画素のRGB毎のマトリックス補正有無情報が取得される。また、マトリックスに含まれる画素毎に、かつ、RGB毎に、第1の処理判定部26から、1つのレジスタから取得したマトリックス補正有無情報が補正無しを表す場合に階調補正データが出力され、1つのレジスタから取得したマトリックス補正有無情報が補正有りを表す場合に低階調補正データが出力される。
【0118】
また、第2の処理判定部34から、フレームバッファ16から読み出された補正有無情報が補正無しを表す場合に伸張データがマトリックス単位で出力される。
一方、フレームバッファ16から読み出された補正有無情報が補正有りを表す場合に補正有無情報により指定される1つのレジスタからマトリックスに含まれる複数の画素のRGB毎のマトリックス補正有無情報が取得される。また、マトリックスに含まれる画素毎に、かつ、RGB毎に、第2の処理判定部34から、1つのレジスタから取得したマトリックス補正有無情報が補正無しを表す場合に伸張データが出力され、1つのレジスタから取得したマトリックス補正有無情報が補正有りを表す場合に逆低階調補正データが出力される。
【0119】
2以上のレジスタを備える場合、マトリックス補正有無情報を格納する2以上のレジスタが必要になり、かつ、1つ当たりの補正有無情報のデータ量は増えるが、1つのレジスタのみを備える場合に比べて、レジスタの数、つまり、マトリックス補正有無情報の内容のパターンが増えるに従って階調補正の精度を向上させることができる。なお、レジスタの数は3つに限らず、任意の数のレジスタを備えていてもよい。
【0120】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。