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特開2018-137214ボタンセル電池である電池及びかかる電池の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-137214(P2018-137214A)
(43)【公開日】2018年8月30日
(54)【発明の名称】ボタンセル電池である電池及びかかる電池の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 6/02 20060101AFI20180803BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20180803BHJP
   H01M 2/02 20060101ALI20180803BHJP
   H01M 2/04 20060101ALI20180803BHJP
   H01M 2/08 20060101ALI20180803BHJP
【FI】
   H01M6/02 Z
   H01M10/04 Z
   H01M2/02 G
   H01M2/04 G
   H01M2/08 G
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-18848(P2018-18848)
(22)【出願日】2018年2月6日
(31)【優先権主張番号】17157252.2
(32)【優先日】2017年2月21日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ピエリ・ヴュイユ
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ・エルデムリ
(72)【発明者】
【氏名】パスカル・へリング
(72)【発明者】
【氏名】ブルハン・イルディス
【テーマコード(参考)】
5H011
5H024
5H028
【Fターム(参考)】
5H011AA03
5H011CC06
5H011DD11
5H011DD13
5H011DD14
5H011HH02
5H024BB08
5H024BB14
5H024CC03
5H024DD01
5H024DD03
5H024HH15
5H028BB03
5H028BB05
5H028CC02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】活性体積を大きくしたボタン型電池の製造方法の提供。
【解決手段】1つの極を定める第1の部分3と、他の極を定め、カップをともに形成した第2の部分6と、第3の部分7とである3つの部分を少なくとも用意するステップであって、第1の部分と第2の部分とを接着させるための第1の面3aと第2の面6aをそれぞれ有し、各面の少なくとも1つの接着性を有する部分が、電池の全体軸12に平行ではない幾何学的面内にて延在している、ステップと、第1の部分と第2の部分の間の接着性接合4を有する構造を設けるように第1の面と第2の面を結合させるステップと、第2の部分に第3の部分7を溶接するステップとを有し、接着性接合は、カップの内面に対向するように構成しており、第2の部分の接着性を有する部分が、カップの内側にて第1の部分に対して全体軸に沿った方向で接着する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボタンセル電池である電池を製造する方法であって、
前記電池は、当該電池の第1の極と第2の極を定めるケーシング(1)を有し、
前記第1の極と前記第2の極の全体アラインメントは、当該電池の全体軸(12)を定め、
当該方法は、
− 前記第1の極(3)を形成するように意図された第1の部分と、及び第2の極(2)をともに形成するように意図された第2の部分(6)と第3の部分(7)とを含む少なくとも3つの部分を用意するステップであって、前記第1の部分と前記第2の部分がそれぞれ、対応する合致する形を有する第1の面(3a)と第2の面(6a)を有しており、前記第1の極と前記第2の極の間に絶縁性接合を形成するように結合させることによって組み立てられるように意図されている、ステップと、
− 前記第1の部分と前記第2の部分によって形成された構造を設けるように前記第1の面(3a)と前記第2の面(6a)を結合させるステップであって、前記第1の部分と前記第2の部分の間には前記第1の部分と前記第2の部分を電気的に絶縁させるように構成している接着性接合(4)がある、ステップと、
− 前記構造及び/又は前記第3の部分(7)を少なくとも1つの固体の活性物質で少なくとも部分的に充填するステップであって、前記第3の部分(7)に、前記用意させるステップと前記結合させるステップのいずれかの前に充填させることができる、ステップと、
− 前記第2の部分と前記第3の部分が溶接接合を有するように前記第2の部分に前記第3の部分(7)を溶接するステップと
を順次的に有し、
前記第1の部分、前記第2の部分及び前記第3の部分は、前記第1の面を少なくとも部分的に定める前記第1の部分の第1の部分及び前記第2の面を少なくとも部分的に定める前記第2の部分の第2の部分が、一方が他方に対向するように構成しており前記ケーシングの全体軸(12)に平行ではない面内に延在しているように、形成され組み立てられ、
前記第2の部分と前記第3の部分は、前記第1の部分に対する前記全体軸の方向の止めを前記第2の部分が形成するように、カップ(2)をともに形成するように互いに溶接され、
前記第1の部分は、前記止めの箇所において前記カップ(2)内にて前記止めよりも内側に位置しており、
前記カップの内面に前記第2の面があり、この第2の面に対向するように前記接着性接合が配置され、
前記第1の部分は、前記接着性接合のおかげで密封された形態で前記カップを閉じる
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記全体軸に対して、前記第2の部分は、開口と前記止めの間の前記第2の部分の高さの全体にわたって最小限の内側の断面を有し、
前記最小限の内側の断面は、前記全体軸を横断する平面上への射影において前記第1の部分の対応する寸法構成よりも大きいように構成している寸法構成を有し、
前記結合させるステップにおいて、前記第1の部分は、前記開口を通って前記第2の部分へと挿入され、前記第1の部分と前記第2の部分の間に位置し前記接着性接合を形成する接着剤層によって前記第1の部分が前記第2の部分に対して組み立てられるまで、実質的に前記全体軸に沿って動かされる
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記接着性接合(4)は、セパレーター(9)によって制御される実質的に一定の厚みをする
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の面と前記第2の面は、結合の前に、前記第1の面と前記第2の面のそれぞれの上にシリカ層(10)を堆積させるように、反応性サンドブラストによって処理される
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記第1の面(3a)と前記第2の面(6a)は、これらの面のそれぞれの上に、又は適宜、これらの面上にあらかじめ堆積させられたシリカ層上に、接着プロモーター(11)の層を堆積させることによって官能化される
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第3の部分(7)及び/又は前記構造も、前記溶接するステップの前に液体の活性物質で充填される
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記第1の部分と前記第2の部分は、実質的に平坦又は切頭状である
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
ボタンセル電池である電池であって、
前記電池は、当該電池の第1の極と第2の極及び全体軸(12)を定めるケーシング(1)を有し、
前記全体軸(12)の向きは、前記第1の極と前記第2の極の全体アラインメントに対応しており、
前記ケーシングは、第1の極を形成する第1の部分(3)と、及び互いに溶接されて前記第2の極を定め溶接接合を有するカップ(2)を形成する第2の部分(6)と第3の部分(7)とを有し、
当該電池は、絶縁される形態で前記第1の部分の第1の面(3a)を前記第2の部分の第2の面(6a)に接続する接着性接合(4)を有し、
前記第1の部分、前記第2の部分及び前記第3の部分は、前記第1の面を少なくとも部分的に定める前記第1の部分の第1の部分及び前記第2の面を少なくとも部分的に定める前記第2の部分の第2の部分が、一方が他方に対向するように構成しており前記ケーシングの全体軸(12)に平行ではない面内に延在しているように構成しており、
前記第2の部分は、前記第1の部分に対する前記全体軸の方向の止めを形成し、
前記第1の部分は、前記止めの箇所において前記カップ内にて前記止めよりも内側に位置しており、
前記カップの内面に前記第2の面があり、この第2の面に対向するように前記接着性接合が配置され、前記第1の部分は、前記接着性接合のおかげで密封され絶縁された形態で前記カップを閉じる
ことを特徴とする電池。
【請求項9】
前記カップ(2)は、側壁(2b)が上にある底部(2a)を有し、
前記側壁(2b)は、リム(2c)を端としており、前記リム(2c)は、前記止めを少なくとも部分的に形成しており、
前記溶接接合(5)が、前記底部(2a)と前記側壁(2b)の間の接合部に位置している
ことを特徴とする請求項8に記載の電池。
【請求項10】
前記カップ(2)は、側壁(2b)が上にある底部(2a)を有し、
前記側壁(2b)は、リム(2c)を端としており、前記リム(2c)は、前記止めを少なくとも部分的に形成しており、
前記溶接接合(5)が、前記側壁(2b)に位置している
ことを特徴とする請求項8に記載の電池。
【請求項11】
前記カップ(2)は、側壁(2b)が上にある底部(2a)を有し、
前記側壁(2b)は、リム(2c)を端としており、前記リム(2c)は、前記止めを少なくとも部分的に形成しており、
前記溶接接合(5)が、前記側壁(2b)と前記リム(2c)の間の接合部に位置している
ことを特徴とする請求項8に記載の電池。
【請求項12】
前記カップ(2)の前記第1の部分(3)と前記側壁(2b)は、重なり合っていない
ことを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の電池。
【請求項13】
前記接着性接合(4)は、この接着性接合の接着剤に組み入れられたスペーサー(9)を有する
ことを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の電池。
【請求項14】
前記接着性接合(4)は、前記第1の面と前記第2の面(3a、6a)に固定された2つのシリカ層(10)の間に挿入される
ことを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の電池。
【請求項15】
前記接着性接合(4)は、前記第1の面と前記第2の面に化学的に連結され、又は適宜、前記第1の面と前記第2の面の上に接着プロモーター層(11)を介して堆積されたシリカ層(10)に化学的に連結される
ことを特徴とする請求項8〜14のいずれかに記載の電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池、特に、ボタンセル電池を製造する方法に関する。また、本発明は、前記製造方法によって得られる電池に関する。
【背景技術】
【0002】
ボタンセル電池は、一般的には、当該電池の正極と負極をそれぞれ形成するカップと蓋を備えるケーシングを有する。伝統的に、ボタンセル電池は、カップと蓋の間に位置するあらかじめ成形されたエラストマーシールで密封される。このエラストマーシールは、二極の間をガルヴァニック絶縁し、当該電池内に収容される電解質と外部環境の間の隔壁を形成する。このようなアセンブリーは、例えば、英国特許GB1566061に開示されている。
【0003】
このアセンブリーは、あらかじめクリンプ成形されたシールを備え、これは大きな空間を占めて電池の活性体積を小さくしてしまうという短所がある。また、このアセンブリーには、カップの上側部分を蓋上に折り曲げてエラストマーシールを圧縮して、ボタンセル電池が密封状態で閉じていることを確実にするステップが必要である。
【0004】
シール接合部が占める空間を小さくするために、あらかじめ成形されたエラストマーシールの代わりに接着性接合を用いることは有望な手法であるが、これにはいくつかの技術的課題がある。実際に、組み立てられる面に接着剤が適切に接着することを確実にし、また、一般的には、時間が経過しても結合したアセンブリーが機械的及び化学的な耐性を有することを確実にすることが必要である。この点に関して、接着剤の選択及びケーシングの二極が組み立てられるときの結合手順については、特に注意を払われなければならない。当業者は、特に、ケーシングにおける活性物質の内部に配置されるセパレーターに対する損傷を回避するために硬化温度が低い接着剤を選ぶであろう。したがって、硬化温度が70℃を超えないことが推奨される。このことによって、当該アセンブリーが最良の機械的及び化学的な耐性を有することを確実にするために最も適した接着剤を選ぶ機会が制限されてしまう。そして、ケーシングが結合によって密封されるときに、一般的にはケーシングの内側に存在する電解質によって接着剤や結合面を汚染しないようにするために、特に注意しなければならない。このことによって、結合面に対する接着剤の接着性を損ない、その結果、当該アセンブリーの機械的耐性を損なうであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明によって、電池を製造する新規な方法を提案して、活性体積を大きくし電池の二極が結合したアセンブリーの特性を改善させる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このために、添付の請求の範囲に記載の製造方法及び電池を提案する。
【0007】
本発明は、少なくとも以下の第1の部分、第2の部分及び第3の部分である3つの部分を組み立てることによって電池のケーシングを製造することを提案するものである。第1の部分は、電池の1つの極を形成するようにはたらき、第2の部分と第3の部分は、電池の他の極をともに形成するように構成している。主な実施形態において、第2の部分と第3の部分は、組み立てられた後に電池カップを形成し、この電池カップは、第1の部分によって密封された形態で閉じられる。
【0008】
特に、当該組み立ては、2つの段階にて実行される。第1の段階において、第1の部分と第2の部分の間に接着性接合を有する構造を、この構造を液体の活性物質で少しでも充填する前に、そして好ましい変形態様においては、この構造を固体の活性物質で少しでも充填する前に、形成するように、第1の部分と第2の部分が組み立てられる。接着性接合は、第1の部分と第2の部分を電気的に絶縁するように構成している。したがって、このことによって、接着剤又は結合させる2つの面を電解質で汚染しないようにすることができる。また、結合の後に活性物質を加えることには、高い硬化温度を必要とする接着剤も選択できるようにすることができるという利点がある。第2の段階において、当該構造及び/又は第3の部分を少なくとも用意された固体の活性物質で充填した後で、ケーシングは、第3の部分と構造の間を溶接することによって閉じられる。
【0009】
本発明に係る製造方法の重要な特徴の1つは、内部に超過圧力が発生した場合に、引っ張りではなく主として圧縮が行われるようにはたらくように接着性接合が構成されることである。このために、第1の部分、第2の部分及び第3の部分は、第1の結合面を少なくとも部分的に定める第1の部分の第1の部分及び第2の結合面を少なくとも部分的に定める第2の部分の第2の部分が、一方が他方に対向するように構成しており当該電池の2つの極の全体アライメントによって定められる前記ケーシングの全体軸に平行ではない幾何学的な面内に延在しているように、形成され組み立てられ、第2の部分と第3の部分は、第1の部分に対する前記全体軸の方向の止めを前記第2の部分が形成するように、カップをともに形成するように互いに溶接され、第1の部分は、止めの箇所においてカップ内にて止めよりも内側に位置しており、第1の部分は、接着性接合のおかげで密封した形態でカップを閉じる。カップの内面に第2の面があり、この第2の面に対向するように接着性接合が配置され、このようにして、第1の部分の結合面がカップの内側に配置される。このようにして、接着性接合は、電池ケーシングの内側における内圧の影響の下で、引っ張りや剪断ではなく、主として圧縮によって応力を与えられる。この設計の結果、接着性接合がカップの外側に位置するようなアセンブリーとは異なり、圧力が上昇するにしたがって接着性接合の接着性が改善する。
【0010】
本発明に係る2つの段階の組み立て方法によって、カップの内側に接着性接合がある構成が容易になる。実際に、ケーシングの様々な部分を具体的に設計し大きさを決めることによって、フランジを用いたりクリンプ状にしたりせずに、このような構成を得ることができる。特に、好ましい実装例によると、第2の部分は、一方の側の開口と他方の側の前記止めの間の高さ全体にわたって、ケーシングの全体軸に対して、最小限の内側の断面を有し、この最小限の内側の断面は、全体軸を横断する平面上への射影において、第1の部分の対応する寸法構成よりも大きいように構成している寸法構成を有する。結合するステップにおいて、第1の部分は、前記開口を通して第2の部分へと挿入され、第1の部分は、第1の部分と第2の部分の間に位置する接着剤層によって第1の部分が第2の部分に組み立てられるまで、実質的に全体軸に沿って動かされ、その後に接着性接合が形成される。
【0011】
なお、得られる溶接接合の品質については、溶接時に電解質が存在していても特に問題が発生しないことには留意すべきである。このことは、高々、溶接領域の美的外観に影響を与えることがあるだけである。その場合であっても、単純な最終的な洗浄ステップによって、この潜在的な問題を克服することができる。したがって、溶接が行われる際に、溶接のために第3の部分を配置するときに(一般的には、ケーシングが閉じているときには活性物質には圧力が与えられる)、電解質が少しオーバーフローしていてもいずれも燃える。
【0012】
本発明に係る電池の製造方法のおかげで、機械的及び化学的な耐性のために適しているような接着剤を選択して、硬化の前に接着剤を劣化させてしまうリスクがなく、そして特に、結合によって組み立てられた2つの部分の結合面の汚染を回避して、完全に清潔な環境で接合を行うことができる。
【0013】
添付の図面を参照しながら本発明について以下に詳細に説明する。これは、例として与えられるものであり、これに制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1a、1b及び1cは、本発明に係る電池の製造方法のいくつかの順次的なステップを示す断面図である。
図2図2〜4は、本発明に係る製造方法によって得られた電池ケーシングのいくつかの変形態様の断面図である。これらの異なる変形態様は、ケーシングの上側部分の幾何学的構成において異なり、したがって、接着性接合の幾何学的構成において異なる。また、図2において、接着性接合は、好ましいことに、スペーサーを有する。
図3】本発明に係る製造方法によって得られた電池ケーシングの変形態様の断面図である。
図4】本発明に係る製造方法によって得られた電池ケーシングの変形態様の断面図である。
図5】溶接接合がカップ上の異なる箇所に位置するような図3の変形態様を示している。
図6】溶接接合がカップ上の異なる箇所に位置するような図1cの変形態様を示している。
図7】好ましい変形態様にしたがって結合の前にアセンブリーの面上に堆積されることがあるいくつかの異なる層を示している概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、電池、特に、ボタンセル電池、を製造する方法に関し、この電池は、少なくとも3つの部分で開始して結合及び溶接によって組み立てられる。
【0016】
図1cに示すように、この製造方法によって得られるボタンセル電池は、とりわけ、電池の陽極を定めカップ2によって形成される金属ケーシング1と、及び電池の陰極を定めカップを閉じるクロージャー部分3とを有する。本発明によると、接着性接合4によってクロージャー部分とカップの間の接続が設けられ、また、溶接又ははんだ5によって、カップを形成する少なくとも2つの部分の間の接続が設けられる。ここで、材料が追加されていても追加されていなくてもよい。以下、この接続を「溶接接合」と呼ぶ。また、本発明によると、カップ2の内面上に接着性接合が設けられ、カップ2上の異なる箇所に溶接接合が設けられる。例えば、接着性接合は、カップ2の底部2aと側壁2bの間の接合部において(図1c)、側壁2bの変えられる高さの位置において(図5)、又はカップ2の側壁2bとリム2cの間の接合における接着性接合4において(図6)、位置することができる。
【0017】
本発明によると、接着性接合4は、向きが二極によって定められる電池の全体軸12と平行ではない面内に延在する少なくとも1つの部分4aによって形成される。ここで、この全体軸は、電池の中心軸を定めている。このことは、電池の大部分が円筒状であるような容器構造を有するような特定の場合において、接着性接合が非円筒状の形の部分を有することを意味している。この接着性接合の部分には、ケーシング内に超過圧力が発生すると、好ましいことに、圧縮応力がはたらき、このことによって、接着性接合が適切な機械的耐性を有することが確実になる。図1、2及び6に与えた例において、部分4aは全体軸12に垂直であり、図3及び4の例においては、部分4aは、全体軸12に対して傾いており、これによって、切頭状の面を形成している。全体軸12に平行ではない部分4aに加えて、変形態様の1つでは、接着性接合4は、全体軸と平行な部分4bを有することができる(図2及び4)。
【0018】
ケーシングを得るために、本発明に係る製造方法は、下で説明するいくつかのステップを有する。少なくとも3つの部分が用意される。第1の部分3は、カップのクロージャー要素を形成するために用意される。本発明の範囲内において、この第1の部分の結合面は、カップ2によって定められる全体体積内に位置するが、それにもかかわらず、この第1の部分3を「蓋」とも呼ぶ。この第1の部分3は、全体軸12に対して平行ではない面内に延在している結合面3aを有する。
【0019】
第2の部分6と第3の部分7は、溶接の後にケーシングのカップ2を形成するように意図されている。これらの部分の幾何学的構成は、所望のケーシングの形状に応じて異なる。図示した例において、ケーシングの容器構造の大部分は円筒状であるが、他の幾何学的構成(三角形、長方形のもの)も容易に達成可能である。この点に関して、本発明に係る製造方法は、側方に縁部があるケースの製造に非常に適している。実際に、クリンプ状のエラストマーシールとは異なり、接着性接合又は溶接接合は、これらの側方の縁部に近い領域においてシーリングの問題を発生させない。第2の部分は、第1の部分の結合面3aに対して合致した形、すなわち、全体軸12に対して平行ではない面内に延在している形、の結合面6aを有する。この結合面6aは、第2の部分6の内面上に位置しており、あるいは第2の部分6が平坦な場合(図6)には第3の部分に溶接された後にカップの内面を定めるように意図された面上に位置している。第2の部分6は、カップのリム2cを形成するように意図されており、また、変形態様によっては、カップの側壁2bのすべて又は一部を形成するように意図されている。ケーシングが組み立てられた後に、第3の部分7は、カップの底部2aを形成するように意図されており、また、変形態様によっては、カップの側壁2bのすべて又は一部を形成するように意図されている。
【0020】
図1aに概略的に示した第1のステップにおいて、第1の部分と第2の部分を互いに結合させる。特に、第1の部分3の面3aは、第2の部分6の面6aに結合させることによって組み立てられる。これは、第2の部分6にある開口を通して第1の部分を第2の部分内に挿入することによって行われる。この開口は、製造の後にケーシングの底部を定めるように意図された側に位置する。このステップを実行するために、第2の部分6は、底部側の開口と第1の部分に対する止めとの間の第2の部分6の高さ全体にわたって、組み立てられたケーシングの二極のアラインメントの全体軸を定める第2の部分6の全体軸を中心とする最小限の内側の断面があるように構成している。この止めは、第2の部分の部分2cによって形成され、これは、カップの内側の方に曲がっており、結合面6aを定める。前記最小限の内側の断面は、全体軸を横断する平面上への射影において、第1の部分の対応する寸法構成よりも大きいように構成している寸法構成を有する。このことは、丸形の電池の場合には、第2の部分の内径が第1の部分の直径よりも大きいように構成していることを意味している。したがって、長方形の電池の場合、第2の部分の内側の幅及び長さはそれぞれ、第1の部分の幅及び長さよりも大きい。このように、結合させるステップにおいて、第1の部分は、最大の寸法構成を有する第1の開口を通り抜けて第2の部分内に挿入され、より小さな寸法構成を有する第2の開口の方向に、第1の部分と第2の部分の間に位置する接着剤層によって第1の部分が第2の部分に接続されるまで、実質的に全体軸に沿って動く。この接着剤層は、硬化すると、電池の二極の堅固なアセンブリーと電池の二極の間のガルヴァニック絶縁を確実にする接着性接合を形成する。
【0021】
得られる構造においては、第1の部分と第2の部分が接着性接合4によって組み立てられており、下で説明する溶接ステップの前に、活性物質を受けることができる容器を形成することができる(図1〜5)。
【0022】
用いる接着剤は、エポキシ、アクリレート、ポリウレタン又は他の接着剤であることができる。可能な選択肢は広い。なぜなら、本発明に係る製造方法が硬化温度に制限を課さないからである。これは、活性物質、そして、必要であればこのような活性物質のためのセパレーター、を追加する前にアセンブリーが結合されるためである。
【0023】
好ましくは、接着性接合は、実質的に一定の厚みを有する。接着性接合の厚みは、スペーサー9によって制御することができる(図2を参照)。したがって、このことによって、二極間の所望のガルヴァニック絶縁を達成するように構成している接着性接合において最小厚みがあることを確実にすることができる。「スペーサー」とは、粒子状物質やスタッドのようなシール接合部に配置される要素のセットと、織物のような連続構造との両方を意味している。スペーサーは、接着剤が堆積される前に接着剤にあらかじめ組み入れることができ、また、接着剤が堆積される前に組み立てられる面の一方又は両方の上に配置することもできる。
【0024】
接着性接合の接着性を改善させるために、接着性接合が堆積される前に、組み立てられる面を処理したり官能化したりすることができる。特に、まず、組み立てられる面に対して、シリカ被覆されたアルミナ粒子で当該面にサンドブラストすることを伴う、シリカタイゼーションとも呼ばれる反応性のサンドブラストを行うことができる。このことによって、シリカタイズ層10が堆積される。これを図7に概略的に示した。次に、随意的に、接着プロモーター11を堆積させることによって当該面を官能化することができる。接着プロモーター11は、例えば、アルコキシル官能基がシリカタイズ層10と化学結合を形成するように意図されているシラン基を含み、また、接着剤と化学的に結合させるように意図された他の官能基を含む。これらの官能基は、接着剤の種類に依存して、例えば、アミン又はアクリレート基であることができる。なお、あらかじめサンドブラストをせずに結合される面に接着プロモーターを設けることができる。
【0025】
図1bにおいて概略的に示した次のステップは、結合の後において、ケーシングを密封する前に、少なくとも固体の活性物質8を構造内に導入することを伴う。「活性物質」は、乾燥していたりペースト状であったりするアノード又はカソード材料、そして可能性としてはセパレーター、のような非液体の活性物質、及び電解質のような液体の活性物質を意味する。活性物質は、結合構造内に配置されていたり(図1〜4の構成)、第3の部分7内に配置されていたりする(図6の構成)。また、結合構造内と第3の部分内に活性物質を配置することを思い描くことができる(図5)。
【0026】
次に、第3のステップにおいて、ケーシングは、結合構造と、ケーシングの底部を定めるように意図された第3の部分7との間を溶接することによって仕上げられる。この第3の部分7は、第1の部分を挿入するために用いられた第2の部分にある穴の縁部に対向するように配置される。溶接は、充填材を追加して行うことができ、追加しなくても行うことができる。異なる種類の溶接(超音波、鑞付など)も思い描くことができる。レーザー溶接が好ましい。これには、ケーシングや活性物質の強さを犠牲にしてしまうリスクなしで急速に消散するような非常に局所的で大きな熱源を与えることができるという利点がある。
【0027】
異なる変形態様において、カップ上の異なる箇所に溶接接合5を配置することができる。カップの側壁2bとリム2cの間に位置する溶接接合を備える設計(図6)は有利である。なぜなら、溶接に応力をまったく与えずにカップの底部と側方部分の間の導電性を確実にすることができるからである。また、このアセンブリーには、実現が容易であるという利点がある。
【0028】
最後に、本発明に係る方法を、結合させるステップと溶接するステップの間にて行われる活性物質のすべてを充填するステップを用いて説明したことに留意すべきである。組み立てられる面を汚さずに接着剤を汚染しないようにするために結合させるステップの後に導入されなければならないのは、主として液体の活性物質、すなわち、電解質、であることを強調することは重要である。したがって、蓋を結合させるステップの前に、乾燥していたりペースト状であったりするアノード材料を導入することを思い描くことができる。したがって、接着性の硬化温度が過剰に高くないことを確実にしつつ、セパレーター8aを適所に保持するために硬化させる前に、セパレーター8aを接着性接合4の下側部分に配置することを思い描くことができる(図2)。同様に、本発明は、カップ又は蓋に形成されたオリフィスを介してアセンブリーを溶接した後に、電解質を導入することを排除していない。このオリフィスは、好ましくは、溶接によって、その後で閉じられる。
【符号の説明】
【0029】
(1) ケーシング
(2) カップ
(2a) 底部
(2b) 側壁
(2c) リム:カップの内側の方に曲げられている
(3) 蓋又は第1の部分
(3a) 結合面
(4) 接着性接合
(4a) 全体軸と平行でない部分
(4b) 全体軸と平行な部分
(5) 溶接接合
(6) 第2の部分
(6a) 結合面
(7) 第3の部分
(8) 活性物質
(8a) セパレーター
(9) スペーサー:接着性接合に組み入れられている
(10) シリカ層
(11) 接着プロモーター層
(12) ケーシングの中心軸と一致するケーシングの全体軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7