【解決手段】ペン1は、一端部にペン先が設けられた内筒部3と、一端部において内筒部3が出入される開口部4aを有し、内筒部3を収容可能な外筒部4と、外筒部4内部に設置され、内筒部3における一端部とは反対側の他端部と、外筒部4における一端部とは反対側の他端部とが離れる方向に力を付与する弾性ばね5と、内筒部3内部に設置され、外筒部4から内筒部3が伸長した状態で、内筒部3と外筒部4に係合するフック部6とを備え、外筒部4の外周部に貫通孔4Aが形成され、貫通孔4Aは、外筒部4が内筒部3を収容した状態で、携帯情報端末の収納部内部に設けられた突起部と嵌合可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るペンを示す縦断面図である。
【
図2A】本発明の第1実施形態に係るペンを示す横断面図であり、
図1のIIA−IIA線で切断した図である。
【
図2B】本発明の第1実施形態に係るペンを示す横断面図であり、
図3AのIIB−IIB線で切断した図である。
【
図3A】本発明の第1実施形態に係るペンと収納部を示す縦断面図であり、ペンを収納部に収納する過程を示している。
【
図3B】本発明の第1実施形態に係るペンと収納部を示す縦断面図であり、ペンを収納部に収納する過程を示している。
【
図3C】本発明の第1実施形態に係るペンと収納部を示す縦断面図であり、ペンを収納部に収納する過程を示している。
【
図4A】本発明の第1実施形態に係るペンと収納部を示す縦断面図であり、ペンを収納部から取り出す過程を示している。
【
図4B】本発明の第1実施形態に係るペンと収納部を示す縦断面図であり、ペンを収納部から取り出す過程を示している。
【
図4C】本発明の第1実施形態に係るペンと収納部を示す縦断面図であり、ペンを収納部から取り出す過程を示している。
【
図4D】本発明の第1実施形態に係るペンと収納部を示す縦断面図であり、ペンを収納部から取り出す過程を示している。
【
図5】本発明の第2実施形態に係るペンを示す縦断面図である。
【
図6A】本発明の第2実施形態に係るペンを示す横断面図であり、
図5のVIA−VIA線で切断した図である。
【
図6B】本発明の第2実施形態に係るペンを示す横断面図であり、
図7AのVIB−VIB線で切断した図である。
【
図7A】本発明の第2実施形態に係るペンと収納部を示す縦断面図であり、ペンを収納部に収納する過程を示している。
【
図7B】本発明の第2実施形態に係るペンと収納部を示す縦断面図であり、ペンを収納部に収納する過程を示している。
【
図7C】本発明の第2実施形態に係るペンと収納部を示す縦断面図であり、ペンを収納部に収納する過程を示している。
【
図8A】本発明の第2実施形態に係るペンと収納部を示す縦断面図であり、ペンを収納部から取り出す過程を示している。
【
図8B】本発明の第2実施形態に係るペンと収納部を示す縦断面図であり、ペンを収納部から取り出す過程を示している。
【
図8C】本発明の第2実施形態に係るペンと収納部を示す縦断面図であり、ペンを収納部から取り出す過程を示している。
【
図8D】本発明の第2実施形態に係るペンと収納部を示す縦断面図であり、ペンを収納部から取り出す過程を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係るペン1について、図面を参照しながら、説明する。
本実施形態に係るペン1は、例えばタブレット端末への入力に用いられ、タブレット端末の収納部21に収納可能である。ペン1は、アクティブ式でもよいし、パッシブ式でもよい。アクティブ式の場合、バッテリー41、トランスデューサー、制御部、圧力検出部を有するモジュール部42などが搭載されている。なお、以下では、携帯情報端末の例として、タブレット端末を挙げるが、本発明が適用される携帯情報端末はこれに限られず、ノート型パーソナルコンピュータ、スマートフォンなどでもよい。
【0013】
本実施形態に係るペン1は、伸縮可能であり、タッチペンとして使用するとき、伸長して用いられ、タブレット端末に収納するとき、収縮される。
【0014】
また、ペン1の一端部には、ペン先43が設けられ、ペン先43の内部には、外部と先端で接触しモジュール部42と電気的に導通する芯材44が設けられている。芯材44の材料は、例えば導電性合成樹脂や金属である。
【0015】
圧力検出部は、ペン先43がタッチパネルなどに当接され、その押圧力によってペン先43の芯材44がスプリングの弾性力に抗して押し込まれた際の圧力を検出して、検出結果を制御部に出力する。なお、圧力検出部でペン先43の押下を検出する場合に限られず、他の検出手段を使用してペン先43の押下を検出してもよい。
【0016】
バッテリー41は、制御部に電力を供給し、制御部は、電圧レベルを調整してトランスデューサー及び圧力検出部に電圧を供給する。トランスデューサーは電圧が供給されると、発振を開始して正弦波信号を生成し、ペン1はアクティブタッチペンとして用いることが可能になる。
【0017】
トランスデューサーは、例えば、電圧制御発振器であり、ペン先43の芯材44と電気的に接続されている。トランスデューサーは、制御部によって出力される電圧に基づいて正弦波信号(周波数f1,振幅A1)を生成し、生成した正弦波信号をペン先43の芯材44を通じて送信する。タブレット端末は、タッチセンサを介して駆動検出部が正弦波信号を受信する。
【0018】
制御部は、圧力検出部の圧力検出結果に基づいて、ペン先43の押下を検出した場合には、トランスデューサーに出力する電圧を変更し、正弦波信号(周波数f2(但し、f2>f1),振幅A1)を生成する。
【0019】
なお、ペン1は、圧力検出部で圧力が検出された場合にアクティブ状態とし、所定時間使用されない場合に、スリープ状態に移行するように構成してもよい。
【0020】
ペン1は、
図1に示すように、内筒部3と、外筒部4と、弾性ばね5と、フック部6等を備える。
内筒部3は、例えば、円筒形状を有する。内筒部3は、一端部にペン先43が設けられ、内部に上述したバッテリー41やモジュール部42が収納されている。内筒部3のペン先43側とは反対側の他端部には蓋部11が設けられ、蓋部11によって内筒部3の他端部側が覆われている。
【0021】
外筒部4は、例えば、円筒形状を有し、内筒部3の外径と外筒部4の内径がほぼ等しく、外筒部4の内径の方が内筒部3の外径よりも僅かに大きい。外筒部4の一端部には、開口部4aが形成されており、開口部4aを通過して内筒部3が出入する。内筒部3は、外筒部4の内周面に沿ってスライドして、外筒部4の内部に収納される。外筒部4の開口部4aとは反対側の他端部には蓋部12が設けられ、蓋部12によって外筒部4の他端部側が覆われている。
【0022】
外筒部4の内部には、弾性ばね5が設けられる。弾性ばね5は、圧縮ばねであり、弾性ばね5の軸方向は、外筒部4の軸方向と平行である。弾性ばね5の一端側は、内筒部3の蓋部11と固定され、他端側は、外筒部4の蓋部12と固定される。弾性ばね5は、内筒部3の蓋部11と外筒部4の蓋部12が離れる方向に弾性力を付与する。したがって、弾性ばね5によって内筒部3と外筒部4が伸長される。
【0023】
フック部6は、内筒部3の内部において蓋部11に固定されている。フック部6は、
図2A及び
図2Bに示すように、例えば、円弧形状の弾性を有する部材であって、外側へ向かって弾性力を付与する。フック部6の端部には、凸部6aが形成されている。凸部6aは、内筒部3の径方向に移動可能である。
【0024】
内筒部3の円筒面には、フック部6の凸部6aに相当する位置に貫通孔3Aが形成されており、フック部6の凸部6aは、貫通孔3Aを出入する。また、外筒部4の円筒面には、外筒部4の開口部4a側に、貫通孔4Aが形成されており、
図1及び
図2Aに示すように、貫通孔3Aを貫通したフック部6の凸部6aが、外筒部4の貫通孔4Aに係合可能である。フック部6の凸部6aは、外筒部4から内筒部3が伸長した状態で、外筒部4の貫通孔4Aに係合する。
これにより、ペン1が伸長した状態が維持され、ペン1が長い状態でタッチペンとして使用可能になる。
【0025】
外筒部4に内筒部3が収容され、ペン1が収縮した状態では、フック部6は、
図2Bに示すように、外筒部4の内周面によって中心側に押され、縮んだ状態となる。このとき、
図3A〜
図3C、
図4A〜
図4Cに示すように、内筒部3と外筒部4の係合状態が解除され、外筒部4の内面に沿って内筒部3がスライド可能である。
【0026】
外筒部4の円筒面に形成された貫通孔4Aは、凹部の一例である。外筒部4が内筒部3を収容した状態で、貫通孔4Aは、
図3Cに示すように、タブレット端末の収納部21内部に設けられた突起部22と嵌合可能である。
【0027】
内筒部3には、
図1に示すように、バッテリー41と電気的に接続される充電端子13が設けられている。充電端子13は、内筒部3の外周部から露出して設けられる。すなわち、内筒部3の円筒面には、充電端子13を露出させる開口部(図示せず。)が形成されている。また、外筒部4の円筒面にも、充電端子13を外部に露出させる開口部14が形成される。
【0028】
タブレット端末の収納部21は、ペン1の直径よりも大きい内径を有し、ペン1は、収納部21に対して長さ方向に挿入される。収納部21は、収縮した状態のペン1を先端部から後端部まで全て収納可能である。収納部21は、例えば円筒形の内面を有する。
【0029】
収納部21の内部には、収納部21の軸心方向に向かって突出した突起部22が設けられている。突起部22は、収納部21の軸心へ向かって弾性力を付与する。突起部22は、上述した外筒部4の円筒面に形成された貫通孔4Aと嵌合する。
【0030】
また、収納部21の内部には、ペン1の充電端子13と接触可能な電源供給端子(図示せず。)が設けられる。電源供給端子は、ペン1が収納部21に収納されたとき、ペン1の充電端子13が位置する場所に対応する位置に設けられる。電源供給端子は、弾性体を有し、収納部21の軸心へ向かって弾性力が付与される。これにより、ペン1が収納部21に収納されたとき、充電端子13が電源供給端子と接触する。
【0031】
収納部21の内部には、
図3A〜
図3C、
図4A〜
図4Dに示すように、ノック機構30が設けられてもよい。ノック機構30は、挿入されたペン1の先端部と当接可能である。ノック機構30が設けられる場合、ペン1の収納部21からの取り出しが容易になる。すなわち、ノック機構30は、1度目の押込みによってノックバー31が奥側21bに固定され、また、再度の押し込みによってノックバー31が開口側21aに突出される。
【0032】
すなわち、1度目の押し込みによって、ノックバー31とスプリングカム32が奥側21bへ押し込まれ、弾性ばね33も収縮する。このとき、スプリングカム32は係合位置で固定され、ノックバー31が奥側21bで固定される。また、再度の押し込みによって、ノックバー31とスプリングカム32が奥側21bへ押し込まれ、スプリングカム32が係合位置から解除される。その結果、弾性ばね33によってノックバー31とスプリングカム32が開口側21aへ突出する。
【0033】
ノック機構30では、押し込みによる奥側21bへの固定と、押し込みによる開口側21aへの突出が繰り返される。ノックバー31が開口側21aに突出されるとき、ノックバー31が弾性ばね33によって弾性力が付与されることから、ノックバー31に当接したペン1も収納部21の開口側21aへ押し出され、ペン1を収納部21から容易に取り出すことができる。
【0034】
ペン1を収納部21に収納する場合について、以下、ペン1及びノック機構30の動作について説明する。
【0035】
図3Aに示すように、ペン1が収納部21に挿入されると、まず、
図3Bに示すように、ペン1のペン先43がノック機構30に当接する。このとき、ペン1は伸長した状態で、ペン1の後端部側は、収納部21に収まりきらずはみ出した状態である。そして、ペン1が更に押し込まれると、外筒部4が内筒部3にスライドして、ペン1が収縮していく。また、ノック機構30のノックバー31も押し込まれて、ノックバー31が奥側21bに固定される。
【0036】
そして、
図3Cに示すように、ノックバー31が奥側21bで固定され、かつ、外筒部4が内筒部3を収容した状態で、タブレット端末の収納部21内部に設けられた突起部22は、外筒部4の円筒面に形成された貫通孔4Aと嵌合される。その結果、外筒部4が突起部22によって位置が固定され、ペン1は、収納部21内において収縮した状態で、突出することなく収納される。なお、ノック機構30の弾性ばね33は、ペン1の弾性ばね5のみによる押圧力では、押込みによる開口側21aへの突出が行われないように弾性力が設定されている。これにより、ペン1が収納部21に収納された状態で、弾性ばね5によってペン1の内筒部3におけるペン先43がノック機構30に当接するが、ノック機構30のノックバー31が開口側21aへ突出することがない。
【0037】
ペン1を収納部21から取り出す場合について、以下、ペン1及びノック機構30の動作について説明する。
【0038】
図4Aに示すように、収納部21に収納されたペン1が奥側21bへ押し込まれると、ペン1は収納部21内をスライドしてペン先43がノック機構30に当接する。そして、ノック機構30のノックバー31が奥側21bへ押し込まれた後、
図4Bに示すように、弾性ばね33によって、ノックバー31が開口側21aへ突出する。その結果、ペン1は、ノックバー31によって収納部21の開口側21aへ押圧力が付与される。
【0039】
このとき、ペン1は、開口側21aへ移動し、ペン1の外筒部4に設けられた貫通孔4Aは、収納部21内部に設けられた突起部22を通過する。しかし、ノック機構30によってペン1は押圧力が付与されていることから、
図4Cに示すように、貫通孔4Aと突起部22が再度嵌合することなく、ペン1は更に開口側21aへ押し出される。その結果、
図4Dに示すように、ペン1内部の弾性ばね5も作用し、内筒部3と外筒部4が離れる方向に弾性力が付与され、ペン1が伸長される。そして、ペン1の後端側が収納部21からはみ出た状態となるため、ペン1の取り出しが可能になる。
【0040】
ペン1をタッチペンとして使用する際は、
図1及び
図4Dに示すように、フック部6の凸部6aを、外筒部4の貫通孔4Aに係合させる。これにより、外筒部4から内筒部3が伸長した状態、すなわち、ペン1が伸長した状態が維持され、タッチペンとして使用可能になる。
【0041】
以上、本実施形態によれば、ペン1がタブレット端末の収納部21に収納される際は、ペン1が収縮するため、タブレット端末の筐体内部において収納部21が占めるスペースを低減できる。その結果、ペン軸が長いものを収納する場合に比べて、他の部品との配置関係の調整に余裕を持たせることができる。また、ペン1をタッチペンとして使用する際は、ペン軸が長くなるため、ユーザーがペン1を握りやすくなる。さらに、収納部21が筐体内部に占めるスペースの位置によっては、ペン軸を短くする分、ペン軸を太くすることができ、ユーザーがペン1を更に握りやすくなる。
【0042】
また、本実施形態において、ペン1の収縮は、ユーザーが収納部21に収納する際、同時に行うことができ、ペン1の伸長は、ユーザーが収納部21から取り出す際、突起部22と貫通孔4Aの嵌合が解除されることによって、自動的に行われる。そのため、ユーザーは、ペン1の伸縮作業の手間を低減できる。
【0043】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るペン2について、図面を参照しながら、説明する。
本実施形態に係るペン2は、
図5に示すように、外筒部7と、内筒部8と、弾性ばね9と、フック部10等を備える。
本実施形態に係るペン2は、伸縮可能であり、タッチペンとして使用するとき、伸長して用い、タブレット端末に収納するとき、収縮される。
【0044】
なお、ペン2がアクティブ式の場合、第1実施形態と同様に、バッテリー41、トランスデューサー、制御部、圧力検出部を有するモジュール部42などが搭載されている。バッテリー41、モジュール部42は、外筒部7に収納される。また、外筒部7には、一端部にペン先43が設けられる。
【0045】
外筒部7は、例えば、円筒形状を有する。外筒部7は、一端部にペン先43が設けられ、内部に上述したバッテリー41やモジュール部42が収納されている。外筒部7のペン先43側とは反対側の他端部には蓋部15が設けられ、蓋部15によって外筒部7の他端部側が覆われている。
【0046】
内筒部8は、例えば、円筒形状を有し、外筒部7の内径と内筒部8の外径がほぼ等しく、外筒部7の内径の方が内筒部8の外径よりも僅かに大きい。内筒部8におけるペン先43側とは反対側の他端部には蓋部16が設けられ、蓋部16によって内筒部8の他端部側が覆われている。
【0047】
外筒部7の他端部には、開口部7aが形成されており、開口部7aを通過して内筒部8が出入する。内筒部8は、外筒部7の内周面に沿ってスライドして、外筒部7の内部に収納される。
【0048】
内筒部8の内部には、弾性ばね9が設けられる。弾性ばね9は、圧縮ばねであり、弾性ばね9の軸方向は、内筒部8の軸方向と平行である。弾性ばね9の一端側は、外筒部7の蓋部15と固定され、他端側は、内筒部8の蓋部16と固定される。弾性ばね9は、外筒部7の蓋部15と内筒部8の蓋部16が離れる方向に弾性力を付与する。したがって、弾性ばね9によって外筒部7と内筒部8が伸長される。
【0049】
フック部10は、外筒部7の内部において蓋部15に固定されている。フック部10は、
図6A及び
図6Bに示すように、例えば、円弧形状の弾性を有する部材であって、外側へ向かって弾性力を付与する。フック部10の端部には、凸部10aが形成されている。凸部10aは、外筒部7の径方向に移動可能である。
【0050】
外筒部7の円筒面のうち後端部側には、フック部10の凸部10aに相当する位置に貫通孔7Aが形成されており、フック部10の凸部10aは、貫通孔7Aを出入する。また、内筒部8の円筒面には、内筒部8におけるペン先43側に、貫通孔8Aが形成されており、
図5及び
図6Aに示すように、貫通孔8Aを貫通したフック部10の凸部10aが、外筒部7の貫通孔7Aに係合可能である。フック部10の凸部10aは、外筒部7から内筒部8が伸長した状態で、内筒部8の貫通孔8A及び外筒部7の貫通孔7Aに係合する。
これにより、ペン2が伸長した状態が維持され、ペン2が長い状態でタッチペンとして使用可能になる。
【0051】
外筒部7に内筒部8が収容され、ペン2が収縮した状態では、フック部10は、
図6Bに示すように、内筒部8の内周面によって中心側に押され、縮んだ状態となる。このとき、
図7A〜
図7C、
図8A〜
図8Cに示すように、外筒部7と内筒部8の係合状態が解除され、外筒部7の内面に沿って内筒部8がスライド可能である。
【0052】
外筒部7の円筒面のうちペン先43側には貫通孔7Bが形成され、内筒部8の円筒面には貫通孔8Aよりもペン先43側に貫通孔8Bが形成される。貫通孔8Bは、凹部の一例である。外筒部7が内筒部8を収容した状態で、外筒部7の貫通孔7Bと内筒部8の貫通孔8Aは、
図7Cに示すように、タブレット端末の収納部21内部に設けられた突起部22と嵌合可能である。
【0053】
外筒部7には、
図5に示すように、バッテリー41と電気的に接続される充電端子17が設けられている。充電端子17は、外筒部7の外周部から露出して設けられる。すなわち、外筒部7の円筒面には、充電端子17を露出させる開口部(図示せず。)が形成されている。また、内筒部8の円筒面にも、充電端子17を外部に露出させる開口部18が形成される。
【0054】
タブレット端末の収納部21は、ペン2の直径よりも大きい内径を有し、ペン2は、収納部21に対して長さ方向に挿入される。収納部21は、収縮した状態のペン2を先端部から後端部まで全て収納可能である。収納部21は、例えば円筒形の内面を有する。
【0055】
収納部21の内部には、収納部21の軸心方向に向かって突出した突起部22が設けられている。突起部22は、収納部21の軸心へ向かって弾性力を付与する。突起部22は、上述した外筒部7の円筒面に形成された貫通孔7B及び内筒部8の円筒面に形成された貫通孔8Bと嵌合する。
【0056】
また、収納部21の内部には、ペン2の充電端子17と接触可能な電源供給端子(図示せず。)が設けられる。電源供給端子は、ペン2が収納部21に収納されたとき、ペン2の充電端子17が位置する場所に対応する位置に設けられる。電源供給端子は、弾性体を有し、収納部21の軸心へ向かって弾性力が付与される。これにより、ペン2が収納部21に収納されたとき、充電端子17が電源供給端子と接触する。
【0057】
収納部21の内部には、
図7A〜
図7C、
図8A〜
図8Dに示すように、ノック機構30が設けられてもよい。ノック機構30は、挿入されたペン2の先端部と当接可能である。ノック機構30が設けられる場合、ペン2の収納部21からの取り出しが容易になる。すなわち、ノック機構30は、1度目の押込みによってノックバー31が奥側21bに固定され、また、再度の押し込みによってノックバー31が開口側21aに突出される。ノック機構30の構成及び作用は、上述した第1実施形態と同様であるため省略する。
【0058】
ペン2を収納部21に収納する場合について、以下、ペン2及びノック機構30の動作について説明する。
【0059】
図7Aに示すように、ペン2が収納部21に挿入されると、まず、
図7Bに示すように、ペン2のペン先43がノック機構30に当接する。このとき、ペン2は伸長した状態で、ペン2の後端部側は、収納部21に収まりきらずはみ出した状態である。そして、ペン2が更に押し込まれると、内筒部8が外筒部7にスライドして、ペン2が収縮していく。また、ノック機構30のノックバー31も押し込まれて、ノックバー31が奥側21bに固定される。
【0060】
そして、
図7Cに示すように、ノックバー31が奥側21bで固定され、かつ、外筒部7が内筒部8を収容した状態で、タブレット端末の収納部21内部に設けられた突起部22は、外筒部7の円筒面に形成された貫通孔7B及び内筒部8の円筒面に形成された貫通孔8Bと嵌合される。その結果、内筒部8が突起部22によって位置が固定され、ペン2は、収納部21内において収縮した状態で、突出することなく収納される。なお、ノック機構30の弾性ばね33は、ペン2の弾性ばね9のみによる押圧力では、押込みによる開口側21aへの突出が行われないように弾性力が設定されている。これにより、ペン2が収納部21に収納された状態で、弾性ばね9によってペン2の外筒部7におけるペン先43がノック機構30に当接するが、ノック機構30のノックバー31が開口側21aへ突出することがない。
【0061】
ペン2を収納部21から取り出す場合について、以下、ペン2及びノック機構30の動作について説明する。
【0062】
図8Aに示すように、収納部21に収納されたペン2が奥側21bへ押し込まれると、ペン2は収納部21内をスライドしてペン先43がノック機構30に当接する。そして、ノック機構30のノックバー31が奥側21bへ押し込まれた後、
図8Bに示すように、弾性ばね33によって、ノックバー31が開口側21aへ突出する。その結果、ペン2は、ノックバー31によって収納部21の開口側21aへ押圧力が付与される。
【0063】
このとき、ペン2は、開口側21aへ移動し、ペン2の外筒部7に設けられた貫通孔7B及び内筒部8に設けられた貫通孔8Bは、収納部21内部に設けられた突起部22を通過する。しかし、ノック機構30によってペン2は押圧力が付与されていることから、
図8Cに示すように、貫通孔7B及び貫通孔8Bと突起部22が再度嵌合することなく、ペン2は更に開口側21aへ押し出される。その結果、
図8Dに示すように、ペン2内部の弾性ばね9も作用し、外筒部7と内筒部8が離れる方向に弾性力が付与され、ペン2が伸長される。そして、ペン2の後端側が収納部21からはみ出た状態となるため、ペン2の取り出しが可能になる。
【0064】
ペン2をタッチペンとして使用する際は、
図5及び
図8Dに示すように、フック部10の凸部10aを、内筒部8の貫通孔8A及び外筒部7の貫通孔7Aに係合させる。これにより、外筒部7から内筒部8が伸長した状態、すなわち、ペン2が伸長した状態で維持され、タッチペンとして使用可能になる。
【0065】
以上、本実施形態によれば、ペン2がタブレット端末の収納部21に収納される際は、ペン2が収縮するため、タブレット端末の筐体内部において収納部21が占めるスペースを低減できる。その結果、ペン軸が長いものを収納する場合に比べて、他の部品との配置関係の調整に余裕を持たせることができる。また、ペン2をタッチペンとして使用する際は、ペン軸が長くなるため、ユーザーがペン2を握りやすくなる。さらに、収納部21が筐体内部に占めるスペースの位置によっては、ペン軸を短くする分、ペン軸を太くすることができ、ユーザーがペン2を更に握りやすくなる。
【0066】
また、本実施形態において、ペン2の収縮は、ユーザーが収納部21に収納する際、同時に行うことができ、ペン2の伸長は、ユーザーが収納部21から取り出す際、突起部22と貫通孔8B及び貫通孔7Bの嵌合が解除されることによって、自動的に行われる。そのため、ユーザーは、ペン2の伸縮作業の手間を低減できる。
本発明の第1態様に係るペンは、一端部にペン先が設けられた第1筒部と、一端部において前記第1筒部が出入される開口部を有し、前記第1筒部を収容可能な第2筒部と、前記第2筒部内部に設置され、前記第1筒部における前記一端部とは反対側の他端部と、前記第2筒部における前記一端部とは反対側の他端部とが離れる方向に力を付与する弾性部材と、前記第1筒部内部に設置され、前記第2筒部から前記第1筒部が伸長した状態で、前記第1筒部と前記第2筒部に係合する係合部と
端部と、前記第4筒部における前記他端部とが離れる方向に力を付与する弾性部材と、前記第4筒部内部に設置され、前記第4筒部から前記第3筒部が伸長した状態で、前記第3筒部と前記第4筒部に係合する係合部と
を備え、前記第3筒部の外周部に凹部が形成され、前記第4筒部の外周部に貫通孔が形成され、前記凹部と前記貫通孔は、前記第4筒部が前記第3筒部を収容した状態で、携帯情報端末の収納部内部に設けられた突起部と嵌合可能であ