【解決手段】状況によっては、微細加工されたコイルはインターリーブされたコイル100を含む。状況によっては、インターリーブされたコイル101、103の対が、互いに対して積み重ねられ、絶縁材料によって分離される。状況によっては、インターリーブされたコイル100はS字形状を有する。
前記第2のインターリーブされたコイルの対が、前記第1のインターリーブされたコイルの対が上に配置された前記基板の表面に実質的に垂直な方向に沿って、前記第1のインターリーブされたコイルの対と実質的に整列している、請求項1に記載の微細加工されたコイル構造体。
前記第1のインターリーブされたコイルの対のコイルが、前記基板の表面に実質的に平行な第1の単一のメタライゼーション層の部分を表す、請求項1に記載の微細加工されたコイル構造体。
前記第2のインターリーブされたコイルの対のコイルが、前記基板の表面に実質的に平行な第2の単一のメタライゼーション層の部分を表す、請求項3に記載の微細加工されたコイル構造体。
前記第1のインターリーブされたコイルの対が、第1のコイルと、前記第1のコイルと同じ方向に巻かれた第2のコイルと、を備え、前記第1のコイルの端子が、前記第2のコイルの端子に電気的に接続される、請求項1に記載の微細加工されたコイル構造体。
前記第1のインターリーブされたコイルの対が、第1のインターリーブされたSコイルの対であり、前記第2のインターリーブされたコイルの対が、第2のインターリーブされたSコイルの対である、請求項1に記載の微細加工されたコイル構造体。
前記第1および第2のインターリーブされたSコイルの対の各々の対が、第1および第2のSコイルを備え、前記第2のインターリーブされたSコイルの対の前記第1および第2のSコイルが、それぞれ、前記第1のインターリーブされたコイルの対の前記第1および第2のコイルと実質的に整列している、請求項8に記載の微細加工されたコイル構造体。
前記第1のインターリーブされたコイルの対が、第1および第2のインターリーブされたコイルを備え、前記第2のインターリーブされたコイルの対が、第3および第4のインターリーブされたコイルを備え、前記第1および第2のコイルを加工することが、前記基板の表面に実質的に平行な第1のメタライゼーション層をエッチングすることを含み、前記第3および第4のコイルを加工することが、前記基板の前記表面に実質的に平行な第2のメタライゼーション層をエッチングすることを含む、請求項17に記載の方法。
前記第1のコイルの端子を前記第2のコイルの端子に接続することと、前記第3のコイルの端子を前記第4のコイルの端子に接続することと、をさらに含む、請求項18に記載の方法。
前記第3のコイルが、前記基板の表面に実質的に垂直な方向に沿って前記第1のコイルと実質的に整列し、前記第4のコイルが、前記方向に沿って前記第2のコイルと実質的に整列する、請求項17に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】
図1Aは、いくつかの非限定的な実施形態による、微細加工されて積み重ねられた、インターリーブされたコイルを示す概略図である。
【
図1B】
図1Bは、いくつかの非限定的な実施形態による、1B−1Bに沿った
図1Aの微細加工されて積み重ねられた、インターリーブされたコイルの断面図である。
【
図1C】
図1Cは、いくつかの非限定的な実施形態による、
図1Aの1対の微細加工されて積み重ねられた、インターリーブされたコイルの平面図である。
【
図1D】
図1Dは、
図1Aの微細加工されて積み重ねられた、インターリーブされたコイルの等価回路である。
【
図1E】
図1Eは、いくつかの非限定的な実施形態による、
図1Aおよび
図1Bの微細加工されて積み重ねられた、インターリーブされたコイルの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図2A】
図2Aは、いくつかの非限定的な実施形態による、1対の微細加工されてインターリーブされたSコイルを示す概略図である。
【
図2C】
図2Cは、いくつかの非限定的な実施形態による、1対の微細加工されてインターリーブされたSコイルの代替レイアウトを示す概略図である。
【
図2E】
図2Eは、いくつかの非限定的な実施形態による、ボンドパッド配列を有する
図2AのインターリーブされたSコイルのレイアウト図である。
【
図2F】
図2Fは、いくつかの非限定的な実施形態による、ボンドパッド配列を有する
図2CのインターリーブされたSコイルのレイアウト図である。
【
図2G】
図2Gは、いくつかの非限定的な実施形態による、ボンドパッド配列を有するインターリーブされたSコイルの代替レイアウトのレイアウト図である。
【
図2H】
図2Hは、いくつかの非限定的な実施形態による、N型トランジスタによって駆動される
図2AのインターリーブされたSコイルを示す概略図である。
【
図2I】
図2Iは、いくつかの非限定的な実施形態による、P型トランジスタによって駆動される
図2AのインターリーブされたSコイルを示す概略図である。
【
図3A】
図3Aは、いくつかの非限定的な実施形態による、微細加工されて積み重ねられた、インターリーブされたコイルを示す概略図である。
【
図3B】
図3Bは、
図3Aの微細加工されて積み重ねられた、インターリーブされたコイルの等価回路である。
【
図4】
図4は、いくつかの非限定的な実施形態による、本明細書に記載される、積み重ねられてインターリーブされたコイルの製造方法を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、いくつかの非限定的な実施形態による、本明細書に記載される、微細加工されて積み重ねられた、インターリーブされたコイルを使用する回路である。
【
図6】
図6は、いくつかの非限定的な実施形態による、
図5の回路を含むシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本出願の態様は、他の装置の中でもガルバニックアイソレータ回路で使用され得る微細加工されたコイルを提供する。微細加工されたコイルは、インターリーブされたコイルを含む。状況によっては、インターリーブされたコイルの対が互いに対して積み重ねられ、絶縁材料によって分離される。状況によっては、インターリーブされたコイルはS字形状を有する。本明細書に記載の微細加工されたコイルを組み込んだ回路は、改善された雑音耐性および電力消費を示すことができ、代替コイル構造を組み込んだ回路よりも小さくすることができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、積み重ねられた、微細加工されてインターリーブされたコイルの対が提供される。2つのコイルをインターリーブすることによって、1対のインターリーブされたコイルを形成することができる。2つのコイルは、微細加工された構造体の共通金属層から形成することができる。いくつかの実施形態では、2対のインターリーブされたコイルを、互いに近接して位置付けすることができるが、ガルバニック絶縁を提供するために絶縁層によって分離することができる。例えば、第1のインターリーブされたコイルの対は、基板上の絶縁層によって、微細加工された構造体の第2のインターリーブされたコイルの対から垂直に分離されてもよい。インターリーブされたコイルの1対は、第1の電圧領域で動作され、他のインターリーブされたコイルの対は、第2の電圧領域で動作することができる。ガルバニック絶縁を維持しながら、データおよび/または電力信号をインターリーブされたコイルの対の間で転送することができる。ステークされたインターリーブされたコイルの対は、近接場外乱に対する感受性の低下を含む有益な動作特性を提供することができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、1対のインターリーブされたコイルは、2つの「S」コイルをインターリーブすることによって形成することができる。Sコイルは、巻線またはトレースがS字状の構成をとるコイルであり、コイルの一部が、一方向(例えば時計回り)に巻かれ、同じコイルの一部が反対方向(例えば、反時計回り)に巻かれる。2つの平坦なSコイルは、微細加工された構造体の共通金属層から形成することができる。2つのSコイルは、4つの端部(例えば、接点として機能するボンドパッド)を提供することができる。このインターリーブされた構造体は、「SS」コイルと呼ぶことができる。SS構成は、一方向に巻かれたコイルの一部によって誘起された磁束が、コイルの表面を逃げる可能性のある磁束を収容するために反対方向に巻かれたコイルの部分に戻るように強制することができる。任意選択で、SSコイルは、センタータップを提供するように接続され、センタータップは、共通モード電圧電位によって引き起こされる変位電流を供給またはシンクするために電源レールに束縛され得る。「SS」コイルは、低減された直接遠磁場放射、より一般的には、近磁場および遠磁場の両方の外乱を含む外磁場に対する感受性の低下を含む有益な動作特性を提供することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、積み重ねられたSSコイルが提供される。ガルバニック絶縁を提供するために、2つのSSコイルを絶縁層によって分離することができる。例えば、第1のSSコイルは、絶縁層によって微細加工された構造体の第2のSSコイルから垂直に分離されてもよい。これらの積み重ねられたSSコイルは、近磁場および遠磁場電磁妨害の両方に対する感受性の低下を含む有益な動作特性を提供することができる。また、好適な付加的な結合によって、振動を達成するための電力要件が低減され得る。例えば、積み重ねられたSSコイルまたは単一のSSコイルを電圧制御発振器(VCO)に適用して、放射放出を低減し、電磁干渉(EMI)に対する感受性を低下させることができる。別の例では、この構成は、ドライバ装置間に追加のエネルギー経路を提供することによって、自励式駆動回路の性能を改善することもできる。本明細書に記載された微細加工されたコイルを組み込んだ回路は、従来のコイルの巻数を増やす、または並列リンクを使用して位相変調を使用するなど、代替方法を組み込んだ回路より少ない電力と少ないチップ面積を実現することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、微細加工されたコイルは、半導体基板内に、半導体基板内に部分的に、または半導体基板上に形成することができる。例えば、トレースは、導電層からパターニングされてもよく、少なくともいくつかの実施形態では、平坦であってもよい。標準的な集積回路加工プロセスが使用されてもよい。
【0015】
上述の態様および実施形態、ならびに追加の態様および実施形態が、以下でさらに説明される。これらの態様および/または実施形態は、本出願がこの点に限定されることはないため、個々に、一緒に、または2つ以上の任意の組み合わせで使用することができる。
【0016】
上述のように、本出願の一態様は、積み重ねられた、微細加工されてインターリーブされたコイルの対を提供する。
図1Aは一例を示す。すなわち、
図1Aは、いくつかの非限定的な実施形態による、微細加工されて積み重ねられた、インターリーブされたコイル100を示す概略図である。積み重ねられてインターリーブされたコイル100は、基板114上に第1の(例えば、上部)インターリーブされたコイルの対101および第2の(例えば、下部)インターリーブされたコイルの対103を含むことができる。2対のインターリーブされたコイル101、103は、絶縁層110(
図1Bに示す)によって分離されていてもよい。上部のインターリーブされたコイルの対101は、端子Aから端子A
*の方向に巻かれた第1のコイル102と、端子Bから端子B
*にコイル102と同じ方向に巻かれた第2のコイル104と、を含むことができる。上部のインターリーブされたコイルの対の端子は、ボンディングパッドを介してアクセス可能であり得る。下部のインターリーブされたコイルの対103は、端子Cから端子C
*の方向に巻かれた第3のコイル106と、端子Dから端子D
*にコイル106と同じ方向に巻かれた第4のコイル108と、を含むことができる。下部のインターリーブされたコイルの対の端子は、ビア116を介して基板114のメタライゼーション層112に相互接続することができる。メタライゼーション層112から形成されたトレースは、下部のインターリーブされたコイルの対の端子を、ボンディングパッドに接続することができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、上部のインターリーブされたコイルの対101は、センタータップ122を含むことができる。端子A
*は、センタータップ122を介して端子Bに電気的に接続され、コイル102と104との間に相互インダクタンスを確立することができる。センタータップ122は、端子A
*およびBのためのワイヤボンディングパッドによって形成されてもよい。同様に、下部のインターリーブされたコイルの対103は、センタータップ124を含むことができる。端子C
*は、センタータップ124を介して端子Dに電気的に接続されてもよい。センタータップ124は、メタライゼーション層112のトレースまたは端子C
*およびDのためのワイヤボンディングパッドによって形成されてもよい。このようなセンタータップの使用は、代替の実施形態がセンタータップを欠いているので任意である。
【0018】
図1Bは、
図1Aの線1B−1Bに沿った、積み重ねられてインターリーブされたコイル100の断面図を示す。上部のインターリーブされたコイルの対は、絶縁層118のメタライゼーション層118Mから形成することができる。下部のインターリーブされたコイルの対は、絶縁層120のメタライゼーション層120Mから形成することができる。メタライゼーション層118Mおよび120Mは、基板114の表面115と実質的に平行であり得る。メタライゼーション層120Mは、ビア116を介してメタライゼーション層112に相互接続することができる。メタライゼーション層118M、120M、および112は、アルミニウム、銅、金、タングステン、または任意の他の好適な導電性材料、または任意の好適な組み合わせの任意の数の導電性材料で形成することができる。メタライゼーション層118M、120M、および112は、いくつかの実施形態において同じ導電材料、または異なる導電材料で形成することができる。いくつかの実施形態では、メタライゼーション層112は銅層であってもよい。メタライゼーション層112のトレース、例えばセンタータップ124は、ダマシンプロセスによって加工することができる。いくつかの実施形態では、メタライゼーション層118Mおよび120Mはアルミニウム層であってもよい。いくつかの実施形態では、メタライゼーション層118Mは金であってもよく、層120Mはアルミニウムであってもよい。第1のインターリーブされたコイルの対101は、幅wの巻線を形成するためにアルミニウム層118Mをエッチングすることによって加工することができる。第2のインターリーブされたコイルの対103は、プロセスルール、材料および設計要件によって決まる異なるピッチで同じ幅wまたは異なる幅w´を有するアルミニウム層120Mをエッチングすることによって加工することができる。幅wは、1〜20μmの範囲内、例えば、4〜8μmの範囲内であり得、これらの範囲内の任意の値を含む。代替値も可能である。2つの絶縁層118および120は、絶縁層110によって分離されてもよい。絶縁層110は、積み重ねられた、インターリーブされたコイルの対の間に電気的絶縁を提供するために、任意の好適な構造体および材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、絶縁層は、多層構造を有してもよい。例えば、例示された非限定的な例において、絶縁層110は、第1の層110Aおよび第1の層110Aの上に第2の層110Bを含むことができる。層110Aは、SiNから形成することができる。層110Bはポリイミドで形成することができる。絶縁層110の厚さは、0.25〜100ミクロンの範囲であってもよく、例えば、15〜30ミクロンであってもよく、これらの範囲内の任意の値を含む。異なる材料が使用される実施形態では、1つの層は0.5〜2ミクロンのSiNであり、他の絶縁層は15〜30ミクロンのポリイミドの複数の堆積であり、第2の層を完成させることができる。
【0019】
図1Cは、いくつかの非限定的な実施形態による、第1のインターリーブされたコイルの対101の上面図を示す。図には示されていないが、コイル102は、基板114の表面115に対して実質的に垂直な方向に沿って、第2のインターリーブされたコイルの対103のコイル106と実質的に整列されてもよい。同様に、コイル104は、同じ方向に沿ってコイル108と実質的に整列されてもよい。したがって、本出願の態様は、絶縁層によって分離された、整列して垂直に積み重ねられた、インターリーブされたコイルの対を提供する。図示の例では、コイル102および104の各々は2の巻数を有する。しかしながら、本出願はこれに限定されない。コイル102および104の各々は、任意の数の巻数、例えば、2、3、3.5、4、またはそれ以上の巻数を有することができる。また、コイル102とコイル104は、異なる巻数、例えば、コイル102に対して2の巻数、コイル104に対して2.5の巻数を有してもよい。他の構成も可能である。
【0020】
図1Aに示す例では、第2のインターリーブされたコイルの対103のコイル106および108は、第1のインターリーブされたコイルの対101のコイル102および104と同じ数の巻数を有する。しかしながら、本出願は、この点に関しては記載されていない。第2のインターリーブされたコイルの対は、第1のインターリーブされたコイルの対とは異なる巻数を有することができる。第1のインターリーブされたコイルの対の巻数と第2のインターリーブされたコイルの対の巻数の比は、意図された用途に応じて設計されてもよい。
【0021】
図1Dは、積み重ねられてインターリーブされたコイル100の等価回路である。端子A、B、C、およびDには、端子Aから端子A
*へ、端子Bから端子B
*へ、端子Cから端子C
*へ、および端子Dから端子D
*への電流の流れを示すドットで印が付けられる。結果として、インターリーブされたコイルの各々の対、ならびに上部および下部の対の間に相互インダクタンスを確立することができる。
【0022】
図1Eは、いくつかの非限定的な実施形態による、積み重ねられてインターリーブされたコイル100の動作の一例を示すフローチャートである。積み重ねられてインターリーブされたコイル100を動作させる方法150は、ステージ152において、端子Aから端子A
*を経て端子Bから端子B
*へのインターリーブされたコイルの対101に信号を印加することを含むことができる。印加される信号は、任意の好適な周波数および振幅の時変(例えば、交流(AC))信号であってもよい。状況によっては、信号は情報を運ぶデータ信号であってもよい。インターリーブされたコイルの対101に信号を印加する結果として、方法のステージ154で変化する磁界Bが発生してもよい。対応する磁束は、第2のインターリーブされたコイルの対103を通過することができる。したがって、ステージ156において、信号は、端子Cから端子C
*、次いで端子Dから端子D
*へとインターリーブされたコイルの対103の中に誘起される。しかしながら、方法150は、積み重ねられてインターリーブされたコイル100の動作の非限定的な方法を表す。
【0023】
本出願の別の態様は、積み重ねられたSSコイルと呼ぶこともできる、S字状の構成を想定した、積み重ねられた、微細加工されてインターリーブされたコイルの対を提供する。
図2Aは、いくつかの非限定的な実施形態による、微細加工されてインターリーブされたコイル201を概略的に示す。インターリーブされたコイルの対201は、第2のSコイル204によりインターリーブされた第1のSコイル202を含むことができる。端子Aで始まる第1のSコイル202は、端子A
*で終わる時計回りのコイル部分202Aおよび反時計回りのコイル部分202Bを含むことができる。端子Bで始まる第2のSコイル204は、端子B
*で終わる時計回りのコイル部分204Aと、反時計回りのコイル部分204Bと、を含むことができる。巻数は、Sコイルの2つの側で同じでなくてもよく、なぜなら、様々な選択肢が巻数に関して実装され得るからである。図示の例では、202Aおよび204Bは2の巻数を有し、202Bおよび204Aは1.5の巻数を有する。しかしながら、これらは非限定的な例である。
【0024】
図2Aに示すSSコイルの形状は、非限定的である。この図において、Sコイル202および204は、螺旋形状を有する。代替的に、Sコイルは長方形状であってもよい。S字状コイルであっても他の形状も可能である。
【0025】
図2Bは、
図2AのインターリーブされたSSコイルの等価回路である。端子Aと端子Bには、端子Aから端子A
*に、端子Bから端子B
*に電流が流れることを示すドットで印が付けられる。その結果、コイル部分202Aと204Aの間ならびにコイル部分202Bと204Bの間に相互インダクタンスを確立することができる。
【0026】
図2Cは、いくつかの非限定的な実施形態による、インターリーブされたSコイルの対205を含むSSコイルの代替レイアウトを概略的に示す。
図2Dは、SSコイル205の等価回路である。SSコイル205は、第2のSコイル208によりインターリーブされた第1のSコイル206を含むことができる。端子Aで始まる第1のSコイル206は、端子A
*で終わる時計回りのコイル部分206Aおよび反時計回りのコイル部分206Bを含むことができる。端子Bで始まる第2のSコイル208は、端子B
*で終わる時計回りのコイル部分208Aと、反時計回りのコイル部分208Bと、を含むことができる。
図2AのSSコイル205とSSコイル201の相違は、SSコイル205がSSコイル205の各々の側に等しい巻数を有するのに対し、SSコイル201は
図2Aに関連して上述したように等しくない巻数を有することである。
図2Cの非限定的な例において、コイル部分206A、206B、208A、および208Bは、各々1.75の巻数である。
【0027】
本明細書で説明されるタイプのSSコイルは、任意の好適な方法で物理的に実装されてもよい。前述のように、本明細書に記載のコイルは微細加工されてもよく、したがって、半導体基板などの好適な基板上に形成されてもよい。
図2Eは、いくつかの非限定的な実施形態による、好適なボンドパッド配列を有する
図2AのSSコイル201と一致するSSコイル211のレイアウト図である。SSコイル211は、SSコイル201を含むことができ、その端子はビア216を通ってトレース212に、次にボンドパッド230に相互接続することができる。インターリーブされたSコイル202および204は、ボンドパッド230であり得るように、メタライゼーション層220Mから形成することができる。トレース212は、メタライゼーション層220Mの平面とは異なるが実質的に平行な平面上のメタライゼーション層212Mから形成することができる。メタライゼーション層212Mおよび220Mは、コイル202および204の端子が電気的に短絡されることなく、それぞれのボンドパッドに接続されるように、絶縁層によって分離することができる。メタライゼーション層220Mは、メタライゼーション層120Mに関して先に説明したタイプのものであってもよい。メタライゼーション層212Mは、メタライゼーション層112に関して先に説明したタイプのものであってもよい。端子A、A
*、B、およびB
*のためのボンドパッドは、SSコイル201の片側で一列に整列されてもよい。
【0028】
図2Fは、いくつかの非限定的な実施形態による、適切なボンドパッド配置を有する
図2CのSSコイル205と一致するSSコイル213のレイアウト図である。
図2Fの構造体と
図2Eの構造体との間の相違は、
図2CのSSコイル205と
図2AのSSコイル201との間の前述の相違と実質的に同じである。
【0029】
図2Gは、いくつかの非限定的な実施形態による、好適なボンドパッド配置を有するSSコイル215のさらなる代替のレイアウト図である。SSコイル215は、SSコイル209を含むことができ、その端子はビア216を通ってトレース212に、次にボンドパッド230に相互接続することができる。SSコイル209は、第2のSコイル220によりインターリーブされた第1のSコイル218を含むことができる。端子Aで始まる第1のSコイル218は、端子A
*で終わる時計回りのコイル部分および反時計回りのコイル部分を含むことができる。端子Bで始まる第2のSコイル220は、端子B
*で終わる時計回りのコイル部分と、反時計回りのコイル部分と、を含むことができる。端子AおよびBのためのボンドパッドは、SSコイル209の第1の側の第1の線に整列されてもよい。端子A
*およびB
*のためのボンドパッドは、SSコイル209の第1の側に対向する第2の側の第2の線に整列されてもよい。
【0030】
図2Hは、SSコイル201が実装され得る回路250の一例を概略的に示す。すなわち、
図2Hは、いくつかの非限定的な実施形態によるSSコイル201が交差結合されたNMOSトランジスタ252aおよび252bによって駆動される回路250を示している。この回路は、電流源I1も含む。A
*とBを接続するノードには電源電圧Vddが印加される。
【0031】
図2Iは、SSコイル201を駆動するための代替回路260を概略的に示す。この非限定的な例では、SSコイル201は、いくつかの非限定的な実施形態による交差結合されたPMOSトランジスタ262aおよび262bによって駆動される。コイル202とコイル204とが直列に接続されるように、端子A
*と端子Bとの間にセンタータップを形成することができる。A
*とBとの間のこのノードは、図示のように電気的に接地することができる。
【0032】
本出願のいくつかの態様によれば、2つのSSコイルが互いに積み重ねられ、絶縁構造によって分離されている。
図3Aは、積み重ねられたSSコイル300の形態の一例を示す。積み重ねられたSSコイル300は、ガルバニック絶縁を提供するために絶縁層310(
図3B参照)によって分離された上部SSコイル301および下部SSコイル303を含むことができる。例示の簡略化のために絶縁層310は
図3Aには示されていないが、絶縁層110に関して先述したタイプのものであってもよい。上部SSコイル301は、第2のSコイル304によりインターリーブされた第1のSコイル302を含むことができる。端子Aで始まるSコイル302は、端子A
*で終わる時計回りのコイル部分302Aおよび反時計回りのコイル部分302Bを含むことができる。端子Bで始まるSコイル304は、端子B
*で終わる時計回りのコイル部分304Aと、反時計回りのコイル部分304Bと、を含むことができる。下部SSコイル303は、第4のSコイル308によりインターリーブされた第3のSコイル306を含むことができる。端子Cで始まるSコイル306は、端子C
*で終わる時計回りのコイル部分306Aと、反時計回りのコイル部分306Bと、を含むことができる。端子Dで始まるSコイル308は、端子D
*で終わる時計回りのコイル部分308Aと、反時計回りのコイル部分308Bと、を含むことができる。いくつかの実施形態では、下部SSコイル303は、上部SSコイル301と実質的に同一であるが、代替が可能である。上部SSコイルの巻数と下部SSコイルの巻数との比は、意図される用途に応じて設計することができる。例えば、比は、0.01〜10の範囲、例えば0.5〜5、または0.8〜2の範囲であってもよい。
【0033】
積み重ねられたSSコイル300は、半導体基板314内に、半導体基板314内に部分的に、または半導体基板314上に、形成することができる。上部SSコイル301は、標準的な集積加工プロセスの絶縁層318内の第1の単一メタライゼーション層318Mを用いて形成することができる。下部SSコイル303は、標準的な集積加工プロセスの絶縁層320内の第2のメタライゼーション層320Mを用いて形成することができる。メタライゼーション層318Mおよび320Mは、基板314の表面に実質的に平行であってもよい。絶縁層318および320は、例えば絶縁層110に関連して先に説明したタイプの絶縁層310によって分離することができる。メタライゼーション層120Mは、ビア316を介して第3のメタライゼーション層312と相互接続することができる。
【0034】
図3Bは、非限定的な実施形態による、積み重ねられたSSコイル300の等価回路である。端子A、B、C、およびDには、端子Aから端子A
*へ、端子Bから端子B
*へ、端子Cから端子C
*へ、および端子Dから端子D
*への電流の流れを示すドットで印が付けられる。結果として、各々のSSコイルの同じ側のコイル部分ならびに上部および下部SSコイルの間に相互インダクタンスを確立することができる。
【0035】
図4は、いくつかの非限定的な実施形態による、本明細書に記載される、微細加工されて積み重ねられた、インターリーブされたコイルの製造方法を示す。方法400は、第1のインターリーブされたコイルの対を加工することができるステージ402で開始することができる。インターリーブされたコイルは、インターリーブされたSコイルである少なくともいくつかの実施形態を含む、本明細書で説明されるタイプのいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、第1のインターリーブされたコイルの対は、半導体基板上の誘電体層内に加工されてもよい。
【0036】
ステージ404において、絶縁層が第1のインターリーブされたコイルの対上に形成されてもよい。例えば、絶縁層110または310を形成してもよい。前述のように、絶縁層は、いくつかの実施形態では、多層構造体を有してもよく、ガルバニック絶縁を提供するために任意の好適な材料で形成されてもよい。
【0037】
ステージ406に進むと、第2のインターリーブされたコイルの対が、絶縁層上に形成されてもよい。第2のインターリーブされたコイルの対は、本明細書で説明されるタイプのいずれかであり得る。少なくともいくつかの実施形態では、ステージ406は、第2のインターリーブされたコイルの対を、先に形成された第1のインターリーブされた対と整列させることを含む。
【0038】
図5は、いくつかの非限定的な実施形態による、本明細書に記載される、微細加工されて積み重ねられた、インターリーブされたコイルを使用する回路を示す。回路は、基板502上に形成された送信機504と、第1のインターリーブされたコイルの対506Aおよび受信機510と共に基板508上に形成された第2のインターリーブされたコイルの対506Bとを含む、本明細書に記載の微細加工されて積み重ねられた、インターリーブされたコイルによって形成された変圧器と、を含むアイソレータ500であってもよい。基板502上のボンドパッド514Aおよび514Bからのリード線512Aおよび512Bは、ドライバ出力を変圧器の1次巻線(第1のインターリーブされたコイルの対506A)に接続する。図示の例では、1次(駆動)コイルは第1のインターリーブされたコイルの対506Aであり、2次(受信)コイルは、第2のインターリーブされたコイルの対506Bである。しかしながら、本出願はこの構成に限定されるものではない。例えば、1次および2次コイルは逆転してもよく、送信機は基板508上にあってもよく、受信機は基板502上にあってもよい。いくつかの実施形態では、基板502および508は単一の基板であってもよい。リード線512Aおよび512Bは、ビアを介して接続されたメタライゼーション層によって形成することができる
【0039】
本明細書に記載のタイプのインターリーブされたコイルは、様々な設定で実装することができる。上述したように、本出願のいくつかの態様は、電気アイソレータ内にインターリーブされたコイルを使用する。電気アイソレータは、自動車またはボートや航空機などの他の車両を含む様々な設定で用途を見つけることができる。
図6は、いくつかの非限定的な実施形態による、
図5の回路500を含むシステムを示す。回路500は、自動車600の任意の好適な場所に位置してもよい。回路500は、ガルバニック絶縁を維持しながら、異なる電圧領域で動作する自動車600の回路間でデータおよび/または電力信号を転送するように構成されてもよい。なお、
図6は一例を示し、本出願の様々な態様の他の用途も可能である。
【0040】
「およそ(approximately)」、「実質的に(substantially)」および「約(about)」という用語は、いくつかの実施形態では目標値の±20%以内、いくつかの実施形態では目標値の±10%以内、いくつかの実施形態では目標値の±5%以内、いくつかの実施形態では目標値の±2%以内を意味して使用され得る。